特許第6038835号(P6038835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6038835
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】液晶媒体
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/12 20060101AFI20161128BHJP
   C09K 19/30 20060101ALI20161128BHJP
   C09K 19/34 20060101ALI20161128BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20161128BHJP
   C09K 19/32 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   C09K19/12
   C09K19/30
   C09K19/34
   G02F1/13 500
   C09K19/32
【請求項の数】34
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2014-84466(P2014-84466)
(22)【出願日】2014年4月16日
(62)【分割の表示】特願2006-138624(P2006-138624)の分割
【原出願日】2006年5月18日
(65)【公開番号】特開2014-167125(P2014-167125A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】102005023556.5
(32)【優先日】2005年5月21日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】メラニエ クラーゼンメマー
(72)【発明者】
【氏名】マチアス ブレマー
(72)【発明者】
【氏名】エルビラ モンテネグロ
【審査官】 仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/035710(WO,A1)
【文献】 特表2006−503130(JP,A)
【文献】 特開2000−053602(JP,A)
【文献】 国際公開第98/023564(WO,A1)
【文献】 特開2002−193853(JP,A)
【文献】 特開2003−286208(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第2240778(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/12
C09K 19/30
C09K 19/32
C09K 19/34
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体であって、
下記式Iで示される少なくとも1種の化合物(ただし、液晶媒体全体の中で、式Iの化合物の割合は4〜10重量%である。)と、
下記式IIIの化合物の1種または2種以上(ただし、液晶媒体全体の中で、式IIIの化合物の割合は少なくとも26重量%である。)と
を含有することを特徴とする液晶媒体。
【化1】
(式中、
11およびR12は、互いに独立して、H、または無置換、CNもしくはCFによるモノ置換またはハロゲンによる少なくともモノ置換された15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、但し、これらの基において1個または2個以上のCH基は、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化2】
、−C≡C−、−CFO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていても良く、
【化3】
は、
a)1,4−シクロヘキセニレンまたは1,4−シクロへキシレン基(ここで、1個または2個の非隣接CH基は、−O−または−S−置き換えられていてもよい)、
b)1,4−フェニレン基(ここで、1個または2個のCH基は、Nで置き換えられていてもよい)、または
c)ピペリジン−1,4−ジイル、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイルおよびフルオレン−2,7−ジイルからなる群より選ばれる基
を表し、ここで、基a)、b)およびc)はハロゲン原子によってモノ置換またはポリ置換されていてもよく、
〜Lは、互いに独立して、LからLの少なくとも2つの基がFを示すということを条件として、HまたはFを表す。)
【化4】
(式中、
31およびR32は、互いに独立して、12個までの炭素原子を有する直鎖アルキル、アルケニル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【化5】
は、
【化6】
を表す。)
【請求項2】
式Iにおいて、
【化7】
は、
【化8】
を表すことを特徴とする請求項1に記載の液晶媒体。
【請求項3】
極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体であって、
下記式Iで示される少なくとも1種の化合物(ただし、液晶媒体全体の中で、式Iの化合物の割合は少なくとも2重量%である。)と、
下記式IIIの化合物の1種または2種以上(ただし、液晶媒体全体の中で、式IIIの化合物の割合は少なくとも26重量%である。)と
を含有することを特徴とする液晶媒体。
【化9】
(式中、
11およびR12は、互いに独立して、H、または無置換、CNもしくはCFによるモノ置換またはハロゲンによる少なくともモノ置換された15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、但し、これらの基において1個または2個以上のCH基は、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化10】
、−C≡C−、−CFO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていても良く、
【化11】
を表し、
〜Lは、互いに独立して、LからLの少なくとも2つの基がFを示すということを条件として、HまたはFを表す。)
【化12】
(式中、
31およびR32は、互いに独立して、12個までの炭素原子を有する直鎖アルキル、アルケニル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【化13】
は、
【化14】
を表す。)
【請求項4】
式Iにおいて、LおよびLの少なくともいずれか一方はHであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項5】
極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体であって、
下記式Iで示される少なくとも1種の化合物と、
下記式IIIの化合物の1種または2種以上と
を含有することを特徴とする液晶媒体。
【化15】
(式中、
11およびR12は、互いに独立して、H、または無置換、CNもしくはCFによるモノ置換またはハロゲンによる少なくともモノ置換された15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、但し、これらの基において1個または2個以上のCH基は、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化16】
、−C≡C−、−CFO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていても良く、
【化17】
を表し、
〜Lは、互いに独立して、LからLの少なくとも2つの基がFを示すということを条件として、HまたはFを表す。)
【化18】
(式中、
31およびR32は、互いに独立して、12個までの炭素原子を有する直鎖アルキル、アルケニル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【化19】
は、
【化20】
を表す。)
【請求項6】
式Iにおいて、LおよびLの少なくともいずれか一方はHであることを特徴とする請求項に記載の液晶媒体。
【請求項7】
該液晶媒体は負の誘電異方性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項8】
式IIIにおいて、
【化21】
を表すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項9】
式IIIの化合物は、以下の化合物から選択されることを特徴とする請求項8に記載の液晶媒体。
【化22】
(式中、
「alkyl」は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表す。)
【請求項10】
式IIIの化合物は、式CCH−nOm、CCH−nm、CC−n−VおよびCC−n−V1の化合物から選択されることを特徴とする請求項8に記載の液晶媒体。
【化23】
(式中、
nは、1〜6の整数であり、
mは、1〜6の整数である。)
【請求項11】
式CCH−nOm、CCH−nm、CC−n−VおよびCC−n−V1から選択される化合物を2種類以上含有することを特徴とする請求項10に記載の液晶媒体。
【請求項12】
式CC−n−VおよびCC−n−V1から選択される化合物を1種類以上含有することを特徴とする請求項10に記載の液晶媒体。
【化24】
(式中、
nは、1〜6の整数であり、
mは、1〜6の整数である。)
【請求項13】
液晶媒体全体の中で、式CC−n−VおよびCC−n−V1の化合物の割合(総和)は20重量%より多いことを特徴とする請求項12に記載の液晶媒体。
【請求項14】
式CCH−nOmおよびCCH−nmから選択される化合物を1種類以上含有することを特徴とする請求項10に記載の液晶媒体。
【化25】
(式中、
nは、1〜6の整数であり、
mは、1〜6の整数である。)
【請求項15】
式CC−n−VおよびCC−n−V1から選択される化合物を1種類以上と、および
式CCH−nOmおよびCCH−nmから選択される化合物を1種類以上と
を含有することを特徴とする請求項10に記載の液晶媒体。
【請求項16】
更に、式PYP−nOmおよびPYP−n−mから選択される化合物を1種類以上含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化26】
(式中、
nは、1〜6の整数であり、
mは、1〜6の整数である。)
【請求項17】
11およびR12は、互いに独立して、H、または、無置換で15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、但し、これらの基において1個または2個以上のCH基は、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化27】
、−C≡C−、−CFO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていても良いことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項18】
11は、H、または、無置換で15個までの炭素原子を有するアルキル基であり、但し、これらの基において1個または2個以上のCH基は、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化28】
、−C≡C−、−CFO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていても良いことを特徴とする請求項17に記載の液晶媒体。
【請求項19】
11は、H、無置換で1〜6個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基、または、O原子同士が直接結合しないようにして1個または2個以上のCH基が−O−で置き換えられている無置換で1〜6個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基であることを特徴とする請求項18に記載の液晶媒体。
【請求項20】
11は、無置換で1〜6個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基であることを特徴とする請求項19に記載の液晶媒体。
【請求項21】
11は、無置換で直鎖状のエチル基またはプロピル基であることを特徴とする請求項20に記載の液晶媒体。
【請求項22】
式IIIの化合物は、式IIIa〜IIIfの化合物から選択されることを特徴とする請求項1、6または16〜21のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化29】
(式中、
「alkyl」および「alkyl」は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表し、
「alkenyl」および「alkenyl」は、互いに独立して、2〜6個の炭素原子を有する直鎖アルケニル基を表す。)
【請求項23】
式IIIの化合物は、式IIIa、IIIb、IIIeおよびIIIfの化合物から選択されることを特徴とする請求項22に記載の液晶媒体。
【請求項24】
式IIIの化合物は、IIIeおよびIIIfの化合物から選択されることを特徴とする請求項23に記載の液晶媒体。
【請求項25】
式IIIeおよびIIIfの化合物は、以下の化合物から選択されることを特徴とする請求項24に記載の液晶媒体。
【化30】
(式中、
「alkyl」は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表す。)
【請求項26】
式IIIの化合物は、IIIa、IIIbおよびIIIeの化合物から選択されることを特徴とする請求項23に記載の液晶媒体。
【請求項27】
下記式IIAおよび/またはIIBの化合物の1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化31】

(式中、
は、無置換、CNもしくはCFによるモノ置換またはハロゲンによる少なくともモノ置換された15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、但し、これらの基において1個または2個以上のCH基は、互いに独立して、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化32】
、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置き換えられていても良く
pは、1または2を表し、
vは、1から6の整数を表す。)
【請求項28】
1種類以上の式IIA(ただし、pは1である。)の化合物と、1種類以上の式IIA(ただし、pは2である。)の化合物と、1種類以上の式IIBの化合物とを含有することを特徴とする請求項27に記載の液晶媒体。
【請求項29】
式Iの化合物の1、2、3、4種またはそれより多くを含有することを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項30】
混合物全体の中で、式IIAおよび/またはIIBの化合物の割合が少なくとも20重量%であることを特徴とする請求項27〜29のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項31】
式Iの化合物は、下記式I1〜I19から選択されることを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化33】
【化34】
(式中、R11およびR12は式Iで示した意味を有する。)
【請求項32】
1種類以上の下式の化合物を更に含有することを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化35】
(式中、
36は、CH、Cまたはn−Cを表し、
qは、1または2を表し、
(F)は、FまたはHを表す。)
【請求項33】
2〜20重量%の1または2種以上の式Iの化合物、および
20〜80重量%の1または2種以上の式IIAおよび/またはIIBの化合物
からなることを特徴とする請求項27〜32のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項34】
ECB、PALC、FFSまたはIPS効果に基づくアクティブマトリックス駆動の電気光学ディスプレイであって、誘電体として請求項1〜33のいずれか1項に記載の液晶媒体を含有することを特徴とする電気光学ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶媒体、およびこの液晶媒体を含む液晶ディスプレイ、特にアクティブマトリクス駆動の電気光学ディスプレイ、とりわけECB効果に基づくアクティブマトリックス駆動ディスプレイおよびIPS(インプレーンスイッチング)ディスプレイに関する。本発明の液晶媒体は、好ましくは負の誘電異方性を有する。
【背景技術】
【0002】
電気的制御複屈折率の原理、ECB(電気制御複屈折率)効果、またはDAP(整列相の変形:deformation of aligned phases)効果は、1971年に最初に記載された(M.F.SchieckelおよびK.Fahrenschon、「Deformation of nematic liquid crystals with vertical orientation in electrical fields」, Appl. Phys. Lett. 19 (1971), 3912)。その後、J. F. カーン (J. F. Kahn、Appl. Phys. Lett. 20 (1972), 1193) およびG.ラブルニーおよびJ.ロバート (G.Labrunie and J.Robert、J. Appl. Phys. 44 (1973), 4869)による報文が発行された。
【0003】
J.ロバートおよびF.クラーク(J. Robert and F. Clerc 、SID 80 Digest Techn. Papers (1980), 30), J.ダシェーネ(J. Duchene、Displays 7 (1986), 3) およびH.シャット(H. Schad 、SID 82 Digest Techn. Papers (1982), 244)の報文では、ECB効果に基づく高情報量の表示装置に使用可能なためには、液晶相が、高い弾性定数比K/K値、高い光学異方性値Δn、−0.5以下の誘電異方性Δε値を有していなければならないことが示された。ECB効果に基づく電気光学表示素子はホメオトロピックのエッジ配向を有している(VAテクノロジー=垂直配向)。誘電的に負の液晶媒体はまた、いわゆるIPS効果を使用するディスプレイ中で使うことができる。
【0004】
電気光学表示素子中でのこの効果の工業的応用のためには、LC相は時分割駆動の要求を満たさなければならない。ここで特に重要なものは、水分、空気、並びに熱、赤外線、可視および紫外領域の放射線並びに直流および交流電界などの物理的影響に対する化学的安定性である。さらに、工業的に使用できる液晶相は、適切な温度範囲の液晶メソフェーズ相と低粘度が必要である。
【0005】
現在まで開示された液晶メソフェーズを有する多数の化合物の中で、単一化合物でこれらのすべての要求を見たすものはなかった。従って、LC相として使用できる材料を得るためには、一般に、2から25種類、好ましくは3から18種類の化合物の混合物が調製される。しかし、従来は著しく負の誘電異方性および適切な長期安定性を有する液晶材料を入手できなかったので、理想的な相は、このように容易には達成できなかった。
【0006】
マトリックス型液晶ディスプレイは公知である。個々のピクセルのそれぞれのスイッチングに使用することができる非線形素子としては、アクティブ素子(つまりトランジスター)がある。この用語「アクティブマトリックス」は、2つの区別されるタイプに分けられる。
【0007】
1. 基板としてのシリコンウエハー上のMOS(金属酸化物半導体)トランジスター。
【0008】
2. 基板としてのガラス板上の薄膜トランジスター(TFT)。
【0009】
このタイプ1の場合、使用される電気光学効果は、通常、動的散乱またはゲストホスト効果である。基板材料として単結晶シリコンを使用すると、色々な部品ディスプレイのモジュール組み立てでさえ、接続部での問題が生じるので、ディスプレイ・サイズが制限される。
【0010】
好適であってより有望なタイプ2の場合には、通常TN効果が電気光学効果として使用される。ここには、区別される2つの技術がある。即ち、例えばCdSeのように、化合物半導体を含むTFTと、多結晶かアモルファスシリコンに基づいたTFTである。後者の技術に関して、集中的な研究が世界的に行われている。
【0011】
TFTマトリックスは、ディスプレイの1つのガラス板の内面に形成され、もう一方のガラス板は、内面に透明な対向電極を有する。ピクセル電極のサイズと比較して、TFTは非常に小さく、事実上、画像に対する悪影響はない。この技術は、フルカラー表示可能なディスプレイにも適用できる。そこでは、フィルタ素子がスイッチング可能なピクセルの各々に対向するように、赤、緑および青フィルターのモザイクが配置される。
【0012】
現在までに開示されたTFTディスプレイは、通常、透過光に対してクロスした偏光板を備えたTNセルで作動し、背面から照らされる。
【0013】
ここで用語MLCは、集積非線形素子を備えたどのようなマトリックスディスプレイも含む。即ち、アクティブマトリックスに加えて、バリスターやダイオード(MIM=metal−insulator−metal)のような受動素子を備えたディスプレイも含む。
【0014】
このタイプのMLCディスプレイは、特にテレビ用途(例えばポケット・テレビ)、またはコンピュータ用(ラップトップ)および自動車もしくは航空機内で使用される高度情報表示装置用途に適している。コントラストの角度依存性と応答時間の問題に加えて、MLCディスプレイにおいては、液晶混合物の不十分な比抵抗に起因する問題がある(TOGASHI, S., SEKIGUCHI, K., TANABE, H., YAMAMOTO, E., SORIMACHI, K., TAJIMA, E., WATANABE, H., SHIMIZU, H., Proc. Eurodisplay 84, Sept. 1984: A 210‐288 Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings, p. 141 ff, Paris;および STROMER, M., Proc. Eurodisplay 84, Sept. 1984: Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays, p.145 ff, Paris)。抵抗が低下するほど、MLCディスプレイのコントラストが劣化する。液晶混合物の比抵抗は、ディスプレイの内部表面との相互作用のために、一般に、MLCディスプレイの寿命の全体に渡って低下するので、長期にわたり許容される抵抗値を有さなければならないディスプレイにとっては、高い(初期)抵抗を有することが非常に重要である。
【0015】
現在までに開示されたMLC−TNディスプレイの不利益は、これらのディスプレイにおいて、コントラストが比較的低いこと、視野角度依存性が比較的大きいこと、および中間調の表現が困難であることに起因している。
【0016】
したがって、非常に高い比抵抗と同時に、広い動作温度範囲、短い応答時間および低いしきい電圧を有し、それらにより色々な中間調が再現できるMLCディスプレイが、引き続き強く要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第0474062号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、モニターおよびTV用途だけではなく、携帯電話用およびナビゲーションシステム用途のMLCディスプレイであって、それらがECBまたはIPS効果に基づき、前述の不都合を有していないか、有していたとしてもより少ない程度であり、そして同時に、非常に高い比抵抗値を有するものを提供するという目的を有する。特に、それらは極端な高温および極端な低温で働く携帯電話およびナビゲーションシステム用途として保証されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
驚くべきことに、式Iの化合物の少なくとも1つを含むネマチック液晶混合物がこれらの液晶ディスプレイ素子中で使用されることにより、この目的が達成できることが見出された。
【0020】
本発明は、極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体であって、式Iの化合物の少なくとも1種を含有する液晶媒体に関する。
【0021】
【化1】
(式中、
11およびR12は、互いに独立して、H、または無置換、CNもしくはCFによるモノ置換またはハロゲンによる少なくともモノ置換された15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、但し、これらの基において1または2以上のCH基は、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【0022】
【化2】
、−C≡C−、−CFO−、−CO−O−または−O−CO−で置換されていても良く、
【0023】
【化3】
は、
a)1,4−シクロヘキセニレンまたは1,4−シクロへキシレン基(ここで、1または2個の非隣接CH基は、−O−または−S−で置換されていてもよい)、
b)1,4−フェニレン基(ここで、1または2個のCH基は、Nで置換されていてもよい)、または
c)ピペリジン−1,4−ジイル、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイルおよびフルオレン−2,7−ジイルからなる群より選ばれる基
を表し、ここで、基a)、b)およびc)はハロゲン原子によってモノ置換またはポリ置換されていてもよく、
1−6は、互いに独立して、LからLの少なくとも2つの基がFを示すということを条件として、HまたはFを表す。)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、このように式Iの化合物の少なくとも1種を含有する極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体に関する。
【0025】
本発明の混合物は、85℃以上の透明点を有する非常に広いネマチック相、容量しきい値の非常に好ましい値、電圧保持率の比較的高い値、同時に−30℃および−40℃における非常によい低温安定性、さらに加えて非常に低い回転粘度を示す。本発明の混合物は、さらに、透明点および回転粘度および高い負の誘電異方性の非常によい比率において際だっている。
【0026】
本発明の混合物のいくつかの好ましい実施形態を下に示す。
【0027】
a)式Iの中のR11および/またはR12は、好ましくは、H、6個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニルまたはアルコキシを表し;好ましくはR11およびR12が、同一または異なるアルキル基を表す。
【0028】
b)式IのR11が好ましくは次の意味を有している液晶媒体:直鎖アルキル、ビニル、1E−アルケニルまたは3−アルケニル。
もし、R11がアルケニルを表すとき、それは好ましくはCH=CH、CH−CH=CH、C−CH=CH、CH=CH−CまたはCH−CH=CH−Cである。
【0029】
c)式Iの化合物の1、2、3、4種またはそれより多く、好ましくは1または2種を含有する液晶媒体。
【0030】
d)混合物全体の中で、式Iの化合物の割合が少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも4重量%、特に好ましくは2〜20重量%である液晶媒体。
【0031】
e)式IIAおよび/またはIIBの化合物の1種または2種以上をさらに含む液晶媒体。
【0032】
【化4】
【0033】
式中、RはR11に定義されたものと同じ意味を有し、pは、1または2を表し、そしてvは、1〜6を表す。
【0034】
f)式IIIの化合物の1種または2種以上をさらに含む液晶媒体。
【0035】
【化5】
式中、R31およびR32は、互いに独立して、12個までの炭素原子を有する直鎖アルキル、アルケニル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【0036】
【化6】
は、
【0037】
【化7】
【0038】
を表す。
【0039】
g)混合物全体の中で、式IIAおよび/またはIIBの化合物の割合が少なくとも20重量%である液晶媒体。
【0040】
h)混合物全体の中で、式IIIの化合物の割合が少なくとも5重量%である液晶媒体。
【0041】
i)下記サブ式I1〜I19から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する液晶媒体。
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
特に好ましい媒体は、下記式の化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を含有する。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
j)式IIIa〜IIIfから選ばれる化合物の1種または2種以上をさらに含む液晶媒体。
【0046】
【化12】
【0047】
式中、「alkyl」および「alkyl*」は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表し、
「alkenyl」および「alkenyl*」は、互いに独立して、2〜6個の炭素原子を有する直鎖アルケニル基を表す。
【0048】
本発明の媒体は、好ましくは、式IIIa、式IIIbおよび/または式IIIeの化合物の少なくとも1種を含有する。
【0049】
好ましい媒体は、式IIIeの化合物を、20重量%より多く、好ましくは30重量%より多く、特に40重量%より多くを含む。
【0050】
式IIIeおよびIIIfの特に好ましい化合物を下に示す。
【0051】
【化13】
【0052】
k)式Iの化合物の1種または2種以上を2〜20重量%、および式IIAおよび/またはIIBの化合物の1種または2種以上を20〜80重量%を実質的に含有するかまたは、実質的にそれらからなる液晶媒体。
【0053】
l)下記式の4環の化合物の1種または2種以上をさらに含む液晶媒体。
【0054】
【化14】
【0055】
式中、RおよびRは、互いに独立して、R11に定義されたものと同じ意味を有し、wおよびxは、互いに独立して1〜6を表す。
【0056】
m)下記式の化合物の1種または2種以上をさらに含む液晶媒体。
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
式中、R13〜R32は、互いに独立して、R11に定義されたものと同じ意味を有し、zおよびmは、互いに独立して、1〜6を表し、nは0、1、2または3を表す。Rは、H、CH、Cまたはn−Cを表す。
【0061】
n)下記式の化合物の1種または2種以上を、好ましくは3重量%より多く、特に5重量%以上、非常に好ましくは5〜25重量%の量にて、さらに含む液晶媒体。
【0062】
【化18】
【0063】
式中、R33はR11に定義されたものと同じ意味を有し、mは1〜6を表す。
【0064】
o)下記式の化合物の1種または2種以上をさらに含む液晶媒体。
【0065】
【化19】
【0066】
式中、Rは、1〜または2〜6個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアルコキシまたはアルケニルオキシ を表し、アルケニルは前述の意味を有する。
【0067】
p)下記式の化合物の1種または2種以上を、好ましくは3重量%より多く、特に5重量%以上、非常に好ましくは5〜25重量%の量にて、さらに含む液晶媒体。
【0068】
【化20】
【0069】
式中、R34−35は、R11に定義されたものと同じ意味を有し、R36は、CH、Cまたはn−Cを表し、qは1または2を表す。
【0070】
q)下記式の化合物の1種または2種以上を、さらに含む液晶媒体。
【0071】
【化21】
【0072】
式中、RN1からRN10は、R11に定義されたものと同じ意味を有し、混合物全体の中で、ナフチレン化合物の割合が、2〜40重量%である。
【0073】
さらに本発明は、ECB効果に基づくアクティブマトリックス駆動の電気光学ディスプレイであって、誘電体として上述の液晶媒体(特に特許請求の範囲で規定される液晶媒体)を含有することを特徴とするディスプレイに関する。
【0074】
液晶混合物は、好ましくは少なくとも60Kのネマチック相範囲および高くても30mm・s−1までの20℃における流動粘度ν20を有する。
【0075】
本発明の液晶混合物は、約−0.5から−8.0、特に約−3.0から−6.0のΔεを有する(但し、Δεは誘電異方性である。)。回転粘度γは、好ましくは200mPa・sより小さく、特に170mPa・sより小さい。
【0076】
液晶混合物の複屈折Δnは、一般には0.07から0.16の間で、好ましくは0.08から0.12の間である。
【0077】
本発明の混合物は、例えばVAN、MVA、(S)−PVAおよびASV等のすべての種類のVA−TFT用途に適している。それらは、さらに、負のΔεを備えたIPS(n−lane witching)、FFS(ringe ield witching)およびPALC用途に適している。
【0078】
本発明のディスプレイ中のネマチック液晶混合物は、一般に2つの成分AおよびBを含有し、それら自身は1または2種以上の個別の化合物からなる。
【0079】
成分Aは、著しく負の誘電異方性を有し、ネマチック相に≦−0.5の誘電異方性を与える。それは好ましくは式I、IIAおよび/またはIIBの化合物を含有する。
【0080】
成分Aの割合は、好ましくは45から100%の間であり、特に60から100%の間である。
【0081】
成分Aについては、≦−0.8のΔεの値を有する1(または2以上)の個別の化合物が好ましく選ばれる。この値は、混合物全体の中で、成分Aの割合が少ないほど、より負の値でなければならない。
【0082】
成分Bは、明確なネマトゲン性と20℃にて30mm・s−1以下、好ましくは25mm・s−1以下の流動粘度を有する。
【0083】
成分Bの中の特に好ましい個別の化合物は、20℃にて18mm・s−1以下、好ましくは12mm・s−1以下の極度の低粘度のネマチック液晶である。
【0084】
成分Bは、モノトロピック的にまたはエナンチオトロピック的にネマチックであり、スメクチック相を有さず、液晶混合物の中で、非常に低温までスメクチック相の発現を抑制することができる。例えば、もしネマトゲン性の高いいろいろな物質が、スメクチック液晶混合物に添加されるとすると、達成されるスメクチック相抑制の程度を通して、これらの物質のネマトゲン性が比較できる。
【0085】
多くの好ましい物質が文献から当業者に知られている。特に好ましいものは式IIIの化合物である。
【0086】
加えて、これら液晶相はまた18を超えた、好ましくは18から25の成分を含んでもよい。
【0087】
相は、式I、IIAおよび/またはIIB、任意にIIIの化合物を、好ましくは4から15種、特に5から12種を含む。
【0088】
式I、IIAおよび/またはIIBおよびIIIの化合物に加えて、その他の構成成分が、例えば混合物全体の45%まで存在していてもよいが、好ましくは35%まで、特に10%までである。
【0089】
その他の構成成分として、好ましくはネマチックまたはネマトジェニック物質から選ばれる。特に好ましくは、アゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、フェニルもしくはシクロヘキシルベンゾエート類、フェニルもしくはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボキシレート類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビス−シクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニル−もしくはシクロヘキシルジオキサン類、ハロゲン化されていてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換されたケイ皮酸エステル類から成る群から選択される。
【0090】
このタイプの液晶性相の成分として適当な最も重要な化合物は式IVによって特徴付けられる。
【0091】
−L−G−E−R10 IV
式中、LおよびEはそれぞれ、1,4−ジ置換ベンゼンおよびシクロヘキサン環、4,4’−ジ置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルシクロヘキサン環系、2,5−ジ置換ピリミジンおよび1,3−ジオキサン環、2,6−ジ置換ナフタレン、ジ−およびテトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾリンからなる群より選ばれる炭素環またはヘテロ環であり、
Gは、−CH=CH−、−N(O)=N−、−CH−CQ−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH−CH−、−CO−O−、−CH−O−、−CO−S−、−CH−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−、−CFO−、−CF=CF−、−OCF−、−OCH−、−(CH−、−(CHO−またはC−C単結合であり、
Qはハロゲン、好ましくはCl、または−CNであり、
およびR10は、炭素数18まで、好ましくは8までのアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであるが、これらの基の一つは、CN、NC、NO、NCS、CF、OCF、F、ClまたはBrを表してもよい。
【0092】
これらの化合物の大部分では、RおよびR10は互いに異なっており、これらの基の1つは通常アルキルまたはアルコキシ基である。提案されている置換基の他の異種のものも公知である。これらの物質、混合物の多くは、それ自身、商業的に入手可能である。これらすべての物質は文献公知の方法によって合成可能である。
【0093】
当業者にとっては言うまでもなく、本発明のVA、IPS、FFSまたはPALC混合物は、例えばH、N、O、ClおよびFが対応する同位体で置換されている化合物を含有してもよい。
【0094】
本発明の液晶ディスプレイの構造は、例えば、ヨーロッパ特許EP−A−0240379に記載されている従来の構成に対応する。
【0095】
下記の例は、制限することなく、本発明を説明するものである。上および下において、パーセンテージは重量パーセントである。温度はすべて摂氏で示される。
【0096】
式Iの化合物の他に、本発明の混合物は好ましくは下に示す化合物の1種または2種以上を含有する。
【0097】
次の略号を使用する(nおよびm=1〜6、z=1〜6)。
【0098】
【化22】
【0099】
【化23】
【0100】
【化24】
【0101】
【化25】
【0102】
【化26】
【0103】
【化27】
【0104】
本発明に従って使用できる液晶混合物は、それ自体公知の方法で合成される。一般に、より少ない量で使用される成分が、主要な組成を構成する成分中で、好ましくは加温されて溶解される。さらに、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール等の有機溶媒の液晶成分溶液を混合して、完全に混合した後、例えば蒸留によって溶媒を再度除去することも可能である。
【0105】
誘電体は、当業者に公知で文献記載の添加剤、例えばUV吸収剤、酸化防止剤およびフリーラジカル捕捉剤等をさらに含んでもよい。例えば0〜15%で、多色性染料、安定剤またはキラルドーパントを加えることができる。
【0106】
例えば0〜15%で多色性染料を添加することができる。さらに加えて、導電性を改良するために、導電性塩、好ましくはエチルジメチルドデシルアンモニウム4−ヘキソキシベンゾエート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートまたはクラウンエーテル(例えば Haller et al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. Volume 24, pages 249‐258 (1973)を参照のこと)を添加することができる。あるいは、誘電異方性、粘度および/またはネマチック相の配向性を変更・改良するために物質が添加されてもよい。そのような物質は、ドイツ特許DE−A2209127、2240864、2321632、2338281、2450088、2637430および2853728に記載されている。
【0107】
表Aは、本発明の混合物に添加可能なドーパントを示す。もし混合物がドーパントを含有するときは、それは0.01から4重量%、好ましくは0.1から1.0重量%の量で使用される。
【0108】
表 A
【0109】
【化28】
【0110】
【化29】
【0111】
本発明の混合物に、好ましくは0.01から10重量%の量で添加可能な安定剤およびUV吸収剤を表Bに示す。
【0112】
表 B (n=1〜12)
【0113】
【化30】
【0114】
【化31】
【0115】
【化32】
【0116】
【化33】
【0117】
次の例は、制限することなく本発明を説明することを意図するものである。上記および下記において、
は、20℃におけるしきい電圧、容量性(V)を表し、
Δnは、20℃にて589nmで測定された光学異方性を表し、
Δεは、20℃、1kHzでの誘電異方性を表し、
cp.は、透明点(℃)を表し、
γは、20℃で測定した回転粘度(mPa・s)を表し、
LTSは、テストセルの中で試験された低温安定性(ネマチック相)を表す。
【0118】
しきい電圧の測定に使用したディスプレイは、20μmギャップで離された2枚の平行外板を有しており、これら外板の内側には、液晶がその表面でホメオトロピック配向するようにSE−1211(日産化学)の配向層を有する電極層が設けられている
<混合物の例>
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】
【表5】
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【0126】
【表8】
【0127】
【表9】
【0128】
【表10】
【0129】
【表11】
【0130】
【表12】
【0131】
【表13】