(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つ又は複数の検査パラメータが、前記ウェーハ検査レシピを行うのに用いられる照明サブシステムの少なくとも1つのパラメータ、前記ウェーハ検査レシピを行うのに用いられる光検出サブシステムの少なくとも1つのパラメータ、又はこれらのいくつかの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
前記1つ又は複数の検査パラメータが、前記ウェーハ検査レシピを行うのに用いられる光検出サブシステムによって生成される出力を処理するのに用いられる1つ又は複数のパラメータを含む、請求項1に記載の方法。
前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハを検査すること、及び前記三次元表現に基づいて前記検査によって検出される前記ウェーハ上の欠陥を分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハを検査すること、及び前記三次元表現に基づいて前記検査によって検出される前記ウェーハ上の欠陥のクリティカリティを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハを検査すること、及び前記検査によって検出される前記ウェーハ上のどの欠陥が歩留まりに関連する欠陥であるかを前記三次元表現に基づいて判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記三次元表現に基づいて前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥のビニングに関する1つ又は複数のパラメータを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記三次元表現に基づいて前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥のレビューに関する1つ又は複数のパラメータを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記三次元表現に基づいて前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥の計測に関する1つ又は複数のパラメータを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記三次元表現に基づいて前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥の解析に関する1つ又は複数のパラメータを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記1つ又は複数の層が、前記ウェーハ検査レシピを用いて検査されることになる層と、前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハが検査される前に前記ウェーハ上に形成されない層とを含む、請求項1に記載の方法。
前記1つ又は複数の層が、前記ウェーハ検査レシピを用いて検査される層と、前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハが検査される前に前記ウェーハ上に形成されない層を含み、前記方法が、前記検査される層及び前記ウェーハ上に形成されない層の三次元表現に基づいて、前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥を分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記1つ又は複数の層が、前記ウェーハ検査レシピを用いて検査される層と、前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハが検査される前に前記ウェーハ上に形成されない層を含み、前記方法が、前記検査される層及び前記ウェーハ上に形成されない層の三次元表現に基づいて、前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥のクリティカリティを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記1つ又は複数の層が、前記ウェーハ検査レシピを用いて検査される層と、前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハが検査される前に前記ウェーハ上に形成されない層と、前記ウェーハ検査レシピを用いて検査される層が前記ウェーハ上に形成される前に前記ウェーハ上に形成される層とを含み、前記方法が、前記検査される層、前記ウェーハ上に形成されない層、及び前記検査される層よりも前に前記ウェーハ上に形成される層の三次元表現に基づいて、前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される前記ウェーハ上の欠陥のクリティカリティを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記1つ又は複数の層が、前記ウェーハ検査レシピを用いて検査されることになる第1の層と、前記第1の層が前記ウェーハ上に形成される前に前記ウェーハ上に形成される第2の層を含む、請求項1に記載の方法。
前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハを検査した後で前記ウェーハに対して欠陥レビュープロセスを行うこと、及び前記欠陥レビュープロセスによってレビューされる前記ウェーハ上のどの欠陥が歩留まりに関連する欠陥であるかを前記三次元表現に基づいて判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハを検査した後で前記ウェーハに対して欠陥レビュープロセスを行うこと、及び前記欠陥レビュープロセスによってレビューされる前記ウェーハ上の欠陥を前記三次元表現に基づいて分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するためのコンピュータで実施される方法をコンピュータシステムに行わせるプログラム命令を格納した一時的でないコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータで実施される方法が、
設計データに基づいてウェーハの1つ又は複数の層の三次元表現を生成することと、
前記三次元表現に基づいて前記ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定することと、
前記ウェーハ検査レシピを用いて検出される欠陥に関する二次元設計データクリップを抽出することと、
前記ウェーハ検査レシピを用いて前記ウェーハが検査されている間に、前記ウェーハ検査レシピ及び前記二次元設計データクリップを用いて収集した前記欠陥に関する出力に基づいて前記欠陥に関する三次元表現を生成することと、
を含む、一時的でないコンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、種々の修正及び代替的形態が可能であるが、その具体的な実施形態が図面に単なる例として示され、本明細書で詳細に説明される。図面は、縮尺で描かれていない場合がある。しかしながら、図面及びその詳細な説明は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図しておらず、逆に、本発明は、添付の請求項によって定義される場合の本発明の精神及び範囲内に入るすべての修正、均等物、及び代替物を含むことを意図していることを理解されたい。
【0015】
ここで図面に移ると、図面は原寸に比例していないことに注目される。特に、図面の要素のうちのいくつかの尺度は、要素の特徴を強調するために大きく誇張されている。いくつかの図面が原寸に一律に比例していないことにも注目される。同様に構成される場合がある1つよりも多い図面に示される要素は、同じ参照番号を用いて示されている。
【0016】
一般に、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、欠陥に関係する用途のためにウェーハの1つ又は複数の層の三次元(3D)表現を用いる。一実施形態は、ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するための、コンピュータで実施される方法に関係する。方法は、設計データに基づいてウェーハの1つ又は複数の層の3D表現を生成することを含む。1つ又は複数の層は、1つ又は複数のマスク層、又は能動層(単数又は複数)、ポリ層(単数又は複数)、コンタクト層(単数又は複数)、金属層(単数又は複数)などのような処理(process)層を含んでいてもよい。さらに、1つ又は複数の層は、短ループフォトレジスト、浅いトレンチ分離層(単数又は複数)などのような層(単数又は複数)を含んでいてもよい。層は、リソグラフィ、エッチング、堆積、化学機械研磨(CMP)、又はウェーハの構造を変えることができる任意の他のプロセスのような任意の適切なウェーハ製作プロセスを用いてウェーハ上に形成されてもよい。
【0017】
3D表現は、設計レイアウトファイル、並びにコンピュータ支援設計(TCAD)及びスペクトラクリティカルディメンジョン(SCD)モデリングに関する技術のような3D視覚化ツールの両方を用いて生成される3D視覚化であってもよい。3D表現は、Akiyama他の米国特許出願公開第2005/0113951号、並びにSherstyuk他の米国特許第7,131,076号及びBomholt他の第7,792,595号に記載されるようなグラフィカルシミュレーションモデル、カリフォルニア州マウンテンビューのSynopsysから市販されているTCADベースの製品のようなTCAD、又はカリフォルニア州ミルピタスのKLA−Tencorから市販されているAcuShape2製品に用いられる3D形状モデルのようなSCDモデルを用いて生成されてもよい。3D表現はまた、参照により本明細書にすべて記載されたかのように組み込まれる2008年5月28日に出願されたSteven Langeによる特許権保有者共通の米国特許出願第12/154,917号に記載のように生成されてもよい。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、SCD及びTCADツールで現在利用可能な既存の技術を活用することができる。3D表現は、本明細書にさらに記載される多くの方法で用いることができる。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、デバイスの3D性質を利用する。例えば、3D表現は、進歩した検査設定技術のような本明細書にさらに記載される多くの方法で用いることができるデバイス構造への強化された洞察を提供する。
【0018】
図1は、設計データの一例に基づくウェーハの1つの層の二次元(2D)表現を例証する。
図1に示される設計データは、デバイスを製作するのに用いられる、用いられている、又は用いられることになるあらゆる実際の設計データを表すことを意図していない。
図1に示すように、設計データは、ウェーハの1つの層上に形成されることになる異なる特徴を表す複数の多辺形を含んでいてもよい。特徴は、より短いライン10及びより長いライン12を含んでいてもよい。
図1から分かるように、層に関する種々の情報は、二次元(x及びy)の特徴の位置、二次元(x及びy)の特徴間の間隔、二次元(x及びy)の特徴の寸法などのような2D表現から判定することができる。しかしながら、
図1からまた分かるように、z方向の層に関する情報は、2D表現から判定することができない。
【0019】
対照的に、
図2は、設計データの一例に基づくウェーハの1つ又は複数の層の3D表現を例証する。
図2に示される設計データは、デバイスを製作するのに用いられる、用いられている、又は用いられることになるあらゆる実際の設計データを表すことを意図していない。
図2に示すように、設計データは、1つ又は複数の層上に形成されることになる異なる特徴を表す複数の多辺形を含んでいてもよい。層14は、ウェーハ又はウェーハの基板を表してもよい。層14上に形成される層16は、材料20の中に形成されるトレンチ18を含んでいてもよい。層18は層22の下に形成され、層22は、材料26の中に形成される種々のサイズ及び位置をもつライン24を含む。
図2から分かるように、層に関する種々の情報は、三次元(x、y、及びz)の特徴の位置、三次元(x、y、及びz)の特徴間の間隔、三次元(x、y、及びz)の特徴の寸法などのような3D表現から判定することができる。したがって、
図1と
図2の比較から分かるように、z方向の層(単数又は複数)に関する情報は、2D表現ではなく3D表現から判定することができる。
【0020】
一実施形態では、1つ又は複数の層は、ウェーハ検査レシピを用いて検査されることになる第1の層と、第1の層がウェーハ上に形成される前にウェーハ上に形成される第2の層とを含む。このように、1つ又は複数の層は、検査される層(すなわち、検査されることになる層)と、検査される層の下にある少なくとも1つの層(すなわち、検査される層よりも前にウェーハ上に形成される層)を含んでいてもよい。例えば、検査される層は、誘電体材料の中に形成されるラインの層を含んでいてもよく、下にある層は、ゲート電極層を含んでいてもよく、ゲート電極層は、それ自体は複数の材料で及び複数のプロセスにおいて形成されてもよく、検査される層よりも前にウェーハ上に及び検査される層の下に形成される。
【0021】
別の実施形態では、1つ又は複数の層は、ウェーハ検査レシピを用いて検査されることになる層と、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハが検査される前にウェーハ上に形成されない層を含む。このように、方法は、3Dシミュレーションを通じた検査、ビニング、レビューなどのような本明細書に記載の用途のために1つ又は複数の未来の設計レイアウト層を用いることを含んでいてもよい。例えば、1つ又は複数の層は、検査される層(すなわち、検査されることになる層)と、検査後に検査される層の上に形成されることになる少なくとも1つの層を含んでいてもよい。例えば、1つ又は複数の層は、検査されることになる金属1(M1)層と、M1層が検査された後でウェーハ上に形成されることになる、M1層の上に形成されることになる、及びそれ自体は複数の材料で及び複数のプロセスにおいて形成される場合がある金属2(M2)層を含んでいてもよい。さらに、それに関する3D表現が生成される1つ又は複数の層は、検査されることになる層、該層よりも前にウェーハ上に形成される少なくとも1つの層、及びウェーハ上で検査が行われる前にウェーハ上に形成されない少なくとも1つの層を含んでいてもよい。3D表現はまた、例えばユーザから受信した要求に基づいて3D表現を変更できるように、層を3D表現に追加及び/又は除去できるように生成されてもよい。こうした機能性は、ウェーハ上の個々の層の形成の3D視覚化と、層が互いにどれくらい一致するかを提供するのに用いることができる。
【0022】
方法はまた、3D表現に基づいてウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定することを含む。「レシピ」は、一般に、検査のようなプロセスを実施するための命令のセットとして定義されてもよい。ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータの判定は、ウェーハ検査レシピの少なくとも1つのパラメータに関する値を選択すること又は判定することを含んでいてもよい。「検査パラメータ」という用語は、波長(単数又は複数)、ピクセル、関心領域、速度、照明、及び集光絞り(collection aperture)などのようなインスペクタを設定するのに用いられるすべての変数を指すのに本明細書で用いられる。例えば、ウェーハ検査レシピに関するパラメータ(単数又は複数)は、ウェーハからの光に対応する出力を収集するのに用いられる検査システムのパラメータ、及び/又は出力を処理するのに用いられる検査システムのパラメータを含んでいてもよい。このように、パラメータ(単数又は複数)は、出力収集パラメータ(単数又は複数)及び/又は出力処理パラメータ(単数又は複数)を含んでいてもよい。1つのこうした例では、ウェーハ上の層及びフィルムスタックのモルフォロジに基づいてウェーハ検査パラメータ(単数又は複数)を選択するために、検査されることになるウェーハの領域を解析するのにTCADを用いることができる。ウェーハ検査レシピは、暗視野(dark field:DF)検査レシピ、明視野(bright field:BF)検査レシピ、電子ビーム(e−ビーム)検査レシピ、又はDF及びBF検査レシピであってもよい。ウェーハ検査レシピのパラメータ(単数又は複数)は、本明細書に記載のようにさらに判定されてもよい。
【0023】
この方法は、したがって、3Dベースのウェーハ検査レシピを生成することに関係する。対照的に、ウェーハ検査レシピを生成するために現在用いられる方法は、トップダウン光学イメージ又はトップダウン走査型電子顕微鏡(SEM)イメージのようなウェーハの2Dビューに基づいている場合がある。これまで、3D表現と欠陥検査方法は結びつけられていない。しかしながら、半導体デバイスの2D特徴及び垂直集積の縮小に焦点をあてると、3D視覚化は、ウェーハ検査パラメータをより良好に定義することでウェーハ検査の設定を助けることができる。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、ウェーハ検査に新しい機能及び次元を導入するのに設計レイアウト及び3D視覚化技術のような既存の技術を活用し、ウェーハ検査レシピを定義する方法を提供する。特に、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、欠陥検査、設計レイアウト、及びTCADプロセスシミュレーションツールのような3D視覚化技術といった重要なコンポーネントを用いる場合がある。さらに、TCAD及びSCDモデリングのような3D視覚化ツールを活用することで、正確さと、設計データにおける能動回路がウェーハ上にどのようにレイアウトされるかのさらなる洞察を提供することによって、ウェーハ検査パラメータを最適化することができる。このように、設計レイアウト及び3D視覚化ツールは、ウェーハ検査パラメータ設定を最適化するために併せて用いることができる。
【0024】
3D表現の生成及び1つ又は複数の検査パラメータの判定は、コンピュータシステムによって行われる。コンピュータシステムは、本明細書に記載のようにさらに構成されてもよい。
【0025】
一実施形態では、1つ又は複数の検査パラメータは、ウェーハ検査レシピを行うのに用いられる照明サブシステムの少なくとも1つのパラメータ、ウェーハ検査レシピを行うのに用いられる光検出サブシステムの少なくとも1つのパラメータ、又はこれらのいくつかの組み合わせを含む。例えば、TCADは、ウェーハ上の層及びウェーハ上のフィルムスタックのモルフォロジに基づいてウェーハ検査に用いられるべき光学系設定を選択するために、検査されるべきウェーハの領域に関する設計データを解析するのに用いることができる。さらに、3D表現(例えば、TCAD又はグラフィカルシミュレーションによって生成される)は、可能性のある照明挙動を理解することでウェーハ検査の設定を助けることができる。例えば、表面が照らされるときに、光エネルギーのうちのいくらかは吸収され、残りは反射される。種々の材料が所与のタイプの照明への異なる応答を有するので、反射されたエネルギーを、ウェーハ上の材料を識別するのに用いることができる。しかしながら、どんな材料(単数又は複数)がウェーハの表面上及び表面の下にあるかに関する情報を、(例えば、所与のタイプの照明への種々の材料の異なる応答に基づいて)欠陥の最良の検出に最も適切な光学系を定義するのに用いることができる。
【0026】
光学モード、ピクセルサイズなどのようなウェーハ検査パラメータはまた、1つ又は複数の層の3D表現に基づいて選択することができる。1つのこうした例では、3D表現に含まれる3D構造及び材料情報は、最良である可能性がある推奨される多数の検査モード(例えば、3つの最良検査モード)に用いることができる。例えば、あるいは設計データの2Dビューのような他の情報と組み合わせて、設計データの3D表現及び材料情報を用いて、DOIサイズ及び材料情報、DOIの位置/層などのようなウェーハ上の関心ある可能性のある欠陥(DOI)に関する情報を判定することができる。この情報は、次いで、これらのDOIを検出するのに最良の光学モード(単数又は複数)を判定し及び推奨するのに用いることができる。検査結果は、推奨されるモード(単数又は複数)を用いて集めることができ、結果は、最適化されたヒット率のためにビットマップと関連付けることができる。
【0027】
別の例では、可能性のある欠陥の3D表現が、検査を設定するのに用いられてもよい。例えば、欠陥のある深いトレンチ(deep trench:DT)及び欠陥のないDTの3D表現が生成されてもよい。欠陥のないDTは、ウェーハの基板の中にエッチングされるDTである場合がある。欠陥のあるDTは、ウェーハの基板の中に完全にはエッチングされないDTである場合がある。ほとんどの欠陥のあるDTは基板に類似のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)のような層と接触しているので、欠陥のあるDTと欠陥のないDTは、e−ビーム検査のような或るタイプの検査によって容易に区別することができない。したがって、DT検査の設定のために、特徴に関する断面(3D)情報を知ることは欠陥検査の設定を助ける。このように、3Dモデリングを用いれば、可能性のある欠陥の断面SEMイメージを得る必要なくより良好な戦略を立てることができる。
【0028】
照明サブシステムの1つ又は複数のパラメータは、例えば、照明の角度(単数又は複数)、照明の波長(単数又は複数)、照明の偏光(単数又は複数)、スポットサイズ、照明サブシステムに含まれる絞り(単数又は複数)、照明サブシステムに含まれる他の光学コンポーネント(単数又は複数)、及びこれらの組み合わせを含んでいてもよい。光検出サブシステムの1つ又は複数のパラメータは、例えば、集光の角度(単数又は複数)、検出の波長(単数又は複数)、検出の偏光(単数又は複数)、ピクセルサイズ、検出サブシステムに含まれる絞り(単数又は複数)、検出サブシステムに含まれる他の光学コンポーネント(単数又は複数)、及びこれらの組み合わせを含んでいてもよい。同様のパラメータ(単数又は複数)を、光に基づかないウェーハ検査システム(例えば、電子ビーム検査システム)に関して判定することができる。1つのこうした例では、層のうちの少なくとも1つに形成される特徴のアスペクト比のような3D情報を、ウェーハ検査に用いられる照明の角度(単数又は複数)及び集光の角度(単数又は複数)を判定するのに用いてもよい。特に、特徴のアスペクト比が増加するのに伴い、(公称ウェーハ表面から測定した場合の)ウェーハ検査に用いられる入射角度(単数又は複数)及び集光の角度(単数又は複数)もまた増加する可能性がある。照明サブシステム及び光検出サブシステムは、本明細書にさらに記載されるように構成されてもよい。
【0029】
別の実施形態では、1つ又は複数の検査パラメータは、ウェーハ検査レシピを行うのに用いられる光検出サブシステムによって生成される出力を処理するのに用いられる1つ又は複数のパラメータを含む。例えば、光検出サブシステムによって生成される出力は、イメージ又はイメージデータを含んでいてもよく、1つ又は複数の検査パラメータは、イメージ又はイメージデータをフィルタする、位置合わせするなどのために用いられる1つ又は複数のパラメータを含んでいてもよい。別の例では、出力は、信号を含んでいてもよく、1つ又は複数の検査パラメータは、信号をフィルタリングする、正規化する、校正するなどのために用いられる1つ又は複数のパラメータを含んでいてもよい。出力を処理するのに用いられる1つ又は複数の検査パラメータは、ウェーハ上の異なる領域に関して別々に判定されてもよい。例えば、ウェーハの1つの領域において生成された出力は、1つ又は複数の第1の検査パラメータを用いて処理されてもよく、ウェーハの別の領域において生成された出力は、1つ又は複数の第2の検査パラメータを用いて処理されてもよく、その少なくともいくつかは、第1の検査パラメータ(単数又は複数)とは異なる場合がある。光検出サブシステムは、本明細書にさらに記載されるように構成されてもよい。
【0030】
さらなる実施形態では、1つ又は複数の検査パラメータは、ウェーハ検査レシピに関する欠陥検出感度を含む。例えば、設計レイアウトを3Dビューで用いること(例えば、3D表現を生成するのにTCADを用いることによって)及びウェーハ検査パラメータを3Dビューにリンクさせることで、デバイス内のクリティカル領域及び/又はウェーハ用の検査システムによって生成される出力のノイズレベルに関する検出感度を最適化することができる。欠陥検出感度は、欠陥検出アルゴリズム及び/又は方法の1つ又は複数の検査パラメータ(例えば閾値)によって定義されてもよい。さらに、1つ又は複数の検査パラメータは、ウェーハの異なる領域に関する異なる検出感度(例えば、クリティカル領域に関するより高い感度及び非クリティカル領域に関するより低い感度)を含んでいてもよい。検出感度は、3D表現に基づいて任意の適切な方法で判定することができる。例えば、3D表現は、ウェーハ上のクリティカル領域を判定するのに用いることができ、次いで、これらのクリティカル領域のクリティカリティに基づいて欠陥検出感度を判定することができる。別の例では、3D表現は、ウェーハに関して生成されることになる検査システムの出力の期待されるノイズレベルを判定するのに用いることができ、期待されるノイズレベルは、欠陥検出感度を判定するのに用いることができる。
【0031】
さらなる実施形態では、1つ又は複数の検査パラメータは、ウェーハ上の検査関心領域の1つ又は複数の特徴を含む。「検査関心領域」という用語は、一般に、ユーザがいくつかの理由で関心がある、したがって検査されるべきウェーハ上の領域として定義することができる。現在のところ、検査関心領域は、ウェーハ上の層に関する2D設計データに基づいて判定される場合がある。1つのこうした例では、ウェーハの1つの層に関する検査関心領域は、検査関心領域が1つの層上に形成される重要な特徴を含み、且つ層上に形成される重要でない特徴を含まないように定義されてもよい。しかしながら、1つの層上の重要でない特徴が、1つの層の下に形成される別の層の重要な特徴の上に重なっている可能性がある。したがって、層及び下にある層に関する3D表現が生成される場合に、重要な特徴の上に重要でない特徴が形成された領域が、3D表現に基づいて検査関心領域と判定されてもよい。このように、本明細書に記載のように生成された3D表現(又は視覚化)は、検査関心領域の設定中に下にある構造を識別するのに用いられてもよい。したがって、3D表現に基づけば、検査関心領域は、デバイスに関して全体としてより適切に定義される可能性があり、検査関心領域は、2Dデータに基づいて非関心領域と判定されるであろういくつかの領域を含む可能性がある。したがって、ウェーハ検査パラメータは、ウェーハの1つよりも多い層上の構造の3D特徴に基づいて選択されてもよい。前述のように検査関心領域を定義することは、デバイス機能の観点から有意義である欠陥の検出を有利に増加させる可能性がある。
【0032】
一実施形態では、1つ又は複数の検査パラメータの判定は、1つ又は複数の層を形成するのに用いられる1つ又は複数の材料に関する3D表現及び情報に基づいて行われる。このように、ウェーハ検査設定は材料情報を用いて行われてもよい。例えば、材料データと共に2D及び3Dの領域情報を用いることによって、最適化されたウェーハ検査モードを識別することができる。1つのこうした実施形態では、1つ又は複数の材料に関する情報は、計算された表面応答、反射率、又はこれらの組み合わせを含む。例えば、検査中にウェーハ上に存在することになる層の少なくとも一部を形成することになる材料の複素屈折率及び厚さのような3D材料データを、照明サブシステム、及び/又は層の該部分上の欠陥を検出するのに適切である可能性がある検出サブシステムの1つ又は複数のパラメータを判定するのに用いることができる。ウェーハ検査レシピは、任意の適切な形式(たとえば、ウェーハ検査システムが使用できるファイル形式)で生成されてもよい。
【0033】
さらなる実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いて検出される欠陥に関する2D設計データクリップを抽出すること、及びウェーハ検査レシピを用いてウェーハが検査されている間に、ウェーハ検査レシピ及び2D設計データクリップを用いて欠陥に関する収集される出力に基づいて欠陥に関する3D表現を生成することを含む。本明細書で用いられる場合の「設計データクリップ」という用語は、設計データの比較的小さい部分を指す。このように、ウェーハ検査は、3D表現をリアルタイムで生成するのに2Dクリップ抽出を用いることを含んでいてもよい。欠陥に関して抽出される2D設計データクリップは、ウェーハの1つ又は複数の層(例えば、検査される層のみ、又は検査される層と下にある層及び/又は上にある層)に関する2D設計データを含んでいてもよい。2D設計データクリップは、ウェーハに関する設計データから任意の適切な様態で抽出されてもよい。さらに、欠陥に関する収集される出力と2D設計データクリップに基づく欠陥に関する3D表現の生成は、前述したのと同じ様態で(例えば、TCADを用いて)行われてもよい。このように、欠陥に関して生成される3D表現は、欠陥3D表現が欠陥自体並びに1つ又は複数の層を三次元で例証する可能性があるという点で、本明細書に記載の他の3D表現とは異なる場合がある。欠陥のこれらの3D表現は、本明細書に記載の他のステップ(単数又は複数)(例えば、欠陥分類)のために用いることができる。
【0034】
前述の欠陥3D表現はまた、(例えば、リアルタイムだけでなく)あらゆる所望の点で生成されてもよい。いずれにしても、欠陥3D表現は、欠陥の近くのパターン情報のより大きい利用可能性を提供する。例えば、これまで、欠陥に関する3Dパターン情報は、サンプリングされる欠陥に関するSEMイメージング及びFIBデータからのみ入手可能であった。特に、ウェーハ検査は、ウェーハ上の約1,000〜1,000,000個の欠陥を検出してもよい。典型的に、これらの検出される欠陥に関して、おそらく100個のSEMイメージが生成されてもよく、10個未満の断面イメージが生成されてもよい。しかしながら、本明細書に記載の3D表現は、サンプリングされる又はサンプリングされないあらゆる欠陥に関して生成することができる。このように、動的に又は他の方法で検出される欠陥のいずれかに関するトップダウンビュー及び/又は断面イメージが生成されてもよい。したがって、トップダウンビューと断面ビューとの両方を生成し、欠陥レビューサンプリングとは無関係に利用できるようにすることができる。
【0035】
一実施形態では、三次元表現の生成が動的に行われる。例えば、3D表現及び欠陥3D表現はまた、製作ユーザが利用できるようにされる可能性がある付加的な技術的データを提供する。特に、デバイス及び欠陥断面は、典型的に、診断に関するドキュメントを通じて入手可能である。デバイスのこうしたビューは、典型的に、デバイスにおける固定された位置に関してのみ利用可能である。しかしながら、本明細書に記載の3D表現及び3D欠陥表現は、あらゆるビュー(単数又は複数)でそれに関する欠陥情報及び/又は設計データが入手可能なデバイスの事実上あらゆる位置で生成することができる。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、デバイス内の動的位置でのより良好な理解のためにデバイスが3Dビュー(単数又は複数)を通してより良好に視覚化されることを可能にする。
【0036】
一実施形態では、方法は、本明細書にさらに記載されるような任意の適切なウェーハ検査システムを用いる任意の適切な方法で行われてもよいウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査すること、及び検査によって検出されるウェーハ上の欠陥を3D表現に基づいて分類することを含む。さらなる実施形態では、1つ又は複数の層は、ウェーハ検査レシピを用いて検査される層と、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハが検査される前にウェーハ上に形成されない層とを含み、方法は、検査される層及びウェーハ上に形成されない層の3D表現に基づいて、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥を分類することを含む。例えば、未来の層(検査時にウェーハ上に形成されない層)におけるブリッジング又は開放(open)を引き起こす可能性があるニューサンス欠陥は、2Dデータ(現在の層)だけが考慮されるときにニューサンスとして分類される可能性がある。しかしながら、本明細書に記載のいくつかの実施形態を用いて、検査される層の後でウェーハ上に形成される層に関する情報を3D表現を介する現在の検査及びレビューレベルでの設計レイアウトに重ね合わせることで、未来の層に基づいてクリティカル領域上に与えられる欠陥を、次のウェーハ検査が行われる前であっても直ちに識別することができる。
【0037】
さらに、3D表現は、ウェーハ検査によって生成される欠陥に関する情報(例えば、イメージデータ、信号など)と組み合わせて、設計データに基づいて生成されてもよく、欠陥情報を組み込んでいる3D表現が欠陥を分類するのに用いられてもよい。したがって、方法は、改善された欠陥分類のために2Dベースのウェーハ検査結果と3D表現を統合してもよい。例えば、欠陥は、検査によって2Dで識別されてもよく、検査によって生成された情報を、ウェーハ上の欠陥及び1つ又は複数の層(例えば、前の層及び未来の層)の3D表現を生成するために本明細書に記載のように用いることができる。こうした3D表現は、仮想故障解析(FA)を行うのに用いられてもよい。言い換えれば、FAは、FIB又は別の断面イメージング技術によって得られる3Dイメージの代わりに欠陥の仮想3Dイメージを用いること以外は、通常行われるようにして行うことができる。したがって、ウェーハを実際に断面生成する(cross−sectioning)又は他の方法で処理することなくデバイスへの欠陥の影響を判定することができ、欠陥は、3D属性に基づいて分類することができる。このように、方法は、3Dベースの欠陥分類を含んでいてもよい。対照的に、欠陥を分類するために現在用いられる方法は、一般に、光学イメージ又はSEMイメージのような欠陥の2Dビューに基づいている。言い換えれば、これまで、3D表現と欠陥分類は結びつけられていない。
【0038】
幾つかの実施形態では、方法は、本明細書にさらに記載されるような任意の適切なウェーハ検査システムを用いて任意の適切な方法で行われてもよいウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査すること、及び検査によって検出されるウェーハ上の欠陥のクリティカリティを3D表現(例えば少なくとも3D表現)に基づいて判定すること含む。さらなる実施形態では、1つ又は複数の層は、ウェーハ検査レシピを用いて検査される層と、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハが検査される前にウェーハ上に形成されない層を含み、方法は、検査される層及びウェーハ上に形成されない層の3D表現に基づいて、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥のクリティカリティを判定することを含む。別の実施形態では、1つ又は複数の層は、ウェーハ検査レシピを用いて検査される層と、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハが検査される前にウェーハ上に形成されない層と、ウェーハ検査レシピを用いて検査される層がウェーハ上に形成される前にウェーハ上に形成される層とを含み、方法は、検査される層、ウェーハ上に形成されない層、及び検査される層よりも前にウェーハ上に形成される層の3D表現に基づいて、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥のクリティカリティを判定することを含む。例えば、検査感度に関する要件が絶えず増加するのに伴い、ニューサンス欠陥検出もまた絶えず増加する傾向にある。細線化又はショートニングのような或る欠陥のクリティカリティは、ウェーハ上の他の層(例えば、下にある層(単数又は複数)又は上にある層(単数又は複数))の理解に依存する。例えば、細線化及びラインショートニングは、一般に、多くの現在用いられるウェーハ検査プロセスによってニューサンス欠陥と考えられる。したがって、こうした欠陥は、一般に報告されず、クリティカル欠陥と確実に判定されない。しかしながら、細線化又はショートニングが、本明細書に記載の細線化又はショートニングの特徴(例えば範囲(extent))及び3D表現に基づいて判定することができるウェーハの他の層(単数又は複数)上の他の特徴へのラインの接続性に影響する場合、2D検査がこうした欠陥をニューサンスと典型的に判定することになっても、細線化又はショートニングはクリティカルである可能性がある。したがって、設計レイアウトデータの3D表現を欠陥データと組み合わせて用いることは、以前は識別できなかったクリティカル欠陥の識別を助けることができる。
【0039】
別の実施形態では、方法は、本明細書にさらに記載されるような任意の適切なウェーハ検査システムを用いて任意の適切な方法で行われてもよいウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査すること、及び検査によって検出されるウェーハ上のどの欠陥が歩留まりに関連する欠陥であるかを3D表現に基づいて判定することを含む。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、歩留まりに関連する欠陥を識別するのに設計レイアウト及び3D視覚化技術を活用する方法を提供する。例えば、本明細書に記載の3D表現並びに欠陥データを用いることによって、ウェーハ上に形成されているデバイスに対して欠陥が及ぼすことになる影響を三次元で判定することができ、これにより、製造プロセスの歩留まりに影響することになる欠陥のすべてが判定されることを可能にする。
【0040】
1つのこうした例では、ウェーハの1つの層上の類似のパターンを、異なる(例えば、下にある)層上のパターンに基づいて互いから分離することができる。さらに、ウェーハの1つの層上の異なる細線化欠陥及び/又は異なる特徴変形が、デバイスへの異なる影響をもつ可能性がある。例えば、デバイスの異なる領域におけるコンタクト又は同じ構造への欠陥の近接性は、デバイスへの様々な影響をもつ可能性がある。さらに、ラインエンドショートニングは、ニューサンスである場合があり、又は歩留まりに対する悪影響をもつ場合があり、こうした欠陥は、本明細書に記載の3D表現に基づいてニューサンス欠陥又は歩留まりに影響を及ぼす欠陥として分離される場合がある。幾つかの実施形態では、設計に基づくグループ分けは、1つのグループの中の同じパターンが形成された特徴上又はこの付近に位置する異なる欠陥を組み合わせるために単一の層(例えば検査される層)に関する情報に基づいて行われてもよい。このグループにおける欠陥は、次いで、クリティカル/非クリティカル分離のために本明細書に記載の3D表現を用いることによって分離されてもよい。設計に基づくグループ分けは、参照により本明細書にすべて記載されたかのように組み込まれる2009年8月4日に発行されたZafar他の特許権保有者共通の米国特許第7,570,796号に記載のように行うことができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥のビニングに関する1つ又は複数のパラメータを3D表現に基づいて判定することを含む。ビニングは、類似している又はデバイス性能に対して同様の影響をもつ可能性がある欠陥をグループ又はタイプに分類するプロセスである。例えば、欠陥をビニングするための1つ又は複数のパラメータを判定することは、期待されるパターンを類似のパターン間に位置する欠陥を識別するのに用いることができるように、本明細書に記載の材料情報及びシミュレーションを用いて「期待される」パターン(すなわち、ウェーハ上に形成されると期待されるパターン)を定義することを含んでいてもよい。期待されるパターンは、本明細書に記載の3D表現によって識別される下にある構造を含んでいてもよい。1つのこうした例では、クリティカルディメンジョン(critical dimension:CD)欠陥をラインエッジ粗さ(line edge roughness:LER)欠陥から分離するために、期待されるパターンを集められたデータ(SEM又はDFイメージングによって集められる)と比較することができる。欠陥をこのような様態で分離することは、アレイ領域において検出される欠陥に関して特に有利な場合がある。例えば、アレイ領域で典型的に見つかる比較的狭い間隔をおいて配置されるラインは、検査と印刷の両方が困難である。特に、アレイ領域における欠陥は、伝統的な手法を用いて見分けることが難しい。しかしながら、検査と組み合わせて3D表現が用いられる本明細書に記載のいくつかの実施形態を用いて、欠陥、CD誤差、及びLERのような検査によって検出されるイベントを識別し及び互いから分離することができる。次いで、異なるイベントを最も適切な様態で別々に処理することができる。例えば、欠陥は、レビューのためにサンプリングすることができ、CD誤差は、計測のためにサンプリングすることができ、さらなる考慮事項又は処理からラインエッジ粗さをなくす(すなわち、これらのイベントは「ビニングで除去(binned out)」することができる)又は固定することができる。さらに、設計レイアウトと3D視覚化ツールは、ビニングのための流れを生み出すために併せて用いることができる。
【0042】
このように、いくつかの実施形態は、3Dベースのビニング方法を生成することを含んでいてもよい。対照的に、ビニング方法を生成するための現在用いられる方法は、一般に、光学イメージ又はSEMイメージのようなウェーハの2Dビューに基づいている。さらに、これまで、3D表現とビニング方法は結びつけられていない。例えば、これまで、設計に基づくビニングによって設計レイアウトと欠陥検査との統合が確立されている。これらの技術は有用であるが、技術は概して2D情報を活用することに制限され、本明細書に記載の新しい手法は、設計と欠陥との統合と3D視覚化技術との両方を用いることによる3D解析手法を導入する。さらに、現在用いられるビニング方法は、欠陥をビニングするのにウェーハの1つよりも多い層に関する設計データを用いる可能性があるが、これまで用いられていたビニング方法で用いられる設計データは、実際には3D情報、表現、視覚化などを含まなかった。代わりに、ビニング方法は、2D設計データの組み合わせ(例えば、オーバーレイ)を使用し、この組み合わされた2D設計データは、それ自体は設計データの3D表現を構成しない。
【0043】
本明細書に記載の方法はまた、少なくとも3D表現に基づいて(例えば、もしかすると欠陥属性、特徴などのような欠陥に関する他の情報、検査イメージ、検査データのノイズなどのような欠陥の検査データに関する情報と組み合わせて)欠陥をグループにビニングすることを含んでいてもよい。したがって、いくつかの実施形態は、3Dベースのビニングを含んでいてもよい。対照的に、現在用いられる欠陥をビニングする方法は、一般に、光学イメージ又はSEMイメージのようなウェーハの2Dビューに基づいている。さらに、これまで、3D表現と欠陥ビニングは結びつけられていない。3Dベースのビニングは、ウェーハ上の異なるタイプの領域における欠陥を分離するのに用いられてもよい。例えば、SCD技術を利用することで、メモリ領域における欠陥タイプの分離が可能な場合がある。
【0044】
別の実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥のレビューに関する1つ又は複数のパラメータを3D表現に基づいて判定することを含む。このように、いくつかの実施形態は、3Dベースのレビュープロセスを生成することを含んでいてもよい。したがって、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、レビューを画定する新機能を導入するために設計レイアウト及び3D視覚化技術を活用する方法を提供する。言い換えれば、既存の技術を活用することで、レビュー領域に新しい次元を追加することができる。さらに、TCAD及びSCDモデリングのような3D視覚化ツールを活用することで、正確さと、能動回路がどのようにレイアウトされるかのさらなる洞察を提供することによって、欠陥レビュー(例えば、SEMレビュー)を改善し、より一層最適化することができる。対照的に、レビュープロセスを生成するために現在用いられる方法は、一般に、光学イメージ又はSEMイメージのようなウェーハの2Dビューに基づいている。これまで、3D表現とレビュー方法は結びつけられていない。
【0045】
別の実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査した後でウェーハに対して欠陥レビュープロセスを行うこと、及び欠陥レビュープロセスによってレビューされるウェーハ上のどの欠陥が歩留まりに関連する欠陥であるかを3D表現に基づいて判定することを含む。さらなる実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査した後でウェーハに対して欠陥レビュープロセスを行うこと、及び欠陥レビュープロセスによってレビューされるウェーハ上の欠陥を3D表現に基づいて分類することを含む。例えば、本明細書に記載の方法は、少なくとも3D表現に基づいて(例えば、もしかすると欠陥属性、特徴などのような欠陥に関する他の情報、検査イメージ及びレビューイメージ、検査データのノイズなどのような欠陥のウェーハ検査及び/又はレビューデータに関する情報と組み合わせて)欠陥をレビューすることを含んでいてもよい。例えば、SEMベースのレビューは、現在の層(すなわち、その上の欠陥がレビューされている層)との欠陥の関連性を識別する。未来の層及び/又は以前の層に関する欠陥をレビューすることによって、歩留まりに関連する欠陥を(ブリッジング、コンタクト問題、途切れたラインなどとして)識別し及び分類することができる。したがって、いくつかの実施形態は、3Dベースの欠陥レビューを含んでいてもよい。対照的に、欠陥をレビューするために現在用いられる方法は、一般に、光学イメージ又はSEMイメージのようなウェーハの2Dビューに基づいている。これまで、3D表現と欠陥レビューは結びつけられていない。
【0046】
さらなる実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥の計測に関する1つ又は複数のパラメータを3D表現に基づいて判定することを含む。3D表現に基づいて判定することができる計測パラメータ(単数又は複数)は、照明波長(単数又は複数)、角度(単数又は複数)、偏光(単数又は複数)など、検出波長(単数又は複数)、角度(単数又は複数)、偏光(単数又は複数)などを含んでいてもよく、この特徴は、計測中に測定されることになり、この測定は、計測中に行われることになり(例えば、スキャトロメトリ、リフレクトメトリ、エリプソメトリなど)、且つまた、計測中に用いられることになるサンプリング周波数、計測中に得られる測定値から1つ又は複数の特徴を判定するのに用いられることになる信号処理、及びこれらの組み合わせを含んでいてもよい。このように、1つ又は複数の計測パラメータは、出力収集パラメータ(単数又は複数)及び/又は出力処理パラメータ(単数又は複数)を含んでいてもよい。計測用のパラメータ(単数又は複数)は、本明細書にさらに記載されるように3D表現に基づいて判定されてもよい。
【0047】
一実施形態では、方法は、ウェーハ検査レシピを用いて検出されるウェーハ上の欠陥の解析に関する1つ又は複数のパラメータを3D表現に基づいて判定することを含む。欠陥の解析は、集束イオンビーム(focused ion beam:FIB)解析及び物理的故障解析(physical failure analysis:PFA)のような物理的解析を含んでいてもよい。例えば、物理的に解析されるべき欠陥に関して、方法は、物理的解析に用いられる断面をどのように最良に切断するかを定義するのに層(単数又は複数)の3D表現を用いることを含んでいてもよく、これにより、断面のより関連したビューを可能にする。1つのこうした例では、コンタクト又は金属ラインに影響を及ぼす又はトランジスタの或る部分に隣接する欠陥に関して、ウェーハ上に形成される層(単数又は複数)をどこでどのように切断するかのような解析のパラメータを、切断によって提供される欠陥のビューを最適化するために3D表現に基づいて選択してもよい。したがって、設計レイアウト(例えば、TCADを用いて生成される)に基づいて生成される3D視覚化は、どこで切断するかを識別するのに用いることができ、これにより、誤った切断を減らし、FIB解析又はPFAのような解析のためのデータ収集を改善する。したがって、3D構造を視覚化することでより正確な切断を行うことができる。したがって、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、より正確な切断を通じてPFAに関する生産性の向上を提供する可能性がある。このように、TCAD及びSCDモデリングのような3D視覚化ツールを活用することで、正確さと、能動回路がどのようにレイアウトされるかのさらなる洞察を提供することによって、欠陥の物理的解析を改善することができる。さらに、欠陥解析のための1つ又は複数のパラメータを判定するのに用いられる3D表現は、ウェーハ検査によって生成される欠陥に関する情報(例えば、イメージデータ、信号など)と組み合わせて設計データに基づいて生成されてもよく、欠陥情報を組み込む3D表現がPFAに用いられてもよい。したがって、方法は、PFAを改善させるために2Dベースのウェーハ検査結果と3D表現を統合してもよい。このように、いくつかの実施形態は、3Dベースの物理的解析プロセスを生成することを含んでいてもよい。言い換えれば、既存の技術を活用することで、物理的解析領域に新しい次元を追加することができる。このように、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、物理的解析を改善するために設計レイアウト及び3D視覚化技術を活用する方法を提供する。
【0048】
本明細書に記載の3D表現はまた、プロセスウィンドウの最適化のために用いることができる。例えば、3D表現の生成は、ウェーハ上に1つ又は複数の層を形成するのに用いられることになる1つ又は複数のプロセス条件に基づいて行われてもよい。したがって、3D表現を生成するのに用いられるプロセス条件を変化させることによって、異なるプロセス条件でウェーハ上に1つ又は複数の層がどのように形成されることになるかを例証する3D表現を生成することができる。3D表現は、次いで、プロセスウィンドウを判定するのに用いることができ、これにより、シミュレートされたプロセスウィンドウを生成する。次いで、シミュレートされたプロセスウィンドウ内の実際のプロセス条件を用いてウェーハ上に1つ又は複数の層を形成することができ、これにより、確認条件を走らせる。次いで、シミュレートされたプロセスウィンドウを確認するのに用いることができる検査結果を生成するために、1つ又は複数の層を本明細書に記載のように又は任意の他の様態で検査することができる。
【0049】
本明細書に記載の方法のすべては、方法の実施形態の1つ又は複数のステップの結果を一時的でないコンピュータ可読記憶媒体に格納することを含んでいてもよい。結果は、本明細書に記載の結果のいずれかを含んでいてもよく、当該技術分野では公知のあらゆる様態で格納されてもよい。記憶媒体は、本明細書に記載のあらゆる記憶媒体又は当該技術分野では公知の任意の他の適切な記憶媒体を含んでいてもよい。結果が格納された後で、結果を記憶媒体の中で評価し、本明細書に記載の方法又はシステムの実施形態のいずれかで用いる、ユーザに表示するフォーマットにする、別のソフトウェアモジュール、方法、又はシステムなどで用いることができる。例えば、方法がウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定した後で、方法は、ウェーハ検査レシピを記憶媒体に格納することを含んでいてもよい。さらに、検査のためにウェーハ検査システムがウェーハ検査レシピを使用できるように、本明細書にさらに記載されるようなウェーハ検査システムによって本明細書に記載のいくつかの実施形態の結果又は出力を格納し及び評価してもよい。
【0050】
前述の方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載の任意の他の方法(単数又は複数)の任意の他のステップ(単数又は複数)を含んでいてもよい。さらに、前述の方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載のシステムのいずれかによって行われてもよい。
【0051】
別の実施形態は、ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するためのコンピュータで実施される方法をコンピュータシステムに行わせるプログラム命令を格納した一時的でないコンピュータ可読媒体に関係する。こうしたコンピュータ可読媒体の一実施形態が
図3に示される。特に、コンピュータ可読媒体28は、ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するためのコンピュータで実施される方法をコンピュータシステム32に行わせるために格納されるプログラム命令30を収容する。
【0052】
コンピュータで実施される方法は、設計データに基づいてウェーハの1つ又は複数の層の3D表現を生成することを含み、これは本明細書に記載のように行われてもよい。コンピュータで実施される方法はまた、3D表現に基づいてウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定することを含む。1つ又は複数の検査パラメータの判定は、本明細書に記載のように行われてもよい。コンピュータで実施される方法は、本明細書に記載の任意の他の方法(単数又は複数)の任意の他のステップ(単数又は複数)を含んでいてもよい。さらに、コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載のようにさらに構成されてもよい。
【0053】
本明細書に記載のような方法を実施するプログラム命令30は、コンピュータ可読媒体28上に格納されてもよい。コンピュータ可読媒体は、当該技術分野では公知の読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク又は光ディスク、磁気テープ、又は任意の他の適切なコンピュータ可読媒体のような一時的でないコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0054】
プログラム命令は、とりわけ、手続きベースの技術、コンポーネントベースの技術、及び/又はオブジェクト指向技術を含む種々の方法のうちのいずれかで実装されてもよい。例えば、プログラム命令は、所望に応じてActiveX制御、C++オブジェクト、Java(登録商標)Beans、Microsoft Foundation Class(「MFC」)、もしくは他の技術又は方法論を用いて実装されてもよい。
【0055】
コンピュータシステム32は、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、パラレルプロセッサ、又は当該技術分野では公知の任意の他のデバイスを含む種々の形態をとる可能性がある。一般に、「コンピュータシステム」という用語は、記憶媒体から命令を実行する1つ又は複数のプロセッサを有するあらゆるデバイスを包含するように広く定義されてもよい。
【0056】
図4は、ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するように構成されたシステムの一実施形態を例証する。システムは、設計データに基づいてウェーハの1つ又は複数の層の3D表現を生成するように構成されたシミュレーションエンジン34を含む。シミュレーションエンジンは、グラフィカルシミュレーションエンジン、検査シミュレーションエンジン、Synopsysから市販されているTCAD製品に含まれるようなシミュレーションエンジン、KLA−Tencorから市販されているSCDベースの製品に含まれるようなシミュレーションエンジンなどを含んでいてもよい。シミュレーションエンジンは、本明細書にさらに記載されるように3D表現を生成するように構成されてもよい。さらに、シミュレーションエンジンは、本明細書に記載の任意の他のステップ(単数又は複数)を行うように構成されてもよい。
【0057】
システムはまた、3D表現に基づいてウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するように構成されたコンピュータシステム36を含む。コンピュータシステムは、コンピュータシステムがシミュレーションエンジンから3D表現を受信できるように任意の適切な方法でシミュレーションエンジンに結合されてもよい。コンピュータシステムは、本明細書に記載のいくつかの実施形態のいずれかに従って1つ又は複数の検査パラメータを判定するように構成されてもよい。さらに、コンピュータシステムは、本明細書に記載のようにさらに構成されてもよく、本明細書に記載の任意の他のステップ(単数又は複数)を行うように構成されてもよい。
【0058】
コンピュータシステム36は、プロセス、検査、計測、レビュー、又は他のツールの一部を形成しないスタンドアローン型のシステムとして構成されてもよい。1つのこうした例では、システムは、本明細書に記載のコンピュータで実施される方法のうちの1つ又は複数を特に行うように設計される(随意的に専用にされる)1つ又は複数のコンポーネントを含んでいてもよい。このような実施形態では、コンピュータシステム36は、「配線されている」部分及び/又は「無線」部分を含んでいてもよい伝送媒体によって他のシステムからのデータ又は情報(例えば、検査システムからの検査結果)を受信する及び/又は収集するように構成されてもよい。このように、伝送媒体は、コンピュータシステムと他のシステムとの間のデータリンクとして役立ってもよい。さらに、コンピュータシステム36は、伝送媒体を介してデータを別のシステムに送信してもよい。こうしたデータは、例えば、本明細書に記載のコンピュータシステムによって生成される1つ又は複数の検査パラメータ、又は任意の他の情報、パラメータなどを含んでいてもよい。代替的に、コンピュータシステム36は、ウェーハ検査システム、計測システム、欠陥レビューシステム、解析システム、又は別のツールの一部を形成してもよい。
【0059】
しかしながら、システムはまた、ウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査するように(例えば、ウェーハ上の欠陥を検出するように、並びに、欠陥及びもしかするとウェーハにも関係する出力を収集するように)構成されたウェーハ検査システムを含んでいてもよい。ウェーハ検査システムは、照明サブシステムを含んでいてもよい。例えば、
図4に示すように、照明サブシステムは光源38を含む。光源38は、レーザ、アーク灯、又はレーザ持続プラズマランプのような当該技術分野では公知の任意の適切な光源を含んでいてもよい。光源38は、適切な光学要素を通した任意の適切な斜入射角を含む可能性がある斜入射角又は垂直入射角でウェーハ40に光を誘導するように構成される。照明サブシステムはまた、光源38からの光をウェーハ40に誘導するように構成される1つ又は複数の光学コンポーネント(図示せず)を含んでいてもよい。光学コンポーネントは、限定はされないが偏光コンポーネント又は偏光回転コンポーネントのような当該技術分野では公知の任意の適切な光学コンポーネントを含んでいてもよい。さらに、光源及び/又は1つ又は複数の光学コンポーネントは、1つ又は複数の入射角(例えば、斜入射角及び/又は実質的に垂直入射角)で光をウェーハに誘導するように構成されてもよい。
【0060】
ウェーハ40から散乱された光は、ウェーハ検査システムの複数の検出サブシステム又は複数のチャネルによって集められ及び検出されてもよい。例えば、比較的垂直に近い角度でウェーハ40から散乱された光が、1つの検出サブシステムのレンズ42によって集められてもよい。レンズ42は、
図4に示すように屈折光学要素を含んでいてもよい。さらに、レンズ42は、1つ又は複数の屈折光学要素及び/又は1つ又は複数の反射光学要素を含んでいてもよい。レンズ42によって集められる光は、検出サブシステムの検出器44に誘導されてもよい。検出器44は、電荷結合素子(CCD)、光電子増倍管(PMT)、又は別のタイプのイメージング検出器のような当該技術分野では公知の任意の適切な検出器を含んでいてもよい。検出器44は、ウェーハから散乱された光に対応する出力を生成するように構成される。したがって、レンズ42及び検出器44は、ウェーハ検査システムの1つのチャネルを形成する。検査システムのこのチャネルは、偏光コンポーネント及び/又はフーリエフィルタリングコンポーネントのような当該技術分野では公知の任意の他の適切な光学コンポーネント(図示せず)を含んでいてもよい。ウェーハ検査システムは、検出器44によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成される。例えば、ウェーハ検査システムのコンピュータサブシステム(例えば、コンピュータシステム36)は、検出器によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成されてもよい。
【0061】
ウェーハ40から異なる角度で散乱された光は、別の検出サブシステムのレンズ46によって集められてもよい。レンズ46は、前述のように構成されてもよい。レンズ46によって集められる光は、前述のように構成される可能性があるこの検出サブシステムの検出器48に誘導されてもよい。検出器48はまた、ウェーハから散乱された光に対応する出力を生成するように構成される。したがって、レンズ46及び検出器48は、ウェーハ検査システムの別のチャネルを形成してもよい。このチャネルはまた、前述の任意の他の光学コンポーネントを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、レンズ46は、約20度から70度を超える極角でウェーハから散乱された光を集めるように構成されてもよい。さらに、レンズ46は、約360度の方位角でウェーハから散乱された光を集めるように構成される反射光学要素(図示せず)として構成されてもよい。検査システムは、前述のように行われる可能性がある検出器48によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成される。
【0062】
図4に示されるウェーハ検査システムはまた、1つ又は複数の他のチャネルを含んでいてもよい。例えば、検査システムは、サイドチャネルとして構成される本明細書に記載の光学コンポーネントのいずれかを含む可能性がある付加的なチャネル(図示せず)を含んでいてもよい。1つのこうした例では、サイドチャネルは、入射面の外に散乱される光を集める及び検出するように構成されてもよい(例えば、サイドチャネルは、入射面に実質的に垂直な平面を中心とするレンズと、レンズによって集められる光を検出するように構成された検出器を含んでいてもよい)。検査システムは、サイドチャネルの検出器によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成されてもよい。
【0063】
システムはまた、コンピュータサブシステム(図示せず)を含み、又はコンピュータシステム36に結合され及びこれを用いてもよい。例えば、検出器によって生成される出力がコンピュータシステム36に提供されてもよい。例えば、コンピュータシステムは、検出器によって生成される出力をコンピュータシステムが受信できるように(例えば、当該技術分野では公知の任意の適切な伝送媒体を含む可能性がある
図4に点線で示される1つ又は複数の伝送媒体によって)検出器のそれぞれに結合されてもよい。コンピュータシステムは、任意の適切な方法で検出器のそれぞれに結合されてもよい。代替的に、コンピュータシステム36は、コンピュータシステム36によって生成されるウェーハ検査パラメータ及び/又はウェーハ検査レシピをコンピュータサブシステムが受信できるように検査システムのコンピュータサブシステム(図示せず)に結合されてもよい。さらに、コンピュータシステム36は、イメージデータ及び信号のようなウェーハ検査システムのコンピュータサブシステムの任意の他の出力を受信してもよい。
【0064】
システムはまた、
図5に示されるようなウェーハ検査レシピを用いてウェーハを検査するように(例えば、ウェーハ上の欠陥を検出するように、並びに、欠陥及びもしかするとウェーハにも関係する出力を収集するように)構成されたウェーハ検査システムを含んでいてもよい。このウェーハ検査システムは、照明サブシステムを含んでいてもよい。例えば、
図5に示すように、照明サブシステムは光源50を含み、これは任意の適切な光源を含んでいてもよい。照明サブシステムは、ウェーハ40に光を垂直入射角で誘導するように構成される。例えば、光源50からの光は、レンズ54に光を誘導する任意の適切なビームスプリッタを含む可能性があるビームスプリッタ52に誘導されてもよい。レンズ54は、ビームスプリッタからの光をウェーハ40に垂直入射角で合焦してもよい。照明サブシステムはまた、光源50からの光をウェーハ40に誘導するように構成される1つ又は複数の他の光学コンポーネント(図示せず)を含んでいてもよい。他の光学コンポーネントは、限定はされないが偏光コンポーネント又は偏光回転コンポーネントのような当該技術分野では公知の任意の適切な光学コンポーネントを含んでいてもよい。さらに、光源及び/又は1つ又は複数の光学コンポーネントは、ウェーハに光を1つ又は複数の入射角(例えば、斜入射角及び/又は実質的に垂直入射角)で誘導するように構成されてもよい。
【0065】
ウェーハ40から反射された光は、1つ又は複数の検出サブシステム、又はウェーハ検査システムの1つ又は複数のチャネルによって集められ及び検出されてもよい。例えば、ウェーハ40から反射された光は、1つの検出サブシステムのレンズ54によって集められてもよい。レンズ54は、
図5に示すように屈折光学要素を含んでいてもよい。さらに、レンズ54は、1つ又は複数の屈折光学要素及び/又は1つ又は複数の反射光学要素を含んでいてもよい。レンズ54によって集められる光は、ビームスプリッタ52を通して該検出サブシステムの検出器56に誘導されてもよい。検出器56は、CCD、PMT、又は別のタイプのイメージング検出器のような当該技術分野では公知の任意の適切な検出器を含んでいてもよい。検出器56は、ウェーハから反射された又は散乱された光に対応する出力を生成するように構成される。したがって、レンズ54と検出器56は、ウェーハ検査システムの1つのチャネルを形成する。検査システムのこのチャネルは、偏光コンポーネント又はフィルタリングコンポーネントのような当該技術分野では公知の任意の他の適切な光学コンポーネント(図示せず)を含んでいてもよい。ウェーハ検査システムは、検出器56によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成される。例えば、ウェーハ検査システムのコンピュータサブシステム(例えば、コンピュータシステム36)は、検出器によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成されてもよい。
【0066】
図5に示されるウェーハ検査システムはまた、1つ又は複数の他のチャネルを含んでいてもよい。例えば、検査システムは、ウェーハから散乱される光を集める及び検出するように構成される暗視野チャネルとして構成される本明細書に記載の光学コンポーネントのいずれかを含む可能性がある付加的なチャネル(図示せず)を含んでいてもよい。検査システムは、こうしたチャネルの検出器によって生成される出力を用いてウェーハ上の欠陥を検出するように構成されてもよい。
【0067】
システムはまた、コンピュータサブシステム(図示せず)を含み、又はコンピュータシステム36に結合され及びこれを用いてもよい。例えば、検出器56によって生成される出力がコンピュータシステム36に提供されてもよい。特に、コンピュータシステムは、検出器によって生成される出力をコンピュータシステムが受信できるように本明細書に記載のように検出器に結合されてもよい。代替的に、コンピュータシステム36は、本明細書にさらに記載されるようにウェーハ検査システムのコンピュータサブシステム(図示せず)に結合されてもよい。
【0068】
図4及び
図5は、本明細書に記載のシステムの実施形態に含まれる可能性があるウェーハ検査システムの構成を概して例証するために本明細書で提供されることに注目される。明らかに、本明細書に記載のウェーハ検査システム構成は、市販の検査システムを設計するときに通常行われるのと同様に検査システムの性能を最適化するように変更されてもよい。さらに、本明細書に記載のシステムは、(例えば、本明細書に記載の機能性を既存の検査システムに付加することで)KLA−Tencorから市販されているウェーハ検査ツールのいずれかのような既存のウェーハ検査システムを用いて実装されてもよい。いくつかのこうしたシステムに関して、本明細書に記載の方法は、システムの随意的な機能性として(例えば、システムの他の機能性に加えて)提供されてもよい。代替的に、本明細書に記載のシステムは、完全に新しいシステムを提供するために「一から」設計されてもよい。
【0069】
本発明の種々の態様のさらなる修正及び代替的実施形態は、この説明に照らせば当業者には明らかであろう。例えば、ウェーハ検査レシピに関する1つ又は複数の検査パラメータを判定するための、コンピュータで実施される方法、コンピュータ可読媒体、及びシステムが提供される。したがって、この説明は、本発明を実施する一般的方法を当業者に教示する目的での単なる例示として解釈されるべきである。図示され及び本明細書に記載される本発明の形態は、現在のところ好ましい実施形態としてとられるべきであることが理解される。要素及び材料は、本発明のこの説明の恩恵を受けた後の当業者にはすべて明らかとなるであろうように、本明細書で例証され及び記載されるものに置き換えられてもよく、部分及びプロセスが逆にされてもよく、本発明のいくつかの特徴が独立して用いられてもよい。以下の請求項に記載の本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本明細書に記載の要素に変化が加えられてもよい。