特許第6039242号(P6039242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039242
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】トリアリールアミン類の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 209/18 20060101AFI20161128BHJP
   C07C 211/58 20060101ALI20161128BHJP
   C07C 211/54 20060101ALI20161128BHJP
   C07C 213/02 20060101ALI20161128BHJP
   C07C 217/84 20060101ALI20161128BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20161128BHJP
【FI】
   C07C209/18
   C07C211/58
   C07C211/54
   C07C213/02
   C07C217/84
   !C07B61/00 300
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-119090(P2012-119090)
(22)【出願日】2012年5月24日
(65)【公開番号】特開2013-245178(P2013-245178A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山川 哲
(72)【発明者】
【氏名】唯岡 弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【審査官】 井上 千弥子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−120875(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101676259(CN,A)
【文献】 ACKERMANN,L. et al,Palladium- and Nickel-Catalyzed Aminations of Aryl Imidazolylsulfonates and Sulfamates,Organic Letters,2011年,Vol.13, No.7,p.1784-1786
【文献】 CHEN, C. and YANG, L.,ARYLATIION OF DIARYLAMINES CATALYZED BY Ni(II)-PPh3 SYSTEM,ORGANIC LETTERS,2005年,7(11),2209-2211
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル化合物と1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類からなるニッケル触媒、または、1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類配位ニッケル錯体の存在下、一般式(1)
【化1】
(式中、Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示し、これらは、一般式(2)−NArAr(式中、ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ナフチル基またはビフェニリル基を示す。)で表されるジアリールアミノ基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるN,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類と一般式(3)
【化2】
(式中、ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基、またはナフチル基を示し、これらはメチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。Mは、アルカリ金属を示す。)
で表されるジアリールアミド類を反応させることを特徴とする一般式(5)
【化3】
(式中、Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示し、これらは、一般式(2)−NArAr(式中、ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ナフチル基またはビフェニリル基を示す。)で表されるジアリールアミノ基で置換されていてもよい。ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基、またはナフチル基を示し、これらはメチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。)
で表されるトリアリールアミン類の製造方法。
【請求項2】
ニッケル化合物が、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケルまたは硝酸ニッケルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類が、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、または1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼンである請求項1または請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
およびRが、メチル基である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
Mが、ナトリウム原子である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアリールアミン類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリアリールアミン類は、有機EL材料等に用いられる工業的に重要な化合物である。
【0003】
トリアリールアミン類の製造方法として、ハロゲン化アリールとジアリールアミン類を直接カップリングする反応が知られており、具体的にはパラジウム触媒を用いるバックワルド−ハートウィグ反応や銅触媒を用いるウルマン反応が知られている。さらに、より多様なトリアリールアミン類の合成や官能基耐性の向上を目的とし、フェノール類から安価かつ簡便に誘導されるスルホン酸またはスルファミン酸アリールエステル類を原料とするカップリング反応によるトリアリールアミン類が検討されている。これまでにこれらのエステル類を原料に用いたトリアリールアミン類の製造としては、(4−tert−ブチルフェニル)スルホン酸フェニルとジフェニルアミンから、ジフェニル(4−tert−ブチルフェニル)アミンを製造する方法が開示されているのみであり、触媒として高価なパラジウム触媒を用いている(非特許文献1)。
【0004】
一方、パラジウムより安価かつ銅よりも毒性の低いニッケルを触媒とするスルホン酸またはスルファミン酸アリールエステル類を原料に用いたカップリング反応によるトリアリールアミン類の製造方法はこれまでに全く報告が無い。類似する反応として、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルを触媒とし、ハロゲン化アリールとジアリールアミドとのカップリング反応により、トリアリールアミン類を製造する方法が非特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society,2003年,125巻,6653ページ.
【非特許文献2】Organic Letters,2005年,7巻,2209ページ.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献2で用いられているジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルを触媒とし、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチルとジフェニルアミドのカップリング反応による(2−ナフチル)ジフェニルアミンの製造をジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルを用いて行ったところ、収率は40%に留まった(比較例−1)。
【0007】
本発明の目的は、ニッケル触媒の存在下に、スルホン酸またはスルファミン酸アリールエステル類を原料とするカップリング反応によりトリアリールアミン類を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ニッケル触媒の存在下に、N,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類とジアリールアミド類を反応させることにより、トリアリールアミン類が製造できることを見出した。すなわち本発明は、ニッケル触媒の存在下、一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】
(式中、Arは、フェニル基、ビフェニリル基またはナフチル基を示し、これらは、一般式(2)−NArAr(式中、ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ナフチル基またはビフェニリル基を示す。)で表されるジアリールアミノ基で置換されていてもよい。RおよびRは、各々独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるN,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類と一般式(3)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、ArおよびArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基、またはナフチル基を示し、これらはメチル基またはメトキシ基で置換されていてもよい。Mは、アルカリ金属、または、一般式(4)MgX(Xは、ハロゲン原子を示す。)を示す。)で表されるジアリールアミド類を反応させることを特徴とする一般式(5)
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、Ar、ArおよびArは、前記と同じ内容を示す。)で表されるトリアリールアミン類の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、工業的に有用なトリアリールアミン類(5)を収率よく得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。はじめに、N,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類(1)、ジアリールアミド類(3)およびトリアリールアミン類(5)の置換基について説明する。
【0017】
Arとしては、具体的には、フェニル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基を例示することができる。
【0018】
ArおよびArとしては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基を例示することができる。ジアリールアミノ基(2)は、さらに具体的には、ジフェニルアミノ基、(1−ナフチル)フェニルアミノ基、(2−ナフチル)フェニルアミノ基、(4−ビフェニリル)フェニルアミノ基、(3−ビフェニリル)フェニルアミノ基、ジ(1−ナフチル)アミノ基、ジ(2−ナフチル)アミノ基、(4−ビフェニリル)(1−ナフチル)アミノ基、(4−ビフェニリル)(2−ナフチル)アミノ基、(3−ビフェニリル)(1−ナフチル)アミノ基、(3−ビフェニリル)(2−ナフチル)アミノ基、ジ(4−ビフェニリル)アミノ基等を例示することができる。
【0019】
およびRで示されるフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基等を例示することができる。入手が容易な点および収率が良い点で、メチル基が好ましい。
【0020】
Mで示されるアルカリ金属としては、具体的には、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等が例示できる。入手が容易な点および収率が良い点で、ナトリウム原子が好ましい。
【0021】
Xで示されるハロゲン原子としては、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示できる。入手が容易な点および収率が良い点で、臭素原子が好ましい。
【0022】
ArおよびArとしては具体的には、フェニル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基を例示することができる。これらは、メチル基またはメトキシ基で置換されていてもよく、具体的には、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、8−メチルナフタレン−1−イル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、8−メトキシナフタレン−1−イル基、6−メトキシナフタレン−2−イル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−メチルビフェニル−3−イル基、4’−メチルビフェニル−2−イル基、4’−メトキシビフェニル−4−イル基、4’−メトキシビフェニル−3−イル基、4’−メトキシビフェニル−2−イル基等を例示することができる。
【0023】
次にトリアリールアミン類(5)の製造方法を説明する。
【0024】
本発明の製造方法は、ニッケル触媒の存在下に実施することが必須である。ニッケル触媒としては、ニッケル化合物および4−イミダゾリン−2−イリデン類からなるニッケル触媒、ニッケル化合物および1,2−ビス(置換フェニル)ベンゼン類からなるニッケル触媒、1,2−ビス(置換フェニル)ベンゼン類配位ニッケル錯体が好ましい。
【0025】
用いることができるニッケル化合物としては、具体的には、ニッケル黒等の金属ニッケル、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、酸化ニッケル、硫酸ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル等のニッケル塩、アリル(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(N,N’−ジエチルエチレンジアミン)ニッケル二チオシアネート、(シクロペンタジエニル)(カルボニル)ニッケルダイマー、ヘキサアンミンニッケル二塩化物、カリウムヘキサフルオロニッケレート、テトラエチルアンモニウムテトラクロロニッケレート、トリス(エチレンジアミン)ニッケル二塩化物、ビス(N,N’−ジイソプロピルアセトアミジナト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、ジクロロ[1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン]ニッケル、ジブロモ[1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン]ニッケル、ジクロロ(ジメトキシエタン)ニッケル、ジブロモ(ジメトキシエタン)ニッケル等のニッケル錯塩または錯化合物が例示できる。収率が良い点で、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硝酸ニッケルが好ましい。
【0026】
用いることのできる4−イミダゾリン−2−イリデン類としては、具体的には、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジフェニル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2−エチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3−エチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(4−エチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2−プロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3−プロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(4−プロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2−イソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3−イソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(4−イソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3,5−ジエチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2,4−ジプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3,5−ジプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2,4−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(3,5−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデン等を例示することができる。収率が良い点で、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンが好ましい。
【0027】
ニッケル化合物および4−イミダゾリン−2−イリデン類からなるニッケル触媒のニッケル化合物と4−イミダゾリン−2−イリデン類のモル比は、1:10〜1:0.1が好ましく、収率が良い点で1:5〜1:1がさらに好ましい。
【0028】
1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類としては、具体的には1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)ベンゼン等を例示することができる。収率が良い点で、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン、1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼンが好ましい。
【0029】
ニッケル化合物および1,2−ビス(置換フェニル)ベンゼン類のニッケル化合物と1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類のモル比は、1:10〜1:0.1が好ましく、収率が良い点で1:5〜1:1がさらに好ましい。
【0030】
1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類配位ニッケル錯体としては、具体的には、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス(ジシクロヘキシルフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス(ジシクロヘキシルフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル等が例示できる。
【0031】
上記の1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類配位ニッケル錯体は、ハロゲン化ニッケルと1,2−ビス(置換ホスフィノ)ベンゼン類を原料として、例えば非特許文献3に記載の方法に準じて合成することができる。
【0032】
【非特許文献3】Organic Letters,2009年,11巻,741ページ. 本発明の製造方法において、ニッケル化合物および4−イミダゾリン−2−イリデン類、またはニッケル化合物および1,2−ビス(置換フェニル)ベンゼン類は、原料と共に同時に添加してもよく、また、予め混合した後に、原料に添加してもよい。
【0033】
ニッケル触媒の使用量に特に制限はないが、いわゆる触媒量で十分に反応は進行する。具体的には、ニッケル触媒とN,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類(1)のモル比は、0.005〜0.5が好ましく、収率および効率の点で、0.01〜0.25がさらに好ましい。
【0034】
本製造方法における原料であるN,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類(1)は、対応するフェノール類とN,N−ジアルキルスルファモイルハライド類から、例えば非特許文献4に記載の方法に準じて製造することができる。
【0035】
【非特許文献4】Journal of the American Chemical Society,2009年,131巻,17748ページ. ジアリールアミド類(3)の使用量に特に制限はなく、N,N−ジアルキルスルファミン酸エステル類(1)に対して当量以上用いることにより、収率良く目的物を得ることができる。
【0036】
本発明の製造方法では、反応に係る原料やニッケル触媒を有機溶媒に溶解して実施することができる。用いることのできる有機溶媒としては、ペンタン、キシレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等を例示することができる。さらにはこれらの混合溶媒等が例示できる。収率が良い点で、エーテル系溶媒またはアミド系溶媒が好ましく、1,4−ジオキサンまたはN,N−ジメチルホルムアミドがさらに好ましい。溶媒の使用量に特に制限は無い。
【0037】
反応温度は、30〜250℃の温度から適宜選ばれた温度で反応を実施することができるが、収率が良い点で50〜200℃が好ましい。
【0038】
反応時間に特に制限は無いが、0.5〜100時間反応を行うことにより、収率良く目的物を得ることができる。効率の点で、1〜50時間がさらに好ましい。
【0039】
反応は、溶媒の沸点に応じて、密閉系、開放系のいずれで行っても良い。密閉系で行う場合、大気圧(0.1MPa)から5.0MPaの範囲から適宜選ばれた圧力で行うことができる。また、反応の際の雰囲気は、アルゴン、窒素等の不活性ガスが好ましい。
【0040】
反応後の溶液からトリアリールアミン類(5)を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶、蒸留または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【実施例】
【0041】
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
実施例−1
【0043】
【化4】
【0044】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(6.3mg,0.023mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(62mg,0.25mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,2.1mL)を加えた。さらに、ブロモ(ジフェニルアミド)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.5mL)を加え、110℃で24時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(57mg,78%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.04(2H,tt,J=7.3Hz,1.1Hz),7.11−7.14(4H,m),7.24−7.29(5H,m),7.32−7.42(3H,m),7.58(1H,d,J=8.0Hz),7.71(1H,d,J=8.9Hz),7.75(1H,d,J=8.0Hz).
実施例−2
【0045】
【化5】
【0046】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(6.6mg,0.024mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−ビフェニリル(71mg,0.26mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,2.2mL)を加えた。さらに、ブロモ(ジフェニルアミド)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.5mL)を加え、150℃で43時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、白色固体の(4−ビフェニリル)ジフェニルアミンを得た(59mg,76%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.03(2H,tt,J=7.0Hz,1.3Hz),7.12−7.15(5H,m)7.24−7.32(6H,m),7.41(2H,tt,J=8.4Hz,1.6Hz),7.47(2H,dt,J=8.4Hz,2.7Hz),7.57(2H,dd,J=8.4Hz,1.3Hz).
実施例−3
【0047】
【化6】
【0048】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(7.8mg,0.028mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸1−ナフチル(76mg,0.30mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,2.6mL)を加えた。さらに、ブロモ(ジフェニルアミド)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.6mL)を加え、150℃で24時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、黄色固体の(1−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(76mg,84%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ6.92(2H,tt,J=7.4Hz,1.1Hz),7.02(4H,dt,J=7.6Hz,1.1Hz),7.16−7.20(4H,m),7.31−7.36(2H,m),7.42−7.47(2H,m),7.76(1H,d,J=8.2Hz),7.87(1H,d,J=8.2Hz),7.93(1H,d,J=8.6Hz).
実施例−4
【0049】
【化7】
【0050】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(9.5mg,0.035mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−ビフェニリル(102mg,0.37mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,3.2mL)を加えた。さらに、ブロモ[ビス(4−メトキシフェニル)アミド]マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.8mL)を加え、150℃で24時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色固体の(4−ビフェニリル)ビス(4−メトキシフェニル)アミンを得た(78mg,55%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.80(6H,s),6.82−6.86(4H,m),6.96−7.00(2H,m),7.06−7.11(4H,m),7.26−7.30(1H,m),7.37−7.42(4H,m),7.53−7.56(2H,m).
実施例−5
【0051】
【化8】
【0052】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(6.6mg,0.024mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸[4−(4’−ジフェニルアミノ)ビフェニリル](116mg,0.26mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,2.2mL)を加えた。さらに、ブロモ(ジフェニルアミド)マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.51mL)を加え、150℃で43時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、白色固体のN,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを得た(70mg,55%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.01(4H,t,J=7.2Hz),7.10−7.13(12H,m),7.23−7.27(8H,m),7.44(4H,d,J=8.5Hz).
実施例−6
【0053】
【化9】
【0054】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(11mg,0.040mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸[4−(4’−ジフェニルアミノビフェニリル)](94mg,0.21mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,3.6mL)を加えた。さらに、ブロモ[ビス(4−メトキシフェニル)アミド]マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.5mL)を加え、150℃で24時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色固体のN,N−ビス(4−メトキシフェニル)−N’,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニリル−4,4’−ジアミンを得た(64mg,55%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.80(6H,s),6.81−6.85(4H,m),6.95−7.03(4H,m),7.05−7.13(10H,m),7.23−7.27(4H,m),7.36−7.44(4H,m).
実施例−7
【0055】
【化10】
【0056】
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(8.6mg,0.031mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸1−ナフチル(84mg,0.33mmol)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−イミダゾリン−2−イリデンの1,4−ジオキサン溶液(23.5mM,2.8mL)を加えた。さらに、ブロモ[(1−ナフチル)フェニルアミド]マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(0.5M,1.4mL)を加え、150℃で24時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、黄色固体のジ(1−ナフチル)フェニルアミンを得た(68mg,59%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ6.71(2H,dd,J=8.7Hz,1.1Hz),6.86(1H,tt,J=7.4Hz,1.1Hz),7.09−7.13(2H,m),7.22(2H,dd,J=7.4Hz,1.1Hz),7.30−7.37(4H,m),7.42−7.46(2H,m),7.68(2H,d,J=8.2Hz),7.86(2H,d,J=8.3Hz),8.04(2H,d,J=8.5Hz).
実施例−8
【0057】
【化11】
【0058】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率99%)。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(79mg,89%)。
【0059】
実施例−9
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(18mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率54%)。
【0060】
実施例−10
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(33mg,0.040mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(100mg,0.40mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,2.4mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率84%)。
【0061】
実施例−11
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(33mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率94%)。
【0062】
実施例−12
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(34mg,0.027mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率68%)。
【0063】
実施例−13
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(34mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率69%)。
【0064】
実施例−14
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(26mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率99%)。
【0065】
実施例−15
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.040mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(100mg,0.40mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,2.4mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率56%)。
【0066】
実施例−16
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(41mg,0.040mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(100mg,0.40mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,2.4mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率51%)。
【0067】
実施例−17
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(8.4mg,0.0090mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率55%)。
【0068】
実施例−18
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(14mg,0.015mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率63%)。
【0069】
実施例−19
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、120℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率90%)。
【0070】
実施例−20
【0071】
【化12】
【0072】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジ−p−トリルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジ(p−トリル)アミンを得た(93mg,96%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ2.32(6H,s),7.02(4H,d,J=8.5Hz),7.08(4H,d,J=8.5Hz),7.24(1H,dd,J=8.9,2.2Hz),7.28−7.38(3H,m),7.55(1H,d,J=8.1Hz),7.66(1H,d,J=8.9Hz),7.72(1H,d,J=8.1Hz).
実施例−21
【0073】
【化13】
【0074】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム[ビス(4−メトキシフェニル)アミド]の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色油状の(2−ナフチル)ビス(4−メトキシフェニル)アミンを得た(103mg,96%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ3.81(6H,s),7.08(4H,d,J=8.6Hz),7.18−7.36(4H,m),7.52(1H,d,J=8.0Hz),7.64(1H,d,J=8.9Hz),7.70(1H,d,J=8.2Hz).
実施例−22
【0075】
【化14】
【0076】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム[ジ(4−ビフェニリル)アミド]の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体のジ(4−ビフェニリル)(2−ナフチル)アミンを得た(85mg,63%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ7.24(4H,d,J=8.7Hz),7.29−7.45(10H,m),7.52(4H,d,J=8.7Hz),7.60(4H,dd,J=8.4,1.3Hz),7.64(1H,d,J=8.1Hz),7.76(1H,d,J=6.4Hz),7.78(1H,d,J=6.4Hz).
実施例−23
【0077】
【化15】
【0078】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)を加えた。ナトリウム[(1−ナフチル)フェニルアミド]のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色固体の(1−ナフチル)(2−ナフチル)フェニルアミンを得た(62mg,60%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ6.96(1H,tt,J=7.2Hz,1.1Hz),7.06−7.09(2H,m),7.19−7.24(2H,m),7.27−7.36(6H,m),7.42−7.51(3H,m),7.67(1H,d,J=9.5Hz),7.72(1H,d,J=7.4Hz),7.79(1H,d,J=8.2Hz),7.89(1H,d,J=8.4Hz),7.96(1H,d,J=8.5Hz).
実施例−24
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン]ニッケル(17mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸−2−ナフチル(75mg,0.30mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(58mg,58%)。
【0079】
実施例−25
【0080】
【化16】
【0081】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−ビフェニリル(83mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(4−ビフェニリル)ジフェニルアミンを得た(74mg,81%)。
【0082】
実施例−26
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸−4−ビフェニリル(83mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、120℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(4−ビフェニリル)ジフェニルアミンを得た(80mg,83%)。
【0083】
実施例−27
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリエトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(33mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−ビフェニリル(83mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(4−ビフェニリル)ジフェニルアミンを得た(63mg,65%)。
【0084】
実施例−28
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリイソプロポキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(34mg,0.027mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−ビフェニリル(83mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(4−ビフェニリル)ジフェニルアミンを得た(62mg,65%)。
【0085】
実施例−29
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸1−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(1−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(42mg,64%)。
【0086】
実施例−30
【0087】
【化17】
【0088】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−[4’−[(1−ナフチル)フェニルアミノ]ビフェニリル](74mg,0.15mmol)および1,4−ジオキサン(2.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)アミドの1,4−ジオキサン溶液(0.25M,0.9mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の4−[(1−ナフチル)フェニルアミノ]−4’−(ジフェニルアミノ)ビフェニリルを得た(85mg,96%)。
H−NMR(400MHz,重クロロホルム,ppm):δ6.90(2H,dd,J=7.5,1.0Hz),6.99(4H,d,J=7.8Hz),7.35(2H,t,J=8.1Hz),7.48−7.72(10H,m),7.84(2H,d,J=8.3Hz),7.91(2H,d,J=8.2Hz),8.03(2H,d,J=8.2Hz),8.08(2H,d, J=8.5Hz),8.31(2H,d,J=8.5Hz),8.61(2H,d,J=8.3Hz).
実施例−31
【0089】
【化18】
【0090】
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(28mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸4−(4’−ジフェニルアミノビフェニリル)(67mg,0.15mmol)および1,4−ジオキサン(2.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,0.9mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体のN,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを得た(39mg,54%)。
【0091】
実施例−32
反応容器内をアルゴン置換した後、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(7.7mg,0.030mmol)、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(24mg,0.03mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.5mL)を加え、室温で10分攪拌した。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(75mg,85%)。
【0092】
実施例−33
反応容器内をアルゴン置換した後、硝酸ニッケル六水和物(8.7mg,0.030mmol)、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(24mg,0.03mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.5mL)を加え、室温で10分攪拌した。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(54mg,62%)。
【0093】
実施例−34
反応容器内をアルゴン置換した後、塩化ニッケル六水和物(7.1mg,0.030mmol)、1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン(24mg,0.030mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(75mg,0.30mmol)および1,4−ジオキサン(1.5mL)を加え、室温で10分攪拌した。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.8mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の(2−ナフチル)ジフェニルアミンを得た(63mg,71%)。
【0094】
実施例−35
反応容器内をアルゴン置換した後、ジブロモ[1,2−ビス[ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)ホスフィノ]ベンゼン]ニッケル(21mg,0.020mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸−2−ナフチル(50mg,0.20mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,1.2mL)を加え、80℃で3時間加熱した。反応後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体の2−ナフチルジフェニルアミンを得た(収率97%)。
【0095】
比較例−1
反応容器内をアルゴン置換した後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(33mg,0.050mmol)、N,N−ジメチルスルファミル酸2−ナフチル(126mg,0.50mmol)および1,4−ジオキサン(1.0mL)を加えた。さらに、ナトリウム(ジフェニルアミド)の1,4−ジオキサン溶液(0.25M,3.0mL)を加え、150℃で3時間加熱した。反応後、ガスクロマトグラフィーにより、(2−ナフチル)ジフェニルアミンの生成を確認した(収率40%)。