特許第6039682号(P6039682)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6039682ケーブル型二次電池用パッケージ、及びそれを含むケーブル型二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6039682
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】ケーブル型二次電池用パッケージ、及びそれを含むケーブル型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20161128BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20161128BHJP
   H01M 4/72 20060101ALI20161128BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20161128BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20161128BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20161128BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20161128BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20161128BHJP
【FI】
   H01M2/02 Z
   H01M10/058
   H01M10/0565
   H01M4/70 A
   H01M4/72 A
   H01M4/66 A
   H01M4/505
   H01M4/525
   H01M4/58
   H01M4/485
   H01M4/587
   H01M4/38 Z
   H01M4/48
   H01M4/36 A
   H01M10/052
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-542263(P2014-542263)
(86)(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公表番号】特表2015-502011(P2015-502011A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】KR2013007840
(87)【国際公開番号】WO2014035189
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2014年5月15日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0095656
(32)【優先日】2012年8月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヨ−ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ−ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン−フン
(72)【発明者】
【氏名】ウ、サン−ウク
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−540339(JP,A)
【文献】 特開平07−105748(JP,A)
【文献】 特表2013−545240(JP,A)
【文献】 特開2005−116270(JP,A)
【文献】 特開2000−285900(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/058574(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02
H01M 4/36
H01M 4/38
H01M 4/48
H01M 4/485
H01M 4/505
H01M 4/525
H01M 4/58
H01M 4/587
H01M 4/66
H01M 4/70
H01M 4/72
H01M 10/052
H01M 10/0565
H01M 10/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延長されるケーブル型二次電池用パッケージであって、
中空型の金属箔層;
前記金属箔層の片面に形成された第1高分子樹脂層;及び
前記金属箔層の別の面に形成された第2高分子樹脂層;を含み、
前記金属箔層が、鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の合金からなり、
前記第1高分子樹脂層が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり、
前記第2高分子樹脂層が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなるケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項2】
前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン‐アクリル酸共重合体、ポリエチレン‐アクリル酸共重合体、塩化ポリプロピレン、ポリプロピレン‐ブチレン‐エチレン三元共重合体、ポリエチレン、及びエチレン‐プロピレン共重合体からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項3】
前記第1高分子樹脂層または前記第2高分子樹脂層が、疎水性無機物粒子を更に含むことを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項4】
前記疎水性無機物粒子が、SiO2、Al23、MgO、BaTiO3、ZrO2、及びZnOからなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物から得られることを特徴とする請求項3に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項5】
前記疎水性無機物粒子の平均粒径が、1nmないし5μmであることを特徴とする請求項3または4に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項6】
前記金属箔層と前記第1高分子樹脂層との間、前記金属箔層と前記第2高分子樹脂層との間、または前記金属箔層に対面する前記第2高分子樹脂層の別の面に、疎水性無機物粒子の層を更に含むことを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項7】
前記疎水性無機物粒子の層が、SiO2、Al23、MgO、BaTiO3、ZrO2、及びZnOからなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項6に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項8】
前記疎水性無機物粒子の平均粒径が、1nmないし5μmで
あることを特徴とする請求項7に記載のケーブル型二次電池用パッケージ。
【請求項9】
内部集電体、内部電極活物質層、外部電極活物質層、前記内部電極活物質層と前記外部電極活物質層との間に介在された電解質層、及び前記外部電極活物質層の外側表面に形成される外部集電体薄膜を備え、かつ、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長される電極組立体;並びに
前記電極組立体を囲んで形成されるパッケージ;を含み、
前記パッケージは、中空型の金属箔層、前記金属箔層の片面に形成された第1高分子樹脂層、及び前記金属箔層の別の面に形成された第2高分子樹脂層;を含み、
前記金属箔層が、鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の合金からなり、
前記第1高分子樹脂層が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり、
前記第2高分子樹脂層が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなるケーブル型二次電池。
【請求項10】
前記外部集電体薄膜が、ハーフパイプ型またはメッシュ型であることを特徴とする請求項9に記載のケーブル型二次電池。
【請求項11】
前記外部集電体薄膜が、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または伝導性高分子から製造されたことを特徴とする請求項9または10に記載のケーブル型二次電池。
【請求項12】
内部集電体、内部電極活物質層、外部電極活物質層、及び前記内部電極活物質層と前記外部電極活物質層との間に介在された電解質層を備え、かつ、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長された電極組立体;並びに
前記電極組立体を囲んで形成されるパッケージ;を含み、
前記パッケージは、外部集電体の役割をする中空型の金属箔層、前記金属箔層の片面に形成された第1高分子樹脂層、及び前記金属箔層の別の面の両端に形成された第2高分子樹脂層を含み、
前記金属箔層が、鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の合金からなり、
前記第1高分子樹脂層が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり、
前記第2高分子樹脂層が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなるケーブル型二次電池。
【請求項13】
前記内部集電体が、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または伝導性高分子から製造されたことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項14】
前記内部電極活物質層が負極活物質層であり、前記外部電極活物質層が正極活物質層であるか、または、前記内部電極活物質層が正極活物質層であり、前記外部電極活物質層が負極活物質層であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項15】
前記内部電極活物質層及び前記外部電極活物質層のうち一層が、天然黒鉛、人造黒鉛もしくは炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO);Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiもしくはFeを含む金属類(Me);前記金属類(Me)の合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群より選択されるいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項16】
前記内部電極活物質層及び前記外部電極活物質層のうち一層が、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されるいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【請求項17】
前記電解質層が、PEO、PVdF、PMMA、PANまたはPVACを用いたゲル型高分子電解質;および
PEO、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエーテルイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)またはポリビニルアセテート(PVAc)を用いた固体電解質;からなる群より選択される電解質を含むことを特徴とする請求項9〜16のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル型二次電池用パッケージ、及びそれを含むケーブル型二次電池に関し、より詳しくは、電池内部に存在する電解質の汚染を防止することで、電池性能の劣化を防止することができるケーブル型二次電池用パッケージ、及びそれを含むケーブル型二次電池に関する。
【0002】
本出願は、2012年8月30日出願の韓国特許出願第10−2012−0095656号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
近年、二次電池は、外部の電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変えて貯蔵しておき、必要なときに電気を作り出す装置をいう。数回充電できるという意味で「充電式電池(rechargeable battery)」という名称も用いられる。よく使用される二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケル‐カドミウム電池(NiCd)、ニッケル水素蓄電池(NiMH)、リチウムイオン電池(Li‐ion)、リチウムイオンポリマー電池(Li‐ion polymer)がある。二次電池は、使い捨ての一次電池に比べて経済的な利点及び環境的な利点を共に提供する。
【0004】
二次電池は現在、低い電力を使用する所に用いられている。例えば、自動車の始動を助ける機器、携帯用装置、道具、無停電電源装置が挙げられる。最近、無線通信技術の発展は携帯用装置の大衆化を主導しており、従来の多くの種類の装置が無線化される傾向もあって、二次電池に対する需要が急増している。また、環境汚染などの防止の面で、ハイブリッド自動車、電気自動車が実用化されているが、これら次世代自動車は二次電池を使用することで、コストと重量を下げ、寿命を伸ばす技術を採用している。
【0005】
一般に、二次電池は円筒型、角形、またはパウチ型の電池が殆どである。二次電池が、負極、正極、及び分離膜で構成された電極組立体を円筒型または角形の金属缶またはアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースの内部に装着し、前記電極組立体に電解質を注入して製造されるためである。従って、このような二次電池の装着には一定空間が必要不可欠であるため、二次電池の円筒型、角形、またはパウチ型の形態は多様な形態の携帯用装置の開発に制約となる問題点がある。そこで、形態の変形が容易な新規な形態の二次電池が求められている。
【0006】
このような要求に応えて、断面の直径に対する長さの比が非常に大きい電池である線型電池が提案された。しかし、このようなケーブル型二次電池を保護するパッケージに関しては、具体的に開示されていない。特に、一般の高分子材質のチューブパッケージを使用する場合、高分子の微細気孔から水分または空気が浸透し得るため、電池内部にある電解質を汚染させ、電池性能の劣化が発生するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ケーブル型二次電池の内部に存在する電解質の汚染を防止することで、電池性能の劣化を防止することができるケーブル型二次電池用パッケージ、及びそれを含むケーブル型二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によれば、中空型の金属箔層;前記金属箔層の片面に形成された第1高分子樹脂層;及び前記金属箔層の別の面に形成された第2高分子樹脂層;を含み、長手方向に延長されるケーブル型二次電池用パッケージが提供される。
【0009】
このとき、前記金属箔層は、鉄(Fe)、炭素(C)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、及びその等価物からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の合金であり得る。
【0010】
ここで、前記第1高分子樹脂層は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり得る。
【0011】
そして、前記第2高分子樹脂層は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びフッ素含有樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり得る。
【0012】
このとき、前記ポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン‐アクリル酸共重合体、ポリエチレン‐アクリル酸共重合体、塩化ポリプロピレン、ポリプロピレン‐ブチレン‐エチレン三元共重合体、ポリエチレン、及びエチレン‐プロピレン共重合体からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物であり得る。
【0013】
そして、前記第1高分子樹脂層または前記第2高分子樹脂層は、疎水性無機物粒子を更に含むことができる。
【0014】
このとき、前記疎水性無機物粒子は、SiO2、Al23、MgO、BaTiO3、ZrO2、及びZnOからなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物であり得る。
【0015】
そして、前記疎水性無機物粒子の平均粒径は、1nmないし5μmであり得る。
【0016】
また、前記金属箔層と前記第1高分子樹脂層との間、前記金属箔層と前記第2高分子樹脂層との間、または前記金属箔層に対面する前記第2高分子樹脂層の別の面に、疎水性無機物粒子の層を更に含むことができる。
【0017】
このとき、前記疎水性無機物粒子の層に含まれる疎水性無機物粒子は、SiO2、Al23、MgO、BaTiO3、ZrO2、及びZnOからなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物であり得る。
【0018】
また、本発明の他の態様によれば、内部集電体、内部電極活物質層、外部電極活物質層、前記内部電極活物質層と前記外部電極活物質層との間に介在された電解質層、及び前記外部電極活物質層の外側表面に形成される外部集電体薄膜を備え、かつ、所定形状の水平断面を有して長さ方向に延長される電極組立体;並びに前記電極組立体を囲んで形成されるパッケージ;を含み、前記パッケージは、中空型の金属箔層、前記金属箔層の片面に形成された第1高分子樹脂層、及び前記金属箔層の別の面に形成された第2高分子樹脂層を含むケーブル型二次電池が提供される。
【0019】
このとき、前記外部集電体薄膜は、ハーフパイプ型またはメッシュ型であり得る。
【0020】
そして、前記外部集電体薄膜は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素または銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または伝導性高分子から製造され得る。
【0021】
また、本発明の更に他の態様によれば、内部集電体、内部電極活物質層、外部電極活物質層、及び前記内部電極活物質層と前記外部電極活物質層との間に介在された電解質層を備え、かつ、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長された電極組立体;並びに前記電極組立体を囲んで形成されるパッケージ;を含み、前記パッケージは、外部集電体の役割をする中空型の金属箔層、前記金属箔層の片面に形成された第1高分子樹脂層、及び前記金属箔層の別の面の両端に形成された第2高分子樹脂層を含むケーブル型二次電池が提供される。
【0022】
このとき、前記内部集電体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素または銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子から製造され得る。
【0023】
そして、前記内部電極は負極であり、前記外部電極は正極であるか、または、
前記内部電極は正極であり、前記外部電極は負極であり得る。
【0024】
また、前記内部電極活物質層及び外部電極活物質層のうち一層は、天然黒鉛、人造黒鉛または炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO);Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeを含む金属類(Me);前記金属類(Me)の合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群より選択されるいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物からなり得る。
【0025】
そして、前記内部電極活物質層及び外部電極活物質層のうち一層は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されるいずれか一つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物からなり得る。
【0026】
また、前記電解質層は、PEO、PVdF、PMMA、PANまたはPVACを用いたゲル型高分子電解質;もしくはPEO、PPO(polypropylene oxide)、PEI(polyethylene imine)、PES(polyethylene sulphide)またはPVAc(polyvinyl acetate)を用いた固体電解質;からなる群より選択される電解質からなり得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるケーブル型二次電池用パッケージは、金属箔層を含んでいるため、ケーブル型二次電池の内部に存在する電解質の汚染を防止することで電池性能の劣化を防止でき、ケーブル型二次電池の機械的強度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
図1】本発明の一実施例によるケーブル型二次電池用パッケージの斜視図である。
図2】本発明の他の一実施例によるケーブル型二次電池用パッケージの斜視図である。
図3】本発明の更に他の一実施例によるケーブル型二次電池用パッケージの斜視図である。
図4】本発明の更に他の一実施例によるケーブル型二次電池用パッケージの斜視図である。
図5】本発明の一実施例によるケーブル型二次電池の横断面を示した図である。
図6】本発明の他の一実施例によるケーブル型二次電池の縦断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0030】
また、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想の全てを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0031】
図1は、本発明の一実施例によるケーブル型二次電池用パッケージの斜視図であり、図2ないし図4は本発明の他の実施例によるケーブル型二次電池用パッケージの斜視図である。
【0032】
図1を参照すれば、本発明の一態様によるケーブル型二次電池用パッケージ10は、中空型の金属箔層1;前記金属箔層1の片面に形成された第1高分子樹脂層2;及び前記金属箔層1の別の面に形成された第2高分子樹脂層3;を含み、長手方向に延長された構造を有する。
【0033】
一般の高分子材質のチューブパッケージを使用すれば、高分子の微細気孔から水分または空気が浸透でき、電池内部に存在する電解質を汚染させることで電池性能が劣化する恐れがあるが、前記ケーブル型二次電池用パッケージ10は、金属箔層1を含むことで、水分または空気が電池内部に浸透することを遮断することができる。それにより、電池内部に存在する電解質の汚染を防止し、電池性能の劣化を防止することができる。また、ケーブル型二次電池の機械的強度を維持することができる。
【0034】
前記金属箔層1は、鉄(Fe)、炭素(C)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、及びその等価物からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の合金であり得る。このとき、前記金属箔層1は、外部から内部への水分または空気の浸透を防止する役割をする。上述された群に限定されることはないが、前記金属箔層1として鉄が含有された材質を用いる場合には機械的強度が強まり、アルミニウムが含有された材質を用いる場合には柔軟性が良くなる。通常、アルミニウム金属ホイルを使用することができる。
【0035】
前記第1高分子樹脂層2は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素含有樹脂などからなる群より選択されたものからなり得る。
【0036】
前記第1高分子樹脂層2が最外部層として作用する場合、その材質は、通常のナイロンまたはポリエチレンテレフタレートであり得るが、特にこれらに限定されることはない。
【0037】
そして、前記第1高分子樹脂層2は、熱収縮チューブ層として作用することもできる。熱収縮チューブは、加熱すれば収縮するチューブであって、端子または形態や大きさが異なる物質を隙間なく囲むが、ほとんど高分子樹脂から作られ、絶縁やその他の用途として使用される。このような熱収縮チューブとしては、多様な材質及び形態を有する熱収縮チューブが商用化されているため、本発明の目的に応じたものを容易に入手して使用することができる。熱収縮チューブは、自動被覆加工機を用いてリチウムイオン電池を挿入し、熱収縮させる作業を行うため、熱収縮チューブの入口が開かれた状態で自立(supporting itself)する程度の剛性を有することが求められる。また、二次電池に熱的損傷を与えないように、収縮加工の温度を低温にする必要があり、一般に70℃ないし200℃または70℃ないし120℃の温度で収縮が完了することが求められる。このような熱収縮チューブ層は、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、並びにポリテトラフッ素エチレンなどのフッ素樹脂からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり得る。
【0038】
前記第2高分子樹脂層3は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びフッ素含有樹脂からなり得る。
【0039】
このとき、前記第2高分子樹脂層3は、前記第1高分子樹脂層1と同様に熱収縮チューブ層として作用することができ、その例は上述したとおりである。
【0040】
そして、前記第2高分子樹脂層3は、内部絶縁層として作用でき、この場合、ポリプロピレン‐アクリル酸共重合体、ポリエチレン‐アクリル酸共重合体、塩化ポリプロピレン、ポリプロピレン‐ブチレン‐エチレン三元共重合体、ポリエチレン、及びエチレン‐プロピレン共重合体からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなり得るが、特にこれらに限定されることはない。
【0041】
また、前記第1高分子樹脂層2または前記第2高分子樹脂層3は、疎水性無機物粒子を更に含むことができる。前記疎水性無機物粒子の具体的な例としては、SiO2、Al23、MgO、BaTiO3、ZrO2、及びZnOが挙げられるが、特にこれらに限定されることはない。そして、前記疎水性無機物粒子の平均粒径は、1nmないし5μmであり得る。前記疎水性無機物粒子を更に含むことで、電池内部における絶縁効果を更に向上させることができ、水分が電池内に浸透することを抑制して電池内部の電解質成分が汚染されることを最小化できるため、電池性能の劣化を防止することができる。
【0042】
図2ないし図4を参照すれば、本発明の他の態様によるケーブル型二次電池用パッケージ11、12、13は、前記金属箔層1と前記第1高分子樹脂層2との間、前記金属箔層1と前記第2高分子樹脂層3との間、または前記金属箔層1に対面する前記第2高分子樹脂層3の別の面に、それぞれ疎水性無機物粒子の層4を更に含むことができる。
【0043】
前記疎水性無機物粒子の層4は、ポリプロピレン‐アクリル酸共重合体、ポリエチレン‐アクリル酸共重合体、塩化ポリプロピレン、ポリプロピレン‐ブチレン‐エチレン三元共重合体、ポリエチレン、及びエチレン‐プロピレン共重合体からなる群より選択されるいずれか一つまたはこれらのうち2種以上の混合物からなる高分子に、疎水性無機物粒子が更に含まれたものであり得る。このときに使用される疎水性無機物粒子は、上述したとおりであり、前記疎水性無機物粒子の層4を更に含むことで、電池内部における絶縁効果を更に向上させることができ、水分が電池内に浸透することを抑制して電池内部の電解質成分が汚染されることを最小化できるため、電池性能の劣化を防止することができる。
【0044】
また、図5は、本発明の一実施例によるケーブル型二次電池の横断面図であり、図6は、本発明の他の実施例によるケーブル型二次電池の縦断面図である。
【0045】
図5を参照すれば、本発明の一態様によるケーブル型二次電池100は、内部集電体5、内部電極活物質層6、外部電極活物質層8、前記内部電極活物質層6と前記外部電極活物質層8との間に介在された電解質層7、及び前記外部電極活物質層8の外部に形成される外部集電体薄膜9を備え、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長される電極組立体20;並びに前記電極組立体20を囲んで密着して形成されるパッケージ10;を含み、前記パッケージ10は、金属箔層1、前記金属箔層1の片面に形成された第1高分子樹脂層2、及び前記金属箔層1の別の面に形成された第2高分子樹脂層3を含む。このとき、所定形状とは、形状を特に制限しないということであり、本発明の本質を損なわない如何なる形状も可能であるという意味である。本発明のケーブル型二次電池100は、所定形状の水平断面を有し、水平断面に対する長手方向に長く延びた線型構造を有して可撓性を有するため、変形自在である。
【0046】
ここで、前記外部集電体薄膜9としては、ハーフパイプ型またはメッシュ型の集電体もしくは金属ペーストコーティング層を使用することができる。
【0047】
ハーフパイプ型集電体を使用する場合には、前記電極組立体の外面を完全に囲めるように、2個または3個を前記パッケージに接着して使用することができる。但し、このとき、チューブが熱収縮したときを考慮して一定間隔を維持するように配置する。
【0048】
メッシュ型集電体を使用する場合には、ある程度の伸縮性が保障されるため、前記電極組立体の外面を完全に囲めるように裁断して使用することができる。
【0049】
また、金属ペーストを使用する場合には、前記パッケージの内面にコーティングして使用することができる。
【0050】
このとき、外部集電体薄膜9は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素または銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子から製造されたものを使用することができる。このような導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO(Indium Tin Oxide)、銅、銀、パラジウム、及びニッケルなどが使用可能であり、伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄などが使用可能である。
【0051】
そして、図6を参照すれば、本発明の他の態様によるケーブル型二次電池110は、内部集電体5、内部電極活物質層6、外部電極活物質層8、及び前記内部電極活物質層6と前記外部電極活物質層8との間に介在された電解質層7を備え、かつ、所定形状の水平断面を有して長手方向に延長された電極組立体21;並びに前記電極組立体21を囲んで形成されるパッケージ14;を含み、前記パッケージ14は、外部集電体の役割をする中空型の金属箔層1、前記金属箔層1の片面に形成された第1高分子樹脂層2、及び前記金属箔層の別の面の両端に形成された第2高分子樹脂層3を含む。
【0052】
ここで、前記金属箔層1は、水分または空気が電池内部に浸透することを遮断し、パッケージの機械的強度を維持するとともに、外部集電体の役割も果たせるため、別途の外部集電体が不要であって、経済的である。
【0053】
そして、前記第2高分子樹脂層は、ケーブル型二次電池の両端で熱収縮チューブ層または内部絶縁層として作用するため、ケーブル型二次電池の密閉性または絶縁性を向上させる。
【0054】
このとき、前記内部集電体5としては、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素または銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレス鋼;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子などから製造されたものを使用でき、特にこれらに限定されることはない。前記導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO、銅、銀、パラジウム、及びニッケルなどを使用でき、特にこれらに限定されることはない。そして、前記伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄などを使用できるが、特にこれらに限定されることはない。
【0055】
ここで、前記内部電極は負極であり、前記外部電極は正極であるか、または、前記内部電極は正極であり、前記外部電極は負極であり得る。
【0056】
前記内部電極または前記外部電極が負極として作用する場合、その活物質層としては、天然黒鉛、人造黒鉛または炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO);Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeを含む金属類(Me);前記金属類(Me)の合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体などからなるものを使用することができる。
【0057】
また、前記内部電極または前記外部電極が正極として作用する場合、その活物質層としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)を使用することができる。
【0058】
そして、前記電解質層7としては、PEO、PVdF、PMMA、PANまたはPVACを用いたゲル型高分子電解質、もしくはPEO、PPO、PEI、PESまたはPVAcを用いた固体電解質などが使用可能である。固体電解質のマトリクスは、高分子またはセラミックガラスを基本骨格にすることができる。一般の高分子電解質の場合には、イオン伝導度が満足できても反応速度の面でイオンが非常に遅く移動する恐れがあるため、固体よりはイオンの移動が容易なゲル型高分子電解質を使用することが望ましい。ゲル型高分子電解質は、機械的特性に優れないため、それを補完するために気孔構造支持体または架橋高分子を含むことができる。本発明の電解質層は、セパレータの役割も果たせるため、別途のセパレータを使用しなくてもよい。
【0059】
また、前記電解質層7は、リチウム塩を更に含むことができる。前記リチウム塩としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムなどを使用することができる。
【0060】
一方、本明細書及び図面に開示された本発明の実施例は、本発明の最も望ましい特定例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。これら実施例の他に、本発明の技術的な思想に基づく変形例が実施可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6