特許第6040507号(P6040507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040507
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】高純度メタンの製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   C10L 3/10 20060101AFI20161128BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20161128BHJP
【FI】
   C10L3/10
   B01D53/14 200
   B01D53/14 210
   B01D53/14 220
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-240334(P2012-240334)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-88524(P2014-88524A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100101904
【弁理士】
【氏名又は名称】島村 直己
(74)【代理人】
【識別番号】100168893
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 正路
(72)【発明者】
【氏名】大坂 典子
(72)【発明者】
【氏名】井川 純子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 安佐美
(72)【発明者】
【氏名】金久保 光央
(72)【発明者】
【氏名】牧野 貴至
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−526496(JP,A)
【文献】 特開2004−083542(JP,A)
【文献】 特開2005−334806(JP,A)
【文献】 特開2011−230056(JP,A)
【文献】 特開2010−260894(JP,A)
【文献】 特表2009−512548(JP,A)
【文献】 特開2011−251220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 3/00
B01D 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン発酵により発生したバイオガスをジエチレングリコールモノメチルエーテルから選択される物理吸収液及び1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデカ−7−エンである化学吸収液に接触させることによって、当該バイオガスのメタン濃度を高める濃縮工程を含む、高純度メタンの製造方法。
【請求項2】
濃縮工程においてバイオガスのメタン濃度を98%以上に高める、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
化学吸収液が物理吸収液に1〜10mol%含まれている、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
濃縮工程において使用した物理吸収液から、バイオガスから吸収した成分を除去する第1の吸収液再生工程;
濃縮工程において使用した化学吸収液から、バイオガスから吸収した成分を除去する第2の吸収液再生工程;
第1の吸収液再生工程及び第2の吸収液再生工程において再生された物理吸収液及び化学吸収液を濃縮工程において利用する再利用工程;
を更に含む、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
第2の吸収液再生工程を、化学吸収液に酸性ガス成分を含まないガスを送り込むことにより行う、請求項に記載の製造方法。
【請求項6】
酸性ガス成分を含まないガスが空気又は窒素ガスである、請求項に記載の製造方法。
【請求項7】
第2の吸収液再生工程を、化学吸収液を加熱することにより行い、且つ当該加熱の熱源として、バイオガスを発生させる際に生じる熱を利用する、請求項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオガスから精製される高純度メタンを製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止の観点から、化石燃料に代わる新エネルギーの開発が進められている。その一つとして、生ゴミや下水汚泥等のバイオマスを対象としたメタン発酵が、カーボンニュートラルなエネルギー変換技術として注目されている。
【0003】
メタン発酵により得られるバイオガスは、例えば、燃料電池、発電設備等における燃料として利用することができる。また、ライフラインである導管に注入することによって、都市ガスとして利用することも期待されている。
【0004】
メタン発酵により得られるバイオガスの主な成分はメタン及び二酸化炭素であり、これらに加えて、アンモニア、硫化水素等もわずかに含まれている。バイオガスを都市ガスとして利用する場合にはメタン濃度をできるだけ高くしておく必要がある。これまでに、メタン濃度を高くする方法として、高圧水吸収法、圧力スイング吸着(PSA)法、化学吸収法、低温液化法、膜分離法等が知られている。
【0005】
高圧水吸収法は、高圧条件下において二酸化炭素、硫化水素、及びアンモニアを水に吸収させることによって、メタン濃度を高める方法である。PSA法は、複数の吸着槽を使用し、半バッチ式に圧力スイングを順次かけることによって、連続的に二酸化炭素を吸着させ、メタン濃度を高める方法である。化学吸収法は、化学吸収液にバイオガスを吹き込み、化学反応させることによって、二酸化炭素を吸収させ、メタン濃度を高める方法である。低温液化法は、バイオガスを液化する際に、メタンと二酸化炭素との液化温度の差を利用することによって、二酸化炭素を除去し、メタン濃度を高める方法である。膜分離法は、膜分離装置にバイオガスを通すことによって、メタンを優先的に通過させてメタン濃度を高める、あるいは、二酸化炭素を優先的に通過させてメタン濃度を高める方法である。
【0006】
なお、バイオガスを対象とするものではないが、混合ガスから二酸化炭素を除去する方法も知られている(例えば、特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−251220号公報
【特許文献2】特開2011−230056号公報
【特許文献3】特開2010−248052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
バイオガスを導管に注入して都市ガスとして利用する場合、バイオガスのメタン濃度を98%以上に高める必要がある。現在、国内では高圧水吸収法が利用されているが、コスト、敷地面積等において課題が存在する。また、PSA法、化学吸収法、低温液化法、膜分離法等についても、メタンの回収効率、メタンの精製効率、コスト等において課題が存在する。
【0009】
そのため、本発明は物理吸収液及び化学吸収液を使用し、高純度のメタンを製造するための新たな方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、バイオガスを物理吸収液及び化学吸収液に接触させることによって、バイオガスのメタン濃度を高められることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]バイオガスを物理吸収液及び化学吸収液に接触させることによって、当該バイオガスのメタン濃度を高める濃縮工程を含む、高純度メタンの製造方法。
[2]物理吸収液及び化学吸収液を混合吸収液として使用する、[1]に記載の製造方法。
[3]バイオガスを物理吸収液に接触させ、次に化学吸収液に接触させる、[1]に記載の製造方法。
[4]濃縮工程においてバイオガスのメタン濃度を98%以上に高める、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]物理吸収液がポリアルキルグリコールエーテル又はその誘導体であり、化学吸収液がアミンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
【0012】
[6]濃縮工程において使用した物理吸収液又は混合吸収液から、バイオガスから吸収した成分を除去する第1の吸収液再生工程;
濃縮工程において使用した化学吸収液又は混合吸収液から、バイオガスから吸収した成分を除去する第2の吸収液再生工程;
第1の吸収液再生工程及び第2の吸収液再生工程において再生された物理吸収液及び化学吸収液、又は混合吸収液を濃縮工程において利用する再利用工程;
を更に含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]第2の吸収液再生工程を、化学吸収液又は混合吸収液に酸性ガス成分を含まないガスを送り込むことにより行う、[6]に記載の製造方法。
[8]酸性ガス成分を含まないガスが空気又は窒素ガスである、[7]に記載の製造方法。
[9]第2の吸収液再生工程を、化学吸収液又は混合吸収液を加熱することにより行い、且つ当該加熱の熱源として、バイオガスを発生させる際に生じる熱を利用する、[6]に記載の製造方法。
【0013】
[10]バイオガスのメタン濃度を高めることによって、高純度メタンを製造する装置であって、
バイオガスを物理吸収液と化学吸収液との混合吸収液に接触させる吸収槽;
吸収槽に接続され、吸収槽で除去成分を吸収した混合吸収液を送出する第1の導管;
第1の導管を介して吸収槽と連結され、バイオガスから吸収した成分を混合吸収液から除去する第1の吸収液再生槽;
第1の吸収液再生槽に接続され、第1の吸収液再生槽において再生された混合吸収液を送出する第2の導管;
第2の導管を介して第1の吸収液再生槽と連結され、バイオガスから吸収した成分を第1の吸収液再生槽において再生された混合吸収液から除去する第2の吸収液再生槽;
第2の吸収液再生槽に接続され、第2の吸収液再生槽において再生された混合吸収液を吸収槽に循環する第3の導管;
第1の吸収液再生槽の内部を減圧する減圧手段;及び
第2の吸収液再生槽に存在する混合吸収液に酸性ガス成分を含まないガスを送り込む気体供給手段;
を備える、装置。
[11]第2の導管と第3の導管とを連結する開閉可能な第4の導管を更に備える、[10]に記載の装置。
[12]第2の吸収液再生槽に存在する混合吸収液を加熱する加熱手段を、気体供給手段の代わりに、備える、[10]又は[11]に記載の装置。
[13]バイオガス発生手段を更に備え、当該バイオガス発生手段において生じた熱を加熱手段が利用する、[12]に記載の装置。
[14]バイオガスのメタン濃度を高めることによって、高純度メタンを製造する装置であって、
バイオガスを物理吸収液に接触させる第1の吸収槽;
第1の吸収槽に接続され、吸収槽で除去成分を吸収した物理吸収液を送出する第1の導管;
第1の導管を介して第1の吸収槽と連結され、バイオガスから吸収した成分を物理吸収液から除去する第1の吸収液再生槽;
第1の吸収液再生槽に接続され、第1の吸収液再生槽において再生された物理吸収液を第1の吸収槽に循環する第2の導管;
第1の吸収槽に接続され、物理吸収後のバイオガスを送出する第3の導管;
第3の導管を介して第1の吸収槽と連結され、精製されたバイオガスを化学吸収液と接触させる第2の吸収槽;
第2の吸収槽に接続され、吸収槽で除去成分を吸収した化学吸収液を送出する第4の導管;
第4の導管を介して第2の吸収槽と連結され、精製されたバイオガスから吸収した成分を化学吸収液から除去する第2の吸収液再生槽;
第2の吸収液再生槽に接続され、第2の吸収液再生槽において再生された化学吸収液を第2の吸収槽に循環する第5の導管;
第1の吸収液再生槽の内部を減圧する減圧手段;及び
第2の吸収液再生槽に存在する化学吸収液に酸性ガス成分を含まないガスを送り込む気体供給手段;
を備える、装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バイオガスから高純度のメタンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るメタン製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図2】本発明に係るメタン製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図3】本発明に係るメタン製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図4】本発明に係るメタン製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図5】本発明に係るメタン製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図6】本発明に係るメタン製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図7】混合吸収液の再生試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
<高純度メタン製造方法>
本発明は、バイオガスを物理吸収液及び化学吸収液に接触させることによって、当該バイオガスのメタン濃度を高める濃縮工程を含む、高純度メタンの製造方法に関する。
【0018】
本発明において精製するバイオガスはメタン発酵により発生させることができる。メタン発酵としては、中温メタン発酵(約37℃)、高温メタン発酵(約55℃)等の如何なる方法を採用してもよい。例えば、BOD(生化学的酸素要求量)として数万ppmの液を酸化還元電位で−300〜−400mVの嫌気状態にし、51〜55℃に保つ方法であってもよい。このような嫌気状態において、絶対嫌気性細菌であるメタン生成細菌は活性化するため、有機物1kg当たり、300〜1000Lのバイオガスを発生させることができる。
【0019】
メタン発酵の原料としては、有機系廃棄物や有機系廃水、より具体的には、生ゴミ、家畜糞尿、下水汚泥、種々の食品工場から廃棄される有機物含有排水、大豆煮汁、ウィスキーや焼酎の蒸留廃液、ビール製造工程から排出されるトルーブ廃水等を挙げることができる。
【0020】
バイオガスはメタン発酵槽において人工的に発生させたものに限られず、ゴミの埋め立て処分場等から発生するランドフィルガスであってもよい。
【0021】
本発明における濃縮工程では、バイオガスを物理吸収液及び化学吸収液に接触させることによって、バイオガスのメタン以外の成分(以下、単に「不純物」ともいう)、特に二酸化炭素が、物理吸収液及び化学吸収液に吸収される。これによって、バイオガスのメタン濃度が高まる。
【0022】
バイオガスを各吸収液に接触させる時には、バイオガスを物理吸収液に初めに接触させ、次に化学吸収液に接触させるのが好ましい。バイオガスを物理吸収液に初めに接触させ、次に化学吸収液に接触させることにより、化学吸収液を含有する吸収槽における流量比(液/ガス)を下げることができる。また、後述する化学吸収液再生工程の加熱処理におけるエネルギーを削減することができる。また、物理吸収液と化学吸収液とを混合した混合吸収液にバイオガスを接触させてもよい。物理吸収液と化学吸収液とを混合することにより、吸収液の揮発を抑えることができる場合がある。揮発しにくい混合吸収液は、以下で説明するような、吸収液を再利用する実施態様において好ましく使用することができる。また、バイオガスを物理吸収液のみに接触させることもできる。
【0023】
バイオガスと吸収液とを接触させる方法は特に限定されない。バイオガスの不純物が十分に吸収されるようにバイオガスを吸収液に接触させればよい。例えば、吸収液にバイオガスをバブリングさせてもよい。また、加圧条件下においてバイオガスを吸収液に接触させてもよい。加圧条件を採用することにより、バイオガスの不純物を効率的に吸収させることができる。加圧条件としては、例えば、0.2〜10MPa、0.5〜5MPa、0.7〜3MPa等を挙げることができる。
【0024】
物理吸収液としては、物理的に二酸化炭素を吸収することができる液体であれば特に限定されない。例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、及びその誘導体)、N−メチルピロリドン、ポリアルキルグリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、及びそれらの誘導体)、炭酸エステル類(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びそれらの誘導体)、ジアルキルイミダゾリウム塩類(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロホウ酸、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロリン酸、及びそれらの誘導体)、テトラアルキルアンモニウム塩類(N−ブチル−N,N,N−テトラメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、N−ブチル−N,N,N−テトラメチルアンモニウム テトラフルオロホウ酸、N−ブチル−N,N,N−テトラメチルアンモニウム ヘキサフルオロリン酸、及びそれらの誘導体)、テトラアルキルホスホニウム塩類(トリメチルドデシルホスホニウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、トリメチルドデシルホスホニウム テトラフルオロホウ酸、トリメチルドデシルホスホニウム ヘキサフルオロリン酸、及びそれらの誘導体)等を挙げることができる。物理吸収液は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
化学吸収液としては、化学的に二酸化炭素を吸収することができる液体であれば特に限定されない。例えば、アルカノールアミン類(例えば、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、メチルジエタノールアミン(MEDA)、及びその誘導体)、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、アミジン類(アミジン、2−メチルアミジン、N−メチルアミジン、N−メチルアミジン、N−メチル−2−メチルアミジン、N−メチル−2−メチルアミジン、N,N−ジメチルアミジン、N,N−ジメチルアミジン、N,N−ジメチル−2−メチルアミジン、N,N−ジメチル−2−メチルアミジン、N,N,N−トリメチルアミジン、N,N,N,−トリメチル−2−メチルアミジン、及びそれらの誘導体)、グアニジン類(グアニジン、2−メチルグアニジン、1−メチルグアニジン、1−メチル−2−メチルグアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、1,1,2−トリメチルグアニジン、1,2,3−トリメチルグアニジン、1,1,3−トリメチルグアニジン、1,1,2,3−テトラメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,1,2,3,3−ペンタメチルグアニジン、及びそれらの誘導体)、ホスファゼン類(2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(BEMP)、テトラメチル(トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン)リン酸トリアミド−Et−イミン (P−Et)、及びそれらの誘導体)等を挙げることができる。化学吸収液は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
物理吸収液及び化学吸収液を混合して使用する場合、各吸収液の好ましい混合比率は、使用する吸収液の種類、濃縮条件、バイオガスの組成等によって変化するが、例えば、化学吸収液が物理吸収液に0.5〜20mol%、1〜10mol%、3〜5mol%含まれていることが好ましい。
【0027】
濃縮工程では、バイオガスと吸収液との接触条件、吸収液の種類及び量等を変化させることによって、バイオガスから精製されるメタン濃度を調節することができる。そのため、用途に応じた適当な濃度のメタンを製造することができる。例えば、バイオガスを精製して天然ガス自動車用燃料として使用する場合には、メタン濃度を95%まで高めればよい。一方、バイオガスを精製して導管に注入して都市ガスとして利用する場合には、メタン濃度を98%以上に高めればよい。
【0028】
本発明に係るメタン製造方法は、濃縮工程において使用した物理吸収液(混合吸収液)から、バイオガスから吸収した成分(不純物)を除去する第1の吸収液再生工程を含んでいてもよい。物理吸収液から不純物を除去する方法は特に限定されないが、例えば、物理吸収液を減圧状態に置くことによって不純物を除去することができる。なお、ここでいう減圧状態には、加圧状態を常圧(大気圧)状態に戻すことも包含される。
【0029】
本発明に係るメタン製造方法は、濃縮工程において使用した化学吸収液(混合吸収液)から、不純物を除去する第2の吸収液再生工程を更に含んでいてもよい。化学吸収液から不純物を除去する方法は特に限定されないが、化学吸収液に空気又は窒素ガスなどの酸性ガス成分を含まないガスを送り込むことによって不純物を除去することができる。例えば、化学吸収液に窒素ガスをバブリングさせることによって不純物を除去することができる。空気や窒素ガスを利用する実施形態では加熱による化学吸収液の劣化を防止することができる。
【0030】
また、化学吸収液を加熱することによって不純物を除去することもできる。この際、熱源として、バイオガスを発生させる際に生じる熱を利用することが好ましい。このような熱を利用することによって運転コストを抑えることができる。
【0031】
第1の吸収液再生工程及び第2の吸収液再生工程において物理吸収液及び化学吸収液から除去された不純物の大部分は二酸化炭素である。除去された二酸化炭素は、回収して任意の用途に利用してもよい。
【0032】
物理吸収液及び化学吸収液を混合吸収液として使用することにより、吸収液の揮発を抑制することができる場合がある。これにより、各精製・再生工程における吸収液の揮発による損失を抑えることができ、吸収液を追加するためのコストを抑えることができる。また、吸収液の揮発を抑制することにより、吸収液の捕捉装置が不要になり、捕捉装置が無くとも高純度の二酸化炭素を回収することができる。
【0033】
第1の吸収液再生工程及び第2の吸収液再生工程において再生された物理吸収液及び化学吸収液、又は混合吸収液は、濃縮工程に再利用することができる。これにより、新たな吸収液を使用することなく、同じ吸収液を用いて大量のバイオガスを処理することができる。吸収液を再利用する回数は特に制限されず、バイオガスのメタン濃度を高める機能に支障が生じるまで何度でも利用することができる。吸収液を複数回にわたって利用できるため、吸収液の原料コストを大幅に抑えることができる。
【0034】
<高純度メタン製造装置>
本発明に係るメタン製造装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
本発明に係るメタン製造装置は、例えば図1に示すように、主として吸収槽3、第1の導管4、第1の吸収液再生槽5、第2の導管6、第2の吸収液再生槽7、第3の導管8、減圧手段9、及び気体供給手段10から構成されている。
【0036】
吸収槽3は、精製前のバイオガスを導入するガス導入管1、及び精製後のバイオガスを捕集するガス捕集管2を備えている。また、吸収槽3は、当該吸収槽で使用された物理吸収液と化学吸収液との混合吸収液を送出する第1の導管4を備えている。第1の導管4は、バイオガスから吸収した不純物を混合吸収液から除去する第1の吸収液再生槽5に接続されており、吸収槽3と第1の吸収液再生槽5とを連結する。第1の吸収液再生槽5は、当該吸収液再生槽において再生された混合吸収液を送出する第2の導管6を備えている。第2の導管6は、バイオガスから吸収した不純物を第1の吸収液再生槽5おいて再生された混合吸収液から除去する第2の吸収液再生槽7に接続されており、第1の吸収液再生槽5と第2の吸収液再生槽7とを連結する。第2の吸収液再生槽7は、第2の吸収液再生槽7において再生された混合吸収液を吸収槽3に循環する第3の導管8を備えている。第3の導管8は、吸収槽3に接続されており、第2の吸収液再生槽7と吸収槽3とを連結する。
【0037】
また、第1の吸収液再生槽5は、当該吸収液再生槽の内部を減圧する減圧手段9を備えている。減圧手段9としては特に限定されないが、吸引ポンプ等を使用することができる。また、第1の吸収液再生槽5の内部が加圧状態である場合、圧力を開放するための圧力開放弁等を使用することもできる。
【0038】
第2の吸収液再生槽7は、当該吸収液再生槽に存在する混合吸収液に空気又は窒素ガスを送り込む気体供給手段10を備えている。気体供給手段10としては特に限定されないが、ガスボンベ、コンプレッサー等を使用することができる。
【0039】
図示しないが、第1の吸収液再生槽5は、当該吸収液再生槽において除去された不純物、特に二酸化炭素を回収する第1の回収管を備えていてもよい。また、吸収槽3の内部を加圧する加圧手段を備えていてもよい。更に、第2の吸収液再生槽7において除去された二酸化炭素の量を検出する検出手段、及び当該検出手段によって検出された二酸化炭素の量に関する信号を受信し、受信した二酸化炭素の量に基づいて混合吸収液に送り込むべき空気又は窒素ガスの供給量を計算し、計算した供給量を気体供給手段10に発信して送り込む空気又は窒素ガスの量を調節する手段を備えていてもよい。
【0040】
以上のように構成されたメタン製造装置において、精製前のバイオガスがガス導入管1から吸収槽3に導入され、物理吸収液と化学吸収液との混合吸収液と接触する。これにより、バイオガスから不純物が吸収されメタン濃度が高まる。バイオガスの組成に対して、各吸収液の種類及び混合比率、接触条件等を調節することによりメタン濃度を98%以上に高めることが可能である。精製後のメタンはガス捕集管2から捕集される。
【0041】
不純物を吸収した混合吸収液は、第1の導管4を介して、第1の吸収液再生槽5に送出される。第1の吸収液再生槽5では、減圧手段9を用いて当該吸収液再生槽の内部を減圧することにより、混合吸収液に物理吸収されている不純物を除去することができる。例えば、第1の吸収液再生槽5の内部が加圧状態である場合には、圧力開放弁を開いて圧力を開放することにより、不純物を除去することができる。一方、第1の吸収液再生槽5の内部が常圧状態である場合には、吸引ポンプ等を用いて減圧することにより、不純物を除去することができる。
【0042】
第1の吸収液再生槽5において除去された不純物の大部分は二酸化炭素であるため、これを第1の回収管から回収して任意の用途に利用することができる。また、物理吸収液と化学吸収液とを混合吸収液として使用することにより、吸収液の揮発が抑制されるため、高純度の二酸化炭素を回収することができる。
【0043】
第1の吸収液再生槽5において再生された混合吸収液は、第2の導管6を介して、第2の吸収液再生槽7に送出される。第2の吸収液再生槽7では、気体供給手段10を用いて空気又は窒素ガスを混合吸収液に送り込むことにより、混合吸収液に化学吸収されている不純物を除去することができる。例えば、混合吸収液に窒素ガスをバブリングさせることによって、不純物を除去することができる。
【0044】
第2の吸収液再生槽7において再生された混合吸収液は、第3の導管8を介して、吸収槽3に循環される。混合吸収液を再生して、再利用することにより、各吸収液の使用量を抑えることができる。また、化学吸収液の再生を空気又は窒素ガスを用いて行うことにより、化学吸収液の劣化を防止することができるため、再利用の回数を増やすことができる。
【0045】
本発明に係るメタン製造装置は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、図2に示すように、第2の導管6と第3の導管8とを連結する開閉可能な第4の導管11を更に備えていてもよい。第4の導管11を備える場合には、第2の導管6と第4の導管11との接続部分、及び第3の導管8と第4の導管11との接続部分に弁等の流量制御手段(図示せず)を設けておき、混合吸収液を第4の導管11に送出する際に、混合吸収液が第2の吸収液再生槽7へ流入すること、及び第3の導管8へ逆流することを防止することが好ましい。
【0046】
以上のように構成されたメタン製造装置において、第4の導管11を開くことにより、混合吸収液を第2の吸収液再生槽7に通すことなく、吸収槽3に循環させることができる。物理吸収液及び化学吸収液を再利用する場合、各吸収液から不純物が十分に除去されていないと、バイオガスから不純物を十分に吸収することができない。一方、バイオガスの用途によっては、メタン濃度をあまり高める必要がない場合がある。そのような場合において、メタン濃度を必要以上に高めることは運転コストの上昇につながるため好ましくない。そのため、メタン濃度をあまり高める必要がない場合には、第4の導管11を使用して、化学吸収液の再生を省略することにより、運転コストを抑えることができる。この場合、再生された物理吸収液によってバイオガスの不純物を除去することになるが、メタン濃度を90%まで高めることが可能である。一方、再生された物理吸収液及び化学吸収液によってバイオガスの不純物を除去する場合には、メタン濃度を98%以上まで高めることが可能である。
【0047】
また、図3に示すように、気体供給手段10の代わりに、第2の吸収液再生槽7に存在する混合吸収液を加熱する加熱手段12を備えていてもよい。特に、図4に示すように、本発明に係るメタン製造装置にバイオガス発生手段13が連結されており、当該バイオガス発生手段13において生じた熱を加熱手段12が利用する構成であることが好ましい。バイオガス発生手段13としては、メタン発酵を行う発酵槽等を挙げることができる。
【0048】
図示しないが、第2の吸収液再生槽7は、当該吸収液再生槽において除去された不純物、特に二酸化炭素を回収する第2の回収管を備えていてもよい。
【0049】
以上のように構成されたメタン製造装置において、加熱手段12が第2の吸収液再生槽7に存在する混合吸収液を加熱することにより、混合吸収液に化学吸収されている不純物を除去することができる。特に、加熱手段12が、バイオガス発生手段13において生じた熱を利用することにより、運転コストを抑えることができる。
【0050】
また、気体供給手段10の代わりに加熱手段12を利用すると、第2の吸収液再生槽7において除去された二酸化炭素に空気又は窒素が混入しないため、高純度の二酸化炭素を回収することができる。
【0051】
本発明に係るメタン製造装置は、例えば、図5に示すように、主として第1の吸収槽14、第1の導管15、第1の吸収液再生槽5、第2の導管16、第3の導管17、第2の吸収槽18、第4の導管19、第2の吸収液再生槽7、第5の導管20、減圧手段9、及び気体供給手段10から構成することもできる。
【0052】
この場合、第1の吸収槽14は、精製前のバイオガスを導入するガス導入管1、及び物理吸収後のバイオガスを送出する第3の導管17を備えている。また、第1の吸収槽14は、当該吸収槽で使用された物理吸収液を送出する第1の導管15を備えている。第1の導管15は、バイオガスから吸収した不純物を物理吸収液から除去する第1の吸収液再生槽5に接続されており、第1の吸収槽14と第1の吸収液再生槽5とを連結する。第1の吸収液再生槽5は、当該吸収液再生槽において再生された物理吸収液を第1の吸収槽14に循環する第2の導管16を備えている。第2の導管16は、第1の吸収槽14に接続されており、第1の吸収液再生槽5と第1の吸収槽14とを連結する。第3の導管17は、第2の吸収槽18に接続されており、第1の吸収槽14と第2の吸収槽18とを連結する。第2の吸収槽18は、物理吸収後のバイオガスを導入する第3の導管17、及び、精製後のバイオガスを捕集する第1のガス捕集管21を備えている。また、第2の吸収槽18は、当該吸収槽で使用された化学吸収液を送出する第4の導管19を備えている。第4の導管19は第2の吸収液再生槽7に接続されており、第2の吸収槽18と第2の吸収液再生槽7とを連結する。第2の吸収液再生槽7は、第2の吸収液再生槽7において再生された化学吸収液を第2の吸収槽18に循環する第5の導管20を備えている。第5の導管20は、第2の吸収槽18に接続されており、第2の吸収液再生槽7と第2の吸収槽18とを連結する。
【0053】
また、第1の吸収液再生槽5は、当該吸収液再生槽の内部を減圧する前記の減圧手段9を備えている。第2の吸収液再生槽7は、当該吸収液再生槽に存在する化学吸収液に空気又は窒素ガスを送り込む前記の気体供給手段10を備えている。
【0054】
以上のように構成されたメタン製造装置において、精製前のバイオガスがガス導入管1から第1の吸収槽14に導入され、物理吸収液と接触する。これにより、バイオガスから不純物が吸収されメタン濃度が高まる。バイオガスの組成に対して、接触条件等を調節することによりメタン濃度を90%以上に高めることが可能である。
【0055】
不純物を吸収した物理吸収液は、第1の導管15を介して、第1の吸収液再生槽5に送出される。
【0056】
第1の吸収液再生槽5において再生された物理吸収液は、第2の導管16を介して、第1の吸収槽14に循環される。
【0057】
物理吸収後のバイオガスは、第3の導管17を介して、第2の吸収槽18に導入され、化学吸収液と接触する。これにより、物理吸収後のバイオガスから不純物がさらに吸収されメタン濃度が高まる。物理吸収後のバイオガスの組成に対して、接触条件等を調節することによりメタン濃度を98%以上に高めることが可能である。また、物理吸収液と化学吸収液とを別々に使用することにより、第2の吸収槽18における流量比(液/ガス)を下げることができる。
【0058】
不純物を吸収した化学吸収液は、第4の導管19を介して第2の吸収液再生槽7に送出される。第2の吸収液再生槽7では、前記の気体供給手段10を用いて空気又は窒素ガスを化学吸収液に送り込むことにより、化学吸収液に化学吸収されている不純物を除去することができる。また、前記のように、装置は、第2の吸収液再生槽7に存在する化学吸収液を加熱する加熱手段を備えていてもよい。この場合、物理吸収液と化学吸収液とを別々に使用することにより、加熱するのに必要なエネルギーを削減することができる。
【0059】
第2の吸収液再生槽7において再生された化学吸収液は、第5の導管20を介して、第2の吸収槽18に循環される。
【0060】
本発明に係るメタン製造装置は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、第3の導管17は、物理吸収後のバイオガスを捕集する、開閉可能な第2のガス捕集管22を備えていてもよい。第2のガス捕集管22を備える場合には、第3の導管17とガス捕集管22との接続部分に弁等の流量制御手段を設けておき、物理吸収後のバイオガスを第3の導管17に導入する際に、物理吸収後のバイオガスが第2の吸収槽18に流入することを防止する。メタン濃度をあまり高める必要がない場合には、第2のガス捕集管22を使用して化学吸収液との接触を省略することにより、運転コストを抑えることができる。この場合、物理吸収液のみによってバイオガスの不純物を除去することになるが、メタン濃度を90%まで高めることが可能である。第2のガス捕集管22を備えることにより、装置の運転を切り替えて希望するメタン濃度に濃縮することができる。
【実施例】
【0061】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
<メタン濃縮試験>
二酸化炭素(45.16%)及びメタン(54.84%)のガス組成を有する模擬バイオガス、物理吸収液としてジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)およびジエチレングリコールモノメチルエーテル(以下、グライムOH)、及び化学吸収液として1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデカ−7−エン(以下、DBU)を用い、25℃、1MPaの条件下でメタンの濃縮試験を行った。種々の条件において濃縮されたメタン濃度の結果を表1に示す。なお、流量比は実験条件(1MPa)における混合比を表す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1に示すように、流量比(液/ガス)を上げたり、DBUの量を増加させるとメタン濃度は高まる傾向にある。流量比が1.0でDBUが3mol%や、流量比が0.5でDBUが5mol%の場合には、99%のメタン濃度が得られた。
【0065】
<混合吸収液再生試験>
混合吸収液1(グライムOH+3mol%DBU)、及び混合吸収液2(グライムOH+5mol%DBU)を11〜12g使用して再生試験を行った。25℃、0.1MPaの条件下で、各混合吸収液に二酸化炭素を1時間吹き込み、次に窒素を吹き込んだ。結果を図7に示す。
【0066】
図7に示すように、二酸化炭素を吹き込むことによって混合吸収液が二酸化炭素を吸収し、窒素を吹き込むことによって混合吸収液から二酸化炭素が除去されることが質量の増減により示された。
【符号の説明】
【0067】
1・・・ガス導入管、2・・・ガス捕集管、3・・・吸収槽、4・・・第1の導管、5・・・第1の吸収液再生槽、6・・・第2の導管、7・・・第2の吸収液再生槽、8・・・第3の導管、9・・・減圧手段、10・・・気体供給手段、11・・・第4の導管、12・・・加熱手段、13・・・バイオガス発生手段、14・・・第1の吸収槽、15・・・第1の導管、16・・・第2の導管、17・・・第3の導管、18・・・第2の吸収槽、19・・・第4の導管、20・・・第5の導管、21・・・第1のガス捕集管、22・・・第2のガス捕集管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7