(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
1.システム
2.ハードウェア構成例
3.機能
4.動作シーケンス
(1.システム)
図1Aは、本発明の一実施形態における位置情報管理システム1を表す。
図1Aは、通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140、管理サーバ160、通信装置と無線端末と管理装置とから構成されるネットワーク180及びネットワーク190を有する。ここで、ネットワーク180は、管理装置140によって管理される無線ネットワークである。
図1Bは、
図1Aにおいて無線ネットワークを構成する通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140を抜き出して示したものである。
【0019】
通信装置100、102、104、106は、例えば部屋の天井等に固定され、固定された位置に係る、経緯情報、建物の階数及び棟番号のような位置情報(以下「位置情報」とする)そのものを連続的又は断続的に無線送信する。通信装置は、それぞれ独立した筐体を有し、予め設置された電源から給電されて動作するか、あるいはLED蛍光管のような照明器具に組み込まれ、該照明器具から給電されて動作する。通信装置100、102、104、106は、それぞれが保持する位置情報を、無線信号により所定の範囲に送信する。所定の範囲は、用いられる無線信号の信号強度によって定められる。通信装置は、位置の管理対象となる領域をカバーするように配置され、それぞれの領域が重複しないように構成される。あるいは、重複する場合であっても、位置情報を受信する側において、受信電波の強度に基づいて、何れか一つの通信装置が決定できるよう構成される。
図1Aの例では、それぞれの通信装置の下方に示される円錐型の点線が、所定の範囲を表している。位置情報を送信する通信方式として、例えば地上補完信号(Indoor Messaging System;IMES)を用いることができる。
【0020】
無線端末120、122、124は、通信装置100、102、104、106のうち、最寄の通信装置が送信する無線信号を受信することができる。
図1Aの例では、それぞれの無線端末は、位置を管理する対象である直方体の管理対象物に付されている。無線端末120、122、124は、自らも電波を送信可能な、例えばアクティブタグのような端末である。以下、無線端末120について説明する。
【0021】
無線端末120は、通信装置100からの無線信号を受信できる範囲にあり、通信装置100の位置情報を受信する。通信装置100の位置情報の受信は、例えばIMESを用いて行われる。無線端末120は、受信した位置情報と共に、例えばネットワークアドレスのような自らの識別情報を含む情報を通信装置100へ送信する。該送信は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)のような近距離無線通信によるネットワーク180を通じて行われる。この場合には、無線端末120の識別情報として、IEEE802.15.4の短縮アドレスまたはIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。通信装置100へ送信された識別情報と位置情報は、次に、隣接する通信装置102を経由して、管理装置140に送信される。なお、無線端末120における送受信の動作は、当該無線端末120において予め定められたタイミングか、あるいは、当該無線端末120の備える加速度センサによる加速度の変化が検出されたタイミングで行われる。
【0022】
管理装置140は、ネットワーク180とネットワーク190とを相互に接続し、ネットワーク180側から送信されたデータをネットワーク190にブリッジする。管理装置140は、例えば建物のフロア毎、または壁などで仕切られた部屋毎に設置される。ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)によるPAN(Personal Area Network)であり、ネットワーク190がIEEE802.3規格に基づくLANである場合には、それらの間での通信方式の変換を行う。また、無線端末120の識別情報がIEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づきIEEE拡張アドレスに変換し、管理サーバ160に送信する。
【0023】
管理サーバ160は、管理装置140を経由して受信された識別情報と位置情報とを、受信日時と共に記録し、通信装置の位置を管理する。管理サーバ160では、無線端末に係る管理対象物が予め記録されている。よって、これらの情報を用いて、管理対象物の所在を探索することができる。
【0024】
ネットワーク180は、それぞれの通信装置100、102、104、106と、無線端末120、122、124と、管理装置140とを接続する、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格によって構成されるPANである。PANがIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格で構成される場合は、無線端末、通信装置、管理装置は、それぞれZigBee(登録商標)規格で定められるエンドデバイス機能、ルータ機能及びコーディネータ機能を有する。そして、それぞれの通信装置及び無線端末は、起動時に管理装置の管理下に入り、PANを構成し、管理装置への最小経路が決定される。
【0025】
ネットワーク190は、管理装置140と管理サーバ160とを接続するネットワークであり、例えばIEEE802.3規格で定められるLANである。
【0026】
上記の通り、本発明の一実施形態における位置情報管理システム1において、無線端末は、最寄の通信装置と通信できるだけの電力を用いて、識別情報と位置情報とを管理サーバへ送信することができる。また、通信装置を設置するための新たなインフラの敷設が不要であり、導入コストを低減することができる。
【0027】
なお、通信装置の位置情報は、ネットワーク180を通じて提供されてもよい。これにより、IMESのような位置情報を送信するための送信手段が不要となる。
【0028】
また、無線端末は、位置情報を送信した通信装置よりさらに近傍に管理装置が存在する場合には、識別情報と位置情報とを管理装置140に送信してもよい。これにより、最短経路で識別情報と位置情報が管理サーバに送信できる。
【0029】
また、管理サーバに、管理装置の機能を統合してもよい。これにより、個別の管理装置が不要となる。
【0030】
また、無線端末は、スマートフォン、PDA、PC又はスマートメータのような、アクティブタグと同等の機能を有する無線端末であってもよい。これにより、タグを付することなく、既存の無線端末の位置情報の管理が可能となる。
【0031】
また、上述の位置情報に加えて、例えば部屋の中の区画を表す情報のような、より細かな位置を特定する情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
【0032】
また、位置管理対象が人であってもよい。これにより、当該システム1によって人の所在を管理することができる。
【0033】
また、ネットワーク180は、例えばBluetooth LE、ANT、Z-Wave等の近距離無線通信を用いて構成されてもよい。これにより、多様な無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
【0034】
また、ネットワーク190は、例えばインターネットのような、複数の種類のネットワークを含んでもよい。これにより、ネットワーク180と管理サーバ160との間の物理的な位置に関係なく、無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
【0035】
(2.ハードウェア構成例)
次に、
図2A、2B、2C、2Dを用いて、位置情報管理システム1に含まれる通信装置100、無線端末120、管理装置140、管理サーバ160のハードウェア構成について説明する。
【0036】
図2Aは、本発明の一実施形態における通信装置100のハードウェア構成を表す。通信装置100は、CPU200、RAM202、ROM204、位置信号送信制御部206、位置信号送信器208、無線通信制御部210、無線通信装置212及びバス214を有する。
【0037】
CPU200は、当該通信装置100の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM202は、CPU200のワークエリア等を構成する。ROM204は、CPU200が実行するプログラムに加えて、当該通信装置100の位置情報を記憶する。位置信号送信制御部206は、位置信号送信器208を介して当該通信装置100の位置情報を表す測位信号を送信するための処理を実行する。位置信号送信器208は、例えばIMESのような測位信号を送出するアンテナを含む装置である。無線通信制御部210は、無線通信装置212を介して無線通信処理を実行する。無線通信装置212は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。バス214は、上記装置を電気的に接続する。
【0038】
上記構成により、本発明の一実施形態における通信装置100は、無線端末120に対して位置情報を送信し、無線端末120から識別情報と位置情報を受信し、これらの情報を管理装置を介して管理サーバへ送信することができる。
【0039】
なお、上述したように、位置情報を無線通信によって送信する場合には、位置信号送信制御部206と位置信号送信器208は不要となる。
【0040】
図2Bは、本発明の一実施形態における無線端末120のハードウェア構成を表す。通信端末120は、CPU220、RAM222、ROM224、位置信号受信制御部226、位置信号受信器228、無線通信制御部230、無線通信装置232、加速度検出制御部234、加速度検出器236及びバス238を有する。
【0041】
CPU220は、当該無線端末120の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM222は、CPU220のワークエリア等を構成する。ROM224は、CPU220が実行するプログラムに加えて、当該無線端末120の識別情報や、通信装置100から受信した位置情報を記憶する。位置信号受信制御部226は、位置信号受信器228を介して、位置情報を表す測位信号を受信するための処理を実行する。位置信号受信器228は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。無線通信制御部230は、無線通信装置232を介して無線通信処理を実行する。無線通信装置232は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。加速度検出制御部234は、加速度検出器236を介して加速度の変化を検出する。加速度検出器236は、例えば加速度センサ又は慣性力や磁気を用いたモーションセンサである。バス238は、上記装置を電気的に接続する。
【0042】
上記構成により、本発明の一実施形態における無線端末120は、通信装置100から位置情報を受信し、前記位置情報と共に自らの識別情報を通信装置100へ送信することができる。特に、無線端末が動かされたタイミングで送信又は受信の動作を行うことにより、効率的に識別情報及び位置情報を送信することができる。
【0043】
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
【0044】
また、無線端末120がGPSアンテナ及び対応する制御部を備える場合には、前記アンテナを用いてIMESによる測位信号を受信でき、ソフトウェアの改修のみによって当該位置情報管理システム1に対応させることができる。
【0045】
また、加速度検出制御部234及び加速度検出器236は任意の構成要素である。加速度検出制御部234及び加速度検出器236を備えない場合には、当該無線端末120の送信又は受信の動作は、予め定められた間隔又は時刻においてなされる。
【0046】
また、上述したように、位置情報が無線通信によって受信される場合には、位置信号受信制御部226と位置信号受信器228は不要となる。
【0047】
図2Cは、本発明の一実施形態における管理装置140のハードウェア構成を表す。管理装置140は、CPU240、RAM242、ROM244、無線通信制御部246、無線通信装置248、有線通信制御部250、有線通信装置252及びバス254を有する。
【0048】
CPU240は、当該管理装置140の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM242は、CPU240のワークエリア等を構成する。ROM244は、CPU240が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。無線通信制御部246は、無線通信装置248を介して無線通信処理を実行する。無線通信装置248は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。有線通信制御部250は、有線通信装置252を介して有線による通信処理を実行する。有線通信装置252は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。バス254は、上記装置を電気的に接続する。
【0049】
上記構成により、本発明の一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120を含むネットワーク180からの信号を、管理サーバ160を含むネットワーク190へと変換することができる。また、PANを構成するネットワーク180がZigBee(登録商標)である場合には、PANに参加するデバイスを管理するコーディネータの機能を有することができる。
【0050】
図2Dは、本発明の一実施形態における管理サーバ160のハードウェア構成を表す。管理サーバ160は、CPU260、RAM262、ROM264、HDD266、通信制御部268、通信装置270、表示制御部272、表示装置274、入力制御部276、入力装置278及びバス280を有する。
【0051】
CPU260は、当該管理サーバ160の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM262は、CPU260のワークエリア等を構成する。ROM264は、CPU260が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。HDD266は、当該位置情報管理システム1で用いられる無線端末120の位置を管理するための情報を記憶する。通信制御部268は、通信装置270を介して通信処理を実行する。通信装置270は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。表示制御部272は、当該管理サーバ160上で実行される、位置管理に係るプログラムの処理内容に合わせて、表示装置274に表示される内容を制御する。表示装置274は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイのようなディスプレイが含まれる。入力制御部276は、ユーザからの入力を受け付ける、キーボード、マウス等の入力装置278からの信号を処理する。バス280は、上記装置を電気的に接続する。
【0052】
上記構成により、本発明の一実施形態における管理サーバ160は、無線端末120の位置を管理し、該無線端末120の所在を探索することができる。
【0053】
なお、HDD266は、テープドライブを含むあらゆる記憶装置であってもよく、あるいは、ネットワークを介してアクセス可能なストレージ領域であってもよい。
【0054】
また、管理サーバ160は、上述した管理装置140が備える無線通信制御部及び無線通信装置を備え、管理装置140に代えて、その処理を行ってもよい。これにより、管理装置140を別途設ける必要がなくなる。
【0055】
(3.機能)
図3Aは、本発明の一実施形態における通信装置100の機能ブロック図を表す。本発明の一実施形態における通信装置100は、記憶手段300、通信手段304及び制御手段312を有する。
【0056】
記憶手段300は、当該通信装置100の位置情報302を記憶する。位置情報302を記憶するためのテーブルの例を
図4に示す。
図4は、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。階数は、当該通信装置100が設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、当該通信装置100の所在する位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、当該通信装置100が設置される建物の棟番号を表す。
図4の例では、通信装置100は、ある建物のC棟の16階に所在し、緯度が35.459555、経度が139.387110の地点に所在する。
【0057】
通信手段304は、位置情報送信手段306、端末情報受信手段308及び端末情報送信手段310を有する。
【0058】
位置情報送信手段306は、経緯情報、建物の階数、棟番号のような情報を含む位置情報302を、所定の範囲にある無線端末120に対して連続的又は断続的に無線送信する。位置情報302は、例えばIMESに規定されるフォーマットを用いて送信される。
【0059】
端末情報受信手段308は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを受信する。
【0060】
端末情報送信手段310は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを、管理装置140を介して管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180がZigBee(登録商標)規格を用いてなされる場合には、前記送信は、当該通信装置100が保持するルーティング情報を用いて行われる。
【0061】
制御手段312は、当該通信装置100の動作を制御する。当該通信装置100が無線端末120及び管理装置140とZigBee(登録商標)を用いてPANを構成する場合には、当該通信装置100がルータ機能を提供するよう制御する。
【0062】
上記構成により、本発明の一実施形態における通信装置100は、位置情報302を保持し、位置情報302を無線端末120に送信し、該無線端末120の識別情報と位置情報を受信して、該識別情報を管理装置140を通じて管理サーバへ送信することができる。
【0063】
なお、位置情報302は、通信装置100が設置される建物名や、部屋の中の区画を表す情報のような追加の情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
【0064】
図3Bは、本発明の一実施形態における無線端末120の機能ブロック図を表す。本発明の一実施形態における無線端末120は、記憶手段320、通信手段326、加速度検出手段332及び制御手段334を有する。
【0065】
記憶手段320は、識別情報322と位置情報324を有する。識別情報322は、当該無線端末120のネットワークアドレスのような、当該位置情報管理システム1上で無線端末120を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報324は、通信装置100から送信された位置情報302である。位置情報324を記憶するためのテーブルの例を
図5に示す。構成は
図4と同様である。
【0066】
通信手段326は、位置情報受信手段328と識別情報送信手段330を有する。
【0067】
位置情報受信手段328は、通信装置100から送信された位置情報302を受信する。受信された位置情報302は、当該無線端末120の記憶手段320に保持される。
【0068】
識別情報送信手段330は、当該無線端末120の識別情報322と共に位置情報324を通信装置100に送信する。位置情報322は、例えば
図6のようなフォーマットにより無線端末120に送信される。
図5のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
【0069】
加速度検出手段332は、当該無線端末120の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば当該無線端末120が移動を開始した時、該移動が停止した時、又は傾きを検出した時等に検出される。検出された加速度の変化は、当該無線端末120の送信又は受信の動作のタイミングを決定するために用いられる。なお、当該加速度検出手段332は任意の構成要素である。
【0070】
制御手段334は、位置情報受信手段238による位置情報の受信のタイミングと、識別情報送信手段330による識別情報322と位置情報324との送信のタイミングを制御する。送受信のタイミングは、加速度検出手段332による加速度の変化の検出に基づいて決定される。あるいは、当該無線端末120に予め設定された間隔あるいは時刻に基づいて決定されてもよい。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。さらに、制御手段334は、当該無線端末120が通信装置100及び管理装置140と共にZigBee(登録商標)によりPANを構成する場合には、当該無線端末120がエンドポイント機能を提供するよう制御する。
【0071】
上記構成により、本発明の一実施形態における無線端末120は、通信装置から位置情報を効率的に受信し、該位置情報と共に識別情報通信装置へ効率的に送信することができる。
【0072】
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、ユーザに情報を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの識別情報又は位置情報の提示や、ユーザからの識別情報又は位置情報の入力又は修正が可能となる。
【0073】
図3Cは、本発明の一実施形態における管理装置140の機能ブロック図を表す。本発明の一実施形態における管理装置140は、通信手段340、変換手段346及び制御手段348を有する。
【0074】
通信手段340は、受信手段342と送信手段344を有する。受信手段342は、ネットワーク180に属する通信装置又は無線端末から送信されたデータを受信する。送信手段344は、当該管理装置140で変換された前記データを、ネットワーク190に属する管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づくPANである。また、ネットワーク190は、例えばIEEE802.3規格に基づくLANである。
【0075】
変換手段346は、受信手段342がネットワーク180から受信したデータを、ネットワーク190に適合する形式に変換する。変換されたデータは、送信手段344によって、ネットワーク190を介して管理サーバ160へ送信される。ここで、前記データに含まれる、無線端末120の識別情報が、IEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づき、IEEE拡張アドレスに変換される。
【0076】
制御手段348は、当該管理装置140の動作を制御する。当該管理装置140が通信装置100と無線端末120と共にZigBee(登録商標)規格によりPANを構成する場合には、当該管理装置140がコーディネータ機能を提供するよう制御する。
【0077】
上記構成により、本発明の一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120が属するネットワーク180と、管理サーバが属するネットワーク190との間の通信をブリッジすることができる。
【0078】
図3Dは、本発明の一実施形態における管理サーバ160の機能ブロック図を表す。本発明の一実施形態における管理サーバ160は、通信手段360、記憶手段366、入力手段370、表示手段372及び制御手段374を有する。
【0079】
通信手段360は、受信手段362と送信手段364を有する。受信手段362は、管理装置140を通じて無線端末から送信された識別情報と位置情報とを受信する。受信された識別情報と位置情報は、記憶手段366に記憶される。送信手段364は、外部サーバ等に対して位置情報の提供を求められた場合に、該位置情報を前記外部サーバ等に送信する。
【0080】
記憶手段366は、位置管理情報368を有する。位置管理情報368は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報に、受信時刻等の管理情報を付加した情報である。該情報を記憶するテーブルの例を
図7に示す。
図7は、識別情報、機器名、所有部署、緯度、経度、階数、棟、受信日時の項目を有する。識別情報は、当該識別情報を送信した無線端末120の、例えばIEEE拡張アドレスのような情報である。緯度、経度、階数、棟は、識別情報と共に受信された位置情報に対応する。受信日時は、管理サーバ160が当該情報を受信した日時である。機器名は、当該情報を送信した無線端末120が付される管理対象の名前又は無線端末120の機器名である。所有部署は、当該情報を送信した無線端末120を所有する部署名である。機器名及び所有部署の情報は、予め当該管理サーバ160によって、識別情報と関連付けられている。
【0081】
入力手段370は、ユーザが位置情報を探索するために、ユーザからの入力を受け付ける。
【0082】
表示手段372は、ユーザが位置情報を探索するための検索画面に係るGUIを画面上に表示する。検索画面の例を
図9Aに示す。
図9Aに示された「所在検索システム」では、記憶手段366に記憶された情報を元に、無線端末に係る所有部署と機器名を画面に一覧表示する。ユーザが、検索したい機器のチェックボックスを入力手段370を通じて選択すると、チェックマークが付される。検索したい機器に全てチェックマークを付けた後に「検索実行」ボタンを選択すると、検索が実行され、結果を表示する画面に切り替わる。
図9Aの例では、ユーザが「営業1課」が所有する「UCS P3000」という機器を対象として検索を実行する例を示している。
図9Bは、その検索結果の画面の例である。「検索実行」ボタンが選択されると、表示手段372は、記憶手段366に記憶されたデータを元に、「UCS P3000」が所在する「A棟4階」のフロア図と、その機器名及び受信日時を表示する。
【0083】
制御手段374は、当該管理サーバの動作を制御する。
【0084】
上記構成により、本発明の一実施形態における管理サーバ160は、無線端末の位置を管理し、その所在を検索することができる。特に、無線端末の位置そのものを表す情報そのものを直接受信して管理することができ、位置の探索にかかる計算量を低減することができる。
【0085】
なお、管理サーバ160は、管理装置160の有する変換手段346、制御手段348及び受信手段342と同様の機能を有し、管理装置160と同様の機能を有してもよい。これにより、管理装置160を個別に設ける必要がなくなる。
【0086】
また、管理サーバ160によって記憶される位置管理情報368は、
図7に示された情報と共に、あるいは該情報に代えて、無線端末が情報を送信した日時、経由した通信装置又は管理装置の識別子、情報の到着までにかかった時間又は電界強度を含む情報を記憶してもよい。これにより、より詳細な条件で位置情報を管理することができる。
【0087】
また、管理サーバ160は、無線端末の過去の位置情報を記録してもよい。これにより、無線端末の移動を追跡することができる。
【0088】
(4.動作シーケンス)
図8は、
図1の構成における本発明の一実施形態における位置情報管理システム1の動作シーケンスを表す図である。
図8では、加速度の変化を検知すると位置情報を受信し、識別情報を送信する通信装置100と、該通信装置100の属する領域に位置情報を送信する無線端末120と、PAN(IEEE802.15.4及びZigBee(登録商標))とLAN(IEEE802.3)とをブリッジする管理装置140と、管理サーバ160とで構成される例について説明する。通信装置100と、無線端末120と、管理装置140との間のPANは既に確立されているものとする。
【0089】
ステップS800において、通信装置100は、IMES等を用いて位置情報を連続的又は断続的に送信する。
【0090】
ステップS802において、無線端末120は、加速度の変化を検知する。
【0091】
ステップS804において、無線端末120は、通信装置100から送信される位置情報を受信する。
【0092】
ステップS806において、無線端末120は、受信された位置情報を記憶する。
【0093】
ステップS808において、無線端末120は、識別情報と位置情報を通信装置100へ送信する。
【0094】
ステップS810において、通信装置100は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報とを最小経路を通じて管理装置へ送信する。
【0095】
ステップS812において、管理装置140は、通信装置100から受信した識別情報と位置情報を含む、ネットワーク180から送信されたデータをネットワーク190で適合する形式へと変換する。
【0096】
ステップS814において、管理装置140は、ネットワーク190に適合する形式に変換された識別情報と位置情報を管理サーバ160へ送信する。
【0097】
ステップS816において、管理サーバ160は、管理装置から受信した識別情報と位置情報を、識別情報に対応する無線端末の情報と共に登録する。
【0098】
以上の手順により、本発明の一実施形態における位置情報管理システム1は、無線端末が最寄の通信装置に対して効率よく識別情報と位置情報とを送信することにより、無線端末の消費電力を抑えることができる。
【0099】
なお、既に述べたように、管理サーバ160が管理装置140の機能を統合して実行してもよい。この場合には、別個の管理装置140を設置する必要がなくなる。
【0100】
また、無線端末が加速度検出手段332を備えていない場合には、ステップS802は実行されず、ステップS804における位置情報の受信は、所定の時刻又は所定の間隔で行われ得る。その後の処理は、ステップS806〜S816と同様である。
【0101】
[実施形態2]
次に、実施形態2について説明する。
【0102】
まず、上述したように、無線端末120(上述の無線端末122、124を含む)は、アクティブタグそのものではなく、スマートフォン、PDA、PC又はスマートメータのような、アクティブタグと同等の機能を有する無線端末であってもよい。これにより、位置を管理したい対象物に対して、アクティブタグを付することなく、既存の無線端末120の位置情報の管理が可能となる。
【0103】
例えば、無線端末120がスマートフォンである場合、スマートフォンはアクティブタグと同等の機能を有することから、スマートフォンは、別途アクティブタグを付することなく、上述したとおりのの機能を実現しうる。
【0104】
即ち、はじめに、通信装置100は、IMES等を用いて位置情報を連続的又は断続的に送信する。無線端末120であるスマートフォンは、天井等に取り付けられた通信装置100から位置情報を受信する。スマートフォンは、受信した位置情報を記憶するとともに、識別情報と位置情報を通信装置100へ送信する。そして、最終的に、識別情報と位置情報とは、管理サーバ160で送信された結果、管理サーバ160は、識別情報と位置情報を、識別情報に対応する無線端末の情報と共に登録することで、スマートフォンの位置(所在)を管理することが可能である。
【0105】
ところで、上述の実施形態1では、IMES規格に準拠した位置情報302を含むフォーマット(例えば、
図4〜6参照)を用いて、位置情報の送受信が実現されている。従って、位置情報管理システム1を構成する各装置(通信装置100、無線端末120等)は、言うまでもなくIMES規格をサポートし、IMES規格に従って、位置情報の送受信を行う。
【0106】
ここで、実施形態2においては、上述の実施形態1で示した位置情報302を含むフォーマット(IMES規格に準拠)において、そのフィールドを拡張することとする。IMES規格においては、規格上、ベンダー等が一定範囲内で、送受信する情報を拡張(追加)することが可能である。実施形態2においては、位置情報302を含むフォーマット上、送受信される情報を格納するための領域を拡張することにより、動作制御に関する情報を包含させる。これにより、位置情報管理システム1において、無線端末120に対する動作制御を実現する。以下詳しく説明する。
【0107】
(拡張フォーマットの例1)
図10は、本発明の一実施形態における通信装置、無線端末間で送受信する位置情報を含む拡張フォーマットの例を示す。
図4、5との比較からも分かるように、当拡張フォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号に加え、「動作制御情報」の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビット、及び8ビットで表現される。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。
【0108】
図11は、本発明の一実施形態における通信装置が保持する位置情報及び拡張情報の一例を示す。また、
図12は、本発明の一実施形態における無線端末が保持する位置情報及び拡張情報の一例を示す。通信装置100から無線端末120に対し、
図10の拡張フォーマットに基づいて位置情報が送信された場合、拡張フォーマットには、拡張情報(例えば、「動作制御情報」)を含んでいるため、位置情報に加え、当該拡張情報もまた、通信装置100から無線端末120に対し送信され、結果、無線端末120側でも、同情報が保持される。
【0109】
(「動作制御情報」による動作制御内容の例)
図13は、本発明の一実施形態における「動作制御情報」による動作制御内容の例を示す。ここで、拡張情報の一例である「動作制御情報」は、無線端末120に対する動作制御情報を示し、「動作制御情報」に応じて、無線端末120に対する動作制御内容が予め規定されている。
【0110】
「動作制御情報」は、はじめに管理者等によりその値(例えば、001、002・・)が設定されることで通信装置100に保持され、そして、通信装置100から無線端末120に対し送信される。そして、無線端末120は、通信装置100から「動作制御情報」を受信すると、受信した「動作制御情報」(「動作制御情報」の値)に応じて、無線端末120に対する動作制御を実施する。
【0111】
例えば、管理者等が、雑音の発生が厳しく制限される制限位置(例えば、会議室、ホール、映画館等々)に存在する無線端末120であるスマートフォンに対し、一切の使用を停止したいと考える場合、はじめに、その制限位置に設置する通信装置100の記憶手段300内の位置情報302(
図3A)とともに、例えば、「動作制御情報」:001をセット(記憶)しておく。
【0112】
その後、スマートフォンが制限位置の配下にある場合、スマートフォンは、そこに設置された通信装置100から位置情報302(
図3A)とともに、「動作制御情報」:001を受信する。
【0113】
スマートフォンは、受信した「動作制御情報」に従って、同「動作制御情報」:001に対応する動作制御内容通り(
図13)、自装置の動作を制御する。即ち、スマートフォンは、自装置の動作を、マナーモード1(コール音OFF/バイブレータ動作OFF/音声通話機能OFF)に制御する。
【0114】
なお、スマートフォンなどの無線端末120にとって、「動作制御情報」に対応する動作制御内容(
図13)は、既知情報である。
【0115】
(無線端末120の動作)
図14は、本実施形態2における無線端末120の動作を示すフローチャートである。なお、当フローチャートの操作主体は、無線端末120の制御手段334である。
【0116】
本実施形態2における制御手段334は、上述したように、位置情報受信手段238による位置情報の受信のタイミングと、識別情報送信手段330による識別情報322と位置情報324との送信のタイミングを制御するほか、またさらに、「動作制御情報」に従って、自装置の動作制御を実施する。以下説明する。
【0117】
ステップS1400において、無線端末120の制御手段334は、通信装置から位置情報を受信したか否かを判定する。例えば、通信装置100が天井等に設置されている場合、無線端末120は、その位置情報が到達する範囲に位置すると、通信装置100から位置情報302を受信する。なお、通信装置100からの位置情報302は、拡張フォーマットに基づいて位置情報が送信されるので、送信されてくる位置情報302は、拡張情報(「動作制御情報」)を含む(
図11)。
【0118】
ステップS1401において、制御手段334は、受信した位置情報324を記憶手段320に記憶する(
図3B)。なお、この位置情報324は、拡張フォーマットに基づいて位置情報が受信されるので、位置情報324は、拡張情報(「動作制御情報」)を含む(
図12)。
【0119】
ステップS1402において、制御手段334は、送信されてきた位置情報302、又は記憶手段320に記憶した位置情報324を参照し、「動作制御情報」の有無を判定する。「動作制御情報」が有る場合、S1403へ進む。
【0120】
一方、「動作制御情報」が無い場合、S1407へ進む。ステップS1407において、制御手段334は、動作制御中であるか否か判定する。動作制御中である場合、S1405へ進み、動作制御中である動作制御を解除する。動作制御中でない場合、ENDへ進む。
【0121】
ステップS1403において、制御手段334は、「動作制御情報」に従って、動作制御を実施する。例えば、「動作制御情報」:001である場合には、自装置の動作を、マナーモード1(コール音OFF/バイブレータ動作OFF/音声通話機能OFF)に制御する。
【0122】
ステップS1404において、制御手段334は、前回位置情報を受信した時刻から、所定時間(一定期間)が経過したかを判定する。所定時間は、通信装置が無線端末120に対し位置情報を送信するタイミング間隔よりも、大きい値に定めていく。所定時間を経過しとすると、通信装置から位置情報を受信していないこととなり、これは、無線端末120はもはや当該通信装置の管理下から離れた(当該通信装置の位置情報の届く位置にいない)ことを意味しうる。
【0123】
ステップS1405において、制御手段334は、動作制御を解除する。解除とは、本来、その装置自体に設定されている動作に従うことを意味する。例えば、S1403で、自装置の動作を、通常モードから、マナーモード1(コール音OFF/バイブレータ動作OFF/音声通話機能OFF)に制御していた場合、本来、その装置自体に設定されている動作モードである通常モードに戻す制御を行えばよい。
【0124】
ステップS1406において、無線端末120の制御手段334は、通信装置から位置情報を受信したか否かを判定する。通信装置は無線端末120に対し、所定のタイミング間隔で位置情報を送信するところ、例えば、依然として、無線端末120が同じ位置に留まっている場合は、再度繰り返して、同じ通信装置から位置情報302を受信する。なお、無線端末120が、通信装置100の配下に留まっている場合、通信装置100からの位置情報302は、S1400で受信した位置情報と同一である。
【0125】
(具体例)
図15は、本実施形態2の一実施形態を説明する位置情報管理システム1−2を表す。位置情報管理システム1−2においては、無線端末120であるスマートフォンをユーザが所持している。また、まず、ユーザは、エリアAに位置し、その後、エリアBに移動するケースを想定する。
【0126】
図16は、本発明の一実施形態における通信装置100の位置情報及び通信装置100−2の位置情報を示す。図の(a)に示されるように、通信装置100は、エリアAの天井に設置されるものであるが、エリアA(エリアAの部屋)は、雑音の発生が厳しく制限される制限位置であるため、管理者等がその「動作制御情報」に「001」をセットしている。
【0127】
一方、図の(b)に示されるように、通信装置100−2は、エリアBの天井に設置されるものであるが、雑音の発生が厳しく制限される制限位置外であるため、管理者等がその「動作制御情報」に「001」をセットしている。
【0128】
まず、ユーザは、エリアAに位置し、ユーザの所持する無線端末120(例えば、スマートフォン)は、エリアAにおいて、通信装置100から位置情報を受信する。通信装置100が記憶している位置情報(「動作制御情報」を含む)は、
図16(a)の通りであるため、このとき無線端末120が通信装置100から受信する位置情報(「動作制御情報」を含む)は、
図16(a)と同様である。
【0129】
無線端末120は、受信した位置情報324を記憶手段320に記憶する(
図16(a))。
【0130】
無線端末120は、位置情報324を参照し、「動作制御情報」:001を参照し、自装置の動作を、「マナーモード1(コール音OFF/バイブレータ動作OFF/音声通話機能OFF)」に制御する。
【0131】
ユーザが引き続きエリアAに待機する間、無線端末120は一定のタイミング間隔で通信装置100から位置情報を受信し続ける。この間、無線端末120は、装置の動作を、マナーモード1(コール音OFF/バイブレータ動作OFF/音声通話機能OFF)に制御し続ける。
【0132】
次に、ユーザが無線端末120を所持しながらエリアBへ移動する。無線端末120は、エリアBにおいて、今度は、通信装置100−2から位置情報を受信する。通信装置100−2が記憶している位置情報(「動作制御情報」を含む)は、
図16(b)の通りであるため、このとき無線端末120が通信装置100−2から受信する位置情報(「動作制御情報」を含む)は、
図16(b)と同様である。
【0133】
無線端末120は、受信した位置情報324を記憶手段320に記憶する(
図16(b))。
【0134】
無線端末120は、位置情報324を参照し、「動作制御情報」:000を参照し、自装置の動作を、「なし」に制御する。「なし」とは、動作制御なし又は動作制御中の場合は動作解除を意味し、本来、その装置自体に設定されている動作に従うことを意味する。例えば、ユーザが、スマートフォンの動作を、通常モードに設定していた場合、本来、その装置自体に設定されている動作モードである通常モードに戻す制御を行う。
【0135】
なお、上述したように、無線端末120は、所定時間以上、位置情報を受信できなくなった場合でも、本来、その装置自体に設定されている動作に従う(ステップ1404、1405)。よって、仮にエリアBが存在しない場合、無線端末120は、「動作制御情報」:000を受信することはないが、その後、所定時間以上経過しさえすれば、スマートフォンは、本来、その装置自体に設定されている動作モードである通常モードに戻す制御を行う。
【0136】
(拡張フォーマットの例2)
続いて、拡張フォーマットの例2について説明する。
【0137】
図17は、通信装置、無線端末間で送受信する位置情報を含む拡張フォーマットの例を示す。
図10との比較からも分かるように、当拡張フォーマットでは、さらに「オプション」フィールドが拡張(追加)され、例えば、それぞれ32バイトで表現される。
【0138】
ここで、「オプション」とは、「動作制御情報」に対する「オプション」である。例えば、「動作制御情報」:006の場合、「通知1(メッセージ通知)」という動作制御内容を実施するものである。そして、このとき「オプション」において、通知すべきメッセージ内容を任意に指定することができる。なお、
図10のように、通知すべきメッセージ内容を「オプション」で指定できない場合は、規定のメッセージ内容が表示されうる。
【0139】
従って、このような場合、無線端末120であるスマートフォンは、通信装置から、例えば、「動作制御情報」:006及び「オプション」:「当エリアではお静かに!」を含む位置情報を受信すると、自装置の表示画面等に、「当エリアではお静かに!」との表示通知を行う。これにより、「動作制御情報」をより多彩に拡張することが可能である。
【0140】
なお、
図13の「動作制御情報」は、あくまで一例である。これら以外にも、無線端末120として実装される個々のデバイスに応じて、「動作制御情報」と動作制御内容とを任意に規定し拡張しうる。よってまた、「オプション」についても「動作制御情報」に応じて任意に規定しうる。
【0141】
また、
図17の拡張フォーマットにおいて、「オプション」フィールドを32バイトで表現したが、「オプション」の内容によっては、より多くのフィールドが必要となってくる場合がある。例えば、単純により多くのメッセージ内容を「オプション」で指定しようとすれば、その分より多くのフィールドが必要である。これに対処するため、無線端末側で、予め「オプション」で指定される番号と、メッセージ内容とを対応付けて保持しておく。この場合、拡張フォーマットの「オプション」フィールドでは、無線端末側で表示させたいメッセージ内容を対応付けられた番号のみを指定すればよい(例えば、「当エリアではお静かに!」等の文字列を指定する必要はない)。この場合、
図17の拡張フォーマットにおいて、非常に少ない「オプション」フィールド(例えば、8bitなど)で、多くのメッセージ内容を無線端末側で表示させることが可能である。
【0142】
[総括]
以上、本実施形態によれば、効率的に位置情報を管理する位置情報管理システムを提供することが可能である。なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。