特許第6040875号(P6040875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6040875粉体供給装置及び粉体供給装置を用いた製錬システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6040875
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月7日
(54)【発明の名称】粉体供給装置及び粉体供給装置を用いた製錬システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/46 20060101AFI20161128BHJP
【FI】
   B65G65/46 C
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-133967(P2013-133967)
(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-9908(P2015-9908A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 之仁
(72)【発明者】
【氏名】土岡 和彦
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−330610(JP,A)
【文献】 特開2005−008282(JP,A)
【文献】 特開2005−327118(JP,A)
【文献】 特開平09−053128(JP,A)
【文献】 実開昭62−191730(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/30−65/48
B65G 33/00−33/38
B65G 43/00−43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋形状の羽部を備えるスクリューを回転させることによって、前記羽部に沿って粉体を搬送する粉体供給装置であって、
前記スクリューを内部に回転可能に配置されたシリンダ部材と、
前記シリンダ部材に粉体を搬入する粉体搬入部と、
前記スクリューの回転を制御する制御部と
を有し、
前記粉体搬入部は、前記シリンダ部材の上方に配置され、該粉体搬入部の内部に粉体を配置され、
前記制御部は、前記スクリューの回転時に、前記粉体搬入部の内部に配置されている粉体のかさ比重より、前記スクリューと前記シリンダ部材との間を搬送している粉体のかさ比重を増加させ
前記制御部は、粉体の仕様、前記スクリューの軸径、前記羽部のピッチ、前記シリンダ部材の内径及び/又は前記粉体搬入部に配置されている粉体の量に応じて、予め定められた所定の回転数で前記スクリューを回転させ、
前記シリンダ部材は、搬送した粉体を搬出する搬出部を備え、
前記所定の回転数は、粉体の搬送時に、前記搬出部から気体が侵入することを防止する回転数であり、
前記制御部は、前記搬出部から搬出された紛体の排出流量に基づいて、前記所定の回転数を制御する、
ことを特徴とする粉体供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粉体供給装置を用いた製錬システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体供給装置及び製錬システム、並びに、粉体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を供給する粉体供給装置には、切り出した粉体を搬送するために、コンベア(搬送ベルトなど)やスクリューフォーダーなどを用いるものがある。また、粉体供給装置には、例えば製錬プロセスにおいて所望の量の鉱石などを切り出して、切り出した鉱石などを後工程に搬送するものがある。
【0003】
特許文献1では、切り出しコンベアを用いて、熔錬炉への乾燥粉状原料(粉体)を供給する装置(粉体供給装置)に関する技術を開示している。
【0004】
また、特許文献2では、スクリューフィーダーを用いて、熔錬炉へ乾燥粉状原料(粉体)を供給する方法及び供給装置(粉体供給装置)に関する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−113681号公報
【特許文献2】特開平9−053128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された粉体供給装置では、乾鉱庫(乾燥鉱ホッパー)に貯蔵された粉体をコンベアやスクリューフィーダー等の粉体定量切り出し機構によって切り出す際に、乾鉱庫に貯蔵された粉体が定量的に輸送されずに、瞬間的に大量の粉体が押し出される、いわゆるフラッシング現象が発生する場合がある。そのため、特許文献1に開示された粉体供給装置では、フラッシング現象防止のために乾鉱庫出口のチェーンコンベアの上部にフラッシング防止用ダンパーが設けられている。
【0007】
また、特許文献2に開示された粉体供給装置では、乾燥鉱ホッパーに粉体が溜まることでフラッシング現象が発生する場合があるため、粉体が乾燥鉱ホッパーに溜まらずに素通りすることによりフラッシング現象を防止している。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された粉体供給装置では、乾鉱庫の粉体の貯蔵状態やダンパーの摩耗等によってはフラッシングを防止できないという課題があった。また、特許文献2に開示された粉体供給装置では、大幅な装置の改造が必要なため、既存の装置の改造では対応できないという課題があった。更に、粉体供給装置を用いて鉱石を供給する製錬システムでは、粉体供給装置が大型化するためフラッシングが発生し易く、粉体の仕様及び供給状態に応じてフラッシングを防止する必要がある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑み、スクリューフィーダー式で粉体を供給する場合であって、フラッシングを防止して粉体を供給することができる粉体供給装置若しくはその粉体供給装置を用いた製錬システム、又は、粉体供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の態様によれば、螺旋形状の羽部を備えるスクリューを回転させることによって、前記羽部に沿って粉体を搬送する粉体供給装置であって、前記スクリューを内部に回転可能に配置されたシリンダ部材と、前記シリンダ部材に粉体を搬入する粉体搬入部と、前記スクリューの回転を制御する制御部とを有し、前記粉体搬入部は、前記シリンダ部材の上方に配置され、該粉体搬入部の内部に粉体を配置され、前記制御部は、前記スクリューの回転時に、前記粉体搬入部の内部に配置されている粉体のかさ比重より、前記スクリューと前記シリンダ部材との間を搬送している粉体のかさ比重を増加させ前記制御部は、粉体の仕様、前記スクリューの軸径、前記羽部のピッチ、前記シリンダ部材の内径及び/又は前記粉体搬入部に配置されている粉体の量に応じて、予め定められた所定の回転数で前記スクリューを回転させ、前記シリンダ部材は、搬送した粉体を搬出する搬出部を備え、前記所定の回転数は、粉体の搬送時に、前記搬出部から気体が侵入することを防止する回転数であり、前記制御部は、前記搬出部から搬出された紛体の排出流量に基づいて、前記所定の回転数を制御する、ことを特徴とする粉体供給装置が提供される。また、本発明の一態様によれば、上記紛体供給装置のいずれか一つを用いた製錬システムであってもよい。
【0011】
本発明の他の態様によれば、螺旋形状の羽部を備えるスクリューを回転させることによって、前記羽部に沿って粉体を搬送する粉体供給方法であって、シリンダ部材の上方に配置された粉体搬入部の内部の粉体を前記シリンダ部材に流入させる粉体搬入ステップと、前記スクリューを回転して、前記シリンダ部材に流入した粉体を搬送する粉体搬送ステップと、前記粉体搬送ステップで搬送した粉体を前記シリンダ部材の搬出部から搬出する粉体搬出ステップとを含み、前記粉体搬送ステップは、前記粉体搬入部の内部に配置されている粉体のかさ比重より、前記スクリューと前記シリンダ部材との間を搬送している粉体のかさ比重を増加させることによって、前記搬出部から気体が侵入することを防止する、ことを特徴とする粉体供給方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る粉体供給装置若しくはその粉体供給装置を用いた製錬システム、又は、粉体供給方法によれば、フラッシングを防止して粉体を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る粉体供給装置を説明する説明図である。
図2】フラッシングを観察するために用いた装置を説明する説明図である。
図3】フラッシングを説明する説明図である。
図4】本発明の実施例に係る製錬システムの粉体供給装置(スクリューの例)を説明する概略断面図である。
図5】本発明の実施例に係る製錬システムの粉体供給装置の動作(切り出し量)を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照しながら、限定的でない例示の実施形態に係る粉体供給装置を用いて、本発明を説明する。本発明は、以下に説明する粉体供給装置以外でも、スクリューを回転させることによって粉体を搬送するもの(装置、機器、ユニット、システムなど)であれば、いずれのものにも用いることができる。本発明は、例えばセメントや鉱石、種々の化学薬品などを供給するための装置若しくはプロセスなどに用いてもよい。
【0015】
なお、以後の説明において、添付の全図面の記載の同一又は対応する装置、部品又は部材には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、特に説明しない限り、装置、部品若しくは部材間の限定的な関係を示すことを目的としない。したがって、具体的な相関関係は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る粉体供給装置を用いて、下記に示す順序で本発明を説明する。
【0017】
1.粉体供給装置
2.制御部(フラッシングの防止)
3.粉体供給方法
4.実施例(製錬システム)
[1.粉体供給装置]
図1を用いて、本発明の実施形態に係る粉体供給装置100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る粉体供給装置100の一例を説明する説明図である。なお、図1では、搬送している粉体の状態を説明するために、粉体搬入部1及びシリンダ部材2を透明に図示している。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る粉体供給装置100は、搬送する粉体を配置される粉体搬入部1と、粉体を所望の方向に搬送するシリンダ部材2と、螺旋形状の羽部3aを備えるスクリュー3と、スクリュー3の回転を制御する制御部4と、を有する。本発明に係る粉体供給装置100は、スクリュー3を回転させることによって、羽部3aに沿って粉体を搬送する(押し出す)。また、本発明に係る粉体供給装置100は、密閉したシリンダ部材2の内部で粉体を搬送する。なお、以後の説明では、スクリュー3を用いて粉体を搬送(供給)する方式をスクリューフィーダー式という。
【0019】
粉体搬入部1は、供給する粉体を配置されるものである。また、粉体搬入部1は、シリンダ部材2に粉体を流入するものである。粉体搬入部1は、例えば粉体を貯留する貯留槽であるホッパーを用いることができる。
【0020】
図1に示すように、粉体搬入部1は、本実施形態では、シリンダ部材2の上方に配置される。また、粉体搬入部1は、スロート部1sを経由して、粉体搬入部1の底部の開口からシリンダ部材2に粉体を流入する。なお、図1に示す粉体搬入部1は一例であり、本発明に用いることができる粉体搬入部は図1に示すものに限定されるものではない。
【0021】
シリンダ部材2は、粉体を所望の方向に搬送するものである。また、シリンダ部材2は、その内部にスクリュー3を回転可能に配置されている。シリンダ部材2は、例えば略円筒形状のトラフ、ケーシングなどを用いることができる。
【0022】
図1に示すように、シリンダ部材2は、本実施形態では、搬送した粉体を搬出する搬出部2eを備える。また、シリンダ部材2は、上方に配置された粉体搬入部1から粉体を流入され、搬送されている粉体をシリンダ部材2の軸方向に案内し、搬出部2eから搬送された粉体を搬出する。なお、図1に示すシリンダ部材2は一例であり、本発明に用いることができるシリンダ部材は図1に示すものに限定されるものではない。
【0023】
スクリュー3は、回転することによって、羽部3aに沿って粉体を搬送する(押し出す)ものである。また、スクリュー3は、シリンダ部材2の内部に回転可能に配置されている。更に、スクリュー3は、制御部4によって、その回転動作を制御される。スクリュー3は、例えば後述する実施例のスクリュー3A、3B、3C(図4)などを用いることができる。
【0024】
図1に示すように、スクリュー3は、本実施形態では、羽部3aとして、板材が軸に対して螺旋形状に巻きつけられている。また、スクリュー3は、回転することによって、羽部3aに流入した粉体を羽根面に押し付けながら、その軸方向に粉体を押し出す(搬送する)。なお、図1に示すスクリュー3は一例であり、本発明に用いることができるスクリューは図1に示すものに限定されるものではない。
【0025】
制御部4は、粉体供給装置100の各構成に動作を指示し、各構成の動作を制御するものである。制御部4は、例えば予め記憶されているプログラム(制御プログラム、アプリケーション、制御マップ等)を用いて、粉体供給装置100の動作を制御してもよい。また、制御部4は、粉体供給装置100の外部から入力された情報等に基づいて、粉体供給装置100の動作を制御してもよい。
【0026】
なお、制御部4は、公知の技術のCPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を含む演算処理装置で構成してもよい。また、制御部4は、粉体供給装置100に予め搭載されているコントローラを利用する構成であってもよい。
【0027】
制御部4は、本実施形態では、スクリュー3の回転動作を制御する。制御部4は、供給(搬送)する粉体の仕様、スクリュー3の軸径、羽部3aのピッチ、シリンダ部材2の内径及び/又は粉体搬入部1に配置されている粉体の量(例えば安息角)に応じて、予め定められた所定の回転数でスクリュー3を回転する。具体的には、制御部4は、スクリュー3の回転時(粉体の搬送時)に、粉体搬入部1の内部に配置されている粉体のかさ比重より、スクリュー3とシリンダ部材2との間を搬送している粉体のかさ比重を増加させるように、スクリュー3の回転動作を制御する。
【0028】
ここで、所定の回転数とは、粉体の搬送時に粉体の量(切り出し量)が不安定となる現象(以下、「フラッシング」という)が発生することを防止する回転数である。所定の回転数は、粉体搬入部1、シリンダ部材2、スクリュー3又はその他粉体供給装置100の仕様に対応する回転数とする。また、所定の回転数とは、粉体の仕様(種類、粒径、温度など)に基づいて定められる回転数とすることができる。更に、所定の回転数は、実験又は計算等によって予め定められた回転数とすることができる。
【0029】
なお、制御部4の動作の一例は、後述する[2.制御部(フラッシングの防止)]で説明する。
【0030】
[2.制御部(フラッシングの防止)]
図2及び図3を用いて、粉体供給装置100の制御部4のフラッシングを防止する動作の一例を説明する。ここで、図2は、フラッシングを観察するために用いた装置を説明する説明図である。図3は、フラッシングを説明する説明図である。
【0031】
図2に示すように、解析部11、測定部12及び撮像部13を用いて、粉体搬送時のフラッシングを観察した。ここで、解析部11は、測定部12の測定結果に基づいてフラッシングが発生しているか否かを判断し、撮像部13の撮像結果に基づいてフラッシングが発生する原因を判断するものである。測定部12は、粉体供給装置100の搬出流量(切り出し量)を測定するものである。撮像部13は、粉体搬入部1(スロート部1s)及びシリンダ部材2の内部の粉体の状態を撮像(撮影)するものである。
【0032】
解析部11は、測定部12が測定した搬出流量(切り出し量)が急激に増加した場合に、フラッシングが発生したと判断する。解析部11は、例えば後述する図5に示すタイミングt1でフラッシングが発生したと判断することができる。
【0033】
また、解析部11は、フラッシングが発生したと判断した場合に、撮像部13が撮像した撮像結果(画像)に基づいて、フラッシングが発生した原因を判断する。解析部11は、例えば図3(a)に示すようにフラッシングが発生していない場合のシリンダ部材2の内部の粉体の状態と、図3(b)に示すようにフラッシングが発生した場合のシリンダ部材2の内部の粉体の状態とを比較することによって、フラッシングが発生した原因を判断することができる。具体的には、図3(b)に示すように、シリンダ部材2の搬出部2eから気体が侵入し(図中のFa1)、粉体搬入部1の下部に空間Afが形成され、その空間Afの空気が周囲の粉体に取り込まれることによって(図中のFa2)、粉体が流動化する。また、図3(b)に示すように、粉体が流動化することによって、粉体搬入部1に配置されている粉体の安息角が低減し、粉体搬入部1の内部で粉体の荷下がりが発生する(図中のFa3)。これにより、粉体供給装置において、粉体搬送時にフラッシングが発生する。
【0034】
更に、解析部11は、測定部12の測定結果及び撮像部13の撮像結果に基づいて、「フラッシングが発生しない条件」を特定することができる。すなわち、解析部11は、「フラッシングが発生しない条件」として、シリンダ部材2の搬出部2eから気体が侵入(逆流)しない場合であって、スクリュー3とシリンダ部材2との間を搬送している粉体のかさ比重を増加させる条件を特定する。これにより、粉体供給装置100は、「フラッシングが発生しない条件」を用いて、シリンダ部材2の搬出部2eから気体Afが侵入することを防止し、その結果、フラッシングが発生することを防止することができる。
【0035】
本発明に係る粉体供給装置100は、制御部4を用いて、解析部11が予め特定した「フラッシングが発生しない条件」に基づいて、スクリュー3の回転数などを制御する。これにより、粉体供給装置100は、フラッシングの発生を防止することができる。また、粉体供給装置100は、解析部11等を用いて、供給(搬送)する粉体の仕様、スクリュー3の軸径、羽部3aのピッチ、シリンダ部材2の内径などに対応する「フラッシングが発生しない条件」を予めそれぞれ特定することができる。更に、粉体供給装置100は、制御部4を用いて、「フラッシングが発生しない条件」に対応する所定の回転数(制御マップなど)を予め記憶することができる。
【0036】
[3.粉体供給方法]
本発明に係る粉体供給方法は、螺旋形状の羽部3aを備えるスクリュー3(図1)を回転させることによって、羽部3aに沿って粉体を搬送する粉体供給方法であって、シリンダ部材2の上方に配置された粉体搬入部1の内部の粉体をシリンダ部材2に流入させる粉体搬入ステップと、スクリュー3を回転して、シリンダ部材2に流入した粉体を搬送する粉体搬送ステップと、粉体搬送ステップで搬送した粉体をシリンダ部材3の搬出部3eから搬出する粉体搬出ステップとを含む。また、本発明に係る粉体供給方法では、粉体搬送ステップは、粉体搬入部1の内部に配置されている粉体のかさ比重より、スクリュー3とシリンダ部材2との間を搬送している粉体のかさ比重を増加させることによって、搬出部2eから気体が侵入することを防止する。これによれば、本発明に係る粉体供給方法では、前述の粉体供給装置の100と同等の効果が得られる。
【0037】
また、本発明は、上記粉体供給方法を実行するプログラム若しくはそのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体としてもよい。ここで、記録媒体には、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM(Compact Disk−ROM)、CD−R(CD Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)及びその他コンピュータ読み取り可能な媒体、並びに、フラッシュメモリ、RAM、ROM等の半導体メモリ、メモリカード、HDD(Hard Disc Drive)及びその他コンピュータ読み取り可能なものを用いることができる。また、上記プログラムを既存の粉体供給装置にインストールされる構成であってもよい。
【0038】
以上のとおり、本発明の実施形態に係る粉体供給装置100又は粉体供給方法によれば、予め特定した「フラッシングが発生しない条件」に基づいて、フラッシングを防止しながら粉体を供給(搬送)することができる。また、本発明の実施形態に係る粉体供給装置100又は粉体供給方法によれば、スクリュー3の軸径、羽部3aのピッチ、シリンダ部材2の内径などに対応する「フラッシングが発生しない条件」に基づいて、粉体を供給することができる。更に、本発明の実施形態に係る粉体供給装置100又は粉体供給方法(スクリューフィーダー式)によれば、密閉したシリンダ部材2の内部で粉体を搬送することができるので、ベルトコンベア式、ターンテーブル式などと比較して、構造が単純で、且つ、動作時に発生する粉塵が少ない。このため、本発明の実施形態に係る粉体供給装置100は、ベルトコンベア式、ターンテーブル式などと比較して、安価に製造することができる。
【実施例】
【0039】
実施形態に係る粉体供給装置100を備える製錬システムの実験結果を用いて、本発明を説明する。なお、製錬システムの粉体供給装置100以外の部分は、公知の技術を用いることができるので、説明を省略する。
【0040】
実施例に係る製錬システム(粉体供給装置100)に用いた3種類のスクリューの例を図4に示す。また、3種類のスクリューをそれぞれ用いて粉体を供給する場合の動作条件を表1に示す。更に、3種類のスクリューをそれぞれ用いて粉体を供給した実験結果を図5に示す。なお、図4に示す3種類のスクリューは一例であり、製錬システムに用いることができる本発明に係るスクリューは図4に示すものに限定されるものではない。
【0041】
図4に示すように、製錬システム(粉体供給装置100)は、本実施例では、(1)基準スクリュー3Aとして、スクリュー軸径27mm、羽根(羽部)高さ5mm、羽根(羽部)ピッチ32mm、トラフ(シリンダ部)と羽根(羽部)とのクリアランス7mmを用いる。また、製錬システムは、(2)スクリュー3Bとして、基準スクリュー3Aよりも軸径を細くしたスクリューであり、スクリュー軸径16mm、羽根高さ10.5mm、羽根ピッチ32mm、トラフと羽根のクリアランス7mmを用いる。更に、製錬システムは、(3)スクリュー3Cとして、基準スクリュー3Aに対してピッチを1.6倍に広げた羽根(羽部)を2条巻きにしたスクリューであり、スクリュー軸径27mm、羽根(羽部)高さ5mm、羽根(羽部)ピッチ51mm、トラフと羽根のクリアランス7mmを用いる。すなわち、スクリュー3Cは、基準スクリュー3Aに対してピッチが0.8倍となる。なお、ピッチとは、羽根(羽部)の先端から次の羽根の先端までの距離をいう。
【0042】
表1に示すように、本実施例に係る製錬システム(粉体供給装置100)は、スクリュー3A、3B、3Cをそれぞれ回転数400、230、320rpmで回転した。すなわち、スクリューごとに回転数を調整して、粉体の切り出し量を調整した。このとき、製錬システムは、表1に示すように、スクリューとトラフとの間(図4(a)乃至図4(c)の搬出部の近傍の領域Ra乃至Rc)のかさ比重がそれぞれ1.7、1.5、2.3となった。
【0043】
【表1】
図5に示すように、本実施例に係る製錬システム(粉体供給装置100)は、基準スクリュー3A又はスクリュー3Bを用いた場合に、タイミングt1又はタイミングt2で切り出し量Qが増大した。すなわち、製錬システムは、基準スクリュー3Aのタイミングt1で切り出し量3Aqが増加し、フラッシングが発生した。また、製錬システムは、スクリュー3Bのタイミングt2で切り出し量3Bqが増加し、フラッシングが発生した。
【0044】
一方、製錬システムは、スクリュー3Cを用いた場合に、図5に示すように、切り出し量Q(3Cq)が一定となり、フラッシングが発生しなかった。すなわち、本実施例に係る製錬システムは、スクリュー3Cを用いた場合に、フラッシングの発生を防止し、粉体を安定して供給する(切り出す)ことができた。
【0045】
従って、本実施例に係る製錬システム(粉体供給装置100)では、ホッパー(粉体搬入部1)に配置した粉体のかさ比重1.5に対して、トラフ(シリンダ部材2)の内部で搬送している粉体のかさ比重を1.5倍(すなわち、かさ比重を約2.3)とすることによって、フラッシングの発生を防止することができた。また、本実施例に係る製錬システム(粉体供給装置100)では、(a)ホッパーに配置した粉体のかさ比重1.5に対して、トラフの内部で搬送している粉体のかさ比重を1.5倍とすることによって、トラフが粉体で詰まり、空気が逆流できるような空間を排除することができた。更に、本実施例に係る製錬システム(粉体供給装置100)では、(b)トラフが粉体で詰まって流動抵抗が増し、粉体が流動化してもトラフでは流れにくくなり、フラッシングが発生することを防止することができた。
【0046】
なお、ホッパー(粉体搬入部1)に配置した粉体のかさ比重に対してトラフ(シリンダ部材2)の内部で搬送している粉体のかさ比重を増加させる倍率は、粉体供給装置の仕様(例えばスクリューの形状など)及び粉体の仕様に依存する。すなわち、本発明に係る製錬システム(粉体供給装置100)は、粉体供給装置の仕様及び粉体の仕様に基づいて、かさ比重が所望の倍率となるように粉体を供給する動作を制御する。これにより、本発明に係る製錬システム(粉体供給装置100)は、フラッシングを防止しつつ、粉体を所望の量(切り出し量)で供給することができる。
【0047】
以上のとおり、本実施例に係る製錬システムは、実施形態に係る粉体供給装置100と同等の効果を得ることができる。
【0048】
なお、上記のかさ比重を増加させる方法は、スクリューのピッチを変更する方法に限定されるものではない。かさ比重を増加させる方法は、例えばクリアランス(シリンダ部材とスクリューとの隙間)を小さくする、スクリューの軸径を大きくする、回転数を増加する、又は、搬出部2e(図1)の近傍のスクリューのピッチを部分的に小さくする若しくは軸径を部分的に大きくする、などであってもよい。
【0049】
以上、本発明の実施形態及び実施例を参照しながら、本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されることなく、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変更又は変形することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 : 粉体供給装置
1 : 粉体搬入部(ホッパーなど)
1s: 搬入接続部
2 : シリンダ部材(トラフ、ケーシングなど)
2e: 搬出部
3,3A,3B,3C : スクリュー
3Aq,3Bq,3Cq: 粉体供給流量(切り出し量など)
3a: 羽部
4 : 制御部(コントローラなど)
5 : 粉体
11 : 解析部
12 : 測定部
13 : 撮像部
Ra,Rb,Rc : 搬出部の近傍
図1
図2
図3
図4
図5