【文献】
Codian, Ltd.,Codian MCU 4200 Series User Manual,2005年 2月,URL,http://www.ivci.com/pdf/videoconferencing_codian_mcu_4200_user_manual.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<<実施形態の全体構成>>
図1は、本発明の実施形態に係る伝送システム1の概略図である。
図2は、伝送システムにおける画像データ、音データ及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。
図3は、画像データの画質を説明する概念図である。
【0012】
また、伝送システムには、伝送管理装置を介して一方の伝送端末から複数の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理装置を介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。コミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理装置(「伝送管理装置」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、ビデオ会議システムやビデオ電話システム等が例として挙げられる。
【0013】
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのビデオ会議システム、コミュニケーション管理装置の一例としてのビデオ会議管理装置及びコミュニケーション端末の一例としてのビデオ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理装置及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理装置は、ビデオ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又はデータ伝送システムにも
適用される。
【0014】
図1に示すように、伝送システム1は、複数の伝送端末10aa、10ab、・・・と、各伝送端末10aa、10ab、・・・用のディスプレイ120aa、120ab、・・・と、中継装置30と、伝送管理装置50と、プログラム提供装置90と、を備えている。伝送端末10aa、10ab、・・・は、コンテンツデータとして、例えば、画像データ及び音データの送受信による伝送を行うようになっている。
【0015】
なお、以下の説明において、複数の伝送端末10aa、10ab、・・・のうち、任意の伝送端末は、「伝送端末10」と表され、複数のディスプレイ120aa、120ab、・・・のうち、任意のディスプレイは、「ディスプレイ120」と表される。また、ビデオ会議の開始を要求する要求元の伝送端末10は、「要求元端末」と表され、要求先の伝送端末10は、「宛先端末」と表される。
【0016】
図2に示すように、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理装置50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。
【0017】
また、管理情報用セッションseiが確立した伝送端末10間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。なお、本実施形態において、これら4つのセッションは、まとめて、「画像・音データ用セッションsed」と表される。
【0018】
ここで、本実施形態で扱われる画像データは、スケーラブルに符号化されている。例えば、本実施形態で扱われる画像データは、
図3(a)に示すように、横が320画素、縦が180画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像データと、
図3(b)に示すように、横が640画素、縦が360画素から成る中解像度の画像データと、
図3(c)に示すように、横が1280画素、縦が720画素から成る高解像度の画像データとがある。
【0019】
ここで、画像データが伝送される経由する帯域が狭い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみが伝送され、受信側の伝送端末10は、伝送された低解像度の画像データに基づいて、低画質の画像のみを表示することができる。
【0020】
また、画像データが伝送される経由する帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ及び中解像度の画像データが伝送され、受信側の伝送端末10は、伝送された低解像度の画像データ及び中解像度の画像データに基づいて、中画質の画像を表示することができる。
【0021】
また、画像データが伝送される経由する帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ及び高解像度の画像データが伝送され、受信側の伝送端末10は、伝送された低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ及び高解像度の画像データに基づいて、高画質の画像を表示することができる。
【0022】
図1において、中継装置30は、複数の伝送端末10の間で、コンテンツデータの中継を行うようになっている。伝送管理装置50は、伝送端末10からのログイン認証、伝送端末10の伝送状態の管理、宛先リストの管理等及び中継装置30の伝送状況等を一元的に管理するようになっている。なお、画像データが表す画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画との両方であってもよい。
【0023】
複数のルータ70a、70b、70c、70d、70ab、70cdは、画像データ及び音データの最適な経路の選択を行う。なお、以下の説明において、ルータ70a、70b、70c、70d、70ab、70cdのうち、任意のルータは、「ルータ70」と表される。
【0024】
プログラム提供装置90は、後述するHD(Hard Disk)204を備えており、伝送端
末10に各種機能を実現させるための伝送端末制御プログラムが記憶され、伝送端末制御プログラムを伝送端末10に送信することができる。
【0025】
また、プログラム提供装置90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置用プログラムを中継装置30に送信することができる。
【0026】
更に、プログラム提供装置90のHD204には、伝送管理装置50に各種機能を実現させるための伝送管理プログラムも記憶されており、伝送管理プログラムを伝送管理装置50に送信することができる。
【0027】
伝送端末10aa、10ab、10ac、・・・及びルータ70aは、LAN2aによって伝送可能に接続されている。伝送端末10ba、10bb、10bc、・・・及びルータ70bは、LAN2bによって伝送可能に接続されている。
【0028】
また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって伝送可能に接続されており、所定の地域A内に設けられている。例えば、地域Aは、日本であり、LAN2aは東京の事業所内に設けられ、LAN2bは大阪の事業所内に設けられている。
【0029】
一方、伝送端末10ca、10cb、10cc、・・・及びルータ70cは、LAN2cによって伝送可能に接続されている。伝送端末10da、10db、10dc、・・・及びルータ70dは、LAN2dによって伝送可能に接続されている。
【0030】
また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって伝送可能に接続されており、所定の地域B内に設けられている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内に設けられ、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内に設けられている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ70ab、70cdからインターネット2iを介して相互に伝送可能に接続されている。
【0031】
また、中継装置30、伝送管理装置50及びプログラム提供装置90は、インターネット2iを介して、各伝送端末10と伝送可能に接続されている。ここで、中継装置30、伝送管理装置50及びプログラム提供装置90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
【0032】
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c及びLAN2dによって、本実施形態の伝送ネットワーク2が構成されている。伝送ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による伝送が行われる箇所があっ
てもよい。
【0033】
また、
図1において、各伝送端末10、中継装置30、伝送管理装置50、各ルータ70及びプログラム提供装置90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4にお
けるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、伝送端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
【0034】
なお、各伝送端末10は、複数の事業所間でのビデオ会議や、同じ事業所内の異なる部屋間でのビデオ会議だけでなく、同じ部屋内でのビデオ会議や、屋外と屋内又は屋外と屋外でのビデオ会議で使われてもよい。各伝送端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話伝送網等の無線による伝送が行われる。
【0035】
<<実施形態のハードウェア構成>>
図4に示すように、伝送端末10は、筐体1021、アーム1074及びカメラハウジング1075を備えている。このうち、筐体1021の前側壁1021aの略全面には、複数の吸気孔1021eが形成されており、筐体1021の後側壁1021bの略全域には、図示しない複数の排気孔が形成されている。これにより、伝送端末10は、筐体1021に内蔵された冷却ファンが駆動することによって、吸気孔1021eを介して伝送端末10の前方の外気を取り込み、排気孔を介して伝送端末10の後方へ排気することができる。前側壁1021aの中央部には、収音用孔1021fが形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
【0036】
筐体1021の正面視、左側には、操作パネル1022が形成されている。操作パネル1022には、操作ボタン108及び電源スイッチ109が設けられていると共に、後述する内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音出力孔1022fが形成されている。また、筐体1021の正面視、右側には、アーム1074及びカメラハウジング1075を収容するための凹部としての収容部1021pが形成されている。
【0037】
アーム1074は、トルクヒンジ1073を介して筐体1021に取り付けられている。例えば、アーム1074は、筐体1021に対して、正面を0度としたときに、±180度のパン角θ1の範囲及び90度のチルト角θ2の範囲で、概ね45度の傾き時にクリック感を発生させながら、上下左右方向に回転可能に取り付けられている。
【0038】
カメラハウジング1075には、後述する内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者や部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1075には、トルクヒンジ1075aが形成されている。
【0039】
カメラハウジング1075は、トルクヒンジ1075aを介して、アーム1074に取り付けられている。例えば、カメラハウジング1075は、アーム1074と直線状になる状態を0度としたときに、伝送端末10の前方側に概ね100度、伝送端末10の後方側に概ね90度のチルト角θ3の範囲で回転可能にアーム1074に取り付けられている。
【0040】
図5に示すように、伝送端末10は、伝送端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101
の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102と、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103と、伝送端末制御プログラム、画像データ及び音データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104と、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105と、フラッシ
ュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107と、伝送端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108と、伝送端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ
109と、伝送ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111とを備えている。
【0041】
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112と、カメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113と、音を入力する内蔵型の集音装置としてのマイク114と、音を出力する内蔵型のスピーカ115と、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する音入出力I/F116と、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117と、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118と、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110とを備えている。
【0042】
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示装置を構成する。ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続されている。ケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
【0043】
カメラ112は、レンズと、光を電荷に変換して被写体の像を電子化する固体撮像素子とを含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor
)又はCCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
【0044】
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク及び外付けスピーカ等の外部機器を接続できるようになっている。
【0045】
外部機器接続I/F118に外付けカメラが接続された場合には、CPU101は、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラを駆動するようになっている。また、外部機器接続I/F118に外付けマイクや外付けスピーカが接続された場合には、CPU101は、内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115にそれぞれ優先して、外付けマイクや外付けスピーカを駆動するようになっている。
【0046】
なお、記録メディア106は、伝送端末10に対して着脱自在に構成されている。また、伝送端末10は、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に代えて、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
【0047】
また、伝送端末制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア106等のような、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送端末制御プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
【0048】
図6に示すように、伝送管理装置50は、伝送管理装置50全体の動作を制御するCPU201と、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202と、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203と、伝送管理プログラム等の各種データを記憶するHD204と、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)2
05と、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207と、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文
字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208と、伝送ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209と、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211と、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212と、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対する各種データの読み出
し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214と、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210とを備えている。
【0049】
なお、伝送管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送管理プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
【0050】
また、中継装置30は、伝送管理装置50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。
【0051】
この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、中継装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
【0052】
また、プログラム提供装置90は、伝送管理装置50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供装置90を制御するためのプログラム提供装置用プログラムが記録されている。
【0053】
この場合も、プログラム提供装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、プログラム提供装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
【0054】
なお、上述したコンピュータで読み取り可能な記録媒体として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等を適用し
てもよい。
【0055】
<<実施形態の機能構成>>
図7に示すように、伝送端末10、中継装置30及び伝送管理装置50は、伝送ネットワーク2を介してデータを伝送することができるように接続されている。なお、
図1に示したプログラム提供装置90は、ビデオ会議に関するデータの伝送に直接関係ないため、
図7では図示が省略されている。
【0056】
<伝送端末の機能構成>
伝送端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15a、音出力部15b、表示制御部17及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された伝送端末制御プログラムを実行するCPU101によって実現される機能である。また、伝送端末10は、RAM103及びフラッシュメモリ104によって構成される記憶部1000を有している。
【0057】
(伝送端末の各機能構成)
送受信部11は、CPU101及びネットワークI/F111によって構成され、伝送ネットワーク2を介して他の伝送端末10又は装置30、50、90と各種データや情報の送受信を行うようになっている。なお、送受信部11は、本発明に係る伝送端末の送信部及び受信部を構成する。
【0058】
送受信部11は、所望の宛先端末とビデオ会議を開始する前から、伝送管理装置50より、ビデオ会議の接続先の候補としての各伝送端末10の状態を示す各状態情報の受信を開始するようになっている。
【0059】
状態情報は、各伝送端末10がオンラインかオフラインかの稼動状態を表すだけでなく、オンラインで伝送可能であるか、オンラインで伝送中であるか等の詳細な稼動状態も表す。
【0060】
また、状態情報は、各伝送端末10の稼動状態だけでなく、伝送端末10でケーブル120cが伝送端末10から外れていたり、音を出力するが画像は出力させなかったり、音を出力させないようにする(MUTE)等、様々な状態を表すが、以下の説明においては、本発明を理解しやすくするために、状態情報が各伝送端末10の稼動状態を表す場合について説明する。
【0061】
操作入力受付部12は、CPU101、操作ボタン108及び電源スイッチ109によって構成され、利用者による各種入力を受け付けるようになっている。例えば、利用者が、電源スイッチ109をONにすると、操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、伝送端末10の電源をONにするようになっている。
【0062】
ログイン要求部13は、CPU101によって構成され、電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から伝送ネットワーク2を介して伝送管理装置50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報及び現時点の自端末のIPアドレスを送信するようになっている。
【0063】
また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFの状態にすると、送受信部11が伝送管理装置50に電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が伝送端末10の電源を完全にOFFにするようになっている。これにより、伝送管理装置50側では、伝送端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
【0064】
撮像部14は、CPU101、カメラ112及び撮像素子I/F113によって構成され、被写体を撮像し、撮像して得られた画像データを送受信部11に出力するようになっている。ここで、カメラ112は、本発明における撮影装置を構成し、撮像素子I/F113は、本発明における画像データ入力部を構成する。
【0065】
音入力部15aは、CPU101及び音入出力I/F116によって構成され、本発明における音データ入力部を構成する。音入力部15aには、マイク114によって集音されて得られた音を表す音信号が入力され、入力された音信号を音データに変換するようになっている。
【0066】
音出力部15bは、CPU101及び音入出力I/F116によって構成され、音データを音信号に変換し、変換した音信号をスピーカ115に出力することにより、スピーカ115に音を出力させるようになっている。
【0067】
表示制御部17は、CPU101及びディスプレイI/F117によって構成され、送
受信部11に受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、組み合わせた画像データをディスプレイ120に送信することにより、画像データが表す画像をディスプレイ120に表示させるようになっている。
【0068】
また、表示制御部17は、送受信部11が伝送管理装置50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ120に送信することにより、宛先リストをディスプレイ120に表示させるようになっている。
【0069】
記憶・読出処理部19は、CPU101及びSSD105によって構成され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出したりするようになっている。
【0070】
記憶部1000には、伝送端末10を識別するための識別子(以下、「端末ID」という)及びパスワード等が記憶されている。更に、記憶部1000は、宛先端末とビデオ会議を行う際に受信される画像データ及び音データの受信バッファとしても用いられる。
【0071】
なお、本実施形態の端末IDは、伝送端末10を一意に識別するために使われる言語、文字、記号又は各種の標し等の情報を示す。また、端末IDは、言語、文字、記号及び各種の標しのうち、少なくとも2つが組み合わされた情報であってもよい。
【0072】
<伝送管理装置の機能構成>
伝送管理装置50は、送受信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、HD204からRAM203上に展開された伝送管理プログラムを実行するCPU201によって実現される機能である。また、伝送管理装置50は、HD204により構成される記憶部5000を有している。
【0073】
(端末認証管理テーブル)
記憶部5000には、
図8に示すような端末認証管理テーブルを有する端末認証管理DB5002が構築されている。端末認証管理テーブルでは、伝送管理装置50によって管理される全ての伝送端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、
図8に示した端末認証管理テーブルは、伝送端末10aaの端末IDが「01aa」で、パスワードが「aaaa」であることを示している。
【0074】
(端末管理テーブル)
また、記憶部5000には、
図9に示すような端末管理テーブルを有する端末管理DB5003が構築されている。なお、端末管理DB5003は、本発明における端末管理テーブル格納部を構成する。
【0075】
端末管理テーブルでは、各伝送端末10の端末ID毎に、各伝送端末10の識別名(以下、「端末名」という)と、各伝送端末10の稼動状態と、伝送システム1にログインするためのログイン要求情報が伝送管理装置50で受信された受信日時と、伝送端末10のIPアドレスとが関連付けられて管理されている。
【0076】
例えば、
図9に示した端末管理テーブルは、端末IDが「01aa」の伝送端末10aaに対して、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「オンライン(伝送可能)」で、伝送管理装置50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、伝送端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることを表している。
【0077】
ここで、端末管理テーブルの端末IDは、伝送端末10が伝送システム1に登録されるときに、ユニークに割り当てられ、端末名は、伝送管理装置50の管理者によって登録又は変更される。なお、端末名は、伝送端末10から伝送管理装置50に対してなされる要求に応じて、登録又は変更されてもよい。
【0078】
また、稼動状態が「オンライン(伝送可能)」とは、伝送端末10が伝送システム1にログインした状態で、ビデオ会議に参加していない状態であることを表し、「オンライン(伝送中)」とは、伝送端末10が伝送システム1にログインした状態で、ビデオ会議に参加している状態であることを表し、稼動状態が「オフライン」とは、伝送端末10が伝送システム1にログインしていない状態であることを表す。
【0079】
(宛先リスト管理テーブル)
更に、記憶部5000には、
図10に示すような宛先リスト管理テーブルを有する宛先リスト管理DB5004が構築されている。なお、端末管理DB5003は、本発明における宛先リスト管理テーブル格納部を構成する。
【0080】
宛先リスト管理テーブルでは、ビデオ会議の開始を要求する要求元端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理されている。
【0081】
例えば、
図10に示した宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である伝送端末10aaからビデオ会議の開始を要求する宛先端末の候補は、端末IDが「01ab」の伝送端末10ab、端末IDが「01ba」の伝送端末10ba及び端末IDが「01db」の伝送端末10dbであることが示されている。宛先端末の候補は、伝送端末10から伝送管理装置50に対してなされる要求に応じて、追加又は削除される。
【0082】
(伝送管理装置の各機能構成)
送受信部51は、CPU201及びネットワークI/F209によって構成され、伝送ネットワーク2を介して他の伝送端末10又は装置30、90と各種データや情報の送受信を行うようになっている。
【0083】
端末認証部52は、CPU102によって構成され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行うようになっている。
【0084】
状態管理部53は、CPU102によって構成され、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく、端末管理DB5003(
図9参照)に、要求元端末の端末IDに対して、稼動状態、伝送管理装置50でログイン要求情報が受信された受信日時及びIPアドレスを関連付けて記憶して管理するようになっている。
【0085】
また、状態管理部53は、利用者が伝送端末10の電源スイッチ109の状態をONからOFFにすることで、伝送端末10から送られてきた、電源をOFFする旨の状態情報に基づいて、端末管理DB5003(
図9参照)における伝送端末10の稼動状態をオンラインからオフラインに変更するようになっている。
【0086】
端末抽出部54は、CPU102によって構成され、ログイン要求した要求元端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(
図10参照)を検索し、要求元端末に対する宛先端末の候補の端末IDを抽出するようになっている。
【0087】
また、端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(
図10参照)を検索し、要求元端末の端末IDを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDも抽出するようになっている。
【0088】
端末状態取得部55は、CPU102によって構成され、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003(
図9参照)を検索し、検出された端末ID毎に稼動状態を読み出すようになっている。
【0089】
これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた要求元端末に対する宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、端末抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003を検索し、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態も取得するようになっている。
【0090】
記憶・読出処理部59は、CPU102及びHDD205によって構成され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりするようになっている。
【0091】
<<実施形態の処理または動作>>
次に、本実施形態に係る伝送システム1の動作について説明する。
図11は、伝送端末10がビデオ会議に参加する準備状態になるまでの準備段階動作を示すシーケンス図である。なお、
図11は、伝送端末10aaが準備状態になる例が示されている。準備段階動作においては、管理情報用セッションsei(
図2参照)で各種情報が送受信される。
【0092】
まず、伝送端末10aaの利用者が、伝送端末10aaの電源スイッチ109をONにすると、操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、電源ONの受け付けを契機とし、伝送端末10aaの送受信部11から伝送ネットワーク2を介して伝送管理装置50にログイン要求を表すログイン要求情報を送信する(ステップS22)。
【0093】
ログイン要求情報には、ログイン要求元の伝送端末10aaを識別するための端末ID及びパスワードが含まれている。これら端末ID及びパスワードは、記憶・読出処理部19によって記憶部1000から読み出される。
【0094】
なお、伝送端末10aaから送信されたログイン要求情報が伝送管理装置50に受信されたときには、伝送管理装置50は、送信側である伝送端末10abのIPアドレスを把握することができる。
【0095】
次に、伝送管理装置50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理DB5002(
図8参照)を検索し、端末認証管理DB5002に検索キーと同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。
【0096】
ここで、端末認証部52によって、検索キーと同一の端末ID及びパスワードが管理されていないと判断された場合、すなわち、正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求でないと判断された場合には、送受信部51は、端末認証部52によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末10aaに伝送ネットワーク2を介して送信し、準備段階の動作は終了することとなる。
【0097】
一方、端末認証部52によって、検索キーと同一の端末ID及びパスワードが管理されていると判断された場合、すなわち、正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理DB5003(
図9参照)に、伝送端末10aaの端末ID、稼動状態、ログイン要求情報が受信された受信日時及び伝送端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。
【0098】
これにより、
図9に示すように、端末管理テーブルは、端末ID「01aa」、稼動状態「オンライン(伝送可能)」、受信日時「2009.11.10.13:40」及び伝送端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を関連付けて管理することになる。
【0099】
次に、伝送管理装置50の送受信部51は、端末認証部52によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末10aaに伝送ネットワーク2を介して送信する(ステップS25)。
【0100】
次に、伝送管理装置50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(
図10参照)を検索し、伝送端末10aaに対する宛先端末の候補の端末IDを抽出する(ステップS26)。
【0101】
ここでは、伝送端末10aaの端末ID「01aa」に対する宛先端末である伝送端末10ab、10ba、10dbのそれぞれの端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」が抽出されることになる。
【0102】
次に、伝送管理装置50の端末状態取得部55は、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」を検索キーとして、端末管理DB5003(
図9参照)を検索し、端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」を読み出すことにより、伝送端末10ab、10ba、10dbの各稼動状態を取得する(ステップS27)。
【0103】
次に、伝送管理装置50の送受信部51は、ステップS27で使用された検索キーとしての端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」と、それぞれに対応する伝送端末10ab、10ba、10dbの稼動状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」とが含まれた宛先状態情報を、伝送ネットワーク2を介して伝送端末10aaに送信する(ステップS28)。
【0104】
これにより、伝送端末10aaは、宛先端末の候補である伝送端末10ab、10ba、10dbの現時点のそれぞれの稼動状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」を把握することができる。
【0105】
更に、伝送管理装置50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(
図10参照)を検索し、伝送端末10aaの端末ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の伝送端末の端末IDを抽出する(ステップS29)。例えば、
図10に示した宛先リスト管理テーブルでは、抽出される端末IDは、「01ab」、「01ba」及び「01db」である。
【0106】
次に、伝送管理装置50の状態管理部53は、ログイン要求して来た伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理DB5003(
図9参照)を検索し、ログイン要求してきた伝送端末10aaの稼動状態「オンライン(伝送可能)」を取得
する(ステップS30)。
【0107】
次に、伝送管理装置50の送受信部51は、ステップS29で抽出された端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」で識別されるそれぞれの伝送端末10ab、10ba、10dbのうち、端末管理DB5003(
図9参照)で稼動状態が「オンライン」となっている伝送端末10ba、10dbに、ステップS30で取得された伝送端末10aaの端末ID「01aa」と稼動状態「オンライン(伝送可能)」とが含まれる宛先状態情報を送信する(ステップS31−1、2)。
【0108】
なお、伝送端末10ba、10dbに宛先状態情報を送信するときには、送受信部51は、各端末ID「01ba」、「01db」に基づいて、
図9に示した端末管理テーブルで管理されている伝送端末のIPアドレスを参照する。
【0109】
これにより、ログイン要求してきた伝送端末10aaを宛先として伝送することができる伝送端末10db、10baに、ログイン要求してきた伝送端末10aaの端末ID「01aa」及び稼動状態「オンライン(伝送可能)」を伝えることができる。
【0110】
また、準備段階動作のステップS28が完了したときに、伝送端末10aaの表示制御部17は、ディスプレイ120に表示させた宛先リストの情報から、ビデオ会議に参加中の端末、すなわち、稼動状態が「オンライン(伝送中)」や「オンライン(伝送可能)」である伝送端末10dbの情報をディスプレイ120に強調表示させる等して、ビデオ会議に参加している伝送端末10又は参加可能な伝送端末10を利用者に認識させることができる。
【0111】
図12は、伝送端末10がビデオ会議に参加する参加状態になるまでの会議参加動作を示すシーケンス図である。なお、
図12は、伝送端末10aaが参加状態になる例が示されている。会議参加動作においては、管理情報用セッションsei(
図2参照)で各種情報が送受信される。
【0112】
まず、利用者が操作ボタン108を押下してビデオ会議の参加を選択すると、操作入力受付部12は、伝送端末10dbとビデオ会議を参加する旨の要求を受け付ける(ステップS41)。
【0113】
この要求に応じて、伝送端末10aaの送受信部11は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」及び伝送端末10dbの端末ID「01db」が含まれ、ビデオ会議に参加する旨を表す参加要求情報を伝送管理装置50に送信する(ステップS42)。
【0114】
これにより、伝送管理装置50の送受信部51は、参加要求情報を受信すると共に、送信元である伝送端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を確認することができる。
【0115】
次に、伝送管理装置50の状態管理部53は、参加要求情報に含まれる伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、を検索し、参加要求してきた伝送端末10aaの稼動状態を「オンライン(伝送中)」に設定する(ステップS43)。
【0116】
次に、伝送管理装置50の送受信部51は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」を含む開始要求情報を伝送端末10dbに伝送ネットワーク2を介して送信する(ステップS44)。これにより、伝送端末10dbは、どの伝送端末10からビデオ会議に参加したいとの要求があったのかを把握することができる。
【0117】
なお、発明を理解しやすくするために説明を省略するが、
図9に示した端末管理DB5003においては、伝送端末10cbの稼動状態も「オンライン(伝送中)」であるため、伝送管理装置50の送受信部51は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」を含む開始要求情報を伝送端末10cbに伝送ネットワーク2を介して送信する。
【0118】
次に、伝送端末10dbは、送受信部11から伝送ネットワーク2を介して伝送管理装置50に開始要求情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する(ステップS45)。
【0119】
次に、管理システム50の送受信部51は、通信ネットワーク2を介して中継装置30に中継を開始する旨の要求を表す中継開始要求情報を送信する(ステップS46)。中継開始要求情報には、伝送端末10aa及び伝送端末10dbの各IPアドレス「1.2.1.3」、「1.3.2.4」が含まれている。
【0120】
これにより、中継装置30は、伝送端末10aa、10db間で、低解像度、中解像度及び高解像度の3つの画像データ、並びに、音データを伝送するためのセッションを確立する(ステップS47)。このように、伝送端末10aaは、伝送端末10dbとのビデオ会議に参加することができるようになる。
【0121】
一方で、管理システム50の送受信部51は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」と稼動状態「オンライン(伝送中)」とが含まれる端末状態変更情報を、端末管理DB5003(
図9参照)に登録されている各伝送端末10にキャストする(ステップS48)。これにより、端末状態変更情報を受信した各伝送端末は、必要に応じて、端末ID「01aa」の伝送端末10aaの稼動状態を記憶および表示することができる。
【0122】
図13は、伝送端末10間のデータ伝送動作を示したシーケンス図である。なお、
図13に示すデータ伝送動作においては、画像・音データ用セッションsed(
図2参照)で画像データや音データが送受信される。
【0123】
図12を用いて説明したように伝送端末10aa、10db間のセッションが確立すると、伝送端末10aaは、撮像部14によって撮像して得た画像データと、音入力部15aに入力された音信号が変換された音データを送受信部51を介して中継装置30に送信する(ステップS60)。
【0124】
伝送端末10aaから画像データ及び音データを受信した中継装置30は、ビデオ会議に参加している各伝送端末10aa、10dbに、受信した画像データ及び音データを送信する(ステップS61−1、61−2)。
【0125】
中継装置30から画像データ及び音データを受信した各伝送端末10aa、10dbは、受信した画像データが表す画像を表示制御部17によってディスプレイ120に表示させると共に、受信した音データが表す音を音出力部15bによってスピーカ150に出力させる(ステップS62−1、S62−2)。
【0126】
次に、伝送端末10dbは、撮像部14によって撮像して得た画像データと、音入力部15aに入力された音信号が変換された音データを送受信部51を介して中継装置30に送信する(ステップS63)。
【0127】
伝送端末10dbから画像データ及び音データを受信した中継装置30は、ビデオ会議に参加している各伝送端末10aa、10dbに、受信した画像データ及び音データを送信する(ステップS64−1、S64−2)。
【0128】
中継装置30から画像データ及び音データを受信した各伝送端末10aa、10dbは、受信した画像データが表す画像を表示制御部17によってディスプレイ120に表示させると共に、受信した音データが表す音を音出力部15bによってスピーカ150に出力させる(ステップS65−1、S65−2)。
【0129】
このように、伝送端末10aa、10dbは、中継装置30を介してビデオ会議を行うことができる。なお、
図13では、本発明を理解しやすくするために、ビデオ会議に参加している伝送端末10を2つの伝送端末10aa、10dbとしているが、ビデオ会議に参加している伝送端末10が3つ以上であっても画像データ及び音データは、
図13に示したデータ伝送動作と同様に伝送される。
【0130】
ここで、伝送端末10の画像表示について説明する。本実施形態において、表示制御部17は、全画像表示モードと情報表示モードとの2つの表示モードをとる。これらの表示モードの切り替えは、例えば、操作ボタン108の操作に応じて行われる。
【0131】
図14に示すように、全画像表示モードにおいて、伝送端末10の表示制御部17は、ビデオ会議に参加している各伝送端末10から送信された全ての画像をディスプレイ120に表示させる。
【0132】
図14に示す表示画面には、比較的広い1つの第1画像領域500と、比較的狭い複数の第2画像領域510とが割り当てられている。例えば、各第2画像領域510には、ビデオ会議に参加している各伝送端末10から送信された画像データが表す画像が表示され、第1画像領域500には、ビデオ会議に参加している伝送端末10のなかから主要な伝送端末の画像データが表す画像が表示される。
【0133】
例えば、表示制御部17は、ビデオ会議に参加している伝送端末10のなかで、受信した音データの中で音声を表す音データの送信元の伝送端末を主要な端末として特定する。ここで、音声を表す音データとは、受信された各音データに対して音声区間の検出が行われ、有声区間があると判定された音データのことである。なお、音声区間の検出は、公知の技術を用いて実現することができる(例えば、非特許文献1参照)。
【0134】
一方、
図15に示すように、情報表示モードにおいて、伝送端末10の表示制御部17は、ビデオ会議に参加している各伝送端末10の端末名及び端末IDを少なくとも含む端末情報をディスプレイ120に表示させる。
【0135】
図15に示す表示画面には、画像を表示するための画像表示領域520と、端末情報を表示するための端末情報表示領域530とが割り当てられている。例えば、端末情報表示領域530には、ビデオ会議に参加している伝送端末10の端末情報がリスト表示されている。
【0136】
なお、リスト表示されている端末情報のなかで端末名が表示されていないものは、宛先リスト管理DB5004(
図10参照)において、自端末の宛先端末の候補として登録されていない伝送端末10を表している。
【0137】
例えば、
図15に示す表示画面において、伝送端末10dbは、伝送端末10aaの宛先端末の候補として宛先リスト管理DB5004に登録されているため端末名が表示されているが、伝送端末10cbは、伝送端末10aaの宛先端末の候補として宛先リスト管理DB5004に登録されていないため端末名が表示されていない。
【0138】
画像表示領域520には、ビデオ会議に参加している伝送端末10のなかから主要な伝送端末の画像データが表す画像が表示される。例えば、表示制御部17は、ビデオ会議に参加している伝送端末10のなかで、受信した音データの中で音声を表す音データの送信元の伝送端末を主要な伝送端末として特定する。また、表示制御部17は、利用者による操作ボタン108の操作に応じて、ビデオ会議に参加している伝送端末10から1つの伝送端末が選択されたことが操作入力受付部12によって受け付けられたときに、選択された伝送端末を主要な伝送端末として特定するようにしてもよい。
【0139】
図16は、伝送端末10が情報表示モードに切り替えられたときに、端末情報表示領域530に表示される端末情報を端末情報表示領域530に表示させる端末情報表示動作を示したシーケンス図である。なお、
図16に示す端末情報表示動作においては、管理情報用セッションseiで各種情報が送受信される。
【0140】
まず、伝送端末10は、ビデオ会議に参加している伝送端末の端末情報の要求を表す端末情報要求信号を伝送管理装置50に送信する(ステップS70)。端末情報要求信号を受信した伝送管理装置50の端末状態取得部55は、端末情報要求信号の送信元のIPアドレスを検索キーとして、記憶部5000の端末管理DB5003(
図9参照)を検索し、端末情報要求信号を送信した伝送端末の端末IDを取得する(ステップS71)。
【0141】
次に、端末状態取得部55は、端末管理DB5003を検索し、稼動状態が「オンライン(伝送中)」になっている端末IDと端末名とを検索する(ステップS72)。本実施の形態において、端末状態取得部55によって検出される端末IDは、「01aa」、「01cb」、「01db」となる。なお、端末IDが「01aa」の伝送端末の稼動状態は、ステップS43で「オンライン(伝送中)」に設定されている。
【0142】
次に、端末状態取得部55は、ステップS71で検出した端末ID(本実施の形態においては、「01aa」)を検索キーとして、記憶部5000の宛先リスト管理DB5004(
図10参照)を検索し、端末情報要求信号の送信元の宛先端末の候補の端末IDを取得する(ステップS73)。
【0143】
例えば、端末情報要求信号を送信した伝送端末の端末IDが「01aa」だとすると、端末状態取得部55によって取得される端末IDは、「01ab」、「01ba」、「01db」となる。
【0144】
次に、端末状態取得部55は、ステップS72で取得した各端末IDが端末情報要求信号の送信元の端末ID又はステップS73で取得した端末IDに含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合には、端末IDと端末名とを送受信部51に端末情報要求信号の送信元に応答させ、含まれていないと判定した場合には、端末IDだけを送受信部51に端末情報要求信号の送信元に応答させる(ステップS74)。
【0145】
例えば、端末情報要求信号を送信した伝送端末の端末IDが「01aa」だとすると、端末情報要求信号の送信元である伝送端末aaには、伝送端末aa及び伝送端末dbの端末ID「01aa」、「01db」及び端末名「日本 東京事業所 AA端末」、「アメリカ ワシントン事業所 DB端末」と、伝送端末cbの端末ID「01cb」とが送信される。
【0146】
この応答を受信した伝送端末10の表示制御部17は、
図14に示す表示画面のように、端末情報表示領域530に応答内容を表示する(ステップS75)。
【0147】
<<本実施形態の主な効果>>
以上説明したように本実施形態に係る伝送システム1は、ビデオ会議に参加中の伝送端末10の情報を伝送管理装置50に応答させるため、ビデオ会議に参加している伝送端末10の数によらずに、どの伝送端末10がビデオ会議に参加しているかを各伝送端末10の利用者に把握させることができる。
【0148】
これにより、伝送システム1は、利用者にビデオ会議の相手先を会話で尋ねさせることなく知らせることができるので、会議時間を短縮させることができる。また、伝送システム1は、宛先として登録されていない伝送端末に対しては端末名が表示されないため、ビデオ会議に知らない相手が参加していることを知らせることができ、話す内容に注意しながら会議を進めさせることができる。
【0149】
また、伝送システム1は、ディスプレイ120に端末情報を表示させているときであっても、主要な伝送端末の画像データを表示させておくため、利用者に現時点で会議を主導する拠点の様子を把握させておくことができる。
【0150】
〔実施形態の補足〕
上記実施形態における中継装置30、伝送管理装置50及びプログラム提供装置90は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0151】
また、プログラム提供装置90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供装置90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。
【0152】
更に、プログラム提供装置90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
【0153】
また、上記各実施形態の伝送端末制御プログラム、中継装置用プログラム又は伝送管理プログラムが記憶されたCD−ROM等の記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHD204及びHD204を備えたプログラム提供装置90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、上記伝送端末制御プログラム、中継
装置用プログラム及び伝送管理プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
【0154】
更に、中継装置30で中継される画像データの画像の品質の一例として、画像データの画像の解像度に着目して管理したが、これに限られるものではなく、品質の他の例として、画像データの画質の深度、音データの音におけるサンプリング周波数、音データの音におけるビット長などに着目して管理してもよい。また、音データが3種類の解像度(高解像度、中解像度、低解像度)のデータに分かれて送受信されるようにしてもよい。
【0155】
また、
図9において、伝送端末10のIPアドレスを管理することとしたが、これに限るものではなく、伝送ネットワーク2上で伝送端末10を特定するため情報であればよく、例えば、伝送端末10のFQDN(Fully Qualified Domain Name)を管理してもよい
。この場合、周知のDNS(Domain Name System)サーバによって、FQDNに対応するIPアドレスが取得されることになる。
【0156】
また、上記実施形態では、伝送システム1の一例として、ビデオ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、イン
ターネット電話等の電話システムであってもよい。
【0157】
また、伝送システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、伝送端末10の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、伝送端末10の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。また、伝送システム1は、携帯電話機によって伝送端末10を構成してもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、画像データ及び音データについて説明したが、これに限るものではなく、触覚(touch)データであってもよい。こ
の場合、一方の伝送端末側で利用者が接触した感覚が、他方の伝送端末側に伝達される。
【0159】
更に、コンテンツデータは、嗅覚(smell)データであってもよい。この場合、一方の
伝送端末側の匂い(臭い)が、他の伝送端末側に伝達される。また、コンテンツデータは、画像データ、音データ、触覚データ及び嗅覚データのうち、少なくとも1つのデータであればよい。
【0160】
また、上記実施形態では、伝送システム1によってビデオ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。