技術分野
可視光領域の光は透過し、近赤外線領域に吸収を持つ近赤外線遮蔽材料を用いた熱線遮蔽分散体、熱線遮蔽体、および、それらの製造方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ところが本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の近赤外線遮蔽体(熱線遮断ガラス)は、主にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法および化学気相法(CVD法)等の真空成膜方式による乾式法を用いた方法で製造されるため、大型の製造装置を必要とし、製造コストが高くなるという問題がある。また、真空成膜方法で製造されることから、近赤外線遮蔽体の基材が高温のプラズマに曝されたり、成膜後に加熱を必要としたりすることになるため、ガラスに替えてフィルム等の樹脂を基材とする場合には、別途、設備上、成膜条件の検討を行う必要があった。
また、特許文献4に記載の近赤外線遮蔽体(太陽光制御被覆ガラスシート)は、原料である金属酸化物をCVD法またはスプレー法と熱分解法との併用によりガラス上に被膜形成するが、前駆体となる原料が高価であること、高温で分解すること等から、ガラスシートに代えてフィルム等の樹脂を基材とする場合には、別途、成膜条件の検討を行う必要があった。
また、特許文献5に記載の太陽光可変調光断熱材料や、特許文献6に記載のエレクトロクロミック素子は、紫外線や電位差によりその色調を変化させる材料であるため膜の構造が複雑であり、色調変化が望まれない用途分野には適用が困難という問題があった。
更に、特許文献7にはタングステンブロンズの調製方法が記載されているが、得られた粉体の粒子直径や光学特性の記載は皆無である。これは、特許文献7において、タングステンブロンズの用途としては電解装置や燃料電池の電極材料および有機合成の触媒材料が考えられており、上述した近赤外線遮蔽体を用途としていないためと考えられる。
他方、特許文献8においては、近赤外線遮蔽体の製造に用いられるタングステン酸化物微粒子または/および複合タングステン酸化物微粒子が提案され、これ等酸化物微粒子は優れた可視光透過性と良好な近赤外線遮蔽効果を有している。このため、各種建築物や車両の窓材等の分野において好適に利用される近赤外線遮蔽体として注目されている。
しかし、これ等複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱性については十分満足できない場合があり、未だ改善の余地が残されていた。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、優れた耐湿熱性を有する熱線遮蔽材料微粒子が媒体中に分散してなる熱線遮蔽分散体、熱線遮蔽体、および、それらの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
目的を達成するために、本発明者らが研究を行なった結果、近赤外線吸収材料である複合タングステン酸化物微粒子へ水酸化亜鉛微粒子を混合することで、可視光領域に透過率の極大を持つとともに近赤外領域に強い吸収を持ち、優れた耐湿熱性を有する近赤外線吸収材料の製造が可能となるとの知見を得た。本発明は、当該技術的知見に基づき完成されたものである。
【発明の効果】
本発明に係る熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体は、従来の技術に係る熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体に比べて耐湿熱性に優れており、高温高湿化に暴露された後であっても、透明性が高く、近赤外線吸収機能の低下が抑制されていた。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】本発明に係る熱線遮蔽分散体、熱線遮蔽体の模式的な断面図である。
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