(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筺体と、記録部材にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段を経由した記録部材を受け入れて加熱することで前記記録部材にトナー像を定着せしめる定着手段と、水平方向に沿い且つ前記筺体内での記録部材の搬送方向に直交する方向である搬送直交方向に延在した姿勢で前記トナー像形成手段と前記定着手段との間に介在する遮熱部材とを備える画像形成装置において、
前記遮熱部材の前記搬送直交方向における一端側の端部を画像形成装置本体に固定し、
前記遮熱部材を支持するために、前記遮熱部材よりも前記搬送直交方向の他端側にずれた位置で前記遮熱部材に対して前記搬送直交方向で対面するように配設された支持部材を、画像形成装置本体に対して着脱可能に設け、
前記遮熱部材の前記搬送直交方向における他端側の端部を前記支持部材に固定したことを特徴とする画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を画像形成装置としての複写機に適用した実施形態について説明する。まず、
図1を用いて、この複写機の概略について説明する。この複写機は、原稿を走査して読み取って得た画像情報をデジタル化して画像形成に用いるいわゆるデジタルカラー複写機としての機能を有している。また、この複写機は、原稿の画像情報を遠隔地と授受するファクシミリの機能や、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するいわゆるプリンタの機能も有している。
【0015】
図1において、複写機は、中間転写ベルト11を用いた中間転写方式で記録シートに画像を形成するものであって、且つ、各色のトナー像をそれぞれ専用のプロセスカートリッジで作像するタンデム方式の電子写真装置である。複写機の鉛直方向における最下部には、多段状の給紙部2が設けられている。また、その上方に画像形成部1、さらにその情報にスキャナ部3がそれぞれ設けられている。給紙部2の各段には、記録部材である普通紙や、OHPシート、第2原図などの記録シートからなるシート束を収容する給紙トレイ21が配設されている。
【0016】
画像形成部1のほぼ中央には、ベルトループ内側に配設された複数のローラによって無端状の中間転写ベルト11を張架している転写装置10が配設されている。中間転写ベルト11は、図中時計回り方向に回転(表面移動)する。中間転写ベルト11の上方には、中間転写ベルト11の表面移動方向に沿って、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像を作像するための4つのプロセスカートリッジ40Y,40M,40C,40Kが配設されている。以下、色分け符号であるY,M,Cについては、適宜省略する。
【0017】
各プロセスカートリッジ40には、潜像担持体としてのドラム状の感光体41が設けられている。各感光体41は、それぞれ、図中反時計回り方向に回転可能に設けられており、その周囲には、公知の帯電装置42、現像装置43、一次転写手段を構成する一次転写装置46、感光体クリーニング装置44、潤滑剤塗布装置45がそれぞれ設けられている。また、4つのプロセスカートリッジ40の上方には2つの潜像書込手段としての光書込ユニット20a,20bが設けられている。
【0018】
図2は、4つプロセスカートリッジ40Y,40M,40C,40Kのうちの1つにおける現像装置43及び感光体41を示す拡大構成図である。感光体41は図中反時計回り方向に回転しながら、その表面が不図示の帯電装置(
図1の42)によって一様帯電せしめられる。一様帯電した感光体41の表面は不図示の光書込ユニット(
図1の20a,20b)よって照射されたレーザー光によって静電潜像を担持する。この静電潜像は、現像装置43によって現像されてトナー像になる。
【0019】
現像装置43は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体41の表面の潜像にトナーを供給して潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ43aを有している。また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら図紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュウ43bを有している。供給スクリュウ43bは、回転軸とこの回転軸に設けられた羽部とを備え、回転することにより軸方向に現像剤を搬送するものである。
【0020】
現像ローラ43aと供給スクリュウ43bとの対向部よりも現像ローラ表面移動方向下流側には、現像ローラ43a上の現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ43cが設けられている。また、現像ローラ43aと感光体41との対向領域である現像領域よりも現像ローラ表面移動方向下流側には、現像領域を通過した現像済みの現像剤を回収する回収スクリュウ43dが設けられている。この回収スクリュウ43dは、現像ローラ43aから回収した回収現像剤を供給スクリュウ43bと同方向に搬送するものである。供給スクリュウ43bを収容する供給搬送路43eは、現像ローラ43aの側方に配設されている。また、回収スクリュウ43dを収容する現像剤回収搬送路としての回収搬送路43fは現像ローラ43aの下方に並設されている。
【0021】
現像装置43は、供給搬送路43eの下方で現像剤を回収搬送路43fと平行な方向に撹拌搬送する攪拌搬送路43gを有している。攪拌搬送路43gは、現像剤を攪拌しながら供給スクリュウ43bとは逆方向である図中奥方向に向けて搬送する攪拌スクリュウ43hを有している。
【0022】
供給搬送路43eと攪拌搬送路43gとは第一仕切り壁によって仕切られている。第一仕切り壁の供給搬送路43eと攪拌搬送路43gとを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路43eと攪拌搬送路43gとが連通している。なお、供給搬送路43eと回収搬送路43fとも第一仕切り壁によって仕切られているが、第一仕切り壁の供給搬送路43eと回収搬送路43fとを仕切る箇所には開口部が設けられていない。また、攪拌搬送路43gと回収搬送路43fとの2つの搬送路は第二仕切り壁によって仕切られている。第二仕切り壁は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路43gと回収搬送路43fとが連通している。
【0023】
現像ローラ43a上の現像剤は、現像ドクタ43cによって薄層化された後、感光体41との現像ローラ43aとの対向領域である現像領域に搬送されて現像に寄与する。現像後の現像剤は回収搬送路43fに回収された後、図紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送され、第二仕切り壁に設けられた開口部を通って攪拌搬送路43gに進入する。なお、攪拌搬送路43gにおける現像剤搬送方向上流側端部の第二仕切り壁の開口部の付近で攪拌搬送路43gの上側に設けられた現像剤補給口から攪拌搬送路43g内にトナーが補給される。
【0024】
攪拌搬送路43gから現像剤の供給を受けた供給搬送路43eでは、現像ローラ43aに現像剤を供給しながら、供給スクリュウ43bで供給搬送路43eの現像剤搬送方向最下流側近傍に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ43aに供給され現像に用いられず供給搬送路43eの現像剤搬送方向最下流近傍まで搬送された余剰現像剤は、第一仕切りの余剰開口部を通じて攪拌搬送路43gに供給される。
【0025】
現像ローラ43aから回収搬送路43fに送られ、回収スクリュウ43dによって回収搬送路43fの現像剤搬送方向最下流近傍まで搬送された回収現像剤は第二仕切り壁の回収開口部を通じて攪拌搬送路43gに供給される。そして、攪拌搬送路43gは、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌しながら、攪拌スクリュウ43hで攪拌搬送路43gの現像剤搬送方向最下流側近傍であり、且つ供給搬送路43eの現像剤搬送方向最上流側近傍の位置まで搬送する。かかる位置まで搬送された現像剤は、第一仕切り壁の供給開口部を通じて供給搬送路43eに進入する。
【0026】
攪拌搬送路43gでは、攪拌スクリュウ43hによって、回収現像剤、余剰現像剤及び現像剤補給口から必要に応じて補給されるトナーを、回収搬送路43f及び供給搬送路43eの現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、現像剤搬送方向最下流側近傍で連通している供給搬送路43eの現像剤搬送方向最上流側近傍に攪拌された現像剤を移送する。
【0027】
攪拌搬送路43gの現像剤搬送方向最下流側近傍の供給開口部の真下付近には、トナー濃度センサー43jが設けられている。トナー濃度センサー43jからの出力に応じて、図示しないトナー補給制御装置が駆動されて、撹拌搬送濾43g内に補給される。
【0028】
図1において、転写装置10は、二次転写手段を構成する二次転写装置22を中間転写ベルト11の下方に有している。この二次転写装置22が中間転写ベルト11を介して二次転写対向ローラ16に圧接するようになっている。そして、この二次転写装置22が、自らと中間転写ベルト11との間に送り込まれる記録シートに対し、中間転写ベルト11上のトナー画像を一括二次転写する。二次転写対向ローラ16よりも中間転写ベルト11表面移動方向下流側には、ベルトクリーニング装置17が設けられており、このベルトクリーニング装置17によって画像転写後に中間転写ベルト11の表面に残留する残留トナーが除去される。また、ベルトクリーニング装置17には、潤滑剤塗布機構を備えており、中間転写ベルト11の表面に潤滑剤を塗布している。
【0029】
二次転写装置22の紙搬送方向下流側には、記録シート上に形成されたトナー画像をシート表面に定着せしめる定着装置25が設けられている。無端状の定着ベルト26には加圧ローラ27が圧接されている。画像転写後の記録シートは、一対のローラ23間に架け渡された無端状の搬送ベルト24によって定着装置25へ搬送される。また、二次転写装置22の下方には、シート表裏両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28が設けられている。
【0030】
以上の構成を具備する複写機でカラー原稿のコピーをとるときには、コンタクトガラス上にセットされた原稿の画像をスキャナ部3によって読み取る。また、中間転写ベルト11を回転させて、公知の画像形成プロセスによって各感光体41上にそれぞれトナー像を形成する。次に各感光体上に形成したトナー像を順次重ね合わせて中間転写ベルト11に一次転写して、中間転写ベルト11上に4色重ね合わせトナー像を形成する。
【0031】
一方、中間転写ベルト11に対する4色重ね合わせトナー像の画像形成動作と並行して、給紙部2の選択された給紙トレイ21から記録シートを1枚ずつ分離給紙して、レジストローラ29に向けて搬送する。分離搬送された記録シートは、レジストローラ29のニップに突き当たることによって搬送が一時止められて待機される。レジストローラ29は、中間転写ベルト11上に形成された4色重ね合わせトナー像と、記録シートの先端との位置関係を所定の位置にするように、タイミングをとって回転駆動が開始される。このレジストローラ29の回転により、待機されている記録シートが再び給紙される。これにより、この記録シートの所定位置に対し、二次転写装置22によって中間転写ベルト11上の4色重ね合わせトナー像が二次転写されて、記録シート上にフルカラートナー像が形成される。
【0032】
このようにしてフルカラートナー像が形成された記録シートは、二次転写装置22よりも搬送経路の下流側にある定着装置25に送り込まれる。この定着装置25は、二次転写装置22によって二次転写されたフルカラートナー像を記録シート上に定着せしめるものである。フルカラートナー像が定着された記録シートは、排紙ローラ30によって装置外部へ排紙される。記録シートの両面に画像を形成する両面プリントモードにおいて、第1面だけにフルカラートナー像を定着させた記録シートが定着装置25から排出された場合には、その記録シートは排紙ローラ30ではなく、シート反転装置28に送られる。そして、シート反転装置28によって表裏面を反転せしめられた後、レジストローラ29に再搬送される。その後、二次転写装置22と定着装置25とを経由することで、第2面にも、フルカラー画像が形成される。
【0033】
以上の構成の複写機においては、光書込ユニット20a,20b、プロセスカートリッジ40Y,40M,40C,40K、及び転写装置10などにより、記録シートに可視像としてのトナー像を形成する可視像形成手段が構成されている。なお、この複写機は、二次転写装置22、定着装置25、シート反転装置28、及び排紙路を一体的に保持した状態で、複写機の筺体に対して一体的にスライドして出し入れするための引き出しユニットを備えている。
【0034】
図3は、実施形態に係る複写機を示す斜視図である。同図において、画像形成部1の筺体1aは、その前面(図中の奥行き方向手前側の面)に、開閉可能な扉1bを2枚有している。これら扉1bは、図示のように筺体1aの本体に対して観音開き方式で開閉するようになっている。
【0035】
引き出しユニット76は、二次転写装置22、定着装置25、シート反転装置28及び排紙路を保持するキャリア71を有している。また、キャリア71には、前カバー79が取り付けられている。また、キャリア71は、装置本体に設けられた図示しないレールによって画像形成部1に対して前後方向(
図3中の矢印FR)にスライド移動可能に保持されている。前カバー79に設けられた把手部79aをユーザーが握って前カバー79を画像形成部1に対して前後方向に引っ張ったり押したりすることにより、引き出しユニット76を画像形成部1に対して引き出したり収納したりすることができる。
【0036】
なお、画像形成部1の前側Fとは画像形成部1の手前側を意味するとともに、後側Rとは画像形成部1の奥側を意味する。
【0037】
複写機の使用時は、画像形成部1に対して引き出しユニット76が収納される一方、引き出しユニット76に保持された各装置の交換を行う場合や各搬送路に詰まった用紙を除去する場合には、画像形成部1に対して引き出しユニット76を前側Fに引き出す。これにより、引き出しユニット76に保持された各装置の交換や各搬送路に詰まった用紙の除去を行うことが可能となる。
【0038】
図4は、引き出しユニット76を示す斜視図である。同図において、前カバー79は、引き出しユニット76を画像形成部内に押し入れたときでも、外部に露出しているアウターカバー部79bを有している。また、画像形成部から引き出しユニット76を引き出したときにだけ外部に露出するインナーカバー部79cも有している。
【0039】
図5は、引き出しユニット76を引き出した状態の複写機を示す概略構成図である。図示のように、引き出しユニット76を引き出した状態でも、中間転写ベルト11、各色のプロセスカートリッジ40Y,40M,40C,40K、光書込ユニット20a,20bなどは、画像形成部1の筺体内に残される。
【0040】
図6(a)は、引き出しユニット76の一部の分解状態を示す分解斜視図であり、
図6(b)は、引き出しユニットを部分的に示す部分斜視図である。前カバー79は引き出しユニット前側板78にネジ締結されており、工具を使わずには外れない構成になっている。このように前カバー79を引き出しユニット76に固定することで、前カバー79を引き出すだけで、引き出しユニット76を引き出すことができる。
【0041】
これらの図に示されるように、前カバー79は、複写機の前後方向に比較的大きなスペースをとる分厚い構造になっている。後述するトナーボトルトレイは、そのような分厚い構造の前カバー79の真上に配設される。
【0042】
図1の鉛直方向において、中間転写ベルト11と定着装置25との間には、定着装置25で発生する熱気を遮蔽するための遮熱板150が配設されている。この遮熱板150は、定着装置25で発生する熱気を受け止めて、中間転写ベルト11やプロセスカートリッジ40の位置まで上昇させることを防ぐことで、中間転写ベルト11やプロセスカートリッジ40の昇温を抑える役割を担っている。
【0043】
図7は、遮熱板150をその周囲構成とともに示す斜視図である。遮熱板150は、水平方向に延在した姿勢で熱気を受け止める熱受け止め部150aと、熱受け止め部150aのシート搬送方向における一端部から他端部に向けて斜め上方に立ち上がる熱交換部150bとを具備している。水平方向に延在する熱受け止め部150aは、定着装置25の真上に配設されており、定着装置25から発生する熱気を受けてその熱を奪う。
【0044】
遮熱板150の表面には、複数のヒートパイプ151が熱受け止め部150aから熱交換部150bにかけて延在する姿勢で固定されている。熱気を受けて昇温した熱受け止め部150aの熱は、ヒートパイプ151の長手方向の一端部に伝達される。すると、ヒートパイプ151の長手方向における一端部の中に収容されていた熱交換媒体が熱せられて液体の状態から気体の状態になる。そして、ヒートパイプ151の全域のうち、遮熱板150の熱交換部150bの表面に這い回されている領域内を上昇する。ヒートパイプ151の上端には、放熱を促進するためのヒートシンク65が接続されている。ヒートパイプ151内で上昇した気体状態の熱交換媒体は、ヒートシンク65内で冷却されることで、気体の状態から液体の状態に変化する。そして、今度は逆に、ヒートパイプ151内を下降して遮熱板150の熱受け止め部150aの真上まで戻る。
【0045】
ヒートシンク65の前方には、定着冷却ファン62が配設されている。この定着冷却ファン62は、ヒートシンク65に向けて送風することで、ヒートシンク65からの放熱を助長する。
【0046】
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図1に示されるプロセスカートリッジ40Y,40M,40C,40Kを複写機本体から取り外すときには、まず、
図3に示されるように、筺体1aの扉1bを開いた後、引き出しユニット76を複写機本体から引き出す。次に、
図8に示されるように、引き出しユニット76の上方に存在するトナーボトルトレイ90を複写機本体から引き出す。このトナーボトルトレイ90は、各色のプロセスカートリッジに供給するための各色のトナーを収容している各色のトナーボトルを収容するものである。複写機本体に伸縮可能に設けられた伸縮レール91によって保持されていて、図示のように複写機の前方に向けて引き出すことが可能になっている。トナーボトルトレイ90を引き出したら、次に、
図9に示されるように、伸縮レール91からトナーボトルトレイ90を取り外す。すると、トナーボトルトレイ90の後方に存在していた筺体1aの開口1a’や、その奧にある面板85が顕わになる。
【0047】
図10は、複写機本体の骨組を複写機の斜め前方から示す斜視図である。骨組は、前梁部材82、前右支柱83、前左支柱84、後右支柱88、後左支柱89、3つの右梁部材97、3つの左梁部材96、底板95などで構成されている。骨組の後端部(搬送直交方向の一端側の端部)では、後右支柱88が底板95の後端部の右隅から立ち上がっているとともに、後左支柱89が底板95の後端部の左隅から立ち上がっている。そして、それら支柱を橋渡しするように、それら支柱に後側板87が固定されている。
【0048】
骨組の前端部(搬送直交方向の他端側の端部)では、前右支柱83が底板95の前端部の右隅から立ち上がっているとともに、前左支柱84が底板95の前端部の左隅から立ち上がっている。そして、それら支柱を橋渡しするように、それら支柱の上端部に前梁部材82が固定されている。前端部では、保守点検用の開口を形成するために、後側板87のような大きな側板を設けることができない。このため、上端部だけに前梁部材82を設けている。また、前左支柱84には、後述する面板85を固定するための左ブラケット(後述する
図11の153)が固定されている。また、前右支柱83には、面板85を固定するための右グラケット(
図11の154)が固定されている。
【0049】
面板85は、画像形成装置本体としての前梁部材82、左ブラケット(153)、及び右ブラケット(154)に装着されている。
図9において、開口1a’を通じて顕わになっている面板85は、
図10に示されるように、骨組の前梁部材82、左ブラケット(153)、右ブラケット(154)に固定されているものなのである。
【0050】
面板85は、
図11に示されるように、前梁部材82、左グラケット153、及び右ブラケット154から取り外すことができる。面板85を取り外すと、その奧に存在しているプロセスカートリッジ40が顕わになるので、プロセスカートリッジ40を交換することが可能になる。
【0051】
後側板87には4つのボールベアリングが所定のピッチで水平方向に並ぶように設けられている。これらのボールベアリングにはそれぞれ、感光体駆動軸170が複写機後端側(一端側)から前端側(他端側)に向けて延在する姿勢で回転可能に取り付けられている。これらの感光体駆動軸170は、感光体(41)の中心に設けられた軸穴を嵌め込むためのものである。プロセスカートリッジ40を複写機本体に装着する際には、プロセスカートリッジ40内の感光体の軸穴を、感光体駆動軸170に通す。
【0052】
感光体駆動軸170や、複写機本体内に配設される各種ローラは何れも、水平方向に沿い、且つ複写機本体内における記録シート搬送方向に直交する搬送直交方向に延在する姿勢で配設されるものである。本複写機では、搬送直交方向は複写機の前後方向と同じである。遮熱板150の前後方向における前端部(他端側の端部)と後端部(一端側の端部)とのうち、後端部は、複写機本体の後側板87に固定されている。また、遮熱板150の後端部は、前梁部材82、左ブラケット153、及び右ブラケット154に装着された面板85や、左ブラケット153に固定されている。そして、搬送直交方向においてプロセスカートリッジと開口1a’tの間に介在している面板85は、画像形成装置本体としての前梁部材82、左ブラケット153、及び右ブラケット154に対して着脱可能に構成されている。
【0053】
筺体1aに対してプロセスカートリッジを出し入れするための開口1a’は、筺体1aの全域のうち、次のような領域に設けられている。即ち、遮熱板150やプロセスカートリッジ(40)よりも前後方向(搬送直交方向)の前側(他端側)にずれた位置で遮熱板150及びプロセスカートリッジに対向する領域である。
【0054】
以上の構成を有する本複写機では、遮熱板150の後端部を複写機本体の後側板87に固定することで、遮熱板150の後端部を高精度に位置決めする。この一方で、遮熱板150の前端部を複写機本体の前梁部材82、左ブラケット153、及び右ブラケット154に装着された面板85に固定することで、遮熱板150の前端部を高精度に位置決めする。これらの結果、遮熱板150の全体を高精度に位置決めすることができる。
【0055】
また、本複写機においては、面板85に固定している遮熱板150の前端部を面板85から外した後、複写機前後方向において開口1a’とプロセスカートリッジとの間に介在している面板85を複写機本体(前梁部材82等)から取り外すことが可能である。このように面板85を取り外すことで、プロセスカートリッジを面板85に邪魔されることなく容易に交換することができる。よって、遮熱板150の高精度の位置決めと、プロセスカートリッジ40の交換容易性とを両立させることができる。
【0056】
図12は、遮熱板150を示す拡大斜視図である。また、
図13は、遮熱板150を
図12とは異なるアングルから示す拡大斜視図である。遮熱板150の後端で且つ上端付近には、位置決め用の第1ボス(円柱状の突起)150−1a及び第2ボス150−1bが設けられている。これらのボスが、骨組の後側板(87)に設けられた図示しないボス穴にそれぞれ嵌合することで、遮熱板150の後端で且つ上端付近の領域が位置決めされる。
【0057】
遮熱板150の後端で且つ高さ方向の中央付近には、第1差込突起150−2aが形成されている。この第1差込突起150−2aが、骨組の後側板に設けられた図示しない第1スリットに差し込まれることで、遮熱板150の後端で且つ高さ方向の中央付近の領域が位置決めされる。
【0058】
遮熱板150の後端で且つ下端付近には、第2差込突起150−2bが形成されている。この第2差込突起150−2bが、骨組の後側板に設けられた図示しない第2スリットに差し込まれることで、遮熱板150の後端で且つ下端付近の領域が位置決めされる。
【0059】
以上のように遮熱板150の後端における上端付近、中央付近、下端付近をそれぞれ位置決めした状態で、遮熱板150の後端に設けられた4つのネジ穴(150−3a〜d)にネジを通してそれぞれ後側板の雌ネジ部に螺号させる。これにより、遮熱板150の後端部を高精度に位置決めした状態で係止することができる。
【0060】
遮熱板150の前端で且つ上端付近には、位置決め用の第3ボス150−4a及び第4ボス150−4bが設けられている。これらのボスが、左ブラケット(153)に設けられた図示しないボス穴にそれぞれ嵌合することで、遮熱板の前端で且つ上端付近の領域が位置決めされる。
【0061】
遮熱板150の前端で且つ高さ方向の下端付近には、案内ピン150−6が複写機の後端側から前端側に向けて延在する姿勢で設けられている。この案内ピン150−6の根本が、面板(85)に設けられた図示しないピン穴に隙間なく嵌り込むことで、遮熱板150の前端で且つ下端付近の領域が位置決めされる。なお、案内ピン150−6は、案内部としての機能も有しているが、この機能については後述する。
【0062】
このようにして、遮熱板150の前端における上端付近、下端付近をそれぞれ位置決めする。この状態で、左ブラケット(153)に設けられた図示しない2つのネジ穴に通した2つのネジを、遮熱板150の前端に設けられた3つの雌ネジ部のうちの2つ(150−5a、150−5b)にそれぞれ螺号させる。また、残りの1つの雌ネジ部150−5cに対し、面板(85)のネジ穴に通したネジを螺号させる。これにより、遮熱板150の前端部を高精度に位置決めした状態で係止することができる。
【0063】
図14は、面板(85)を取り外した状態の骨組を示す斜視図である。支持部材としての前梁部材82の表面における右側端部付近には、面板(85)を位置決めするための右上ボス82−1aが設けられている。また、前梁部材82の表面における左側端部付近には、面板を位置決めするための左上ボス82−1bが設けられている。また、支持部材としての左ブラケット153には、面板を位置決めするための左下ボス153−1が設けられている。また、支持部材としての右ブラケット154には、面板を位置決めするための右下ボス154−1が設けられている。これらの4つのボスに対し、それぞれ面板に設けられた4つのボス穴を嵌合させることで、面板を骨組に対して高精度に位置決めすることができる。この状態で、面板の複数のネジ穴に通した複数のネジを、前梁部材82に設けられた複数の雌ネジ部(82−2a,b)、左ブラケット153に設けられた複数の雌ネジ部、及び右ブラケット154に設けられた複数の雌ネジ部にそれぞれ螺号させる。これにより、面板を高精度に位置決めした状態で骨組に係止することができる。
【0064】
面板を前梁部材82、左ブラケット153、及び右ブラケット154に装着する際には、それらの支持部材に設けられたボスと、面板に設けられたボス穴とを高精度に位置合わせする必要がある。この位置合わせは、非常に手間のかかる作業である。そこで、
図13に示される遮熱板150の前端の案内ピン150−6により、位置合わせを補助するようになっている。
【0065】
この補助について詳述する。
図11に示されるように、面板85には、案内ピン150−6を挿入するためのピン穴85−2を設けている。遮熱板150の案内ピン150−6は、先細になっていて、先端の外径はピン穴85−2の内径よりもかなり小さくなっている。これに対し、案内ピン150−6の根本の外径はピン穴85−2の内径とほぼ同じになっている。
【0066】
画像形成装置本体としての前梁部材82、左ブラケット153、及び右ブラケット154に面板85が装着される際に、面板85はそれらに対する装着位置まで移動するのに先立って、遮熱板150の案内ピン150−6の先端位置に至る。このとき、作業者が面板85を少し位置ずれさせた状態で持っていたとしても、遮熱板150の案内ピン150−6の先端が大きなクリアランスをもって面板85のピン穴85−2に進入する。その後、作業者が面板85を更に複写機後端側に向けて押し込んでいくと、案内ピン150−6の径の太い根本部分がピン穴85−2に進入するようになって面板85の移動方向を規制する。これにより、案内ピン150−6は、面板85の嵌合部たる4つのボス穴を、被嵌合部たる4つのボス(82−1a、82−1b、153−1、154−1)に向けて案内する。このようにして、案内ピン150−6により、面板85の位置合わせを補助して、作業者の位置合わせ作業性を向上させることができる。
【0067】
図13に示されるように、遮熱板150の下端付近であって、且つ前後方向の中央付近には、第1センサー取付部150−8や、第2センサー取付部150−9が設けられている。また、第1センサー取付部150−8には、板を貫通する貫通口が設けられている。
【0068】
図15に示されるように、遮熱板150の第2センサー取付部(150−9)には、反射型フォトセンサーからなるシート検知センサー159が取り付けられる。また、第1センサー取付部(150−8)には、温度センサー152が取り付けられる。温度センサー152は遮熱板150のおもて面に取り付けられているが、温度センサー152の温度検知部は、第1センサー取付部(150−8)に設けられた貫通口を貫通して遮熱板150の裏面側に位置している。これにより、遮熱板150よりも下方に位置する定着装置(25)の定着部材(定着ベルト)の温度を良好に検知することができる。
【0069】
遮熱板150が後側板87、左ブラケット153、及び面板85に高精度に位置決めされていることで、温度センサー152やシート検知センサー159を複写機本体内に精度良く位置決めすることができる。
【0070】
なお、
図11に示されるように、面板85には、水平方向に所定ピッチで並ぶ4つのボールベアリング85−1を設けている。これらは、感光体駆動軸170の前端部を回転可能に支持するためのものである。本複写機では、感光体駆動軸170の後端部を後側板87のボールベアリングで回転自在に支持するとともに、前端部を面板85のボールベアリング85−1で回転自在に支持する。これにより、感光体の後端部を後側板によって間接的に支持するとともに、感光体の前端部を面板85によって間接的に支持している。
【0071】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
筺体(例えば筺体1a)と、記録部材(例えば記録シート)にトナー像を形成するトナー像形成手段(例えばプロセスカートリッジ40などからなるもの)と、前記トナー像形成手段を経由した記録部材を受け入れて加熱することで前記記録部材にトナー像を定着せしめる定着手段(例えば定着装置25)と、水平方向に沿い且つ前記筺体内での記録部材の搬送方向に直交する方向である搬送直交方向に延在した姿勢で前記トナー像形成手段と前記定着手段との間に介在する遮熱部材(例えば遮熱板150)とを備える画像形成装置において、前記遮熱部材の前記搬送直交方向における一端側の端部(例えば後端部)を画像形成装置本体(例えば、前梁部材82、左ブラケット153、右ブラケット154)に固定し、前記遮熱部材を支持するために、前記遮熱部材よりも前記搬送直交方向の他端側
例えば前側)にずれた位置で前記遮熱部材に対して前記搬送直交方向で対面するように配設された支持部材(例えば面板85)を、画像形成装置本体に対して着脱可能に設け、
記遮熱部材の前記搬送直交方向における他端側の端部(例えば前端部)を前記支持部材に固定したことを特徴とするものである。
【0072】
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記支持部材を前記搬送直交方向の前記他端側から前記一端側に向けて移動させて画像形成装置本体に装着する際に、画像形成装置に設けられた被嵌合部(例えばボス)に嵌合させて前記支持部材を画像形成装置本体に位置決めするための嵌合部(例えばボス穴)を前記支持部材に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、画像形成装置本体の被嵌合部に支持部材の嵌合部を嵌合させることで、支持部材を画像形成装置本体に対して高精度に位置決めすることができる。
【0073】
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、画像形成装置本体に対する前記支持部材の装着の際に、前記嵌合部と前記被嵌合部との接触が開始される前に、前記支持部材に接触しながら前記支持部材の移動方向を規制することで、前記支持部材の前記嵌合部を前記被嵌合部に向けて案内する案内部(例えば案内ピン150−6)を、前記遮熱部材に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、支持部材を画像形成装置本体に装着する際に、案内部によって支持部材の嵌合部を画像形成装置本体の被嵌合部に案内することで、作業者の位置合わせ作業を手助けすることができる。
【0074】
[態様D]
態様Dは、態様A〜Cの何れかにおいて、前記定着手段に進入する直前の記録部材を検知する記録部材検知手段(例えばシート検知センサー159)を前記遮熱部材に固定したことを特徴とするものである。かかる構成では、記録部材検知手段を定着装置から切り離して画像形成装置本体内の遮熱部材に固定したことで、定着装置の交換の際に、記録部材検知手段を同時に交換する必要性をなくして、低コスト化を実現することができる。
【0075】
[態様E]
態様Eは、態様A〜Dの何れかにおいて、前記定着手段の温度を検知する温度検知手段を前記遮熱部材に固定したことを特徴とするものである。かかる構成では、温度検知手段を定着装置から切り離して画像形成装置本体内の遮熱部材に固定したことで、定着装置の交換の際に、温度検知手段を同時に交換する必要性をなくして、低コスト化を実現することができる。
【0076】
[態様F]
態様Fは、態様A〜Eの何れかにおいて、放熱器(例えばヒートシンク65)と、前記遮熱部材の熱を前記放熱器に熱交換するためのヒートパイプ(例えばヒートパイプ151)とを設けたこを特徴とするものである。かかる構成では、遮熱部材の熱を効率良く放熱させて、遮熱部材の過剰な温度上昇を防止することができる。
【0077】
[態様G]
態様Gは、態様A〜Fの何れかにおいて、前記トナー像形成手段として、潜像担持体(例えば感光体41)と、前記潜像担持体上の潜像をトナーによって現像する現像手段(例えば現像装置43)と、前記潜像担持体上のトナー像を記録部材に直接あるいは中間転写体(例えば中間転写ベルト11)を介して転写する転写手段(例えば転写装置10)とを有するものを用い、前記潜像担持体を画像形成装置本体に対して前記搬送直交方向に着脱可能に構成し、且つ、前記潜像担持体の前記搬送直交方向における前記一端側の端部を前記側板で支持するとともに、前記他端側の端部を前記支持部材で支持するようにしたことを特徴とするものである。かかる構成では、潜像担持体の両端部をそれぞれ支持することで、潜像担持体を位置決めすることができる。