(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ファセット面は、複数のファセットブロック(20)に分割され、そこにおいて複数の個別ファセット(19)が、次に、組み合わされ、該ファセットブロック(20)は、該ファセット面上に挿入された距離区画を有し、前記EUV減衰器(27)の前記補完的に成形された減衰器面(31)は、該距離区画に隣接して配置された面区画上に補強支柱(33)を有することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の照明光学系。
前記EUV減衰器(27)の前記補完的に成形された減衰器面(31)は、特に電気メッキによって前記反射面(29)から形成された層の形態にあることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明光学系。
減衰器区画(24)の他に、前記形成された層(30)は、非減衰貫通開口部(32)も収容することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の照明光学系。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、可能な限り少ない望ましくない放射線損失しか伴わずに物体視野にわたる照明パラメータ、例えば、照明強度分布又は照明角度分布における望ましくない変化を補正することができるような冒頭に示した種類の照明光学系を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、照明光ビームを形成するための非平面ミラー
表面形状を有する反射面を有する少なくとも1つのEUVミラーと、EUVミラーの前に配置された少なくとも1つのEUV減衰器であって、EUV減衰器のEUVミラーの反射面に対面する減衰器面が、ミラー
表面形状を補完するように設計された減衰器
表面形状を有し、それによって減衰器面のうちの少なくともある区画が、反射面に接触することなく反射面から一定の間隔の位置に配置されるようにするEUV減衰器とを有して、照明光ビームを放射線源から物体視野に誘導するためのEUVマイクロリソグラフィのための照明光学系によってこの目的を達成する。
【0006】
本発明に準ずると、照明パラメータにおける望ましくない変化が、EUV減衰器を用いて補正される。ミラー
表面形状に対する減衰器
表面形状の補完的成形は、EUV減衰器をEUVミラーの直近に持ってくることができることを保証する。照明光ビームがEUVミラーに0とはかなり異なる入射角で当たった場合であっても、EUV減衰器をEUVミラーの直近に持ってくるこの可能性は、EUV減衰器上への照明光の戻りビームの入射位置と射出ビームの入射位置の間のオフセットに起因する二重通過損失が阻止されるか、又は最小にされることを保証する。EUVミラーとは別のサブアセンブリの形態にあるEUV減衰器の利点は維持される。従って、EUV減衰器をEUVミラーに対して微調節することができる。更に、照明パラメータの影響を変更するために、特定のEUV減衰器を異なる設計のEUV減衰器と交換することができる。非常に短い間隔にも関わらず、EUVミラーとEUV減衰器とが互いに接触することを安全に阻止することができる。EUV減衰器は、物体視野にわたる照明光における照明角度分布と強度分布の両方に影響を与えるために使用することができる。EUV減衰器の作用は、照明光学系内のその位置に依存する。EUV減衰器のこの位置決めされのために設けられたEUVミラーの前の平面では、この平面の状況に従って物体視野照明の視野機能と瞳機能の両方に関するパラメータを変更することができる。EUV減衰器が、照明光学系の視野平面又は瞳平面と一致する平面に位置する限り、視野機能のパラメータのみ、又は瞳機能のパラメータだけに特定的に影響を与えることができる。非平面ミラー
表面形状は、ミラー
表面形状に対して補完的な設計の減衰器
表面形状も同じく非平坦、すなわち、不均等であることを意味する。非平坦ミラー
表面形状は、ミラーの反射面内の対応する曲率により、又はそうでなければミラーが個々のミラーセグメント、例えば、個々のミラーファセットに分割されることによって生成することができる。
【0007】
EUV減衰器とEUVミラーの間の200μmよりも大きくない領域内の間隔は特に適切であることが見出されている。
【0008】
EUV減衰器は、規定の絞り輪郭を有する少なくとも1つのEUV絞りを有することができる。それによってEUV減衰器からの明確に定められた減衰作用を保証する。いかなる減衰も必要とされない点では、照明光は、完全にEUV減衰器を通過することが許され、又はEUV減衰器によって通過することが許されて減衰されない。
【0009】
代替的又は追加的に、EUV減衰器は、少なくとも1つの灰色フィルタ、すなわち、灰色フィルタ機能を有する構成要素を有することができる。これは、灰色フィルタによるEUV減衰作用のプロフィールの適切に精密な成形により、EUV減衰器からの減衰作用プロフィールの精密な成形を可能にする。これは、照明光の強度を補正関数に準じて変調することができることを意味する。物体視野照明における楕円度又はそうでなければテレセントリック性の程度を変調するか又はこれらに影響を与えるために、物体視野の照明の均一性の程度、すなわち、均一性の程度に影響を与えるか、又はこれらを変調することができる。また、物体視野照明における極均衡として公知の定義方式で規定された照明角度からの照明強度の間の強度比を変調するか又はそれに影響を与えることができる。言及したこれらのパラメータのうちの単一のもの又はそうでなければ全てを変調するか又はこれらに影響を与えることができる。
【0010】
EUVミラーの反射面は、自由曲面の形態にあるとすることができる。それによって物体視野照明を特定の事前設定に適合させることが可能になる。必要に応じて、自由曲面設計のものであるEUVミラーにより、例えば、矩形物体視野を照明することができる。
【0011】
EUVミラーの反射面は、複数の反射個別ファセットを有するファセット面の形態にあるとすることができ、少なくとも一部の特定の個別ファセットは、EUV減衰器の関連付けられた減衰器区画を有することができる。この種の減衰器区画は、複数の個別ファセットに関連付けることができる。この設計のファセットミラーは、特に、例えば、US 2007/0058274 A1の
図12から公知である照明幾何学形状の視野ファセットミラー又は瞳ファセットミラーとすることができる。この種のファセットミラーのファセットは、特に個別に傾けるか、又は傾斜させることができる。この場合、個別ファセットは、EUVミラーの主平面に対して、0.5°よりも大きく、1°よりも大きく、2°よりも大きく、3°よりも大きく、又は5°よりも大きい傾斜角だけ個別に傾斜させることができる。更に、ファセットは、ビームを形成するために曲面の特に凹曲面の反射面を有することができる。そのような設計は、特に物体視野照明パラメータに影響を与えるために、EUV減衰器を用いて特定の個別ファセットを減衰させることを可能にする。個別減衰器区画及び/又は複数のそのような減衰器区画を含む組合せを特にモノリシックに形成された本体から製造することができる。これは電気メッキによって形成された本体とすることができる。
【0012】
減衰器区画は、個別減衰をもたらすことができる。例示的に、各々が異なる減衰を有する2つの種類の減衰器区画、又はそうでなければ2つよりも多くの種類の減衰器区画、例えば、3つ、4つ、5つ、又は更にはそれ以上のそのような種類を設けることができる。それによって相応に大きい自由度数で物体視野照明パラメータに影響を与えることが可能になる。
【0013】
減衰器区画は、個別ファセットに関連付けられた遮蔽縁部を有する絞りの形態にあるとすることができる。それによって個別ファセットを個別化方式で精密に減衰させることが可能になる。
【0014】
ファセット面は、複数のファセットブロックに分割することができる。更に、ファセットブロックは、複数の個別ファセットを組み合わせることができる。ファセットブロックは、ファセット面上に挿入された距離区画を有することができる。EUV減衰器の補完的に成形された減衰器面は、ファセット面上の距離区画に隣接して配置された減衰器面区画上に補強支柱を有することができる。それによってEUV減衰器を自己支持設計のものとすることが可能になり、補強支柱がない場合には、有用放射線の望ましくない有意な損失がもたらされる。
【0015】
EUV減衰器の補完的に成形された減衰器面は、特に電気メッキによってEUVミラーの反射面から形成された層の形態にあるとすることができる。それによって減衰器面においてEUVミラーの反射面に対する精密な補完形状を保証する。更に、それによって2つの面を互いから非常に短い間隔で配置する可能性がもたらされる。
【0016】
EUV減衰器の形成層は、ニッケルから生成することができる。それによって精密な形成に加えて、EUV減衰器を小さい壁厚を有するように設計することも可能になり、更にそれによって特に二重通過における有用放射線の望ましくない損失が低減する。EUV減衰器における壁厚は、0.03mmよりも大きく、又はそれに等しいとすることができる。壁厚は、0.03mmと0.3mmの間の範囲、特に0.05mmと0.3mmの間の範囲にあるとすることができる。
【0017】
形成層は、複数の絞りを収容することができる。それによって特にEUVミラーの領域、特にファセットミラーの形態にあるEUVミラーの個別ファセットの個別化遮蔽が可能になる。
【0018】
減衰器区画に加えて、形成層は、非減衰貫通開口部を収容することができる。この場合、EUVミラーは、物体視野照明パラメータに影響を与えるために減衰を必要とする点においてのみ減衰される。EUVミラーのファセット設計には、EUV減衰器の減衰器区画による影響を受ける照明を有する補正ファセットのみならず、EUV減衰器内に関連付けられた非減衰貫通開口部を有する影響を受けない基本照明ファセットを設けることができる。
【0019】
EUV減衰器の減衰器区画が、関連付けられた一部の個別ファセットを有する限り、この減衰器区画は、絞りである複数の減衰器指状体を有することができる。この場合、各減衰器指状体は、この減衰器指状体が関連付けられる少なくとも1つの個別ファセットに対して個別に調整される方式で形成することができる。それによって照明光学系のためのEUV減衰器を製造する自由度が高まる。
【0020】
減衰器指状体の個別に成形された遮蔽縁部は、照明に対する適切な個別補正の任意選択肢をもたらす。
【0021】
各個別ファセットが、厳密に1つ又は最大で2つの関連付けられた減衰器指状体を有する関連付けは、EUV減衰器において小型で、同時に取り扱いの容易な設計を可能にする。
【0022】
減衰器指状体は、共通の装着支持体によって保持することができる。それによって複数の個別ファセットに関連付けられる減衰器区画を共通の装着支持体と共にモジュールとして事前に組み立てる可能性がもたらされる。
【0023】
装着支持体は、複数の個別ファセットを有するファセットブロックの両側に配置された支持ブラケットを有することができ、減衰器指状体は、ファセットブロックに関連付けられた2つの支持ブラケットの間に配置される。それによって望ましくない遮蔽によってファセットミラーの可能な限り小さい有用反射面しか失われるこことのない減衰器指状体に対する装着支持体が可能になる。
【0024】
減衰器指状体に対する支持ブラケット上の保持点は、張られる個別ファセットの形状に依存するレベル、特にこれらの個別ファセットの反射面の外形に依存するレベルに配置することができる。このようにして、支持ブラケットの設計は、減衰器指状体と、それに関連付けられた個別ファセットの間の間隔を精密に規定することができる。
【0025】
本発明の照明光学系のためのEUV減衰器の利点、本発明の照明光学系を有する照明系の利点、及び本発明の照明系を有する投影露光装置の利点は、本発明の照明光学系を参照して上述したものに対応する。
【0026】
レチクルが準備される段階と、照明光に対して感光性を有するコーティングを有するウェーハが準備される段階と、本発明の投影露光装置を用いてレチクルの少なくとも1つの区画がウェーハ上に投影される段階と、照明光ビームに露光された感光層がウェーハ上で現像される段階とを含む製造方法の利点、及び本発明に準じて製造された微細構造又はナノ構造のサブアセンブリの利点は、本発明の照明光学系を参照して上述したものに対応する。
【0027】
本発明の例示的な実施形態を図面を参照して以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、マイクロリソグラフィのための投影露光装置1を通る子午断面を略示している。投影露光装置1における照明系2は、放射線源3だけではなく、物体平面6内の物体視野5を露光させるための照明光学系4を有する。この露光は、微細構造又はナノ構造の導体構成要素を生成するために物体視野5に配置され、投影露光装置1を用いて投影される構造を保持する
図1には示していないレチクルの露光を含む。
【0030】
投影光学系7は、物体視野5を像平面9内の像野8内にマップするのに使用される。レチクル上の構造は、像平面9内の像野8の領域に配置された図面には示していないウェーハのフォトレジスト層上にマップされる。
【0031】
放射線源3は、5nmと30nmの間の範囲の有用放射線を放出するEUV放射線源である。この光源は、プラズマ光源、例えば、GDPP(ガス放電生成プラズマ)光源又はLPP(レーザ生成プラズマ)光源とすることができる。他のEUV放射線源、例えば、シンクロトロンに基づくものも可能である。
【0032】
放射線源3から射出するEUV放射線10は、コレクター11によって集光される。適切なコレクターは、例えば、EP 1 225 481 Aから公知である。コレクター11の後に、EUV放射線10は中間焦点面12を通じて伝播し、その後に、視野ファセットミラー13に当たる。視野ファセットミラー13は、照明光学系4の物体平面6に対して光学的に共役な平面に配置される。
【0033】
以降EUV放射線10を照明光又はマッピング光とも呼ぶ。
【0034】
視野ファセットミラー13の後に、EUV放射線10は、瞳ファセットミラー14によって反射される。瞳ファセットミラー14は、照明光学系4の投影光学系7の瞳平面に対して光学的に共役な平面に配置される。瞳ファセットミラー14と、EUV放射線10に対する光線経路の順に示しているミラー16、17、及び18を有する伝達光学系15の形態にあるマッピング光学アセンブリとは、視野ファセットミラー13の視野ファセット19(
図2を参照されたい)を互いの上に重なるように物体視野5内にマップするのに使用される。伝達光学系15内の最後のミラー18はかすめ入射ミラーである。伝達光学系15を視野ファセットミラー13から物体視野5にEUV放射線10を伝達するための連続光学系とも呼ぶ。
【0035】
位置関係の説明を簡略化するために、下記の本文では直交xyz座標系を使用する。
図1では、x軸は、作図面と垂直に閲覧者に向いて延びている。
図1では、y軸は右に延びている。
図1では、z軸は上方に延びている。
【0036】
図示していないレチクルホルダによって保持されるレチクルと、図示していないウェーハホルダによって保持されるウェーハとは、投影露光装置1の作動中にy方向に同期して走査される。
【0037】
物体視野5は、弓形又は矩形の形状とすることができる。物体視野5のx広がりとy広がりとのアスペクト比は、視野ファセット19のアスペクト比に対応する。図示の例示的な実施形態では、視野ファセット19は矩形である。視野ファセット19は、図示していない実施形態では弓形とすることができ、そのような弓形視野ファセットのx方向の広がりとy方向の広がりとの比は、図示の実施形態における矩形視野ファセット19におけるアスペクト比に対応する。
【0038】
視野ファセット19及び物体視野5のx/yアスペクト比は、例えば、13/1である。1よりも大きい他のアスペクト比も可能である。これらのアスペクト比に基づいて、x軸を長視野軸とも呼び、y軸を短視野軸とも呼ぶ。物体視野5内の特定のx座標を視野レベルとも呼ぶ。
【0039】
視野ファセットミラー13の視野ファセット19は、視野ファセットブロック20内でそれぞれの複数の視野ファセット19と組み合わされる。
図2に示している視野ファセットミラー13の概略図では、図示の4つの視野ファセットブロック20の各は8つの視野ファセット19を有する。実際には、
図4に示している更に別の実施形態の視野ファセットミラー13の図から分るように、非常に多数のそのような視野ファセットブロック20が存在する。実際には、視野ファセットミラー13は、数百の視野ファセット19を有する。視野ファセットブロック20は、実際には複数の自由度で調節することができる視野ファセット支持体21上に配置される。上部に視野ファセットブロック20が配置された視野ファセット支持体21は、視野ファセットミラー13における主平面を規定する。視野ファセット19の特定のもの又は視野ファセット19の全てが、視野ファセットミラー13の主平面に対して、例えば、0.5よりも大きい傾斜角だけ個別に傾斜される。視野ファセット19の特定のものでは、傾斜角は、1°よりも大きく、2°よりも大きく、3°よりも大きく、又はそうでなければ5°よりも大きいとすることができる。視野ファセットミラー13の主平面に対して5°よりも有意に大きい傾斜角も可能である。視野ファセットミラー13の設計に基づいて、視野ファセットブロック20を視野ファセット支持体21に対して調節可能な形状のものとすることができる。
【0040】
瞳ファセットミラー14(
図2を参照されたい)は、瞳ファセット支持体23上に、例えば、密充填六角形状で配置された複数の円形瞳ファセット22を有する。
【0041】
視野ファセット19と瞳ファセット22とはマッピング作用を有することができ、例えば、球形に凹の形状に成形することができる。
【0042】
瞳ファセット支持体23は、視野ファセット支持体21に準じて調節することができるように設計することができる。瞳ファセット支持体23の調節可能性とは別に又はそれに追加して、個別瞳ファセット22を瞳ファセット支持体23に対して調節可能な設計のものとすることができる。
【0043】
実際には、ファセット19、22上の高反射コーティングは、交替するモリブデン層とシリコン層とを有する多層コーティングである。この種の多層コーティングを製造するための他のコーティング材料も可能である。ファセット19、22は、EUV放射線10に対するミラーファセットである。個別視野ファセットブロック20及び/又は個別瞳ファセット22を調節するために、これらの構成要素をそれに関連付けられたアクチュエータに個別に接続さることができる。これらのアクチュエータは、個別視野ファセットブロック又は個別ファセットをそれぞれのファセットブロック又はそれぞれのファセットの反射平面に位置する2つの軸の回りに傾斜させることを可能にするような形態にあるとすることができる。
【0044】
視野ファセット19は、各々個別に瞳ファセット22に関連付けられ、それによって視野ファセット19のうちのそれぞれの1つに当たるEUV放射線10の照明光ビームの成分が、関連付けられた瞳ファセット22を通じて物体視野5に転送されるようにする。従って、2つのファセットミラー13、14は、チャンネル毎にEUV放射線10を物体視野5に伝達する複数の照明チャンネルを定める。
図2に略図示の実施形態は、合計で32個のそのような照明チャンネルを有する。放射線源3は、照明チャンネルの各々内の瞳ファセット22上にマップされる。
【0045】
視野ファセット19及び瞳ファセット22は、2つのそれぞれのファセット型に分割される。
図2は、基本照明視野ファセット19
Gを模様なし形式で示している。
図2は、補正照明視野ファセット19
Kを陰付き形式で示している。基本照明視野ファセット19
Gは、照明チャンネルを通じてこれらの視野ファセット19
Gに関連付けられた基本照明瞳ファセット22
Gを有し、この基本照明瞳ファセット22
Gを模様なし円で示している。
【0046】
補正照明視野ファセット19
Kは、照明チャンネルを通じてこれらの補正照明視野ファセット19
Kに関連付けられた補正照明瞳ファセット22
Kを有し、この補正照明瞳ファセット22
Kを陰付き円で示している。
【0047】
基本照明視野ファセット19
Gは、関連付けられた基本照明瞳ファセット22
Gを用いて基本照明チャンネルを通じて物体視野5の基本照明を与える。補正照明視野ファセット19
Kは、関連付けられた補正照明瞳ファセット22
Kを用いて基本照明チャンネルを通じて物体視野5の基本照明を与える。
【0048】
視野ファセットミラー13の視野ファセット19のうちのどれが基本照明視野ファセット19
Gとして使用されるかの選択、及び視野ファセット19のうちのどれが補正照明視野ファセット19
Kとして使用されるかの選択は、EUV放射線10の照明光ビームによる視野ファセットミラー13の照明の幾何学形状及び強度分布、並びに物体視野5の規定の望ましい照明に従って行われる。例示的に、使用される補正照明視野ファセット19
Kは、照明が基本照明には不十分な強度しか持たないもの又は照明が基本照明には許容不能である強度分布を有するものである。使用される補正照明視野ファセット19
Kは、例えば、境界にある視野ファセット19、又は例えば遮蔽現象にある程度起因してEUV放射線が当たらないか、又はある程度減衰して当たる視野ファセット19とすることができる。
【0049】
補正照明視野ファセット19
Kは、規定の絞り輪郭を有するEUV絞りの形態にある関連付けられたEUV減衰器を有する。
図3は、この種のEUV絞り24を有する補正照明視野ファセット19
K1から19
K6及び19
K1'から19
K6'を陰付き形式で絞り輪郭25と共に図示している。EUV絞り24は、補正照明ファセット19
Kの反射面からのある間隔の位置に配置される。この間隔は最大で200μmであるが、他方では0よりも大きく、これは、EUV絞り24が、補正照明ファセット19
Kに接触しないことを意味する。
【0050】
各EUV絞り24は、関連付け補正照明視野ファセット19
Kに対する減衰器区画として使用される。
【0051】
この場合、補正照明視野ファセット19
K1から19
K6は、補正照明視野ファセットブロック20
K内で組み合わされる。補正照明視野ファセット19
K1'から19
K6'は、補正照明視野ファセットブロック20
K'内で組み合わされる。これらの補正照明視野ファセット19
K1から19
K6及び19
K1'から19
K6'は、陰付き形式で示している区画においてEUV絞り24によって覆われ、それによってそこに入射するEUV放射線10が遮蔽される。この遮蔽は、EUV放射線10の吸収により、又は光線経路からのEUV放射線10の反射とそれに続く吸収とによって行うことができる。EUV絞り24の絞り輪郭25の形状は、補正照明視野ファセット19
K1から19
K6において各場合に異なる。補正照明視野ファセット19
K1と19
K1'とは、等しい形の絞り24を有する。それに従ってこれは、補正照明視野ファセットの対19
K2/19
K2'から19
K6/19
K6'に適用される。2つの視野ファセットブロック20
Kと20
K'とは、x/z鏡像対称平面に関して互いに対して鏡像対称で配置される。
【0052】
補正照明視野ファセット19
K1から19
K6における絞り24の絞り輪郭25の異なる設計に起因して、これらの補正照明視野ファセット19
K1から19
K6は、x方向に異なるそれぞれの分布でEUV放射線10を減衰させる。
【0053】
補正照明視野ファセット19
K1の絞り24は、
図3の左手の境界でEUV放射線10を完全に減衰させる。減衰は、右手境界に向けて線形に減少し、従って、EUV放射線10は、右手の境界において可能な最大の効率で反射される。
【0054】
補正照明視野ファセット19
K2は、厳密に逆の減衰プロフィールをもたらす絞り輪郭25を有する関連付けられたEUV絞り24を有し、従って、このEUV絞り24は、
図3の左手の境界においていかなる減衰ももたらされず、右手の境界においてEUV放射線10の最大減衰をもたらす。
【0055】
補正照明視野ファセット19
K3は、
図3の上部と下部から補正照明視野ファセット19
K3の中心で接触する2つの三日月形区画を有する絞り輪郭25を有する絞り24を有する。従って、補正照明視野ファセット19
K3は、x方向に
図3の左手の境界における最小減衰で始まり、半分のxレベルにおける最大減衰に移行し、更に右手の境界における最小減衰に戻る減衰プロフィールを有する。
【0056】
補正照明視野ファセット19
K4の絞り24は、補正照明視野ファセット19
K3と比較してx方向にEUV放射線の逆減衰プロフィールを有する。補正照明視野ファセット19
K3と19
K4とは、x方向に放物線減衰プロフィールを生成する。
【0057】
補正照明視野ファセット19
K5の絞り24は、x方向に
図3の左手の境界におけるEUV放射線10の最小減衰で始まり、右手の境界における最大減衰に戻る減衰プロフィールを有する。2つの境界の間では、減衰は、x座標への非線形依存性を有する。この場合、減衰は、穏やかな単調関数に従う。他の減衰機能プロフィール、特に少なくとも1つの最小値又は少なくとも1つの最大値を有するもの、更に、揺らぎ分布を有することも可能である。
【0058】
補正照明視野ファセット19
K6の絞り24は、x方向に補正照明視野ファセット19
K5のものとは逆の減衰プロフィールを有する。
【0059】
補正照明視野ファセット対19
K1/19
K1'から19
K6/19
K6'は、それぞれ、関連付けられたそれぞれのEUV絞り24に起因して長視野寸法にわたって、すなわち、x軸に沿って同じ反射率分布を有する標準化された補正照明視野ファセットの群を形成する。
【0060】
補正照明視野ファセットの対19
K1/19
K1'から19
K6/19
K6'は、それぞれ瞳ファセットミラー14の中心26に対して点対称に配置された、関連付けられた補正照明瞳ファセット対22
K1/22
K1'から22
K6/22
K6'を有する。
【0061】
それによって補正照明チャンネルによって物体視野照明のいかなるテレセントリック性変化ももたらされないことを保証する。
【0062】
テレセントリック性は、物体視野5の照明において以下の通りに定められる。
【0063】
照明物体視野5の全ての視野点に対して、この視野点に関連する光束における重心光線が定められる。この場合、重心光線は、この視野点から射出する光束のエネルギ重み付き方向を有する。理想的には、全ての視野点において、重心光線は、照明光学系又は投影光学系7によって規定される主光線と平行に進む。
【0064】
主光線の方向:
(x,y)は、照明光学系4又は投影光学系7の設計データから既知である。主光線は、ある視野点において、この視野点と投影光学系7の入射瞳の中心点の間の接続線によって定められる。物体視野5内の視野点x,yにおける重心光線の方向は、次式として計算される。
【0065】
E(u,v,x,y)は、瞳座標u,vに基づく視野点x,yにおけるパワー分布であり、すなわち、この関連の視野点x,yにおける照明角に基づくパワー分布である。
【0066】
は、点x,yに印加される全エネルギである。
【0067】
中心物体視野点x
0,y
0は、例えば、照明光学系4の瞳平面を通るそれぞれの放射線部分ビームの通過点によって定められる方向u,vからの放射線部分ビームからの放射線を受ける。この照明の場合には、様々なエネルギ又は強度の放射線部分ビームが組み合わされて主光線方向と平行に延びる積分された重心光線方向を形成する場合にのみ、重心光線は主光線に沿って進む。これは理想的な場合にのみそうである。実際には、重心光線方向:
(x,y)と主光線方向:
(x,y)の間には、テレセントリック性誤差:
と呼ぶ不一致が以下のように存在する。
【0068】
投影露光装置1の実際の作動中には、特定の物体視野点における固定のテレセントリック性誤差ではなく、x=x
0において走査積分されたテレセントリック性誤差を補正すべきである。それによって次式がもたらされる。
【0069】
従って、走査中にレチクル上で物体平面6内の物体視野5を通って進む点(x、例えば、x
0)がエネルギ重み付き積分形態で被るテレセントリック性誤差が補正される。この場合、xテレセントリック性誤差(tx)とyテレセントリック性誤差(ty)との間で区別がつけられる。xテレセントリック性誤差は、重心光線と主光線の間の走査方向に対して垂直な不一致として定められる。yテレセントリック性誤差は、重心光線と主光線の間の走査方向の不一致として定められる。
【0070】
図示していない形態の補正照明視野ファセットでは、
図3示している形態における2つの19
K1/19
K1'から19
K6/19
K6'から構成される群に準じて同じEUV反射率x分布を有する4つのそれぞれの補正照明視野ファセット19
Kから構成される群が存在する。補正照明視野ファセットのうちの4つから構成されるこれらの群は、瞳ファセットミラー14の中心26の周囲の照明チャンネルにわたって均等に分布されて配置されて関連付けられた4つの補正照明瞳ファセット22
Kから構成される群を有し、4つの補正照明チャンネルから構成されるそのような群の絞りによって制御された接続は、例えば、楕円度E
0°/90°を維持する。厳密には、中心26は、照明光学系4の瞳ファセットミラー14によって規定される瞳中心である。
【0071】
楕円度は、物体平面6内の物体視野5の照明の品質を評価するための更に別の測定変数である。この場合、楕円度を判断することにより、投影光学系7の入射瞳にわたるエネルギ又は強度の分布に関する正確な説明が可能になる。この目的のために、入射瞳は、数学上の慣例に従って反計時方向にO
1からO
8と番号が振られた8つの八分円に分割される。入射瞳の八分円O
1からO
8が視野点の照明に対して行うエネルギ又は強度の寄与を以下ではエネルギ又は強度寄与I
1からI
8と呼ぶ。
【0072】
以下の変数を−45°/45°楕円度(Elly、E
-45°/45°)と呼ぶ。
E
-45°/45°=
更に、以下の変数を0°/90°楕円度(Ellx、E
0°/90°)と呼ぶ。
E
0°/90°=
【0073】
テレセントリック性誤差に関して上述したものにより、特定の物体視野点X
FP,Y
FP又はそうでなければ走査積分照明(x=x
FP,y−積分)に関する楕円度を判断することができる。
【0074】
x座標軸に基づいて補正照明視野ファセット19
Kに関連付けられたEUV絞り24の絞り輪郭25における機能プロフィールは、例えば、補正照明視野ファセット19
K1、19
K1'の場合におけるものと同様にxに線形とすることができ、又は補正照明視野ファセット19
K2から19
K2'の場合におけるものと同様にxに2次関数的に基づくことができる。例えば、xのより高いべき乗を有し、xへの異なる多項式依存性も可能である。例えば、補正照明視野ファセット19
Kのx座標軸への反射率依存性のフーリエ分解を生成するための正弦又は余弦依存性も可能である。一般的に、1組の直交関数に対応するxへの1組の反射率依存性を生成する上で、様々な補正照明視野ファセット、例えば、補正照明視野ファセット19
K1から19
K6を使用することができる。それによって物体視野5の照明パラメータ、特にテレセントリック性及び楕円度という照明パラメータに対して事実上あらゆる照明補正を行うことが可能になる。
【0075】
次に、
図4から
図8を用いて、複数のEUV絞り24を有するEUV減衰器27(
図8を参照されたい)の製造を説明する。
【0076】
最初に、
図4は、視野ファセット支持体21上に視野ファセットブロック20を形成するように組み合わされた視野ファセット19の実際の配列を有する実施形態の視野ファセットミラー13を示している。視野ファセットブロック20の基本本体は、アルミニウムを含む。視野ファセットブロック20のそれぞれ大まかに半円形の2つの配列は、その間に間隙空間28を有し、この間隙空間28は、視野ファセットミラー13が照明される時に遮蔽され、従って、EUV放射線10によって照明されない。
【0077】
図5は、
図4の左上に示している3つの視野ファセットブロック20から構成される群からの拡大詳細部を示している。
図5は、視野ファセットブロック20の個別視野ファセット19が互いに対して傾斜され、それによってEUV放射線10をチャンネル毎に異なって経路変更し、従って、互いから物理的に分離して配置された瞳ファセットミラー14の瞳ファセット22を照明することを示している。更に、個別視野ファセット19の凹球面設計を見ることができる。視野ファセット19のこの設計は、照明光ビームとして入射するEUV放射線10を形成するための非平面ミラー
表面形状を有する反射面29を有するEUVミラーである視野ファセットミラー13をもたらす。図面にはこの
表面形状を
図5に強調表示している3つのファセットブロック20の領域内にのみ写実的に示しており、他の場合は平面として略示している。
【0078】
視野ファセット19の詳細な図によって
図5に強調表示している3つの視野ファセットブロック20は、その上に電気メッキニッケルコーティングとして一体的に形成された減衰器半物品30を有する。減衰器半物品30の一体形成は、視野ファセットブロック20の基本本体にEUV反射コーティングが設けられる前に行われる。
【0079】
電気メッキ形成に基づいて、減衰器半物品30の反射面29に対面する減衰器面31は、反射面29の
表面形状を帯びる。従って、電気メッキ形成の後に、減衰器半物品30の減衰器面31は、反射面29のミラー
表面形状に対して補完的な設計のものである減衰器
表面形状を有する。
【0080】
図6は、反射面29からの形成及びそこからのその後の分離の後の減衰器半物品30を示している。形成中及び減衰器半物品30から生成されたEUV減衰器27の後の作動位置において反射面29に対面する減衰器面31は閲覧者に向く。
図7は、減衰器面31の反対側から見た減衰器半物品30を示している。
【0081】
図6は、高精度に傾斜され、凹に設計された視野ファセット19の輪郭を減衰器面31が用いていることを示している。
【0082】
電気メッキ形成に続く段階では、補正照明視野ファセット19
Kに関連付けられるEUV絞り24は、この時点で、関連付けられるそれぞれの絞り輪郭25を伴って生成される。この生成は、例えば、レーザ材料除去法又はワイヤ腐食を用いて行うことができる。
【0083】
その結果は、
図8に示しているEUV減衰器27の区画である。
図1は、視野ファセットミラー13の前にあるEUV減衰器27の配列を略示している。EUV減衰器27の場合には、電気メッキによって視野ファセットミラー13の全半分を形成することによって生成された半物品を仮定している。
図8には、EUV減衰器27のEUV絞り24の絞り輪郭25を矩形開口部として略示している。実際には、補正照明視野ファセット19
Kにおける絞り輪郭25は、例えば、
図3に示している形状を有する。個別EUV絞り24は、フレーム31aによって保持することができる。この場合、視野ファセットミラー13から構成される個別ファセット群に関連付けられたEUV絞り24の群に対して、EUV絞り24のこれらの群を保持する個別フレーム要素を設けることができる。絞り31a又は個別フレーム要素は、EUV減衰器27を視野ファセットミラー13の支持体上に装着するための保持構造を有することができる。
【0084】
基本照明視野ファセット19
Gは、これらの基本照明視野ファセット19
Gの反射面にわたって延びる関連付けられた貫通開口部32を有する。
図8に示している概略図では、貫通開口部32は、EUV絞り24の絞り輪郭25と形状が異ならない。
【0085】
EUV減衰器27の隣接するEUV絞り24と貫通開口部32とは、これらの間に、格子状のEUV減衰器27において自己支持安定性を保証する補強物33を有する。
【0086】
図9は、
図9の視野ファセットミラー13の左手半分の反射面29に隣接して配置された
図8に示しているEUV減衰器27を有する視野ファセットミラー13を示している。EUV減衰器27は、電気メッキによって視野ファセットミラー13のこの左手半分に精密に形成することによって生成されたものであるから、視野ファセットミラー13に接触することなく、その極めて近くに持ってくることができる。実際には、反射面29と減衰器面31の間に約100μmの間隔を生成することができる。反射面29と減衰器面31の間の間隔は200μmよりも大きくない。
【0087】
EUV減衰器27と視野ファセットミラー13の間のこの短い間隔は、視野ファセットミラー13の視野ファセット19上へのEUV放射線10の入射角がゼロとは異なることに起因する、絞り輪郭25又は貫通開口部32の境界における望ましくない二重通過損失が阻止されるか、又は最小限に低減されることを意味する。
【0088】
図9は、補強物33が、個別ファセット19の間の間隙空間及びファセットブロック20の間の距離区画34に隣接し、これらと平行に延びる補強支柱の形態にあることを示している。従って、補強物又は補強支柱33は、有用EUV放射線10の損失を実質的にもたらされない。
【0089】
個別絞り輪郭25を有するEUV絞り24を有するEUV減衰器27の改良に対する変形として、EUV減衰器27の上述の例示的な実施形態のEUV絞り24の位置における個別灰色フィルタ設計を用いても補正照明視野ファセット19
Kの個別減衰を得ることができる。EUV絞り24の位置に使用される灰色フィルタは、例えば、可変厚みを有する吸収体層とすることができる。代替的又は追加的に、灰色フィルタ区画の上に吸収点構造の規定の分布を与えることができ、x方向、すなわち、長視野軸の方向のその減衰プロフィールは、上述のEUV絞り24のものに対応する。
【0090】
次に、
図10から
図13を用いて、EUV減衰器27の代わりに又はそれに加えて使用することができる更に別の変形のEUV減衰器35を説明する。
図1から
図9を参照して上述したものに対応する構成要素及び機能は同じ参照番号を有し、これらに対しては再度詳細には解説しない。
【0091】
図10は、
図4に示している視野ファセットミラー13の視野ファセットブロック20のうちの1つを示している。この視野ファセットブロック20は、それに関連付けられ、視野ファセットブロック20の補正照明視野ファセット19
Kにおける減衰器区画として使用されるEUV減衰器35を有する。
【0092】
EUV減衰器35は、複数の減衰器指状体を有する。
図10は、
図10の上部から下部に増加する順序で番号が振られた合計で4つの減衰器指状体36、37、38、及び39を示している。減衰器指状体36から39の各々は、それに関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kに対する絞りである。減衰器指状体36から39は、これらに関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kの反射面29から一定の間隔Aの位置で延びている。
図10から
図13に図示の実施形態では、減衰器指状体36から38と、関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kの間の間隔Aも同様に200μmよりも大きくない。
【0093】
視野ファセットブロック20の補正照明視野ファセット19
Kは、その反射面29において、x−y平面に対し、すなわち、視野ファセットミラー13の主平面に対するそれぞれの個別傾斜角を有する。減衰器指状体37に関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kは、
図11の左上から右下に傾斜して延びている。減衰器指状体38に関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kは、
図12の左下から右上に傾斜して延びている。この傾斜角に基づいて、瞳ファセットミラー14の関連付けられたそれぞれの瞳ファセット22が、それぞれの補正照明視野ファセット19
Kによる反射を受けて照明される。
【0094】
減衰器指状体36から39は、ワイヤ状金属指状体の形態にあるとすることができる。
図10の平面図でx方向に直線で延びるように示している遮蔽縁部40は、
図1から
図9に関連して上述した補正照明を得るようにx−y内で個別に形づくるか又は成形することができる。遮蔽縁部は、レーザ材料加工、ワイヤ腐食、又はフォトエッチングによって形づくることができる。
【0095】
補正照明ファセット19
Kの各々は、それに関連付けられた減衰器指状体36から39のうちの厳密に1つを有することができ、この減衰器指状体は、例えば、関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kの反射面29のy座標軸に見た中心区画を遮蔽する。複数の減衰器指状体36から39を視野ファセットブロック20の補正照明視野ファセット19
Kのうちの厳密に1つに関連付けることができる。減衰器指状体36から39のうちの2つを補正照明視野ファセット19
Kのうちの厳密に1つに関連付けることができる。
【0096】
減衰器指状体36から38は、共通の装着支持体41によって担持される。装着支持体41は、2つの支持ブラケット42、43を有する。2つの支持ブラケット42、43は、ファセットブロック20の両側に配置される。減衰器指状体36から39は、2つの支持ブラケット42、43の間に延びている。
【0097】
減衰器指状体36から39に対する支持ブラケット42、43上の保持点は、支持ブラケット42、43内の支持溝44によって形成される。補正照明視野ファセット19
Kの反射面29の傾斜した外形に従って支持溝44の深さは、関連付けられる減衰器指状体36から39に対して設計される。減衰器指状体36から39の端部は、それぞれ、関連付けられた支持溝44の基部上に支持される。減衰器指状体36から39は、例えば、関連付けられた支持体溝44の基部に接合することができる。減衰器指状体37では、
図11及び
図12の左に示している支持ブラケット42内の支持溝44はごく小さい深さのものであり、それに対して
図11及び
図12の右に示している支持ブラケット43内の支持溝44は非常に大きい深さを有する。減衰器指状体38では、支持ブラケット42内の支持溝44は大きい深さのものであり、支持ブラケット43内の支持溝44は小さい深さのものである。境界にある2つの減衰器指状体36、39では、減衰器指状体36、39が、関連付けられた補正照明視野ファセット19
Kの反射面29と同様にx方向と平行に延びるように、平均深さの支持溝44が設けられる。従って、支持溝44、すなわち、減衰器指状体36から39に対する支持ブラケット42、43上の保持点は、張られる補正照明個別ファセット19
Kの形状に依存するレベルに配置される。
【0098】
支持ブラケット42、43は、
図10に示している視野ファセットブロック20と、x方向に隣接してそれに続く視野ファセットブロック(図示せず)の間に挿入される。
【0099】
照明補正は、照明光学系4を用いて以下の通りに実施される。最初に適切な検出器を用いて、物体視野5の照明における強度分布が確認される。更に、物体視野5の照明における角度分布を測定することができる。この測定結果を用いて、補正照明視野ファセット19
Kの設計が計算される。次に、計算された設計及び関連付けが照明光学系4内に与えられ、これは、例えば、使用される補正照明視野ファセット19
Kを特定的に選択することによって行うことができる。その後に、レチクルと照明光10に対して感光性を有するコーティングを保持するウェーハとが準備される段階、更に、投影露光装置1を用いてレチクルのうちの少なくとも1つの区画がウェーハ上に投影される段階を含む投影露光が行われる。最後に、照明光ビーム10に露光された感光層がウェーハ上で現像される。
【0100】
上述の補正照明視野ファセットの様々な変形は、これらの補正照明視野ファセットのビーム誘導作用を動的に制御するのに使用することができる。この目的のために、補正照明視野ファセットは、投影露光装置内の制御デバイスによって作動させることができる。この作動は、物体視野又はそうでなければ像視野内の長視野寸法にわたる強度プロフィールの測定に基づいて行うことができる。
【0101】
視野ファセットミラー13が補正照明視野ファセットを伴って作動され、特にこれらのファセットが能動的に再配置可能又は能動的に遮蔽可能な形態にある場合には、個別補正照明視野ファセット又は補正照明視野ファセットの群は、接続又は接断することができる。
【0102】
上述したものとは異なる実施形態の補正照明視野ファセットは、物体視野の部分領域のみを照明することを可能にする。この部分領域照明は、特定の視野レベル、すなわち、視野の部分領域において補正照明視野ファセットによって与えられる照明光を混入させる結果として、これらの視野レベルにおける強度の落ち込みを均等化するのに使用することができる。
【0103】
上述したものとは異なる実施形態の補正照明視野ファセットの実質的に照明される領域の縁部形状は、少なくとも1つの変向点を有することができる。この縁部は、補正照明視野ファセットの高反射領域と低効率反射領域又は非反射領域の間の分割線とすることができる。少なくとも1つの変向点を有する縁部は、物理的に存在するファセット縁部とすることができる。この縁部は、適切に成形された遮蔽本体によって生成することができる。