(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係るインターポーザの構造]
まず、第1の実施の形態に係るインターポーザの構造について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るインターポーザを例示する図であり、
図1(a)が断面図、
図1(b)が平面図である。
【0013】
図1を参照するに、インターポーザ1は、配線部材2と、補強部材3と、接着部4とを有する。インターポーザ1において、配線部材2上に、接着部4を介して、枠状の補強部材3が積層されている。配線部材2において、無機基板11の両面に、配線層14、16、18、20、26、28、無機絶縁層12、13、15、17、19、25、及び有機絶縁層27が設けられている。補強部材3において、無機基板11の両面に、無機絶縁層12、13、15、17、19、25、及び有機絶縁層27が設けられている。配線部材2に設けられた絶縁層と、補強部材3に設けられた絶縁層とは同一層構成であって、各々の絶縁層(無機絶縁層12、13、15、17、19、25、有機絶縁層27)は接着部4を中心として上下対称に配置されている。
【0014】
又、配線部材2及び補強部材3において、接着部4を中心として上下対称に配置された絶縁層同士は同一の厚さである。なお、本願において、『同一の厚さ』とは、実質的に厚さが同一であることを意味し、厳密に厚さが同一であることを意味するものではない。つまり、『同一の厚さ』には、本願の所定の効果(反りの抑制)を奏する範囲内において厚さがばらついている場合も含まれる。
【0015】
以下、配線部材2及び補強部材3の各構成要素について詳説する。なお、以下の説明では、便宜上、インターポーザ1の各構成要素において、補強部材3の有機絶縁層27側の面(
図1断面図中における上側)を一方の面又は上面と称する場合がある。又、配線部材2の有機絶縁層27側の面(
図1断面図中における下側)を他方の面又は下面と称する場合がある。
【0016】
まず、配線部材2について説明する。配線部材2は、無機基板11と、無機基板11の一方の面11f側に、無機絶縁層12と、無機絶縁層13と、配線層14と、無機絶縁層15と、配線層16と、無機絶縁層17と、配線層18と、無機絶縁層19と、配線層20と、金属層21とを有する。すなわち、無機基板11の一方の面11f側には、無機絶縁層と配線層が交互に複数層積層された配線構造体が設けられている。又、配線層20は、インターポーザ1に搭載される電子部品と電気的に接続するための電子部品搭載用のパッドとなる。一方で、無機基板11の他方の面11g側には、無機絶縁層25と、配線層26と、有機絶縁層27と、配線層28とを有する。配線層28は、他の配線基板と電気的に接続するための外部接続用のパッドとなる。
【0017】
無機基板11は、無機絶縁層や配線層を含む配線構造を形成する基体となる部分である。無機基板11の平面形状は、例えば、40mm角の正方形等とすることができる。無機基板11の厚さは、例えば、100μm程度とすることができる。無機基板11には、複数の貫通孔11zが形成されている。貫通孔11zの平面形状は、例えば、直径が10μm程度の円形とすることができる。貫通孔11zのピッチは、例えば、50μm程度とすることができる。配線部材2を構成する無機基板11を第1無機基板と称する場合がある。
【0018】
インターポーザ1は、MEMS素子や半導体素子等の電子部品を搭載することにより電子部品パッケージとなり得る。その際、MEMS素子や半導体素子はシリコン基板を有するものが多いため、熱膨張係数を整合させる観点から、無機基板11の材料としてシリコンやシリコンに熱膨張係数が近い硼珪酸ガラス等の材料を用いると好適である。硼珪酸ガラスは、硼酸(B
2O
3)と珪酸(SiO
2)を主成分として含むガラスであり、熱膨張係数は3ppm/℃程度である。
【0019】
無機基板11の熱膨張係数をMEMS素子や半導体素子の熱膨張係数と整合させる理由は、高温環境下や低温環境下で動作する場合も含め、インターポーザ1とMEMS素子や半導体素子との接合部に生じる熱応力を低減するためである。以下、無機基板11の材料がシリコンである場合を例にして説明する。
【0020】
無機絶縁層12は、無機基板11の一方の面11f及び貫通孔11zの内壁面を被覆するように形成されている。無機絶縁層12としては、例えば熱酸化膜(SiO
2膜)を用いることができる。無機絶縁層12の厚さは、例えば、1μm程度とすることができる。
【0021】
無機絶縁層13は、無機絶縁層12の上面に積層されている。無機絶縁層13は、開口部13xを有し、開口部13x内には、無機基板11の一方の面11f及び貫通孔11zの内壁面を被覆する無機絶縁層12が露出している。無機絶縁層13は、第1無機絶縁膜13aと第2無機絶縁膜13bが積層した構造とすることができる。
【0022】
第1無機絶縁膜13aの材料としては、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)等を用いることができる。第2無機絶縁膜13bの材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO
2膜)等を用いることができる。第1無機絶縁膜13aの厚さは、例えば、0.1μm程度とすることができる。第2無機絶縁膜13bの厚さは、例えば、1μm程度とすることができる。
【0023】
なお、無機絶縁層12を熱酸化膜(SiO
2膜)とし、無機絶縁層13をシリコン窒化膜(SiN膜)上にシリコン酸化膜(SiO
2膜)が積層された2層構成とすることにより、無機基板11の反りを抑制できる。この理由については、製造工程の説明の中で後述する。
【0024】
配線層14は、内壁面が無機絶縁層12に被覆された貫通孔11zを充填すると共に、開口部13x内に露出する無機絶縁層12の上面に延在している。配線層14の上面は、例えば、無機絶縁層13の上面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層13の第2無機絶縁膜13bの上面と面一とすることができる。配線層14において、貫通孔11zを充填する部分は貫通配線として機能する。配線層14において、開口部13x内に露出する部分は配線パターンとして機能する。但し、配線層14において、開口部13x内に露出する部分を平面形状が円形等のパッドとしてもよい。配線層14の下面は、無機基板11の他方の面11gから例えば10μm程度突出している。配線層14の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層14は、銅(Cu)以外の金属(例えば、チタン(Ti)等)を含んでいてもよい。
【0025】
無機絶縁層15は、無機絶縁層13の上面及び配線層14の上面に積層されている。無機絶縁層15は、開口部15x(ビアホール)を有し、開口部15x内には、配線層14の上面が露出している。無機絶縁層15は、第1無機絶縁膜15aと第2無機絶縁膜15bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜15a及び第2無機絶縁膜15bの材料や厚さ等は、例えば、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bと同様とすることができる。
【0026】
配線層16は、開口部15x内を充填するように形成されたビア配線である。配線層16の下面は、開口部15x内に露出する配線層14の上面に接している。配線層16は、配線層14と電気的に接続されている。配線層16の上面は、例えば、無機絶縁層15の上面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層15の第2無機絶縁膜15bの上面と面一とすることができる。配線層16の材料は、例えば、配線層14と同様とすることができる。
【0027】
無機絶縁層17は、無機絶縁層15の上面及び配線層16の上面に積層されている。無機絶縁層17は、開口部17xを有し、開口部17x内には、配線層16の上面が露出している。無機絶縁層17は、第1無機絶縁膜17aと第2無機絶縁膜17bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜17a及び第2無機絶縁膜17bの材料や厚さ等は、例えば、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bと同様とすることができる。
【0028】
配線層18は、開口部17x内を充填するように形成された配線パターンである。配線層18の下面は、開口部17x内に露出する配線層16の上面に接している。配線層18は、配線層16と電気的に接続されている。配線層18の上面は、例えば、無機絶縁層17の上面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層17の第2無機絶縁膜17bの上面と面一とすることができる。配線層18の材料は、例えば、配線層14と同様とすることができる。
【0029】
無機絶縁層19は、無機絶縁層17の上面及び配線層18の上面に積層されている。無機絶縁層19は、開口部19x(ビアホール)を有し、開口部19x内には、配線層18の上面が露出している。無機絶縁層19は、第1無機絶縁膜19aと第2無機絶縁膜19bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜19a及び第2無機絶縁膜19bの材料や厚さ等は、例えば、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bと同様とすることができる。
【0030】
配線層20は、開口部19x内に充填されたビア配線、及び無機絶縁層19の上面に形成された電子部品搭載用のパッドを含んで構成されている。配線層20は、配線パターンを含んでもよい。配線層20を構成するビア配線の下面は、開口部19x内に露出する配線層18の上面に接している。配線層20は、配線層18と電気的に接続されている。配線層20を構成するパッドは、無機絶縁層19の上面から突出している。配線層20の材料は、例えば、配線層14と同様とすることができる。
【0031】
金属層21は、配線層20の上面に形成されている。金属層21の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。但し、金属層21は、必要に応じて設ければよい。
【0032】
無機絶縁層25は、無機基板11の他方の面11gに形成されている。無機絶縁層25は、第1無機絶縁膜25aと第2無機絶縁膜25bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜25aは、無機基板11の他方の面11g及び配線層14の突出部の側面を被覆し、配線層14の突出部の下面を露出するように形成されている。第2無機絶縁膜25bは、第1無機絶縁膜25aの下面に形成されている。第2無機絶縁膜25bは、開口部25xを有し、開口部25x内には、配線層14の突出部の下面及び第1無機絶縁膜25aの下面が露出している。
【0033】
第1無機絶縁膜25aの材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO
2膜)等を用いることができる。第2無機絶縁膜25bの材料としては、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)等を用いることができる。第1無機絶縁膜25aの厚さは、例えば、1μm程度とすることができる。第2無機絶縁膜25bの厚さは、例えば、0.1μm程度とすることができる。
【0034】
配線層26は、開口部25x内を充填するように形成された配線パターンである。配線層26の上面は、開口部25x内に露出する配線層14の突出部の下面に接している。配線層26は、配線層14と電気的に接続されている。配線層26の下面は、例えば、無機絶縁層25の下面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層25の第2無機絶縁膜25bの下面と面一とすることができる。配線層26の材料は、例えば、配線層14と同様とすることができる。
【0035】
有機絶縁層27は、無機絶縁層25の下面及び配線層26の下面に積層されている最外絶縁層である。有機絶縁層27は、開口部27x(ビアホール)を有し、開口部27x内には、配線層26の下面が露出している。有機絶縁層27の材料としては、例えば、熱硬化性の感光性絶縁樹脂(例えば、ポリイミド)等を用いることができる。有機絶縁層27の厚さは、例えば、3μm程度とすることができる。
【0036】
配線層28は、開口部27x内に充填されたビア配線、及び有機絶縁層27の下面に形成されたパッドを含んで構成されている。配線層28を構成するビア配線の上面は、開口部27x内に露出する配線層26の下面に接している。配線層28は、配線層26と電気的に接続されている。配線層28を構成するパッドは、有機絶縁層27の下面から突出している。配線層28の材料は、例えば、配線層14と同様とすることができる。
【0037】
次に、補強部材3について説明する。補強部材3は、配線部材2の一方の面11f側の配線層20の形成領域の外縁部に接着部4を介して配置された枠状の部材である。補強部材3は、配線部材2と同一層構成と、同一の厚さを持つ。すなわち、補強部材3は、無機基板11と、無機基板11の他方の面11f側に、無機絶縁層12と、無機絶縁層13と、無機絶縁層15と、無機絶縁層17と、無機絶縁層19とを有する。無機基板11の他方の面11f側には、無機絶縁層が複数層積層された無機絶縁構造体が設けられている。一方で、補強部材3の無機基板11の一方の面11g側には、無機絶縁層25と、有機絶縁層27とを有する。但し、補強部材3では、ビアや配線パターン、パッド等となる配線層は形成されていない。
【0038】
又、補強部材3には、略中央部に、無機基板11、無機絶縁層12、13、15、17、19、25、及び有機絶縁層27を貫通する開口部3xが設けられている。開口部3xの内側に、電子部品搭載用のパッドとなる配線層20と金属層21が露出している。補強部材3の層構成は、配線部材2の無機絶縁層12、13、15、17、19、25、及び有機絶縁層27と無機基板11からなる層構成と、接着部4を中心として上下対称になるように配置されている。
【0039】
補強部材3の無機基板11の他方の面11fと、配線部材2の無機基板11の一方の面11fが向かい合うように配置されている。言い換えれば、補強部材3の無機絶縁層19の下面が、接着部4を介して、配線部材2の無機絶縁層19の上面と接着されている。接着部4としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着材等を用いることができる。補強部材3を構成する無機基板11を第2無機基板と称する場合がある。
【0040】
[第1の実施の形態に係るインターポーザの製造方法]
次に、第1の実施の形態に係るインターポーザの製造方法について説明する。
図2〜
図5は、第1の実施の形態に係るインターポーザの製造工程を例示する図である。なお、本実施の形態では、シリコンウェハ等を用いて複数のインターポーザとなる部分を作製後、個片化して各インターポーザとする工程の例を示すが、単品のインターポーザを作製する工程としてもよい。又、シリコンに代えてガラス(例えば、硼珪酸ガラス)等を用いてもよい。
【0041】
まず、
図2(a)に示す工程では、無機基板11を準備し、無機基板11の一方の面11fに凹部11xを形成する。具体的には、無機基板11として、例えば、6インチ(約150mm)、8インチ(約200mm)、12インチ(約300mm)等のシリコンウェハ等を準備する。シリコンウェハの厚さは、例えば、0.625mm(6インチの場合)、0.725mm(8インチの場合)、0.775mm(12インチの場合)等とすることができる。なお、Cは、最終的に無機基板11等を切断する位置(以降、切断位置Cとする)を示している。
【0042】
次に、例えば、無機基板11の一方の面11fに凹部11xを形成する位置を開口するレジストを形成し、レジストをマスクとして無機基板11をエッチングすることにより凹部11xを形成する。エッチングとしては、例えばSF
6(六フッ化硫黄)を用いた反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)等の異方性エッチング法を用いると好適である。凹部11xの平面形状は、例えば、直径が10μm程度の円形とすることができる。凹部11xのピッチは、例えば、50μm程度とすることができる。凹部11xの深さは、例えば、110μm程度とすることができる。
【0043】
次に、
図2(b)に示す工程では、無機基板11の一方の面11f及び他方の面11g、並びに凹部11xの内壁面及び内底面に無機絶縁層12を形成する。無機絶縁層12としては、例えば熱酸化膜(SiO
2膜)を用いることができる。無機絶縁層12は、無機基板11の表面近傍の温度を例えば1100℃程度とするウェット熱酸化法により熱酸化することで形成できる。無機絶縁層12の厚さは、例えば、1μm程度とすることができる。
【0044】
次に、
図2(c)に示す工程では、無機基板11の一方の面11fに形成された無機絶縁層12上に、開口部13xを有する無機絶縁層13を形成する。無機絶縁層13は、第1無機絶縁膜13aと第2無機絶縁膜13bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜13aの材料としては、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)等を用いることができる。第2無機絶縁膜13bの材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO
2膜)等を用いることができる。第1無機絶縁膜13aの厚さは、例えば、0.1μm程度とすることができる。第2無機絶縁膜13bの厚さは、例えば、1μm程度とすることができる。
【0045】
第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bは、無機基板11の一方の面11f及び凹部11xに形成された無機絶縁層12上に、成膜温度を400℃程度とするCVD法(Chemical Vapor Deposition法)等により順次積層できる。その後、開口部13xを形成する部分のみを露出するマスクを介して、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bをエッチングすることで、開口部13xを形成する。開口部13xは、平面視において(無機基板11の一方の面11fに対して垂直な方向から視て)、凹部11xを含むように形成することができる。
【0046】
無機絶縁層12を熱酸化膜(SiO
2膜)とし、無機絶縁層13をシリコン窒化膜(SiN膜)上にシリコン酸化膜(SiO
2膜)が積層された2層構成とすることにより、無機基板11の反りを抑制できる。これは、以下の理由による。一般に、膜を形成すると引っ張り応力(+で表す)と圧縮応力(−で表す)が発生するが、熱酸化膜(SiO
2膜)である無機絶縁層12には−300MPa程度の圧縮応力が発生する。又、CVD法により形成したシリコン窒化膜(SiN膜)である第1無機絶縁膜13aには+140MPa程度の引っ張り応力が発生する。又、CVD法により形成したシリコン酸化膜(SiO
2膜)である第2無機絶縁膜13bには−110MPa程度の圧縮応力が発生する。引っ張り応力が発生すると膜は凹状に反ろうとし、圧縮応力が発生すると膜は凸状に反ろうとするため、上記のように逆方向に反ろうとする膜を積層することにより、反りの発生を抑制できる。なお、CVD法で形成された膜の応力は、成膜装置や成膜条件を調整することにより、制御することが可能である。
【0047】
なお、第1無機絶縁膜13aの材料としてシリコン窒化膜(SiN膜)を用い、第2無機絶縁膜13bの材料としてシリコン酸化膜(SiO
2膜)を用いた場合には、開口部13xを形成する際に、各々の膜を別のエッチャントを用いて選択的にエッチングできる。シリコン窒化膜(SiN膜)のエッチャントとしては、例えば、CF
4とO
2等を用いることができ、シリコン酸化膜(SiO
2膜)のエッチャントとしては、例えば、CF
4等を用いることができる。
【0048】
この場合、無機絶縁層12を熱酸化膜(SiO
2膜)としておけば、シリコン窒化膜(SiN膜)である第1無機絶縁膜13aをエッチングする際に、シリコン酸化膜(SiO
2膜)である無機絶縁層12がエッチングストップ層となる。そのため、オーバーエッチが発生せず、開口部13xの深さを正確に規定することが可能となり、後工程において開口部13x内に平坦性のよい配線層を形成できる。
【0049】
次に、
図2(d)に示す工程では、凹部11x及び開口部13xを充填する配線層14を形成する。配線層14は、無機基板11を貫通する貫通配線及び無機基板11の一方の側に形成される配線パターンとなるものである。配線層14を形成するには、まず、例えば、無機絶縁層13上及び開口部13x内に露出する無機絶縁層12上に、無電解めっき法やスパッタ法等によりCuやTi等を含むシード層(図示せず)を形成する。
【0050】
そして、シード層をめっき給電層に利用する電解めっき法によりシード層上にCu層等を含む電解めっき層を形成する。これにより、凹部11x内を含む無機絶縁層13上にシード層及び電解めっき層が形成される。その後、凹部11x内を含む開口部13x内に形成されたシード層及び電解めっき層以外の部分をCMP法(chemical mechanical polishing法)等を用いて除去する。これにより、シード層及び電解めっき層を含む配線層14が形成される。配線層14の上面は、例えば、無機絶縁層13の上面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層13の第2無機絶縁膜13bの上面と面一とすることができる。
【0051】
次に、
図3(a)に示す工程では、無機絶縁層13、15、17、19と配線層16、18、20とを順次積層して配線構造体を形成する。具体的には、例えば、無機絶縁層13の上面及び配線層14の上面に、
図2(c)の工程と同様にして、開口部15xを有する無機絶縁層15を形成する。そして、
図2(d)の工程と同様にして、ビア配線である配線層16を形成する。無機絶縁層15は、第1無機絶縁膜15aと第2無機絶縁膜15bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜15a及び第2無機絶縁膜15bの材料や厚さ、成膜方法等は、例えば、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bと同様とすることができる。配線層16の上面は、例えば、無機絶縁層15の上面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層15の第2無機絶縁膜15bの上面と面一とすることができる。
【0052】
なお、無機絶縁層15をシリコン窒化膜(SiN膜)上にシリコン酸化膜(SiO
2膜)が積層された2層構成とすることにより、無機基板11の反りを抑制できる。これは、前述のように、シリコン窒化膜(SiN膜)の引っ張り応力とシリコン酸化膜(SiO
2膜)の圧縮応力が打ち消しあって反りを抑制するためである。後述の無機絶縁層17、19、及び25についても同様である。
【0053】
次に、例えば、無機絶縁層15の上面及び配線層16の上面に、
図2(c)の工程と同様にして、開口部17xを有する無機絶縁層17を形成する。そして、
図2(d)の工程と同様にして、配線パターンである配線層18を形成する。無機絶縁層17は、第1無機絶縁膜17aと第2無機絶縁膜17bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜17a及び第2無機絶縁膜17bの材料や厚さ、成膜方法等は、例えば、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bと同様とすることができる。配線層18の上面は、例えば、無機絶縁層17の上面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層17の第2無機絶縁膜17bの上面と面一とすることができる。
【0054】
次に、例えば、無機絶縁層17の上面及び配線層18の上面に、
図2(c)の工程と同様にして、開口部19xを有する無機絶縁層19を形成する。そして、開口部19x内及び無機絶縁層19の上面に、ビア配線及びパッドである配線層20を形成する。配線層20は、例えば、平面形状が円形状になるように形成できる。無機絶縁層19は、第1無機絶縁膜19aと第2無機絶縁膜19bが積層した構造とすることができる。第1無機絶縁膜19a及び第2無機絶縁膜19bの材料や厚さ、成膜方法等は、例えば、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bと同様とすることができる。
【0055】
配線層20を形成するには、例えば、無機絶縁層19の上面、開口部19xの内側面、及び配線層18の上面に、無電解めっき法やスパッタ法等によりCuやTi等を含むシード層(図示せず)を連続的に形成する。そして、配線層20を形成する部分のみを露出するレジストをシード層上に形成する。
【0056】
そして、シード層をめっき給電層に利用する電解めっき法によりレジストから露出するシード層上にCu層等を含む電解めっき層を形成する。これにより、レジストから露出する部分にシード層及び電解めっき層が積層形成される。その後、レジストを除去し、更に電解めっき層に覆われていない部分のシード層を除去することにより、シード層及び電解めっき層を含む配線層20が形成される。配線層20の上面及び側面は、無機絶縁層19から露出する。
【0057】
必要に応じ、配線層20上に、例えば無電解めっき法等により金属層21を形成してもよい。金属層21の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した配線層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した配線層)等を挙げることができる。
【0058】
次に、
図3(b)に示す工程では、無機絶縁層19上に接着材100を介して支持体110を仮接着する。接着材100としては、後工程で容易に剥離可能なものを選択することが好ましく、例えば、溶剤に可溶なオレフィン系の接着材等を用いることができる。支持体110としては、例えば、シリコンウェハ等を用いることができる。支持体110の厚さは、
図3(b)に示す構造体の反りを低減する観点から、無機基板11と同程度とすることが好ましい。
【0059】
次に、
図3(c)に示す工程では、無機基板11の他方の面11g側を、例えば、グラインダーで研磨し、無機基板11の厚さを110μm程度まで薄型化する。その後、無機基板11の他方の面11g側を10μm程度エッチングする。この際、配線層14はエッチングされないので、配線層14の先端部が無機基板11の他方の面11gから10μm程度突出する。
【0060】
次に、
図4(a)に示す工程では、無機基板11の他方の面11gに、配線層14の突出部を覆うように、第1無機絶縁膜25a及び第2無機絶縁膜25bを順次積層して無機絶縁層25を形成する。第1無機絶縁膜25a及び第2無機絶縁膜25bは、例えば、成膜温度を200℃程度とするCVD法により順次積層できる。なお、接着材100の耐熱温度が200℃程度であるため、この工程では、CVD法における成膜温度を200℃程度とする必要があり、これ以上の温度とすることは困難である。
【0061】
第1無機絶縁膜25aの材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO
2膜)等を用いることができる。第2無機絶縁膜25bの材料としては、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)等を用いることができる。第1無機絶縁膜25aの厚さは、例えば、1μm程度とすることができる。第2無機絶縁膜25bの厚さは、例えば、0.1μm程度とすることができる。
【0062】
次に、
図4(b)に示す工程では、配線層26、有機絶縁層27、及び配線層28を形成する。具体的には、例えば、CMP等で第2無機絶縁膜25bを平坦化した後、所定のマスクを介して、第1無機絶縁膜25a及び第2無機絶縁膜25bをエッチングすることで、開口部25xを形成する。そして、
図2(d)の工程と同様にして、配線パターンである配線層26を形成する。配線層26の下面は、例えば、無機絶縁層25の下面と面一とすることができる。具体的には、無機絶縁層25の第2無機絶縁膜25bの下面と面一とすることができる。
【0063】
次に、無機絶縁層25の下面及び配線層26の下面に、開口部27xを有する有機絶縁層27を形成する。具体的には、無機絶縁層25の下面及び配線層26の下面に、例えば、熱硬化性の感光性絶縁樹脂(例えば、ポリイミド)を塗布又はラミネートし、露光及び現像して開口部27xを形成する。そして、熱硬化性の感光性絶縁樹脂を所定の硬化温度に加熱して硬化させ、有機絶縁層27を形成する。有機絶縁層27の厚さは、例えば、3μm程度とすることができる。次に、
図3(a)の配線層20と同様の方法により、開口部27x内及び有機絶縁層27の下面に外部接続用のパッドとなる配線層28を形成する。
【0064】
なお、無機絶縁層25の下面及び配線層26の下面に、有機絶縁層27を設ける第1の理由は、高温にする工程が必要ないためである。つまり、本実施の形態では、無機基板11を100μm程度まで薄型化するため、その後の工程において、薄型化された無機基板11を単独で流すことは困難である。そこで、無機基板11に接着材100を介して支持体110を仮固定して無機基板11を補強しているが、接着材100として耐熱性が高い材料を選定することが困難であるため、耐熱性が低い材料(耐熱温度が200℃程度の材料)を用いている。
【0065】
このため、支持体110を仮固定した後の工程は、接着材100の耐熱温度以下にする必要がある。従って、接着材100の耐熱温度以上(例えば、400℃)とするCVD法でシリコン酸化膜等を形成するプロセスを採用することができず、接着材100の耐熱温度以上にする必要がない有機絶縁層27を形成する工程を採用している。
【0066】
なお、
図4(a)に示す工程では、成膜温度を200℃程度とするCVD法により無機絶縁層25を形成しているが、成膜温度が低いため、成膜温度を400℃程度とするCVD法により無機絶縁層を形成する場合に比べて、絶縁性の良い膜が形成し難い。このようなプロセスで無機絶縁層を複数層積層することは好ましくないため、無機基板11の他方の面11g側は、無機絶縁層が複数層積層された無機絶縁構造体を有していない。一方、有機絶縁層27の材料として接着材100の耐熱温度以下で硬化する材料(例えば、ポリイミド)を選定することは容易であり、良好な絶縁性も確保できることから、無機基板11の他方の側に有機絶縁層27を設けている。
【0067】
無機絶縁層25の下面及び配線層26の下面に、有機絶縁層27を設ける第2の理由は、インターポーザ1全体の熱膨張係数を大きくするためである。無機基板11としてシリコンを用いたインターポーザ1の熱膨張係数は、有機絶縁層27を設けない場合、MEMS素子や半導体素子等の電子部品と同程度となる。この場合、インターポーザ1を接合部を介して有機配線基板上に実装し、接合部を被覆するアンダーフィル樹脂を形成し、アンダーフィル樹脂を熱硬化させた際に、アンダーフィル樹脂が収縮して有機配線基板が反ってしまう。これは、有機絶縁層27を有しないインターポーザ1と有機配線基板との熱膨張係数の差が大きいためである。
【0068】
そこで、無機絶縁層25の下面及び配線層26の下面に有機絶縁層27を設けることにより、インターポーザ1全体の熱膨張係数を大きくする。これにより、インターポーザ1と有機配線基板との熱膨張係数の差が小さくなり、アンダーフィル樹脂を熱硬化させた際の有機配線基板の反り量を低減できる。その結果、接合部にかかる応力を低減することが可能となり、インターポーザ1と有機配線基板との接続信頼性を向上できる。
【0069】
次に、
図4(c)に示す工程では、接着材100及び支持体110を除去する。接着材100としてオレフィン系の接着材を用いた場合には、接着材100を所定の溶剤で溶かすことにより、支持体110を除去できる。これにより、配線部材2が完成する。なお、この状態では、無機基板11の一方の面11f側と他方の面11g側で層数、層構成、熱履歴等が異なるため、反りが大きい(後述の実施例参照)。
【0070】
次に、
図5(a)に示す工程では、配線部材2と同様の工程により、配線部材2と同一層構成であって、補強部材3を構成する無機基板及び各絶縁層の厚さが配線部材2を構成する無機基板及び各絶縁層の厚さと同一である補強部材3を作製する。但し、補強部材3では、ビア配線や配線パターン、パッド等となる配線層は形成しない。補強部材3を形成するには、具体的には、まず、
図2(a)と同様にして、無機基板11として、所定形状のシリコンウェハ等を準備する。そして、
図2(c)と同様にして、無機基板11の他方の面11fに、第1無機絶縁膜13a及び第2無機絶縁膜13bを積層して無機絶縁層13を形成する。そして、
図3(a)と同様にして、無機絶縁層13上に無機絶縁層15、無機絶縁層17、及び無機絶縁層19を順次積層する。
【0071】
そして、
図3(b)及び
図3(c)と同様にして、無機基板11を100μm程度に薄型化する。そして、
図4(a)と同様にして、無機基板11の一方の面11gに無機絶縁層25を形成する。そして、
図4(b)と同様にして、無機絶縁層25に有機絶縁層27を積層後、
図4(c)と同様にして、接着材100及び支持体110を除去する。
【0072】
更に、ウェットエッチング又はドライエッチングで開口部3xを形成することにより、配線部材2と同一層構成及び同一層厚であり、平面形状が枠状の補強部材3が完成する。
【0073】
次に、
図5(b)に示す工程では、補強部材3を接着部4を介して配線部材2上に接着する。例えば、
図5(b)に示す断面図において、補強部材3は、
図5(a)に示す補強部材3と上下反転させた状態で配線部材2の上に配置され、補強部材3の無機絶縁層19の下面に接着部4を貼り付ける。接着部4としては、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着材等を用いることができる。次に、補強部材3を接着部4を介して配線部材2上に載置し、所定温度に加熱して接着部4を硬化させる。これにより、補強部材3が接着部4を介して配線部材2上に接着される。なお、接着部4として、紫外線硬化性の接着材等を用いてもよい。
【0074】
その後、補強部材3が接着部4を介して配線部材2上に接着された構造体を、ダイサー等を用いて切断位置Cで切断することにより、個片化された複数のインターポーザ1が完成する。なお、補強部材3及び配線部材2を各々ダイサー等を用いて切断位置Cで切断して個片化する。そして、その後、各補強部材3の無機絶縁層19の下面に接着部4を貼り付けて各配線部材2上に載置し、所定温度に加熱して接着部4を硬化させてインターポーザ1を作製してもよい。
【0075】
このように、本実施の形態では、配線部材2と同様の工程により、配線部材2と同一層構成、同一層厚の補強部材3を形成する。これにより、配線部材2と補強部材3とは、物性値や熱履歴が等しくなるため、各々の反りの挙動が同一傾向となる。そのため、配線部材2上に接着部4を中心に上下対称な構造となるように補強部材3を積層することにより、配線部材2と補強部材3が互いに逆方向に反る(互いの反りを打ち消す方向に反る)ため、インターポーザ1全体の反りを抑制できる。
【0076】
又、本実施の形態では、配線部材2の無機基板11の一方の面11fに複数の層を有する配線構造体(無機絶縁層13、15、17、19と配線層16、18、20)を形成している。そのため、狭ピッチな貫通配線(貫通孔11z)を形成することなく、インターポーザ1に搭載するMEMS素子や半導体素子等の電子部品の狭ピッチに対応した高密度な配線パターン(例えば、ライン/スペースが1μm/1μm)を形成できる。
【0077】
〈実施例〉
図1に示すインターポーザ1を実際に作製し、反り量の測定を行った。なお、比較例1として、補強部材3を設けない
図1の配線部材2のみのサンプルを作製し、反り量の測定を行った。又、比較例2として、
図1の補強部材3に代えて、表面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板のみ(
図1の無機基板11、無機絶縁層12、及び第1無機絶縁膜25aのみ)を設けたサンプルを作製し、反り量の測定を行った。
【0078】
なお、比較例1、比較例2、及び実施例の各サンプルにおいて、配線部材2の部分の材料、層構成、各層厚等は全く同じである。又、比較例2及び実施例の各サンプルにおいて、補強部材の無機基板11、無機絶縁層12、及び第1無機絶縁膜25aの材料、形状、厚さ等は全く同じである。比較例1、比較例2、及び実施例の反り量の測定結果を表1に示す。
【0080】
表1に示すように、補強部材3を設けない
図1の配線部材2のみの場合(比較例1)には、反り量が195μmであった。又、
図1の補強部材3に代えて、表面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板のみ(
図1の無機基板11、無機絶縁層12、及び第1無機絶縁膜25aのみ)を設けた場合(比較例2)には、反り量が147μmであった。
【0081】
これに対し、
図1に示すインターポーザ1の場合(実施例)には、反り量が100μmであり、比較例1及び2に対して大幅に反り量が改善されていることが確認された。つまり、配線部材2上に接着部4を介して上下対称な構造となるように補強部材3を積層することにより、配線部材2と補強部材3が互いに逆方向に反る(互いの反りを打ち消す方向に反る)ため、インターポーザ1全体の反りを抑制できることが確認された。
【0082】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、補強部材3を複数の部位から構成する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0083】
図6は、第1の実施の形態の変形例1に係るインターポーザを例示する図であり、
図6(a)が断面図、
図6(b)が平面図である。
図6(a)に示すように、インターポーザ1Aの断面構造は、インターポーザ1の断面構造と同一である。しかし、
図6(b)に示すように、補強部材3が複数の部位3a、3b、3c、及び3dから構成されている点が、インターポーザ1(
図1(b)参照)と相違する。
【0084】
複数の部位3a、3b、3c、及び3dは、各々が平板状の部材であり、無機基板11の表裏面に
図1に示す所定の層を積層後、厚さ方向(積層方向)に分割することにより形成できる。複数の部位3a、3b、3c、及び3dは、隣接する部位の端部同士が接着材等(図示せず)により平面形状がL字形状になるように固定され、全体として枠状の補強部材3を形成している。
【0085】
このように、補強部材3を複数の部位から構成することにより、無機基板11等に貫通孔3xを設ける場合に比べて、補強部材3を構成する材料のむだを省くことができる。つまり、
図1の構造の補強部材3では、貫通孔3x内の部分を廃棄することになるが、
図6の構造の補強部材3では、廃棄する部分がない。その結果、インターポーザ1Aの低価格化を実現できる。
【0086】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、インターポーザ1にMEMS素子や半導体素子等の電子部品を実装した電子部品パッケージの例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0087】
図7は、第2の実施の形態に係る電子部品パッケージを例示する図であり、
図7(a)が断面図、
図7(b)が平面図である。
【0088】
図7を参照するに、電子部品パッケージ1Bは、インターポーザ1と、MEMS素子や半導体素子等の電子部品51及び61と、突起電極52と、接合部53と、アンダーフィル樹脂54とを有する。なお、本実施の形態では、2つの電子部品を実装する例を示すが、これには限定されず、1つの電子部品を実装してもよいし、3つ以上の電子部品を実装してもよい。又、複数の電子部品を実装する場合は、同一機能の電子部品のみを搭載してもよいし、異なる機能の電子部品が混在してもよい。
【0089】
電子部品51は、インターポーザ1の配線部材2上であって、かつ、補強部材3の開口部3x内に実装されている。より詳しくは、電子部品51の下面側には、突起電極52が設けられている。突起電極52は、例えば、銅ピラーや金バンプ等である。
【0090】
突起電極52は、接合部53を介して、配線部材2の金属層21と電気的に接続されている。接合部53としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。接合部53として、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いてもよい。配線部材2上には、突起電極52や接合部53を被覆するアンダーフィル樹脂54が設けられている。
【0091】
電子部品61も電子部品51と同様にして、インターポーザ1の配線部材2上であって、かつ、補強部材3の開口部3x内に実装されている。電子部品51と電子部品61とは、配線部材2に形成された所定の配線層を介して電気的に接続することができる。
【0092】
このように、インターポーザ1に電子部品51及び61を実装した電子部品パッケージ1Bを実現できる。この際、インターポーザ1は反り量が抑制されているため、電子部品51及び61を容易に実装できる。又、インターポーザ1は反り量が抑制されているため、配線部材2と電子部品51及び61との接続信頼性を向上できる。
【0093】
又、配線部材2の無機基板11にシリコンを用いているため、無機基板11上に半導体製造プロセスにより各配線層を高密度に形成できる。そのため、狭ピッチな貫通配線(貫通孔11z)を形成することなく、高密度な配線パターンを形成できる。その結果、突起電極52等が狭ピッチ化した電子部品51及び61を実装できる。
【0094】
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、電子部品パッケージ1Bを有機配線基板上に実装する例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0095】
図8は、第2の実施の形態に係る電子部品パッケージを有機配線基板上に実装した状態を例示する断面図である。
【0096】
図8を参照するに、電子部品パッケージ1Bは、有機配線基板70上に実装されている。有機配線基板70は、例えば、有機絶縁樹脂層と配線層とが交互に積層され、所定の配線層同士が所定の有機絶縁樹脂層を貫通するビア配線により電気的に接続されたビルドアップ配線基板である。有機配線基板70の一方の面にはパッド71が形成されている。
【0097】
電子部品パッケージ1Bにおいて、配線部材2の配線層28は、接合部81を介して、有機配線基板70のパッド71と電気的に接続されている。接合部81としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。接合部81として、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いてもよい。有機配線基板70の一方の面には、配線層28や接合部81を被覆するアンダーフィル樹脂82が設けられている。
【0098】
このように、電子部品パッケージ1Bは、有機配線基板70上に実装される場合がある。電子部品パッケージ1Bのインターポーザ1において、配線部材2の最外層には有機絶縁層27が設けられているため、従来のように配線部材2が無機材料のみから形成されている場合と比べて、インターポーザ1全体の熱膨張係数が大きくなる。
【0099】
そのため、有機配線基板70とインターポーザ1との熱膨張係数の差は、有機配線基板70と従来の無機材料のみから形成されたインターポーザとの熱膨張係数の差よりも小さくなる。これにより、有機配線基板70上に電子部品パッケージ1Bを実装し、接合部81等を被覆するアンダーフィル樹脂82を形成し、アンダーフィル樹脂82を熱硬化させた際に、アンダーフィル樹脂82が収縮して生じる有機配線基板70の反り量を低減できる。その結果、接合部81にかかる応力を低減することが可能となり、電子部品パッケージ1Bの配線部材2と有機配線基板70との接続信頼性を向上できる。
【0100】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。