(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6042213
(24)【登録日】2016年11月18日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】凹面光学素子の測定装置及び凹面回折格子の測定装置並びに平面回折格子の測定装置
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20161206BHJP
G01J 3/18 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G01J3/18
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-2447(P2013-2447)
(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-134449(P2014-134449A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中井 直也
(72)【発明者】
【氏名】江畠 佳定
【審査官】
横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−337284(JP,A)
【文献】
特開2004−184284(JP,A)
【文献】
特開平04−145341(JP,A)
【文献】
特開2002−168694(JP,A)
【文献】
特開2005−156343(JP,A)
【文献】
米国特許第05004346(US,A)
【文献】
尾道三一、外2名,ホログラフィック凹面回折格子を用いた分光けい光光度計,熊本大学教育学部紀要,1980年 9月30日,第29号 自然科学,第15頁−第23頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00−11/08
G01J 3/00−3/52
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹面光学素子と、該凹面光学素子を回転させる回転ステージと、該回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記凹面光学素子に光を照射する光源と、該光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなすと共に、前記回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記凹面光学素子を反射する光のうち集光点以外の位置で反射してくる光を検出する検出器とを備え、
前記光源は、レーザー装置と、該レーザー装置から照射されたレーザー光を焦点位置で集光する対物レンズと、該対物レンズが、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されている第1の直動ステージとから成り、前記レーザー光が焦点位置で集光する位置にはピンホールが設置され、
前記光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなして第2の直動ステージが設置され、該第2の直動ステージには、前記検出器が、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されていると共に、前記検出器が、前記第2の直動ステージと共に円弧状に移動する円弧ステージを備え、
前記検出器を前記円弧ステージに固定すると共に、前記回転ステージ上の前記凹面光学素子を回転させることで、前記凹面光学素子を反射する光のうち前記集光点以外の位置で反射してくる光を前記検出器で検出することを特徴とする凹面光学素子の測定装置。
【請求項2】
凹面回折格子と、該凹面回折格子を回転させる回転ステージと、前記凹面回折格子に光を照射する光源と、該光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなすと共に、前記回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記凹面回折格子を回折した回折光以外の光を検出する検出器とを備え、
前記光源は、レーザー装置と、該レーザー装置から照射されたレーザー光を焦点位置で集光する対物レンズと、該対物レンズが、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されている第1の直動ステージとから成り、前記レーザー光が焦点位置で集光する位置にはピンホールが設置され、
前記光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなして第2の直動ステージが設置され、該第2の直動ステージには、前記検出器が、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されていると共に、前記検出器が、前記第2の直動ステージと共に円弧状に移動する円弧ステージを備え、
前記検出器を前記円弧ステージに固定すると共に、前記回転ステージを回転させて前記回折光を前記検出器に入射し、該検出器で前記回転ステージの回転角度を検出することで前記凹面回折格子の溝本数を計測し、前記凹面回折格子の溝本数を計測した後、前記検出器が前記円弧ステージによって移動しながら回析光以外の光を検出することを特徴とする凹面回折格子の測定装置。
【請求項3】
平面回折格子と、該平面回折格子を回転させる回転ステージと、前記平面回折格子に光を照射する光源と、該光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなすと共に、前記回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記平面回折格子を回折した回折光以外の光を検出する検出器とを備え、
前記光源はレーザー装置であり、該レーザー装置と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなして第2の直動ステージが設置され、該第2の直動ステージには、前記回転ステージとの距離が変更可能なように前記検出器が移動可能に設置され、更に、前記検出器が前記第2の直動ステージと共に円弧状に移動する円弧ステージを備え、
前記検出器を前記円弧ステージに固定すると共に、前記回転ステージを回転させて前記回折光を前記検出器に入射し、該検出器で前記回転ステージの回転角度を検出することで前記平面回折格子の溝本数を計測し、前記平面回折格子の溝本数を計測した後、前記検出器が前記円弧ステージによって移動しながら回析光以外の光を検出することを特徴とする平面回折格子の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凹面光学素子の測定装置及び凹面回折格子の測定装置並びに平面回折格子の測定装置に係わり、特に、凹面光学素子を反射する光のうち集光点以外の位置で反射してくる迷光或いは凹面回折格子又は平面回折格子を回折した回折光以外の迷光を測定するものに好適な凹面光学素子の測定装置及び凹面回折格子の測定装置並びに平面回折格子の測定装置の測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、凹面光学素子が仕様通りになっているかの評価を行う場合、従来は、凹面光学素子曲率半径、面精度、面粗さ等の測定が行われていた。しかし、凹面光学素子を装置に実装した場合と同条件で、凹面光学素子単体の迷光(凹面光学素子からの反射光が、凹面光学素子の凹面最深部から曲率半径と角度によって決定される位置からずれた光)を測定することは行われていない。また、面精度が悪い或いは面粗さが大きい場合などは、迷光が大きいことは予想されるが、定量的に迷光量を把握することは行われていなかった。
【0003】
また、特許文献1のように、平面素子の1つである回折格子の迷光測定に関しては、その測定装置が提案されているが、測定対象は平面素子に限られており、凹面光学素子等の測定については考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-337284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、凹面光学素子の評価は、曲率半径、面精度、面粗さ等の測定を行っている。しかしながら、凹面光学素子を装置に実装した場合と同条件で、凹面光学素子単体の迷光を測定することは行われていなかった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、迷光値を実装状態と同じ条件で定量的に測定することのできる凹面光学素子の測定装置及び凹面回折格子の測定装置並びに平面回折格子の測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の凹面光学素子の測定装置は、上記目的を達成するために、凹面光学素子と、該凹面光学素子を回転させる回転ステージと、該回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記凹面光学素子に光を照射する光源と、該光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなすと共に、前記回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記凹面光学素子を反射する光のうち集光点以外の位置で反射してくる光を検出する検出器とを備え
、前記光源は、レーザー装置と、該レーザー装置から照射されたレーザー光を焦点位置で集光する対物レンズと、該対物レンズが、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されている第1の直動ステージとから成り、前記レーザー光が焦点位置で集光する位置にはピンホールが設置され、前記光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなして第2の直動ステージが設置され、該第2の直動ステージには、前記検出器が、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されていると共に、前記検出器が、前記第2の直動ステージと共に円弧状に移動する円弧ステージを備え、前記検出器を前記円弧ステージに固定すると共に、前記回転ステージ上の前記凹面光学素子を回転させることで、前記凹面光学素子を反射する光のうち前記集光点以外の位置で反射してくる光を前記検出器で検出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の凹面回折格子の測定装置は、上記目的を達成するために、凹面回折格子と、該凹面回折格子を回転させる回転ステージと、前記凹面回折格子に光を照射する光源と、該光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなすと共に、前記回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記凹面回折格子を回折した回折光以外の光を検出する検出器とを備え
、前記光源は、レーザー装置と、該レーザー装置から照射されたレーザー光を焦点位置で集光する対物レンズと、該対物レンズが、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されている第1の直動ステージとから成り、前記レーザー光が焦点位置で集光する位置にはピンホールが設置され、前記光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなして第2の直動ステージが設置され、該第2の直動ステージには、前記検出器が、前記回転ステージとの距離が変更可能なように移動可能に設置されていると共に、前記検出器が、前記第2の直動ステージと共に円弧状に移動する円弧ステージを備え、
前記検出器を前記円弧ステージに固定すると共に、前記回転ステージを回転させて前記回折光を前記検出器に入射し、該検出器で前記回転ステージの回転角度を検出することで前記凹面回折格子の溝本数を計測し、前記凹面回折格子の溝本数を計測した後、前記検出器が前記円弧ステージによって移動しながら回析光以外の光を検出することを特徴とする。
【0014】
更に、本発明の平面回折格子の測定装置は、上記目的を達成するために、平面回折格子と、該平面回折格子を回転させる回転ステージと、前記平面回折格子に光を照射する光源と、該光源と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなすと共に、前記回転ステージとの距離が変更可能で、かつ、前記平面回折格子を回折した回折光以外の光を検出する検出器とを備え、前記光源はレーザー装置であり、該レーザー装置と前記回転ステージを結んだ直線と所定の角度をなして第2の直動ステージが設置され、該第2の直動ステージには、前記回転ステージとの距離が変更可能なように前記検出器が移動可能に設置され、更に、前記検出器が前記第2の直動ステージと共に円弧状に移動する円弧ステージを備え
、前記検出器を前記円弧ステージに固定すると共に、前記回転ステージを回転させて前記回折光を前記検出器に入射し、該検出器で前記回転ステージの回転角度を検出することで前記平面回折格子の溝本数を計測し、前記平面回折格子の溝本数を計測した後、前記検出器が前記円弧ステージによって移動しながら回析光以外の光を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、迷光値を実装状態と同じ条件で定量的に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例1である凹面光学素子の測定装置を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の実施例2である凹面光学素子の測定装置を示す概略構成図である。
【
図3】本発明の実施例4である平面光学素子の測定装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の凹面光学素子の測定装置及び凹面回折格子の測定装置並びに平面回折格子の測定装置を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には、同符号を使用する。
【実施例1】
【0019】
図1に、本発明の実施例1である凹面光学素子の測定装置を示す。
【0020】
該図に示す如く、本実施例の凹面光学素子の測定装置は、凹面光学素子7と、この凹面光学素子7を回転させる回転ステージ6と、凹面光学素子7に光を照射するレーザー装置1と、レーザー装置1から照射されたレーザー光を焦点位置で集光する対物レンズ3と、この対物レンズ3が、回転ステージ6との距離が変更可能なように移動可能に設置されている第1の直動ステージ5と、レーザー装置1からのレーザー光が焦点位置で集光する位置に設置されたピンホール4と、レーザー装置1と回転ステージ6を結んだ直線と所定の角度θをなすと共に、回転ステージ6との距離が変更可能で、かつ、凹面光学素子7を反射する光のうち集光点以外の位置で反射してくる光(迷光)を検出する光検
出器8と、レーザー装置1と回転ステージ6を結んだ直線と所定の角度θをなした位置に設置され、光検
出器8が回転ステージ6との距離が変更可能なように移動可能に設置されてい
る第2の直動ステージ11と、光検
出器8が第2の直動ステージ11と共に円弧状に移動する円弧ステージ9とから概略構成されている。
【0021】
なお、符号2はレーザー装置1を一定の出力で駆動するレーザ
ー電源、10は第1の直動ステージ5と第2の直動ステージ11及び回転ステージ6を駆動するステージ駆動装置、12は光検
出器8の電流計、13は電流計12の電流値に基づいてデータ処理し、ステージ駆動装置10への第1の直動ステージ5と第2の直動ステージ11及び回転ステージ6の駆動指令を制御するステージ制御・データ処理装置である。
【0022】
そして、本実施例では、レーザー装置1から出射したレーザー光15aは、対物レンズ3によって対物レンズ3の焦点位置で集光する。集光点に空間フィルタとしてピンホール4が設置されており、集光点を過ぎたレーザー光15bは、対物レンズ3の焦点距離f
0に従って特定の角度で広がることで球面波となり、回転ステージ6上に設置された測定対象となる凹面光学素子7に照射される。
【0023】
このとき、対物レンズ3とピンホール4の相対位置を保ったまま、両者を直動ステージ5によって動かすことで、凹面光学素子7の曲率半径Rとレーザー光15b(球面波)の曲率半径Rを一致させることができる。
【0024】
凹面光学素子7の曲率半径がRで、対物レンズ3の焦点距離がf
0のとき、対物レンズ3とピンホール4は、集光点と凹面光学素子7の凹面最深部との距離が曲率半径Rになるように設置すればよい。これは、曲率半径Rの球面波を凹面光学素子7に入射したのに等しい。
【0025】
凹面光学素子7に入射した球面波は、凹面光学素子7下部の回転ステージ6を回転させた角度(θ)の2倍の角度で反射され、凹面光学素子7の凹面最深部から曲率半径Rと角度θによって決定される位置Dに光線を含む平面内で集光するので、光検出器8をレーザー装置1から出射されたレーザー光軸に対して90°以下の角度θで設置された第2の直動ステージ11によって凹面光学素子7の凹面最深部から位置Dに動かす。この時の位置Dは、下式(1)により求められる。
【0026】
【数1】
【0027】
そして、円弧ステージ9によって角度θを変化させながら、光検出器8によって凹面光学素子7を反射する光のうち集光点以外の位置に反射してくる光(迷光)Lを検出することで迷光値を測定することができる。
【0028】
なお、第1の直動ステージ5及び第2の直動ステージ11の原点位置は、ピンホール4と光検出器8の検出面が回転ステージ6の中心位置から同一の任意の位置とする。また、円弧ステージ9の原点位置は、レーザー装置1から出射されるレーザー光軸に対して第2の直動ステージ11の設置角度θと同一とする。
【0029】
このような本実施例とすることにより、凹面光学素子7の迷光値を実装状態と同じ条件で定量的に測定することができる。
【実施例2】
【0030】
図2に、本発明の実施例2である凹面光学素子の測定装置を示す。
【0031】
該図に示す本実施例の凹面光学素子の測定装置は、光検出器8を円弧ステージ9に固定すると共に、回転ステージ6上の凹面光学素子7を回転させることで、凹面光学素子7を反射する光のうち集光点以外の位置で反射してくる光(迷光)Lを光検出器8で検出するようにしたものである。
【0032】
即ち、
図1に示した実施例1の構成において、光検出器8を円弧ステージ9で動かさず原点に固定する。そして、回転ステージ6によって凹面光学素子7を回転させ、光検出器8によって集光点以外の位置に反射してくる光(迷光)Lを検出して迷光値を測定するものである。
【0033】
このような本実施例の構成としても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【実施例3】
【0034】
本発明の実施例3である凹面回折格子の測定装置について、以下に説明する。
【0035】
本実施例の凹面回折格子の測定装置は、特に、図示しないが、実施例1及び実施例2の構成において、凹面光学素子7を凹面回折格子に変えたものである(符号は、
図1及び
図2と同じものは、同符号を使用する)。
【0036】
即ち、本実施例の凹面回折格子の測定装置は、凹面回折格子と、この凹面回折格子を回転させる回転ステージ6と、凹面回折格子に光を照射するレーザー装置1と、このレーザー装置1から照射されたレーザー光15aを焦点位置で集光する対物レンズ3と、この対物レンズ3が、回転ステージ6との距離が変更可能なように移動可能に設置されている第1の直動ステージ5と、レーザー装置1と回転ステージ6を結んだ直線と所定の角度をなして設置されている第2の直動ステージ11と、第2の直動ステージ11上に設置され、回転ステージ6との距離が変更可能で、かつ、凹面回折格子を回折した回折光以外の光を検出する光検出器8と、この光検出器8を第2の直動ステージ11と共に円弧状に移動する円弧ステージ9とから構成されている。
【0037】
そして、光検出器8を円弧ステージ9において原点位置に固定し、回転ステージ6を回転させて回折光を光検出器8に入射させ、回転ステージ6の回転角度αを記録することで、凹面回折格子の溝本数d(下式(2)参照)を計測することができる。
【0038】
このとき、λを凹面回折格子に入射する光の波長、βを凹面回折格子の回折角度とすると、凹面回折格子の回折角度βは、0次光(正反射光)が光検出器8に入射される際の回転ステージ6の角度で得られる。
【0039】
【数2】
【0040】
また、凹面回折格子の溝本数dを計測した後、光検出器8を円弧ステージ9によって移動しながら光検出器8によって回折光以外の光を検出することで、凹面回折格子の迷光を測定することができる。
【0041】
このような本実施例とすることにより、凹面回折格子の溝本数と迷光値を実装状態と同じ条件で定量的に測定することができる。
【実施例4】
【0042】
図3に、本発明の実施例4である平面光学素子の測定装置を示す。
【0043】
該図に示す本実施例の平面光学素子の測定装置は、実施例3において、対物レンズ3とピンホール4を排除し、かつ、凹面回折格子を平面回折格子に変更したものである。即ち、本実施例の平面光学素子の測定装置は、平面回折格子14と、この平面回折格子14を回転させる回転ステージ6と、平面回折格子14に光を照射するレーザー装置1と、レーザー装置1と回転ステージ6を結んだ直線と所定の角度をなして設置されている第2の直動ステージ11と、この第2の直動ステージ11上に設置され、回転ステージ6との距離が変更可能で、かつ、平面回折格子14で回折した回折光以外の光を検出する光検出器8と、この光検出器8を第2の直動ステージ11と共に円弧状に移動する円弧ステージ9とから概略構成されている。
【0044】
なお、符号2はレーザー装置1を一定の出力で駆動するレーザ
ー電源、10は第1の直動ステージ5と第2の直動ステージ11及び回転ステージ6を駆動するステージ駆動装置、12は光検
出器8の電流計、13は電流計12の電流値に基づいてデータ処理し、ステージ駆動装置10への第1の直動ステージ5と第2の直動ステージ11及び回転ステージ6の駆動指令を制御するステージ制御・データ処理装置である。
【0045】
そして、本実施例では、光検出器8を円弧ステージ9に固定すると共に、回転ステージ8を回転させ、レーザー装置1から照射されて平面回折格子14で回折した回折光を光検出器8に入射し、この光検出器8で回転ステージ6の回転角度を検出することで、平面回折格子14の溝本数を計測するものである。
【0046】
また、平面回折格子14の溝本数を計測した後、光検出器8を円弧ステージ9によって移動しながら光検出器8によって回折光以外の光を検出することで、平面回折格子の迷光を測定することができる。
【0047】
このような本実施例とすることにより、凹面回折格子の溝本数と迷光値を実装状態と同じ条件で定量的に測定することができる。
【0048】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…レーザー装置、2…レーザー電源、3…対物レンズ、4…ピンホール、5…第1の直動ステージ、6…回転ステージ、7…凹面光学素子、8…光検出器、9…円弧ステージ、10…ステージ駆動装置、11…第2の直動ステージ、12…電流計、13…ステージ制御・データ処理装置、14…平面回折格子、15a、15b…レーザー光。