(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているようなクリップで配線部を挟み込む方法では、シート型電極を損傷しやすかったり、外れやすく安定した固定が困難であったり、接続数が多くなると脱着が困難となるなどの課題があった。また、クリップは装着感の点から薄型とすることが好ましいが、シート型電極を生体に設置する場合には、クリップがその厚みにより皮膚に当たって使用者に違和感を覚えさせることも課題であった。
【0005】
また、ホックボタン型コネクタを用いた場合、コネクタを形成するためには多くの加工が必要であり、製造コストがかさむという課題があった。また、接続数が多くなると脱着が困難という課題があった。さらに、ホックボタン型コネクタを用いた場合、電極の脱落を防ぐために、スナップボタンのサイズが大きくなる傾向があるが、シート型電極を生体に設置する場合、ホックボタンの厚みにより突起部が形成され皮膚に当たり、クリップで配線部を挟み込む場合と同様、使用者に違和感を覚えさせ、さらには、皮膚の擦れ、かゆみや皮膚炎の原因ともなることも課題であった。
【0006】
また、ホルター心電図のような被験者が動く状況での生体信号の計測時には、電極とコネクタ、ケーブル類を含めた重量が大きいと、歩行時などの体動の際に振動し、皮膚、皮膚電極接続部、ケーブル類からノイズが発生する。こうした体動時のノイズが混入すると不整脈などの生体信号の異常との判別が困難となるため出来る限り軽減することが求められている。
【0007】
このような体動時のノイズの軽減のためには、クリップ、コネクタ、ケーブルを含めた軽量化が必要である。従来のホルター心電図用の電極は据え付け型の12誘導心電図を小型化したものが多く、ノイズ低減のためにケーブル類をサージカルテープで胸壁に固定するなどの対策をしているが、ケーブル類をサージカルテープで固定する場合、テープかぶれなどを起こすなど問題があり根本的な解決には至っていない。
【0008】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能な導電性シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る導電性シートは、シート型電極と、基端片部、該基端片部の一端から折り返す折返部及び該折返部の前記基端片部とは反対側から前記基端片部に沿って延出する先端片部を有し前記基端片部が前記シート型電極に沿う姿勢で該シート型電極に接触する導電性フックと、を有するシート本体と、前記導電性フックの前記先端片部を着脱自在に嵌合させるソケットと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の導電性フックは、基端片部がシート型電極にこれに沿う姿勢で接触することになり、折返部を介して基端片部に沿って延出する先端片部は、シート型電極に対し間隔をあけてこれに沿うことになる。そして、この導電性フックの先端片部にソケットを着脱させることで、シート型電極と外部装置への電気的接続及びその解除を行う。このような構造であるため、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
【0011】
この場合、前記導電性フックは、前記基端片部の長さが前記先端片部よりも長くされているのが好ましい。
【0012】
これにより、導電性フックをシート型電極に確実に接合することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
「第1実施形態」
本発明の第1実施形態に係る導電性シートを
図1〜
図3を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、第1実施形態に係る導電性シート10は、シート型電極11および導電性フック12を有するシート本体13と、ソケット14とを備えている。
【0023】
導電性フック12は、平坦な形状の基端片部20と、この基端片部20の一端から折り返す湾曲形状の折返部21と、折返部21の基端片部20とは反対側から基端片部20に沿って延出する平坦な形状の先端片部22とを有している。基端片部20と先端片部22とは平行となっている。基端片部20は、折返部21とは反対側の端部から折返部21側の端部までの長さが、先端片部22の折返部21とは反対側の端部から折返部21側の端部までの長さよりも長くなっている。よって、導電性フック12は長辺とこれより短い短辺とを有する不等辺U字型をなしている。
【0024】
導電性フック12は、導電性材料からなるもので、例えば金属素材を曲げ加工することにより形成される。具体的には、市販の雌コネクタとしてのピンソケット(ロングピンソケット)からピンヘッドの金属部を取り外し、これを不等辺U字型に曲げ加工したり、表面に金メッキを施した銅線を、不等辺U字型に曲げ加工したりすることにより導電性フック12とすることができる。導電性フック12の素材は、金属製に限定されるものではなく、カーボン、導電性ポリマー等の導電性素材を幅広く用いることができる。また、導電性フック12の大きさとしては、例えば、基端片部20側つまり長辺側の長さを18mm、先端片部22側つまり短辺側の長さを7mm、折返部21の高さを4mmとすることができるが、勿論、これに限定されるものではない。
【0025】
シート型電極11は、シート状の導電性布25とシート状の導電性布26とを有している。導電性布25は、PEDOT−PSSコートした布であり、導電性布26は、銀コートナイロン布である。導電性布26は導電性布25に沿うように配置されて導電性布25に接着されている。
【0026】
上記した導電性フック12は、基端片部20が、シート型電極11に沿う姿勢つまりこれを構成する導電性布25及び導電性布26に沿う姿勢で、導電性布25と導電性布26との間(つまりこれらの接合面)に配置されて、これらに接着されている。このように、導電性フック12は、基端片部20を導電性布25と導電性布26との間に挿入することによってシート型電極11との電気的導通を得る。そして、導電性フック12は、折返部21が、導電性布26に形成された穴26aを貫通して導電性布26の導電性布25とは反対側に延出しており、先端片部22が折返部21から導電性布26つまりシート型電極11に沿って延出している。このとき、先端片部22は、シート型電極11の導電性布26に対し所定の間隔をあけて平行に配置されている。このようにシート型電極11に基端片部20において埋設された導電性フック12が、シート型電極11とによって導電性シート10のシート本体13を構成している。つまり、一体化されたシート型電極11及び導電性フック12が導電性シート10のシート本体13を構成している。
【0027】
シート本体13は、そのシート型電極11が、生体によって着用されることになるウエア(肌着、下着)等の布帛28に沿うように配置されて、布帛28の生体側の裏面に導電性布26において接着される。その際に、導電性フック12の折返部21が、布帛28に形成された穴28aを貫通して布帛28の表面側に延出しており、導電性フック12の先端片部22が折返部21から布帛28に沿って延出する。先端片部22は、布帛28に対しても所定の間隔をあけて平行に配置されている。布帛28から外側に露出する先端片部22は雄型端子(雄コネクタ)となる。
【0028】
ソケット14は、一端に開口部30を有する筒状をなしている。ソケット14は、導電性材料からなるもので、例えば金属素材からなっている。ソケット14は、開口部30から導電性フック12の先端片部22が差し込まれることにより、導電性フック12を介してシート型電極11との電気的導通を得る。ソケット14は、導電性フック12の先端片部22を着脱自在に嵌合させるものであり、雌型端子(雌コネクタ)となっている。
【0029】
ソケット14には、図示略の外部装置から延出する信号ケーブル31が他端に接続されており、よって、ソケット14に導電性フック12の先端片部22が嵌合されると、シート型電極11と外部装置とが電気的導通を得る。つまり、
図1(a)および
図2に示す状態から、
図1(b)に示すようにソケット14に導電性フック12の先端片部22を差し込むと、シート型電極11と外部装置とが電気的に接続され、
図1(b)に示す状態から、
図1(a)および
図2に示すようにソケット14から導電性フック12の先端片部22が引き抜かれるとシート型電極11と外部装置との電気的接続が解除される。ソケット14が導電性フック12の先端片部22に接合された状態で、布帛28に沿ってソケット14及び信号ケーブル31が配置されることになり、ソケット14及び信号ケーブル31の全体の厚みが薄くなる。ソケット14と導電性フック12の先端片部22とが、雄雌の着脱部33を構成している。この着脱部33によって、シート型電極11と外部装置との電気的接続及びその解除がそれぞれワンタッチの操作で可能となり、シート型電極11に容易にアクセス可能となる。
【0030】
以上に述べた第1実施形態に係る導電性シート10によれば、導電性フック12は、基端片部20がシート型電極11にこれに沿う姿勢で接触することになり、折返部21を介して基端片部20に沿って延出する先端片部22は、シート型電極11に対し間隔をあけてこれに沿うことになる。そして、この導電性フック12の先端片部22にソケット14を着脱させることで、シート型電極11と外部装置との電気的接続及びその解除を行う。このような構造であるため、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
【0031】
なお、
図3に示す変形例のように、生体によって着用されるウエアの布帛28に直接導電性材料(PEDOT−PSS等)をコーティングして導電性を付与した導電性領域35を形成し、導電性布25をなくして導電性領域35の表面に導電性布26を接着してシート型電極11Aを構成する場合、導電性領域35と導電性布26との間に導電性フック12の基端片部20を配置することになる。つまり、導電性フック12は、基端片部20が、シート型電極11Aに沿う姿勢つまりこれを構成する布帛28の導電性領域35及び導電性布26に沿う姿勢で、導電性領域35と導電性布26との間に配置されて、これらに接着される。この場合、導電性フック12は、折返部21が、導電性布26に形成された穴26aを貫通して導電性領域35とは反対側に延出することになり、先端片部22が折返部21から導電性布26に沿い導電性布26に対し所定の間隔をあけて平行に延出することになる。この場合、導電性フック12と、導電性領域35を有する布帛28と、導電性布26とがシート本体13Aを構成し、このシート本体13Aとソケット14とが導電性シート10Aを構成する。
【0032】
「
第1参考技術」
次に、
第1参考技術の導電性シートを主に
図4を参照して第1実施形態との相違部分を中心に説明する。
【0033】
第1参考技術の導電性シート10Bは、第1実施形態と同様の導電性布25と導電性布26とを有するシート型電極11を備えている。その一方で、第1実施形態の導電性フック12を有しておらず、代わりに導電性線状部としての線状の導電性ワイヤ41を有している。
【0034】
導電性ワイヤ41は、その一部がシート型電極11に沿う姿勢つまりこれを構成する導電性布25及び導電性布26に沿う姿勢で、導電性布25と導電性布26との間に配置されて、これらに接着されている。このように、導電性ワイヤ41も、一部を導電性布25と導電性布26との間に挿入することによってシート型電極11との電気的導通を得る。そして、導電性ワイヤ41は、一部が、導電性布26に形成された穴26aを貫通して導電性布26の導電性布25とは反対側に延出して延出部42を構成している。つまり、延出部42はシート型電極11から外側に延出している。そして、この延出部42には、その線径方向に拡大する導電性結節部を構成する球状の導電性ビーズ43が接合されている。導電性ワイヤ41およびその片端に固定された導電性ビーズ43が導電性部材44となっており、この導電性部材44がシート型電極11とによって導電性シート10Bのシート本体13Bを構成している。
【0035】
シート本体13Bは、第1実施形態と同様、そのシート型電極11が布帛28に沿うように配置されて布帛28の生体側の裏面に導電性布26において接着されるが、その際に、導電性ワイヤ41が、布帛28に形成された穴28aを貫通して布帛28の表面側に延出する。なお、導電性ワイヤ41が穴28aに通される時点では、導電性ワイヤ41に導電性ビーズ43は取り付けられておらず、通された後に導電性ビーズ43が取り付けられる。導電性ビーズ43及び導電性ワイヤ41の延出部42が、布帛28から外側に露出する雄型端子(雄コネクタ)となっている。
【0036】
第1参考技術の導電性シート10Bは、第1実施形態のソケット14を有しておらず、代わりに導電性部材44の導電性ビーズ43及び導電性ワイヤ41に着脱自在に接続されるコネクタ50を有している。コネクタ50は、有底筒状をなし開口部同士を対向されて配置される一対の嵌合部51,52と、これら嵌合部51,52の間に配置される中間部53とを有している。嵌合部51,52は、いずれも底部が略球面状をなしており、一端の開口側から他端の底側までスリット51a,52aが形成されている。中間部53は、径方向に開口する開口部55を有しており、この開口部55には一対の嵌合部51,52の両方のスリット51a,52aが開口している。中間部53の開口部55は導電性ビーズ43が通過可能となる大きさであり、一方の嵌合部51の内径が導電性ビーズ43を内側に嵌合させることが可能となるように導電性ビーズ43の外径よりも若干小径となっている。また、一方のスリット51aの幅は導電性ワイヤ41が通過可能となる大きさとなっている。
【0037】
コネクタ50は、導電性材料からなるもので、例えば金属素材からなっている。具体的には、金属板を曲げ加工することで上記形状に一体成形されている。コネクタ50には、中間部53の開口部55に導電性部材44の導電性ビーズ43が挿入された後、一方の嵌合部51のスリット51aに導電性部材44の導電性ワイヤ41が通され、このスリット51a内で底部側に導電性ワイヤ41が移動させられながら、導電性ビーズ43が一方の嵌合部51の内側に嵌合されて固定される。これにより、コネクタ50は、導電性部材44を介してシート型電極11との電気的導通を得る。また、導電性ビーズ43が一方の嵌合部51から取り外されてスリット51aから導電性ワイヤ41が引き抜かれると、コネクタ50はシート型電極11との電気的導通が解除される。このようにコネクタ50は、いわゆるボールチェーン型フックの形状をなして、導電性部材44のボール状の導電性ビーズ43を着脱自在に接続させるものであり、雌型端子(雌コネクタ)となっている。
【0038】
コネクタ50には、他方の嵌合部52に図示略の外部装置から延出する信号ケーブル31Bが接続されている。つまり、信号ケーブル31Bの末端に導電性ビーズ57が固定されており、コネクタ50には、中間部53の開口部55に信号ケーブル31Bの導電性ビーズ57が挿入された後、他方の嵌合部52のスリット52aに信号ケーブル31Bが通され、このスリット52a内で底部側に信号ケーブル31Bが移動させられながら、導電性ビーズ57が他方の嵌合部52の内側に嵌合されて固定される。これにより、コネクタ50は、信号ケーブル31Bを介して図示略の外部装置との電気的導通を得る。
【0039】
よって、信号ケーブル31Bに予め上記のようにして接続された状態にあるコネクタ50に、導電性部材44が上記のように取り付けられると、シート型電極11と外部装置とが電気的導通を得る。コネクタ50が導電性部材44に接合された状態で、布帛28に沿ってコネクタ50及び信号ケーブル31Bが配置されることになり、コネクタ50及び信号ケーブル31Bの全体の厚みが薄くなる。コネクタ50と導電性部材44の延出部42および導電性ビーズ43とが、雄雌の着脱部33Bを構成している。この着脱部33Bによって、シート型電極11と外部装置との電気的接続及びその解除がそれぞれワンタッチの操作で可能となり、シート型電極11に容易にアクセス可能となる。
【0040】
以上に述べた
第1参考技術の導電性シート10Bによれば、シート型電極11から延出する導電性ワイヤ41に線径方向に拡大する導電性ビーズ43を設け、導電性ビーズ43及び導電性ワイヤ41にコネクタ50を着脱させることで、外部装置への電気的接続及びその解除を行う。このような構造であるため、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
【0041】
しかも、スリット51aに導電性ワイヤ41を通過させながら、嵌合部51に導電性ビーズ43を嵌合させることで、より一層、コネクタ50を容易且つ確実に導電性ビーズ43及び導電性ワイヤ41に接続させることができる。特に、コネクタ50が外れ難くなる上、脱着の容易さを備えている。さらに、ボール状の導電性ビーズ43の可動性によって、信号ケーブル31Bの震動により生じるシート型電極11の変形に伴う生体信号の歪みを軽減できる。
【0042】
「
第2参考技術」
次に、
第2参考技術の導電性シートを主に
図5を参照して
第1参考技術との相違部分を中心に説明する。
【0043】
第2参考技術の導電性シート10Cは、
第1参考技術と同様のシート本体13Bを有しており、
第1参考技術とは異なるコネクタ60を有している。
第2参考技術のコネクタ60は、導電性本体部としての信号ケーブル31Cの末端に形成されたループ61と、信号ケーブル31Cに対しスライドすることでループ61を拡縮調節するスライド部材62とを有している。スライド部材62はチューブであり、その内側に信号ケーブル31Cが挿入されていて、信号ケーブル31Cに沿って移動することでループ61のスライド部材62からの露出部分を拡縮する。ループ61は、
図5(a)に示すように最も拡大した状態で、導電性ビーズ43を通過させることが可能な大きさとなっている。ループ61の大きさは、例えば、ループ61を展開した状態で直径5mmから20mm程度の大きさが望ましいが、この数値に特に限定されることはない。また、スライド部材62は、ループを完全に閉じることが可能となっている。
【0044】
ここで、ループ61を含む信号ケーブル31Cは、導電性素材からなるもので、例えば導電性繊維、金属、カーボン製のワイヤである。スライド部材62は、その弾性と信号ケーブル31Cとの摩擦により信号ケーブル31C上の位置を固定することができる。スライド部材62の素材は、例えば、シリコーン樹脂、PVC、ポリ酢酸ビニール、ポリイミド、ラバー等、柔軟で絶縁性を持つ材質であれば、限定されることなく、広く用いることができる。
【0045】
コネクタ60は、
図5(a)に示すようにループ61が拡大された状態で、
図5(b)に示すようにループ61の内側に導電性部材44の導電性ビーズ43を挿入させることで、導電性ビーズ43よりも内側の導電性ワイヤ41に掛けられることなり、この状態で、
図5(c)に示すようにスライド部材62が信号ケーブル31Cの末端に向けてスライドさせられてループ61が縮小すると、ループ61は、導電性ワイヤ41を絞扼するとともに導電性ビーズ43を通過不可として導電性ワイヤ41から抜け止めされ固定される。これにより、コネクタ60は、導電性部材44を介してシート型電極11との電気的導通を得る。また、スライド部材62が上記とは逆にスライドさせられてループ61が拡大すると、ループ61は、導電性ワイヤ41の把持を解除するとともに導電性ビーズ43を通過させることが可能となり、導電性ビーズ43がループ61から抜かれると、シート型電極11との電気的導通が解除される。このようにコネクタ60は、いわゆる係蹄型コネクタであり、導電性部材44のボール状の導電性ビーズ43を着脱自在に接続させる、雌型端子(雌コネクタ)となっている。
【0046】
コネクタ60がシート本体13Bの導電性部材44に接合された状態で、布帛28に沿ってコネクタ60及び信号ケーブル31Cが配置されることになり、コネクタ60及び信号ケーブル31Cの全体の厚みが薄くなる。コネクタ60と、導電性部材44の延出部42および導電性ビーズ43とが、雄雌の着脱部33Cを構成している。この着脱部33Cによって、シート型電極11と外部装置との電気的接続及びその解除がそれぞれワンタッチの操作で可能となり、シート型電極11に容易にアクセス可能となる。
【0047】
以上に述べた
第2参考技術の導電性シート10Cによれば、シート型電極11から延出する導電性ワイヤ41に線径方向に拡大する導電性ビーズ43を設け、導電性ビーズ43及び導電性ワイヤ41にコネクタ60を着脱させることで、外部装置への電気的接続及びその解除を行う。このような構造であるため、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
【0048】
しかも、ループ61を拡大した状態でその内側に導電性ビーズ43を通した後に、スライド部材62でループ61を縮めることで、コネクタ60を導電性部材44に接続させる構造であるため、より一層、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
【0049】
なお、
第1,第2参考技術において、第1実施形態の変形例と同様、布帛28に導電性領域35を設け、この導電性領域35とその表面側の導電性布26との間に導電性部材44の導電性ワイヤ41の一部を配置して、延出部42および導電性ビーズ43を導電性布26の導電性領域35とは反対側に露出させても良い。
【0050】
また、
第1,第2参考技術においては、導電性線状部として、導電性ワイヤ41を例示したが、これにかえて導電性繊維を用いても良い。また、
第1,第2参考技術においては、別体の導電性ビーズ43を導電性ワイヤ41に取り付ける場合を例示したが、導電性ワイヤ41等の導電性線状体に結び目を作って導電性結節部としても良い。
参考技術の導電性シートは、シート型電極と、該シート型電極から延出する導電性線状部と、該導電性線状部から線径方向に拡大する導電性結節部と、を有するシート本体と、前記導電性結節部及び前記導電性線状部の少なくともいずれか一方に着脱自在に接続されるコネクタと、を備えることを特徴とする。
このように、シート型電極から延出する導電性線状部に線径方向に拡大する導電性結節部を設け、導電性結節部及び導電性線状部の少なくともいずれか一方にコネクタを着脱させることで、外部装置への電気的接続及びその解除を行う。このような構造であるため、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
この場合、前記コネクタは、前記導電性結節部を内側に嵌合可能な有底筒状をなし前記導電性線状部が通過可能なスリットが開口側から底側まで形成されてなる嵌合部を有するのが好ましい。
これにより、スリットに導電性線状部を通過させながら、嵌合部に導電性結節部を嵌合させることで、コネクタを容易且つ確実に導電性結節部及び導電性線状部の少なくともいずれか一方に接続させる。このような構造であるため、より一層、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。
また、前記コネクタは、前記導電性結節部が通過可能なループを有する導電性本体部と、該導電性本体部に対しスライドすることで前記ループを拡縮するスライド部材とを有するのが好ましい。
これにより、ループを拡大した状態でその内側に導電性結節部を通した後に、スライド部材でループを縮めることで、コネクタを容易且つ確実に導電性結節部及び導電性線状部の少なくともいずれか一方に接続させる。このような構造であるため、より一層、外部装置への安定した電気的導通と着脱の容易化とを薄型且つ軽量な構造で実現可能となる。