【実施例】
【0041】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの記載によって何ら制限されるものではない。
【0042】
[実施例1]
(トマト搾汁粕からのトマトシドAの抽出)
1−1.抽出溶媒の検討
完熟した加工用トマト果実をブラシ洗浄し、チョッパーで破砕した後、間接式のチューブ型加熱器にて予備加熱を行い、これをパルパーフィニッシャーにて搾汁して搾汁液を得た。搾汁過程で発生した搾汁粕を凍結乾燥し、さらに粉砕してトマト種子を含むトマト搾汁粕の乾燥物を得た。得られた乾燥物20gに、表1に示す各抽出溶媒1,000mLを加え、25℃の温度条件下にて2時間撹拌抽出した後、濾過した。得られた抽出液を減圧下にて濃縮し、トマトシドA抽出物を得た。抽出溶媒としては、10体積%エタノール(水とエタノールの体積比9:1の混合物)、30体積%エタノール(水とエタノールの体積比7:3の混合物)、50体積%エタノール(水とエタノールの体積比5:5の混合物)、70体積%エタノール(水とエタノールの体積比3:7の混合物)、90体積%エタノール(水とエタノールの体積比1:9の混合物)、0.1%酢酸添加した70体積%エタノール(水、エタノール、酢酸の体積比3:7:0.01の混合物)、1%酢酸添加した70体積%エタノール(水、エタノール、酢酸の体積比3:7:0.1の混合物)を用いたときの各抽出物のトマトシドAの相対濃度を表1中に併記した。相対濃度は以下に記載の方法で算出した。
【0043】
相対濃度の算出方法:得られた各抽出液を、常法により、減圧下で濃縮し、逆相系固層抽出カラム(Sep−Pak C18、Waters製)に吸着させた後、水洗浄し、次いでメタノールで溶出させた。得られたメタノール溶出液を再度減圧下で濃縮した試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、逆相系カラム(Capcell Pak C18、4.6mm×150mm、資生堂製)を装着した高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用いて、カラム温度35℃でグラディエント法により分析した。移動相A液は蒸留水、B液はアセトニトリル溶液とし、試料注入量は10μL、検出は蒸発光散乱検出器(型式ELSD−LTII、島津製作所製)により行った。測定後、最も高い抽出効率を示した70体積%エタノールによる抽出濃縮物のトマトシドA含量を100として、各抽出条件のトマトシドAの相対濃度を算出した。
【0044】
表1に示した結果から、トマト種子サポニントマトシドAは、30〜70体積%エタノールを抽出溶媒としたときに十分な抽出効果が得られることが明らかになった。なお、抽出溶媒として用いた水とエタノールの混合液自体のpH測定は困難であったが、抽出溶媒を減圧濃縮してエタノールを除去した後の「濃縮液」のpHは:抽出物試料1〜4で用いた抽出溶媒についてpH4.3;抽出物試料5で用いた抽出溶媒についてpH4.2;抽出物試料6で用いた抽出溶媒についてpH3.4;抽出物試料7で用いた抽出溶媒についてpH2.8であった。濃縮液のpHよりも抽出溶媒のpHが高くなることを考慮すれば、抽出溶媒のpHは強酸性ではないことが望ましく、pH4以上が好ましく、pH5以上がより好ましいと考えられた。また、上記「相対濃度の算出方法」におけるHPLCにおいて、予め作成した既知濃度のトマトシドA標準溶液と比較することにより、トマトシドA濃度を算出したところ、70体積%エタノールを抽出溶媒としたときに得られる抽出物(未乾燥処理)のトマトシドA濃度は、1.3重量%であった。同様の手法を用いて市販のトマトジュース中のトマトシドA含有量を測定したところ検出限界以下であったため、LC/MS法を用いて測定を行った結果、市販のトマトジュース中のトマトシドA含有量は0.0005重量%以下であると考えられた。
【0045】
【表1】
【0046】
1−2.抽出温度の検討
上記1−1で得られたトマト種子を含むトマト搾汁粕の乾燥物20gに、抽出溶媒として70体積%エタノール1,000mLを加え、表2の温度条件下にて2時間撹拌抽出し、濾過した。減圧下にて濃縮し、トマトシドA粗抽出物を得た。各抽出物のトマトシドAの相対濃度を上記1−1と同様の手法で測定し、表2中に併記した。トマトシドAは、70体積%エタノールを抽出溶媒として、室温から40℃程度で最も効率のよい抽出が可能であることが明らかになった。
【0047】
【表2】
【0048】
1−3.抽出時間の検討
上記1−1で得られたトマト種子を含むトマト搾汁粕の乾燥物20gに、抽出溶媒として70体積%エタノール1,000mLを加え、25℃にて表3の時間条件で撹拌抽出し、濾過した。減圧下にて濃縮し、トマトシドA粗抽出物を得た。各抽出物のトマトシドAの相対濃度を表3中に併記した。トマト種子サポニントマトシドAは、70体積%エタノールを抽出溶媒として、室温条件で1時間以上撹拌抽出することで十分な抽出効果が得られることが明らかになった。
【0049】
【表3】
【0050】
1−4.抽出回数の検討
上記1−1で得られたトマト種子を含むトマト搾汁粕の乾燥物20gに、抽出溶媒として70体積%エタノール1,000mLを加え、25℃にて2時間撹拌抽出し、濾過した。濾過後の残渣について、さらに同様の抽出処理を2回行い、得られた全3回の抽出液を各々減圧下にて濃縮し、トマトシドA粗抽出物を得た。各抽出物のトマトシドAの相対濃度を表4中に記した。トマト種子サポニントマトシドAは、70体積%エタノールを抽出溶媒として、室温条件で再抽出を含めて2回の処理で、十分な抽出効果が得られることが明らかになった。
【0051】
【表4】
【0052】
1−5トマトシドA含有調製物の製造
上記1−1〜1−4の結果に基づいて最適化した抽出条件で、トマト種子を含むトマト搾汁粕の乾燥物からトマトシドA含有調製物を製造した。上記1−1で得られたトマト種子を含むトマト搾汁粕の乾燥物20gに、抽出溶媒として70体積%エタノール1000mLを加え、室温下にて2時間撹拌抽出した後、濾過した。濾過後の残渣について、さらに同様の抽出処理を1回行い、得られた全2回の抽出液を合わせて減圧下にて濃縮し、トマトシドA粗抽出物を得た。得られた粗抽出物を逆相系カラムクロマトグラフィー(YMC−ODS−A、YMC製)に吸着させ、水、40体積%メタノール、70体積%メタノール、100体積%メタノールで順次溶出して得た溶出画分を凍結乾燥して、トマトシドAを60重量%含有するトマトシドA含有調製物を得た。
【0053】
[実施例2]
(トマトシドA含有トマトジュースの官能評価)
実施例1−5で得られたトマトシドAを60重量%含有する調製物を、表5に示す量(トマトシドA添加量に換算して0mg〜20mg/100g)添加したトマトジュース(食塩無添加)を作成し、トマト感、コク味及び苦味に関してパネリスト8名による官能評価を行った。トマトシドAを添加しないトマトジュース(対照)のトマト感、コク及び苦味の強さを7段階中4としたときの、各トマトジュースのトマト感、コク及び苦味の強さを7段階で評価し、パネリスト8名の評価の平均を算出した。結果を表5に示す。トマトシドAを添加しても、トマトジュースのトマト感やコク味は損なわれず、トマトシドAを添加しないトマトジュースと比較して遜色ないトマト加工飲食品となった。
【0054】
【表5】
【0055】
[実施例3]
(トマトシドA含有組成物のコレステロール吸着能)
in vitroの系でトマトシドAのコレステロール吸着能を測定した。実施例1−5で得られたトマトシドAを60重量%含有する調製物を表6に示す用量でpH7.5のリン酸緩衝液1mLに分散させ、これに0.5重量%コレステロール(特級コレステロール、和光純薬工業製)のエタノール溶液0.01mLを添加し、良く撹拌した後、37℃で2時間加温した。これを10,000回転、15分間遠心分離し、上清液のコレステロール含量を測定してトマトシドA調製物のコレステロール吸着能を求めた。対照として、pH7.5リン酸緩衝液、及び表6に示す用量の大豆サポニン(一級サポニン、大豆製、和光純薬工業製)を用いた。結果を表6に併記した。トマトシドA調製物は、従来コレステロール低下作用が知られている大豆サポニンと同様に、用量に依存したコレステロール吸着活性を示した。また、トマトシドA精製物を用いて同様にコレステロール吸着能を測定したところ、上記の調製物と同様、コレステロール吸着活性を示した。
【0056】
【表6】
【0057】
[実施例4]
(マウスへのトマトシドA含有組成物の長期投与1)
MF粉末飼料(オリエンタル酵母工業社製)にコレステロール(特級コレステロール、和光純薬工業製)とコール酸ナトリウム(コール酸ナトリウム、和光純薬工業製)を添加した試験飼料を以下の表7に記載の配合で作製し、さらに実施例1−5で得られたトマトシドAを60重量%含む調製物を添加した混餌食(トマトシドAに換算して0.33〜1.0重量%配合)をマウスに投与したときの血中脂質濃度に対する効果を確認した。対象として、大豆サポニンを添加した混餌食をマウスに投与した。
【0058】
5週齢の雄性C57BL6/Jマウス(日本クレア社生産)24匹を、MF粉末飼料で1週間予備飼育した後、各群6匹の対照群1、投与群2〜4の4群に分けた。対照群1、及び投与群2〜4をそれぞれ表7に示した試験飼料で3週間飼育した。飼料は自由摂取により投与した。
【0059】
【表7】
【0060】
試験飼料の投与開始前(0日後)並びに開始後3、7、10、14及び21日後に採血を行い、血清の総コレステロールを測定した。また、投与開始21日後に血清HDLコレステロールと血清中性脂質を測定した。測定は、コレステロールEテストワコー、HDLコレステロールテストワコー、トリグリセライドテストワコー(和光純薬社製)をそれぞれの使用説明書に従って使用して行った。非HDLコレステロール値は、総コレステロール−HDLコレステロールの値を算出して求めた。動脈硬化指数は、(総コレステロール−HDLコレステロール)/HDLコレステロールの値を算出して求めた。血清総コレステロールの測定結果を表8に、非HDLコレステロールの測定結果を表9に、血清トリグリセライドの測定結果を表10に、動脈硬化指数の測定結果を表11に、それぞれ示す。
【0061】
表8に示すように、トマトシドAを60重量%含む調製物を混餌した試験群3及び試験群4の血清総コレステロールは、対照群1及び大豆サポニンを混餌した試験群2に比べて低い値を示した。
表9に示すように、非HDLコレステロール値についても試験群3及び試験群4が対照群1及び試験群2に比べて低い値を示した。なお、表9の結果から、大豆サポニンの投与(試験群2)は非HDLコレステロール量に影響を及ぼさなかったと考えられた。
表10に示すように、血清中性脂質についても試験群3及び試験群4が対照群1及び試験群2に比べて低い値を示した。
さらに表11に示すように、動脈硬化指数についても、試験群3及び試験群4が、対照群1と比べて有意に低い値を示し、試験群2と比べても低い値を示した。
【0062】
これらの結果から、トマトシドAは、コレステロール負荷による血中脂質濃度の上昇を抑制する作用を有し、さらにこの作用に伴い、動脈硬化指数低下作用(動脈硬化のリスクを軽減する作用)も有することが明らかとなった。また、その作用は、従来コレステロール低下作用が知られる大豆サポニンと比較して非常に高いことが明らかになった。
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】
【表11】
【0067】
[実施例5]
(トマトシドA及び/又はトマトジュース組成物のコレステロール吸着能)
in vitroの系でトマトシドAとトマトジュースの組成物によるコレステロール吸着能を測定した。実施例1−5で得られたトマトシドAを60重量%含有する調製物、及び市販の食塩無添加トマトジュースを凍結乾燥して得たトマトジュース乾燥粉末を、それぞれ表12に示す用量でpH7.5のリン酸緩衝液1mLに分散させ、これに0.5重量%コレステロール(特級コレステロール、和光純薬工業製)のエタノール溶液0.01mLを添加し、良く撹拌した後、37℃で2時間加温した。これを10,000回転、15分間遠心分離し、上清液のコレステロール含量を測定してトマトシドA調製物のコレステロール吸着能を求めた。
対照としてpH7.5リン酸緩衝液を用いた。結果を表12に併記した。
トマトシドA調製物とトマトジュース乾燥粉末を混合した場合に、トマトシドA調製物単独の場合と比較してコレステロール吸着活性が向上した。トマトジュース乾燥粉末に含まれる、食物繊維(セルロース、ペクチン)や、トマトシドAとは異なるサポニンが、トマトシドAと同時にコレステロールを吸着したと考えられた。
【0068】
【表12】
【0069】
[実施例6]
(トマトシドA及び/又はトマトジュース組成物のマウスへの長期投与)
MF粉末飼料(オリエンタル酵母工業社製)にコレステロール(特級コレステロール、和光純薬工業製)とコール酸ナトリウム(コール酸ナトリウム、和光純薬工業製)を添加した試験飼料を以下の表13に示す通り作製し、さらに実施例1−5で得られたトマトシドAを60重量%含む調製物、及び市販の食塩無添加トマトジュースを凍結乾燥して得たトマトジュース乾燥粉末を、それぞれ表13に示す用量で添加した混餌食をマウスに投与したときの血中脂質に対する効果を確認した。
【0070】
5週齢の雄性C57BL6/Jマウス(日本クレア社生産)24匹を、MF粉末飼料で1週間予備飼育した後、各群5匹の対照群5及び試験群6〜8の4群に分けた。対照群5及び試験群6〜8をそれぞれ表13に示した試験飼料で2週間飼育した。飼料は自由摂取により投与した。試験飼料の投与開始前(0日後)及び開始後3、9及び14日後に採血を行い、血清の総コレステロールを測定した。測定はコレステロールEテストワコー(和光純薬社製)を用いて行った。
【0071】
血清総コレステロールの測定結果を表14に示す。トマトシドAを60重量%含む調製物を0.034重量%(トマトシドAに換算して0.02重量%)混餌した試験群6、及びトマトジュース乾燥粉末を5重量%混餌した試験群7の血清総コレステロールは、対照群5に比べて低い値を示した。また、トマトシドAを60重量%含む調製物を0.034重量%(トマトシドAに換算して0.02重量%)とトマトジュース凍結粉末5重量%を同時に混餌した試験群8の血清総コレステロールは、投与開始9及び14日後のいずれにおいても、対照群5、試験群6及び7に比べて低い値を示した。トマトシドA調製物及びトマトジュース凍結粉末は、コレステロール負荷による血中脂質濃度の上昇を抑制する作用を有し、トマトシドA調製物とトマトジュース凍結粉末を混合して投与することにより、トマトシドA調製物単独及びトマトジュース乾燥粉末単独の場合と比べて強力な作用を示すことが明らかとなった。
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】
[実施例7]
(マウスへのトマトシドA含有組成物の長期投与2)
MF粉末飼料(オリエンタル酵母工業社製)にコレステロール(特級コレステロール、和光純薬工業製)とコール酸ナトリウム(コール酸ナトリウム、和光純薬工業製)を添加した試験飼料を以下の表15に記載の配合で作製してマウスに投与して、高コレステロール血症マウスとし、続いて実施例1−5で得られたトマトシドAを60重量%含む調製物を試験飼料に添加した混餌食(トマトシドAに換算して0.1重量%配合)をマウスに投与したときの血中脂質濃度に対する効果を確認した。
【0075】
6週齢の雄性C57BL6/Jマウス(日本クレア社生産)15匹を、MF粉末飼料で3日間予備飼育した後、表15に示した高コレステロール試験飼料で1週間飼育して、高コレステロール血症モデルマウスを作製した。このマウスを一群当たりの平均血清コレステロールが均一になるように1群5匹の対照群9、対照群10及び試験群11に分け、各群についてそれぞれ表16に示した試験飼料で3週間飼育した。飼料は自由摂取により投与した。
【0076】
【表15】
【0077】
【表16】
【0078】
試験飼料の投与開始前(0日後)並びに開始後7、14及び21日後に採血を行い、血清の総コレステロールを測定した。また、投与開始0及び21日後に血清HDLコレステロールを測定した。投与開始21日後に各マウスの肝臓を摘出して、肝臓中の総脂質をFolch法により抽出し、総コレステロールを測定した。測定は、コレステロールEテストワコー、HDLコレステロールテストワコー及びトリグリセライドEテストワコー(和光純薬社製)をそれぞれの使用説明書に従って使用して行った。非HDLコレステロール値は、総コレステロール−HDLコレステロールの値を算出して求めた。動脈硬化指数は、(総コレステロール−HDLコレステロール)/HDLコレステロールの値を算出して求めた。血清総コレステロールの測定結果を表17に、非HDLコレステロールの測定結果を表18に、動脈硬化指数の測定結果を表19に、肝臓総コレステロールの測定結果を表20に、それぞれ示す。
【0079】
表17に示すように、トマトシドAを60重量%含む調製物を混餌した試験群11の血清総コレステロールは、投与開始前の値より低下し、投与開始21日後には有意に低い値を示した。また、高コレステロール飼料から通常飼料に移行させた対照群10の血清コレステロールと同等の値となった。表18に示すように、投与開始21日後の非HDLコレステロール値は、対照群10及び試験群11が、対照群9に比べて有意に低い値を示した。また、総コレステロールに占めるHDLコレステロール比は、対照群10及び試験群11が、対照群9に比べて高い値を示した。さらに表19に示すように、動脈硬化指数も、対照群10及び試験群11が、対照群9と比べて有意に低い値であった。
【0080】
これらの結果から、トマトシドAは、コレステロール負荷によって引き起こされた高コレステロール血症を改善し、動脈硬化のリスクを軽減する作用を有することが明らかとなった。
【0081】
表20に示すように、トマトシドAを60重量%含む調製物を混餌した試験群11の肝中コレステロール蓄積量は、対照群9と比較して有意に低い値を示した。この結果から、トマトシドAは、コレステロール負荷による肝臓へのコレステロールの蓄積を予防する作用を有することが明らかとなった。
【0082】
【表17】
【0083】
【表18】
【0084】
【表19】
【0085】
【表20】
【0086】
[実施例8]
(トマトシドAを含有するトマト加工飲食品の製造)
以下にトマトシドAを原料の一部として使用するトマト加工飲食品の製造例を示す。
【0087】
製造例1.トマトジュース
シーズンパックトマトジュースの製造方法には、トマト洗浄、選別、破砕、加熱、搾汁、調合、脱気、殺菌、充填、冷却及び箱詰め工程があり、この調合工程で、搾汁したトマトジュースにトマトシドAを添加して調合し、有塩の場合のみ食塩が加えられ、窒素ガスを混合して減圧脱気して、溶存酸素濃度を3ppm以下とした後、121℃、約1分の加熱殺菌をして、90℃まで冷却され、缶に充填される。また、濃縮還元品の製造法は、開けだし工程で、トマト濃縮物を開けだし、規定の無塩可溶性固形分(4.5以上)に水希釈する。その後、トマトシドAを添加して調合し、脱気、殺菌、充填、冷却及び箱詰め工程を経て製造される。
【0088】
【表21】
【0089】
2.野菜ミックスジュース
搾汁したトマトジュース、あるいは、トマト濃縮物を規定の無塩可溶性固形分(4.5以上)に水希釈して得たトマトジュースに、各種野菜汁及びトマトシドAを添加して調合し、脱気、殺菌、充填、冷却及び箱詰め工程を経て製造される。
【0090】
【表22】
【0091】
3.トマトソース
以下の表に示す全原材料を混合して、窒素ガスを混合して減圧脱気して溶存酸素濃度を3ppm以下とした後、2号缶に充填し、110℃、30分のレトルト殺菌をする。
【0092】
【表23】