(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、リウマチ性関節炎、多発性硬化症または乾癬の予防・治療剤を製造するための、請求項1記載の化合物またはその塩の使用。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】マウスにおける抗CD3抗体刺激による大腸でのIL−17A遺伝子発現への実施例14化合物の作用を示す図である。
【
図2】マウスにおける抗CD3抗体刺激による大腸でのIFN−γ遺伝子発現への実施例14化合物の作用を示す図である。
【
図3】ラットEAEモデルにおけるリンパ節でのIL−17A遺伝子発現への実施例14化合物の作用を示す図である。
【0055】
[発明の詳細な説明]
以下に本発明について詳細に説明する。
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいシクロアルケニル基等が挙げられる。
【0056】
本明細書中、「置換されていてもよいアルキル基」としては、
(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
(ii)シアノ基、
(iii)水酸基、
(iv)ニトロ基、
(v)ホルミル基、
(vi)アミノ基、
(vii)モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ等)、
(viii)C
1−6アルキル−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ等)、
(ix)C
1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ等)、
(x)ベンゼン環と縮合していてもよいC
3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、
(xi)ベンゼン環と縮合していてもよいC
3−8シクロアルケニル基(例、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、
(xii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)およびC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
6−14アリール基(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、
(xiii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)、
(xiv)C
7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ等)、
(xv)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ等)、C
1−6アルキル基(例、メチル等)およびハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ等)、
(xvi)カルボキシル基、
(xvii)C
1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、
(xviii)C
7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル等)、
(xix)C
6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル等)、
(xx)C
1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、2,2−ジメチルプロピルカルボニル等)、
(xxi)C
3−8シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、
(xxii)C
7−16アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル等)、
(xxiii)カルバモイル基、
(xxiv)チオカルバモイル基、
(xxv)モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル等)、
(xxvi)モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基(例、ベンジルカルバモイル、ジベンジルカルバモイル等)、
(xxvii)チオール基、
(xxviii)C
1−6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等)、
(xxix)C
7−16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ等)、
(xxx)C
1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル等)、
(xxxi)C
3−8シクロアルキルスルホニル基(例、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル等)、
(xxxii)C
6−14アリールスルホニル基(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、
(xxxiii)C
7−16アラルキルスルホニル基(例、ベンジルスルホニル等)、
(xxxiv)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の非芳香族複素環基(例、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等)、該非芳香族複素環基は、C
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよい、
(xxxv)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等)、該芳香族複素環基は、ハロゲン原子(例、塩素原子等)またはC
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよく、また、ベンゼン環と縮合していてもよい(例、ベンゾチエニル等)、
(xxxvi)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の非芳香族複素環−カルボニル基(例、ピロリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル、テトラヒドロチエニルカルボニル、ピペリジルカルボニル、テトラヒドロピラニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、チオモルホリニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル等)、
(xxxvii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の芳香族複素環−カルボニル基(例、フリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピロリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、イソオキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、イソチアゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、ピラゾリルカルボニル、1,2,3−オキサジアゾリルカルボニル、1,2,4−オキサジアゾリルカルボニル、1,3,4−オキサジアゾリルカルボニル、フラザニルカルボニル、1,2,3−チアジアゾリルカルボニル、1,2,4−チアジアゾリルカルボニル、1,3,4−チアジアゾリルカルボニル、1,2,3−トリアゾリルカルボニル、1,2,4−トリアゾリルカルボニル、テトラゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、ピリダジニルカルボニル、ピリミジニルカルボニル、ピラジニルカルボニル、トリアジニルカルボニル等)、
(xxxviii)ウレイド基、
(xxxix)C
1−6アルキル−ウレイド基(例、メチルウレイド、エチルウレイド、プロピルウレイド等)、
(xxxx)C
6−14アリール−ウレイド基(例、フェニルウレイド、1−ナフチルウレイド、2−ナフチルウレイド等)、
(xxxxi)C
1−4アルキレンジオキシ基(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ等)、
(xxxxii)アミノスルホニル基、
(xxxxiii)モノ-N-C
1−6アルキルアミノスルホニル基(例、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル等)、
(xxxxiv)ジ−N,N−C
1−6アルキルアミノスルホニル基(例、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル等)、
(xxxxv)C
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよい橋かけ式のC
7−10シクロアルキル基(例、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、アダマンチル等)、
(xxxxvi)C
6−14アリールチオ基(例、フェニルチオ等)
等から選ばれる置換基を有していてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)が挙げられ、置換基の数は1ないし4個、好ましくは1ないし3個である。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0057】
本明細書中、「置換されていてもよいアルケニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
2−6アルケニル基(例、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
2−6アルキニル基(例、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニル等)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0058】
本明細書中、「置換されていてもよいアラルキル基」としては、
(i)上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基、
(ii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、C
6−14アリールスルホニル基および複素環基(例、モルホリニル、ピリジル、イミダゾピリジル、ベンゾイミダゾリル等)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)、
(iii)C
7−16アラルキル基(例、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等)、
(iv)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の芳香族複素環−オキシ基(例、フリルオキシ、チエニルオキシ、ピロリルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、1,2,3−オキサジアゾリルオキシ、1,2,4−オキサジアゾリルオキシ、1,3,4−オキサジアゾリルオキシ、フラザニルオキシ、1,2,3−チアジアゾリルオキシ、1,2,4−チアジアゾリルオキシ、1,3,4−チアジアゾリルオキシ、1,2,3−トリアゾリルオキシ、1,2,4−トリアゾリルオキシ、テトラゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリダジニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピラジニルオキシ、トリアジニルオキシ等)、
等を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
7−12アラルキル基(例、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル等)が挙げられる。本明細書中の「置換されていてもよいアラルキル基」の置換基は、アラルキル基のアリール部および/またはアルキレン部に有していてもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0059】
本明細書中、「置換されていてもよいアリール基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
6−14アリール基(例、フェニル、ナフチル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルキル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。なお、「置換されていてもよいシクロアルキル基」の置換基同士が結合して環(シクロアルカン環(シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等のC
3−6シクロアルカン環)、アレーン環(ベンゼン環、ナフタレン環等のC
6−10アレーン環))を形成していてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルケニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
3−8シクロアルケニル基(例、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。なお、「置換されていてもよいシクロアルケニル基」の置換基同士が結合して環(シクロアルカン環(シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等のC
3−6シクロアルカン環)、アレーン環(ベンゼン環、ナフタレン環等のC
6−10アレーン環))を形成していてもよい。
【0060】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素−オキシ基」としては、置換されていてもよい炭化水素部分が上記で定義した「置換されていてもよい炭化水素基」である炭化水素−オキシ基が挙げられる。
【0061】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素−アミノ基」としては、上記で定義した「置換されていてもよい炭化水素基」でモノまたはジ置換されたアミノ基が挙げられる。ジ置換されている場合、2個の「置換されていてもよい炭化水素基」は同一であっても異なっていてもよい。
【0062】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素−スルファニル基」としては、置換されていてもよい炭化水素部分が上記で定義した「置換されていてもよい炭化水素基」である炭化水素−スルファニル基が挙げられる。
【0063】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素−スルフェニル基」としては、置換されていてもよい炭化水素部分が上記で定義した「置換されていてもよい炭化水素基」である炭化水素−スルフェニル基が挙げられる。
【0064】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素−スルホニル基」としては、置換されていてもよい炭化水素部分が上記で定義した「置換されていてもよい炭化水素基」である炭化水素−スルホニル基が挙げられる。
【0065】
本明細書中、「アシル基」としては、「置換されていてもよいアルキルカルボニル基」、「置換されていてもよいアルケニルカルボニル基」、「置換されていてもよいアルキニルカルボニル基」、「置換されていてもよいアラルキルカルボニル基」、「置換されていてもよいアリールカルボニル基」、「置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル基」、「置換されていてもよいアルコキシカルボニル基」、「置換されていてもよいアルケニルオキシカルボニル基」、「置換されていてもよいアルキニルオキシカルボニル基」、「置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」、「置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基」、「置換されていてもよいシクロアルキルオキシカルボニル基」および「カルボキシル基」等が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキルカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
1−6アルキル−カルボニル基(例、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルケニルカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
2−6アルケニル−カルボニル基(例、ビニルカルボニル、1−プロペニルカルボニル、アリルカルボニル、イソプロペニルカルボニル、ブテニルカルボニル、イソブテニルカルボニル等)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキニルカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
2−6アルキニル−カルボニル基(例、エチニルカルボニル、プロパルギルカルボニル、ブチニルカルボニル、1−ヘキシニルカルボニル等)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0066】
本明細書中、「置換されていてもよいアラルキルカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
7−12アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル、2−フェニルエチルカルボニル、1−フェニルエチルカルボニル、3−フェニルプロピルカルボニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアリールカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
6−14アリール−カルボニル基(例、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
3−8シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0067】
本明細書中、「置換されていてもよいアルコキシカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシロキシカルボニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルケニルオキシカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
2−6アルケニル−オキシカルボニル基(例、ビニルオキシカルボニル、1−プロペニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、イソプロペニルオキシカルボニル、ブテニルオキシカルボニル、イソブテニルオキシカルボニル等)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキニルオキシカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
2−6アルキニル−オキシカルボニル基(例、エチニルオキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ブチニルオキシカルボニル、1−ヘキシニルオキシカルボニル等)等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0068】
本明細書中、「置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
7−12アラルキル−オキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、2−フェニルエチルオキシカルボニル、1−フェニルエチルオキシカルボニル、3−フェニルプロピルオキシカルボニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
6−14アリール−オキシカルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルキルオキシカルボニル基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアラルキル基」のアラルキル基が有していてもよい置換基を1ないし4個、好ましくは1ないし3個有していてもよいC
3−8シクロアルキル−オキシカルボニル基(例、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0069】
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0070】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素環」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」、「置換されていてもよいシクロアルケニル基」に相当する「置換されていてもよいアレーン環」、「置換されていてもよいシクロアルカン環」、「置換されていてもよいシクロアルケン環」等が挙げられる。
また、本明細書中、「炭化水素環」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」、「置換されていてもよいシクロアルケニル基」における「アリール基」、「シクロアルキル基」、「シクロアルケニル基」に相当する「アレーン環」、「シクロアルカン環」、「シクロアルケン環」等が挙げられる。
【0071】
本明細書中、「シアノ以外の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアリール基」のアリール基が有していてもよい置換基、置換されていてもよい炭化水素基等が挙げられる。置換基の数は、好ましくは1ないし4個、より好ましくは1ないし3個、さらにより好ましくは1または2個である。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0072】
本明細書中、「さらなる置換基を有していてもよいベンゼン環」および「さらなる置換基を有していてもよいピリジン環」の「置換基」としては、上記で定義した「置換されていてもよいアリール基」のアリール基が有していてもよい置換基、置換されていてもよい炭化水素基等が挙げられる。置換基の数は、好ましくは1ないし4個、より好ましくは1ないし3個、さらにより好ましくは1または2個である。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0073】
以下、式(I’)中の各記号の定義について詳述する。
R
1Aは、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素−オキシ基を示す。
R
1Aで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、
(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
(ii)シアノ基、
(iii)水酸基、
(iv)ニトロ基、
(v)ホルミル基、
(vi)アミノ基、
(vii)モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ等)、
(viii)C
1−6アルキル−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ等)、
(ix)C
1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ等)、
(x)ベンゼン環と縮合していてもよいC
3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、
(xi)ベンゼン環と縮合していてもよいC
3−8シクロアルケニル基(例、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、
(xii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)およびC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
6−14アリール基(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、
(xiii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等)、
(xiv)C
7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ等)、
(xv)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ等)、C
1−6アルキル基(例、メチル等)およびハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ等)、
(xvi)C
1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、
(xvii)C
7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル等)、
(xviii)C
6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル等)、
(xix)C
1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、2,2−ジメチルプロピルカルボニル等)、
(xx)C
3−8シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、
(xxi)C
7−16アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル等)、
(xxii)カルバモイル基、
(xxiii)チオカルバモイル基、
(xxiv)モノ−またはジ−C
1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル等)、
(xxv)モノ−またはジ−C
7−16アラルキル−カルバモイル基(例、ベンジルカルバモイル、ジベンジルカルバモイル等)、
(xxvi)チオール基、
(xxvii)C
1−6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等)、
(xxiii)C
7−16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ等)、
(xxix)C
1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル等)、
(xxx)C
3−8シクロアルキルスルホニル基(例、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル等)、
(xxxi)C
6−14アリールスルホニル基(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、
(xxxii)C
7−16アラルキルスルホニル基(例、ベンジルスルホニル等)、
(xxxiii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の非芳香族複素環基(例、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等)、該非芳香族複素環基は、C
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよい、
(xxxiv)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等)、該芳香族複素環基は、ハロゲン原子(例、塩素原子等)またはC
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよく、また、ベンゼン環と縮合していてもよい(例、ベンゾチエニル等)、
(xxxv)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の非芳香族複素環−カルボニル基(例、ピロリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル、テトラヒドロチエニルカルボニル、ピペリジルカルボニル、テトラヒドロピラニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、チオモルホリニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル等)、
(xxxvi)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5ないし8員の芳香族複素環−カルボニル基(例、フリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピロリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、イソオキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、イソチアゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、ピラゾリルカルボニル、1,2,3−オキサジアゾリルカルボニル、1,2,4−オキサジアゾリルカルボニル、1,3,4−オキサジアゾリルカルボニル、フラザニルカルボニル、1,2,3−チアジアゾリルカルボニル、1,2,4−チアジアゾリルカルボニル、1,3,4−チアジアゾリルカルボニル、1,2,3−トリアゾリルカルボニル、1,2,4−トリアゾリルカルボニル、テトラゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、ピリダジニルカルボニル、ピリミジニルカルボニル、ピラジニルカルボニル、トリアジニルカルボニル等)、
(xxxvii)ウレイド基、
(xxxviii)C
1−6アルキル−ウレイド基(例、メチルウレイド、エチルウレイド、プロピルウレイド等)、
(xxxix)C
6−14アリール−ウレイド基(例、フェニルウレイド、1−ナフチルウレイド、2−ナフチルウレイド等)、
(xxxx)C
1−4アルキレンジオキシ基(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ等)、
(xxxxi)アミノスルホニル基、
(xxxxii)モノ−N−C
1−6アルキルアミノスルホニル基(例、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル等)、
(xxxxiii)ジ−N,N−C
1−6アルキルアミノスルホニル基(例、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル等)、
(xxxxiv)C
1−6アルキル基(例、メチル等)で置換されていてもよい橋かけ式のC
7−10シクロアルキル基(例、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、アダマンチル等)、および
(xxxxv)C
6−14アリールチオ基(例、フェニルチオ等)
等から選ばれる置換基を有していてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)が好ましく、置換基の数は1ないし4個、好ましくは1ないし3個である。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0074】
R
1Aとしては、上記(i)〜(xxxxv)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソブチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソブチル)がより好ましく、メチル、エチル、プロピルまたはイソブチルが特に好ましい。
【0075】
R
2AおよびR
3Aは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素−オキシ基、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよい炭化水素−アミノ基、置換されていてもよい炭化水素−スルファニル基、置換されていてもよい炭化水素−スルフェニル基、置換されていてもよい炭化水素−スルホニル基またはニトロ基を示すか、またはR
2AとR
3Aとが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよい炭化水素環を形成していてもよい。
【0076】
R
2AおよびR
3Aで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、R
1Aとして好ましい「置換されていてもよい炭化水素基」と同様の基が好ましい。
【0077】
R
2AおよびR
3Aとしては、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、水素原子またはR
1Aの「置換されていてもよい炭化水素基」が有していてもよい置換基として挙げられる(i)〜(xxxxv)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、水素原子またはC
1−6アルキル基(例、メチル)がさらにより好ましく、水素原子またはメチルが特に好ましい。
【0078】
また、R
2AとR
3Aとは、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよいアレーン環(例、ベンゼン環)または置換されていてもよいシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しているのが好ましく、アレーン環(例、ベンゼン環)またはシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しているのがより好ましく、ベンゼン環またはシクロへキセン環を形成しているのが特に好ましい。
【0079】
別の態様では、R
2AおよびR
3Aが、それぞれ独立してC
1−6アルキル基を示すか、またはR
2AとR
3Aとが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよい炭化水素環を形成するのが好ましい。
【0080】
R
5Aは、水素原子またはハロゲン原子を示す。
R
5Aとしては、水素原子または塩素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0081】
Q’は、
【0082】
【化23】
【0083】
(式中、[A
1]は、同一又は異なってヒドロキシ基、フェニル基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を、[A
2]は、同一又は異なってヒドロキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を示し、該[A
1]もしくは該[A
2]において隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって置換されていてもよい炭化水素環を形成してもよく、R
4AおよびR
4Bは、同一又は異なって、置換されていてもよい炭化水素基を示し、X’は酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよい炭化水素基もしくは水素原子を有するイミノ基を示し、nは1〜5の整数を示し、n’は1〜4の整数を示し、n’’は1〜3の整数を示し、x’およびy’はそれぞれ0もしくは自然数を示し、その和は0から4である。)から選ばれる二価の基を示す。
【0084】
上記[A
1]または[A
2]の定義における「同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基」とは、例えば、
【0085】
【化24】
【0086】
で表されるメチレン基であり、「該[A
1]もしくは該[A
2]において隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって置換されていてもよい炭化水素環を形成してもよく」とは、例えば、
【0087】
【化25】
【0088】
で表される基を示す。
【0089】
なお、式(I’)において、Q’で示される二価の基は、2本の結合手のうち、右側の結合手が環Bに結合している態様および左側の結合手が環Bに結合している態様のいずれであってもよいが、右側の結合手が環Bに結合している態様が好ましい。
Q’としては、
【0090】
【化26】
【0091】
(式中、[A
1]は、同一又は異なってヒドロキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を、[A
2]は、同一又は異なってヒドロキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を示し、該[A
1]もしくは該[A
2]において隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって置換されていてもよい炭化水素環を形成してもよく、その他の記号は上記と同意義を示す。)から選ばれる二価の基が好ましい。
【0092】
別の態様では、Q’としては、
【0093】
【化27】
【0094】
(式中、[A
1]は、同一又は異なってヒドロキシ基、フェニル基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を、[A
2]は、同一又は異なってヒドロキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を示し、該[A
1]もしくは該[A
2]において隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって置換されていてもよい炭化水素環を形成してもよく、nは1〜5の整数を示し、x’およびy’はそれぞれ0もしくは自然数を示し、その和は0から4である。)から選ばれる二価の基が好ましい。
【0095】
(a)Q’が(I’a)の場合:nは、好ましくは2〜4の整数である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、フェニル基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、フェニル基またはC
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、フェニルまたはメチルが特に好ましい。また、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロペンタン環)を形成しているのが好ましく、シクロペンタン環を形成しているのが特に好ましい。さらに、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、置換されていてもよいシクロアルカン環(例、シクロプロパン環、シクロブタン環)を形成しているのが好ましく、シクロアルカン環(例、シクロプロパン環、シクロブタン環)を形成しているのがより好ましく、シクロプロパン環またはシクロブタン環を形成しているのが特に好ましい。
【0096】
(b)Q’が(I’b)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。R
4AおよびR
4Bとしては、同一又は異なって、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0097】
(c)Q’が(I’c)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。R
4Aとしては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、または置換されていてもよいC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)が好ましく、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、またはC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)がより好ましく、メトキシプロピルまたはベンジルが特に好ましい。
【0098】
(d)Q’が(I’d)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0099】
(e)Q’が(I’e)の場合:n’は、好ましくは2である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0100】
(f)Q’が(I’f)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル、エチル)がより好ましく、メチルまたはエチルが特に好ましい。別の態様では、[A
1]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。
【0101】
(g)Q’が(I’g)の場合:n’は、好ましくは2である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0102】
(h)Q’が(I’h)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0103】
(i)Q’が(I’i)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0104】
(j)Q’が(I’j)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、ヒドロキシ基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、ヒドロキシ基またはC
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、ヒドロキシまたはメチルが特に好ましい。別の態様では、[A
1]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。
【0105】
(k)Q’が(I’k)の場合:nは、好ましくは3である。[A
1]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。R
4Aとしては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)が好ましく、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)がより好ましく、エチルまたはメトキシプロピルが特に好ましい。
【0106】
(l)Q’が(I’l)の場合:X’は、硫黄原子(すなわち、Q’が(I’l’)の場合)、または、C
1−6アルキル基(例、メチル)もしくは水素原子を有するイミノ基が好ましく、硫黄原子またはC
1−6アルキル基(例、メチル)を有するイミノ基が特に好ましい。[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。x’およびy’は、好ましくはそれぞれ1である。
【0107】
(m)Q’が(I’m)の場合:[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。x’およびy’は、好ましくはそれぞれ1である。
【0108】
(n)Q’が(I’n)の場合:[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。x’およびy’は、好ましくはそれぞれ1である。
【0109】
(o)Q’が(I’o)の場合:n’’は、好ましくは1である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0110】
(p)Q’が(I’p)の場合:n’は、好ましくは2である。[A
1]で示されるメチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0111】
環B’は、さらなる置換基を有していてもよいベンゼン環、または、さらなる置換基を有していてもよいピリジン環を示し、但し、R
5Aがハロゲン原子のとき、環B’はさらなる置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。
【0112】
環B’で示される「さらなる置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、ハロゲン原子、シアノ基、C
1−6アルコキシ基または置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子、シアノ基、C
1−6アルコキシ基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基がより好ましく、ハロゲン原子(例、塩素原子)、シアノ基、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)または1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)がさらにより好ましく、塩素原子、シアノ、メトキシ、メチルまたはトリフルオロメチルが特に好ましい。別の態様では、「さらなる置換基を有していてもよいベンゼン環」は、好ましくは、さらなる置換基を有していない。
【0113】
環B’で示される「さらなる置換基を有していてもよいピリジン環」の「置換基」としては、置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、置換されていてもよいC
1−6アルキル基がより好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がさらにより好ましく、メチルが特に好ましい。別の態様では、「さらなる置換基を有していてもよいピリジン環」は、好ましくは、さらなる置換基を有していない。
【0114】
本明細書中で説明される環、基、置換基などの好ましい例は、より好ましくは、組み合わせて用いられる。
【0115】
好適な化合物(I’)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1Aが、置換されていてもよいC
1−6アルキル基であり;
R
2AおよびR
3Aが、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基であるか、または
R
2AとR
3Aとが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよいアレーン環または置換されていてもよいシクロアルケン環を形成しており;
R
5Aが、水素原子またはハロゲン原子であり;
Q’が、
(I’a):nが2〜4の整数であり、[A
1]で示されるメチレン基がフェニル基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、置換されていてもよいシクロアルカン環を形成している;
(I’b):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよく、R
4AおよびR
4Bが、同一又は異なって、置換されていてもよいC
1−6アルキル基である;
(I’c):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよく、R
4Aが、置換されていてもよいC
1−6アルキル基または置換されていてもよいC
7−12アラルキル基である;
(I’d):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’e):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’f):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であるか、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’g):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’h):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’i):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’j):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がヒドロキシ基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(I’k):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であり、R
4Aが、置換されていてもよいC
1−6アルキル基である;
(I’l):X’が硫黄原子または、C
1−6アルキル基もしくは水素原子を有するイミノ基であり、[A
1]または[A
2]で示されるメチレンが無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’m):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’n):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’o):n’’が1であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;および
(I’p):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
から選ばれる二価の基であり;
環B’が、(1)ハロゲン原子、シアノ基、C
1−6アルコキシ基および置換されていてもよい炭化水素基から選ばれるさらなる置換基を有していてもよいベンゼン環、または(2)置換されていてもよい炭化水素基を有していてもよいピリジン環である;
化合物。
【0116】
より好適な化合物(I’)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1Aが、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソブチル)であり;
R
2AおよびR
3Aが、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であるか、または
R
2AとR
3Aとが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよいアレーン環(例、ベンゼン環)または置換されていてもよいシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しており;
R
5Aが、水素原子またはハロゲン原子(例、塩素原子)であり;
Q’が、
(I’a):nが2〜4の整数であり、[A
1]で示されるメチレン基がフェニル基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロペンタン環)を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、置換されていてもよいシクロアルカン環(例、シクロプロパン環、シクロブタン環)を形成している;
(I’b):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4AおよびR
4Bが、同一又は異なって、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)である;
(I’c):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4Aが、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、または置換されていてもよいC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)である;
(I’d):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’e):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’f):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であるか、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル)で置換されていてもよい;
(I’g):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’h):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’i):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’j):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がヒドロキシ基または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’k):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であり、R
4Aが、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)である;
(I’l):X’が硫黄原子または、C
1−6アルキル基(例、メチル)もしくは水素原子を有するイミノ基であり、[A
1]または[A
2]で示されるメチレンが無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’m):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’n):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’o):n’’が1であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;および
(I’p):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
から選ばれる二価の基であり;
環B’が、(1)ハロゲン原子、シアノ基、C
1−6アルコキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれるさらなる置換基を有していてもよいベンゼン環、または(2)置換されていてもよいC
1−6アルキル基を有していてもよいピリジン環である;
化合物。
【0117】
さらにより好適な化合物(I’)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1Aが、C
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソブチル)であり;
R
2AおよびR
3Aが、それぞれ独立して、水素原子またはC
1−6アルキル基(例、メチル)であるか、または
R
2AとR
3Aとが、それらが結合する炭素原子と一緒に、アレーン環(例、ベンゼン環)またはシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しており;
Q’が、
(I’a):nが2〜4の整数であり、[A
1]で示されるメチレン基がフェニル基またはC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロペンタン環)を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロプロパン環、シクロブタン環)を形成している;
(I’b):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4AおよびR
4Bが、同一又は異なって、C
1−6アルキル基(例、メチル)である;
(I’c):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4Aが、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、またはC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)である;
(I’d):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’e):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’f):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であるか、またはC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル)で置換されていてもよい;
(I’g):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’h):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’i):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’j):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がヒドロキシ基またはC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(I’k):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であり、R
4Aが、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)である;
(I’l):X’が硫黄原子または、C
1−6アルキル基(例、メチル)を有するイミノ基であり、[A
1]または[A
2]で示されるメチレンが無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’m):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’n):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’o):n’’が1であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;および
(I’p):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
から選ばれる二価の基であり;
環B’が、(1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、シアノ基、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)から選ばれるさらなる置換基を有していてもよいベンゼン環、または(2)C
1−6アルキル基(例、メチル)を有していてもよいピリジン環である;
化合物。
【0118】
特に好適な化合物(I’)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1Aが、メチル、エチル、プロピルまたはイソブチルであり;
R
2AおよびR
3Aが、それぞれ水素原子またはメチルであるか、または
R
2AとR
3Aとが、それらが結合する炭素原子と一緒に、ベンゼン環またはシクロへキセン環を形成しており;
Q’が、
(I’a):nが2〜4の整数であり、[A
1]で示されるメチレン基がフェニルまたはメチルで置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロペンタン環を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、シクロプロパン環またはシクロブタン環を形成している;
(I’b):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよく、R
4AおよびR
4Bがメチルである;
(I’c):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよく、R
4Aがメトキシプロピルまたはベンジルである;
(I’d):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(I’e):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(I’f):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であるか、あるいはメチルまたはエチルで置換されていてもよい;
(I’g):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(I’h):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(I’i):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(I’j):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基がヒドロキシまたはメチルで置換されていてもよい;
(I’k):nが3であり、[A
1]で示されるメチレン基が無置換であり、R
4Aがエチルまたはメトキシプロピルである;
(I’l):X’が硫黄原子または、メチルを有するイミノ基であり、[A
1]または[A
2]で示されるメチレンが無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’m):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’n):[A
1]または[A
2]で示されるメチレン基が無置換であり、x’およびy’がそれぞれ1である;
(I’o):n’’が1であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;および
(I’p):n’が2であり、[A
1]で示されるメチレン基がメチルで置換されていてもよい;
から選ばれる二価の基であり;
環B’が、(1)塩素原子、シアノ、メトキシ、メチルおよびトリフルオロメチルから選ばれるさらなる置換基を有していてもよいベンゼン環、または(2)メチルを有していてもよいピリジン環である;
化合物。
【0119】
上記化合物(I’)の具体例としては、実施例の化合物が挙げられ、なかでも、
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)−3−メチルペンタンジアミドまたはその塩(実施例4)、
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミドまたはその塩(実施例14)、または
N−{4−[(3−クロロ−4−シアノフェニル)アミノ]−2−メチル−4−オキソブチル}−9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボキサミドまたはその塩(実施例48)
が好ましい。
【0120】
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
R
1は、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素−オキシ基を示す。
R
1としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル、イソブチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル、イソブチル)がより好ましく、エチル、プロピルまたはイソブチルが特に好ましい。
【0121】
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素−オキシ基、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよい炭化水素−アミノ基、置換されていてもよい炭化水素−スルファニル基、置換されていてもよい炭化水素−スルフェニル基、置換されていてもよい炭化水素−スルホニル基またはニトロ基を示すか、またはR
2とR
3とが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよい炭化水素環を形成していてもよい。
R
2およびR
3としては、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がさらにより好ましく、メチルが特に好ましい。
また、R
2とR
3とは、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよいアレーン環(例、ベンゼン環)または置換されていてもよいシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しているのが好ましく、アレーン環(例、ベンゼン環)またはシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しているのがより好ましく、ベンゼン環またはシクロへキセン環を形成しているのが特に好ましい。
【0122】
Qは、
【0123】
【化28】
【0124】
(式中、[A]は、同一又は異なってヒドロキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を、[A’]は、同一又は異なってヒドロキシ基および置換されていてもよいC
1−6アルキル基から選ばれる置換基で置換されていてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって炭化水素環を形成していてもよいメチレン基を示し、該[A]もしくは該[A’]において隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって置換されていてもよい炭化水素環を形成してもよく、R
4およびR
4’は、同一又は異なって、置換されていてもよい炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよい炭化水素基もしくは水素原子を有するイミノ基を示し、xおよびyはそれぞれ0もしくは自然数を示し、その和は0から4である。)から選ばれる二価の基を示す。
Qは、好ましくは、
【0125】
【化29】
【0126】
(式中、各記号は上記で定義した通りである。)である。
【0127】
(a)Qが(Ia)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは2〜4個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。また、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロペンタン環)を形成しているのが好ましく、シクロペンタン環を形成しているのが特に好ましい。さらに、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、置換されていてもよいシクロアルカン環(例、シクロプロパン環)を形成しているのが好ましく、シクロアルカン環(例、シクロプロパン環)を形成しているのがより好ましく、シクロプロパン環を形成しているのが特に好ましい。
【0128】
(b)Qが(Ib)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。R
4およびR
4’としては、同一又は異なって、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0129】
(c)Qが(Ic)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。R
4としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、または置換されていてもよいC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)が好ましく、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、またはC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)がより好ましく、メトキシプロピルまたはベンジルが特に好ましい。
【0130】
(d)Qが(Id)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0131】
(e)Qが(Ie)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは2個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0132】
(f)Qが(If)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン
基は、好ましくは無置換である。
【0133】
(g)Qが(Ig)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは2個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0134】
(h)Qが(Ih)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0135】
(i)Qが(Ii)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基の置換基としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、C
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、メチルが特に好ましい。
【0136】
(j)Qが(Ij)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基の置換基としては、無置換であるか、またはヒドロキシ基、もしくは置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)が好ましく、無置換、ヒドロキシ基、またはC
1−6アルキル基(例、メチル)がより好ましく、無置換、ヒドロキシまたはメチルが特に好ましい。
【0137】
(k)Qが(Ik)の場合:[A]で示されるメチレン基の数は、好ましくは3個である。該メチレン基は、好ましくは無置換である。R
4としては、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)が好ましく、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)がより好ましく、エチルまたはメトキシプロピルが特に好ましい。
【0138】
(l)Qが(Il)の場合:Xは、硫黄原子(すなわち、Qが(Il’)の場合)、または、C
1−6アルキル基(例、メチル)もしくは水素原子を有するイミノ基が好ましく、硫黄原子またはC
1−6アルキル基(例、メチル)を有するイミノ基が特に好ましい。[A]または[A’]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。xおよびyは、好ましくはそれぞれ1である。
【0139】
(m)Qが(Im)の場合:[A]または[A’]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。xおよびyは、好ましくはそれぞれ1である。
【0140】
(n)Qが(In)の場合:[A]または[A’]で示されるメチレン基は、好ましくは無置換である。xおよびyは、好ましくはそれぞれ1である。
【0141】
環Bは、シアノ以外の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環を示す。
環Bで示される「シアノ以外の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、ハロゲン原子または置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子または置換されていてもよいC
1−6アルキル基がより好ましく、ハロゲン原子(例、塩素原子)、または1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)がさらにより好ましく、塩素原子またはトリフルオロメチルが特に好ましい。
【0142】
本明細書中で説明される環、基、置換基などの好ましい例は、より好ましくは、組み合わせて用いられる。
【0143】
好適な化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基であり;
R
2およびR
3が、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭化水素基であるか、または
R
2とR
3とが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよいアレーン環または置換されていてもよいシクロアルケン環を形成しており;
Qが、
(Ia):[A]で示されるメチレン基の数が2〜4個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、置換されていてもよいシクロアルカン環を形成している;
(Ib):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよく、R
4およびR
4’が、同一又は異なって、置換されていてもよいC
1−6アルキル基である;
(Ic):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよく、R
4が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基または置換されていてもよいC
7−12アラルキル基である;
(Id):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(Ie):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(If):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換である;
(Ig):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(Ih):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(Ii):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(Ij):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がヒドロキシ基、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基で置換されていてもよい;
(Ik):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換であり、R
4が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基である;
(Il):Xが硫黄原子または、C
1−6アルキル基もしくは水素原子を有するイミノ基であり、[A]または[A’]で示されるメチレン
基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
(Im):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;および
(In):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
から選ばれる二価の基であり;
環Bが、ハロゲン原子または置換されていてもよい炭化水素基でさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
化合物。
【0144】
より好適な化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル、イソブチル)であり;
R
2およびR
3が、それぞれ独立して、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)であるか、または
R
2とR
3とが、それらが結合する炭素原子と一緒に、置換されていてもよいアレーン環(例、ベンゼン環)または置換されていてもよいシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しており;
Qが、
(Ia):[A]で示されるメチレン基の数が2〜4個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロペンタン環)を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、置換されていてもよいシクロアルカン環(例、シクロプロパン環)を形成している;
(Ib):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4およびR
4’が、同一又は異なって、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)である;
(Ic):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、または置換されていてもよいC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)である;
(Id):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ie):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(If):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換である;
(Ig):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ih):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ii):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ij):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がヒドロキシ基、または置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ik):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換であり、R
4が、置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)である;
(Il):Xが硫黄原子または、C
1−6アルキル基(例、メチル)もしくは水素原子を有するイミノ基であり、[A]または[A’]で示されるメチレン
基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
(Im):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;および
(In):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
から選ばれる二価の基であり;
環Bが、ハロゲン原子または置換されていてもよいC
1−6アルキル基でさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
化合物。
【0145】
さらにより好適な化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1が、C
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル、イソブチル)であり;
R
2およびR
3が、それぞれ独立して、C
1−6アルキル基(例、メチル)であるか、または
R
2とR
3とが、それらが結合する炭素原子と一緒に、アレーン環(例、ベンゼン環)またはシクロアルケン環(例、シクロへキセン環)を形成しており;
Qが、
(Ia):[A]で示されるメチレン基の数が2〜4個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロペンタン環)を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、シクロアルカン環(例、シクロプロパン環)を形成している;
(Ib):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4およびR
4’が、同一又は異なって、C
1−6アルキル基(例、メチル)である;
(Ic):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよく、R
4が、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、プロピル)、またはC
7−12アラルキル基(例、ベンジル)である;
(Id):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ie):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(If):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換である;
(Ig):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ih):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ii):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ij):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がヒドロキシ基、またはC
1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい;
(Ik):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換であり、R
4が、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、エチル、プロピル)である;
(Il):Xが硫黄原子または、C
1−6アルキル基(例、メチル)を有するイミノ基であり、[A]または[A’]で示されるメチレン
基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
(Im):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;および
(In):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
から選ばれる二価の基であり;
環Bが、ハロゲン原子(例、塩素原子)、または1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
化合物。
【0146】
特に好適な化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
R
1が、エチル、プロピルまたはイソブチルであり;
R
2およびR
3が、それぞれメチルであるか、または
R
2とR
3とが、それらが結合する炭素原子と一緒に、ベンゼン環またはシクロへキセン環を形成しており;
Qが、
(Ia):[A]で示されるメチレン基の数が2〜4個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよく、あるいは、同一の炭素原子に結合する2個の置換基が一緒になって、シクロペンタン環を形成しており、あるいは、隣接するメチレン基が該メチレン基上の置換基と一緒になって、シクロプロパン環を形成している;
(Ib):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよく、R
4およびR
4’がメチルである;
(Ic):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよく、R
4がメトキシプロピルまたはベンジルである;
(Id):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(Ie):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(If):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換である;
(Ig):[A]で示されるメチレン基の数が2個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(Ih):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(Ii):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がメチルで置換されていてもよい;
(Ij):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基がヒドロキシまたはメチルで置換されていてもよい;
(Ik):[A]で示されるメチレン基の数が3個であり、該メチレン基が無置換であり、R
4がエチルまたはメトキシプロピルである;
(Il):Xが硫黄原子または、メチルを有するイミノ基であり、[A]または[A’]で示されるメチレン
基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
(Im):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;および
(In):[A]または[A’]で示されるメチレン基が無置換であり、xおよびyがそれぞれ1である;
から選ばれる二価の基であり;
環Bが、塩素原子またはトリフルオロメチルでさらに置換されていてもよいベンゼン環である;
化合物。
【0147】
上記化合物(I)の具体例としては、実施例1〜35、37、38、40〜51および53〜55の化合物が挙げられる。
【0148】
化合物(I)および(I’)のうち、塩であるものとしては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
【0149】
次に、本発明の化合物(I)または(I’)もしくはその塩の製造法について説明する。
以下の製造法において生成する中間体は、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留などの方法を用いて単離精製してもよく、また単離することなくそのまま次の工程に用いてもよい。
本発明の化合物(I’a)〜化合物(I’p)[式(I’)においてそれぞれQ’が(I’a)〜(I’p)の二価の基である化合物(I’)]もしくはそれらの塩は、下記A法からL法によって製造することができる。
【0150】
〔A法〕
【0151】
【化30】
【0152】
[式中、R
6は置換されていてもよい炭化水素基を、Lは脱離基を、その他の各記号は上記と同意義を示す。]
Lで示される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、置換スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシなどのC
1−6アルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシなどのC
6−14アリールスルホニルオキシ基;ベンジルスルホニルオキシなどのC
7−16アラルキルスルホニルオキシ基など)、アシルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、ヘテロ環あるいはアリール基(コハク酸イミド、ベンゾトリアゾール、キノリン、4−ニトロフェニルなど)で置換されたオキシ基、ヘテロ環(イミダゾールなど)などが用いられる。
【0153】
(工程1)
本工程は、化合物(IIa)もしくはその塩と化合物(III)もしくはその塩とを反応させることにより化合物(IV)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(IIa)および化合物(III)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
化合物(IIa)もしくはその塩と化合物(III)もしくはその塩とを反応させることにより化合物(IV)もしくはその塩を製造する場合、本反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、トルエンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタンなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)などが例示でき、適宜混合しても良い。なかでもテトラヒドロフランが好ましく用いられる。
化合物(III)の使用量は、化合物(IIa)1モルに対して、通常約0.5〜10モル当量であり、好ましくは約0.9〜1.1モル当量程度である。
反応温度は、通常、約−80〜200℃、好ましくは約25〜150℃程度であり、反応時間は、通常、約0.5〜72時間、好ましくは1〜48時間程度である。
【0154】
(工程2)
本工程は、化合物(IV)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’a)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(V)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
本工程で用いられる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドおよびその塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジフェニルホスホリルアジドなどが挙げられる。これらは単独で、もしくは添加剤(例、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールあるいは3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなど)と組み合わせて用いることもできる。縮合剤の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜2モル当量程度である。添加剤の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜2モル当量程度である。
化合物(V)の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜2モル当量程度である。
上記反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われ、反応促進のため塩基を添加しても良い。溶媒としては、例えば、炭化水素類(ベンゼン、トルエンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタンなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)などが例示でき、適宜混合しても良い。また、塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、酢酸塩(酢酸ナトリウムなど)、3級アミン類(トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンなど)、芳香族アミン類(ピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアニリンなど)などが挙げられる。塩基の使用量は、通常、基質1モルに対して、約1〜100モル当量、好ましくは約1〜5モル当量程度である。反応温度は、通常、約−80〜150℃、好ましくは約0〜50℃程度であり、反応時間は、通常、約0.5〜100時間、好ましくは0.5〜60時間程度である。
【0155】
(工程3)
本工程は、化合物(I’a)もしくはその塩と、塩基存在下、化合物(VIIa)もしくはその塩とを反応させることによって化合物(I’b’)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(VIIa)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
本工程で用いられる塩基としては、例えば、無機塩基(水素化ナトリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなど)あるいは有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの環状アミンなど)などが用いられ、なかでも水素化ナトリウムが好適である。塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(I’a)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜5モル当量程度である。
化合物(VIIa)の使用量は、化合物(I’a)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
本工程は反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。なかでもN,N−ジメチルホルムアミドが好適である。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約25〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(I’a)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0156】
(工程4)
本工程は、化合物(IV)もしくはその塩をエステル化することにより化合物(VI)もしくはその塩を製造する工程である。
本反応は、化合物(IV)もしくはその塩と、式
R
6−OH (XXXVI)
〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(XXXVI)と称する)またはその塩とを、酸触媒存在下、脱水反応に付すことにより化合物(VI)もしくはその塩を製造する工程、もしくは、式
R
6−L (XXXVII)
〔式中、各記号は上記と同意義を示す。〕で表される化合物(以下、化合物(XXXVII)と称する)またはその塩とを、塩基存在下、アルキル化反応に付すことにより化合物(VI)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(XXXVI)および化合物(XXXVII)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0157】
化合物(IV)もしくはその塩と化合物(XXXVI)もしくはその塩とを反応させる際に用いられる酸触媒としては、例えば、鉱酸(塩酸、硫酸など)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、Lewis酸(フッ化ホウ素エーテラートなど)などが挙げられる。酸触媒の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、化合物(IV)1モルに対して約0.0001〜10モル当量、好ましくは約0.01〜0.1モル当量程度である。
化合物(XXXVI)の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常約1〜1000モル当量であり、好ましくは約10〜100モル当量程度である。
反応に用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)などが挙げられる。化合物(XXXVI)を溶媒として用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約25〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(IV)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0158】
化合物(IV)もしくはその塩と化合物(XXXVII)もしくはその塩とを反応させる際に用いられる塩基としては、例えば、無機塩基(水素化ナトリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩など)が用いられる。塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(IV)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜5モル当量程度である。
化合物(XXXVII)の使用量は、化合物(IV)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
本工程は反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約25〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(IV)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0159】
(工程5)
本工程は、化合物(VI)もしくはその塩と、塩基存在下、化合物(VIIb)もしくはその塩とを反応させることによって化合物(VIII)もしくはその塩を製造する工程である。本工程はA法の工程3に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(VIIb)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0160】
(工程6)
本工程は化合物(VIII)もしくはその塩を加水分解に付すことにより化合物(IX)もしくはその塩へ変換する工程である。本反応はそれ自体公知の方法により行うことができるが、通常、酸あるいは塩基の存在下、必要に応じ反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
酸としては、例えば、鉱酸類(塩酸、臭化水素酸、硫酸など)、カルボン酸類(酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)、ルイス酸(塩化アルミニウム、塩化スズ、臭化亜鉛など)などが用いられ、必要に応じ2種類以上を混合しても良い。酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、化合物(VIII)1モルに対して約0.1モル当量以上であり、溶媒として用いることもできる。
塩基としては、例えば、無機塩基(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルコキシドなど)あるいは有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの環状アミン類など)などが用いられ、なかでも水酸化ナトリウムが好適である。塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、化合物(VIII)1モルに対して約0.1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜5モル当量程度である。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、カルボン酸類(酢酸など)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、水などが挙げられる。なかでもエタノール、テトラヒドロフランもしくは水が好適である。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、約−50〜200℃、好ましくは約0〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(VIII)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0161】
(工程7)
本工程は、化合物(IX)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’c)もしくはその塩を製造する工程である。本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0162】
(工程8)
本工程は、化合物(I’c)もしくはその塩と、塩基存在下、化合物(VIIa)もしくはその塩とを反応させることによって化合物(I’b)もしくはその塩を製造する工程である。本工程はA法の工程3に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0163】
〔B法〕
【0164】
【化31】
【0165】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(IV)もしくはその塩を環元剤で処理することにより化合物(X)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程で用いられる還元剤としては、例えば、金属水素化物(水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、水素化ジブチルアルミニウム、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウムなど)、ボラン錯体(ボラン−テトラヒドロフラン錯体、カテコールボランなど)などが挙げられる。なかでも、ボラン−テトラヒドロフラン錯体が好適である。還元剤の使用量は、例えば、化合物(IV)1モルに対して約1〜50モル当量、好ましくは約1〜10モル当量程度である。また、反応溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘプタン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが用いられる。なかでも、テトラヒドロフランが好適である。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−80℃〜100℃、好ましくは約0℃〜40℃程度であり、反応時間は、通常、5分間〜48時間、好ましくは1〜24時間程度である。
【0166】
(工程2)
本工程は、化合物(X)もしくはその塩を酸化剤で処理することにより化合物(XI)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程で用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸類(クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)など)、活性二酸化マンガン、ジメチルスルホキシド−親電子剤(親電子剤としては、塩化オキサリル、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、塩化チオニル、塩素、N−クロロスクシンイミド(NCS)など)、オキソアンモニウム塩類(4−(ベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルなど)、テトラプロピルアンモニウム過ルテニウム酸塩(TPAP)−4−メチルモルホリン N−オキシド、超原子価ヨウ素類(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン(Dess−Martin Periodinane))などが挙げられる。酸化剤の使用量は、化合物(X)1モルに対して、通常約1〜約50モル、好ましくは約1〜約10モルである。
反応溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘプタン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、酸化剤の種類によって異なるが、通常、約−78℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜約100℃であり、反応時間は、通常、約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約24時間である。
【0167】
(工程3)
本工程は、化合物(XI)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを還元的アルキル化反応に付すことにより化合物(I’d)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程で行う還元的アルキル化反応はそれ自体公知の方法により行うことができる。例えば、化合物(XI)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを反応させ、生成したイミンあるいはイミニウムイオンを還元反応に付すことによって行うことができる。
化合物(V)の使用量は、化合物(XI)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
イミンあるいはイミニウムイオンの生成反応における溶媒は、反応が進行する限り特に限定されるものではない。該溶媒としては例えば、炭化水素類(ヘプタン、ヘキサン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸t−ブチルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノールなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ブチロニトリルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)など、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
本工程では必要に応じ、触媒を添加することにより反応を有利に進めることができる。このような触媒としては、鉱酸類(塩酸、臭化水素酸、硫酸など)、カルボン酸類(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、ルイス酸類(塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化チタンなど)、酢酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、モレキュラーシーブス(モレキュラーシーブス3A、4A、5Aなど)、脱水剤(硫酸マグネシウムなど)などが挙げられる。触媒の使用量は、化合物(XI)1モルに対して、通常0.01〜50モル当量程度であり、好ましくは約0.1〜約10モルである。
反応温度は、通常、約0℃〜約200℃、好ましくは約20℃〜約150℃であり、反応時間は、通常、約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約24時間である。
【0168】
イミンあるいはイミニウムイオンの化合物(I’d)への変換は、反応に不活性な溶媒中、種々の還元反応により行うことが出来る。このような還元反応は、自体公知の方法により行うことが出来るが、例えば、金属水素化物を用いる方法や接触水素添加反応による方法が挙げられる。
金属水素化物としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、水素化ジブチルアルミニウム、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、ボラン錯体(ボラン−THF錯体、カテコールボラン等)等が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等が好ましい。金属水素化物の使用量は、例えば、イミン1モルに対して、約1〜約50モル、好ましくは約1〜約10モルである。
金属水素化物による還元反応は、通常、反応に不活性な溶媒中で行われる。このような溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘプタン、ヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、約−80℃〜約80℃、好ましくは約−40℃〜約40℃であり、反応時間は、通常、約5分間〜約48時間、好ましくは約1時間〜約24時間である。
接触水素添加反応は、水素雰囲気中、触媒存在下に行うことが出来る。触媒としては、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、酸化パラジウム等のパラジウム類;展開ニッケル触媒等のニッケル類;酸化白金、白金炭素等の白金類;ロジウム炭素等のロジウム類等が挙げられる。その使用量は、イミンまたはオキシム1モルに対して、通常約0.001〜約1モル、好ましくは約0.01〜約0.5モルである。
接触水素添加反応は、通常、反応に不活性な溶媒中で行われる。このような溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル類(酢酸エチル等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド等)、カルボン酸類(酢酸等)、水またはそれらの混合物が挙げられる。
反応が行われる水素圧は、通常、約1〜約50気圧であり、好ましくは約1〜約10気圧である。反応温度は、通常、約0℃〜約150℃、好ましくは約20℃〜約100℃であり、反応時間は、通常、約5分間〜約72時間、好ましくは約0.5時間〜約40時間である。
本工程では、中間体であるイミンまたはオキシムを単離することなく、次の還元反応を行ない、化合物(XI)から直接、化合物(I’d)を得ることも出来る。この場合、反応混合物のpHは約4から約5とするのが好ましい。
【0169】
〔C法〕
【0170】
【化32】
【0171】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XII)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを反応させることにより化合物(XIII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程1に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XII)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0172】
(工程2)
本工程は、化合物(XIII)もしくはその塩と化合物(XIV)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’e)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XIV)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0173】
〔D法〕
【0174】
【化33】
【0175】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XV)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(XVI)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XV)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0176】
(工程2)
本工程は、化合物(XVI)もしくはその塩を脱保護反応に付すことにより化合物(XVII)もしくはその塩を製造する工程である。
このような脱保護反応は、公知の方法(例えば、Wiley−Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.」(Theodora W. Greene,Peter G. m. Wuts著))に準じて行うことが出来る。例えば、化合物(XVI)の種類によっても異なるが、通常、酸の存在下、必要に応じ反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
酸としては、例えば、鉱酸類(塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素など)、カルボン酸類(酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、ルイス酸類(塩化アルミニウム、塩化スズ、臭化亜鉛など)などが用いられ、必要に応じ2種以上を混合して用いても良い。酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、化合物(XVI)1モルに対して約0.1モル当量以上であり、溶媒として用いることもできる。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、カルボン酸類(酢酸など)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、水など、およびこれらの混合溶媒があげられる。
反応温度は、例えば、約−50〜200℃、好ましくは約0〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(XVI)の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0177】
(工程3)
本工程は、化合物(XVII)もしくはその塩と化合物(XVIII)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’f)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XVIII)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0178】
〔E法〕
【0179】
【化34】
【0180】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XIX)もしくはその塩と化合物(XIV)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(XX)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XIX)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0181】
(工程2)
本工程は、化合物(XX)もしくはその塩を脱保護反応に付すことにより化合物(XXI)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はD法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0182】
(工程3)
本工程は、化合物(XXI)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’g)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0183】
〔F法〕
【0184】
【化35】
【0185】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XXII)もしくはその塩と化合物(XVIII)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(XXIII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XXII)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0186】
(工程2)
本工程は、化合物(XXIII)もしくはその塩を脱保護反応に付すことにより化合物(XXIV)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はD法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0187】
(工程3)
本工程は、化合物(XXIV)もしくはその塩と化合物(
XXXIX)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’h)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0188】
〔G法〕
【0189】
【化36】
【0190】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XXII)もしくはその塩と化合物(XXV)もしくはその塩とを、塩基存在下に反応させることにより化合物(XXVI)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(XXV)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
本反応で用いられる塩基としては、例えば、無機塩基(水素化ナトリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなど)あるいは有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの環状アミンなど)などが用いられる。塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(XXII)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜5モル当量程度である。
化合物(XXV)の使用量は、化合物(XXII)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
本反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。なかでもテトラヒドロフラン、アセトニトリルもしくはN,N−ジメチルホルムアミドが好適である。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約50〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(XXII)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0191】
(工程2)
本工程は、化合物(XXVI)もしくはその塩を脱保護反応に付すことにより化合物(XXVII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はD法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0192】
(工程3)
本工程は、化合物(XXVII)もしくはその塩と化合物(
XXXIX)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’i)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0193】
〔H法〕
【0194】
【化37】
【0195】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XXVIII)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、添加物存在下に反応させることにより化合物(XXIX)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(XXVIII)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
本反応で用いられる添加物としては、例えば、アルミニウム試薬(トリメチルアルニミウム、塩化アルミニウムなど)、すず試薬(テトラメチルすずなど)、Grignard試薬(メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムヨージドなど)、塩基類(ブチルリチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシドなど)などが用いられる。添加物の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(V)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜5モル当量程度である。
化合物(V)の使用量は、化合物(XXVIII)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
本反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約50〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(XXVIII)もしくはその塩の種類および化合物(V)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0196】
(工程2)
本工程は、化合物(XXIX)もしくはその塩と化合物(XXX)もしくはその塩とを、塩基存在下に反応させることにより化合物(I’j)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(XXX)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
本反応で用いられる塩基としては、例えば、無機塩基(水素化ナトリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなど)あるいは有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの環状アミンなど)などが用いられ、なかでも水素化ナトリウム、カリウム−t−ブトキシドが好適である。塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(XXIX)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜5モル当量程度である。
化合物(XXX)の使用量は、化合物(XXIX)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
本反応は通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。なかでもテトラヒドロフランが好適である。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約50〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(XXIX)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0197】
〔I法〕
【0198】
【化38】
【0199】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XXXI)もしくはその塩と化合物(XVIII)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(XXXII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XXXI)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0200】
(工程2)
本工程は、化合物(XXXII)もしくはその塩と、塩基存在下、化合物(VIIa)もしくはその塩とを反応させることによって化合物(XXXIII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程3に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0201】
(工程3)
本工程は化合物(XXXIII)もしくはその塩を加水分解に付すことにより化合物(XXXIV)もしくはその塩へ変換する工程である。
本工程はA法の工程6に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0202】
(工程4)
本工程は、化合物(XXXIV)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’k)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0203】
〔J法〕
【0204】
【化39】
【0205】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XXXVa)もしくはその塩を脱水反応に付すことにより化合物(XXXVb)もしくはその塩を製造する工程である。
化合物(XXXVa)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
本反応で用いられる反応剤としては、例えば、硫酸、スルホン酸類(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、塩化チオニル、塩化ホスホリル、五酸化二リン、ホスゲン、トリホスゲン、酸無水物(無水酢酸、トリフルオロ酢酸無水物など)などが挙げられ、反応剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(XXXVa)1モルに対して約1〜100モル当量、好ましくは約1〜10モル当量程度である。
本反応は通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)などが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。前述の反応剤を溶媒として用いてもよい。
反応温度は、例えば、約0〜200℃、好ましくは約50〜100℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(XXXVa)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0206】
(工程2)
本工程は、化合物(XXXVa)もしくはその塩と化合物(III)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(XXXVI
II)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0207】
(工程3)
本工程は、化合物(XXXVb)もしくはその塩と化合物(III)もしくはその塩とを反応させることにより化合物(XXXVI
II)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程1に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0208】
(工程4)
本工程は、化合物(XXXVI
II)もしくはその塩と化合物(V)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I
’l)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0209】
(工程5)
本工程は、化合物(I’l)もしくはその塩を、酸化剤で処理することにより化合物(I’m)もしくはその塩を製造する工程である。
本反応で用いられる酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、過ヨウ素酸塩、メタクロロ過安息香酸、硝酸アシル、四酸化二窒素、ハロゲン、N−ハロゲン化合物(N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミドなど)などが用いられ、酸化剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(I’l)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜10モル当量程度である。
本反応は通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、水などが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。前述の酸化剤を溶媒として用いてもよい。
反応温度は、例えば、約−78〜200℃、好ましくは約0〜50℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(I’l)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜500時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0210】
(工程6)
本工程は、化合物(I’l)もしくはその塩を、酸化剤で処理することにより化合物(I’n)もしくはその塩を製造する工程である。
本反応で用いられる酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、ヒドロペルオキシド、ペルオキシ硫酸カリウム、過マンガン酸塩、過ホウ酸ナトリウム、過ヨウ素酸塩、メタクロロ過安息香酸、酸化オスミウム(VII)、酸化ルテニウム(VII)、硝酸、クロム酸、二クロム酸ナトリウム、ハロゲン、次亜塩素酸ナトリウム、ヨードベンゼンジクロリド、ヨードベンゼンジアセタート、オゾン、一重項酸素などが用いられ、酸化剤の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なり、通常、化合物(I’l)1モルに対して約1〜10モル当量、好ましくは約1〜10モル当量程度である。
本反応は通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、水などが挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。前述の酸化剤を溶媒として用いてもよい。
反応温度は、例えば、約−78〜200℃、好ましくは約0〜50℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(I’l)もしくはその塩の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜24時間程度である。
【0211】
〔K法〕
【0212】
【化40】
【0213】
[式中、各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(XXXX)もしくはその塩と化合物(XXXXI)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(XXXXII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XXXX)および化合物(XXXXI)は市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0214】
(工程2)
本工程は、化合物(XXXXII)もしくはその塩を脱保護反応に付すことにより化合物(XXXXIII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はD法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0215】
(工程3)
本工程は、化合物(XXXXIII)もしくはその塩と化合物(XXXXIV)もしくはその塩とを、縮合剤の存在下に反応させることにより化合物(I’o)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XXXXIV)は市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0216】
〔L法〕
【0217】
【化41】
【0218】
[式中、DMBは2,4−ジメトキシベンジル基を、その他の各記号は上記と同意義を示す。]
(工程1)
本工程は、化合物(V)もしくはその塩と2,4−ジメトキシベンズアルデヒドとを還元的アルキル化反応に付すことにより化合物(XXXXV)もしくはその塩を製造する工程である。本工程で行う還元的アルキル化反応はそれ自体公知の方法により行うことができる。例えば、チタン(IV)イソプロポキシド存在下、化合物(V)もしくはその塩と2,4−ジメトキシベンズアルデヒドとを反応させ、生成したイミンを水素化ホウ素ナトリウムによる還元反応に付すことにより化合物(XXXXV)もしくはその塩を製造することができる。
2,4−ジメトキシベンズアルデヒドの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約0.5〜5モル当量であり、好ましくは約0.5〜1モル当量程度である。チタン(IV)イソプロポキシドの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
イミンの生成反応における溶媒は、反応が進行する限り特に限定されるものではない。該溶媒としては例えば、炭化水素類(ヘプタン、ヘキサン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸t−ブチルなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ブチロニトリルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)など、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応温度は、通常、約0℃〜約200℃、好ましくは約30℃〜約150℃であり、反応時間は、通常、約0.5時間〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約24時間である。
イミンの環元に用いる水素化ホウ素ナトリウムの使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常約1〜10モル当量であり、好ましくは約1〜3モル当量程度である。
イミンの環元反応は、通常、反応に不活性な溶媒中で行われる。このような溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘプタン、ヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、約−80℃〜約80℃、好ましくは約−40℃〜約40℃であり、反応時間は、通常、約5分間〜約48時間、好ましくは約1時間〜約24時間である。
【0219】
(工程2)
本工程は、化合物(XXXXV)もしくはその塩と化合物(IIb)もしくはその塩とを反応させることにより化合物(XXXXVI)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はA法の工程1に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(IIb)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0220】
(工程3)
本工程は、化合物(XXXXVI)もしくはその塩を還元剤で処理することにより化合物(XXXXVII)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はB法の工程1に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
【0221】
(工程4)
本工程は、化合物(XXXXVII)もしくはその塩と化合物(XXXXVIII)もしくはその塩とを、塩基存在下に反応させることにより化合物(XXXXIX)もしくはその塩を製造する工程である。
本工程はH法の工程2に記載した方法と同様の方法により行うことができる。
なお、化合物(XXXXVIII)は市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
【0222】
(工程5)
本工程は、化合物(XXXXIX)もしくはその塩を脱保護反応に付すことにより化合物(I’p)もしくはその塩を製造する工程である。
このような脱保護反応は、公知の方法(例えば、Wiley−Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.」(Theodora W. Greene,Peter G. m. Wuts著))に準じて行うことが出来る。例えば、トリフルオロ酢酸を溶媒とし、アニソールによって脱保護反応を行うことができる。
トリフルオロ酢酸の使用量は、化合物(XXXXIX)1gに対して、通常1〜100mLであり、アニソールの使用量は、化合物(XXXXIX)1gに対して、通常1〜10mLである。
反応温度は、例えば、約−50〜100℃、好ましくは約0〜30℃程度の範囲であり、反応時間は化合物(XXXXIX)の種類、反応温度などによって異なり、例えば、約0.5〜100時間、好ましくは約0.5〜48時間程度である。
【0223】
Q’で示される二価の基の右側の結合手がインドール環に結合し、左側の結合手が環B
’に結合した化合物(I’)の製造は、上記に示した[A法]〜[L法]に記載した方法に準じて実施することができる。
【0224】
本発明の化合物(Ia)〜化合物(In)[式(I)においてそれぞれQが(Ia)〜(In)の二価の基である化合物(I)]もしくはそれらの塩は、上記A〜J法またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
【0225】
前記反応により、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体または他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(I)または(I’)は、公知の手段、例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から単離、精製することができる。
化合物(I)または(I’)が、互変異性体、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体などの異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。さらに、化合物(I)または(I’)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)または(I’)に包含される。
化合物(I)または(I’)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)または(I’)に包含される。
化合物(I)または(I’)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)または(I’)は、溶媒和物(例えば、水和物など)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)または(I’)に包含される。
同位元素(例、
2H、
3H、
11C、
14C、
18F、
35S、
125Iなど)などで標識または置換された化合物も、化合物(I)または(I’)に包含される。同位元素で標識または置換された化合物(I)または(I’)は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography:PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
【0226】
化合物(I)または(I’)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)または(I’)に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)または(I’)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)または(I’)に変化する化合物をいう。化合物(I)または(I’)のプロドラッグとしては、化合物(I)または(I’)のアミノがアシル化、アルキル化またはりん酸化された化合物(例、化合物(I)または(I’)のアミノがエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert−ブチル化された化合物等);化合物(I)または(I’)のヒドロキシがアシル化、アルキル化、りん酸化またはほう酸化された化合物(例、化合物(I)または(I’)のヒドロキシがアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);化合物(I)または(I’)のカルボキシがエステル化またはアミド化された化合物(例、化合物(I)または(I’)のカルボキシがエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化された化合物等);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)または(I’)から製造することができる。
また、化合物(I)または(I’)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)または(I’)に変化するものであってもよい。
【0227】
化合物(I)または(I’)およびそのプロドラッグ〔以下、本発明化合物と略記することもある〕は、優れたRORγt阻害活性を示すことから、この作用に基づく安全な医薬としても有用である。
例えば、本発明化合物を含有してなる本発明の医薬は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、RORγt関連疾患、Th17細胞関連疾患ならびにIL−17AやIL−17F関連疾患、より具体的には、以下(1)〜(4)に記載の疾患の予防または治療剤として用いることができる。
(1)炎症性疾患(例、関節リウマチ、急性膵炎、慢性膵炎、喘息、成人呼吸困難症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性骨疾患、炎症性肺疾患、炎症性腸疾患、セリアック病、肝炎、全身性炎症反応症候群(SIRS)、手術または外傷後の炎症、肺炎、腎炎、髄膜炎、膀胱炎、咽喉頭炎、胃粘膜損傷、髄膜炎、脊椎炎、関節炎、皮膚炎、慢性肺炎、気管支炎、肺梗塞、珪肺症、肺サルコイドーシス等)、
(2)自己免疫性疾患(例、関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、多発性硬化症(MS)、多発性筋炎、皮膚筋炎(DM)、結節性多発性動脈炎(PN)、混合性結合性組織症(MCTD)、シェーグレン症候群腎炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、深在性紅斑性狼瘡、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、I型およびII型糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、移植片対宿主疾患、アジソン病、異常免疫応答、関節炎、皮膚炎、放射線皮膚炎等)、
(3)骨・関節変性疾患(例、関節リウマチ、骨粗鬆症、変形性関節症等)、
(4)腫瘍性疾患〔例、悪性腫瘍、血管新生緑内障、幼児性血管腫、多発性骨髄腫、急性骨髄芽球性白血病、慢性肉腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、転移黒色腫、カポジ肉腫、血管増殖、悪液質、乳癌の転移等、癌(例、大腸癌(例、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍など)、肺癌(例、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫など)、中皮腫、膵臓癌(例、膵管癌など)、胃癌(例、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌など)、乳癌(例、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌など)、卵巣癌(例、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍など)、前立腺癌(例、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌など)、肝臓癌(例、原発性肝癌、肝外胆管癌など)、甲状腺癌(例、甲状腺髄様癌など)、腎臓癌(例、腎細胞癌、腎盂と尿管の移行上皮癌など)、子宮癌、脳腫瘍(例、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫など)、黒色腫(メラノーマ)、肉腫、膀胱癌、多発性骨髄腫を含む血液癌等、下垂体腺腫、神経膠腫、聴神経鞘腫、網膜肉腫、咽頭癌、喉頭癌、舌癌、胸腺腫、食道癌、十二指腸癌、結腸癌、直腸癌、肝細胞癌、膵内分泌腫瘍、胆管癌、胆嚢癌、陰茎癌、尿管癌、精巣腫瘍、外陰癌、子宮頚部癌、子宮体部癌、子宮肉腫、絨毛性疾患、膣癌、皮膚癌、菌状息肉症、基底細胞腫、軟部肉腫、悪性リンパ腫、ホジキン病、骨髄異形成症候群、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、成人T細胞白血病、慢性骨髄増殖性疾患、膵内分泌腫瘍、線維性組織球腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、原発不明癌)〕。
【0228】
本発明の医薬は、好ましくは、自己免疫性疾患、炎症性疾患、骨・関節疾患または腫瘍性疾患、特に好ましくは、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬、強直性脊椎炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、頭頸部癌、前立腺癌または子宮体癌の予防または治療剤として用いることができる。
ここで、上記疾患の「予防」とは、例えば、当該疾患に関連する何らかの因子により、発症の危険性が高いと予想される当該疾患を発症していない患者あるいは発症しているが自覚症状のない患者に対し、本発明の化合物を含む医薬を投与すること、あるいは当該疾患治療後、当該疾患の再発が懸念される患者に対し、本発明の化合物を含む医薬を投与することを意味する。
【0229】
本発明の医薬は、体内動態(例、血中薬物半減期)に優れ、毒性が低く(例、HERG阻害、CYP阻害、CYP誘導)、薬物相互作用の軽減が認められる。本発明化合物をそのまま、あるいは医薬製剤の製造法で一般的に用いられている自体公知の手段に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物とし、本発明の医薬として使用することができる。本発明の医薬は、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対して、経口的、または非経口的に安全に投与できる。
本発明の化合物を含有する医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物を単独で、または本発明化合物と薬理学的に許容される担体とを混合した医薬組成物として使用することができる。本発明の化合物を含有する医薬は、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位、病巣等)に安全に投与することができる。
本発明化合物の、本発明の医薬中の含有量は、医薬全体の約0.01重量%〜約100重量%である。該投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等により異なるが、例えば、炎症性腸疾患(IBD)の患者(体重約60kg)に対し、経口剤として、1日当たり、有効成分(化合物(I)または(I’))として約0.1mg/kg体重〜約30mg/kg体重、好ましくは約1mg/kg体重〜20mg/kg体重を、1日1回〜数回(例、1日1回〜3回)に分けて投与すればよい。
本発明の医薬の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、医薬素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤および無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
【0230】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
【0231】
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0232】
各種疾患の予防・治療に際し、本発明化合物は、他の薬剤と共に用いることもできる。以下、本発明化合物と他の薬物の併用時に使用する医薬を「本発明の併用剤」と称する。
例えば、本発明化合物がRORγt阻害剤、Th17細胞阻害剤、IL−17A又はIL−17F阻害剤として用いられる場合、以下の薬物と併用することができる。
(1)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
(i)Classical NSAIDs
アルコフェナク、アセクロフェナク、スリンダク、トルメチン、エトドラク、フェノプロフェン、チアプロフェン酸、メクロフェナム酸、メロキシカム、テオキシカム、ロルノキシカム、ナブメトン、アセトアミノフェン、フェナセチン、エテンザミド、スルピリン、アンチピリン、ミグレニン、アスピリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェニン、ピロキシカム、エピリゾール、塩酸チアラミド、ザルトプロフェン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウリナスタチン、コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、アロプリノール、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、塩酸モルヒネ、サリチル酸、アトロピン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、レボルファノール、オキシモルフォンまたはその塩等。
(ii)シクロオキシゲナーゼ抑制薬(COX−1選択的阻害薬、COX−2選択的阻害薬等)
サリチル酸誘導体(例、セレコキシブ、アスピリン)、エトリコキシブ、バルデコキシブ、ジクロフェナック、インドメタシン、ロキソプロフェン等。
(iii)Nitric oxide遊離型 NSAIDs
【0233】
(2)疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)
(i)金製剤
Auranofin等。
(ii)ペニシラミン
D−ペニシラミン。
(iii)アミノサルチル酸製剤
スルファサラジン、メサラ
ジン、オルサラジン、バルサラジド。
(iv)抗マラリア薬
クロロキン等。
(v)ピリミジン合成阻害薬
レフルノマイド等。
(vi)プログラフ
【0234】
(3)抗サイトカイン薬
(I)タンパク質製剤
(i)TNF阻害薬
エタナーセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴール、ゴリムマブ、PASSTNF-α、可溶性TNF-α受容体、TNF-α結合蛋白、抗TNF-α抗体等。
(ii)インターロイキン−1阻害薬
アナキンラ(インターロイキン-1受容体拮抗薬)、可溶性インターロイキン-1受容体等。
(iii)インターロイキン−6阻害薬
トシリズマブ(抗インターロイキン-6受容体抗体)、抗インターロイキン-6抗体等。
(iv)インターロイキン−10薬
インターロイキン-10等。
(v)インターロイキン−12/23阻害薬
ウステキヌマブ、ブリアキヌマブ(抗インターロイキン-12/23抗体)等。
(II)非タンパク質製剤
(i)MAPK阻害薬
BMS-582949等。
(ii)遺伝子調節薬
NF-κ、NF-κB、IKK-1、IKK-2、AP-1等シグナル伝達に関係する分子の阻害薬等。
(iii)サイトカイン産生抑制薬
イグラチモド、テトミラスト等。
(iv)TNF−α変換酵素阻害薬
(v)インターロイキン-1β変換酵素阻害薬
VX-765等。
(vi)インターロイキン−6拮抗薬
HMPL-004等。
(vii)インターロイキン−8阻害薬
IL-8拮抗薬、CXCR1 & CXCR2拮抗薬、レパレキシン等。
(viii)ケモカイン拮抗薬
CCR9拮抗薬(CCX-282、CCX-025)、MCP-1拮抗薬等。
(ix)インターロイキン−2受容体拮抗薬
デニロイキン、ディフチトックス等。
(x)Therapeutic vaccines
TNF-αワクチン等。
(xi)遺伝子治療薬
インターロイキン-4、インターロイキン-10、可溶性インターロイキン-1受容体、可溶性TNF-α受容体等抗炎症作用を有する遺伝子の発現を亢進させることを目的とした遺伝子治療薬。
(xii)アンチセンス化合物
ISIS-104838等。
【0235】
(4)インテグリン阻害薬
ナタリズマブ、ベドリズマブ、AJM300、TRK-170、E-6007等。
(5)免疫調節薬(免疫抑制薬)
メトトレキサート、シクロフォスファミド、MX-68、アチプリモド ディハイドロクロライド、BMS-188667、CKD-461、リメクソロン、シクロスポリン、タクロリムス、グスペリムス、アザチオプリン、抗リンパ血清、乾燥スルホ化免疫グロブリン、エリスロポイエチン、コロニー刺激因子、インターロイキン、インターフェロン等。
(6)ステロイド薬
デキサメサゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベタメサゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、エストリオール等。
(7)アンジオテンシン変換酵素阻害薬
エナラプリル、カプトプリル、ラミプリル、リシノプリル、シラザプリル、ペリンドプリル等。
【0236】
(8)アンジオテンシンII受容体拮抗薬
カンデサルタン、シレキセチル(TCV−116)、バルサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、エプロサルタン等。
(9)利尿薬
ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、フロセミド、インダパミド、ベンドロフルアジド、シクロペンチアジド等。
(10)強心薬
ジゴキシン、ドブタミン等。
(11)β受容体拮抗薬
カルベジロール、メトプロロール、アテノロール等。
(12)Ca感受性増強薬
MCC−135等。
(13)Caチャネル拮抗薬
ニフェジピン、ジルチアゼム、ベラパミル等。
(14)抗血小板薬、抗凝固薬
ヘパリン、アスピリン、ワルファリン等。
(15)HMG−CoA還元酵素阻害薬
アトロバスタチン、シンバスタチン等。
【0237】
(16)避妊薬
(i)性ホルモンまたはその誘導体
黄体ホルモンまたはその誘導体(プロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ノルエチステロン、ノルエチステロンエナンタート、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、レボノルゲストレル、ノルゲストレル、二酢酸エチノジオール、デソゲストレル、ノルゲスチメート、ゲストデン、プロゲスチン、エトノゲストレル、ドロスピレノン、ジエノゲスト、トリメゲストン、ネストロン、酢酸クロマジノン、ミフェプリストン、酢酸ノメゲストロル、Org-30659、TX-525、EMM-310525)あるいは黄体ホルモンまたはその誘導体と卵胞ホルモンまたはその誘導体(エストラジオール、安息香酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート、エストラジオールジプロピオナート、エストラジオールエナンタート、エストラジオールヘキサヒドロベンゾアート、エストラジオールフェニルプロピオナート、エストラジオールウンデカノアート、吉草酸エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、メストラノール)との合剤等。
(ii)抗卵胞ホルモン薬
オルメロキシフェン、ミフェプリストン、Org-33628等。
(iii)殺精子薬
ウシェルセル等。
【0238】
(17)その他
(i)T細胞阻害薬
(ii)イノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害薬
マイコフェノレート モフェチル等。
(iii)接着分子阻害薬
ISIS-2302、セレクチン阻害薬、ELAM-1、VCAM-1、ICAM-1等。
(iv)サリドマイド
(v)カテプシン阻害薬
(vi)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)阻害薬
V-85546等。
(vii)グルコース−6−リン酸脱水素酵素阻害薬
(viii)Dihydroorotate脱水素酵素(DHODH)阻害薬
(ix)ホスホジエステラーゼIV(PDEIV)阻害薬
ロフルミラスト、CG-1088等。
(x)ホスホリパーゼA
2阻害薬
(xi)iNOS阻害薬
VAS-203等。
(xii)Microtuble刺激薬
パクリタキセル等。
(xiii)Microtuble阻害薬
リューマコン等。
(xiv)MHCクラスII拮抗薬
(xv)Prostacyclin作働薬
イロプロスト等。
(xvi)CD4拮抗薬
ザノリムマブ等。
(xvii)CD23拮抗薬
(xviii)LTB4受容体拮抗薬
DW-1305等。
(xix)5−リポキシゲナーゼ阻害薬
ジリュートン等。
(xx)コリンエステラーゼ阻害薬
ガランタミン等。
(xxi)チロシンキナーゼ阻害薬
Tyk2阻害薬(WO2010142752)等。
(xxii)カ
テプシンB阻害薬
(xxiii)Adenosine deaminase阻害薬
ペントスタチン等。
(xxiv)骨形成刺激薬
(xxv)ジペプチジルペプチダーゼ阻害薬
(xxvi)コラーゲン作働薬
(xxvii)Capsaicinクリーム
(xxviii)ヒアルロン酸誘導体
シンビスク(hylan G-F 20)、オルソビスク等。
(xxix)硫酸グルコサミン
(xxx)アミプリローゼ
(xxxi)CD-20阻害薬
リツキシマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、オファツマブ等。
(xxxii)BAFF阻害薬
ベリムマブ、タバルマブ、アタシセプト、A-623等。
(xxxiii)CD52阻害薬
アレムツズマブ等。
【0239】
上記以外の併用薬物としては、例えば、抗菌薬、抗真菌薬、抗原虫薬、抗生物質、鎮咳・去たん薬、鎮静薬、麻酔薬、抗潰瘍薬、不整脈治療薬、降圧利尿薬、抗凝血薬、精神安定薬、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗高脂血症薬、筋弛緩薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、強心薬、不整脈治療薬、血管拡張薬、血管収縮薬、降圧利尿薬、糖尿病治療薬、麻薬拮抗薬、ビタミン薬、ビタミン誘導体、抗喘息薬、頻尿・尿失禁治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、昇圧薬、エンドトキシン拮抗薬あるいは抗体、シグナル伝達阻害薬、炎症性メディエーター作用抑制薬、炎症性メディエーター作用抑制抗体、抗炎症性メディエーター作用抑制薬、抗炎症性メディエーター作用抑制抗体等が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。
【0240】
(1)抗菌薬
(i)サルファ剤
スルファメチゾール、スルフィソキサゾール、スルファモノメトキシン、スルファメチゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン銀等。
(ii)キノリン系抗菌薬
ナリジクス酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トシル酸トスフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、フレロキサシン等。
(iii)抗結核薬
イソニアジド、エタンブトール(塩酸エタンブトール)、パラアミノサリチル酸(パラアミノサリチル酸カルシウム)、ピラジナミド、エチオナミド、プロチオナミド、リファンピシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン等。
(iv)抗酸菌薬
ジアフェニルスルホン、リファンピシリン等。
(v)抗ウイルス薬
イドクスウリジン、アシクロビル、ビタラビン、ガンシクロビル等。
【0241】
(vi)抗HIV薬
ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、硫酸インジナビルエタノール付加物、リトナビル等。
(vii)抗スピロヘータ薬
(viii)抗生物質
塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、ゲンタマイシン、ジベカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファピリン、セファロリジン、セファクロル、セファレキシン、セフロキサジン、セファドロキシル、セファマンドール、セフォトアム、セフロキシム、セフォチアム、セフォチアムヘキセチル、セフロキシムアキセチル、セフジニル、セフジトレンピボキシル、セフタジジム、セフピラミド、セフスロジン、セフメノキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフピロム、セファゾプラン、セフェピム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セフミノクス、セフォキシチン、セフブペラゾン、ラタモキナセフ、フロモキセフ、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキサラクタム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナムまたはそれらの塩、グリセオフルビン、ランカシジン類〔ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(J.Antibiotics),38,877−885(1985)〕、アゾール系化合物〔2−〔(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル〕−4−〔4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル〕−3−(2H,4H)−1,2,4−トリアゾロン、フルコナゾール、イトラコナゾール等〕等。
【0242】
(2)抗真菌薬
(i)ポリエチレン系抗生物質(例、アムホテリシンB、ナイスタチン、トリコマイシン)
(ii)グリセオフルビン、ピロールニトリン等
(iii)シトシン代謝拮抗薬(例、フルシトシン)
(iv)イミダゾール誘導体(例、エコナゾール、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、ビホナゾール、クロコナゾール)
(v)トリアゾール誘導体(例、フルコナゾール、イトラコナゾール)
(vi)チオカルバミン酸誘導体(例、トリナフトール)等。
(3)抗原虫薬
メトロニダゾール、チニダゾール、クエン酸ジエチルカルバマジン、塩酸キニーネ、硫酸キニーネ等。
【0243】
(4)鎮咳・去たん薬
塩酸エフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸イソプロテレノール、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカピン、アロクラマイド、クロルフェジアノール、ピコペリダミン、クロペラスチン、プロトキロール、イソプロテレノール、サルブタモール、テ
ルブタリン、オキシ
メテバノール、塩酸モルヒネ、臭化水素酸デキストロ
メトルファン、塩酸オキシコドン、リン酸ジ
メモルファン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸ペントキシベリン、塩酸クロフェダノール、ベンゾナテート、グアイフェネシン、塩酸ブロムヘキシン、塩酸アンブロキソール、アセチルシステイン、塩酸エチルシステイン、カルボシステイン等。
(5)鎮静薬
塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピン、フェノバルビタール、バルビタール、アモバルビタール、ペントバルビタール、チオペンタールナトリウム、チアミラールナトリウム、ニトラゼパム、エスタゾラム、フルラザパム、ハロキサゾラム、トリアゾラム、フルニトラゼパム、ブロムワレリル尿素、抱水クロラール、トリクロホスナトリウム等。
【0244】
(6)麻酔薬
(6−1)局所麻酔薬
塩酸コカイン、塩酸プロカイン、リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸オキシブプロカイン、アミノ安息香酸エチル、オキセサゼイン等。
(6−2)全身麻酔薬
(i)吸入麻酔薬(例、エーテル、ハロタン、亜酸化窒素、インフルラン、エンフルラン)、
(ii)静脈麻酔薬(例、塩酸ケタミン、ドロペリドール、チオペンタールナトリウム、チアミラールナトリウム、ペントバルビタール)等。
(7)抗潰瘍薬
塩酸ヒスチジン、ランソプラゾール、メトクロプラミド、ピレンゼピン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ウロガスト
ロン、オキセサゼイン、プログルミド、オメプラゾール、スクラルファート、スルピリド、セトラキサート、ゲファルナート、アルジオキサ、テプレノン、プロスタグランジン等。
(8)不整脈治療薬
(i)ナトリウムチャンネル遮断薬(例、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、リドカイン、メキシレチン、フェニトイン)、
(ii)β遮断薬(例、プロプラノロール、アルプレノロール、塩酸ブフェトロール、オクスプレノロール、アテノロール、アセブトロール、メトプロロール、ビソプロロール、ピンドロール、カルテオロール、塩酸アロチノロール)、
(iii)カリウムチャンネル遮断薬(例、アミオダロン)、
(iv)カルシウムチャンネル遮断薬(例、ベラパミル、ジルチアゼム)等。
【0245】
(9)降圧利尿薬
ヘキサメトニウムブロミド、塩酸クロニジン、ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、フロセミド、エタクリン酸、ブメタニド、メフルシド、アゾセミド、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、トリアムテレン、アミロリド、アセタゾラミド、D−マンニトール、イソソルビド、アミノフィリン等。
(10)抗凝血薬
ヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウム、活性化プロテインC、組織因子経路阻害剤、アンチトロンビンIII、ダルテパリンナトリウム、ワルファリンカリウム、アルガトロバン、ガベキサート、クエン酸ナトリウム、オザグレルナトリウム、イコサペンタ酸エチル、ベラプロストナトリウム、アルプロスタジル、塩酸チクロピジン、ペントキシフィリン、ジピリダモール、チソキナーゼ、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ等。
(11)精神安定薬
ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、クロルジアゼポキシド、メダゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラム、クロチアゼパム、ブロマゼパム、エチゾラム、フルジアゼパム、ヒドロキシジン等。
(12)抗精神病薬
塩酸クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸ペルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、マレイン酸プロクロルペラジン、マレイン酸レボメプロマジン、塩酸プロメタジン、ハロペリドール、ブロムペリドール、スピペロン、レセルピン、塩酸クロカプラミン、スルピリド、ゾテピン等。
【0246】
(13)抗腫瘍薬
6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、ブレオマイシン、メトトレキサート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル−5−フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミゾール、ベスタチン、アジメキソン、グリチルリチン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ヘプロマイシン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、塩酸イリノテカン、シクロフォスファミド、メルファラン、
ブスルファン、チオテパ、塩酸プロカルバジン、シスプラチン、アザチオプリン、メルカプトプリン、テガフール、カルモフール、シタラビン、メチルテストステロン、プロピオン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、メピチオスタン、ホスフェストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸リュープロレリン、酢酸ブセレリン等。
(14)抗高脂血症薬
クロフィブラート、2−クロロ−3−〔4−(2−メチル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン酸エチル〔ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレティン(Chem. Pharm. Bull),38,2792−2796(1990)〕、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、ベザフィブラート、クリノフィブラート、ニコモール、コレスチラミン、デキストラン硫酸ナトリウム等。
(15)筋弛緩薬
プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウム、塩酸トルペリゾン、カルバミン酸クロルフェネシン、バクロフェン、クロルメザノン、メフェネシン、クロゾキサゾン、エペリゾン、チザニジン等。
(16)抗てんかん薬
フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラミド、クロルジアゼポキシド、トリ
メタジオン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、スルチアム、バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、ジアゼパム、ニトラゼパム等。
【0247】
(17)抗うつ薬
イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、フェネルジン、塩酸アミトリプチリン、塩酸ノルトリプチリン、アモキサピン、塩酸ミアンセリン、塩酸マプロチリン、スルピリド、マレイン酸フルボキサミン、塩酸トラゾドン等。
(18)抗アレルギー薬
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、メトジラミン、クレミゾール、ジフェニルピラリン、メトキシフェナミン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、エピナスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダスト等。
(19)強心薬
トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、アミノフィリン、エチレフリン、ドパミン、ドブタミン、デノパミン、アミノフィリン、ベ
スナリ
ノン、アムリノン、ピモベンダン、ユビデカレノン、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、G−ストロファンチン等。
(20)血管拡張薬
オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン、クロニジン、メチルドパ、グアナベンズ等。
(21)血管収縮薬
ドパミン、ドブタミンデノパミン等。
(22)降圧利尿薬
ヘキサメトニウムブロミド、ペントリニウム、メカミルアミン、エカラジン、クロニジン、ジルチアゼム、ニフェジピン等。
(23)糖尿病治療薬
トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、グリベンクラミド、トラザミド、アカルボース、エパルレスタット、トログリタゾン、グルカゴン、グリミジン、グリ
ピジド、フェンフォルミン、
ブフォルミン、メトフォルミン等。
【0248】
(24)麻薬拮抗薬
レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソンまたはその塩等。
(25)脂溶性ビタミン薬
(i)ビタミンA類:ビタミンA
1、ビタミンA
2およびパルミチン酸レチノール
(ii)ビタミンD類:ビタミンD
1、D
2、D
3、D
4およびD
5
(iii)ビタミンE類:α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール
(iv)ビタミンK類:ビタミンK
1、K
2、K
3およびK
4
(v)葉酸(ビタミンM)等。
(26)ビタミン誘導体
ビタミンの各種誘導体、例えば、5,6−トランス−コレカルシフェロール、2,5−ヒドロキシコレカルシフェロール、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロール等のビタミンD
3誘導体、5,6−トランス−エルゴカルシフェロール等のビタミンD
2誘導体等。
(27)抗喘息薬
塩酸イソプレナリン、硫酸サルブタモール、塩酸プロカテロール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキノール、塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、臭化水素酸フェノテロール、塩酸エフェドリン、臭化イプロトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノン、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、アゼラスチン、エピナスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダスト、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、プロピオン酸ベクロメタゾン等。
(28)頻尿・尿失禁治療薬
塩酸フラボキサート等。
(29)アトピー性皮膚炎治療薬
クロモグリク酸ナトリウム等。
【0249】
(30)アレルギー性鼻炎治療薬
クロモグリク酸ナトリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸アリメマジン、フマル酸クレマスチン、塩酸ホモクロルシクリジン、フェキソフェナジン、メキタジン等。
(31)昇圧薬
ドパミン、ドブタミン、デノパミン、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、G−ストロファンチン等。
(32)その他
ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、ニセロゴリン、プロスタグランジン類等。
【0250】
併用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物および併用薬物を、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
併用の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物および併用薬物を同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物および併用薬物を別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物および併用薬物を別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物および併用薬物を別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物および併用薬物を別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物を投与した後の併用薬物の投与、またはその逆の順序での投与)等が挙げられる。
本発明の併用剤における本発明化合物および併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
【0251】
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは約10〜90重量%程度である。
また、本発明化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
投与量は本発明化合物の種類、投与ルート、症状、患者の年令等によっても異なるが、例えば、炎症性腸疾患(IBD)の患者(体重約60kg)に経口的に投与する場合、1日当たり体重1kgあたり化合物(I)または(I’)として約0.1mg/kg体重〜約30mg/kg体重、好ましくは約1mg/kg体重〜20mg/kg体重を、1日1回〜数回(例、1日1回〜3回)に分けて投与すればよい。
本発明の医薬組成物が徐放性製剤である場合の投与量は、化合物(I)または(I’)の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、サル、ヒト等の哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、例えば、非経口投与により適用する場合には、1週間に約0.1から約100mgの化合物(I)または(I’)が投与製剤から放出されるようにすればよい。
【0252】
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、例えば、経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜4回(好ましくは1日1〜3回)に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明化合物を投与する方法が挙げられる。本発明化合物を先に投与する場合、本発明化合物を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
【実施例】
【0253】
以下に、実施例、製剤例および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer Chromatography、薄層クロマトグラフィー)による観察下に行った。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60F254を用い、展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。カラムクロマトグラフィー用のシリカゲルとしては、メルク社製のシリカゲル60(70−230メッシュ)を用いた。室温とあるのは通常約10℃から35℃の温度を意味する。さらに、抽出液の乾燥には硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムを用いた。
【0254】
実施例における略号の意味は以下の通りである。
LC:液体クロマトグラフィー
MS:質量分析スペクトル
API:大気圧イオン化法
M:化合物の分子量
NMR:核磁気共鳴スペクトル
Hz:ヘルツ
J:カップリング定数
m:マルチプレット
q:クワルテット
t:トリプレット
d:ダブレット
s:シングレット
br:ブロード
dt:ダブルトリプレット
ddd:ダブルダブルダブレット
brs:ブロードシングレット
tBu:tert−ブチル基
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル基
N:規定濃度
THF:テトラヒドロフラン
HOBt:1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール 水和物
WSC:N
1−((エチルイミノ)メチレン)−N
3,N
3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン 塩酸塩
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMA:ジメチルアセトアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
HATU:2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩
TFA:トリフルオロ酢酸
TEA:トリエチルアミン
DMAP:ジメチルアミノピリジン
mCPBA:m−クロロ過安息香酸
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
【0255】
実施例における分取HPLCによる精製は以下の条件により行った。
機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:CombiPrep ODS−A S−5μm、50×20mm(YMC)
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジェントサイクル:0.00分(A液/B液=95/5)、1.00分(A液/B液=95/5)、5.20分(A液/B液=5/95)、6.40分(A液/B液=5/95)、6.50分(A液/B液=95/5)、6.60分(A液/B液=95/5)
流速:25mL/min、検出法:UV220nm
【0256】
実施例1
N−(2−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
2−アミノベンゾニトリル(1.181 g,10 mmol)および4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(1.281 g,10 mmol)のTHF(20 mL)溶液を90℃で46時間撹拌した。反応溶液を濃縮することにより5−(2−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(2.230 g,9.06 mmol,91%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.99(3H,d,J=5.7Hz),2.08−2.22(1H,m),2.22−2.46(4H,m),7.30−7.41(1H,m),7.52(1H,d,J=7.9Hz),7.63−7.73(1H,m),7.80(1H,d,J=7.9Hz),10.16(1H,s),12.10(1H,brs)
(工程2)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(210 mg,1.00 mmol),工程1で得られた化合物(239 mg,0.97 mmol),HOBt(297 mg,1.94 mmol)およびWSC(372 mg,1.94 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で14時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチル混合溶液に注いだ後、析出物をろ取した。析出物をメタノールおよびTHFで再結晶することにより標題化合物(172 mg,0.392 mmol,40.4%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.08(3H,d,J=6.4Hz),1.30(3H,d,J=7.2Hz),2.23−2.47(5H,m),4.41(2H,d,J=7.2Hz),7.13−7.22(1H,m),7.32−7.40(1H,m),7.40−7.49(1H,m),7.51−7.62(4H,m),7.64−7.73(1H,m),7.77−7.87(1H,m),8.05(1H,d,J=7.5Hz),8.43(1H,s),9.85−10.35(2H,m)
【0257】
実施例2
N−(3−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
3−アミノベンゾニトリルを用い、実施例1の工程1に記載する方法と同様にして反応および精製することにより5−(3−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.96(3H,d,J=6.0Hz),2.05−2.45(5H,m),7.43−7.62(2H,m),7.78(1H,dt,J=6.7,2.3Hz),8.10(1H,s),10.25(1H,s),12.10(1H,brs)
(工程2)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(210 mg,1.00 mmol),工程1で得られた化合物(246 mg,1 mmol),HOBt(306 mg,2.00 mmol)およびWSC(383 mg,2.00 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で14時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチル混合溶液に注いだ後、有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;66→80%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(283 mg,0.645 mmol,64.5%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.03(3H,d,J=6.0Hz),1.23−1.34(3H,m),2.23−2.50(5H,m),2.72−2.83(1H,m),4.41(1H,d,J=7.2Hz),7.13−7.23(1H,m),7.52(7Hd,J=12.1Hz),8.04(1H,d,J=7.5Hz),8.13(1H,s),8.41(1H,s),9.93(1H,s),10.25−10.34(1H,m)
【0258】
実施例3
N−(4−シアノフェニル)−N’−(1−エチル−2,3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
4−アミノベンゾニトリル(4.61 g,39.02 mmol)および4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(5.0 g,39.02 mmol)のTHF(50 mL)溶液を90℃で14時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、析出物を酢酸エチルで洗浄することにより、5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(6.23 g,25.3 mmol,64.8%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.96(3H,d,J=6.0Hz),2.01−2.21(1H,m),2.21−2.47(4H,m),7.62−7.90(4H,m),10.34(1H,s),12.11(1H,brs)
(工程2)
工程1で得られた化合物(510 mg,2.07 mmol)、1−エチル−2,3−ジメチル−1H−インドール−5−アミン(390 mg,2.07 mmol)、DIEA(1.085 mL,6.21 mmol)のDMF(8 mL)溶液にHATU(1181 mg,3.11 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物を水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(533 mg,1.280 mmol,61.8%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.00(3H,d,J=6.4Hz),1.18(3H,t,J=7.2Hz),2.13(3H,s),2.17−2.43(5H,m),2.43−2.61(3H,m),4.09(2H,q,J=6.9Hz),7.05−7.35(2H,m),7.64−7.89(5H,m),9.68(1H,s),10.37(1H,s)
MS(API):417(M+H)
【0259】
実施例4
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)−3−メチルペンタンジアミド
5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(172 mg,0.70 mmol)、9−エチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−アミン(150 mg,0.70 mmol)、DIEA(0.367 mL,2.10 mmol)のDMF(8 mL)溶液にHATU(399 mg,1.05 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物を水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(179 mg,0.404 mmol,57.8%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.99(3H,d,J=6.1Hz),1.19(3H,t,J=7.2Hz),1.65−1.94(4H,m),2.16−2.41(3H,m),2.41−2.48(2H,m),2.57(2H,t,J=5.3Hz),2.63−2.72(2H,m),4.04(2H,q,J=7.2Hz),7.16(1H,dd,J=8.7,1.9Hz),7.26(1H,d,J=8.7Hz),7.62−7.87(5H,m),9.68(1H,s),10.37(1H,s)
MS(API):443(M+H)
【0260】
実施例5
N−(4−シアノフェニル)−5−[(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アミノ]−3−メチルペンタンアミド
(工程1)
5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(1.00 g,4.06 mmol)のTHF(15 mL)溶液に氷冷下でボラン−THF錯体(1.2M、THF溶液6.77 mL,8.12 mmol)を加えた。室温で14時間撹拌した後、反応混合物を水に注いだ。混合物を酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することによりN−(4−シアノフェニル)−5−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド(0.442 g,1.904 mmol,46.9%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.06(3H,d,J=6.8Hz),1.52−1.72(2H,m),2.14−2.53(4H,m),3.66−3.94(2H,m),7.49−7.79(4H,m),8.46(1H,brs)
(工程2)
工程1で得られた化合物(435 mg,1.87 mmol)のアセトニトリル(10 mL)溶液にDess−Martin Periodinane(953 mg,2.25 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→80%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、粗生成物としてN−(4−シアノフェニル)−3−メチル−5−オキソペンタンアミド(113 mg,0.492 mmol,26.3%)を白色粉末として得た。
MS(API):229(M−H)
(工程3)
工程2で得られた化合物(110 mg,0.48 mmol)および3−アミノ−N−エチルカルバゾール(151 mg,0.72 mmol)のTFA(1 mL)およびトルエン(1 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(304 mg,1.43 mmol)を加えた後、室温でさらに14時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチルに溶解した。溶液を1N水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→80%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(82 mg,0.193 mmol,40.5%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.97−1.08(3H,m),1.26(3H,t,J=7.0Hz),1.49−1.63(1H,m),1.66−1.80(1H,m),2.13−2.34(2H,m),2.41−2.48(1H,m),3.15(2H,brs),4.31(2H,q,J=6.7Hz),5.15(1H,brs),6.83−6.88(1H,m),7.07(1H,t,J=7.2Hz),7.24(1H,s),7.29−7.37(2H,m),7.43−7.53(1H,m),7.71−7.84(4H,m),7.96(1H,d,J=7.6Hz),10.34(1H,s)
【0261】
実施例6
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3,3−ジメチルペンタンジアミド
(工程1)
4,4−ジメチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオンを用い、実施例3の工程1に記載する方法と同様にして反応および精製することにより5−(4−シアノフェニルアミノ)−3,3−ジメチル−5−オキソペンタン酸を得た。
MS(API):259(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物を用い、実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.06−1.33(6H,m),1.42(3H,t,J=7.2Hz),2.45(2H,s),2.56(2H,s),4.36(2H,q,J=7.2Hz),7.12−7.32(1H,m),7.32−7.66(6H,m),7.76(2H,d,J=8.7Hz),7.94(1H,s),8.08(1H,d,J=7.9Hz),8.25(1H,d,J=1.5Hz),10.56(1H,s)
【0262】
実施例7
2−(1−{2−[(4−シアノフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}シクロペンチル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド
(工程1)
8−オキサスピロ[4.5]デカン−7,9−ジオンを用い、実施例3の工程1に記載する方法と同様にして反応および精製することにより2−(1−(2−(4−シアノフェニルアミノ)−2−オキソエチル)シクロペンチル)酢酸を得た。
MS(API):285(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物を用い、実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.43(3H,t,J=7.2Hz),1.51−1.70(3H,m),1.70−1.95(5H,m),2.52(2H,s),2.60(2H,s),4.37(2H,q,J=7.2Hz),7.16−7.31(1H,m),7.34−7.63(6H,m),7.67−7.89(3H,m),8.09(1H,d,J=7.5Hz),8.24(1H,d,J=1.9Hz),10.47(1H,s)
【0263】
実施例8
N−ベンジル−N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(940 mg,3.82 mmol)および濃硫酸(1滴)のメタノール(25 mL)溶液を14時間還流加熱した。反応溶液を冷却した後、酢酸エチルを加えた。溶液を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチル(557 mg,2.139 mmol,56.0%)を白色粉末として得た。
MS(API):259(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物(228 mg,0.88 mmol)のDMF(6 mL)溶液に水素化ナトリウム(60%油性、126 mg,2.63 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、臭化ベンジル(0.156 mL,1.31 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→85%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより5−(ベンジル(4−シアノフェニル)アミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチル(81 mg,0.230 mmol,26.3%)を無色油状物として得た。
MS(API):351(M+H)
(工程3)
工程2で得られた化合物(80.0 mg,0.23 mmol)および1N水酸化ナトリウム水溶液(1 mL,1.00 mmol)のメタノール(2 mL)およびTHF(2 mL)溶液を室温で14時間撹拌した。反応溶液を1N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより、粗生成物として5−(ベンジル(4−シアノフェニル)アミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(74.2 mg,0.221 mmol,97%)を白色粉末として得た。
MS(API):335(M−H)
(工程4)
工程3で得られた化合物を用い、実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.94(3H,d,J=6.8Hz),1.30(3H,t,J=7.2Hz),2.03−2.43(4H,m),4.41(2H,q,J=6.8Hz),4.96(2H,s),7.09−7.33(6H,m),7.36−7.67(6H,m),7.84(2H,d,J=8.7Hz),8.05(1H,d,J=7.6Hz),8.38(1H,s),9.83(1H,s)
【0264】
実施例9
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−N−(3−メトキシプロピル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチルおよび1−ブロモ−3−メトキシプロパンを用い、実施例8の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより5−((4−シアノフェニル)(3−メトキシプロピル)アミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸メチルを得た。
MS(API):333(M+H)
(工程2)
工程1で得られた化合物を用い、実施例8の工程3に記載する方法と同様にして反応および精製することにより、粗生成物として5−((4−シアノフェニル)(3−メトキシプロピル)アミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸を得た。
MS(API):317(M−H)
(工程3)
工程2で得られた化合物を用い、実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.90(3H,d,J=6.8Hz),1.30(3H,t,J=7.0Hz),1.51−1.74(2H,m),1.92−2.08(1H,m),2.04−2.32(3H,m),2.36−2.48(1H,m),3.07−3.19(3H,m),3.29(2H,t,J=6.2Hz),3.64−3.83(2H,m),4.41(2H,q,J=7.1Hz),7.37−7.67(3H,m),7.85−8.00(5H,m),8.05(1H,d,J=7.6Hz),8.36(1H,s),9.80(1H,s)
【0265】
実施例10
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ブタンジアミド
ジヒドロフラン−2,5−ジオンを用い、実施例3の工程1および実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.30(3H,t,J=7.0Hz),2.60−2.82(4H,m),4.41(2H,q,J=6.8Hz),7.16(1H,t,J=7.4Hz),7.43(1H,t,J=7.4Hz),7.50−7.64(3H,m),7.69−7.89(4H,m),8.04(1H,d,J=8.0Hz),8.42(1H,s),10.02(1H,s),10.48(1H,s)
【0266】
実施例11
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)シクロプロパン−1,2−ジカルボキサミド
3−オキサビシクロ(3.1.0)ヘキサン−2,4−ジオンを用い、実施例3の工程1および実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.20−1.39(4H,m),1.53−1.71(1H,m),2.17−2.41(2H,m),4.40(2H,q,J=6.9Hz),7.15(1H,t,J=7.4Hz),7.36−7.48(1H,m),7.48−7.63(3H,m),7.65−7.86(4H,m),7.99(1H,d,J=8.0Hz),8.32(1H,s),0.10(1H,s),10.50(1H,s)
【0267】
実施例12
N
4−(4−シアノフェニル)−N
1−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−2−メチルブタンジアミド
3−メチルジヒドロフラン−2,5−ジオンを用い、実施例3の工程1および実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.12−1.42(6H,m),2.53−2.57(1H,m),2.82(1H,dt,J=15.7,8.0Hz),2.98−3.16(1H,m),4.40(2H,q,J=6.8Hz),7.16(1H,t,J=7.4Hz),7.43(1H,t,J=7.8Hz),7.48−7.64(3H,m),7.67−7.90(4H,m),8.03(1H,d,J=7.6Hz),8.32−8.51(1H,m),10.00(1H,d,J=3.0Hz),10.45(1H,d,J=7.6Hz)
【0268】
実施例13
N
4−(4−シアノフェニル)−N
1−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−2,2−ジメチルブタンジアミド
3,3−ジメチルジヒドロフラン−2,5−ジオンを用い、実施例3の工程1および実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.21−1.36(3H,m),1.39(6H,s),2.80(2H,s),4.42(2H,q,J=6.9Hz),7.04−7.28(1H,m),7.37−7.68(4H,m),7.68−7.89(4H,m),8.04(1H,d,J=7.6Hz),8.34(1H,d,J=1.9Hz),9.36(1H,s),10.50(1H,s)
【0269】
実施例14
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(500 mg,3.28 mmol)および4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(420 mg,3.28 mmol)のTHF(15 mL)溶液を90℃で14時間撹拌した。反応溶液を濃縮することにより、粗生成物として5−(3−クロロ−4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(1143 mg,4.07 mmol,124%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.82−1.07(3H,m),2.05−2.42(5H,m),7.60(1H,dd,J=8.7,1.9Hz),7.88(1H,d,J=8.7Hz),8.06(1H,d,J=1.5Hz),10.50(1H,s),12.08(1H,s)
(工程2)
工程1で得られた化合物(300 mg,1.07 mmol)、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(270 mg,1.28 mmol)およびDIEA(0.560 mL,3.21 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(610 mg,1.60 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(225 mg,0.476 mmol,44.5%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.03(3H,d,J=6.0Hz),1.20−1.40(4H,m),2.19−2.48(3H,m),2.54(1H,brs),4.41(2H,q,J=7.1Hz),7.07−7.27(1H,m),7.36−7.69(5H,m),7.87(1H,d,J=8.7Hz),7.97−8.14(2H,m),8.39(1H,s),9.91(1H,s),10.54(1H,s)
【0270】
実施例15
N
1−(4−シアノフェニル)−N
5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−N
1,N
5,3−トリメチルペンタンジアミド
(工程1)
5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸を用い、実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することによりN
1−(4−シアノフェニル)−N
5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミドを得た。
MS(API):439(M+H)
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.03(3H,d,J=6.4Hz),1.30(3H,t,J=7.0Hz),2.18−2.48(4H,m),2.54−2.59(1H,m),4.41(2H,q,J=7.2Hz),7.17(1H,t,J=7.2Hz),7.34−7.64(4H,m),7.67−7.88(3H,m),7.95(1H,s),8.03(1H,d,J=7.6Hz),8.40(1H,s),9.92(1H,s),10.37(1H,s)
(工程2)
工程1で得られた化合物(200 mg,0.46 mmol)のDMF(6 mL)溶液に水素化ナトリウム(60%油性、219 mg,4.56 mmol)とヨウ化メチル(0.142 mL,2.28 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(30.7 mg,0.066 mmol,14.43%)を淡黄色粉末として得た。
MS(API):467(M+H)
【0271】
実施例16
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ペンタンジアミド
(工程1)
ジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(483 mg,4.23 mmol)および4−アミノベンゾニトリル(500 mg,4.23 mmol)のTHF(15 mL)溶液を14時間還流加熱した。反応溶液を減圧下に濃縮し、析出物を酢酸エチルで洗浄することにより5−(4−シアノフェニルアミノ)−5−オキソペンタン酸(782 mg,3.37 mmol,80%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.81(2H,quin,J=7.4Hz),2.17−2.35(2H,m),2.41(2H,t,J=7.4Hz),7.56−7.96(4H,m),10.33(1H,s),12.08(1H,brs)
(工程2)
工程1で得られた化合物(200 mg,0.97 mmol)、9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(217 mg,1.03 mmol)およびDIEA(0.451 mL,2.58 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(491 mg,1.29 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物を水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(229 mg,0.540 mmol,62.7%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.30(3H,t,J=7.0Hz),1.85−2.11(2H,m),2.31−2.44(1H,m),2.49−2.63(3H,m),4.41(2H,q,J=6.8Hz),7.17(1H,t,J=7.4Hz),7.36−7.65(4H,m),7.69−7.90(4H,m),8.04(1H,d,J=7.6Hz),8.43(1H,s),9.92(1H,s),10.37(1H,s)
【0272】
実施例17
N−(4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ヘキサンジアミド
(工程1)
アジピン酸無水物を用い、実施例3の工程1に記載する方法と同様にして反応および精製することにより6−(4−シアノフェニルアミノ)−6−オキソヘキサン酸を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.42−1.70(4H,m),2.13−2.30(2H,m),2.36(2H,t,J=7.0Hz),7.58−7.95(4H,m),10.32(1H,d,J=3.0Hz),12.00(1H,brs)
(工程2)
工程1で得られた化合物および9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミンを用い、実施例3の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.30(3H,t,J=7.0Hz),1.68(4H,brs),2.27−2.46(4H,m),4.41(2H,q,J=7.1Hz),7.07−7.25(1H,m),7.36−7.63(4H,m),7.68−7.85(4H,m),8.04(1H,d,J=7.6Hz),8.40(1H,s),9.89(1H,s),10.35(1H,s)
【0273】
実施例18
N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(500 mg,2.69 mmol)および4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(344 mg,2.69 mmol)のTHF(15 mL)溶液を90℃で14時間撹拌した。反応溶液を濃縮することにより、粗生成物として5−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(964 mg,3.07 mmol,114%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.80−1.08(3H,m),2.08−2.47(5H,m),7.88−8.16 2H,m),8.28(1H,d,J=1.9Hz),10.68(1H,s),12.09(1H,s)
(工程2)
工程1で得られた化合物(300 mg,0.95 mmol)、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(241 mg,1.15 mmol)およびDIEA(0.500 mL,2.86 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(544 mg,1.43 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、さらにNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(189 mg,0.372 mmol,39.0%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.05(3H,d,J=6.0Hz),1.30(3H,t,J=7.0Hz),2.24−2.48(3H,m),2.56(2H,d,J=10.6Hz),4.41(2H,q,J=6.8Hz),7.17(1H,t,J=7.4Hz),7.33−7.67(4H,m),7.89−8.16(3H,m),8.30(1H,s),8.41(1H,s),9.93(1H,s),10.72(1H,s)
【0274】
実施例19
N−(4−シアノフェニル)−3−メチル−N’−(9−プロピル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)ペンタンジアミド
(工程1)
6−ニトロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール(250 mg,1.16 mmol)および炭酸カリウム(479 mg,3.47 mmol)のDMF(8 mL)溶液に1−ブロモプロパン(0.263 mL,2.89 mmol)を加え、70℃で14時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→55%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより6−ニトロ−9−プロピル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール(279 mg,1.081 mmol,93%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.66−2.05(6H,m),2.60−2.85(4H,m),3.89−4.11(2H,m),7.15−7.33(1H,m),8.03(1H,dd,J=8.7,2.3Hz),8.41(1H,d,J=2.3Hz)
(工程2)
工程1で得られた化合物(270 mg,1.05 mmol)および10%パラジウム炭素(50%含水、10 mg,0.09 mmol)のメタノール(4 mL)および酢酸エチル(4 mL)混合溶液を1気圧の水素雰囲気下、室温で14時間撹拌した。触媒をろ別した後、ろ液を減圧下に濃縮することにより9−プロピル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−アミン(230 mg,1.006 mmol,96%)を茶色油状物として得た。
MS(API):229(M+H)
(工程3)
工程2で得られた化合物(229 mg,1.00 mmol)、5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(247 mg,1.00 mmol)およびDIEA(0.525 mL,3.01 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(572 mg,1.50 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(151 mg,0.332 mmol,33.1%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.84(3H,t,J=7.4Hz),1.00(3H,d,J=6.4Hz),1.51−1.71(2H,m),1.71−1.94(4H,m),2.19−2.39(3H,m),2.41−2.48(2H,m),2.57(2H,t,J=5.5Hz),2.68(2H,t,J=5.7Hz),3.96(2H,t,J=7.2Hz),7.15(1H,dd,J=8.7,1.9Hz),7.25(1H,d,J=8.3Hz),7.67(1H,d,J=1.9Hz),7.70−7.87(4H,m),9.66(1H,s),10.35(1H,s)
【0275】
実施例20
N−(4−シアノフェニル)−3−メチル−N’−[9−(2−メチルプロピル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル]ペンタンジアミド
(工程1)
6−ニトロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール(250 mg,1.16 mmol)および炭酸カリウム(479 mg,3.47 mmol)のDMF(8 mL)溶液に1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.314 mL,2.89 mmol)を加え、70℃で14時間撹拌した。反応混合物を冷却した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→55%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより9−イソブチル−6−ニトロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール(296 mg,1.087 mmol,94%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ0.93(6H,d,J=6.8Hz),1.77−2.05(4H,m),2.05−2.28(1H,m),2.62−2.84(4H,m),3.83(2H,d,J=7.6Hz),7.14−7.32(1H,m),8.03(1H,dd,J=9.1,2.3Hz),8.41(1H,d,J=2.3Hz)
(工程2)
工程1で得られた化合物(290 mg,1.06 mmol)および10%パラジウム炭素(50%含水、10 mg,0.09 mmol)のメタノール(4 mL)および酢酸エチル(4 mL)混合溶液を1気圧の水素雰囲気下、室温で14時間撹拌した。触媒をろ別した後、ろ液を減圧下に濃縮することにより9−イソブチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−アミン(237 mg,0.977 mmol,92%)を茶色油状物として得た。
MS(API):243(M+H)
(工程3)
工程2で得られた化合物(235 mg,0.97 mmol)、5−(4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(239 mg,0.97 mmol)およびDIEA(0.508 mL,2.91 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(553 mg,1.45 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(242 mg,0.515 mmol,53.1%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.84(6H,d,J=6.4Hz),1.00(3H,d,J=6.4Hz),1.81(4H,dt,J=13.3,6.6Hz),1.94−2.16(1H,m),2.16−2.41(3H,m),2.41−2.48(2H,m),2.53−2.75(4H,m),3.79(2H,d,J=7.6Hz),7.14(1H,dd,J=8.7,1.9Hz),7.24(1H,d,J=8.7Hz),7.67(1H,d,J=1.9Hz),7.70−7.86(4H,m),9.66(1H,s),10.35(1H,s)
【0276】
実施例21
N
1−(4−シアノベンジル)−N
4−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−2−メチルブタンジアミド
3−メチルジヒドロフラン−2,5−ジオンを用い、実施例3の工程1および実施例1の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.08−1.43(6H,m),2.23−2.48(1H,m),2.58−2.78(1H,m),2.78−3.00(1H,m),4.41(2H,q,J=6.9Hz),7.17(1H,t,J=7.6Hz),7.35−7.65(4H,m),8.05(1H,d,J=7.9Hz),8.33−8.52(1H,m),9.95(1H,s),12.14(1H,brs)
【0277】
実施例22
4−シアノ−N−{4−[(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アミノ]−4−オキソブチル}ベンズアミド
(工程1)
3−アミノ−9−エチルカルバゾール(500 mg,2.38 mmol),4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酪酸(483 mg,2.38 mmol)およびDIEA(1.246 mL、7.13 mmol)のDMF(12 mL)溶液にHATU(1085 mg,2.85 mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、粗生成物として4−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルアミノ)−4−オキソブチルカルバミン酸 tert−ブチル(1080 mg,2.73 mmol,115%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.29−1.59(12H,m),1.92(2H,quin,J=6.6Hz),2.43(2H,t,J=7.0Hz),3.26(2H,q,J=6.0Hz),4.29(2H,q,J=7.2Hz),7.09−7.23(1H,m),7.23−7.50(3H,m),7.55(1H,d,J=7.9Hz),7.94−8.08(2H,m),8.37(1H,s),8.77(1H,brs)
(工程2)
工程1で得られた化合物(1.0 g,2.53 mmol)および4M塩化水素/酢酸エチル(4 mL,16.00 mmol)の酢酸エチル(10 mL)溶液を室温で14時間撹拌した。析出物をろ取し、酢酸エチルで洗浄することにより、4−アミノ−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩(0.622 g,1.875 mmol,74.2%)を白色粉末として得た。
MS(API):296(M−HCl+H)
(工程3)
工程2で得られた化合物(150 mg,0.45 mmol)、4−シアノ安息香酸(80 mg,0.54 mmol)およびDIEA(0.395 mL,2.26 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(258 mg,0.68 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、標題化合物(141 mg,0.332 mmol,73.5%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.30(3H,t,J=7.0Hz),1.78−2.00(2H,m),2.42(2H,t,J=7.4Hz),3.34−3.47(2H,m),4.41(2H,q,J=6.9Hz),7.17(1H,t,J=7.2Hz),7.37−7.48(1H,m),7.48−7.65(3H,m),7.87−8.11(5H,m),8.39(1H,s),8.78(1H,t,J=5.5Hz),9.92(1H,s)
【0278】
実施例23
N−(3−{[(4−シアノフェニル)スルホニル]アミノ}−2−メチルプロピル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボキサミド
(工程1)
(3−アミノ−2−メチルプロピル)カルバミン酸 tert−ブチル(200 mg,1.06 mmol),TEA(0.444 mL,3.19 mmol)のTHF(5 mL)溶液に塩化 4−シアノベンゼン−1−スルホニル(214 mg,1.06 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、(3−(4−シアノフェニルスルホンアミド)−2−メチルプロピル)カルバミン酸 tert−ブチル(273 mg,0.772 mmol,72.7%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.77(3H,d,J=6.8Hz),1.34(9H,s),1.53−1.71(1H,m),2.52−2.57(1H,m),2.64−2.89(3H,m),6.78(1H,t,J=5.8Hz),7.84(1H,s),7.90−7.97(2H,m),8.05−8.12(2H,m)
(工程2)
工程1で得られた化合物(273 mg,0.77 mmol)のTFA(1 mL,12.98 mmol)溶液を室温で15分間撹拌し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルおよび1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することによりN−(3−アミノ−2−メチルプロピル)−4−シアノベンゼンスルホンアミド(128 mg,0.505 mmol,65.4%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.77(3H,d,J=6.4Hz),1.41−1.55(1H,m),2.32−2.45(2H,m),2.61(1H,dd,J=12.5,6.8Hz),2.74−2.84(1H,m),3.59(3H,brs),7.91−7.98(2H,m),8.05−8.12(2H,m)
(工程3)
工程2で得られた化合物(65.7mg,0.26 mmol),9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸(62.1 mg,0.26 mmol),HATU(128 mg,0.34 mmol),TEA(0.108 mL,0.78 mmol)のDMF(1.25 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、標題化合物(81 mg,0.170 mmol,65.7%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.89(3H,d,J=6.4Hz),1.33(3H,t,J=7.2Hz),1.81−1.98(1H,m),2.60−2.74(1H,m),2.79−2.91(1H,m),3.10−3.26(2H,m),4.48(2H,q,J=6.9Hz),7.27(1H,t,J=7.2Hz),7.45−7.55(1H,m),7.66(2H,d,J=8.7Hz),7.86−8.07(6H,m),8.18(1H,d,J=7.6Hz),8.40(1H,t,J=5.7Hz),8.65(1H,d,J=1.5Hz)
【0279】
実施例24
2−({2−[(4−シアノフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド
(工程1)
4−アミノベンゾニトリル(500 mg,4.23 mmol)、2,2’−チオジ酢酸(3.18 g,21.2 mmol)、WSC(4.87 g,25.4 mmol),DMAP(258 mg,0.21 mmol),DIEA(5.47 g,42.3 mmol)のTHF(200 mL)溶液を室温で60時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を分取HPLCによって精製することにより、2−((2−((4−シアノフェニル)アミノ)−2−オキソエチル)チオ)酢酸(162 mg,15.3%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ3.42(2H,s),3.47(2H,s),7.75(2H,d,J=9.0Hz),7.78(2H,d,J=9.0Hz),10.53(1H,s),12.64(1H,s)
(工程2)
工程1で得られた化合物(145 mg,0.58 mmol)、9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(122 mg,0.58 mmol),HATU(330 mg,0.87 mmol),DIEA(225 mg,1.74 mmol)のDMF(4 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応溶液に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、標題化合物(150 mg,0.339 mmol,59%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.30(3H,t,J=7.2Hz),3.53(2H,s),3.60(2H,s),4.41(2H,q,J=7.2Hz),7.15−7.20(1H,m),7.42−7.47(1H,m),7.53−7.60(3H,m),7.73−7.80(4H,m),8.01(1H,d,J=7.5Hz),8.37(1H,t like),10.13(1H,s),10.59(1H,s)
【0280】
実施例25
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド(光学活性体、保持時間小)
実施例26
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド(光学活性体、保持時間大)
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド(0.500 g)をキラルカラムクロマトグラフィーによって光学分割した。保持時間小の分取画分を濃縮することにより実施例25の標題化合物(0.195 g)を、保持時間大の分取画分を濃縮することにより実施例26の標題化合物(0.203 g)をそれぞれ白色粉末として得た。
キラルカラムクロマトグラフィーによる精製条件
カラム:CHIRALPAK AD 50mmID×500mmL
溶媒:ヘキサン/エタノール=500/500(v/v)
流速:80 mL/min
温度:40℃
検出法:UV220nm
実施例25の標題化合物
光学純度:>99.9%ee、化学純度:>99.9%
MS(API):473(M+H)
実施例26の標題化合物
光学純度:>99.9%ee、化学純度:>99.9%
MS(API):473(M+H)
【0281】
実施例27
5−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)ペンタンアミド
(工程1)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(300 mg,1.43 mmol)のトルエン(4 mL)溶液にトリメチルアルミニウム(1.8Mトルエン溶液、1.189 mL,2.14 mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物にδ−バレロラクトン(0.129 mL,1.43 mmol)のトルエン(4 mL)溶液を室温で加え、80℃で4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより、N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−5−ヒドロキシペンタンアミド(420 mg,1.352 mmol,95%)を淡黄色粉末として得た。
MS(API):311(M+H)
(工程2)
工程1で得られた化合物(150 mg,0.48 mmol)および2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル(75 mg,0.48 mmol)のTHF(6 mL)溶液にカリウム t−ブトキシド(136 mg,1.21 mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→85%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、標題化合物(79 mg,0.178 mmol,36.8%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.42(3H,t,J=7.2Hz),1.86−2.06(4H,m),2.42−2.59(2H,m),4.07(2H,s),4.35(2H,q,J=7.1Hz),6.85(1H,dd,J=8.7,2.3Hz),7.01(1H,d,J=2.6Hz),7.14−7.26(2H,m),7.29−7.61(5H,m),8.06(1H,d,J=7.6Hz),8.30(1H,d,J=1.9Hz)
【0282】
実施例28
4−シアノ−N−エチル−N−{4−[(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アミノ]−4−オキソブチル}ベンズアミド
(工程1)
4−シアノ安息香酸(2.0 g,13.59 mmol)、4−アミノ酪酸エチル塩酸塩(2.507 g,14.95 mmol)、HOBt(0.918 g,6.80 mmol)およびTEA(6.63 mL,47.58 mmol)のDMF(20 mL)溶液にWSC(3.26 g,16.99 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、4−(4−シアノベンズアミド)ブタン酸エチル(1.558 g,5.99 mmol,44.0%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.25(3H,t,J=7.0Hz),1.98(2H,quin,J=6.6Hz),2.48(2H,t,J=6.6Hz),3.42−3.62(2H,m),4.14(2H,q,J=7.2Hz),6.96(1H,brs),7.68−7.81(2H,m),7.85−7.97(2H,m)
(工程2)
工程1で得られた化合物(200 mg,0.77 mmol)のDMF(4 mL)溶液に水素化ナトリウム(50%油性、111 mg,2.31 mmol)およびヨウ化エチル(0.093 mL,1.15 mmol)を室温で加え、60℃で14時間撹拌した。反応溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(3 mL,3.00 mmol)を加え、さらに60℃で2時間撹拌した。反応溶液を冷却した後、1N塩酸で中和した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより、粗生成物として4−(4−シアノ−N−エチルベンズアミド)ブタン酸(0.23 g,0.76 mmol、98.7%)を得た。
(工程3)
工程1で得られた化合物(0.23 g,0.76 mmol)、3−アミノ−N−エチルカルバゾール(159 mg,0.76 mmol)およびDIEA(0.396 mL,2.27 mmol)のDMF(6 mL)溶液にHATU(359 mg,0.94 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、標題化合物(43.4 mg,0.087 mmol,11.56%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.40(3H,t,J=7.0Hz),1.66−1.86(2H,m),1.97(1H,brs),2.08−2.20(1H,m),2.24(1H,brs),2.52(1H,t,J=6.2Hz),3.04−3.27(4H,m),3.27−3.42(2H,m),3.49(1H,brs),3.56−3.82(2H,m),4.33(2H,q,J=7.2Hz),7.16−7.56(7H,m),7.61(2H,d,J=7.9Hz),8.03(1H,d,J=7.9Hz),8.37(1H,s),8.49(1H,brs)
【0283】
実施例29
4−シアノ−N−{4−[(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アミノ]−4−オキソブチル}−N−(3−メトキシプロピル)ベンズアミド
(工程1)
4−(4−シアノベンズアミド)ブタン酸エチルおよび1−ブロモ−3−メトキシプロパンを用い、実施例28の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより4−(4−シアノ−N−(3−メトキシプロピル)ベンズアミド)ブタン酸を得た。
MS(API):303(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物を用い、実施例28の工程3に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.40(3H,t,J=7.0Hz),1.66−1.86(2H,m),1.97(1H,brs),2.08−2.20(1H,m),2.24(1H,brs),2.52(1H,t,J=6.2Hz),3.04−3.27(4H,m),3.27−3.42(2H,m),3.49(1H,brs),3.56−3.82(2H,m),4.33(2H,q,J=7.2Hz),7.16−7.56(7H,m),7.61(2H,d,J=7.9Hz),8.03(1H,d,J=7.9Hz),8.37(1H,s),8.49(1H,brs)
【0284】
実施例30
5−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド
(工程1)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(300 mg,1.43 mmol)のトルエン(4 mL)溶液にトリメチルアルミニウム(1.8Mトルエン溶液、1.189 mL,2.14 mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(186 mg,1.43 mmol)のトルエン(4 mL)溶液を室温で加え、80℃で4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1N塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3,5−ジヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド(359 mg,1.056 mmol,74.0%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.33−1.53(6H,m),1.71−2.01(2H,m),2.49(1H,d,J=14.7Hz),2.73(1H,d,J=14.3Hz),2.83−3.03(1H,m),3.81−4.06(2H,m),4.33(2H,q,J=7.2Hz),4.90(1H,s),7.16−7.55(5H,m),7.97−8.12(1H,m),8.27(1H,d,J=1.9Hz),8.36(1H,s)
(工程2)
工程1で得られた化合物(348 mg,1.02 mmol)および2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル(159 mg,1.02 mmol)のTHF(10 mL)溶液にカリウム t−ブトキシド(287 mg,2.56 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、標題化合物(236 mg,0.496 mmol,48.5%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.30−1.54(6H,m),1.85−2.24(2H,m),2.45−2.78(2H,m),4.03−4.43(4H,m),4.64(1H,s),6.83(1H,dd,J=8.9,2.5Hz),7.00(1H,d,J=2.3Hz),7.17−7.55(6H,m),7.77−7.95(1H,m),7.96−8.10(1H,m),8.24(1H,d,J=1.9Hz)
【0285】
実施例31
2−({2−[(4−シアノフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}スルホニル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド
2−({2−[(4−シアノフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド(60 mg,0.14 mmol)のDMF(1.5 mL)溶液にmCPBA(73.5 mg,0.30 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、標題化合物(42 mg,0.088mmol,65%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.31(3H,t,J=7.2Hz),4.43(2H,q,J=7.2Hz),4.51(2H,s),4.60(2H,s),7.17−7.22(1H,m),7.43−7.49(1H,m),7.53−7.62(3H,m),7.77−7.85(4H,m),8.09(1H,d,J=7.8Hz),8.44(1H,d,J=1.8Hz),10.52(1H,s),10.92(1H,s)
【0286】
実施例32
N−(3−{[(4−シアノフェニル)カルボニル]アミノ}−2−メチルプロピル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボキサミド
(工程1)
(3−アミノ−2−メチルプロピル)カルバミン酸 tert−ブチル(200 mg,1.06 mmol),4−シアノ安息香酸(156 mg,1.06 mmol),HATU(525 mg,1.38 mmol),TEA(0.444 mL,3.19 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、(3−(4−シアノベンズアミド)−2−メチルプロピル)カルバミン酸 tert−ブチル(311 mg,0.980 mmol,92%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ0.83(3H,d,J=6.8Hz),1.37(9H,s),1.74−1.93(1H,m),2.76−3.00(2H,m),3.05−3.25(2H,m),6.82(1H,t,J=5.7Hz),7.93−8.02(4H,m),8.65(1H,t,J=5.5Hz)
(工程2)
工程1で得られた化合物(311 mg,0.98 mmol)のTFA(1 mL,12.98 mmol)溶液を室温で15分間撹拌し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルおよび1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することによりN−(3−アミノ−2−メチルプロピル)−4−シアノベンズアミド(198 mg,0.911 mmol、93%)を白色粉末として得た。
(工程3)
工程2で得られた化合物(198 mg,0.91 mmol),9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸(218 mg,0.91 mmol),HATU(450 mg,1.18 mmol),TEA(0.381 mL,2.73 mmol)のDMF(4.5 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;20→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、標題化合物(200 mg,0.456 mmol,50.0%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.95(3H,d,J=6.8Hz),1.33(3H,t,J=7.2Hz),2.02−2.16(1H,m),3.19−3.37(3H,m),4.48(2H,q,J=6.9Hz),7.26(1H,t,J=7.2Hz),7.46−7.55(1H,m),7.66(2H,d,J=8.7Hz),7.92−8.06(5H,m),8.18(1H,d,J=7.5Hz),8.50(1H,t,J=5.8Hz),8.70(1H,d,J=1.5Hz),8.79(1H,t,J=5.8Hz)
【0287】
実施例33
N−{3−[(4−シアノベンジル)アミノ]−2−メチル−3−オキソプロピル}−9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボキサミド
(工程1)
3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸(200 mg,0.98 mmol),4−(アミノメチル)ベンゾニトリル(130 mg,0.98 mmol),HATU(486 mg,1.28 mmol),TEA(0.411 mL、2.95 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;20→67%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、(3−((4−シアノベンジル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロピル)カルバミン酸 tert−ブチル(221 mg,0.696 mmol,70.8%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.00(3H,d,J=7.2Hz),1.37(9H,s),2.90(1H,dt,J=13.2,6.6Hz),3.03−3.16(1H,m),4.23−4.42(2H,m),6.77(1H,t,J=5.5Hz),7.42(2H,d,J=8.3Hz),7.72−7.82(2H,m),8.44(1H,t,J=6.0Hz)
(工程2)
工程1で得られた化合物(221 mg,0.70 mmol)のTFA(1 mL,12.98 mmol)溶液を室温で15分間撹拌し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルおよび1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより3−アミノ−N−(4−シアノベンジル)−2−メチルプロパンアミド(112 mg,0.515 mmol,74.0%)を白色粉末として得た。
(工程3)
工程2で得られた化合物(112 mg,0.52 mmol),9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸(123 mg,0.52 mmol)、HATU(255 mg,0.67 mmol),TEA(0.216 mL,1.55 mmol)のDMF溶液(2.5 mL)を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を注いだ後、酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢酸エチル)によって精製することにより、標題化合物(158 mg,0.360 mmol,69.9%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.11(3H,d,J=6.8Hz),1.34(3H,t,J=7.2Hz),2.75−2.89(1H,m),3.33−3.49(2H,m),4.19−4.32(1H,m),4.39−4.56(3H,m),7.26(1H,t,J=7.3Hz),7.38(2H,d,J=8.7Hz),7.46−7.60(3H,m),7.66(2H,d,J=8.3Hz),7.99(1H,dd,J=8.7,1.5Hz),8.15(1H,d,J=7.9Hz),8.51(2H,q,J=5.8Hz),8.71(1H,d,J=1.5Hz)
【0288】
実施例34
2−((2−((4−シアノフェニル)アミノ)−2−オキソエチル)スルフィニル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド
2−({2−[(4−シアノフェニル)アミノ]−2−オキソエチル}スルファニル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド(55 mg,0.12 mmol)のアセトニトリル(4 mL)および水(2 mL)混合溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(29.2 mg,0.14 mmol)を加え、室温で18日間撹拌した。反応混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を分取HPLCによって精製することにより、標題化合物(13 mg,0.028 mmol,23%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.31(3H,t,J=6.9Hz),4.01(2H,t,J=13.8Hz),4.19(2H,t,J=13.8Hz),4.43(2H,q,J=6.9Hz),7.19(1H,t,J=7.8Hz),7.46(1H,t,J=7.5Hz),7.55−7.61(3H,m),7.81(4H,s),8.07(1H,d,J=7.5Hz),8.45(1H,s),10.43(1H,s),10.85(1H,s)
【0289】
実施例35
2−((2−((4−シアノフェニル)アミノ)−2−オキソエチル)(メチル)アミノ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)アセトアミド
(工程1)
2,2’−(メチルアザンジイル)二酢酸(500 mg,3.40 mmol)および無水酢酸(5 mL)の混合物を165℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮することにより4−メチルモルホリン−2,6−ジオンを粗生成物として得た。得られた粗生成物をTHF(10 mL)に溶解し、p−アミノベンゾニトリル(401 mg,3.40 mmol)を加えた。混合物を22時間還流加熱し、減圧下に濃縮することにより、2−((2−((4−シアノフェニル)アミノ)−2−オキソエチル)(メチル)アミノ)酢酸(467 mg,56%)を淡茶色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ2.42(3H,s),3.41(4H,s),7.76−7.85(4H,m),10.30(1H,s)
(工程2)
工程1で得られた化合物および9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミンを用い、実施例3の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.31(3H,t,J=7.2Hz),2.49(3H,s),3.43(2H,s),3.48(2H,s),4.42(2H,q,J=7.2Hz),7.19(1H,t,J=7.5Hz),7.42−7.48(1H,m),7.56−7.67(3H,m),7.81(2H,d,J=8.7Hz),7.91(2H,d,J=8.7Hz),8.07(1H,d,J=7.8Hz),8.44(1H,d,J=2.1Hz),10.07(1H,s),10.55(1H,s)
【0290】
実施例36
N
2−[(4−シアノフェニル)アセチル]−N−[(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メチル]アラニンアミド
(工程1)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(200 mg,1.06 mmol),(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メタンアミン(237 mg,1.06 mmol),HATU(522 mg,1.37 mmol),TEA(0.442 mL,3.17 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→60%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、酢酸エチルおよびヘキサンから結晶化させることにより(1−(((9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(324 mg,0.819 mmol,78%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.19−1.43(15H,m),3.95−4.09(1H,m),4.35−4.50(4H,m),6.93(1H,d,J=7.6Hz),7.12−7.21(1H,m),7.35(1H,d,J=9.1Hz),7.43(1H,td,J=7.7,1.1Hz),7.56(2H,dd,J=13.2,8.3Hz),8.03(1H,s),8.11(1H,d,J=7.6Hz),8.27(1H,t,J=5.7Hz).
(工程2)
工程1で得られた化合物(324 mg,0.82 mmol)のTFA(1 mL,12.98 mmol)溶液を室温で15分間撹拌し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルおよび1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより2−アミノ−N−((9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メチル)プロパンアミド(242 mg,0.819 mmol,100%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.11−1.21(3H,m),1.22−1.33(3H,m),1.81−2.14(2H,m),3.19−3.42(1H,m),4.29−4.51(4H,m),7.05−7.25(1H,m),7.30−7.63(4H,m),7.93−8.16(2H,m),8.22−8.35(1H,m).
(工程3)
工程2で得られた化合物(242 mg,0.82 mmol)、2−(4−シアノフェニル)酢酸(198 mg,1.23 mmol),HATU(468 mg,1.23 mmol),TEA(0.343 mL,2.46 mmol)のDMF(3 mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応溶液に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル)によって精製することにより、標題化合物(50.3 mg,0.115 mmol,14%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.23−1.40(6H,m),3.61(2H,s),4.24−4.52(5H,m),7.11−7.21(1H,m),7.33(1H,dd,J=8.3,1.5Hz),7.39−7.61(5H,m),7.67−7.75(2H,m),7.97−8.10(2H,m),8.37−8.51(2H,m).
【0291】
実施例37
4−シアノ−N−(3−{[(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メチル]アミノ}−2−メチル−3−オキソプロピル)ベンズアミド
(工程1)
3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸および(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メタンアミンを用い、実施例36の工程1に記載する方法と同様にして反応および精製することにより(3−(((9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メチル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロピル)カルバミン酸 tert−ブチルを得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.02(3H,d,J=6.8Hz),1.29(3H,t,J=7.0Hz),1.36(9H,s),2.53−2.58(1H,m),2.90−2.99(1H,m),3.14(1H,dt,J=13.0,6.3Hz),4.33−4.51(4H,m),6.75(1H,t,J=5.5Hz),7.14−7.22(1H,m),7.36(1H,dd,J=8.5,1.7Hz),7.44(1H,ddd,J=8.3,7.2,1.1Hz),7.56(2H,dd,J=12.1,8.3Hz),8.00(1H,d,J=0.8Hz),8.11(1H,d,J=7.6Hz),8.34(1H,t,J=5.7Hz).
(工程2)
工程1で得られた化合物を用い、実施例36の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより3−アミノ−N−((9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)メチル)−2−メチルプロパンアミドを得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.02(3H,d,J=6.8Hz),1.25−1.32(3H,m),1.47−1.89(1H,m),2.25−2.40(1H,m),2.53−2.60(1H,m),2.67−2.77(1H,m),4.32−4.52(4H,m),7.12−7.22(1H,m),7.29−7.64(4H,m),7.94−8.14(2H,m),8.32−8.47(1H,m).
(工程3)
工程2で得られた化合物および4−シアノ安息香酸を用い、実施例36の工程3に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.09(3H,d,J=6.8Hz),1.27(3H,t,J=7.0Hz),2.67−2.81(1H,m),3.32−3.46(2H,m),4.28(1H,dd,J=14.7,4.9Hz),4.40(2H,q,J=7.2Hz),4.58(1H,dd,J=14.7,6.8Hz),7.12−7.20(1H,m),7.27−7.33(1H,m),7.36−7.47(2H,m),7.58(1H,d,J=8.3Hz),7.77−7.84(2H,m),7.88−8.04(4H,m),8.41(1H,t,J=5.9Hz),8.79(1H,t,J=5.5Hz).
【0292】
実施例38
5−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
(工程1)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(4.21 g,20 mmol)のTHF(40 mL)溶液に3−メチルグルタル酸無水物(2.56 g,20.00 mmol)を加え、90℃で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(6.23 g,18.41 mmol,92%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.00(3H,d,J=6.1Hz),1.30(3H,t,J=7.0Hz),2.07−2.32(2H,m),2.32−2.46(3H,m),4.41(2H,q,J=6.9Hz),7.17(1H,t,J=7.4Hz),7.43(1H,t,J=7.6Hz),7.49−7.63(3H,m),8.05(1H,d,J=8.0Hz),8.41(1H,s),9.91(1H,s),12.09(1H,brs)
(工程2)
工程1で得られた化合物(1.0 g,2.96 mmol)のTHF(10 mL)溶液に1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体のTHF(5.91 mL,5.91 mmol)溶液を室温で加え14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することによりN−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド(0.514 g,1.586 mmol,53.7%)を無色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.95(3H,d,J=6.4Hz),1.21−1.46(4H,m),1.47−1.73(1H,m),2.01−2.24(2H,m),2.24−2.44(1H,m),3.40−3.58(2H,m),4.27−4.53(3H,m),7.17(1H,t,J=7.2Hz),7.43(1H,td,J=7.7,1.1Hz),7.49−7.65(3H,m),8.05(1H,d,J=7.6Hz),8.41(1H,d,J=1.5Hz),9.85(1H,s).
(工程3)
工程2で得られた化合物(500 mg,1.54 mmol)および2−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル(240 mg,1.54 mmol)のTHF(15 mL)溶液にカリウム t−ブトキシド(432 mg,3.85 mmol)を室温で加え、14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→75%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(458 mg,0.996 mmol,64.6%)を無色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.03(3H,d,J=6.0Hz),1.20−1.42(3H,m),1.56−1.79(1H,m),1.79−2.00(1H,m),2.14−2.33(2H,m),2.33−2.48(1H,m),4.04−4.31(2H,m),4.41(2H,q,J=6.9Hz),7.00−7.26(2H,m),7.35(1H,d,J=2.3Hz),7.38−7.49(1H,m),7.49−7.66(3H,m),7.85(1H,d,J=8.7Hz),8.04(1H,d,J=7.9Hz),8.40(1H,s),9.91(1H,s).
【0293】
実施例39
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−フェニルペンタンジアミド
(工程1)
3−フェニルペンタンジカルボン酸(1.0 g,4.80 mmol)の無水酢酸(0.453 mL,4.80 mmol)溶液を100℃で14時間撹拌した。反応混合物を濃縮した後、残渣にトルエン(10 mL)を加え、さらに4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(0.733 g,4.80 mmol)およびTEA(0.669 mL,4.80 mmol)を加えた。混合物を80℃で3時間撹拌した後、室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより5−((3−クロロ−4−シアノフェニル)アミノ)−5−オキソ−3−フェニルペンタン酸(1.200 g,3.50 mmol,72.9%)を淡黄色粉末として得た。
MS(API):341(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物(1.2 g,3.50 mmol),9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルアミン(0.736 g,3.50 mmol)、HATU(1.464 g,3.85 mmol)およびTEA(0.537 mL,3.85 mmol)のDMF(10 mL)溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、酢酸エチルから結晶化させることにより標題化合物(0.187 g,0.350 mmol,9.98%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.28(3H,t,J=7.2Hz),2.66−2.96(4H,m),3.77(1H,t,J=7.6Hz),4.39(2H,d,J=7.2Hz),7.16(2H,td,J=6.9,4.3Hz),7.23−7.66(9H,m),7.82(1H,d,J=8.7Hz),7.91−8.11(2H,m),8.29(1H,d,J=1.5Hz),9.88(1H,s),10.52(1H,s).
【0294】
実施例40
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)シクロブタン−1,2−ジカルボキサミド
(工程1)
4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(1229 mg,8.06 mmol),3−オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2,4−ジオン(1016 mg,8.06 mmol)およびTEA(1.123 mL,8.06 mmol)のトルエン(10 mL)溶液を80℃で14時間撹拌した。反応混合物に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をCOOH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、酢酸エチルから結晶化させることにより2−((3−クロロ−4−シアノフェニル)カルバモイル)シクロブタンカルボン酸(795 mg,2.85 mmol,35.4%)を無色結晶として得た。
MS(API):277(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物(795 mg,2.85 mmol)、9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(600 mg,2.85 mmol)、HATU(1085 mg,2.85 mmol)およびTEA(0.437 mL,3.14 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で14時間撹拌した。反応混合物に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、酢酸エチルおよびエタノールから結晶化させることにより標題化合物(82 mg,0.174 mmol,6.10%)を無色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.28(3H,t,J=7.0Hz),2.07−2.25(1H,m),2.25−2.45(4H,m),3.47−3.74(1H,m),4.39(2H,d,J=7.2Hz),7.15(1H,t,J=7.0Hz),7.33−7.49(3H,m),7.50−7.66(2H,m),7.80(1H,d,J=8.7Hz),7.90(1H,d,J=7.6Hz),8.01(1H,d,J=1.9Hz),8.16(1H,d,J=1.1Hz),9.64(1H,brs),10.28(1H,brs).
【0295】
実施例41
N−(4−シアノ−3−メトキシフェニル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
2−メトキシ−4−ニトロベンゾニトリル(750 mg,4.21 mmol)およびパラジウム炭素(50 mg,0.47 mmol)のメタノール(15 mL)溶液を水素雰囲気下(1 atm)、室温で48時間撹拌した。触媒をろ別した後、ろ液を減圧濃縮することにより4−アミノ−2−メトキシベンゾニトリル(679 mg,4.58 mmol,定量的)を茶褐色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ3.32(3H,s),6.05−6.29(4H,m),7.23(1H,d,J=8.3Hz).
(工程2)
工程1で得られた化合物(670 mg,4.52 mmol)および3−メチルグルタル酸 無水物(579 mg,4.52 mmol)のTHF(20 mL)溶液を14時間還流加熱した。反応溶液を減圧濃縮することにより5−((4−シアノ−3−メトキシフェニル)アミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸(1.35 g,4.89 mmol,定量的)を茶褐色油状物として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.75−1.12(3H,m),1.58−1.91(1H,m),2.08−2.19(1H,m),2.22−2.46(2H,m),2.48−2.55(1H,m),2.65−2.94(1H,m),3.36(1H,brs),3.60(1H,t,J=6.4Hz),7.25(1H,dd,J=8.3,1.5Hz),7.45−7.76(2H,m),10.34(1H,s),12.11(1H,brs).
(工程3)
工程2で得られた化合物(1.20 g,4.34 mmol)、9−エチル−9H−カルバゾール−3−アミン(0.913 g,4.34 mmol)およびDIEA(1.896 mL,10.86 mmol)のDMF(15 mL)溶液にHATU(1.982 g,5.21 mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→85%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。さらにNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(0.788 g,1.681 mmol,38.7%)を無色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.04(3H,d,J=6.0Hz),1.30(3H,t,J=7.0Hz),2.22−2.49(4H,m),2.53−2.64(1H,m),3.86(3H,s),4.41(2H,q,J=7.2Hz),7.07−7.34(2H,m),7.36−7.70(6H,m),8.04(1H,d,J=7.6Hz),8.31−8.50(1H,m),9.94(1H,s),10.39(1H,s).
【0296】
実施例42
N
5−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N
1−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−2−メチルペンタンジアミド
実施例43
N
1−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N
5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−2−メチルペンタンジアミド
(工程1)
3−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(876 mg,6.84 mmol),4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(1044 mg,6.84 mmol)およびTEA(0.953 mL,6.84 mmol)のトルエン(10 mL)溶液を70℃で3時間撹拌した。反応混合物に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をCOOH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより5−((3−クロロ−4−シアノフェニル)アミノ)−2−メチル−5−オキソペンタン酸および5−((3−クロロ−4−シアノフェニル)アミノ)−4−メチル−5−オキソペンタン酸の混合物(750 mg,2.67 mmol,39.1%)を無色粉末として得た。
MS(API):279(M−H)
(工程2)
工程2で得られた混合物(750 mg,2.67 mmol)、HATU(1117 mg,2.94 mmol)、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(590 mg,2.81 mmol)のDMF(5 mL)溶液を室温で14時間撹拌した。反応混合物に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。さらに分取HPLC(カラム:L−Column 2 ODS、溶出溶媒:0.1% TFA 含有アセトニトリル/水)によって精製することによって実施例42化合物(42.0 mg,0.089 mmol,3.32%)および実施例43化合物(20.00 mg,0.042 mmol,1.583%)をそれぞれ白色粉末として得た。
実施例42化合物
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.29−1.42(6H,m),1.86−2.02(2H,m),2.31−2.52(2H,m),2.62(1H,d,J=6.8Hz),4.18−4.44(2H,m),7.14−7.25(2H,m),7.28−7.41(4H,m),7.42−7.51(1H,m),7.67−7.81(2H,m),7.87(1H,d,J=4.5Hz),8.12(1H,d,J=1.5Hz),9.18(1H,brs).
実施例43化合物
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.24−1.48(6H,m),1.78−1.98(1H,m),2.05−2.19(1H,m),2.36−2.63(2H,m),2.67−2.94(1H,m),4.35(2H,q,J=6.9Hz),7.12−7.24(1H,m),7.29−7.73(7H,m),7.88−8.09(2H,m),8.21(1H,s),9.66(1H,s).
【0297】
実施例44
5−(4−シアノ−3−メチルフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミド(0.34 g,1.05 mmol)のDMF(8.0 mL)溶液にカリウム−t−ブトキシド(0.258 g,2.31 mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。室温で15分間撹拌した後、4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリル(0.212 g,1.57 mmol)を加えた。反応溶液を室温で14時間撹拌した後、酢酸エチル(80 mL)を加えた。有機層を冷水(2×20 mL)および飽和食塩水(2×20 mL)で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;20→30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(0.16 g,35%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.01(3H,d,J=6.1Hz),1.29(3H,t,J=7.2Hz),1.66−1.70(1H,m),1.84−1.87(1H,m),2.23−2.27(2H,m),2.40−2.44(4H,m),4.14(2H,dd,J=10.9,6.6Hz),4.41(2H,q,J=7.1Hz),6.93(1H,dd,J=2.4,8.6Hz),7.04(1H,d,J=2.2Hz),7.16(1H,t,J=7.2Hz),7.41−7.45(1H,m),7.53(2H,brs),7.57(1H,d,J=8.2Hz),7.65(1H,d,J=8.6Hz),8.04(1H,d,J=7.7Hz),8.39(1H,brs),9.91(1H,brs).
【0298】
実施例45
5−[(5−シアノ−6−メチルピリジン−2−イル)オキシ]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
2−フルオロ−5−シアノ−6−メチルピリジンを用い、実施例44に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.01(3H,d,J=6.1Hz),1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.66−1.69(1H,m,),1.84−1.87(1H,m),2.20−2.26(2H,m),2.37−2.40(1H,m),2.53(3H,s),4.38−4.45(4H,m),6.80(1H,d,J=8.6Hz),7.16(1H,t,J=7.4Hz),7.43(1H,t,J=7.6Hz),7.52(2H,brs),7.57(1H,d,J=8.2Hz),8.03(2H,d,J=8.6Hz),8.38(1H,brs),9.91(1H,brs).
【0299】
実施例46
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)オキシ]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
5−シアノ−2−フルオロピリジンを用い、実施例44に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.01(3H,d,J=6.2Hz),1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.65−1.70(1H,m),1.87−1.90(1H,m),2.21−2.26(2H,m),2.37−2.41(1H,m),4.38−4.47(4H,m),6.99(1H,d,J=8.7Hz),7.16(1H,t,J=7.4Hz),7.41(1H,t,J=7.3Hz),7.52−7.58(3H,m),8.04(1H,d,J=7.7Hz),8.12(1H,dd,J=2.3,8.7Hz),8.38(1H,brs),8.67(1H,d,J=2.0Hz),9.90(1H,brs).
【0300】
実施例47
5−[(6−シアノピリジン−3−イル)オキシ]−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
2−シアノ−5−フルオロピリジンを用い、実施例44に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.02(3H,d,J=6.2Hz),1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.70−1.73(1H,m),1.87−1.91(1H,m),2.24−2.28(2H,m),2.38−2.49(1H,m),4.23−4.27(2H,m),4.41(2H,q,J=7.0Hz),7.16(1H,t,J=7.0Hz),7.43(1H,t,J=7.1Hz),7.52(2H,brs),7.58−7.62(2H,m),7.98(1H,d,J=8.6Hz),8.04(1H,d,J=7.7Hz),8.38(1H,brs),8.44(1H,d,J=2.8Hz),9.91(1H,brs).
【0301】
実施例48
N−{4−[(3−クロロ−4−シアノフェニル)アミノ]−2−メチル−4−オキソブチル}−9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボキサミド
(工程1)
クロトン酸(8.24 mL,98.31 mmol)および塩化チオニル(7.18 mL,98.31 mmol)のDMA(150 mL)溶液を0℃で1時間撹拌した。反応混合物に4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(15 g,98.31 mmol)を加え、室温でさらに14時間撹拌した。反応溶液に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液および1N塩酸で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去することにより(E)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)ブタ−2−エンアミド(21.69 g,98.31 mmol、定量的)を茶褐色粉末として得た。
MS(API):229(M−H)
(工程2)
工程1で得られた化合物(21.69 g,98.31 mmol),DBU(16.30 mL,108.14 mmol)およびニトロメタン(6.00 g,98.31 mmol)を室温で14時間撹拌した。反応溶液に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;5→30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することによりN−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−メチル−4−ニトロブタンアミド(21.20 g,75 mmol,77%)を淡橙色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ1.18(3H,d,J=7.2Hz),2.35−2.69(2H,m),2.75−3.06(1H,m),4.50(2H,t,J=5.7Hz),7.41−7.54(1H,m),7.53−7.69(1H,m),7.71−7.83(1H,m),7.91(1H,d,J=2.3Hz).
(工程3)
工程2で得られた化合物(21.2 g,75.26 mmol)、鉄粉(21.01 g,376.29 mmol)および塩化カルシウム(25.06 g,225.78 mmol)のメタノール(100 mL)および水(20 mL)混合溶液を60℃で3時間撹拌した。反応溶液に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより4−アミノ−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−メチルブタンアミド(6.02 g,23.92 mmol,31.8%)を茶色油状物として得た。
MS(API):252(M+H)
(工程4)
工程3で得られた化合物(158 mg,0.63 mmol),9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸(150 mg,0.63 mmol)、HATU(262 mg,0.69 mmol)およびTEA(0.096 mL,0.69 mmol)のDMF(5 mL)溶液を50℃で14時間撹拌した。反応溶液に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→80%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより標題化合物(156 mg,0.330 mmol,52.6%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.99(3H,d,J=6.8Hz),1.33(3H,t,J=7.2Hz),2.13−2.43(2H,m),3.24−3.31(1H,m),4.47(2H,d,J=7.2Hz),7.25(1H,t,J=7.4Hz),7.42−7.69(4H,m),7.77(1H,d,J=8.7Hz),7.93−8.03(2H,m),8.13(1H,d,J=7.9Hz),8.47(1H,t,J=5.7Hz),8.66(1H,d,J=1.5Hz),10.54(1H,s).
MS(API):473(M+H)
【0302】
実施例49
N−(6−シアノピリジン−3−イル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
5−アミノピリジン−2−カルボニトリル(300.0 mg,2.518 mmol)および4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(354.931 mg,2.77 mmol)のトルエン(7 mL)およびDMSO(0.7 mL)混合溶液を110℃で16時間撹拌した。反応混合物に冷水を加え、酢酸エチル(4×30 mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた固形物を50%ジクロロメタン/ヘキサン溶液で洗浄することにより4−(6−シアノピリジン−3−イルカルバモイル)−3−メチル酪酸(300 mg,48.2%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.96(3H,d,J=5.8Hz),2.12−2.50(5H,m),7.97(1H,d,J=8.6Hz),8.27(1H,dd,J=8.60,2.2Hz),8.84(1H,d,J=2.0Hz),10.59(1H,s),12.12(1H,brs).
(工程2)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルアミン(306.5 mg,1.457 mmol)のDMF(7 mL)溶液に工程1で得られた化合物(300 mg,1.215 mmol)およびHATU(554.14 mg,1.457 mmol)ならびにDIPEA(0.632 mL,3.644 mmol)を室温で加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル(2×50 mL)で抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を分取HPLCによって精製することにより標題化合物(260 mg,48.71%)を無色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.03(3H,d,J=6.2Hz),1.29(3H,t,J=7.0Hz),2.29−2.50(5H,m),4.38−4.44(2H,m),7.17(1H,t,J=7.4Hz),7.44(1H,t,J=7.6Hz),7.51−7.58(3H,m),7.96(1H,d,J=8.6Hz),8.03(1H,d,J=7.6Hz),8.28(vdd,J=8.6,2.4Hz),8.40(1H,s),8.86(1H,s),9.93(1H,s),10.64(1H,s).
分取HPLCによる精製条件
機器:Waters Semi−Preparative HPLC instrument
カラム:Prep Scalar 10μm C18(250×30mm)
溶媒:A=0.05%ギ酸水溶液、B=アセトニトリル
溶媒勾配:60%A/B(0min)→40%A/B(60min)→5%A/B(61min)→5%A/B(70min)→60%A/B(71min)
流速:30 mL/min
温度:室温
【0303】
実施例50
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−N’−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンジアミド
(工程1)
6−アミノニコチノニトリル(100.0 mg,0.839 mmol)および4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン(118 mg,0.923 mmol)のトルエン(3 mL)およびDMSO(0.3 mL)混合溶液を120℃で24時間撹拌した。反応混合物に冷水を加え、酢酸エチル(4×30 mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた固形物を50%ジクロロメタン/ヘキサン溶液で洗浄することにより4−(5−シアノピリジン−2−イルカルバモイル)−3−メチル酪酸(30 mg,14.49%)を淡黄色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ0.94(3H,d,J=6.1Hz),2.06−2.50(5H,m),7.01(1H,s),8.23(1H,s),8.77(1H,s),10.98(1H,s),12.09(1H,brs).
(工程2)
9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルアミン(306.5 mg,1.457 mmol)のDMF(7 mL)溶液に工程1で得られた化合物(300 mg,1.215 mmol)およびHATU(554.14 mg,1.457 mmol)ならびにDIPEA(0.632 mL,3.644 mmol)を室温で加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル(2×50 mL)で抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を分取HPLCによって精製することにより標題化合物(220 mg,41.21%)を無色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ1.01(3H,d,J=6.0Hz),1.29(3H,t,J=7.0Hz),2.27−2.50(5H,m),4.38−4.44(2H,m),7.16(1H,t,J=7.6Hz),7.43(1H,t,J=7.4Hz),7.53−7.58(3H,m),8.03(1H,d,J=7.7Hz),8.21−8.28(2H,m),8.40(1H,s),8.77(1H,s),9.92(1H,s),11.03(1H,s).
分取HPLCによる精製条件
実施例49と同じ
【0304】
実施例51
N−{4−[(3−クロロ−4−シアノフェニル)アミノ]−1−エチル−2−メチル−4−オキソブチル}−9−エチル−9H−カルバゾール−3−カルボキサミド
(工程1)
実施例48の工程1で得られた化合物(1.2 g,5.44 mmol)、DBU(0.984 mL,6.53 mmol)の1−ニトロプロパン(2.420 mL,27.19 mmol)溶液を60℃で2時間撹拌した。反応溶液に室温で食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配;10→30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することによりN−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−メチル−4−ニトロヘキサンアミド(1.420 g,4.58 mmol,84%)を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ0.88−1.18(6H,m),1.66−1.94(1H,m),2.09−2.74(4H,m),4.38−4.59(1H,m),7.49(1H,td,J=4.2,2.1Hz),7.55−7.67(1H,m),7.92(2H,dd,J=4.7,2.1Hz).
(工程2)
工程1で得られた化合物を用い、実施例48の工程3に記載する方法と同様にして反応および精製することにより4−アミノ−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−メチルヘキサンアミドを粗生成物として得た。
MS(API):278(M−H)
(工程3)
工程2で得られた化合物を用い、実施例48の工程4に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
MS(API):501(M+H)
【0305】
実施例52
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−N’−(6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−5−イル)−3−メチルペンタンジアミド
5−(3−クロロ−4−シアノフェニルアミノ)−3−メチル−5−オキソペンタン酸および6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−5−アミンを用い、実施例3の工程2に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
MS(API):443(M+H)
【0306】
実施例53
5−(4−シアノ−3−メトキシフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミンおよび4−フルオロ−2−メトキシベンゾニトリルを用い、実施例44に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.01(3H,d,J=6.0Hz),1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.65−1.70(1H,m),1.86−1.89(1H,m),2.24−2.28(2H,m),2.38−2.43(1H,m),3.9(3H,s),4.15−4.19(2H,m),4.41(2H,q,J=7.0Hz),6.7(1H,dd,J=2.0,8.7Hz),6.73−6.74(1H,m),7.17(1H,t,J=7.5Hz),7.43(1H,d,J=7.6Hz),7.53−7.62(4H,m),8.04(1H,d,J=7.7Hz),8.39(1H,s),9.91(1H,brs).
【0307】
実施例54
5−(4−シアノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミンおよび4−フルオロ−2,6−ジメチルベンゾニトリルを用い、実施例44に記載する方法と同様にして反応および精製することにより標題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.01(3H,d,J=6.0Hz),1.29(3H,t,J=7.0Hz),1.64−1.69(1H,m),1.85−1.86(1H,m),2.23−2.27(3H,m),2.38(6H,s),4.11−4.12(2H,m),4.41(2H,q,J=6.8Hz),6.84(2H,s),7.16(1H,t,J=7.26Hz),7.43(1H,d,J=7.2Hz),7.53−7.58(3H,m),8.03(1H,d,J=7.5Hz),8.39(1H,s),9.91(1H,brs)
【0308】
実施例55
5−(3,4−ジシアノフェノキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルペンタンアミド
N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルペンタンアミン(0.40 g,1.23 mmol)のDMF(10.0 mL)溶液にカリウム−t−ブトキシド(0.304 g,2.71 mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。室温で15分間撹拌した後、4−フルオロフタロニトリル(0.270 g,1.85 mmol)を加えた。反応溶液を室温で14時間撹拌した後、酢酸エチル(100 mL)を加えた。有機層を冷水(2×25 mL)および飽和食塩水(2×25 mL)で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を分取HPLCによって精製することにより標題化合物(0.285 g,51%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ0.99(3H,d,J=5.9Hz),1.26(3H,t,J=7.0Hz),1.64−1.69(1H,m),1.83−1.88(1H,m),2.21−2.25(2H,m),2.37−2.39(1H,m),4.18−4.21(2H,m),4.37(2H,q,J=6.8Hz),7.13(1H,t,J=7.2Hz),7.38−7.43(2H,m),7.49−7.55(3H,m),7.74(1H,d,J=2.20Hz),7.99(2H,t,J=9.2Hz),8.34(1H,s),9.86(1H,brs).
分取HPLCによる精製条件
機器:Waters Semi−Preparative HPLC instrument
カラム:Prep Scalar 10μm C18(250×30mm)
溶媒:A=5mM酢酸アンモニウム水溶液、B=アセトニトリル
溶媒勾配:50%A/B(0min)→30%A/B(60min)→5%A/B(65min)→5%A/B(75min)→50%A/B(76min)
流速:30 mL/min
温度:室温
【0309】
実施例56
4−((4−シアノベンジル)オキシ)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルブタンアミド
(工程1)
2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(4 g,24.07 mmol)のトルエン(440 mL)溶液に9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルアミン(7.58 g,36.1 mmol)を加え、次いでチタン(IV)イソプロポキシド(10.8 mL,36.1 mmol)を滴下した。混合物を14時間還流加熱し、冷却後、減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(440 mL)に溶解させ、次いでメタノール(440 mL)を加え0℃まで冷却した。そこへ水素化ホウ素ナトリウム(1.82 g,48.14 mmol)をゆっくり加え30分間撹拌した後、冷水(200 mL)を加えた。不溶物をセライトによってろ別し、不溶物をジクロロメタン(100 mL×2)で洗浄した。有機層を分離した後、水層をジクロロメタン(100 mL×3)で抽出した。有機層を混合し、飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、2,4−ジメトキシベンジル)−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−アミン(8 g,92.2%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.24(3H,t,J=7.1Hz),3.71(3H,s),3.85(3H,s),4.22(2H,d,J=6.0Hz),4.31(2H,q,J=7.1Hz),5.54(1H,t,J=6.1Hz),6.44(1H,dd,J=2.3,8.3Hz),6.57(1H,d,J=2.2Hz),6.87(1H,dd,J=2.1,8.7Hz),7.05(1H,t,J=7.5Hz),7.24−7.26(2H,m),7.30−7.35(2H,m),7.45(1H,d,J=8.2Hz),7.93(1H,d,J=7.6Hz).
(工程2)
工程1で得られた化合物(8 g,22.22 mmol)のジクロロメタン(100 mL)溶液に3−メチルジヒドロフラン−2,5−ジオン(2.78 g,24.44 mmol)を0℃で加え、室温で4時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、20%酢酸エチル/ヘキサンで析出物を粉砕することによりN−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−2−メチルスクシンアミド酸およびその位置異性体(10.4 g,98.6%)を白色粉末の混合物として得た。これら位置異性体混合物はこれ以上精製することなく次の工程に用いた。
(工程3)
工程2で得られた位置異性体混合物(10.4 g,21.94 mmol)のTHF(300 mL)溶液に2M ボラン・ジメチルスルフィドのTHF溶液(10.75 mL,21.5 mmol)を0℃で加え、室温で4時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(200 mL)に溶解させた。溶液を水(100 mL)および飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;4%メタノール/ジクロロメタン)によって精製することにより、N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−4−ヒドロキシ−3−メチルブチルアミドおよびその位置異性体(6 g,59.4%)を白色粉末の混合物として得た。これら位置異性体混合物はこれ以上精製することなく次の工程に用いた。
(工程4)
工程3で得られた位置異性体混合物(2 g,4.35 mmol)のDMF(25 mL)溶液に水素化ナトリウム(60%油性、261 mg,6.52 mmol)を0℃で加え、その温度で30分間撹拌した。次いで、4−シアノ ベンジルブロミド(2.55 g,13.05 mmol)を0℃で加え、室温で24時間撹拌した。反応溶液に水(50 mL)を加えた後、酢酸エチル(100 mL×2)で抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより4−(4−シアノベンジルオキシ)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)−3−メチルブチルアミドおよびその位置異性体(1 g,40%)を白色粉末の混合物として得た。これら位置異性体混合物はこれ以上精製することなく次の工程に用いた。
(工程5)
工程4で得られた位置異性体混合物(1 g,1.74 mmol)のTFA(20 mL)溶液にアニソール(2 mL)を0℃で加え、50℃で16時間撹拌後、室温で24時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を分取HPLCで精製することにより標題化合物(0.035 g,4.7%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ1.00(3H,d,J=6.6Hz),1.29(3H,t,J=7.0Hz),2.19−2.25(1H,m),2.31−2.34(1H,m),2.44−2.47(1H,m),3.41(2H,t,J=5.2Hz),4.41(2H,q,J=7.0Hz),4.59(2H,s),7.16(1H,t,J=7.4Hz),7.43(1H,t,J=7.6Hz),7.50−7.58(5H,m),7.77(2H,d,J=8.1Hz),8.03(1H,d,J=7.4Hz),8.39(1H,s),9.89(1H,s).
分取HPLCによる精製条件
機器:Waters Semi−Preparative HPLC instrument
カラム:Prep Scalar 10μm C18(250×30mm)
溶媒:A=5mM酢酸アンモニウム水溶液、B=アセトニトリル
溶媒勾配:50%A/B(0min)→45%A/B(15min)→40%A/B(60min)→5%A/B(61min)→5%A/B(70min)→50%A/B(71min)
流速:30 mL/min
温度:室温
【0310】
実施例1〜56に記載される化合物は以下の通りである(表1)。表1に示されたfreeはフリー体を示す。
【0311】
【表1-1】
【0312】
【表1-2】
【0313】
【表1-3】
【0314】
【表1-4】
【0315】
試験例1
RORγt結合試験
被検化合物のRORγtへの結合活性は、ヒスチジンタグの付いたRORγt、蛍光標識コレステロール(BODIPY−cholesterol、AVIVA)、テルビウム標識抗ヒスチジンタグ抗体(インビトロジェン)を利用した時間分解蛍光共鳴エネルギー転移法(TR−FRET)にて測定した。まず、アッセイバッファー(20mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM DTT、0.1% BSA)で希釈した被検化合物を384ウェルプレートに3μLずつ添加した。次に、アッセイバッファーで240nMに希釈したRORγtを3μLずつ添加し、その後、アッセイバッファーで12μMに希釈した蛍光標識コレステロールを3μLずつ添加し、室温にて20分間静置した。その後、アッセイバッファーで8nMに希釈したテルビウム標識抗ヒスチジンタグ抗体を3μLずつ添加した。室温で20分間静置後、Envision(パーキンエルマー)にて蛍光強度(励起波長320nm、蛍光波長520nm、delay time 100μ秒)を測定した。
上記の方法で測定した結果(被検化合物1μMにおける蛍光標識コレステロールのRORγtへの結合阻害率)を表2に示す。
【0316】
【表2】
【0317】
試験例2
コファクターリクルート試験
コファクターリクルート試験はアルファスクリーン法(Histidine Detection Kit、パーキンエルマー)にて実施した。まず、アッセイバッファー(50mM Tris−HCl (pH7.5)、50mM KCl、1mM DTT、0.1% BSA)で希釈した被検化合物を384ウェルプレートに5μLずつ添加した。次にアッセイバッファーで125nMに希釈したRORγtを10μLずつ添加し、その後、25nMビオチン化SRC−1ペプチド(biotin−CLTARHKILHRLLQEGSPSD)、12.5μg/mLアクセプタービーズ、12.5μg/mLドナービーズとなるようにアッセイバッファーで調製した溶液を10μLずつ添加した。暗所で1時間静置後、Envision(パーキンエルマー)でシグナル値を測定した。
上記の方法で測定した結果(被検化合物1μMにおけるシグナル値の阻害率)を表3に示す。
【0318】
【表3】
【0319】
試験例3
Jurkatレポーター試験
レポーター試験に用いるJurkat細胞は培養培地(RPMI(インビトロジェン)、10% FCS(AusGeneX)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン)で培養した。試験当日、4×10
7個の細胞を遠心操作(1000rpm、5分間)により回収し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)(インビトロジェン)で懸濁した。その後、再び遠心操作により回収し、2mLのRバッファー(NEONトランスフェクションキット、インビトロジェン)で懸濁した。その後、ヒトIL−17のRORレスポンスエレメントをpGL4.28(プロメガ)のルシフェラーゼ上流へ挿入したレポーターベクター53μg、および、RORγtの配列をCMVプロモーター下流へ挿入したベクター27μgを細胞懸濁液へ添加した。エレクトロポレーション装置(NEON、インビトロジェン)にて、パルス電圧1350V、間隔10ミリ秒、回数3回の条件で、遺伝子導入した。遺伝子導入後の細胞は、40mLの反応培地(RPMI、10% Lipid reduced FCS(HyClone)、10mM HEPES(pH7.5)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、5μMロバスタチン)に懸濁し、90μLずつ96ウェルプレートへ播種した。その後、反応培地で希釈した被検化合物を10μLずつ添加し、インキュベータにて一晩培養した。Bright−Glo(プロメガ)を100μLずつ添加し、室温で10分間撹拌後、Envision(パーキンエルマー)にて発光量を測定した。
上記の方法で測定した結果(被検化合物3μMにおける発光量の阻害率)を表4に示す。
【0320】
【表4】
【0321】
試験例4
マウスTh17細胞分化誘導試験
Balb/cマウス(♀ 8−11w、日本チャールス・リバー)の脾臓細胞よりCD4+CD62L+ T Cell アイソレーションキットII(Miltenyi Biotec)を用いてCD4陽性naive T細胞を分取した。このCD4陽性naive T細胞を96穴プレートに播種(3×10
5 cells/well)し、抗IFN−γ抗体(BioLegend)、抗IL−4抗体(BioLegend)、抗IL−2抗体(BioLegend)、IL−6、TGF−βおよびIL−23存在下に抗マウスCD3ε抗体(Bio X cell)(10 μg/mLで固層化)と抗CD28抗体(Bio X cell)(5 μg/mL)で4日間刺激(37℃で培養)しTh17細胞へ分化させた。化合物はDMSOに溶解し添加した。この条件で4日間培養し、遠心して得られた培養上清中のIL−17Aの濃度をELISAにより測定してTh17細胞の分化を評価した。
上記の方法で測定した結果(被検化合物10μMにおける阻害率)を表5に示す。
【0322】
【表5】
【0323】
試験例5
ヒトTh17細胞分化誘導試験
ヒトの末梢血から密度勾配遠心法により分取したperipheral blood mononuclear cells(PBMC)を用いて、CD4陽性naive T細胞を分取した。このCD4陽性naive T細胞を96穴プレートに播種(2×10
4 cells/well)し、IL−1β、IL−6、IL−23、TGF−β、抗IFN−γ抗体(BioLegend)、抗IL−4抗体(BioLegend)存在下に抗CD3/28抗体 Dynabeads(Invitrogen)で6日間刺激(37℃で培養)し、Th17細胞へ分化させた。化合物はDMSOに溶解し添加した。6日間培養後に、遠心して得られた培養上清中のIL−17Aの濃度をELISAにより測定してTh17細胞の分化を評価した。
上記の方法で測定した結果(被検化合物10μMにおける阻害率)を表6に示す。
【0324】
【表6】
【0325】
試験例6
ヒトPBMC IL17産生試験
ヒトの末梢血から密度勾配遠心法により分取したperipheral blood mononuclear cells(PBMC)を、Dynabeads(登録商標;抗CD3/CD28抗体)で刺激し、37℃で3日間培養した。化合物はDMSOに溶解し添加した。この条件で3日間培養後に、遠心して得られた培養上清中のIL−17Aの濃度をELISAにより測定し、IL−17産生に対する化合物の作用を評価した。
上記の方法で測定した結果(被検化合物10μMにおける阻害率)を表7に示す。
【0326】
【表7】
【0327】
試験例7
マウスにおける抗CD3抗体刺激による大腸でのIL−17A遺伝子発現への作用
1.抗CD3抗体刺激と大腸組織の採取
Balb/cマウス(雌、8週齢)に抗CD3抗体(5 μg/500 μL/mouse、BioXcell)あるいは生理食塩水(500 μL/mouse)を腹腔内投与した。投与3時間後にマウスをエーテル吸入により麻酔し、頚椎を脱臼することにより安楽死させた後に、開腹し大腸を摘出した。得られた大腸を生理食塩水にて洗浄後、RNA安定化buffer(RNAlater、QIAGEN)に4℃で18時間以上浸漬した。なお、化合物は抗CD3抗体投与の1時間前に0.5%メチルセルロースに懸濁して経口投与した。
【0328】
2.大腸組織からのRNA抽出とRT−PCR
大腸組織をRNAlaterから取り出し、直ちに5 mLのRLT buffer(RNeasy Mini Kit、QIAGEN)に浸漬し室温にてホモジナイズした。ホモジナイズ液からRNeasy Mini Kit(QIAGEN)のプロトコールに従ってtotal RNAを抽出し、High capacity RNA−to−cDNA Kit(Applied biosystems)を用いてcDNAを作製した。得られたcDNAを鋳型として、realtime−PCR(TaqMan PCR)を行い、各種サイトカインのmRNAを検出した。なお、PCR用のbufferにはTaqMan universal master mixII(Applied biosystems)を使用し、各サイトカイン遺伝子の検出にはTaqMan Gene Expression Assays(Applied biosystems):Mm00439619_m1(IL−17A)、Mm00801778 m1(IFN−γ)および43252341E(β−actin)をそれぞれ使用した。また、各遺伝子の発現量はβ−actinの発現量で標準化した値で示した。
【0329】
3.統計解析
全てのデータは平均値±SEで表した。統計解析はStudent’s t testおよびWilliam’s testを用いて行い、P<0.05およびP<0.025の時に2群間に有意な差があると判断した。
【0330】
4.実験結果
Balb/cマウスに抗CD3抗体を腹腔内投与することにより、大腸組織でのIL−17AおよびIFN−γのmRNA発現が生理食塩液投与群に比して有意に亢進することが確認された。これら発現の増加に対して実施例14化合物(30、100および300 mg/kg,po)はIL−17Aの発現を用量依存的かつ有意に抑制し、その抑制率は各々10、25および53%であった(
図1)。一方、IFN−γの発現に対しては影響を及ぼさなかった(
図2)。
【0331】
試験例8
ラットEAEモデルにおけるリンパ節でのIL−17A遺伝子発現への作用
1.EAE(Experimental allergic encephalomyelitis)感作
結核死菌H37Ra(DIFCO)を2mg/mLの濃度でFreund Incomplete adjuvant(DIFCO)に溶かし、また5mgのMBP(Sigma)を生理食塩水(大塚)1.25mLに溶かした。この2つの溶液を1:1の比で三方活栓とガラスシリンジを用いて混合し、エマルジョンを作成した。エマルジョンをLewisラット(オス・7週齢)の右足裏に0.1 mL/ratで皮内投与した。
【0332】
2.化合物投与
実施例14化合物の0.5%メチルセルロース懸濁溶液を、感作日から30、100、300mg/kgの用量で1日2回経口投与した。最終投与は感作後5日目に行い、その4時間後に剖検を行った。
【0333】
3.IL−17A発現解析
感作後5日目に剖検し、右足膝下リンパ節を採取した。リンパ節はRNA later(Applied Biosystems)に浸し、4℃にて一晩保存した後に、Isogen(Wako)1 mL中にて、Homogenizerにて破砕し、total RNAを精製し、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit with RNase Inhibitor(Applied Biosystems)を用い逆転写反応を行い、cDNAを合成した。合成したcDNAはTaqMan Gene Expression Master Mix(Applied Biosystems)および7900HT Fast realtime PCR system(Applied Biosystems)(Stage 1:50℃,2 min,Stage 2:95℃,10 min,Stage 3:95℃,15 sec,60℃,1 min,40 cycle)を用いてPCR反応・検出を行った。使用したプライマー・プローブは以下のとおりである。
rat IL−17A:
Forward primer:5’−GCTCCAGAAGGCCCTCAGA−3’(配列番号1)
Reverse primer:5’−GTCCTCATTGCGGCTCAGA−3’(配列番号2)
Probe: 5’−TACCTCAACCGTTCCACTTCACCCTGG−3’(配列番号3)
rat GAPDH:
Forward primer:5’−GTGTTCCTACCCCCAATGTATCC−3’(配列番号4)
Reverse primer:5’−GATGTCATCATACTTGGCAGGTTT−3’(配列番号5)
Probe:5’−TTGTGGATCTGACATGCCGCCTG−3’(配列番号6)
【0334】
4.実験結果
EAE感作ラットのリンパ節でのIL−17A遺伝子発現亢進に対して、実施例14化合物(30、100および300 mg/kg、po)は用量依存的に抑制する傾向にあった(
図3)。