(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明に係る実施形態に関する概念構成図である。情報表示システムは、情報機器A及び携帯端末装置Bを備えている。この例では、情報機器Aとして、複写機、プリンタ、スキャナといった複数の機能を備える複合機を用いている。なお、情報機器Aとしては、複合機以外にも利用者にエラー表示を行う機能を備えたものであればよく、特に限定されない。また、携帯端末装置Bとしては、スマートフォン等の画像表示機能を備えて無線通信可能な携帯用機器が用いられる。
利用者Mが情報機器Aを操作して印刷ジョブ等の処理に必要な設定を行って処理を開始する。そして、情報機器Aに記録媒体のジャム等の異常状態が発生すると、情報機器A側でエラー処理が行われる。その際に、エラーとなった印刷ジョブの利用者Mの携帯端末装置Bを特定して、特定された携帯端末装置Bにエラー情報を無線ネットワーク等の通信ネットワークを介して送信する。携帯端末装置Bは、予め情報機器Aと送受信するためのプログラムがインストールされており、エラー情報を受信するとプログラムが自動的に起動してエラーを解除するためのガイダンス表示情報Cが画面表示される。
【0009】
この場合、エラー情報とは、情報機器Aに発生した異常状態に対応するエラーコードや異常状態を正常状態に戻すための操作手順等のガイダンス情報が挙げられる。ガイダンス情報については、情報機器A側に予め記憶しておき、必要に応じて携帯端末装置Bに送信してもよく、また、携帯端末装置Bにガイダンス情報を記憶しておくこともできる。
利用者Mは、携帯端末装置Bに画面表示されたガイダンス表示情報Cを見ながら、情報機器Aを操作して異常状態を元に戻すことができる。その際に、携帯端末装置Bを手元に置きながら情報機器Aを操作することができるので、効率よく正確に操作することが可能となる。また、携帯端末装置Bを用いてガイダンス情報を表示できるので、具体的な操作手順を動画で表示したり、拡大表示することが可能となり、エラー解除のための操作の利便性を向上させることができる。
【0010】
図2は、情報機器A及び携帯端末装置Bに関するブロック構成図である。情報機器Aは、機器内で発生した異常状態を検知するエラー検知手段101からのエラー検知信号を受信して、携帯端末装置Bにエラー情報を送信するエラー情報管理を行うエラー情報管理手段100を備えている。エラー情報管理手段100は、エラー検知信号に基づいてエラー情報作成手段102に対してエラー情報を作成するように指示する。エラー情報作成手段102は、エラー情報記憶部103からエラー情報を読み出して携帯端末装置Bに送信するエラー情報を作成する。この例では、エラー情報は、送信の負荷を減らすためにデータ量を抑えるように作成される。
【0011】
携帯端末検知手段104は、情報機器Aの利用者が所持する携帯端末装置Bを検知して、携帯端末装置BのIPアドレス等の携帯端末情報を取得して携帯端末情報記憶部105に記憶する。また、携帯端末検知手段104は、記憶された携帯端末情報に基づいて検知要求信号を携帯端末装置Bに送信する。
図3Aは、携帯端末情報記憶部105において記憶された端末情報の一例を示す表であり、この例では、利用者を識別する利用者IDと携帯端末情報を関連付けて記憶されている。
ジョブ情報管理手段107は、情報機器Aで処理される印刷ジョブ等のジョブ情報を管理する。ジョブ情報は、利用者情報と関連付けられてジョブ情報記憶部106に記憶されている。利用者情報は、利用者Mが情報機器Aを利用する際に操作画面から入力したり、携帯端末装置Bから携帯端末検知手段104により自動的に取得することができる。
図3Bは、ジョブ情報記憶部106において記憶されたジョブ情報の一例を示す表である。この例では、ジョブを特定するジョブ名と利用者を識別する利用者IDとを関連付けて記憶されている。
【0012】
エラー情報送信手段108は、エラー情報作成手段102において作成されたエラー情報を携帯端末装置Bに送信する。エラー情報管理手段100は、エラー検知手段101からエラー検知信号を受信すると、ジョブ情報管理手段107より実行中のジョブ情報を取得し、ジョブ情報に対応する利用者情報に基づいて携帯端末情報を読み出す。そして、エラー情報管理手段100は、携帯端末情報に基づいて携帯端末検知手段104に携帯端末装置Bの検知要求を送信させて携帯端末装置Bが検知された場合にエラー情報送信手段108からエラー情報を携帯端末装置Bに送信する。
なお、上述したエラー情報記憶部103、携帯端末情報記憶部105及びジョブ情報記憶部106は、1つの記憶部にまとめて記憶することもできる。
【0013】
携帯端末装置Bは、エラー表示処理部200を備えており、エラー表示処理部200は、例えば、スマートフォン等の画面表示機能及び無線通信機能を備えた公知の携帯端末装置にエラー表示処理用のプログラムをインストールして実現することができる。
エラー表示処理部200は、携帯端末検知手段104からの検知要求に対して応答する携帯端末検知受付手段201を備えており、検知要求を受信した場合に携帯端末検知受付手段201は、利用者情報記憶部202から利用者情報等の識別情報を読み出して、検知要求とともに送信された識別情報と照合して一致した場合に携帯端末検知受付手段201に応答する。エラー情報受信手段203は、携帯端末検知受付手段201において識別情報が一致した場合に、エラー情報送信手段108から送信されるエラー情報を受信する。そして、ガイダンス作成手段204は、受信したエラー情報に基づいてガイダンス情報記憶部205からガイダンス情報を読み出し、ガイダンス表示情報を作成する。ガイダンス表示情報は、携帯端末装置の表示画面でも表示可能となるように画像処理を行い、またアニメーション等の動画による表示処理を行って作成される。そして、ガイダンス表示手段206は、作成されたガイダンス表示情報に基づいて携帯端末装置の画面表示部207を表示制御する。
【0014】
図4及び
図5は、情報機器A及び携帯端末装置Bを用いた情報表示システムの処理フローである。まず、情報機器Aにおいて異常状態が発生すると、エラー検知手段101が異常状態に対応するエラー検知信号をエラー情報管理手段100に送信する(S1)。エラー情報管理手段100は、エラー検知信号を受信するとエラー情報作成手段102にエラー検知信号に対応するエラー情報の作成を要求する(S2)。エラー情報作成手段102は、エラー情報記憶部103にアクセスして(S3)エラー検知信号に対応するエラー情報の読出し処理を行い(S4)、エラー情報を作成してエラー情報管理手段100に送信する(S5)。
【0015】
エラー情報管理手段100は、エラー情報を受信後、ジョブ情報管理手段107にエラー検知信号の受信時に実行中のジョブを問い合わせる(S6)。ジョブ情報管理手段107は、ジョブ情報記憶部106にアクセスして(S7)ジョブ情報を読み出して(S8)実行中のジョブに関する利用者情報をエラー情報管理手段100に返信する(S9)。
エラー情報管理手段100は、利用者情報を受信後、携帯端末検知手段104に利用者情報を送信して利用者の携帯端末装置を検知するよう指令する(S10)。
【0016】
携帯端末検知手段104は、検知指令を受けて無線通信ネットワークの届く範囲の携帯端末装置に検知要求を利用者情報とともに発信する(S11)。携帯端末装置B側の携帯端末検知受付手段201は、検知要求を受信すると、利用者情報記憶部202にアクセスして(S12)利用者情報の読出し処理を行い(S13)、受信した利用者情報と照合して一致する場合に一致したことを情報機器A側の携帯端末検知手段104に返信する(S14)。
携帯端末検知手段104は、一致したことを返信した携帯端末装置Bが存在した場合に、携帯端末情報記憶部105にアクセスして(S15)携帯端末装置BのIPアドレス等の携帯端末情報の読出し処理を行い(S16)、読み出した携帯端末情報をエラー情報管理手段100に返信する(S17)。
エラー情報管理手段100は、作成したエラー情報及び取得した携帯端末情報をエラー情報送信手段108に送信して携帯端末装置Bにエラー情報の送信指令を行う(S18)。
【0017】
エラー情報送信手段108は、送信指令を受信すると、携帯端末情報に基づいて携帯端末装置B側のエラー情報受信手段203と通信可能な状態に設定してエラー情報を送信する(S19)。エラー情報受信手段203は、エラー情報を受信すると、ガイダンス作成手段204にエラー情報を送信してガイダンス表示情報の作成を指令する(S20)。ガイダンス作成手段204は、作成指令を受信すると、ガイダンス情報記憶部205にアクセスして(S21)エラー情報に対応するガイダンス情報の読出し処理を行い(S22)、読み出したガイダンス情報に基づいてガイダンス表示情報を作成してエラー情報受信手段203に返信する(S23)。エラー情報受信手段203は、ガイダンス表示情報を受信すると、ガイダンス表示手段206にガイダンス表示情報を送信する(S24)。ガイダンス表示手段206は、ガイダンス表示情報を受信すると、ガイダンス表示情報に基づいて画面表示部207にエラー情報に対応するガイダンス画面を表示させ(S25)、利用者Mがエラー情報に対応して正常状態に戻すためのガイダンスを携帯端末装置Bの画面で見ることができるようになる(S26)。
【0018】
以上のような処理フローにより、エラー情報を自動的に携帯端末装置に送信してガイダンス情報を携帯端末装置の画面に表示することができるので、利用者がガイダンス情報を表示するために操作する必要がない。また、ガイダンス情報にしたがって情報機器を操作する際に携帯端末装置を手元に置きながら作業することができるので、作業の利便性が向上する。さらに、情報機器から直接携帯端末装置にエラー情報が送信されるので、サーバ装置等の追加設備が不要で、コスト負担を抑えることが可能となる。
【0019】
なお、情報機器A側に、エラー情報を携帯端末装置に送信するか否か設定する送信設定手段を備えるようにすることもできる。エラーが検知される毎にエラー情報を情報機器Aから送信処理を行うと、処理負担が重くなるため、携帯端末装置への送信処理を無効化する送信設定を行うことで、処理負担を軽くすることができる。また、送信設定について携帯端末装置毎に有効/無効の設定が可能とすれば、利用者の要望に応じて送信設定することが可能となり、利便性をさらに向上させることができる。
【0020】
図6は、情報表示システムの変形例に関するブロック構成図である。この例では、情報機器A側にログイン受付手段109及び携帯端末情報受信手段110が設けられており、携帯端末装置B側にログイン手段208及び携帯端末情報送信手段209が設けられている。その他の構成は、
図2に示す構成と同様であるので、説明を省略する。
ログイン手段208は、ログイン処理を実行して利用者情報及びパスワードを情報機器A側に送信する。ログイン受付手段109は、ログイン手段208から送信された利用者情報及びパスワードを受信して照合及び認証処理を行い、処理結果を携帯端末装置B側に返信する。携帯端末情報送信手段209は、ログイン処理後利用者情報及び携帯端末情報を情報機器A側に送信し、携帯端末情報受信手段110は、受信した利用者情報及び携帯端末情報を関連付けて図示しない記憶部に記憶する。
【0021】
図7は、
図6に示す情報表示システムの処理フローである。
まず、携帯端末装置B側でログイン手段208によりログイン処理が行われて(S30)、情報機器A側に利用者情報及びパスワードが送信される(S31)。情報機器A側では、利用者情報及びパスワードを受信すると、ログイン受付手段109により照合及び認証処理が行われて処理結果が携帯端末装置B側に返信される(S32)。ログイン処理が終了すると、携帯端末情報送信手段209に対して携帯端末情報の送信指令がなされて(S33)、利用者情報及び携帯端末情報が情報機器A側に送信される(S34)。情報機器A側では、利用者情報及び携帯端末情報を受信すると、携帯端末情報受信手段110により利用者情報及び携帯端末情報が関連付けられて携帯端末情報記憶部105に記憶される(S35)。記憶処理が終了すると(S36)、終了処理が行われて携帯端末装置B側に送信され(S37)、携帯端末装置B側でも終了処理が行われて(S38)ログイン結果が表示される(S39)。
【0022】
情報機器Aにおいて異常状態が発生すると、エラー検知手段101が異常状態に対応するエラー検知信号をエラー情報管理手段100に送信する(S40)。エラー情報管理手段100は、エラー検知信号を受信するとエラー情報作成手段102にエラー検知信号に対応するエラー情報の作成を要求する(S41)。エラー情報作成手段102は、エラー情報記憶部103にアクセスして(S42)エラー検知信号に対応するエラー情報の読出し処理を行い(S43)、エラー情報を作成してエラー情報管理手段100に送信する(S44)。
エラー情報管理手段100は、エラー情報を受信後、ジョブ情報管理手段107にエラー検知信号の受信時に実行中のジョブを問い合わせる(S45)。ジョブ情報管理手段107は、ジョブ情報記憶部106にアクセスして(S46)ジョブ情報を読み出して(S47)実行中のジョブに関する利用者情報をエラー情報管理手段100に返信する(S48)。
【0023】
エラー情報管理手段100は、利用者情報を受信後、携帯端末情報受信手段110に利用者情報を送信して利用者情報に一致する携帯端末情報を取得するよう指令する(S49)。携帯端末情報受信手段110は、携帯端末情報記憶部105にアクセスして(S50)利用者情報に一致する携帯端末情報の読出し処理を行い(S51)、エラー情報管理手段100に携帯端末情報を返信する(S52)。エラー情報管理手段100は、作成したエラー情報及び取得した携帯端末情報をエラー情報送信手段108に送信して携帯端末装置Bにエラー情報の送信指令を行う(S53)。以後の処理は、
図5で説明した処理と同様であるので、説明を省略する。
【0024】
以上説明したように、携帯端末装置のログイン処理の際に携帯端末情報を情報機器側に送信して予め記憶させておくので、エラー情報を予め特定した携帯端末装置に送信することができ、ガイダンス情報の表示処理までの時間を短縮することが可能となる。また、ログイン処理の際に携帯端末情報を登録するので、事前に携帯端末情報を登録しておく必要がなくなる。
なお、情報機器A側に、ログインする際に、携帯端末情報を利用してエラー情報を送信するか否かを設定する端末送信設定手段を備えるようにすることもできる。こうした送信設定を可能とすることで、送信を無効化しておけば、利用者が所持する携帯端末装置の情報を使用せずに予め登録された携帯端末情報に基づいて送信処理が行われるので、利用者が所持する携帯端末情報を情報機器A側に記憶させないようにすることができる。
【0025】
図8は、情報表示システムの別の変形例に関するブロック構成図である。この例では、
図2に示す携帯端末装置B側のガイダンス作成手段204及びガイダンス情報記憶部205を情報機器A側に移してガイダンス作成手段111及びガイダンス情報記憶部112として設けるようにしている。その他の構成は、
図2に示す構成と同様であるので、説明を省略する。
なお、ガイダンス情報管理手段100’、ガイダンス情報送信手段108’及びガイダンス情報受信手段203’は、それぞれエラー情報管理手段100、エラー情報送信手段108及びエラー情報受信手段203と同様の機能を備えており、取り扱う情報がエラー情報からガイダンス情報に代わったため名称をそれに合わせて変更している。
【0026】
ガイダンス作成手段111は、ガイダンス情報管理手段100’からの作成指令に基づいて検知されたエラーに対応するガイダンス情報をガイダンス情報記憶部112から読み出して、ガイダンス表示情報を作成する。作成されたガイダンス表示情報は、ガイダンス情報送信手段108’から携帯端末装置B側に送信される。
【0027】
図9及び
図10は、
図8に示す情報表示システムの処理フローである。
まず、情報機器Aにおいて異常状態が発生すると、エラー検知手段101が異常状態に対応するエラー検知信号をガイダンス情報管理手段100’に送信する(S60)。ガイダンス情報管理手段100’は、エラー検知信号を受信するとガイダンス作成手段111にエラー検知信号に対応するガイダンス表示情報の作成を要求する(S61)。ガイダンス作成手段111は、ガイダンス情報記憶部112にアクセスして(S62)エラー検知信号に対応するガイダンス情報の読出し処理を行い(S63)、ガイダンス表示情報を作成してガイダンス情報管理手段100’に送信する(S64)。
【0028】
ガイダンス情報管理手段100’は、ガイダンス表示情報を受信後、ジョブ情報管理手段107にエラー検知信号の受信時に実行中のジョブを問い合わせる(S65)。ジョブ情報管理手段107は、ジョブ情報記憶部106にアクセスして(S66)ジョブ情報を読み出して(S67)実行中のジョブに関する利用者情報をガイダンス情報管理手段100’に返信する(S68)。
ガイダンス情報管理手段100’は、利用者情報を受信後、携帯端末検知手段104に利用者情報を送信して利用者の携帯端末装置を検知するよう指令する(S69)。携帯端末検知手段104は、検知指令を受けて無線通信ネットワークの届く範囲の携帯端末装置に検知要求を利用者情報とともに発信する(S70)。
【0029】
携帯端末装置B側の携帯端末検知受付手段201は、検知要求を受信すると、利用者情報記憶部202にアクセスして(S71)利用者情報の読出し処理を行い(S72)、受信した利用者情報と照合して一致する場合に一致したことを情報機器A側の携帯端末検知手段104に返信する(S73)。携帯端末検知手段104は、一致したことを返信した携帯端末装置Bが存在した場合に、携帯端末情報記憶部105にアクセスして(S74)携帯端末装置BのIPアドレス等の携帯端末情報の読出し処理を行い(S75)、読み出した携帯端末情報をガイダンス情報管理手段100’に返信する(S76)。
ガイダンス情報管理手段100’は、作成したガイダンス表示情報及び取得した携帯端末情報をガイダンス情報送信手段108’に送信して携帯端末装置Bにガイダンス表示情報の送信指令を行う(S77)。
【0030】
ガイダンス情報送信手段108’は、送信指令を受信すると、携帯端末情報に基づいて携帯端末装置B側のガイダンス情報受信手段203’と通信可能な状態に設定してガイダンス表示情報を送信する(S78)。ガイダンス情報受信手段203’は、ガイダンス表示情報を受信すると、ガイダンス表示手段206にガイダンス表示情報を送信する(S79)。ガイダンス表示手段206は、ガイダンス表示情報を受信すると、ガイダンス表示情報に基づいて画面表示部207にガイダンス画面を表示させ(S80)、利用者Mがエラーに対応して正常状態に戻すためのガイダンス表示情報を携帯端末装置Bの画面で見ることができるようになる(S81)。
【0031】
以上説明したように、情報機器A側でガイダンス情報を保存しておき、ガイダンス表示情報を作成するので、ガイダンス情報が更新された場合に情報機器A側のデータを更新すればよく、情報管理を効率よく行うことができる。
なお、ガイダンス情報を携帯端末装置側及び情報機器側の両方に保存しておき、情報機器にいずれの側のガイダンス情報を使用するかを設定するガイダンス作成設定手段を設けることができる。無線通信ネットワークの負荷状態が大きい場合には、携帯端末装置側のガイダンス情報を使用するように設定しておけば、情報機器側からエラー情報の送信のみとなって無線通信ネットワークの負荷を小さくすることができる。また、無線通信ネットワークの負荷状態が小さい場合には、情報機器側からガイダンス表示情報を送信するように設定しておけば、携帯端末装置側の表示処理を速やかに行うことができる。
【0032】
図11は、情報表示システムの別の変形例に関するブロック構成図である。
この例では、通信ネットワークを介して接続されたファイルサーバ装置Dにガイダンス情報を格納しておき、必要に応じて携帯端末装置Bからファイルサーバ装置Dにアクセスしてガイダンス情報を取得するようにしている。そのため、携帯端末装置Bにはガイダンス取得手段210が設けられている。また、ファイルサーバ装置Dには、外部から入力されたガイダンス情報を格納するとともにガイダンス情報を更新するガイダンス格納手段300と、ガイダンス情報を記憶するガイダンス情報記憶部301を備えている。
【0033】
情報機器Aには、ファイルサーバ装置Dに格納されたガイダンス情報にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)等のアクセス情報を作成するアクセス情報作成手段113と、アクセス情報を記憶するアクセス情報記憶部114が設けられている。その他の構成は、
図2に示す構成と同様であるので、説明を省略する。
なお、アクセス情報管理手段100”、アクセス情報送信手段108”及びアクセス情報受信手段203”は、それぞれエラー情報管理手段100、エラー情報送信手段108及びエラー情報受信手段203と同様の機能を備えており、取り扱う情報がエラー情報からアクセス情報に代わったため名称をそれに合わせて変更している。
【0034】
アクセス情報作成手段113は、アクセス情報管理手段100”からの作成指令に基づいて検知されたエラーに対応するアクセス情報をアクセス情報記憶部114から読み出して、アクセス情報を作成する。作成されたアクセス情報は、アクセス情報送信手段108”から携帯端末装置B側に送信される。携帯端末装置Bは、受信したアクセス情報に基づいてガイダンス取得手段210がファイルサーバ装置Dにアクセスしてガイダンス情報を取得する。
【0035】
図12及び
図13は、
図11に示す情報表示システムの処理フローである。
まず、情報機器Aにおいて異常状態が発生すると、エラー検知手段101が異常状態に対応するエラー検知信号をアクセス情報管理手段100”に送信する(S90)。アクセス情報管理手段100”は、エラー検知信号を受信するとアクセス情報作成手段113にエラー検知信号に対応するガイダンス情報にアクセスするためのアクセス情報の作成を要求する(S91)。アクセス情報作成手段113は、アクセス情報記憶部114にアクセスして(S92)ガイダンス情報に対応するアクセス情報の読出し処理を行い(S93)、アクセス情報を作成してアクセス情報管理手段100”に送信する(S94)。
【0036】
アクセス情報管理手段100”は、アクセス情報を受信後、ジョブ情報管理手段107にエラー検知信号の受信時に実行中のジョブを問い合わせる(S95)。ジョブ情報管理手段107は、ジョブ情報記憶部106にアクセスして(S96)ジョブ情報を読み出して(S97)実行中のジョブに関する利用者情報をアクセス情報管理手段100”に返信する(S98)。
アクセス情報管理手段100”は、利用者情報を受信後、携帯端末検知手段104に利用者情報を送信して利用者の携帯端末装置を検知するよう指令する(S99)。携帯端末検知手段104は、検知指令を受けて無線通信ネットワークの届く範囲の携帯端末装置に検知要求を利用者情報とともに発信する(S100)。
【0037】
携帯端末装置B側の携帯端末検知受付手段201は、検知要求を受信すると、利用者情報記憶部202にアクセスして(S101)利用者情報の読出し処理を行い(S102)、受信した利用者情報と照合して一致する場合に一致したことを情報機器A側の携帯端末検知手段104に返信する(S103)。携帯端末検知手段104は、一致したことを返信した携帯端末装置Bが存在した場合に、携帯端末情報記憶部105にアクセスして(S104)携帯端末装置BのIPアドレス等の携帯端末情報の読出し処理を行い(S105)、読み出した携帯端末情報をアクセス情報管理手段100”に返信する(S106)。
アクセス情報管理手段100”は、作成したアクセス情報及び取得した携帯端末情報をアクセス情報送信手段108”に送信して携帯端末装置Bにアクセス情報の送信指令を行う(S107)。
【0038】
アクセス情報送信手段108”は、送信指令を受信すると、携帯端末情報に基づいて携帯端末装置B側のアクセス情報受信手段203”と通信可能な状態に設定してアクセス情報を送信する(S108)。アクセス情報受信手段203”は、ガイダンス取得手段210にアクセス情報を送信してガイダンス表示情報の取得を指令する(S109)。ガイダンス取得手段210は、取得指令を受信すると、アクセス情報に基づいてファイルサーバ装置Dにアクセスして(S110)ガイダンス情報記憶部301からガイダンス表示情報をダウンロードし(S111)、アクセス情報受信手段203”にガイダンス表示情報を転送する(S112)。アクセス情報受信手段203”は、ガイダンス表示情報を受信すると、ガイダンス表示手段206にガイダンス表示情報を送信する(S113)。
【0039】
ガイダンス表示手段206は、ガイダンス表示情報を受信すると、ガイダンス表示情報に基づいて画面表示部207にガイダンス画面を表示させ(S114)、利用者Mがエラーに対応して正常状態に戻すためのガイダンスを携帯端末装置Bの画面で見ることができるようになる(S115)。
【0040】
以上説明したように、通信ネットワーク上に接続されたファイルサーバ装置にガイダンス表示情報を記憶しておくことで、ガイダンス表示情報の追加及び修正等の更新処理を簡単に行うことができ、こうして更新された最新のガイダンス表示情報をリアルタイムで携帯端末装置に表示させることで、情報機器のエラー処理を迅速的確に行うことが可能となる。
なお、通信障害等によりファイルサーバ装置へのアクセスができない場合を想定して、予め携帯端末装置及び情報機器の両方にガイダンス情報を記憶しておくこともできる。そのために、ファイルサーバ装置からガイダンス表示情報を取得できない場合にガイダンス作成手段により記憶されたガイダンス情報を読み出してガイダンス表示情報を作成させるリカバリ手段を備えるようにする。