(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、撮像システムの構成を模式的に示す。撮像システムは、撮像者32により保持される主撮像装置10と自律移動する補助撮像装置20とを備え、主撮像装置10と補助撮像装置20との間で同期撮影する。
図1において、主撮像装置10は、例えば被写体30としての女性34及び子供36を撮像する。
【0010】
図2は、主撮像装置10のブロック図を示す。主撮像装置10は、撮像者32により保持される撮像用の機器であり、撮像者32の操作により被写体30を撮像して画像を生成する。主撮像装置10は、例えば、一眼カメラ、コンパクトカメラ、又は、カメラ付き携帯端末であってよい。主撮像装置10は、撮像部102、操作部104、通信部106、発光部108、及び、被写体特定部110、表示部112、センサ114、記憶部116、及び、制御部120を有する。
【0011】
撮像部102は、撮像者32の操作により被写体30を撮像して撮像画像を生成する。撮像部102は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを生成する撮像手段であってよく、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。
【0012】
撮像部102は、単焦点レンズ、又は、ズームレンズを含んでよく、これらのレンズはオートフォーカス機構を備えてよい。また、撮像部102は、交換可能な機能の異なる複数のレンズを備えてよい。また、複数の撮像部102が、主撮像装置10に設けられてもよい。撮像部102は、撮像した被写体30の画像データおよび撮像した時の撮像条件データを含む撮像データを、制御部120を介して記憶部116に記憶する。撮像条件データには、フォーカス位置のデータ、使用するレンズの画角のデータ等が含まれる。
【0013】
操作部104は、主撮像装置10の任意の場所に設けられ、撮像者32からの操作の入力を受け付ける。操作部104は、例えば、レリーズボタンを用いた撮像部102に対する撮像指示、及び、電源のON/OFFを含む様々な操作を入力する。操作部104は、補助撮像装置20に対する指示を入力して、補助撮像装置20の移動及び撮像等を遠隔操作してよい。操作部104は、例えば、操作ボタン、操作レバー、タッチパネル、及び、キーボード等の操作部材を含む。
【0014】
通信部106は、補助撮像装置20と無線通信を行う。通信部106は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、及び/又は、LTE等の無線通信規格に準拠して通信する。
【0015】
発光部108は、主撮像装置10の一面に設けられた照明である。発光部108は、制御部120からの指示に応じて、フラッシュ光を出力する。発光部108は、キセノン管等のフラッシュライト又はLED等を含んでよい。
【0016】
被写体特定部110は、撮像部102が撮像して生成した画像の中から主要被写体を特定する。被写体特定部110は、例えば、撮像部102により生成された画像データにより示される画像のうち、フォーカスが合っていて主要な範囲を占める部分を主撮像装置10の主要被写体に特定する。
【0017】
被写体特定部110は、主要被写体に対する撮像部102のフォーカス位置に基づいて、主撮像装置10から主要被写体までの距離を特定する。被写体特定部110は、さらに画像中における主要被写体の中心座標の位置から、主撮像装置10の正面方向に対する主要被写体の方角を特定する。被写体特定部110は、主要被写体までの距離及び方向を、主要被写体に関する主要被写体データとして制御部120を介して記憶部116に記憶する。
【0018】
表示部112は、主撮像装置10の一面に設けられる表示インターフェイスであり、例えば、液晶表示装置、又は、有機EL表示装置等を含む。表示部112は、例えば、撮像部102が撮像した画像又はライブビュー画像を表示する。表示部112はさらに、主撮像装置10及び/又は補助撮像装置20の設定画面を表示する。表示部112は、補助撮像装置20が撮像した画像又はライブビュー画像を表示してもよい。なお、ライブビュー画像はスルー画像と呼ばれることもある。
【0019】
センサ114は、主撮像装置10の位置に関する情報を検出する。センサ114は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより主撮像装置10の室内及び/又は屋外での空間位置情報を取得する。
【0020】
センサ114は、さらに姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含んでよく、これにより主撮像装置10の向きを取得してよい。センサ114は、取得した主撮像装置10の空間位置情報を示す空間位置データを制御部120を介して記憶部116に記憶する。
【0021】
記憶部116は、撮像部102が撮像した撮像データを格納する。記憶部116は、被写体特定部110から出力された主要被写体データ、および、センサ114から出力された空間位置データを格納する。記憶部116はさらに、主撮像装置10に用いられるその他のデータを記録する。
【0022】
制御部120は、CPU等を含み、撮像部102、操作部104、通信部106、発光部108、被写体特定部110、表示部112、及び、記憶部116に接続されて、主撮像装置10を総合的に制御する。
【0023】
図3は、補助撮像装置20のブロック図を示す。補助撮像装置20は、主撮像装置10とは別体であって、カメラを搭載した自律移動可能な機器であり、例えば、小型車両、又は、小型回転翼航空機等であってよい。以下、本実施形態では、補助撮像装置20が小型回転翼航空機である場合を例に説明する。補助撮像装置20は、撮像部202、移動部204、通信部206、センサ208、記憶部210、及び、制御部220を有する。
【0024】
撮像部202は、CCD又はCMOSなどの素子に光束を入射・結像させて画像データを得る撮像手段であり、例えば、横3000画素、縦2000画素の画素を有してよい。撮像部202は後述するタイミング取得部228により取得された半押信号、全押信号等に基づいたタイミングで撮像を行う。
【0025】
撮像部202は、撮像した画像データを制御部220に供給する。撮像部202は、単焦点レンズ、又は、ズームレンズを備えてよい。撮像部202は、交換可能な機能の異なる複数のレンズを備え、制御部220からの指示により、これらのレンズから撮像に用いるレンズを選択してよい。
【0026】
撮像部202は垂直方向及び/又は水平方向に向きを変えることができてよい。また、複数の撮像部202が、補助撮像装置20に設けられてもよい。撮像部202は、撮像により生成した画像データおよび撮像した時の撮像条件データを含む撮像データを、制御部220を介して記憶部210に記憶する。
【0027】
移動部204は、制御部220からの指示に基づいて、可動部材を駆動させて補助撮像装置20を移動する。移動部204は、例えば、回転翼203を回転させるモータを駆動するための駆動回路を有し、これにより補助撮像装置20は飛行する。移動部204は、制御部220から、移動方向及び移動距離を含む移動量のデータを受け取り、当該移動量に応じて補助撮像装置20を移動する。
【0028】
通信部206は、主撮像装置10の通信部106と無線通信を行う。通信部206は、例えば、UWB、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、3G、及び/又は、LTE等の無線通信規格に準拠して通信する。
【0029】
センサ208は、補助撮像装置20の位置に関する情報を取得する。センサ208は、屋内に設置されたGPS送信機からのGPS電波を受信する室内用GPSセンサ、及び/又は、人工衛星からのGPS電波を受信する屋外用GPSセンサを含み、これにより補助撮像装置20の室内及び/又は屋外での空間位置情報を取得する。
【0030】
センサ208は、姿勢センサ、加速度センサ、及び/又は、方位センサ等を含み、これにより補助撮像装置20の向きを取得してもよい。また、センサ208は、補助撮像装置20の周囲の光源の方向及び光源の光強度を特定する光センサを含んでもよい。センサ208は、取得した空間位置情報を示す空間位置データを制御部220を介して記憶部210に記憶する。
【0031】
記憶部210は、主撮像装置10から受け取った主要被写体データ及び撮像データ等を格納する。記憶部210は、撮像部202から出力された撮像データおよびセンサ208から出力された空間位置データを格納する。
【0032】
記憶部210は、さらに予め定められた構図のデータを記憶する。構図の一例は、画枠内に主撮像装置10の主要被写体を含む構図である。この場合に、構図のデータには、画枠内の主要被写体の位置及び画枠内に占める割合のデータ等が含まれる。構図の他の例として、画像の画枠内に主撮像装置10の撮像者32を含む構図であってもよい。
【0033】
構図のデータは、撮像者32により操作部104を用いて主撮像装置10に設定されてもよい。この場合に、当該構図のデータは、主撮像装置10の制御部120から補助撮像装置20のタイミング取得部228に送受信され、記憶部210に記憶されてもよい。構図のデータは、描画された画像から生成されてもよい。描画された画像には、人やオブジェクトを示す外形線、人や特定のオブジェクトであることを示す文字、それらの配置、ピントを合わせる場所を示す印、照明の当たる方向等が含まれていることが好ましい。この場合に、操作部104は描画された画像の入力を受け付け、制御部120は描画された画像をパターンマッチング等で画像解析することにより、構図の情報を生成する。
【0034】
制御部220は、CPU等を含み、撮像部202、移動部204、通信部206、センサ208、及び、記憶部210に接続されて、補助撮像装置20を総合的に制御する。制御部220は、タイミング取得部228、移動量特定部224および画像送信部230を含む。
【0035】
タイミング取得部228は、主撮像装置10の撮像タイミングを取得する。この場合にタイミング取得部228は、主撮像装置10のレリーズボタンが半押しされた場合に、通信部106により発信される半押信号を通信部206を介して取得する。さらに、主撮像装置10のレリーズボタンが全押しされた場合に、通信部106により発信される全押信号を通信部206を介して取得する。
【0036】
移動量特定部224は、補助撮像装置20の移動量を特定する。この場合に移動量特定部224は、タイミング取得部228で取得された半押信号に含まれる、主撮像装置10の位置および主撮像装置10の主要被写体データに基づいて、当該主要被写体を予め定められた構図で撮影することのできる位置を算出する。
【0037】
移動量特定部224は、補助撮像装置20の現在位置から自らが算出した位置へ移動するための移動量を特定する。なお、移動量には、補助撮像装置20が移動すべき方向と距離が含まれる。移動量特定部224は、当該特定された移動量に基づいて移動部204を駆動して、補助撮像装置20を移動させる。
【0038】
画像送信部230は、撮像部202により撮像されて生成された画像データを含む撮像データを、通信部206を介して主撮像装置10に送信する。
【0039】
図4は、主撮像装置10および補助撮像装置20の動作を示すフローチャートである。
図4のフローチャートは、主撮像装置10および補助撮像装置20の電源が投入され、主撮像装置10において補助撮像装置20との同期撮影が選択された場合に開始する。
【0040】
主撮像装置10の制御部120は、操作部104によりレリーズボタンが半押しされたことが検知されるまで待機する(S102:No)。操作部104によりレリーズボタンが半押しされたことが検知された場合に(S102:Yes)、制御部120は、通常の撮影動作として、オートフォーカスを行うとともに、モードに応じた絞りおよびシャッタスピード等の撮像条件を設定する(S104)。制御部120は当該撮影条件を、センサ114から取得した主撮像装置10の空間位置データと共に、記憶部116に記憶する。
【0041】
被写体特定部110は、主撮像装置10の主要被写体を特定する。被写体特定部110は、撮像部102がライブビュー画像を生成している場合に、当該ライブビュー画像において、当該画像のうち、フォーカスが合っていて主要な範囲を占める部分を主要被写体であると特定する。被写体特定部110は、主要被写体の画像データ、主要被写体までの距離及び方向を、主要被写体に関する主要被写体データとして制御部120を介して記憶部116に記憶する。
【0042】
制御部120はさらに、記憶部116に記憶されている撮影条件、空間位置データおよび主要被写体データを含む半押信号を通信部106を介して発信する(S106)。この場合に、制御部120は、半押信号に、互いに通信すべき補助撮像装置20の識別データをさらに含めてもよい。
【0043】
補助撮像装置20のタイミング取得部228が通信部206を介して半押し信号を受信した場合に、補助撮像装置20の位置を移動するシーケンスが動作し(S202)、補助撮像装置20が移動する。半押信号に補助撮像装置20の識別データが含まれる場合に、当該識別データが整合した場合に上記シーケンスを開始し、整合しない場合にはシーケンスを開始しないようにしてもよい。
【0044】
さらに、制御部220がオートフォーカス、モードに応じた絞りおよびシャッタスピード等の撮像条件を設定する(S203)。制御部220は、半押信号に含まれる撮像条件と同じ撮像条件を設定してもよいし、予め定められた異なる撮像条件、例えば絞り値を一段下げる等に設定してもよい。
【0045】
画像送信部230は、撮像部202により生成されたライブビュー画像を通信部206を介して送信する(S204)。主撮像装置10の表示部112は、通信部106を介して受信した、補助撮像装置20のライブビュー画像を表示する(S108)。
【0046】
主撮像装置10の制御部120は、操作部104によりレリーズボタンが全押しされたことが検知されるまで待機する(S110:No)。操作部104によりレリーズボタンが全押しされたことが検知された場合に(S110:Yes)、制御部120は、全押信号を通信部106を介して発信する(S112)。この場合に、制御部120は、半押信号と同様に全押信号に補助撮像装置20の識別データをさらに含めてもよい。
【0047】
さらに制御部120はステップS104で設定した撮像条件に基づいて、撮像部102で主要被写体を含むシーンを撮像する(S206)。同様に、補助撮像装置20のタイミング取得部228が通信部206を介して全押信号を取得した場合に、制御部220はステップS202で設定した撮像条件に基づいて、上記主要被写体を含むシーンを撮像する(S206)。全押信号に補助撮像装置20の識別データが含まれる場合に、当該識別データが整合した場合に撮像を開始し、整合しない場合には撮像を開始しないようにしてもよい。
【0048】
さらに、画像送信部230は、撮像部202によりステップS206で撮像されて生成された撮像画像を通信部206を介して送信する(S208)。主撮像装置10の表示部112は、通信部106を介して受信した、補助撮像装置20の撮像画像を表示する(S108)。以上により
図4に示すフローチャートが終了する。
【0049】
図5は、
図4のステップS202のシーケンスを示すフローチャートである。当該フローチャートは、タイミング取得部228が半押信号を取得したことにより開始する。
【0050】
移動量特定部224は、半押信号に含まれる主撮像装置10の空間位置データおよび主要被写体データを取得する(S302)。移動量特定部224は、当該空間位置データおよび主要被写体データに基づいて、当該主要被写体の空間的な位置を算出する(S304)。具体的には、移動量特定部224は、主撮像装置10の空間位置に対して、主撮像装置10からみた主要被写体の方向および距離を特定することにより、主要被写体の空間的な位置を算出する。
【0051】
移動量特定部224は、さらに、主撮像装置10に撮像されない位置を算出する(S306)。この場合に、移動量特定部224は、半押信号に含まれる撮像条件および空間位置データに基づいて、主撮像装置10の空間的な撮像範囲を算出することにより、主撮像装置10に撮像されない位置を算出する。
【0052】
移動量特定部224は、センサ208で取得されて記憶部210に記憶されている、補助撮像装置20の空間位置データを取得する(S307)。移動量特定部224は、ステップS304およびS306の両方の条件を満たす位置と、ステップS307で取得された位置との差分から、補助撮像装置20の移動量を特定し、移動部204に受け渡す(S308)。移動部204は、当該移動量に対応して回転翼203等を駆動して、補助撮像装置20を上記位置まで移動する(S310)。これにより
図5のフローチャートが終了する。
【0053】
図6は、主撮像装置10の表示部112の表示の一例である。表示部112には、主撮像装置10で撮像された撮像画像または撮像中のライブビュー画像122が全体的に表示される。当該画像の右上部分に重畳して、補助撮像装置20で撮像された撮像画像または撮像中のライブビュー画像124が合成されて表示される。
【0054】
図6に示す例においては、主撮像装置10のライブビュー画像122に主要被写体としての子供36が撮像されて表示されていることに対応して、補助撮像装置20のライブビュー画像124にも予め定められた構図に従って子供36が撮像されて表示されている。さらに、補助撮像装置20のライブビュー画像124には上記構図を採用したことにより他の被写体としての花壇38も写し込まれて表示されている。
【0055】
以上、本実施形態によれば、
図4のステップS110においてレリーズボタンの全押しが検知された場合に、全押信号が補助撮像装置20に送信される。よって、主撮像装置10と補助撮像装置20とが同期したタイミングT0で同時に撮像することができる。特に、本実施形態においては、補助撮像装置20において、主撮像装置10の主要被写体を含む構図で撮像するので、主要被写体を主撮像装置10と補助撮像装置20とで撮像することができる。
【0056】
図7は、他のフローチャートの例を示す。
図7のフローチャートにおいて
図4と同じステップについては同じ番号を付して説明を省略する。
【0057】
図7においては、ステップS112で、主撮像装置10から全押信号を受け取った後に、補助撮像装置20は、その確認信号を主撮像装置10に送信する(S210)。主撮像装置10は、補助撮像装置20からの確認信号を待って撮像する(S114)。
【0058】
図7に示す実施形態によれば、主撮像装置10は、補助撮像装置20からの確認信号を待って撮像する。これにより、主撮像装置10と補助撮像装置20とで、より確実に同じタイミングT0で撮像することができる。
【0059】
図8は、さらに他のフローチャートの例を示す。
図8のフローチャートにおいて
図4と同じステップについては同じ番号を付して説明を省略する。
【0060】
図8において、主撮像装置10は、ステップS112で全押信号を送った後に、予め定められた時間待機してから(S120)、撮像する(S114)。当該時間は、補助撮像装置20の動作時間を考慮して決められてもよく、これに代えてまたはこれに加えて、主撮像装置10と補助撮像装置20との距離に応じて、距離が長いほど当該時間を長くしてもよい。
【0061】
図8に示す実施形態によれば、主撮像装置10は、全押信号を送ってから予め定められた時間待って撮像する。これにより、主撮像装置10と補助撮像装置20とで、より確実に同じタイミングT0で撮像することができる。
【0062】
図9は、さらに他のフローチャートの例を示す。
図9のフローチャートにおいて
図4と同じステップについては同じ番号を付して説明を省略する。
【0063】
図9において、補助撮像装置20は、ステップS112で全押信号を受信した後に、予め定められた時間待機してから(S220)、撮像する(S206)。当該時間は、補助撮像装置20の側で設定されていてもよく、主撮像装置10の側で設定されて全押信号とともに時間の長さを示すデータが送られてもよい。
【0064】
図9に示す実施形態によれば、補助撮像装置20は、全押信号を受けてから予め定められた時間待って撮像するので、主撮像装置10と補助撮像装置20とで、積極的にタイミングをずらして撮像することができる。例えば、主撮像装置10はタイミングT0で撮像し、その後、補助撮像装置20はタイミングT1で撮像することができる。
【0065】
図10は他の補助撮像装置22の例を示す。補助撮像装置22は、車輪254で自走する小型車両である。補助撮像装置22に搭載された撮像部252は、水平方向および垂直方向に向きを変えることができる。
【0066】
上記実施形態においては、移動量特定部224は記憶部210に記憶されている構図となるように移動量を決定する。これに代えて、半押信号または全押信号に、主撮像装置10の撮像画像データを含めることとし、タイミング取得部228が半押信号または全押信号を受信した場合に、移動量特定部224は、主撮像装置10の撮像画像データが示す画像と同じ画像を撮ることができる位置への移動量を決定してもよい。さらに他の例として、撮像部202は、主撮像装置10の撮像画像データが示す画像を含む広角側、または、主要被写体を中心にした望遠側で撮像してもよい。
【0067】
上記実施形態においては、補助撮像装置20、22はいずれも自律的に移動する。これに代えて、地面に固定された三脚に補助撮像装置が取り付けられてもよい。この場合に、雲台において補助撮像装置の水平方向および垂直方向の向きが変えられるようになっていてもよい。
【0068】
上記実施形態においては、レリーズボタンが半押しされた場合に半押信号が送信され、レリーズボタンが全押された場合に全押信号が送信される。これに代えてまたはこれに加えて、タッチパネルでの特定の操作に基づいて、半押信号および全押信号がそれぞれ送信されてもよい。
【0069】
さらに他の例として、補助撮像装置20の撮像部202は、全押信号を受信した後に、一定時間ごとに撮像を実行してもよい。これにより、撮像者32がさらに撮像しなくても撮像者32が注目した主要被写体のその後の撮像画像を取得することができる。
【0070】
さらに、主撮像装置10の撮像条件と異なる撮像条件を補助撮像装置20で設定する例として、異なるアングル、静止画か動画か、通常画像か立体画像か、白黒かカラーか、縦位置か横位置か斜めか、通常動画かスローモーションか、流撮りするか否か等が挙げられる。さらに、補助撮像装置20を主撮像装置10の撮影に対するいわゆるブラケッティングとして用いてもよい。すなわち、主撮像装置10と補助撮像装置20とで同一の構図となるように近接した位置にお互いが配され、同じタイミングで撮像されるが、露出量等を互いに異ならせる撮影をすることができる。異ならせる条件の例として、露出、ストロボ発光の有無、絞り値、ISO感度、ホワイトバランス、フォーカス位置、プログラム線図状のシャッタスピードと絞りの組み合わせ、等が挙げられる。
【0071】
さらに、
図6の例においては、主撮像装置10の撮像画像と補助撮像装置20の撮像画像とが合成されて、主撮像装置10に表示される。この場合に、補助撮像装置20は、広角で撮った撮像画像と望遠で撮った撮像画像の両方を主撮像装置10に送信して表示させてもよい。これに代えてまたはこれに加えて、補助撮像装置20は、パノラマ写真を主撮像装置10に送信して表示させてもよい。さらに、撮像者32の撮影が困難な極端なハイアングル、ローアングル、マクロ等で撮った画像を主撮像装置10に送信して表示させてもよい。さらに、補助撮像装置20は画像以外の情報、例えば色温度、露出量等を主撮像装置10に送信して表示させてもよい。
【0072】
さらに、補助撮像装置20からの画像等を主撮像装置10の電子ビューファインダー内に表示してもよい。この場合に、主撮像装置10における画像に重畳されて表示されてもよい。また、補助撮像装置20からの画像を重畳させて表示させるか否かを撮像者32が選択できてもよい。そのためのスイッチが設けられてもよい。
【0073】
上記実施形態においては、主撮像装置10と補助撮像装置20とは1対1であるが、1対多、多対1、多対多のいずれであってもよい。主撮像装置10が複数ある場合に、それらの位置及び方向に基づいて、複数の主撮像装置10が注目している主要被写体を特定してもよい。さらに特定した主要被写体を補助撮像装置20が撮像してもよい。さらに、複数の主撮像装置10のそれぞれに対応する複数の撮像者32を補助撮像装置20が撮像してもよい。
以下、本発明の実施形態の例を項目として説明する。
[項目1]
撮像者の操作により被写体を撮像して撮像画像を生成する主撮像装置から、主撮像装置の撮像タイミングを取得するタイミング取得部と、
タイミング取得部により取得された撮像タイミングに基づいて、被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
を備える補助撮像装置。
[項目2]
撮像部は、撮像タイミングに同期して撮像する項目1に記載の補助撮像装置。
[項目3]
撮像部は、主撮像装置のいずれか一つの撮像条件を変更して主撮像装置と同一の被写体を撮像する項目2に記載の補助撮像装置。
[項目4]
撮像部は、撮像タイミングに対して予め定められた時間ずらして撮像する項目1に記載の補助撮像装置。
[項目5]
撮像部は、主撮像装置により撮像された被写体を含むより広い画角で撮像する項目1から4のいずれか1項に記載の補助撮像装置。
[項目6]
撮像部により生成された撮像画像を、主撮像装置に送信する画像送信部をさらに備える項目1から5のいずれか1項に記載の補助撮像装置。
[項目7]
タイミング取得部は、撮像タイミングとともに、位置に関する情報を取得し、
タイミング取得部により取得された位置に関する情報に基づいて、少なくとも撮像部を移動する移動部と、
をさらに備える項目1から6のいずれか1項に記載の補助撮像装置。
[項目8]
タイミング取得部は、さらに、主撮像装置のレリーズボタンが半押しされたことを取得し、
移動部は、タイミング取得部によりレリーズボタンが半押しされたことが取得された場合に、撮像部を移動する項目7に記載の補助撮像装置。
[項目9]
撮像者の操作を受け付ける操作部と、
操作部により受け付けられた操作に基づいて、被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
被写体を撮像する撮像タイミングを補助撮像装置に出力するタイミング出力部と、
を備える主撮像装置。
[項目10]
撮像タイミングに基づいて、補助撮像装置で被写体を撮像して生成された撮像画像を取得する画像取得部と、
画像取得部により取得された撮像画像を表示する表示部と、
を備える項目9に記載の主撮像装置。
[項目11]
表示部は、撮像部により生成された撮像画像と、画像取得部により取得された撮像画像とを合成して表示する項目10に記載の主撮像装置。
[項目12]
タイミング出力部は、さらに補助撮像装置で撮影すべき構図に関する情報を補助撮像装置に出力する項目9または10に記載の主撮像装置。
[項目13]
操作部は、描画された画像の入力を受け付け、描画された画像から構図に関する情報を生成する項目12に記載の主撮像装置。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。