(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対のサイドフェンスの前記傾斜案内部における前記搬送方向の下流側には、該下流側に向いて高さが順次低くなるよう傾斜した下流側案内部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の排紙トレイ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る排紙トレイを適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下に、本実施形態の排紙トレイが画像形成装置に設けられた場合の構成例について説明する。
【0012】
まず、本発明の各実施形態に共通する概略的な構成について説明する。
図1に、本発明の実施形態としての排紙トレイ2を備えた画像形成装置1の構成を概略的に示す。
【0013】
画像形成装置1にて、画像を形成された用紙は、最後に形成された画像面を上にして 排紙トレイ2へと搬送され、排紙される。なお、画像形成装置1内での給紙から一般的な画像形成を行うプロセスについては公知の技術であるため、説明を省略する。
【0014】
排紙トレイ2には、排紙トレイベース3の上部に、用紙巾方向の用紙側端位置を規制する為の、一対のサイドフェンス4,5が設けられている。
【0015】
一対のサイドフェンス4,5は、用紙巾方向中心位置に対し、互いに接離可能に設けられる。一対のサイドフェンス4,5の位置は、排出される用紙における搬送方向に垂直な方向の巾に応じてセットされる。
【0016】
排紙用紙先端を位置決めするエンドフェンス6は、排出されてくる用紙の搬送方向に移動することができ、排紙用紙の搬送方向長さに応じてセットされる。また、エンドフェンス6の下部には、規制部である補助エンドフェンス7が設けられている。
【0017】
〔第1の実施形態〕
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。
図2〜
図5に、第1の実施形態における補助エンドフェンス7周りの構成例について示す。
【0018】
一対のサイドフェンス4,5は、用紙巾方向中心位置に対し、互いに接離可能に構成され、排紙される用紙の搬送方向に垂直な方向における巾(主走査方向巾)に応じてセットされる。このように、一対のサイドフェンス4,5は、排出される用紙に対して搬送方向における両側面となる位置に配置され、用紙の搬送方向に垂直な方向に移動可能となっている。
【0019】
一対のサイドフェンス4,5の根元部には、傾斜案内部4A・5Aがそれぞれ設けられている。
最後に形成された画像面が上向きで排紙される場合には、インクにより全体的に凸形状の用紙状態で排紙されることが多い。傾斜案内部4A・5Aは、この用紙状態を矯正するために、凹状に排紙収納させるものである。
【0020】
エンドフェンス6は、排出される用紙の搬送方向における前方となる位置に配置され、排出された用紙を受け止めるように配置される。また、用紙の搬送方向に移動可能であるよう設けられる。このことにより、用紙のサイズやフィード方向に応じた位置にセットされたエンドフェンス6が、排紙用紙の先端を位置決めする。
【0021】
エンドフェンス6の下端付近の部分には、サイドフェンスの傾斜案内部4A・5Aが収納されるような切り欠き6A・6Bを設けている。
【0022】
規制部である補助エンドフェンス7は、例えばゴムシートの様な弾性部材で作られており、支点軸8周りに回転する様、切り欠き6A・6Bに対応して各々取り付けられている。補助エンドフェンス7は、外力が作用しない場合は、自重にて
図5に示す実線の位置に保持され、
図2、
図3のようになっている。
【0023】
規制部としての補助エンドフェンス7は、例えば、用紙サイズがA4の長辺フィード、いわゆるA4LEFで通紙する場合など、「搬送方向長さが短く、用紙巾が大きい用紙」などであっても、排紙揃えを良好にするためのものである。すなわち、エンドフェンス根元部の切り欠き6A、6B付近であっても、実質エンドフェンス6の巾と同じフェンス効果を得て、排紙揃えを良好にするものである。
【0024】
以下、画像形成装置におけるJOB前の各フェンス位置のセッティングに関し、説明する。
【0025】
例えば排紙される用紙サイズがA6の短辺フィード、いわゆるA6SEFの場合のように、搬送方向長さ及び用紙巾が短い用紙の場合には、エンドフェンス6の下部、切り欠き6A・6Bに、サイドフェンスの傾斜案内部4A・5Aが各々収納される必要がある。
【0026】
ここで、エンドフェンス6を、搬送方向狙いの位置にセットした後に、サイドフェンス4,5を移動してサイドフェンス間スパンを狭める場合には、まずはサイドフェンスの傾斜案内部4A・5A先端が、補助エンドフェンス7に当接する。
【0027】
さらにサイドフェンスが狭められると、補助エンドフェンス7は
図4の状態に変形させられ、サイドフェンスの傾斜案内部4A・5Aが、エンドフェンスの切り欠き6A・6Bに収納される。
なお、JOB後に一対のサイドフェンス4,5間を開けば、補助エンドフェンス7は元の真っ直ぐな状態に戻る。
【0028】
次に、A6SEF通紙時に、サイドフェンス4,5を狙いの位置にセットした後に、エンドフェンス6を移動して排紙スタック部の搬送方向スパンを狭める場合の各フェンス位置のセッティングについて説明する。
【0029】
この場合、エンドフェンス6を搬送方向に移動することで、エンドフェンス6の下部に設けた補助エンドフェンス7が、まず、
図5での実線位置の状態にてサイドフェンス4,5の傾斜案内部4A・5Aに当接する。その当接した位置からさらにエンドフェンス6を搬送方向に移動すると、補助エンドフェンス7は傾斜案内部4A・5Aから当接箇所で押され、
図5の2点鎖線の状態のように搬送方向下流側に回転させられる。こうして、干渉回避される。
【0030】
なお、JOB後にエンドフェンス6を搬送方向下流側に移動すれば、補助エンドフェンス7は自重により 元の実線の状態に戻る。元に戻り易い様に、例えばネジリコイルバネ等を備え、その復元力により
図5での実線位置の状態に付勢する構成であってもよい。
【0031】
以上のようにして、本実施形態によれば、各フェンスの位置決め動作順序に関わらず、補助エンドフェンス7を確実に退避対応させることができる。
【0032】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6に、第2の実施形態における補助エンドフェンス7周りの構成例について示す。
図6の例では、補助エンドフェンスの支点軸が、ほぼ用紙の搬送方向に垂直な方向である用紙巾方向の場合について示す。
上述した第1の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0033】
補助エンドフェンス7は、熱可塑性樹脂などの剛性材料で作られており、用紙巾方向にほぼ平行に設けられた回転軸7Aにより、排紙された用紙端面が突き当たるエンドフェンスの面から退避できるよう、回動自在に保持されている。
なお、補助エンドフェンス7は、外力が作用しない場合、位置規制ストッパ部6Dにより、位置決めされている。
【0034】
第2の実施形態の補助エンドフェンス7は、軸7Aを含む平板部に加え、この平板部の平面方向に対して鉛直面および水平面のそれぞれから見て傾斜した棒状部材である用紙巾方向外力受け部7Bを備えて構成される。直線状である用紙巾方向外力受け部7Bの、鉛直面および水平面それぞれにおける平板部との傾斜角は、例えば
図6(b)(c)に示すように、45度ずつであることが好ましい。
【0035】
再び、A6SEFサイズに各フェンスをセッティングする場合の例で説明する。
エンドフェンス6を搬送方向における狙いの位置にセットした後に、
図6(b)の平面図に示すように、サイドフェンス4,5を移動してサイドフェンス間スパンを狭めるとする。この場合、まず、サイドフェンスの傾斜案内部4A、5Aの先端が、補助エンドフェンス7の用紙巾方向外力受け部7Bに接触する。
ここで、用紙巾方向外力受け部7Bは、上述のように、鉛直面および水平面のそれぞれについて補助エンドフェンス7の平板部に対して傾斜している。このため、この接触状態からさらにサイドフェンス4,5が狭められると、支点軸7A周りに、
図6(c)の背面図中における反時計方向の回転モーメントが生じる。
【0036】
用紙巾方向外力受け部7Bの、鉛直面および水平面それぞれにおける平板部との傾斜角は、回転モーメントが効果的に生じる様に外力に対してずらされた角度であることが望まれる。
【0037】
こうして回転モーメントが生じることにより、補助エンドフェンス7が搬送方向における下流側に回動変位して退避する。こうして、サイドフェンスの傾斜案内部4A・5Aが、エンドフェンスの切り欠き6A・6Bにスムーズに収納される。
なお、JOB後に一対のサイドフェンス4,5を開けば、補助エンドフェンス7は自重にて、
図6(c)における元の実線の状態に戻る。
【0038】
次に、A6SEF通紙時に、サイドフェンス4,5を狙いの位置にセットした後に、エンドフェンス6を移動して排紙スタック部の搬送方向スパンを狭める場合の各フェンス位置のセッティングについて、
図6(c)の背面図を参照して説明する。
【0039】
この場合、エンドフェンス6を搬送方向に移動することで、エンドフェンス6の下部に設けた補助エンドフェンス7が、まず、実線位置の状態にて、その下端部がサイドフェンスの傾斜案内部4A・5Aに当接する。その当接した位置からさらにエンドフェンス6を搬送方向に移動すると、補助エンドフェンス7は傾斜案内部4A・5Aから当接箇所で押され、
図6(c)の点線の状態のように搬送方向下流側に回転させられる。こうして、干渉回避される。
【0040】
なお、JOB後にエンドフェンス6を搬送方向下流側に移動すれば、補助エンドフェンス7は自重により 元の実線の状態に戻る。
【0041】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7に、第3の実施形態における補助エンドフェンス7周りの構成例について示す。
図7の例では、補助エンドフェンスの支点軸が、用紙の搬送方向に垂直な方向である用紙巾方向に対して、ほぼ45°傾いている場合について示す。
上述した第1、第2の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0042】
第3の実施形態では、補助エンドフェンス7の支点軸7Aを水平に設けているが、用紙巾方向に対しては、約45°傾けた状態で、設けている。
これにより、サイドフェンスの傾斜案内部4A,5Aと接触した場合に、用紙搬送方向、および用紙巾方向の2方向の外力が加えられることで、
図7の2点鎖線にしめすように回動変位し、退避することができる。
【0043】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8に、第4の実施形態における補助エンドフェンス7周りの構成例について示す。
図8の例では、補助エンドフェンスの支点軸が、用紙の搬送方向に垂直な方向である用紙巾方向に対してほぼ鉛直方向の場合について示す。
上述した第1、第2の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0044】
第4の実施形態では、補助エンドフェンス7の支点軸7Aを鉛直方向に設けている。
また、第4の実施形態の補助エンドフェンス7は、
図8(b)(c)に示すように、軸7Aを含む平板部に加え、この平板部の平面方向に対して水平面で傾斜した棒状部材である用紙巾方向外力受け部7Bを備えて構成される。直線状である用紙巾方向外力受け部7Bの、水平面における平板部との傾斜角は、例えば
図8(b)に示すように、45度であることが好ましい。
【0045】
上述した第2の実施形態と同じように、サイドフェンス4,5の内側にエンドフェンス6を摺動させた場合における用紙巾方向の外力は、用紙巾方向外力受け部7Bに作用し、搬送方向下流側に回動変位させる回転モーメントを生じさせる。このため、補助エンドフェンス7は、
図8(b)の2点鎖線で示すように、搬送方向下流側に回動変位して退避する。
エンドフェンス摺動時における用紙搬送方向の外力は、補助エンドフェンス7に直接作用し、やはり
図8(b)の2点鎖線で示す位置に退避する。
【0046】
〔第1〜第4の実施形態について〕
以上のように、上述した第1〜第4の実施形態の排紙トレイ2は、切り欠き部の、搬送方向と垂直な方向における両端付近を覆う位置に規制部である補助エンドフェンス7を設けることで、排紙揃えを良好にする構成となっている。それでいて、サイドフェンス4,5やエンドフェンス6の移動動作順序に関わらず、補助エンドフェンス7を確実に回動変位させ、退避させることができる。このため、サイドフェンスやエンドフェンスの移動動作順序に関わらず、補助エンドフェンス7を破損してしまうことがない。
【0047】
以上のように、上述した第1〜第4の実施形態は、画像形成装置本体から排出される用紙を、載置面に積載して収容する排紙トレイとなっている。
そして、用紙搬送方向と、同一平面において直交する方向に移動可能であり、載置面に対して傾斜する案内部がそれぞれ設けられた一対のサイドフェンスを備える。
また、用紙搬送方向に移動可能であり、排出された用紙の進行方向に対する縁部が当接するとともに、一対のサイドフェンスが近接した時に案内部を収納する切り欠きが形成されたエンドフェンスを備える。
また、一対のサイドフェンスとエンドフェンスとが近接した時に、案内部によって押されて回動変位するように構成されていて、切り欠きを覆う位置に設けた規制部としての補助エンドフェンスを備える。
【0048】
そして、エンドフェンスを用紙搬送方向と逆方向に移動、又は、一対のサイドフェンスを近接する方向に移動した時に、補助エンドフェンスが 一対のサイドフェンスの案内部によって押されて回動変位し、退避するように構成される。
【0049】
このように、上述した第1〜第4の実施形態は、搬送された用紙を載置面に積載して収容する排紙トレイ2として、用紙の搬送方向に垂直な方向に移動可能な一対のサイドフェンス4,5と、搬送方向に移動可能なエンドフェンス6と、を備える。
一対のサイドフェンス4,5は、該一対が配置される内側の下端に、載置面に対して傾斜した傾斜案内部がそれぞれ設けられる。
エンドフェンス6には、一対のサイドフェンス4,5が該エンドフェンス6に近づく方向に移動された際に傾斜案内部を収納する切り欠き部が形成される。
エンドフェンスにおける切り欠き部には、該切り欠き部の少なくとも一部を覆う位置に規制部が設けられる。
【0050】
そして、まず、エンドフェンスが一対のサイドフェンスよりも搬送方向における下流側に配置された状態で、傾斜案内部が切り欠き部に収納される距離まで該一対のサイドフェンス間の距離が近づくように、該一対のサイドフェンスが移動されるとする。そして、その移動された後にエンドフェンスが搬送方向における上流側に向けて、一対のサイドフェンスの位置まで移動された場合、規制部である補助エンドフェンス7は、一対のサイドフェンスの傾斜案内部に当接する。そして、搬送方向における下流側に回動変位する。このように、規制部である補助エンドフェンス7は、エンドフェンスに対して回動自在に設けられた構成となっている。
【0051】
次に、上述した第1〜第4の実施形態による効果について説明する。
まず、規制部としての補助エンドフェンス7を備えることにより、例えば用紙サイズがA4LEFで通紙する場合など、「搬送方向長さが短く、用紙巾が大きい用紙」などであっても、排紙揃えを良好にすることができる。
【0052】
さらに、補助エンドフェンス7が回動変位しなければならないフェンスの位置条件においても、サイドフェンスやエンドフェンスの移動動作順序に関わらず、確実に補助エンドフェンスを回動変位させ、退避させることができる。
補助エンドフェンス7が回動変位しなければならない場合は、例えば、エンドフェンス6を、搬送方向狙いの位置にセットした後に、サイドフェンス4,5を移動してサイドフェンス間スパンを狭める場合である。あるいは、サイドフェンス4,5を狙いの位置にセットした後に、エンドフェンス6を搬送方向下流側から移動させてサイドフェンス4,5間に移動させる場合などである。
【0053】
また、電動でサイドフェンスやエンドフェンスを動かす場合にも、サイドフェンス4,5とエンドフェンス6とを同時に動かすことができる。すなわち、サイドフェンス4,5とエンドフェンス6とを同時に動かしても、補助エンドフェンスが確実に回動変位し、退避する構成であるため、画像形成装置1の立ち上げの為の時間を多く要さない様にすることができる。
【0054】
手動で、サイドフェンスやエンドフェンスを動かす場合でも、操作手順の規制を無くすことができるため、使い勝手を良くすることができる。
【0055】
また、切り欠き部での排紙揃えを良好にするためにクッション部材を別途取り付けることによる、排紙トレイ積載枚数の減少を生じない様にすることができる。かつ、クッション部材の脱着管理も不要にすることができる。
【0056】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図9に、第5の実施形態における補助エンドフェンス7周りの構成例について示す。
上述した第1〜第4の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0057】
第5の実施形態は、上述した第1〜第4の実施形態の構成に加えて、一対のサイドフェンス4,5の根元の搬送方向最下流端部に、下流に行くに従って次第に高さが低くなるように傾斜した下流側案内部4B、5Bをそれぞれ設けたものである。
図9の例では、サイドフェンス5下端の下流側案内部5Bについて示すが、下流側案内部4Bも反対側としての同様の形状である。
【0058】
こうした構成により、一対のサイドフェンス4,5の間隔が所定以上に狭められた状態で、エンドフェンス6を用紙搬送方向上流側に移動する様な時でも、用紙巾方向外力受け部7Bは、まず、下流側案内部4A,4Bに当接する。そして、その下流側案内部4A,4Bとの接触部分から用紙巾方向外力受け部7Bが確実に外力を受け、さらに上述した第1〜第4の実施形態のように回動変位させることができる。このため、補助エンドフェンス7をよりスムーズかつ確実に回動退避させることができる。
【0059】
また、こうした構成により、小さい外力でエンドフェンス6を移動操作することができる。このため、エンドフェンス6を駆動源で移動させる場合であれば、その駆動源をより小さいパワーのものとすることができ、小型化することができる。また、手で移動させる場合であれば、操作の力を軽くすることができる。
【0060】
以上のように、上述した第5の実施形態は、一対のサイドフェンス4,5の根元の搬送方向最下流端部に、下流に行くに従って次第に高さが低くなる様な下流側案内部をそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0061】
このように、上述した第5の実施形態では、一対のサイドフェンスの傾斜案内部における搬送方向の下流側に、該下流側に向いて高さが順次低くなるよう傾斜した下流側案内部が設けられる。
【0062】
次に、上述した第5の実施形態による効果について説明する。
上述した第5の実施形態によれば、一対のサイドフェンスが近接した状態で、エンドフェンスを用紙搬送方向上流側に移動する様な時でも、補助エンドフェンスを確実に回動変位させることができる。
【0063】
また、より小さい力で補助エンドフェンスを退避させることができる。このため、小さい操作力でエンドフェンスを移動操作することができる。
【0064】
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図10に、第6の実施形態における排紙トレイ2の構成例を示す。
上述した第1〜第5の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0065】
図10では、排紙トレイベース3の上側カバー部を省略し、内部が見える図として示す。
第6の実施形態では、
図10に示すように、前側のサイドフェンス4には、ラック4Cが一体で設けられている。
同じ様に、後側サイドフェンス5には、ラック5Cが一体で設けられている。
【0066】
以上により、各々のサイドフェンス4,5は、可変抵抗ボリューム9の先端に設けられたピニオンギヤを介し、相互に連動動作する様になっている。すなわち、ラック4C、5Cは、可変抵抗ボリューム9先端のピニオンギヤと咬合するようになっている。
可変抵抗ボリューム9により、電気特性が変わるので、これを用紙巾方向の用紙サイズに置き換えることで、用紙巾方向の用紙サイズを、無段階に得ることができる。
【0067】
また、上述した画像形成装置1は、CPU等により構成される不図示の制御手段を備え、この制御手段により画像形成の制御を行う。このため、画像形成装置1の制御手段は、可変抵抗ボリューム9からの出力を受信することにより、一対のサイドフェンス4,5間の距離情報を得ることができる。
【0068】
また、エンドフェンス6についても、
図10に示すように、可変抵抗ボリューム10の先端にタイミングプーリを設け、他方のタイミングプーリ11との間にタイミングベルト12を掛け渡して、一端をエンドフェンス6と固定している。エンドフェンス6との固定部を
図10中、「×」印で示す。
【0069】
こうした構成により、排紙用紙サイズ対応の為にエンドフェンス6を動作させた時に、可変抵抗ボリューム10の電気特性が変わる。このため、この可変抵抗ボリューム10の電気特性を用紙搬送方向の用紙サイズに置き換えることで、用紙搬送方向の用紙サイズを、無段階に得ることができる。
【0070】
このため、画像形成装置1の制御手段は、可変抵抗ボリューム10からの出力を受信することにより、エンドフェンス6の搬送方向における位置情報を得ることができる。
【0071】
こうした構成により、画像形成装置1にて画像形成のJOB動作を開始する前に、上述のようにして得られた、各フェンスがセッティングされた用紙サイズと、設定された用紙サイズが一致するか否かを、制御手段が判定する。用紙サイズの設定は、不図示の操作部でユーザが操作入力する構成であってもよく、給紙部で自動検知する構成であってもよい。
制御手段の判定により、画像形成する用紙サイズとしての設定内容と、各フェンスがセッティングされた用紙サイズとが一致した場合に、制御手段は、画像形成のJOB動作を開始させる。
【0072】
これにより、補助エンドフェンス7の動作ミス不具合を、画像形成装置1の用紙搬送動作前に検出することができ、給紙される用紙とこれを受け入れる側の排紙トレイ2の各フェンスの不一致に伴う、排紙スタック不具合を未然に防止することができる。
この検出は、補助エンドフェンス7の動作ミス不具合が有る場合に、各フェンスが狙いの位置に達していないことがあるために行うものである。
【0073】
以上のように、上述した第6の実施形態は、一対のサイドフェンスの用紙巾方向位置と、エンドフェンスの用紙搬送方向位置を検知し、これが給紙する用紙サイズと合ったことを持って、給紙可とすることを特徴とする。
【0074】
このように、上述した第6の実施形態では、排紙トレイ2が、一対のサイドフェンス4,5の搬送方向に垂直な方向における位置を検出する第1の検出手段として、可変抵抗ボリューム9、その先端のピニオンギヤ、およびラック4C、5Cを備える。
また、エンドフェンスの搬送方向における位置を検出する第2の検出手段として、可変抵抗ボリューム10、その先端のタイミングプーリ、他方のタイミングプーリ11、タイミングベルト12を備える。
【0075】
このことにより、上述した第1〜第5の実施形態の排紙トレイを備えた画像形成装置1として、制御手段が、第1の検出手段による一対のサイドフェンスの位置と、第2の検出手段によるエンドフェンスの位置とを用いた制御を行う。具体的には、第1の検出手段による一対のサイドフェンスの位置と、第2の検出手段によるエンドフェンスの位置とが、設定された用紙サイズに応じた所定位置である場合に、画像形成のJOBをスタート可能としている。
【0076】
このように、本実施形態では、これから画像形成して排紙トレイに排出しようとする用紙のサイズ設定に応じて、各フェンスが所定位置である場合に、制御手段が画像形成のJOBをスタート可能としている。用紙サイズ設定は、用紙の大きさと、フィード方向とを含むものとする。
【0077】
次に、上述した第6の実施形態による効果について説明する。
本実施形態では、補助エンドフェンスの動作ミス不具合を、画像形成装置1の用紙搬送動作前に検出することができる。このため、給紙される用紙とこれを受け入れる側の排紙トレイの各フェンスの不一致に伴う、排紙スタック不具合を未然に防止することができる。
【0078】
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図11に、第7の実施形態における補助エンドフェンス7周りの構成例について示す。
図11の例では、補助エンドフェンスの支点軸が、ほぼ用紙の搬送方向に垂直な方向である用紙巾方向の場合について示す。
上述した第1の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0079】
第7の実施形態における排紙トレイ2は、
図11に示すように、補助エンドフェンス7が所定位置まで回動変位して、確実に退避したことを検知するフォトセンサ13を備える。このため、第7の実施形態における画像形成装置1の制御手段は、フォトセンサ13により、補助エンドフェンス7が所定位置まで回動変位して確実に退避したことが検出された場合に、画像形成のJOBをスタート可能とする。
【0080】
こうした構成により、補助エンドフェンス7の動作ミス不具合を、画像形成装置1の用紙搬送動作前に安価に検出することができる。このため、給紙される用紙とこれを受け入れる側の排紙トレイ2の各フェンスの不一致に伴う、排紙スタック不具合を未然に防止することができる。
【0081】
以上のように、上述した第7の実施形態は、補助エンドフェンス7が所定位置まで回動変位して確実に退避したか否かを検知するセンサを設け、その所定位置まで回動変位して確実に退避したしたことを持って、給紙可とする。
【0082】
このように、上述した第7の実施形態としての排紙トレイは、規制部の回動方向における位置を検出する第3の検出手段として、フォトセンサ13を備える。制御手段は、第3の検出手段により規制部が所定位置まで回動変位されたことが検出された場合に画像形成のJOBをスタート可能とする。
【0083】
次に、上述した第7の実施形態による効果について説明する。
上述した第7の実施形態では、補助エンドフェンスが回動変位(退避)したことを検知するセンサを設け、規制部が回動変位(退避)したことを持って、給紙可としている。
このため、補助エンドフェンスの動作ミス不具合を、画像形成装置1の用紙搬送動作前に安価に検出することができる。このため、給紙される用紙とこれを受け入れる側の排紙トレイの各フェンスの不一致に伴う、排紙スタック不具合を未然に防止することができる。
【0084】
〔各実施形態について〕
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0085】
例えば、上述した各実施形態では、画像形成装置1が排紙トレイ2を備えることとして説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば排紙トレイ2が単独の排紙装置として構成され、画像形成装置に接続される構成であってもよい。また、排紙トレイ2が単独の排紙装置として構成され、他の装置により排出される用紙を収容する構成であってもよい。