特許第6044395号(P6044395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6044395
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】冷却装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   G03G15/20 505
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-41649(P2013-41649)
(22)【出願日】2013年3月4日
(65)【公開番号】特開2014-170100(P2014-170100A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2016年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(72)【発明者】
【氏名】渡辺武志
(72)【発明者】
【氏名】石井建司
(72)【発明者】
【氏名】平澤友康
(72)【発明者】
【氏名】池田圭介
【審査官】 飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−098677(JP,A)
【文献】 特開2007−121653(JP,A)
【文献】 特開2013−024912(JP,A)
【文献】 特開2012−255964(JP,A)
【文献】 特開2012−198502(JP,A)
【文献】 特開2004−325934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を冷却する冷却部材と複数のローラで保持されて回転するベルト部材を有するベルト回転機構を対向配置することによって記録材を挟持搬送して冷却する冷却装置であって、
前記冷却部材は、弧面状に膨出した吸熱面を有し、
前記吸熱面は、前記ベルト回転機構の前記ベルト部材の内周面に面接触して備えられ、
記録材搬送路を挟む一方側に配置される前記吸熱面の頂面と、記録材搬送路を挟む他方側に配置される前記吸熱面の頂面とが、記録材搬送方向と交差する方向に互いに入り組むように位置し、
一方のベルト回転機構にのみ駆動ローラが設けられ、他方のベルト回転機構は前記一方のベルト回転機構に連れ回ることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記ベルト回転機構のうちベルト回転抵抗がより大きい側に前記駆動ローラを設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記他方のベルト回転機構に備えられた前記冷却部材のベルト内周面への接触総面積は、前記一方のベルト回転機構に備えられた前記冷却部材のベルト内周面への接触総面積よりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記駆動ローラの直径が、前記一方のベルト回転機構における他のローラの直径より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記駆動ローラが記録材搬送方向の最下流側に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記駆動ローラに対向するローラの直径は、前記他方のベルト回転機構における他のローラの直径より大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記ベルト部材はポリイミド等の薄膜樹脂材からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記冷却部材は記録材搬送路において記録材に対して表裏交互に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記冷却部材は略同一形状を有し、前記駆動ローラを有する前記一方のベルト回転機構への冷却部材搭載数が、前記駆動ローラを有さない前記他方のベルト回転機構への冷却部材搭載数より多いことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記ベルト部材を挟んだ前記冷却部材の対向位置に、前記ベルト部材を前記冷却部材に向かって押圧する押圧ローラを設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記一方のベルト回転機構における記録材入口部および出口部におけるローラの中心と、前記他方のベルト回転機構における記録材入口部および出口部におけるローラの中心と、は互いに記録材搬送方向にずれて配置され、
前記一方のベルト回転機構における前記ローラと接触しているベルト部分と、前記他方のベルト回転機構における前記ローラと接触しているベルト部分と、は非接触であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の冷却装置。
【請求項12】
記録材に画像を形成する画像形成部と、画像形成後の記録材を冷却する請求項1〜11のいずれか1項に記載の冷却装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状記録材の冷却装置およびこのような冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらを備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、熱によって用紙(記録材)上のトナーを溶融させて画像を定着させる定着装置が多く用いられている。また、このように画像が定着された記録材が、画像形成装置の排紙トレイまたは後処理装置または反転装置などにストックされて積み重なった状態となる場合がある。
【0003】
このように積み重なる際には、記録材が熱を持ったまま排紙トレイなどにスタックされて行くことになる。このため、記録材内にこもった熱によってトナーが軟化し、さらに記録材が重なることで自重による圧力が生じ、トナーによって記録材同士が貼り付くことがある。貼り付いた場合において、無理に剥がそうとするとトナー像が壊れるおそれがある。このように重なった紙同士がくっついてしまうことをブロッキングと呼び、この現象を抑制するためには、加熱定着後の記録材を十分に冷却するための装置が必要である。
【0004】
現在、記録材を搬送しながら冷却する装置として、搬送ベルトによって記録材を挟持搬送しながら冷却部材によって記録材からの熱を吸収する装置が知られている。また、記録材は片面からだけでなく両面から冷却することで高い効率で冷却できることが既に知られている(特許文献1)。
【0005】
しかし、前記のように、搬送ベルトによって記録材を挟持搬送しながら両面から記録材を冷却する装置においては、ベルト搬送用のローラ径などの部品精度誤差によって上下のベルト間にベルト回転速度差が生じ易い。また、上下の搬送ベルトをそれぞれ駆動する場合には駆動伝達率誤差の影響が重なるため、回転速度差が更に生じ易くなる。
【0006】
また、記録材を冷却する能力を向上させつつ記録材のカールを矯正する能力を向上させた装置も知られている(特許文献2)。この装置では、駆動側である一方の搬送ベルト内側に設けられた冷却体に記録材のカールとは逆方向の湾曲部を設けている。また、従動側である他方の搬送ベルト内側に設けられた複数の押し当て部材により、他方の搬送ベルトを冷却体および一方の搬送ベルトに押し当てることで、摩擦力でベルトを連れ回している。しかしながら、冷却体の湾曲部などに対して複数の押し当て部材を押し当てる構成のため、冷却体と対向する位置のベルト同士は面接触でなく点接触(押し当て部材の押し当て位置のみ接触)することになり、他方の搬送ベルトの連れ回りは不安定となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、ベルトの連れ回りが不安定となる結果、ベルト回転速度差によるベルト表面部への磨耗傷やベルト蛇行や寄り皺が生じる問題や、記録材の搬送位置精度が低下するといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、ベルトの連れ回りを安定化させて搬送ベルトの回転速度差を小さく抑え、搬送ベルトによる記録材の搬送位置精度を向上させ、搬送ベルトのダメージを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、記録材を冷却する冷却部材と複数のローラで保持されて回転するベルト部材を有するベルト回転機構を対向配置することによって記録材を挟持搬送して冷却する冷却装置であって、前記冷却部材は、弧面状に膨出した吸熱面を有し、前記吸熱面は、前記ベルト回転機構の前記ベルト部材の内周面に面接触して備えられ、記録材搬送路を挟む一方側に配置される前記吸熱面の頂面と、記録材搬送路を挟む他方側に配置される前記吸熱面の頂面とが、記録材搬送方向と交差する方向に互いに入り組むように位置し、一方のベルト回転機構にのみ駆動ローラが設けられ、他方のベルト回転機構は前記一方のベルト回転機構に連れ回ることを特徴とする冷却装置により解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベルトの連れ回りを安定化させて搬送ベルト間に生じる回転速度差を低減し、搬送ベルトによる記録材の高精度搬送を達成しつつ、搬送ベルトのダメージ発生を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態を示す画像形成装置の全体構成図である。
図2図1に示す画像形成装置に配置された冷却装置の側面図である。
図3】冷却装置の冷却部材の簡略斜視図である。
図4】冷却装置の冷却部材の側面図である。
図5図2に示す冷却装置の装置奥側から見た斜視図である。
図6】他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
図7】参考例を示す冷却装置の側面図である。
図8】他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
図9図2に示すローラの位置関係を示す拡大図である。
図10】ローラの位置関係の変形例を示す図である。
図11】他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
図12】他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkを並べて配設したタンデム型の画像形成部を備える。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、画像形成装置本体200に着脱可能に構成されており、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
【0013】
具体的には、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5を備えている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,1M,1Bkにおいては符号を省略している。
【0014】
図1において、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザ光を照射するようになっている。
【0015】
また、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、支持部材としての複数のローラ21〜24に張架されており、それらローラ21〜24のうちの1つが駆動ローラとして回転することによって、中間転写ベルト10は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
【0016】
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト10の内周面を押圧しており、中間転写ベルト10の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)および/または交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
【0017】
また、中間転写ベルト10を張架する1つのローラ24に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト10の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)および/または交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
【0018】
画像形成装置本体200の下部には、紙やOHP等のシート状の記録材Pを収容した複数の給紙カセット13が配設されている。各給紙カセット13には、収容されている記録材Pを送り出す給紙ローラ14が設けてある。また、画像形成装置本体200の図の左側の外面には、機外に排出された記録材Pをストックする排紙トレイ20が設けてある。
【0019】
画像形成装置本体200内には、記録材Pを給紙カセット13から二次転写ニップを通って排紙トレイ20へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録材搬送方向上流側にはレジストローラ15が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録材搬送方向下流側には、定着装置8、冷却装置9、一対の排出ローラ16が順次配設されている。定着装置8は、例えば、内部に図示しないヒータを有する定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17を加圧する加圧部材としての加圧ローラ18を備える。定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成されている。
【0020】
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から帯電された各感光体2の表面にレーザ光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0021】
中間転写ベルト10を張架するローラの1つが回転駆動し、中間転写ベルト10を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧または定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2に形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト10はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト10に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
【0022】
給紙ローラ14が回転することによって、給紙カセット13から記録材Pが搬出される。搬出された記録材Pは、レジストローラ15によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト10上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー画像が記録材P上に一括して転写される。その後、記録材Pは定着装置8に送り込まれ、定着ローラ17と加圧ローラ18によって記録材Pが加圧および加熱されてトナー画像が記録材P上に定着される。そして、記録材Pは、冷却装置9によって冷却された後、一対の排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出される。
【0023】
以上の説明は、記録材にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つまたは3つのプロセスユニットを使用して、2色または3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0024】
図2は冷却装置の側面図である。
図示のように、冷却装置9は、ベルト搬送手段30と、ベルト搬送手段30のベルトの走行によって搬送される記録材Pを冷却する冷却部材33を備えている。ベルト搬送手段30は、記録材Pの一方の面(表面または上面)側に配置される第1の搬送機構31と、記録材Pの他方の面(裏面または下面)側に配置される第2の搬送機構32とを備える。各機構には、ベルト部材であるベルト56,59が複数のローラ55,57,58によって保持・張架され、回転することができる。また、1対の冷却部材33がベルト56,59の内周面に接触して備えられ、冷却部材33aが記録材Pの一方の面(表面または上面)側に配置され、冷却部材33bが記録材Pの他方の面(裏面または下面)側に配置される。
【0025】
図3および図4に示すように、冷却部材33a,33bはそれぞれ、平板矩形状の本体部35と、この本体部35の両側面に付設される側辺部36a,36bとからなる。一方の冷却部材33aは、他方の冷却部材33bに当接せず、他方の冷却部材33bよりも上方に配置されている。また、一方の冷却部材33aの本体部35は、下面が僅かに膨出した扁平円弧面状の吸熱面34aとして構成され、他方の冷却部材33bの本体部35は、上面が僅かに膨出した扁平円弧面状の吸熱面34bとして構成されている。
【0026】
各冷却部材33a,33bの内部には、冷却液が流れる冷却液流路が形成され、装置奥側に相当する箇所には、冷却液流路に接続される循環路用の開口部40a,40b,41a,41bが形成されている。
【0027】
この冷却装置9は、図5に示すように、発熱部としての記録材Pからの熱を受ける受熱部45と、受熱部45の熱を放熱する放熱部46と、受熱部45と放熱部46とを冷却液が循環する循環路47とを有する冷却液循環回路44を備える。この循環路47内には、冷却液を循環させるためのポンプ48と、冷却液を溜める液溜タンク49とが配置されている。そして、液冷ジャケットである冷却部材33a,33bが受熱部45として機能する。また、放熱部46はラジエータ等からなる。冷却液には、例えば、水、炭化水素系オイルおよびフッ素系オイルを媒体とし、この媒体に高濃度のマグネタイト等の強磁性超微粒子を安定に分散させ、かつ磁性超微粒子の表面に強固に化学吸着した界面活性剤で形成した磁性流体等がある。
【0028】
循環路47は、一方の冷却部材33aの一方の開口部40aと放熱部46としてラジエータとを連結する配管50と、一方の冷却部材33aの他方の開口部40bと他方の冷却部材33bの一方の開口部41aとを連結する配管51と、他方の冷却部材33bの他方の開口部41bと液溜タンク49とを連結する配管52と、液溜タンク49とポンプ48とを連結する配管53と、ポンプ48と放熱部46としてラジエータとを連結する配管54とを備える。
【0029】
図2に示すように、第1の搬送機構31は、複数個(図例では4個)の従動ローラ55と、この従動ローラ55に掛け回されるベルト(搬送ベルト)56とを備える。一方、第2の搬送機構32は、複数個(図例では4個)の従動ローラ57c,57d,58と、駆動ローラ57aと、ローラ57,58に掛け回されるベルト(搬送ベルト)59とを備える。
【0030】
このため、記録材Pを搬送する際には、第1の搬送機構31のベルト56と第2の搬送機構32のベルト59とで、記録材Pを挟持搬送することになる。つまり、駆動ローラ57aが駆動することによって、図2に示すようにベルト59が矢印A方向に走行し、ベルト56,59間に挟まれた記録材Pを介して、第2の搬送機構32のベルト59の走行に伴い、第1の搬送機構31のベルト56が矢印B方向に走行する。これによって、記録材Pは搬送方向Cに沿って上流側から下流側へと搬送される。ベルト56およびベルト59に掛かるテンションについて、ベルトのみ回転する場合および記録材Pを挟持搬送する場合においても隣接するローラ間にてベルトに弛みが生じないだけの同等な張力がそれぞれ働いている。
【0031】
ところで、一方の冷却部材33aと他方の冷却部材33bは、それぞれ不図示のフレームにより装置内に固定されている。また、他方の冷却部材33bに対する記録材搬送方向の位置決めは、図示しない側板にて行われる。
【0032】
次に、前記のように構成された冷却装置9の動作について説明する。
記録材Pの挟持搬送する場合、図2等に示すように、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32とを近接させた状態とする。この図2に示す状態において、第2の搬送機構32の駆動ローラ57aを回転駆動させれば、前記したように各ベルト56,59が矢印方向に走行して、記録材Pは搬送方向Cに搬送される。この状態では、前記冷却液循環回路44において、冷却液を循環させる。すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却部材33a,33bの冷却液流路内に冷却液を流す。
【0033】
この際、第1の搬送機構31のベルト56の内面が、冷却部材33aの吸熱面34aを摺動し、第2の搬送機構32のベルト59の内面が、冷却部材33bの吸熱面34bを摺動する。このため、記録材Pの表面(上面)側から、ベルト56を介して冷却部材33aは記録材Pの熱を吸収する。また、記録材Pの裏面(下面)側から、ベルト59を介して冷却部材33bは記録材Pの熱を吸収する。この場合、冷却部材33a,33bが吸熱した熱量を冷却液が外部に輸送することで冷却部材33a,33bは低温に保たれる。
【0034】
すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却液が冷却液循環回路44内を循環し、冷却部材33a,33bの冷却液流路内を流れて吸熱によって高温となった冷却液が、放熱部46として機能するラジエータを通過する。これによって外気へ放熱され、冷却液の温度が低下する。そして、低温となった冷却液が再度冷却液流路内を流れて、冷却部材33a,33bが低温に保たれ、受熱部45として機能する。このため、このサイクルを繰り返すことによって、記録材Pは両面から冷却され、熱を持ったまま排紙トレイにスタックされることがなくなる。このため、ブロッキングを有効に防止でき、重なった紙同士がくっついてしまうことなく、排紙トレイに記録材Pをスタックしていくことができる。
【0035】
次に、ベルト搬送手段30について詳述する。
図2に示すように、第1の搬送機構31のベルト56内側に設けられた冷却部材33aの搬送方向長さを、第2の搬送機構32のベルト59内側に設けられた冷却部材33bに対して短くしている。これにより、冷却部材33aのベルト内周面への接触面積は冷却部材33bのベルト内周面への接触面積よりも小さくなる。よって、第1の搬送機構31におけるベルト回転抵抗が第2の搬送機構32におけるベルト回転抵抗に対して小さくなる。
【0036】
また、後述するが、扁平円弧面状の吸熱面34bと吸熱面34aが互いに上下に入り組むように冷却部材33b,33aは配置されている。つまり、下側に配置される冷却部材33bの吸熱面34bの上端面が、上側に配置される冷却部材33aの吸熱面34aの下端面よりも上方に位置している。また、吸熱面34aの面に沿って接触するようにベルト56が張架され、吸熱面34bの面に沿って接触するようにベルト59が張架されている。これにより、記録材搬送路において、ベルト56,59は水平ではなく、吸熱面34a,34bの曲面に沿って僅かに蛇行して走行することになる。したがって、接触面積のより大きい冷却部材33bに摺動する第2の搬送機構32のベルト回転抵抗が大きくなり、接触面積の小さい冷却部材33aに摺動する第1の搬送機構32のベルト回転抵抗が小さくなることが保障される。そして、駆動ローラ57aは、ベルト回転抵抗のより大きい第2の搬送機構32側に設けられている。よって、第2の搬送機構32における駆動ローラ57aによるベルト59の駆動に伴って、第1の搬送機構32のベルト56がベルト同士の摩擦力により連れ回りし易くなり、ベルト59とベルト56の回転速度差を小さく抑えることが可能である。
【0037】
逆に言えば、例えば、円弧面状でなく単に扁平な吸熱面を有する冷却部材を用いた場合や、上下のいずれかに冷却部材を用い、ベルトを挟んだ対向位置に押圧ローラを設けた場合等は、ベルトが冷却部材に対して面接触ではなく点接触する虞があり、2つの搬送機構にはベルト回転抵抗の差がつくにくい。
【0038】
ベルト56がベルト59に連れ回る主な原因としては、ベルト56とベルト59の摩擦力(接触抵抗)が考えられる。よって、前記したようにベルト56,59を吸熱面34a,34bの曲面に沿って僅かに蛇行させることで、ベルト回転抵抗の差をつけることに加えて、ベルト56,59も密着し、ベルト56が摩擦力によりベルト59に確実に連れ回ることになる。
【0039】
図6は、他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
この例では、図2の冷却装置9の構成に加えて、ベルト56,59を挟んだ冷却部材33aの対向位置に押圧ローラ37a、ベルト56,59を挟んだ冷却部材33bの対向位置に押圧ローラ37bを設けている。押圧ローラはばね付勢されており、押圧ローラ37aはベルト56,59を冷却部材33aに向かって上方に、押圧ローラ37bはベルト56,59を冷却部材33bに向かって下方に押圧する。図2の形態でも冷却部材の吸熱面に沿ってベルトが接触しているが、本実施形態のようにばね付勢された押圧ローラを設けることで、ベルト56,59と冷却部材33a,33bの密着がより強化される。一方、押圧ローラはベルトの移動に伴い従動回転するため、第1の搬送機構32および第2の搬送機構32のベルト回転抵抗には殆ど影響を及ぼさない。ここでは、冷却部材の長さに対応して押圧ローラ37aを1つ、押圧ローラ37bを2つ設けているが、この数に限られない。
【0040】
図7は参考例を示す冷却装置の側面図である。
この例では、図2の冷却装置9の構成と異なり、冷却部材33a,33bは円弧面状の吸熱面を有さず、平坦な接触面を有している。また、ベルト56,59を挟んだ冷却部材33aの対向位置に押圧ローラ37a、ベルト56,59を挟んだ冷却部材33bの対向位置に押圧ローラ37bを設けている。ばね付勢された押圧ローラ37aまたは37bは、ベルト56,59を冷却部材33aまたは33bに向かって上方または下方に押圧する。しかし、記録材搬送路を形成するベルト56,59は略水平であるため、ベルトは冷却部材に対して面接触ではなく押圧ローラとの接点において点接触することになる。したがって、この構成ではベルト回転抵抗の差を出しにくい。
【0041】
図8は他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
ローラ径について、図2,6の冷却装置9では駆動ローラ57aとローラ57c,57d,58の直径を同等としているが、図8に示すように駆動ローラ57aの直径を従動ローラ57c,57d,58の直径より大きくしている。ローラ径を大きくすることにより、駆動ローラ57aの1回転当たりの回転誤差をより小さくすることができ、回転速度誤差によるベルト回転速度差を更に抑えることが可能となる。本例では、駆動ローラ57aの直径を約48mm、従動ローラ57c,57d,58の直径を約22mmとしているが、この数値に限られない。
【0042】
さらに、各実施形態の冷却装置9において、駆動ローラ57aはベルト移動方向(記録材搬送方向)の最下流側に配置されている。より具体的には、冷却装置9内における記録材搬送路の最下流側に駆動ローラ57aが配置されている。駆動ローラをこの位置に置くことにより、記録材搬送路を形成するベルト部分を適度の張力で引っ張ることができ、ベルトと冷却部材およびベルト同士の確実な接触が更に助長される。また、駆動ローラ57aに対向する従動ローラ55aの径は、従動ローラ55aの設けられた第1の搬送機構31における他のローラ55b,55c,55dよりも大きく設定されている。また、無端ベルトであるベルト56,59の材質はポリイミド等の薄膜樹脂材である。
【0043】
次に、図9を用いて冷却装置におけるローラとローラに掛け回された2つのベルトに関する実施例1について説明する。本実施例は、上記各実施形態の冷却装置に適用することができる。
図示のように、冷却装置9の記録材入口部において、対向ローラであるローラ57dおよびローラ55dは記録媒体搬送方向において互いに離間していて、下側に配置されるローラ57dの上端面が上側に配置されるローラ55dの下端面よりも下方に位置している。よって、定着装置8から搬送されてきた記録材Pは冷却装置9に対してスムーズに進入することができる。冷却装置9の記録材出口部に配置されたローラ55aと駆動ローラ57aについても同様である。よって、記録材Pの冷却装置9への進入時や排出時に、記録材Pに大きな負荷がかかって記録材Pに担持された定着画像が乱れるようなことは無い。また、ローラ55dの外周と接触しているベルト56の部分と、ローラ57dの外周と接触しているベルト59の部分とは非接触である。したがって、ベルト56とベルト59とが接触する領域は、吸熱面33aと34bの領域のみである。このような構成のため、前記したように主にベルト56とベルト59の摩擦力によって、ベルト56はベルト59に連れ回る。
【0044】
次に、図10を用いてローラとローラに掛け回された2つのベルトの変形例である実施例2について説明する。ベルトに関する実施例1に替えて、本実施例を上記各実施形態の冷却装置に適用することができる。
図示のように、冷却装置9の記録材入口部において、ローラ57dおよびローラ55dは記録媒体搬送方向において互いに離間していて、互いに上下(記録媒体搬送方向と交差する方向)に入り組むように配置されている。すなわち、下側に配置されるローラ57dの上端面が、上側に配置されるローラ55dの下端面よりも上方に位置している。冷却装置9の記録材出口部に配置されたローラ55aと駆動ローラ57aについても同様である。ベルト56とベルト59とが接触する領域は、ベルトに関する実施例1に加えて、ローラ55dの外周と接触しているベルト56の一部分となる。これにより、互いに上下に入り組むように配置された扁平円弧面状の吸熱面による押圧作用と相俟って、ベルト56とベルト59がより強く接触するため、ベルト59の摩擦力による連れ回りがより安定化される。他方で、記録材の厚みを考慮してローラ55dとローラ57dは互いに離間されているため、定着装置8から搬送されてきた記録材Pは冷却装置9に対してスムーズに進入することができる。
【0045】
図11は他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
冷却装置9は、2つの冷却部材に限定されず、3つ以上の冷却部材を有していてもよい。図示の例では、冷却装置9は3つの冷却部材を有している。また、この冷却装置9では、上記実施形態と異なり、第1の搬送機構31が下方に、第2の搬送機構32が上方に配置されている。しかし、上記実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、説明は割愛する。
【0046】
本例では、記録材Pの搬送方向Cの上流から下流に向けて、冷却部材33が上側、下側、上側の順で配置されている。冷却部材33a,33b,33cは略同一形状であって、第2の搬送機構32側のほうが、第1の搬送機構31側よりも冷却部材の数が多くなっている。これにより、冷却部材33a,33cのベルト内周面への接触総面積は冷却部材33bのベルト内周面への接触面積よりも大きくなり、第1の搬送機構31におけるベルト回転抵抗は第2の搬送機構32におけるベルト回転抵抗に対して小さくなる。そして、駆動ローラ57aは、ベルト回転抵抗のより大きい第2の搬送機構32側に設けられている。
【0047】
ここで、下側に配置される冷却部材33bの吸熱面34bの上端面が、上側に配置される冷却部材33a,33cの吸熱面34a,34cの下端面よりも上方に位置している。また、駆動ローラ57aと従動ローラ57dの下端面を結ぶ仮想線(水平線)K1と、吸熱面34a,34cの下端面との距離をh1とし、従動ローラ55a,55dの上端面を結ぶ仮想線(水平線)K2と、吸熱面34bの上端面との距離をh2とする。このとき、h2<h1の関係となるよう冷却部材を配置している。これにより、第1の搬送機構31側の冷却部材33bとベルト内周面の接触によるベルト回転抵抗を、第2の搬送機構32側の冷却部材33a,33cとベルト内周面の接触によるベルト回転抵抗よりも小さく抑えることが更に保障される。同時に、ベルト59の駆動に伴うベルト56の連れ回りを安定化させて、ベルト59とベルト56の回転速度差を小さく抑えることが可能となる。
【0048】
なお、冷却部材を複数個設ける場合には、量産によるコスト低減効果を出すために同一形状の冷却部材を設置することが好ましいが、さらにベルト回転抵抗の差を出す必要がある。そこで、駆動ローラ57aを有する第2の搬送機構32側への冷却部材の搭載数を、駆動ローラ57aを有さない第1の搬送機構31側への冷却部材の搭載数よりも多くし、記録材に対して表裏交互に配置されるよう冷却部材を設ける。本例のように1種の長さの冷却部材を用いる場合は、ベルト回転抵抗の差を出すために、冷却部材は全部で奇数個設けられると好ましい。一方、図2の例のように2種の長さの冷却部材を用いる場合は、冷却部材を全部で偶数個設けてもよいし、例えば上側に1/3Lの長さの冷却部材2個、下側にLの長さの冷却部材1個というように全部で奇数個設けてもよい。
【0049】
図12は他の実施形態を示す冷却装置の側面図である。
本発明は、冷却液循環回路44を用いた冷却装置9に限定されず、これに替えて図12のように、冷却部材として、多数のフィンを有する空冷ヒートシンク106を設けてもよい。このとき、吸熱面34a,34b,34cの形状や、吸熱面34a,34b,34cとベルト56,59の位置関係などには、上記実施形態を適用できる。
【0050】
このような空冷ヒートシンク106を用いることによって、冷却液循環回路44を用いなくて済み、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
【0051】
以上、本発明を図示例に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更可能である。また、定着装置および画像形成装置としては、本発明を適用可能であれば任意な構成を採用可能である。画像形成装置としては複写機あるいはプリンタに限らず、ファクシミリや複数の機能を備える複合機であっても良い。
【0052】
また、冷却装置9内における記録材Pの搬送路が左右方向であるものに限定されず、斜め方向または上下方向であってもよい。
また、冷却装置9のすぐあとに排紙トレイを設けたものに限られず、後処理装置または反転装置を設けたものでもよい。
【0053】
なお、本発明には以下の態様の発明も含まれている。
(態様A)
記録材を冷却する冷却部材と複数のローラで保持されて回転するベルト部材を有するベルト回転機構を対向配置することによって記録材を挟持搬送して冷却する冷却装置であって、
前記冷却部材は、弧面状に膨出した吸熱面を有し、
前記吸熱面は、前記ベルト回転機構の前記ベルト部材の内周面に面接触して備えられ、
記録材搬送路を挟む一方側に配置される前記吸熱面の頂面と、記録材搬送路を挟む他方側に配置される前記吸熱面の頂面とが、記録材搬送方向と交差する方向に互いに入り組むように位置し、
一方のベルト回転機構にのみ駆動ローラが設けられ、他方のベルト回転機構は前記一方のベルト回転機構に連れ回ることを特徴とする冷却装置。
【0054】
(態様B)
記録材を冷却する冷却部材と複数のローラで保持されて回転するベルト部材を有するベルト回転機構を対向配置することによって記録材を挟持搬送して冷却する冷却装置であって、
前記冷却部材は膨出した吸熱面を有し、
前記吸熱面は、前記ベルト回転機構の前記ベルト部材の内周面に面接触して備えられ、
記録材搬送路を挟む一方側に配置される前記吸熱面の頂面と、記録材搬送路を挟む他方側に配置される前記吸熱面の頂面とが、記録材搬送方向と交差する方向に互いに入り組むように位置し、
一方のベルト回転機構にのみ駆動ローラが設けられ、対向接触する前記ベルト部材同士の摩擦力により他方のベルト回転機構は前記一方のベルト回転機構に連れ回ることを特徴とする冷却装置。
【0055】
(態様C)
記録材を冷却する冷却部材と複数のローラで保持されて回転するベルト部材を有するベルト回転機構を対向配置することによって記録材を挟持搬送して冷却する冷却装置であって、
前記冷却部材は膨出した吸熱面を有し、
前記吸熱面は、前記ベルト回転機構の前記ベルト部材の内周面に面接触して備えられ、
記録材搬送路を挟む一方側に配置される前記吸熱面の頂面と、記録材搬送路を挟む他方側に配置される前記吸熱面の頂面とが、記録材搬送方向と交差する方向に互いに入り組むように位置し、
一方のベルト回転機構にのみ駆動ローラが設けられ、前記吸着面の幅内における前記ベルト部材同士の摩擦力により他方のベルト回転機構は前記一方のベルト回転機構に連れ回ることを特徴とする冷却装置。
【0056】
(態様D)
前記一方のベルト回転機構における記録材入口部および出口部におけるローラの中心と、前記他方のベルト回転機構における記録材入口部および出口部におけるローラの中心と、は互いに記録材搬送方向にずれて配置され、
前記一方のベルト回転機構における前記ローラと接触しているベルト部分と、前記他方のベルト回転機構における前記ローラと接触しているベルト部分と、は非接触であることを特徴とする態様A、態様B、態様Cのいずれかの冷却装置。
【0057】
(態様E)
前記一方のベルト回転機構における記録材入口部および出口部におけるローラの中心と、前記他方のベルト回転機構における記録材入口部および出口部におけるローラの中心と、は互いに記録材搬送方向にずれて配置され、
前記一方のベルト回転機構に配置される前記ローラと、前記他方のベルト回転機構に配置される前記ローラとが記録材搬送方向と交差する方向に互いに入り組んで位置していることを特徴とする態様A、態様B、態様Cのいずれかの冷却装置。
【符号の説明】
【0058】
9 冷却装置
31 第1の搬送機構(ベルト回転機構、一方のベルト回転機構)
32 第2の搬送機構(ベルト回転機構、他方のベルト回転機構)
33 冷却部材
34a,34b 吸熱面
56,59 ベルト(ベルト部材)
57a 駆動ローラ
106 空冷ヒートシンク(冷却部材)
P 記録材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2012−098677号公報
【特許文献2】特開2009−161347号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12