(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
1.概要
2.ハードウェア構成例
3.機能
4.動作例
<1.概要>
図1は、本発明の概要を説明する図である。
図1は、本発明の通信システムを含む、位置管理システム1の概略を示している。
【0012】
位置管理システム1は、人又は物品に内蔵又は取り付けられた無線端末120a−120g(以下、無線端末120と表す)と、照明器具100と、ゲートウェイ140と、管理装置110とを含む。位置管理システム1は、空間内に設けられている照明器具100を介し、無線端末120に付された端末IDを随時取得して、人や物品の位置を監視する。
【0013】
ここで、照明器具100は、予め位置と関連付けられた装置IDと、無線端末120から取得した端末IDとを組み合わせて、管理装置110に送信する。管理装置110は、装置IDがどの位置と対応するかを把握しているため、端末IDと位置とを対応付けることにより、無線端末の位置を特定できる。
【0014】
無線端末120aは、人が所持する社員証やIDカードに内蔵されるか、あるいは、外部に取り付けられてもよい。無線端末120b〜120gは、それぞれ、PC、プロジェクタ、会議用端末、机、複合機、清掃用具等に内蔵されるか、あるいは、外部に取り付けられてもよい。無線端末120は、割り当てられた端末IDを含むビーコン信号を、微弱無線、特定小電力無線、又は小電力無線等の、任意の無線通信を用いて送信できる。
【0015】
<無線端末の概要>
図2は、無線端末120の外観図である。
図2に例示される無線端末120は、人又は物品に付されるタグ状の無線端末である。
図2に例示される無線端末120は、縦27mm×横45mm×奥行き7mm、重さ約8グラムの小型のタグであり、315MHz帯の微弱無線により、照明器具100と通信できる。
【0016】
照明器具100は、他の照明器具及びゲートウェイ140と、無線ネットワークを形成し、無線端末120から受信した端末IDを、他の照明器具及びゲートウェイ140を介して、管理装置110に送信する。
【0017】
図3は、照明器具100が、位置管理の対象となるコンテナのような物品に付された無線端末120から、端末IDを受信する例を示している。照明器具100は、自らの装置IDと受け取った端末IDとを、ゲートウェイ140(及び必要に応じて他の照明器具102)を介して、管理装置110に送信する。無線ネットワークは、例えば、IEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)や、Bluetooth(登録商標)や、無線LAN等の近距離無線通信を用いて形成されてもよい。
【0018】
なお、
図4は、
図2に例示された無線端末120と、無線ネットワークを形成する複数の照明器具100,102,104,106及びゲートウェイ140とを、抜き出して記載した図である。
【0019】
ゲートウェイ140は、照明器具100等と形成する無線ネットワークと、管理装置110と接続する有線ネットワークとを接続する装置である。ゲートウェイ140は、無線ネットワークにZigBeeが用いられるとき、無線ネットワークを構成して管理するZigBeeコーディネータとしての機能を有する。
【0020】
管理装置110は、ゲートウェイ140を介して、照明器具100から送信されるIDを受信する装置である。管理装置110は、照明器具100に付された装置IDと、照明器具100の設置された位置とを関連付けて格納する。
【0021】
<照明器具の概要>
次に、照明器具100の構成及び設置例について、図面に基づいて説明する。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態における照明器具100の外観構成を示す図である。照明器具100は、光を発する直管型のランプである照明装置150と、照明装置150が取り付けられる照明器具本体130とを有する。
【0023】
本発明の一実施形態における照明器具100が送信する装置IDは、照明装置150に設けられている記憶手段に格納されている。照明装置150は、無線端末120からビーコン信号を受信して端末IDを取得し、端末IDと共に装置IDを管理装置110に送信する。以下、照明器具本体130と照明装置150の構成を詳細に説明する。
【0024】
<照明器具本体>
照明器具本体130は、例えば、屋内の天井に設けられる。照明器具本体130は、天井に取り付けられる本体135と、照明装置150の端部が装着される第1ソケット131及び第2ソケット133とを有する。第1ソケット131は、照明装置150に給電する給電端子132を有する。また、第2ソケット133は、照明装置150に給電する給電端子134を有する。照明器具本体130は、第1ソケット131及び第2ソケット133に両端部が装着される照明装置150に、内部に設けられている電源供給部から給電端子132、134を介して電源を供給する。あるいは、照明器具本体130は、給電端子132及び給電端子134の何れか一方のみを用いて、照明装置150に電源を供給する片側給電であってもよい。
【0025】
<照明装置>
照明装置150は、照明部156と、収容部157と、両端部に設けられている口金152,154と、接続端子153,155とを有する。照明部156と収容部157とは、
図6に示すように、着脱可能に設けられている。なお、照明装置150全体の大きさ及び形状、口金152,154の形状等は、照明装置150が設置される国等の照明の規格に則って設けられてもよく、以下で説明する形状等に限られるものではない。
【0026】
照明部156は、構造体158と、透光性カバー151と、収容部157側の端部に設けられている雄ねじ構造159と、雄ねじ構造159の先端面に設けられている接続端子161とを有し、
図6には不図示の光源を内部に収容している。構造体158は、例えば熱伝導率の高いマグネシウム合金等で形成される。透光性カバー151は、例えばアクリル樹脂等の樹脂材料で形成され、光源からの光を透過する。
【0027】
収容部157は、照明部156側の端部に設けられている雌ねじ構造160と、雌ねじ構造160の内側端面に設けられている接続端子162とを有し、
図6には不図示の二次電池を内部に収容している。なお、照明装置150としては、明るさ向上のために可能な範囲で照明部156を大きく、且つ、収容部157を小さく構成することが好ましく、取り扱い性向上のために出来るだけ軽量化されていることが好ましい。
【0028】
照明部156の雄ねじ構造159及び収容部157の雌ねじ構造160は、螺合したときに照明部156の接続端子161と収容部157の接続端子162とが、所定の端子同士で接続する様に構成されている。
【0029】
照明装置150は、照明部156と収容部157とが連結された状態で、口金152,154がそれぞれ第1ソケット131又は第2ソケット133に装着されることで、照明器具本体130に取り付けられる。
【0030】
接続端子153,155は、照明装置150が照明器具本体130に取り付けられた時に、照明器具本体130の給電端子132,134に接続して電力の供給を受ける。あるいは、接続端子153,155の何れか一方のみが、給電端子132,134の何れか一方から電力の供給を受けてもよい。照明部156の内部に設けられている光源は、接続端子153,155から供給される電力により発光し、透光性カバー151を介して外部に光を照射する。また、収容部157に設けられている二次電池は、接続端子153,155から供給される電力を蓄える。
【0031】
<照明装置の構成>
図7は、本発明の一実施形態における照明装置150の構成例を示す断面概略図である。
図7に示す様に、照明装置150の照明部156は、内部に複数のLED素子163が配列された基板164と、第一の無線通信器165と、第一の無線通信モジュール166と、電源モジュール167と、CPUモジュール172とを有する。また、収容部157は、第二の無線通信器168と、第二の無線通信モジュール169と、二次電池170とを有する。
【0032】
第一の無線通信モジュール166は、例えば第一の無線通信器165と無線端末120との間の通信を制御する無線通信制御部として機能する回路を有する基板である。例えば、第一の無線通信モジュール166は、微弱無線のビーコン受信機である。
【0033】
第二の無線通信モジュール169は、例えば第二の無線通信器168と管理装置110との間の通信を制御する無線通信制御部として機能する回路を有する基板である。例えば、第二の無線通信モジュール169は、近距離無線通信のルータ又はエンドデバイスである。
【0034】
CPUモジュール172は、第一の無線通信モジュール166及び第二の無線通信モジュール169に命令を与え、データの流れを制御する機能を有する基板である。
【0035】
電源モジュール167は、接続端子153,155から供給される電力を整流、平滑化する電源制御部及びその電圧を変換する電圧変換部として機能する回路を有する基板である。
【0036】
二次電池170は、例えばリチウムイオン二次電池であり、接続端子153,155から供給される電力を蓄える。なお、二次電池170は、リチウムイオン二次電池に限るものではなく、充電可能であれば他の二次電池であってもよい。二次電池170は、照明器具100に電力が供給されている間は、照明装置150に供給される電力を蓄える。また、二次電池170は、照明器具100の電源が遮断されたときには、第一の無線通信モジュール166、第二の無線通信モジュール169に電力を供給し、これらを動作させる予備電源として機能する。
【0037】
この様に、照明装置150は、二次電池170を有することで、照明器具100の電源が遮断された場合であっても、第一の無線通信モジュール166及び第二の無線通信モジュール169に二次電池170から電力が供給される。したがって、照明器具100の電源が遮断された場合であっても、位置管理システム1に必要とされる機能は維持される。
【0038】
また、二次電池170は、LED素子163を有する照明部156とは異なる収容部157に収容され、熱を生じるLED素子163とは隔絶された空間に設けられている。したがって、二次電池170が、複数のLED素子163が配列された基板164等からの熱の影響を受けて劣化する可能性が低減されている。
【0039】
さらに、照明装置150は、収容部157が交換されてもよい。二次電池170が繰り返し充放電することで劣化した場合には、継続して使用可能なLED素子163を含む照明部156を残し、収容部157のみを交換することで、照明装置150として使用し続けることが可能になっている。
【0040】
この様に、本実施形態における照明装置150では、二次電池170がLED素子163を含む照明部156に着脱可能な収容部157に設けられることで、熱による二次電池170の劣化が低減される。また、二次電池170が劣化した場合には収容部157のみを交換できるため、LED素子163等を含む照明部156は継続して使用することが可能であり、ランニングコスト及び環境への負荷が低減されている。
【0041】
なお、第一の無線通信器165及び第一の無線通信モジュール166を収容部157に設け、第二の無線通信器168及び第二の無線通信モジュール169を照明部156に設けてもよい。
【0042】
また、
図8に示すように、収容部157には、第二の無線通信器168、第二の無線通信モジュール169及び二次電池170に加えて、第一の無線通信器165、第一の無線通信モジュール166、電圧変換モジュール171、CPUモジュール172が設けられてもよい。第一の無線通信器165及び第二の無線通信器168は、照明部156に設けられるとLED素子163から照射される光を遮る可能性があるが、収容部157に設けられることで、LED素子163の光を遮ることが無い。
【0043】
さらに、
図9に示すように、収容部157に、LED素子163からの光を反射する光反射部材174を設けてもよい。この場合には、照明部156及び収容部157のそれぞれの連結部分は、透光性の材料により形成される。照明装置150は、光反射部材174がLED素子163からの光を反射することで、より広範囲に光を照射することが可能になる。
【0044】
<照明器具の設置例>
図10は、オフィスに複数の照明器具が設置されている様子を例示する図であり、オフィス内の天井に設けられている照明器具が長方形で表されている。
図10に示されている全156灯の照明器具のうち、本発明の一実施形態における照明器具100,102,104は網掛けの長方形で示され、通常の照明器具は白抜きの長方形で示されている。
【0045】
照明器具100,102,104は、それぞれ上記した構成を有し、オフィス内に存在する無線端末120と通信が可能である。一方、それ以外の照明器具は、一般的な蛍光灯やLEDランプを有している。
図10の例において、本発明の実施形態における照明器具は、概ね6灯に1灯の割合で設置されている。なお、本実施形態における照明器具100,102,104等を設ける数、位置等は、設置環境に応じて適宜変更されてもよい。
【0046】
照明器具100の照明器具本体130に取り付けられている照明装置150は、ゲートウェイ140と通信し、無線ネットワークを形成する。そして、オフィス内に存在する無線端末120から端末IDを受信すると、端末IDと装置IDとを、ゲートウェイ140に送信する。
【0047】
<2.ハードウェア構成>
次に、本発明の一実施形態における照明装置150、無線端末120のハードウェア構成を説明する。
【0048】
<照明装置のハードウェア構成>
図11は、本発明の一実施形態における照明装置150のハードウェア構成である。
【0049】
照明装置150の照明部156は、電源制御部217と、発光部216と、電圧変換部215と、CPU200と、RAM202と、ROM204と、無線通信制御部
1206と、無線通信部
1208と、バス218とを有する。
【0050】
CPU200は、照明装置150における通信等の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM202は、CPU200のワークエリアを構成する。ROM204は、CPU200が実行するプログラムを記憶する。無線通信制御部
1206は、無線通信部
1208を介して無線端末120が送信する端末IDを受信する。
【0051】
電源制御部217は、例えば整流・平滑回路及び電流監視回路であり、供給される電源を、発光部216を動作させるのに適したものに変換する。電圧変換部215は、電源制御部217の出力電圧をCPU200や無線通信制御部
1206などが動作可能な電圧に変換する。バス218は、上記各部を電気的に接続する。
【0052】
また、照明装置150の収容部157は、二次電池214と、無線通信制御部
2210と、無線通信部
2212とを有する。
【0053】
二次電池214は、照明部156の電圧変換部215に接続し、照明装置150に電源が供給されている間に電力を蓄える。無線通信制御部
2210は、無線通信部
2212を介して、無線端末120から受信した端末IDと、照明部156のROM204に記憶されている装置IDとを、ゲートウェイ140を介して管理装置110に送信する。
【0054】
照明装置150の両端部に設けられている接続端子153,155は、各々電源とグラウンドが対を成しており、照明部156と収容部157とを接続する接続端子1611及び接続端子1621を経由して、照明部156の電源制御部217に接続されている。あるいは、接続端子153,155の一方のみが電源制御部217に接続され、接続端子153,155の一方から電源制御部217に電力が供給される構成であってもよい。
【0055】
照明部156の電圧変換部215によって変換された電源は、接続する接続端子1612及び接続端子1622を経由して、収容部157の二次電池214及び無線通信制御部
2210に供給される。
【0056】
照明部156のCPU200からは、シリアル通信に必要な2本の信号が、接続する接続端子1613及び接続端子1623を経由して収容部157の無線通信制御部
2210に送信される。
【0057】
また、照明装置150が、
図8に例示される構成を有する場合のハードウェア構成を
図12に示す。
図8に例示される構成では、収容部157に、第一の無線通信器165、第一の無線通信モジュール166、第二の無線通信器168、第二の無線通信モジュール169及び二次電池170、電圧変換モジュール171、CPUモジュール172が設けられている。
【0058】
このような構成において、照明部156は、
図12に示すように、電源制御部217と、発光部216とを有する。収容部157は、電圧変換部215と、二次電池214と、CPU200と、RAM202と、ROM204と、無線通信制御部
1206と、無線通信部
1208と、無線通信制御部
2210と、無線通信部
2212とを有する。
【0059】
照明装置150の両端部に設けられる接続端子153、155は、各々電源とグラウンドが対を成しており、照明部156の電源制御部217に接続される。収容部157側の接続端子153は、照明部156と収容部157とを接続する接続端子1611及び接続端子1621を経由して電源制御部217に接続される。
【0060】
照明部156の電源制御部217によって整流、平滑化された電源は、電源とグラウンドの対を成して接続する接続端子1612及び接続端子1622を経由して収容部157の電圧変換部215に供給される。
【0061】
図13は、本発明の一実施形態における二次電池214及び周辺回路の構成図である。
【0062】
二次電池214は、セル2100と、保護IC2101と、保護SW(スイッチ)2102と、温度ヒューズ2103とを有し、電圧変換部215、バス218を構成する電源2104及びグラウンド2105に接続されている。
【0063】
電源2104及びグラウンド2105は、照明装置150のCPU200、RAM202等に同様に接続されている。電源2104の電圧は、電圧変換部215によってCPU200等が使用可能な値に変換される。
【0064】
二次電池214には、電圧変換部215から電源が供給され、セル2100が満充電になるまでの間は、
図13において2106に示す方向に電流が流れ、セル2100に充電される。セル2100が満充電になると、保護IC2101が保護SW2102を作動させ、電流2106を遮断して過充電を防止する。
【0065】
電圧変換部215からの電源供給が停止すると、セル2100が放電を開始し、
図13において2107に示す方向に電流が流れる。セル2100から供給される電源の電圧が一定以下に低下すると、保護IC2101が保護SW2102を作動させ、電流2107を遮断し、セル2100の過放電を防止する。
【0066】
温度ヒューズ2103は、保護SW2102の温度が異常に高くなった場合に、電源2104とセル2100との間の電流の経路を遮断する。
【0067】
<無線端末のハードウェア構成例>
図14は、本発明の一実施形態における無線端末120のハードウェア構成である。無線端末120は、制御部230と、ROM231と、無線通信制御部232と、無線通信部233と、バス234とを有する。
【0068】
制御部230は、無線端末120における通信制御を行う。ROM231は、制御部230が実行するプログラムや、端末IDを記憶する。無線通信制御部232は、無線通信部233を介して、端末IDを含むビーコン信号を送信する。バス234は、上記各部を電気的に接続する。
【0069】
なお、図示しないが、本発明の一実施形態において用いられる管理装置110及びゲートウェイ140は、汎用のコンピュータ又はサーバ装置によって構成され得る。
【0070】
<3.機能>
次に、本発明の一実施形態における無線端末120と、照明装置150と、管理装置110の機能について、図面に基づいて説明する。
【0071】
<無線端末の機能>
図15に例示されるように、本発明の一実施形態における無線端末120は、端末ID記憶部401と、ビーコン信号送信部402とを有する。
【0072】
端末ID記憶部401は、
図14のROM231により実現され、位置管理システム1において無線端末120を識別するための識別子である端末IDを記憶する。端末IDは、任意の文字、数字、記号の組み合わせによって表され得る。例えば、無線端末120が人に付される場合には、端末IDは、人に割当てられた識別番号(例えば、「000535」のような社員番号)であってもよい。
【0073】
ビーコン信号送信部402は、
図14の無線通信制御部232及び無線通信部233により主に実現され、端末ID記憶部401に記憶されている端末IDを読み出し、端末IDを含むビーコン信号を、例えば微弱無線により送信する。ビーコン信号送信部402は、例えば、予め決められた時刻又は時間間隔で、定期的にビーコン信号を送信する。また、ビーコン信号送信部402は、人又は外部からの信号に応じて、ビーコン信号を送信してもよい。
【0074】
<照明装置の機能>
本発明の一実施形態における照明装置150は、ビーコン信号受信部405と、装置ID記憶部406と、ID送信部407と、中継部408とを有する。
【0075】
ビーコン信号受信部405は、
図11のCPU200、無線通信制御部
1206及び無線通信部
1208により主に実現され、無線端末120のビーコン信号送信部402から送信されるビーコン信号を受信する。そして、ビーコン信号受信部405は、ビーコン信号に含まれる端末IDを取得し、取得した端末IDをID送信部407に渡す。
【0076】
装置ID記憶部406は、
図11のROM204により主に実現され、位置管理システム1において照明器具100を識別するための識別子である装置IDを記憶している。装置IDは、任意の文字、数字、記号の組み合わせによって表され得る。例えば、照明器具100が、オフィスの天井に設置される場合には、装置IDは、オフィスの大まかな場所を表す文字列(例えば、C棟20階北エリアの1番目の照明器具を表す「C20N001」)であってもよい。
【0077】
ID送信部407は、
図11のCPU200、無線通信制御部
2210及び無線通信部
2212により主に実現される。ID送信部407は、ビーコン信号受信部405から端末IDを受け取ると、端末IDと、装置ID記憶部406から読み出した装置IDとを、管理装置110に送信する。なお、ID送信部407は、端末IDと装置IDとを、無線ネットワークにより接続されるゲートウェイ140(及び必要に応じて他の照明器具102)を介して、管理装置110に送信することができる。
【0078】
中継部408は、
図11のCPU200、無線通信制御部
2210及び無線通信部
2212により主に実現され、他の照明装置150から送信される端末ID及び装置IDを受信し、さらに他の照明装置又はゲートウェイ140へと転送する。例えば、無線ネットワークがZigBeeにより形成される場合、中継部408は、ZigBeeルータによるネットワークの中継機能を提供できる。
【0079】
<管理装置の機能>
本発明の一実施形態における管理装置110は、位置情報記憶部409と、無線端末管理部410とを有する。
【0080】
位置情報記憶部409は、照明装置150に記憶されている装置IDと、装置IDの付された照明装置150の設置位置とが関連付けられた、
図16に例示される位置情報を記憶している。
【0081】
装置IDは、照明装置150に付される固有のIDであり、位置は、位置管理システム1が管理対象とする空間内の位置を表す。位置は、例えば、フロア内の基準点に対する二次元座標(X、Y)によって表され得る。また、位置は、例えば、緯度及び経度、建物の番号、建物名、フロア、地名、住所、郵便番号、高度等、物理的な場所を特定可能な任意の情報により表されてもよい。
【0082】
無線端末管理部410は、照明装置150から、端末IDと装置IDとを受信すると、受信した装置IDをキーとして位置情報を探索し、対応する位置を読み出す。そして、無線端末管理部410は、読み出した位置と、端末IDと、端末IDを受信した時刻を、
図17に例示されるテーブルに格納する。無線端末管理部410は、
図17の例に限らず、任意の形式で端末IDを受信してもよい。
【0083】
また、管理装置110は、一定の周期で照明装置150と通信して動作確認を行ってもよい。例えば照明装置150に異常が発生した場合には、異常が発生したことを検出することが可能になる。また、例えば電源が遮断された状態で、二次電池170が放電し尽して照明部156等に電源供給できなくなった場合に、充電又は収納部157の交換が必要になっていることを検出できる。
【0084】
管理装置110は、例えば、このようにして格納された無線端末120の位置を用いて、無線端末120を地図上に表示したり、ユーザから指定された位置にある無線端末120の端末IDのリストを出力したりすることができる。
【0085】
<4.動作例>
図18を用いて、本発明の一実施形態における位置管理システム1の動作例を説明する。本実施例では、位置管理システム1は、オフィス内での人(社員)の位置を管理する。人は、無線端末120が取り付けられた、社員証、携帯電話、又は社用PCのような物品を所持してオフィス内を移動する。
【0086】
以下の例では、ある社員が保持する無線端末120の端末IDが、「000535」であり、社員の近傍に存在する照明装置150の装置IDが「C20N001」であるものとして説明する。また、管理装置110は、
図16に例示されるように、装置IDが「C20N001」である照明装置150の設置された位置の情報を含む位置情報を、予め格納しているものとする。
【0087】
社員が、上記した装置IDが付された照明装置150の近傍に移動すると、無線端末120のビーコン信号送信部402は、端末ID記憶部401から、端末ID「000535」を読み出す(ステップS101)。ビーコン信号送信部402は、読み出した端末IDを含むビーコン信号を、微弱無線により近傍の照明装置150に向けて送信する(ステップS102)。
【0088】
照明装置150のビーコン信号受信部405は、受信したビーコン信号に含まれる端末ID「000535」を、ID送信部407に渡す(ステップS103)。ID送信部407は、装置ID記憶部406から、装置ID「C20N001」を受け取る(ステップS104)。そして、ID送信部407は、端末ID「000535」と装置ID「C20N001」とを、IEEE802.15.4及びZigBeeによる無線ネットワークを介して、管理装置110に送信する(ステップS105)。その後、端末ID及び装置IDは、無線ネットワークを形成する他の照明装置やゲートウェイ140を経由して、管理装置110に伝送される。
【0089】
管理装置110は、照明装置150から端末ID及び装置IDを受信すると、受信した装置IDをキーとして、位置情報記憶部409に記憶されている位置情報を検索し、装置IDに対応する位置を読み出す(ステップS106)。ここでは、
図16から、位置「(x1、y1)」が読み出される。そして、無線端末管理部410は、読み出した位置「(x1、y1)」と、端末ID「000535」と、受信日時である「2013/11/21 13:14:00」とを関連付けて位置情報を更新する(ステップS107)。
【0090】
以上の動作により、本発明の一実施形態における位置管理システム1において、無線端末120を保持する社員の位置が管理される。照明装置150は、二次電池170を有することで、照明器具100への電源が遮断された場合であっても、無線端末120及び管理装置110と通信可能であり、位置管理システム1は無線端末120の位置を管理できる。また、無線端末120は、微弱無線を用いて照明装置150と通信するため、低消費電力である。さらに、照明装置150とゲートウェイ140とは、照明装置150と無線端末120との間で用いられる方式とは異なる無線通信方式により通信するため、電波干渉によるネットワークのスループットの低下を回避できる。
【0091】
なお、無線端末120は、微弱無線による無線通信の代わりに、照明装置150とゲートウェイ140によって用いられる、IEEE802.15.4及びZigBeeによる無線通信を行ってもよい。この場合には、無線端末120は、ZigBeeエンドデバイスとして機能する。これにより、照明装置150は、無線端末120と通信するための無線通信制御部
1206及び無線通信部
1208(
図11)を設ける必要がなくなる。その結果、照明装置150は、より低いコストで製造できるようになる。
【0092】
以上、実施形態に係る照明装置及び通信システムについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。