(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記左眼用領域の光学異方性フィルムの光軸と上記右眼用領域の光学異方性フィルムの光軸の二等分線が、上記偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことを特徴とする請求項1に記載の偏光メガネ。
映像信号は、駆動状態で左眼用及び右眼用信号を生成し、観察者側に伝達することができ、順に配置された第1偏光板、映像生成素子及び第2偏光板を含む立体映像生成部;及び上記映像生成部で伝達された映像信号が入射すれば、上記左眼用及び右眼用信号が互いに異なる偏光状態を有するように調節し、観察者側に伝達することができる右眼用偏光調節領域及び左眼用信号偏光調節領域を含み、上記右眼用偏光調節領域及び左眼用信号偏光調節領域がいずれもλ/4波長層を含み、且つ上記右眼用偏光調節領域に存在するλ/4波長層の光軸と左眼用偏光調節領域に存在するλ/4波長層の光軸が互いに異なる偏光調節層を有する立体映像表示装置から出射されることを特徴とすることを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の偏光メガネ。
上記偏光メガネの上記左眼用領域と上記右眼用領域にそれぞれ配置される偏光子は、上記左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する仮想の線が第2偏光板の光吸収軸と水平を成すように上記偏光メガネを配置した状態で、上記第2偏光板の光吸収軸と垂直を成す方向に光吸収軸を有することを特徴とする請求項14に記載の偏光メガネ。
駆動状態で右眼用信号及び左眼用信号を含む映像信号を生成し、生成された上記信号を観察者側に伝達することができる映像生成部;上記映像生成部で伝達された映像信号が入射すれば、上記右眼用信号及び左眼用信号が互いに異なる偏光状態を有するように調節し、観察者側に伝達することができる偏光調節素子;及び上記偏光調節素子から伝達された映像信号が入射すれば、上記信号を透過させて観察者側に伝達することができるように配置され、2つ以上の光学異方性フィルムを含み、下記式1で計算される数値が125nm〜400nmであり、下記式2で計算される数値が0.83〜1.83である光学異方性層を含む立体映像表示装置であって、
前記光学異方性層は、前記映像信号が入射する側から順次に配置された、第1+Bプレートと第2+Bプレート、−Bプレートと+Cプレート、−Cプレートと+Bプレート、+Aプレートと+Bプレート、+Bプレートと+Aプレート、−Cプレートと+Bプレートと+Aプレート、第1+Aプレートと+Bプレートと第2+Aプレート、+Bプレートと+Cプレートと+Aプレート、第1+Aプレートと+Cプレートと第2+Aプレート、または、第1+Cプレートと第1+Aプレートと第2+Cプレートと第2+Aプレートから成り、
[式1]
DX−DY
[式2]
(X−Y)/(Z−Y)
上記式1及び式2で、Xは、上記光学異方性層の面内における遅相軸方向の屈折率であり、Yは、上記光学異方性層の面内における進相軸方向の屈折率であり、Zは、上記光学異方性層の厚さ方向の屈折率であり、Dは、上記光学異方性層の厚さである、立体映像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、映像信号が入射する左眼用領域と右眼用領域を含み、上記左眼用領域と右眼用領域は、1つ以上の光学異方性フィルムを含み、下記式1で計算される数値が50nm〜500nmであり、下記式2で計算される数値が0.1〜3である光学異方性層;及び偏光子をそれぞれ含む偏光メガネに関する。
【0015】
[式1]
DX−DY
[式2]
(X−Y)/(Z−Y)
【0016】
上記式1及び式2で、Xは、上記光学異方性層の面内における遅相軸(slow axis)方向の屈折率であり、Yは、上記光学異方性層の面内における進相軸(fast axis)方向の屈折率であり、Zは、上記光学異方性層の厚さ方向の屈折率であり、Dは、上記光学異方性層の厚さである。
【0017】
以下、上記偏光メガネを詳しく説明する。
本明細書において角度を定義しながら使用する、垂直、水平、直交または平行などの用語は、目的する効果を損傷させない範囲での実質的な垂直、水平、直交、または平行を意味し、例えば、製造誤差(error)または変動(variation)などを勘案した誤差を含むことができる。例えば、上記それぞれの用語は、約±20度以内の誤差、好ましくは、約±15度以内の誤差、より好ましくは、約±10度以内の誤差、さらに好ましくは、約±5度以内の誤差を含むことができる。
【0018】
また、本明細書において符号X、Y、Z及びDは、それぞれ光学異方性層または光学異方性フィルムの面内における遅相軸方向の屈折率、面内における進相軸方向の屈折率、厚さ方向の屈折率及び厚さを意味する。上記でそれぞれの屈折率は、550nmの波長を有する光に対して測定された屈折率であることができる。
【0019】
また、本明細書において面方向の位相差R
inは、下記式3で計算される光学異方性層または光学異方性フィルムの物性を意味し、厚さ方向の位相差R
thは、下記式4で計算される光学異方性層または光学異方性フィルムの物性を意味する。
【0020】
[式3]
R
in=(X−Y)×D
[式4]
R
th=(Z−Y)×D
【0021】
1つの例示において上記偏光メガネは、立体映像を観察するための偏光メガネであることができ、例えば、互いに垂直な方向に偏光軸を有するように直線偏光された右眼用信号及び左眼用信号を含む立体映像または左円偏光された光と右円偏光された光を含む立体映像を観察するための偏光メガネであることができる。
【0022】
以下、説明の便宜のために、上記偏光メガネを使用して観察することができる立体映像を表示する立体映像表示装置についてまず説明する。
【0023】
例示的な立体映像表示装置は、駆動状態で右眼用信号及び左眼用信号を含む映像信号を生成し、生成された上記信号を観察者側に伝達することができる映像生成部;及び上記映像生成部で伝達された映像信号が入射すれば、上記右眼用及び左眼用信号が互いに異なる偏光状態を有するように調節し、観察者側に伝達することができる偏光調節素子を含むことができる。
【0024】
本明細書において上記駆動状態という用語は、立体映像表示装置が立体映像を表示している状態を意味する。
【0025】
図1は、上記例示的な立体映像表示装置1を示す図である。
上記装置1は、観察者方向に順次に配置されている光源11、映像生成部及び偏光調節素子15を含むことができる。上記映像生成部は、第1偏光板12、映像生成素子13及び第2偏光板14を含むことができる。
【0026】
1つの例示において観察者は、上記偏光メガネを着用し、上記装置で伝達される立体映像を観察することができる。
【0027】
図1の装置1において光源11は、駆動状態で偏光されない状態の白色の光を第1偏光板12に向けて出射することができる。光源11としては、例えば、液晶表示装置などとして通常的に使用される直下型(Direct type)またはエッジ型(eDge type)バックライトユニット(BLU;Back Light Unit)などを使用することができる。
【0028】
映像生成部は、映像生成素子13及びその両側に配置された第1及び第2偏光板12、14を含むことができる。第1偏光板12は、光透過軸及び上記光透過軸に直交する光吸収軸を有することができ、光源11から出射した光が入射すれば、光透過軸方向と平行な偏光軸を有する光だけを透過させる。上記で偏光軸の方向は、光で電界の振動方向である。
【0029】
映像生成素子13は、例えば、左眼用または右眼用信号を生成することができる単一または複数の画素が行及び/または列方向に配列された透過型液晶表示パネルであることができる。このような表示パネルは、信号によって各画素を駆動することによって、左眼用及び右眼用信号を含む映像信号を生成し、生成された映像信号を第2偏光板14に伝達することができる。透過型液晶表示パネルの場合、例えば、光源側11から順次に配置された基板、画素電極、第1配向膜、液晶層、第2配向膜、共通電極、カラーフィルタ及び基板を含むことができる。上記表示パネルは、右眼用信号を生成する右眼用信号生成領域SRと左眼用信号を生成する左眼用信号生成領域SLを含むことができる。右眼用及び左眼用信号生成領域SR、SLは、単位画素または2個以上の画素が組み合わされて形成されることができる。左眼用及び右眼用信号生成領域SL、SRは、例えば、
図2に示されたように、それぞれ共通方向に延長するストライプ状を成しながら互いに交互に配置されるか、または
図3に示されたように、格子パターンを成しながら互いに交互に配置されていてもよい。
【0030】
立体映像表示装置の駆動状態で右眼用及び左眼用信号生成領域では、それぞれ右眼用信号と左眼用信号を生成し、これを観察者側に伝達することができる。例えば、
図1の装置1を駆動させれば、光源11で出射した光は、第1偏光板12を透過して映像生成素子13に入射する。映像生成素子13に入射し、右眼用信号生成領域SRを透過した光は、右眼用信号となり、左眼用信号生成領域SLを透過した光は、左眼用信号となることができる。
【0031】
第2偏光板14は、上記右眼用及び左眼用信号が入射すれば、偏光板14の透過軸に平行な光のみを透過させる。1つの例示において第1及び第2偏光板12、14の透過軸は、互いに90度の角度を成すように配置されていてもよい。
【0032】
偏光調節素子15は、右眼用信号偏光調節領域PR(以下、右眼用領域ということがある)と左眼用信号偏光調節領域PL(以下、左眼用領域ということがある)を含むことができる。右眼用領域PRは、右眼用信号生成領域SRで生成されて伝達される右眼用信号が入射することができるように配置されていて、左眼用領域PLは、左眼用信号生成領域SLで生成されて伝達される左眼用信号が入射することができるように配置されることができる。例えば、映像生成素子13の右眼用及び左眼用信号生成領域が
図2のように配置されれば、上記右眼用及び左眼用領域PR、PLは、これに準じて
図4のような形態に配置されることができ、上記信号生成領域SR、SLが
図3のように配置されれば、上記右眼用及び左眼用領域PR、PLは、
図5のような形態に配置されることができるが、これに限定されるものではない。
【0033】
偏光調節素子15を透過した右眼用及び左眼用信号は、互いに異なる偏光状態を有することができる。1つの例示において偏光調節素子15を透過した後の上記右眼用及び左眼用信号は、実質的に互いに垂直な方向を有するように直線偏光されている光であるか、またはそれぞれ左円偏光された光と右円偏光された光であることができる。
【0034】
右眼用及び左眼用信号が左円または右円偏光された光である場合、右眼用及び左眼用領域PR、PLのうち1つの領域は、入射する光を左円偏光された光に変換させることができる領域であり、他の領域は、右円偏光された光に変換して透過させることができる領域であることができる。このような場合に、偏光調節素子の右眼用及び左眼用領域は、いずれもλ/4波長層を含み、且つ上記右眼用及び左眼用領域のλ/4波長層は、互いに異なる光軸を有することができる。本明細書において用語「λ/4波長層」は、入射する光をその波長の1/4だけ位相遅延させることができる位相遅延素子を意味することができる。また、本明細書において光軸というのは、入射する光が当該領域を透過するときの進相軸または遅相軸を意味し、好ましくは、遅相軸を意味することができる。1つの例示において、上記右眼用及び左眼用領域に存在するλ/4波長層が互いに異なる光軸を有する場合、上記それぞれの光軸は、互いに垂直を成す方向に形成されていてもよい。他の例示においては、上記右眼用及び左眼用領域PR、PLは、右眼用及び左眼用領域のうちいずれか一方の領域に存在する3λ/4波長層及び上記右眼用及び左眼用領域の他方の領域に存在するλ/4波長層を含むこともできる。上記で3λ/4波長層は、入射する光をその波長の3/4だけ位相遅延させることができる位相遅延素子を意味することができ、例えば、入射する光をその波長の1/2だけ位相遅延させることができるλ/2波長層とλ/4波長層を積層させて構成することができる。
【0035】
また、偏光調節素子を通過した信号が実質的に互いに垂直な方向を有するように直線偏光された光である場合、上記偏光調節素子は、左眼用または右眼用領域に対応する部分にのみ形成されたλ/2波長層を含むことができる。上記λ/2波長層は、前述したように入射する光をその波長の1/2だけ位相遅延させることができる位相遅延素子を意味することができる。具体的に右眼用及び左眼用領域のうちいずれか一方の領域は、入射する光の偏光軸を回転させることなく、そのまま透過させる領域であり、他方の領域は、入射する光の偏光軸を上記偏光軸が回転しない光の偏光軸と直交する方向に回転させて透過させることができる領域であることができる。これにより、右眼用及び左眼用領域を透過した光の偏光軸は、互いに直交する方向を有するようになる。このような場合、右眼用及び左眼用領域のうちいずれか一方の領域には、ガラスまたは透明樹脂などが存在し、他方の領域には、入射光の偏光軸を上記ガラスまたは透明樹脂を透過した光と垂直を成すように回転させることができるように光軸が形成された上記λ/2波長層が存在することができる。
【0036】
1つの例示において上記偏光メガネは、上記のような立体映像表示装置で出射される映像信号を観察することができるメガネであることができ、好ましくは、上記装置で出射されるものであって、左円偏光された光と右円偏光された光を含む映像信号を観察する偏光メガネであることができる。上記左円偏光された光と右円偏光された光を含む映像信号を出射する立体映像表示装置は、偏光調節素子として右眼用領域及び左眼用領域PR、PLにいずれもλ/4波長層を含み、かつ右眼用領域の波長層の光軸と左眼用領域の波長層の光軸が互いに異なる偏光調節素子を含むものであるか、あるいは、右眼用領域と左眼用領域のうちいずれか一方の領域には、3λ/4波長層を含み、他方の領域には、λ/4波長層を含む偏光調節素子を含む装置であることができ、好ましくは、右眼用領域及び左眼用領域PR、PLにいずれもλ/4波長層を含み、且つ右眼用領域の波長層の光軸と左眼用領域の波長層の光軸が互いに異なる偏光調節素子を含む装置であることができる。
【0037】
上記偏光メガネは、観察者が上記メガネを着用すれば、観察者の左眼の前に位置する左眼用領域と観察者の右眼の前に位置する右眼用領域を含む。例えば、立体映像の観察時には、上記左眼用領域には、左眼用信号が入射し、右眼用領域には、右眼用信号が入射することができる。上記偏光メガネにおいて上記光学異方性層と偏光子は、例えば、映像信号が上記光学異方性層をまず透過した後に、さらに偏光子を透過し、観察者の左眼または右眼に入射するように配置されることが好ましい。
図6は、1つの例示的な上記偏光メガネ6を上部から見た場合を示し、上記偏光メガネにおいて左眼用領域は、光学異方性層61L及び偏光子62Lを含み、右眼用領域も光学異方性層61R及び偏光子62Rを含んでいる。
図6に表示された矢印は、例えば、立体映像表示装置から伝達される映像信号の方向を示す。
【0038】
上記偏光メガネの右眼用領域と左眼用領域は、それぞれ上記式1で計算される数値が50nm〜500nmであり、上記式2で計算される数値が0.1〜3である光学異方性層を偏光子とともに含む。上記式1で計算される数値は、光学異方性層の面方向の位相差R
inであり、式2で計算される数値は、光学異方性層の面方向の位相差R
inと厚さ方向の位相差R
thの比率R
in/R
thである。上記光学異方性層において式1で計算される数値は、好ましくは、50nm〜450nm、さらに好ましくは、50nm〜400nm、より好ましくは、100nm〜400nmであることができる。また、上記光学異方性層において式2で計算される数値は、0.5〜2.5、さらに好ましくは、0.5〜2であることができる。
【0039】
上記式1及び式2で、Xは、上記光学異方性層の面内における遅相軸方向の屈折率、より具体的には、550nmの波長に対して測定された面内における遅相軸方向の屈折率であり、Yは、上記光学異方性層の面内における進相軸方向の屈折率、より具体的には、550nmの波長に対して測定された面内における進相軸方向の屈折率であり、Zは、上記光学異方性層の厚さ方向の屈折率、より具体的には、550nmの波長に対して測定された厚さ方向の屈折率であり、Dは、上記光学異方性層の厚さである。
【0040】
上記で光学異方性層の式1で計算される数値が50nm以上であり、500nm以下である場合、上記偏光メガネを使用して、優れた品質の立体映像の観察が可能である。また、上記式2で計算される数値が0.1以上であり、3以下であるとき、上記偏光メガネを使用して優れた品質の立体映像の観察が可能である。
【0041】
上記で左眼用領域の光学異方性フィルムの光軸と右眼用領域の光学異方性フィルムの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。また、左眼用領域に配置された光学異方性フィルムの光軸と右眼用領域に配置された光学異方性フィルムの光軸の二等分線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましい。また、上記で左眼用領域の光学異方性フィルムの光軸と右眼用領域の光学異方性フィルムの光軸が成す角度は、垂直であることができる。このような関係から、さらに優れた品質の立体映像を観察することができる。本明細書において「光軸と光軸の二等分線」は、異なる方向に形成されている2個の光軸が成す角度を二等分している線であって、例えば、
図7を参照すれば、上記偏光メガネの右眼用領域GRに存在する光学異方性層に形成されている光軸ARと左眼用領域GLに存在する光学異方性層に形成されている光軸ALが成す角度は、β度または(360−β)度であり、
図7で、β1とβ2が同一の角度なら、上記光軸AL、ARの二等分線は、点線で表示された線80であるか、あるいは、その点線で表示された線80と垂直な方向に形成された線であることができる。
【0042】
上記で左眼用及び右眼用領域が、後述するように、2個以上の光学異方性フィルムを含む場合、左眼用領域に含まれる光学異方性フィルムのうち少なくとも1つのフィルムと右眼用領域に含まれる光学異方性フィルムのうち少なくとも1つのフィルムが上記関係を満足すればよい。このような場合、他のフィルムは、同一領域に含まれる上記フィルムと同一の方向に光軸を有するか、または上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直した方向に光軸を有することができる。
【0043】
光学異方性層は、上記式1及び式2で計算される数値を満たす限り、1つまたは2つ以上の光学異方性フィルムを使用して構成することができる。
【0044】
1つの光学異方性フィルムが使用される場合、そのフィルムのX、Y、Z及びDが全体光学異方性層のX、Y、Z及びDであることができる。
【0045】
また、2以上の光学異方性フィルムを使用して光学異方性層を形成する場合、式1及び式2に適用される全体的な光学異方性層のX、Y、Z及びDは、それぞれのフィルムのX、Y、Z及びDの数値を合算した数値である。例えば、遅相軸方向の屈折率がX
1であり、進相軸方向の屈折率がY
1であり、厚さ方向の屈折率がZ
1であり、厚さがD
1である光学異方性フィルムと遅相軸方向の屈折率がX
2であり、進相軸方向の屈折率がY
2であり、厚さ方向の屈折率がZ
2であり、厚さがD
2である光学異方性フィルムとを組み合わせる場合、上記式1及び式2に導入されるX、Y、Z及びDは、それぞれ(X
1+X
2)、(Y
1+Y
2)、(Z
1+Z
2)及び(D
1+D
2)である。
【0046】
また、1つまたは複数の光学異方性フィルムを含む全体の光学異方性層に対して550nmの波長に対する面方向の位相差R
inと厚さ方向の位相差R
thをそれぞれ測定し、測定された面方向の位相差を式1の結果とし、面方向の位相差と厚さ方向の位相差の比率R
in/R
thを式2の結果として算出することができる。また、複数の光学異方性フィルムが光学異方性層を構成する場合、それぞれのフィルムの面方向の位相差及び厚さ方向の位相差の値を合算し、式1及び式2の結果にしてもよい。例えば、面方向の位相差がI1であり、厚さ方向の位相差がT1である光学異方性フィルムと面方向の位相差がI2であり、厚さ方向の位相差がT2である光学異方性フィルムを使用する場合、全体的な光学異方性層の面方向の位相差は、I1+I2であり、厚さ方向の位相差は、T1+T2として計算されることができる。したがって、この場合、上記式1で計算される数値は、I1+I2であり、式2で計算される数値は、(I1+I2)/(T1+T2)であることができる。
【0047】
1つの例示において、上記光学異方性層は、Aプレート、Bプレート及びCプレートよりなる群から選択された1つ以上を含むことができる。
【0048】
本明細書においてAプレートは、面内における遅相軸方向の屈折率X、進相軸方向の屈折率Y及び厚さ方向の屈折率Zが「X≠Y=Z」の関係を満たす光学異方性フィルムを意味し、上記でXがYより大きい場合は、さらに+Aプレートとして定義され、反対にXがYより小さい場合は、さらに−Aプレートとして定義されることができる。また、本明細書においてBプレートは、面内における遅相軸方向の屈折率X、進相軸方向の屈折率Y及び厚さ方向の屈折率Zが「X≠Y≠Z」の関係を満たす光学異方性フィルムを意味し、上記でZがYより大きい場合は、さらに+Bプレートとして定義され、反対にZがYより小さい場合は、さらに−Bプレートとして定義されることができる。また、本明細書においてCプレートは、面内における遅相軸方向の屈折率X、進相軸方向の屈折率Y及び厚さ方向の屈折率Zが「X=Y≠Z」の関係を満たす光学異方性フィルムを意味し、上記でZがYより大きい場合は、さらに+Cプレートとして定義され、反対にZがYより小さい場合は、さらに−Cプレートとして定義されることができる。
【0049】
上記のようなA、B及びCプレートの具体的な素材は、光学異方性フィルムを形成するための多様な公知の素材がすべて使用されることができる。1つの例示において上記位相差フィルムは、液晶フィルムであるか、またはポリアクリレート、ポリカーボネートまたはCOP(cyclic olefin polymer)などの高分子フィルムであることができ、上記高分子フィルムの場合、一軸または二軸延伸などの方式を通じて各位相差特性が制御されたフィルムであることができる。
【0050】
本発明は、また、映像信号が入射する左眼用領域と右眼用領域を含み、上記左眼用領域と右眼用領域は、第1Aプレートまたは第1Bプレートを含む光学異方性層;及び偏光子をそれぞれ含み、左眼用領域の第1Aプレートまたは第1Bプレートの光軸と右眼用領域の第1Aプレートまたは第1Bプレートの光軸の二等分線は、上記偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成す偏光メガネに関するものである。
【0051】
上記偏光メガネにおいて光学異方性層は、第2Aプレート、第2Bプレート及びCプレートよりなる群から選択された1つ以上をさらに含み、左眼用領域の第2Aプレートまたは第2Bプレートの光軸は、左眼用領域の上記第1Aプレートまたは第1Bプレートの光軸と水平を成し、右眼用領域の上記第2Aプレートまたは第2Bプレートの光軸は、右眼用領域の第1Aプレートまたは第1Bプレートの光軸と水平を成すか、または左眼用領域の第2Aプレートまたは第2Bプレートと右眼用領域の第2Aプレートまたは第2Bプレートは、偏光子の光吸収軸と垂直な方向に光軸を有することができる。
【0052】
以下、本明細書において上記記述した式1及び式2で計算される数値として特定の数値を有する光学異方性層を有する偏光メガネを第1偏光メガネと称し、上記第1Aプレートまたは第1Bプレートを含む光学異方性層を有する偏光メガネを第2偏光メガネと称することができる。
【0053】
本明細書においては、発明の目的を阻害しない範囲で偏光メガネに関する説明は、上記第1及び第2偏光メガネに互いに同一に適用されることができる。例えば、上記第2偏光メガネのAプレートまたはBプレートは、上記第1偏光メガネの光学異方性層に含まれる光学異方性フィルムであることができる。
【0054】
また、上記第2偏光メガネの光学異方性層も、上記式1で計算される数値が50nm〜500nmであり、上記式2で計算される数値が0.1〜3であることが好ましい。
【0055】
好ましくは、上記第1または第2偏光メガネの左眼用及び右眼用領域の光学異方性層は、それぞれ少なくともBプレートまたはAプレートを含み、上記BプレートまたはAプレートは、左眼用領域のプレートの光軸と右眼用領域のプレートの光軸が互いに異なる方向を成すこと、好ましくは、その二等分線が偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、この場合、左眼用領域のプレートの光軸と右眼用領域のプレートの光軸が互いに垂直を成すことが好ましい。
【0056】
1つの例示において、上記第1または第2偏光メガネの光学異方性層は、Bプレートを含むもの(以下、第1類型と言える)であるか、またはAプレートとCプレートを含むもの(以下、第2類型と言える)であってもよい。
【0057】
上記第1類型において左眼用領域に配置されたBプレートのうち少なくとも1つのBプレートの光軸と右眼用領域に配置されるBプレートのうち少なくとも1つのBプレートの光軸が互いに異なる方向を成すこと、好ましくは、その二等分線が偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような状態で左眼用領域のBプレートの光軸と右眼用領域のBプレートの光軸が互いに垂直を成すことが好ましい。
【0058】
また、上記第1類型の場合、光学異方性層がAプレート及び/またはCプレートをさらに含むことができる。このような場合、例えば、Aプレートをさらに含む場合、左眼用領域のAプレートのうち少なくとも1つのプレートの光軸は、左眼用領域の上記Bプレートの光軸と水平を成し、右眼用領域のAプレートのうち少なくとも1つのプレートの光軸は、右眼用領域の上記Bプレートの光軸と水平を成すか、または左眼用領域のAプレートのうち少なくとも1つのプレートと右眼用領域のAプレートのうち少なくとも1つのプレートは、互いに同一の方向に形成された光軸を有し、その光軸が成す同一の方向が上記偏光子の光吸収軸と垂直であることが好ましい。
【0059】
また、第2類型において左眼用領域のAプレートのうち少なくとも1つのプレートの光軸と右眼用領域のAプレートのうち少なくとも1つのプレートの光軸が互いに異なる方向を成すこと、好ましくは、その二等分線が偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、上記の場合、左眼用領域のプレートの光軸と右眼用領域のプレートの光軸は、垂直を成すことができる。
【0060】
上記第1または第2偏光メガネにおいて特定の種類の光学異方性層を互いに組み合わせ、また、その光学異方性層の光軸の関係及び上記光学異方性層の光軸と上記偏光子の光吸収軸との関係を調節し、さらに優れた品質の立体映像の観察が可能である。
【0061】
例えば、上記第1類型の光学異方性層は、映像信号が入射する側から順次に配置された第1+Bプレート及び第2+Bプレートを含むことができる。上記で、左眼用領域の第1+Bプレートと右眼用領域の第1+Bプレートは、互いに異なる方向に光軸を有することが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の第1+Bプレートの光軸の二等分線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましい。このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることができる。また、上記類型において左眼用領域と右眼用領域の第2+Bプレートは、互いに同一の方向に形成された光軸を有すると共に、その光軸の方向は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。
【0062】
また、上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された−Bプレート及び+Cプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の−Bプレートの光軸と右眼用領域の−Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の−Bプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の−Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることができる。
【0063】
他の例示において上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された−Cプレート及び+Bプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の+Bプレートの光軸と右眼用領域の+Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることができる。
【0064】
他の例示において上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された+Aプレート及び+Bプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の+Bプレートの光軸と右眼用領域の+Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることが好ましい。また、上記で左眼用領域に付着した+Aプレートは、上記左眼用領域に付着した+Bプレートの光軸と水平方向に光軸を有し、右眼用領域に付着した+Aプレートは、上記右眼用領域に付着した+Bプレートの光軸と水平方向に光軸を有することが好ましい。
【0065】
他の例示において上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された+Bプレート及び+Aプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の+Bプレートの光軸と右眼用領域の+Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることが好ましい。また、上記で左眼用領域の+Aプレートと右眼用領域の+Aプレートは、互いに同一の方向に光軸を有し、その光軸の方向は、上記偏光子の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。
【0066】
他の例示において上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された−Cプレート、+Bプレート及び+Aプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の+Bプレートの光軸と右眼用領域の+Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることが好ましい。また、上記で左眼用領域の+Aプレートと右眼用領域の+Aプレートは、互いに同一の方向に光軸を有し、その光軸の方向は、上記偏光子の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。
【0067】
他の例示において上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された第1+Aプレート、+Bプレート及び第2+Aプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の+Bプレートの光軸と右眼用領域の+Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸の二等分線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることが好ましい。また、上記で左眼用領域の第1+Aプレートは、左眼用領域の+Bプレートと同一の方向に光軸を有し、右眼用領域の第1+Aプレートは、右眼用領域の+Bプレートと同一の方向に光軸を有することが好ましい。また、左眼用領域の第2+Aプレートと右眼用領域の第2+Aプレートは、互いに同一の方向に光軸を有し、その光軸の方向は、上記偏光子の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。
【0068】
他の例示において上記第1類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された+Bプレート、+Cプレート及び+Aプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の+Bプレートの光軸と右眼用領域の+Bプレートの光軸は、互いに異なる方向に形成されていることが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましく、このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の+Bプレートの光軸が成す角度は、垂直であることが好ましい。また、上記で左眼用領域の+Aプレートと右眼用領域の+Aプレートは、互いに同一の方向に光軸を有し、その光軸の方向は、上記偏光子の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。
【0069】
また、上記第2類型の光学異方性層は、例えば、映像信号が入射する側から順次に配置された第1+Aプレート、+Cプレート及び第2+Aプレートを含むか、または映像信号が入射する側から順次に配置された第1+Cプレート、第1+Aプレート、第2+Cプレート及び第2+Aプレートを含むことができる。このような場合、左眼用領域の第1+Aプレートと右眼用領域の第1+Aプレートは、互いに異なる方向に光軸を有することが好ましい。好ましくは、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の第1+Aプレートの光軸が成す角度を二等分する線は、上記偏光メガネの偏光子の光吸収軸と垂直または水平を成すことが好ましい。このような関係から、上記異なる方向に光軸を有する左眼用及び右眼用領域の第1+Aプレートの光軸が成す角度は、垂直であることが好ましい。また、上記で左眼用領域の第2+Aプレートと右眼用領域の第2+Aプレートは、互いに同一の方向に光軸を有し、その光軸の方向は、上記偏光子の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。
【0070】
以上の光学異方性層の組合とその光軸の配置は、上記第1または第2偏光メガネを通じて立体映像、特に左円偏光された光と右円偏光された光を含む立体映像信号を観察する用途に好ましい。1つの例示において上記立体映像信号は、前述した例示的な装置であって、駆動状態で左眼用及び右眼用信号を生成して観察者側に伝達することができ、順に配置された第1偏光板、映像生成素子及び第2偏光板を含む立体映像生成部;及び上記映像生成部で伝達された映像信号が入射すれば、上記右眼用及び左眼用信号が互いに異なる偏光状態を有するように調節し、観察者側に伝達することができる右眼用及び左眼用信号偏光調節領域を含み、上記右眼用及び左眼用偏光調節領域がいずりもλ/4波長層を含み、且つ上記右眼用偏光調節領域に存在するλ/4波長層の光軸と左眼用偏光調節領域に存在するλ/4波長層の光軸が互いに異なる偏光調節層を有する立体映像表示装置から出射されるものであることができる。
【0071】
上記で、λ/4波長層は、例えば、550nmの波長の光に対して110nm〜150nmの範囲の位相差値を示す波長層であることができる。
【0072】
上記偏光メガネに含まれる偏光子の種類は、特に限定されず、例えば、上記言及した立体映像表示装置の偏光板に使用される偏光子と同一の類型の偏光子を使用することができる。
【0073】
1つの例示において、上記偏光メガネの左眼用領域と右眼用領域にそれぞれ配置される偏光子は、互いに同一の方向に形成された光吸収軸を有することが好ましい。また、1つの例示において上記偏光メガネの左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する仮想の線が上記立体映像表示装置に含まれる第2偏光板の光吸収軸と水平を成すように上記偏光メガネを配置した状態で、上記同一の方向に形成された左眼用及び右眼用領域の偏光子の光吸収軸の方向は、上記第2偏光板の光吸収軸と垂直を成すことが好ましい。本明細書において偏光メガネの左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する線は、例えば、
図8に示されたように、左眼用及び右眼用領域GR、GLの中央部Cを連結する仮想の線CLを意味し、上記で領域の中心または中央部は、重さ中心(center of gravity)を意味する。
【0074】
上記状態に配置された左眼用及び右眼用領域の偏光子は、前述した光学異方性層と組み合わせられ、立体映像をさらに優れた品質で観察することができるようにする。
【0075】
また、上記偏光メガネを左円偏光された光及び右円偏光された光を含む映像信号を観察するのに使用する場合、特に互いに異なる方向に光軸が形成されたλ/4波長層を含む上記偏光調節素子を含む装置から出射される上記映像信号を観察するのに使用する場合、上記偏光メガネの左眼用領域と右眼用領域は、それぞれλ/4波長層をさらに含むことができる。1つの例示において上記さらに含まれるλ/4波長層は、上記光学異方性層と上記偏光子との間に配置されることができる。このような構造では、上記偏光メガネの左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する仮想の線が上記立体映像表示装置の第2偏光板の光吸収軸と水平方向になるように上記偏光メガネを配置した場合、上記偏光メガネの左眼用領域に含まれるλ/4波長層の光軸は、上記偏光調節素子の左眼用信号偏光調節領域のλ/4波長層の光軸に水平な方向に形成され、偏光メガネの右眼用領域に含まれるλ/4波長層の光軸は、上記偏光調節素子の右眼用信号偏光調節領域のλ/4波長層の光軸と水平な方向に形成されていることが好ましい。しかしながら、上記λ/4波長層は、必ずさらに含まれなければならない要素ではなく、場合によっては、上記光学異方性層に含まれるA、BまたはCプレートを適切に組み合わせることだけでも、上記左円及び右円偏光された光を含む立体映像の観察は可能である。
【0076】
本発明は、また、駆動状態で右眼用信号及び左眼用信号を含む映像信号を生成し、生成された上記信号を観察者側に伝達することができる映像生成部;上記映像生成部で伝達された映像信号が入射すれば、上記右眼用及び左眼用信号が互いに異なる偏光状態を有するように調節し、観察者側に伝達することができる偏光調節素子;及び上記偏光調節素子から伝達された映像信号が入射すれば、上記信号を透過させて観察者側に伝達することができるように配置され、上記式1で計算される数値が50nm〜500nmであり、上記式2で計算される数値が0.1〜3である光学異方性層を含む立体映像表示装置に関するものである。
【0077】
図9は、上記装置10を例示的に示す図であり、
図1で説明した立体映像表示装置の偏光調節素子15の前面に上記光学異方性層101が付着している状態を示す。
【0078】
上記立体映像表示装置に関する具体的な事項は、既に記述した通りであり、具体的には、上記偏光メガネと関連した説明項目で光学異方性層が配置される位置が上記立体映像表示装置の内部に変更されることを除いて、他の事項は、既に記述された内容が同一に適用されることができる。例えば、上記項目で偏光メガネの左眼用領域の光学異方性層の光軸に関する説明は、上記立体映像表示装置で偏光調節素子を透過した左眼用信号が透過する光学異方性層の領域101Lに対して同一に適用されることができ、上記偏光メガネの右眼用領域の光学異方性層の光軸に関する説明は、上記立体映像表示装置において偏光調節素子を透過した右眼用信号が透過する光学異方性層の領域101Rに対して同一に適用されることができる。また、上記偏光メガネと関連した説明において光学異方性層の光軸と偏光子の光吸収軸の関係に関する説明は、上記立体映像表示装置を観察するのに使用される偏光メガネの左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する線を上記立体映像表示装置の第2偏光板の光吸収軸と水平を成すように配置した状態で同一に適用されることができる。
【0079】
上記立体映像表示装置で発生する立体映像信号は、左眼用領域と右眼用領域を含み、上記左眼用領域と右眼用領域がそれぞれ偏光子を含む立体映像観察用メガネを使用して観察することができる。上記で左眼用領域と右眼用領域に含まれる偏光子の光吸収軸は、互いに同一の方向に形成されていてもよい。また、上記偏光メガネの左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する線を上記立体映像表示装置の第2偏光板の光吸収軸と水平を成すように配置した状態で上記左眼用及び右眼用領域の偏光子において同一の方向に形成された光吸収軸は、上記第2偏光板の光吸収軸と垂直を成すことができる。
【0080】
また、既に記述したように、上記立体映像表示装置で出射される映像信号は、左円偏光された光と右円偏光された光を含むことが好ましく、これにより、上記偏光調節素子の右眼用及び左眼用領域には、それぞれ互いに異なる方向に光軸が形成されたλ/4波長層が配置されているか、または3λ/4波長層及びλ/4波長層が配置されていてもよい。
[発明を実施するための形態]
【0081】
以下、本発明による実施例及び本発明によらない比較例を通じて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
本明細書においての各物性は、下記の方式で評価する。
【0082】
1.光学異方性層または光学異方性フィルムの位相差数値
光学異方性層または光学異方性フィルムの550nmの波長の光に対する面方向の位相差R
in及び厚さ方向の位相差R
thをそれぞれ求め、測定された面方向の位相差R
inを式1の結果とし、測定された面方向の位相差R
inと厚さ方向の位相差R
thの比率R
in/R
thを式2の結果として求めた。具体的には、16個のミュラーマトリクス(Muller Matrix)を測定することができる装備であるAxoscan(Axomatrics)社製を使用して、製造社のマニュアルによって光学異方性フィルムまたは光学異方性層の16個のミュラーマトリクスを測定し、これを通じて面方向の位相差と厚さ方向の位相差を抽出する。2個以上の光学異方性フィルムが使用される場合、それぞれのフィルムの面方向の位相差を別に測定し、これを合算した数値を全体光学異方性層の面方向の位相差とし、また、それぞれのフィルムの厚さ方向の位相差を別に測定し、これを合算した数値を厚さ方向の位相差として式1と式2の結果を求めた。
【0083】
2.視野角特性の評価方法
実施例及び比較例において立体映像を観察したときの視野角特性は、Autronics社のDIMOS(display modeling system)を使用して シミュレーション(simulation)した。シミュレーション時に方位角(azimuthal angle)を0度〜360度に設定し、極角(polar angle)を0度〜80度に設定し、その結果を
図10〜
図20に示した。
【0084】
実施例1
図1に示されたような構造を有する立体映像表示装置として偏光調節素子15の右眼用領域と左眼用領域には、いずれもλ/4波長層が配置され、且つ右眼用領域のλ/4波長層の光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度を成し、左眼用領域のλ/4波長層の光軸は、上記右眼用領域のλ/4波長層の光軸と垂直を成している装置を使用して、上記装置から出射される立体映像を
図6に示された構造を有する偏光メガネを着用し観察するときの視野角特性を評価した。上記で偏光メガネの左眼用及び右眼用領域に含まれる偏光子62L、62Rは、同一の方向に形成されている光吸収軸をそれぞれ含み、また上記偏光メガネの左眼用領域の中心と右眼用領域の中心を連結する仮想の線が上記立体映像表示装置の第2偏光板14の光吸収軸と水平となるように上記偏光メガネを位置させれば、上記偏光子62L、62Rの光吸収軸と上記第2偏光板14の光吸収軸が垂直を成すように配置した。また、偏光メガネの光学異方性層61L、61Rは、偏光子62L、62R上に順に厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が140nmである+Cプレートと面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmであり、厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が−38nmである−Bプレートを付着して構成し、且つ上記で右眼用領域に付着される−Bプレートの光軸は、上記第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、左眼用領域に付着される−Bプレートの光軸は、上記第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度を成すようにした。上記で+Cプレートとしては、通常的な液晶フィルムタイプのフィルムであって、光硬化型垂直配向型液晶を使用して製作したフィルムを使用し、−Bプレートとしては、COP(Cyclic olefin polymer)系の高分子フィルムを使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表1の通りである。
【0086】
実施例2
光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が190nmであり、面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmである+Bプレートと厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が−40nmである−Cプレートを付着して構成し、且つ上記で右眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、上記第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、左眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、上記第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度を成すようにしたことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で−Cプレートとしては、通常的な液晶フィルムタイプの位相差フィルムであって、光硬化型垂直配向型液晶を使用して製作したフィルムを使用し、+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の高分子フィルムを使用した。偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表2の通りである。
【0088】
実施例3
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が140nmであり、面方向の位相差(R
in=DX−DY)が90nmである+Bプレートと面方向の位相差(R
in=DX−DY)が35nmである+Aプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される+Bプレート及び+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、左眼用領域に付着される+Bプレート及び+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度を成すようにしたことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の高分子フィルムを使用し、+Aプレートとしては、ポリカーボネート系の高分子フィルムを使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表3の通りである。
【0090】
実施例4
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が150nmである+Aプレート;厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が150nmである+Cプレート;及び面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmである+Aプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される面方向の位相差が125nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が150nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸と水平を成すように配置し、左眼用領域に付着される面方向の位相差が125nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が150nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸と水平を成すように配置したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Aプレートとしては、ポリカーボネート系の高分子フィルムを使用し、+Cプレートとしては、光硬化型垂直配向型液晶を使用して製作したフィルムを使用した。偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表4の通りである。
【0092】
実施例5
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が140nmである+Aプレート及び厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が200nmであり、面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmである+Bプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸と水平を成すように配置し、左眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸と水平を成すように配置したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Aプレートとしては、ポリカーボネート系の高分子フィルムを使用し、+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の光学異方性層を使用した。上記偏光メガネで映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表5の通りである。
【0094】
実施例6
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が140nmである+Aプレート;厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が150nmである+Cプレート;面方向の位相差R
in=DX−DYが125nmである+Aプレート及び厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が90nmである+Cプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される面方向の位相差が125nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が140nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸と水平を成すように配置し、左眼用領域に付着される面方向の位相差が125nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が140nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸と水平を成すように配置したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Aプレートとしては、ポリカーボネート系の高分子フィルムを使用し、+Cプレートとしては、光硬化型垂直配向型液晶を使用して製作したフィルムを使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表6の通りである。
【0096】
実施例7
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が150nmである+Aプレート;厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が230nmであり、面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmである+Bプレート;厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が−40nmである−Cプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、+Aプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成し、左眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、+Aプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Aプレートとしては、ポリカーボネート系の高分子フィルムを使用し、−Cプレートとしては、TAC(triacetyl cellulose)系のフィルムを使用し、+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の高分子光学異方性層を使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表7の通りである。
【0098】
実施例8
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が140nmである+Aプレート;厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が190nmであり、面方向の位相差(R
in=DX−DY)が90nmである+Bプレート;及び面方向の位相差(R
in=DX−DY)が35nmである+Aプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される+Bプレート及び面方向の位相差が35nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が140nmである+Aプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成し、左眼用領域に付着される+Bプレート及び面方向の位相差が35nmである+Aプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が140nmである+Aプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Aプレートとしては、ポリカーボネート系のフィルムを使用し、+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の高分子光学異方性層を使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表8の通りである。
【0100】
実施例9
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が140nmである+Aプレート;厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が90nmである+Cプレート;及び面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmであり、厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が140nmである+Bプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、+Aプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成し、左眼用領域に付着される+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、+Aプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。上記で+Aプレートとしては、ポリカーボネート系のフィルムを使用し、+Cプレートとしては、光硬化型垂直配向型液晶を使用して製作したフィルムを使用し、+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の高分子光学異方性層を使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表9の通りである。
【0102】
実施例10
偏光メガネの光学異方性層61L、61Rを、偏光子62L、62R上に順に面方向の位相差(R
in=DX−DY)が275nmであり、厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が140nmである+Bプレート;及び面方向の位相差(R
in=DX−DY)が125nmであり、厚さ方向の位相差(R
th=DZ−DY)が140nmである+Bプレートを付着して構成し、且つ右眼用領域に付着される面方向の位相差が125nmである+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が275nmである+Bプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成し、左眼用領域に付着される面方向の位相差が125nmである+Bプレートの光軸は、第2偏光板14の光吸収軸を基準に反時計方向に45度の角度で形成し、面方向の位相差が275nmである+Bプレートの光軸を第2偏光板14と水平を成すように形成したことを除いて、実施例1と同一にして視野角特性を評価した。+Bプレートとしては、ポリアクリレート系の高分子光学異方性層を使用した。上記偏光メガネにおいて映像信号が入射する側から順次に形成された偏光子及び光学異方性層の具体的な事項は、下記表10の通りである。
【0104】
比較例1
本発明による光学異方性層が付着しない偏光メガネであって、左円偏光された光と右円偏光された光を含む立体映像を観察するのに通常的に使用される偏光メガネを使用して、実施例1と同一の装置で出射される立体映像を観察するときの特性を評価した。
【0105】
視野角特性検討
添付の
図10〜
図19は、それぞれ実施例1〜10の場合の視野角特性の模写結果であり、
図20は、比較例1の場合の視野角特性の評価結果である。図面の内容からも明らかなように、本発明による偏光メガネの場合、クロストークの発生が最小化され、優れた視野角特性を示した。
【0106】
実施例11〜20
実施例1〜10のそれぞれの場合で、光学異方性層を偏光メガネに付着する代わりに、立体映像表示装置の偏光調節素子15の前面に付着し、
図9に示されたような装置を構成し、上記光学異方性層を付着しないことを除いて、それぞれ実施例1〜10と同一の偏光メガネを使用して立体映像を観察する場合の視野角特性を評価した。上記で偏光調節素子15の右眼用領域に当接する光学異方性層101Rは、偏光メガネの右眼用領域に含まれる光学異方性層と同一に光軸などを調節し、偏光調節素子15の左眼用領域に当接する光学異方性層101Lは、各当該実施例の偏光メガネの左眼用領域に含まれる光学異方性層と同一に光軸などを調節した。また、偏光調節素子15に付着される各光学異方性層の順序は、それぞれの実施例の場合と同一にし、且つ各実施例で偏光メガネの偏光子に直接付着した光学異方性層が偏光調節素子15から最も遠く離れて付着するようにした(すなわち、実施例1に対応する実施例11の場合、偏光調節素子15上に−Bプレートがまず付着し、その後、+Cプレートを付着した)。上記のように構成された立体映像表示装置で立体映像を観察し、その結果を評価した結果、実施例11〜20は、それぞれ実施例1〜10と同一の視野角特性を示すことを確認した。