(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、その更なる利点とともに、添付の図面との関連でなされる以下の説明を参照にすることによって更に良く理解されるだろう。
【0016】
【
図1A】本発明の一実施形態にしたがった、エッチング動作に用いられるプラズマ処理システムを示した図である。
【0017】
【
図1B】本発明の一実施形態にしたがった、内コイル及び外コイルを図式化した上面図である。
【0018】
【
図2】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドの一例を示した図である。
【0019】
【
図3】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドを含める前における誘電体窓の一例を示した図である。
【0020】
【
図4】本発明の一実施形態にしたがった、誘電体窓の上に配置された通電グリッドを示した図である。
【0021】
【
図5】本発明の一実施形態にしたがった、誘電体窓とTCPコイルとの間に配置された通電グリッドを示した図である。
【0022】
【
図6】本発明の一実施形態にしたがった、TCPコイルの下に画定された誘電体窓及び通電グリッドの断面の一例を示した図である。
【0023】
【
図7】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドに接続された独立RF電源の一例を示した図であり、該RF電源は、(独立しているTCP電力の制御に影響を及ぼすことなく)周波数調整可能であり且つ具体的レシピに合わせて異なる電力設定値に設定することができる。
【0024】
【
図8A】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図8B】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図8C】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図9A】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図9B】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図10A】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図10B】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【
図11】本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッドがいかにしてダウト窓の内側における副生成物の蓄積の減少又は排除を制御しつつもプロセスパラメータの制御に影響を及ぼさないですむかを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
開示されるのは、半導体デバイスの製造時において、半導体基板及びその上に形成された層をエッチングするために使用される装置である。装置は、エッチングが実施されるチャンバによって画定される。チャンバの誘電体窓の上に、TCPコイルが配置され、誘電体窓とTCPコイルとの間に、通電グリッドが配置される。通電グリッドは、TCPコイルに提供される電力とは切り離して且つ独立に通電される。以下の説明では、本発明の完全な理解を与えるために、数々の具体的詳細が述べられている。しかしながら、当業者にならば、本発明がこれらの詳細の一部を伴わずとも実施されうることが明らかである。また、本発明を不必要に不明瞭にしないように、周知のプロセス動作及び/又は実装形態の詳細な説明は省かれている。
【0026】
長期のデータ保持、高速なオン/オフアプリケーション、より高速な書き込み速度、及び無制限な読み書き耐性を持つ不揮発性ランダムアクセスメモリに対する要求の高まりゆえに、SRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリコンポーネント、及びバッテリの様々な組み合わせに代わるものとして、MRAM(磁気抵抗性ランダムアクセスメモリ)が、大規模システムにおけるブート時間を大幅に短縮させる高速で低電力な不揮発性ストレージを提供するための有望な候補になりつつある。MRAMは、不揮発性メモリであるので、MRAMのためのプラズマエッチングにおける副生成物は、通常、文字通り不揮発性であり、且つ伝導性である。MRAM処理におけるエッチング副生成物が、導体エッチングチャンバのなかで誘電体窓に蓄積されるときは、これらの副生成物によって窓に徐々に形成される伝導膜の遮断効果によって、TCP RF電力効率が低下する恐れがある。TCP電力効率の低下は、プラズマ密度の降下をもたらし、場合によっては、ウエハ間のプロセスドリフトを引き起こす恐れがある。したがって、平均チャンバ洗浄間隔時間(MTBC)が、非常に短くなる。例えば、MRAMを処理している幾つかのエッチングチャンバでは、MTBCは、バイアスRF電力が電圧モードで約15%降下するときに、約5RF時間である。
【0027】
プラズマエッチングチャンバ内に通電グリッド108を実装することによって、誘電体窓に対する堆積物の影響は、MTBCを決定する要因でなくなる。通電グリッド108は、誘電体窓106の上に(外に)配置されたときに、以下の
図1Aに示されるように、TCPコイル120/122によって提供される電力とは独立に通電される。該独立電力は、低周波数で印加されてプラズマに同調され、これは、通電グリッド108が、誘電体窓の内側への不揮発性金属副生成物の付着を低減又は排除することを可能にする。
【0028】
本明細書で使用される「独立に」という用語は、TCPコイルに印加されるRF電力が、それ自身のワット単位電力レベル及び周波数を有し、通電グリッド108に印加されるRF電力が、それ自身のワット単位電力レベル及び周波数を有する場合を言うものとする。したがって、(TCPコイルに印加される)第1のRF電力の設定値は、(通電グリッドに印加される)第2のRF電力の設定値から独立している。一実施形態では、第2のRF電力によって印加される周波数及び電力レベルは、第1のRF電力によって印加される周波数及び電力レベルとは異なる。
【0029】
このようにして、必要とされる誘電体窓106の洗浄頻度が減らされ、エッチング動作における一貫性及びスループットを向上させる長いMTBCを実現することが可能になる。更に、通電グリッド108は、ウエハ間でプロセス性能が実質的に同じであるように、アクティブであるときに、(プラズマに面している)窓106の現場内(in-situ)洗浄及び/又は現場外(ex-situ)洗浄を実施する働きをする。
【0030】
一実施形態では、通電グリッド108は、チャンバの誘電体窓の上に配される。一例では、チャンバは、カリフォルニア州フリーモントのラム・リサーチ・コーポレーションによって製造されたKiyo45(登録商標)などの導体プラズマエッチングチャンバである。しかしながら、通電グリッド108は、誘電体窓の上方に独立RF電力を提供するために、任意のメーカによって作成されたプラズマチャンバに追加可能であることを理解されるべきである。
図1Aに示されるように、通電グリッド108は、基板107上に画定される。通電グリッド108及び基板107は、TCPコイルの下に配される。この構成は、平らなものとして示されているが、性能を向上させるために、ドーム状構成などのその他のタイプの上部電力構成で通電グリッド108を実装することも可能である。
【0031】
一実施形態では、通電グリッド108は、整合回路網及びRF発生器を通じて2MHzで通電される。通電グリッド108へのRF電力は、誘電体窓に衝突するイオンが、処理中に現場内で窓を清浄に維持することができる及び/又は誘電体窓に堆積されたエッチング副生成物を洗浄工程中に現場外でスパッタリングによって追い出すことができる直交エネルギを有するように、広いプロセス窓全体にわたって一定のレベルに調節される。このようにして、誘電体窓は、ウエハ間のプロセスドリフトを排除するために、どのウエハに対してもほぼ同程度に洗浄される。物理的スパッタリングによる現場内及び現場外の洗浄は、洗浄結果を加速させるために、並びにそれと同時に、スパッタリングから誘電体窓を保護するために及び粒子が生成されないようにするために、(1つ以上の)軟着陸工程及び特定の/適切な化学剤と組み合わせることもできる。
【0032】
プラズマエッチングのために最適化された、通電グリッド108を用いるチャンバは、数々の材料のエッチングに使用することができる。材料の非限定的な例として、Pt、Ir、PtMn、PdCo、Co、CoFeB、CoFe、NiFe、W、Ag、Cu、Mo、TaSn、Ge2Sb2Te2、InSbTe Ag−Ge−S、Cu−Te−S、IrMn、Ruが挙げられる。この概念は、NiOx、SrTiOx、ペロブルカイト(CaTiO3)、PrCAMnO3、PZT(PbZr1−xTixO3)、(SrBiTa)O3などの材料にも広げることができる。
【0033】
図1Aは、本発明の一実施形態にしたがった、エッチング動作に用いられるプラズマ処理システムを示している。システムは、チャック104と、誘電体窓106と、通電グリッド108とを含むチャンバ102を含む。チャック104は、基板が存在するときにその基板を支えるための静電チャックであってよい。やはり図に示されているのは、チャック104を取り囲むエッジリング116であり、該リングは、チャック104の上にウエハが存在するときにそのウエハの上面とおおよそ同一平面にある上表面を有する。チャンバ102は、また、下方ライナ110も含み、該ライナ110は、上方ライナ118につながっている。上方ライナ118は、チャンバのピナクル(尖塔状の部分)として言及されることもある。上方ライナ118は、誘電体窓106及び通電グリッド108を支えるように構成される。一実施形態では、上方ライナ118は、アースに接続される。
【0034】
図に示されるように、通電グリッド108は、格子パターンを有し、したがって、通電グリッドは、基板107の上に形成される金属材料で画定される。基板107は、誘電体であり、基板の上に画定される格子パターンは、数々の任意の幾何学的構成をとることができる。以下の図面に例示されるように、通電グリッド108は、非限定的な例として、窓106の中心領域から外径まで伸びるスポーク(放射状の桿)の形態で画定される。窓及び通電グリッド108は、したがって、処理時にプラズマが形成される領域の上に広がり、処理時にウエハを支えるように設計されたチャック104の上に配置される。スポーク間の空間は、通電グリッドによる金属被覆が存在しない領域である。スポークの代わりに、間に空間を挟まれた任意の幾何学的金属パターンが提供可能である。
【0035】
更に図に示されているのは、1つ以上の発生器で画定することができるRF発生器160である。もし、複数の発生器が提供されるならば、様々な調整特性を実現するために、異なる周波数が使用可能である。RF発生器160と、チャック104(底部電極とも呼ばれる)を画定するアセンブリの伝導性板との間には、バイアス整合部162が接続される。チャック104は、ウエハの把持及び解放を可能にするために、静電電極も含む。広くは、フィルタ164及びDCクランプ電源が提供される。冷却のための及びウエハをチャック104から持ち上げるための、その他の制御システムも提供可能であるが、図には示されていない。図には示されていないが、チャンバ102には、プラズマ処理の操作時に真空を制御すること及びチャンバからガス状副生成物を除去することを可能にするために、ポンプが接続される。
【0036】
通電グリッド108は、シャワーヘッドがプロセスガスをチャンバ102の処理空間に送り込むことを可能にする中心領域を有する。また、通電グリッド108の中心領域付近における、穴を設けられたところに、その他の探査装置を通らせて配置することもできる。探査装置は、動作時に、プラズマ処理システムに関連するプロセスパラメータを探査するために提供することができる。探査プロセスには、終点検出、プラズマ密度測定、及びその他の計量的探査動作がある。通電グリッド108の円形形状は、通例円形である代表的ウエハの幾何学的形状に由来して画定されている。周知のように、ウエハは、通例、200mm、300mm、450mmなどの様々なサイズで提供される。また、チャンバ102内で実施されるエッチング動作次第では、四角形タイプの基板又は更に小さい基板などのためのその他の形状が可能である。
【0037】
誘電体窓106は、セラミック又は石英のタイプの材料で画定することができる。窓106は、プラズマの処理領域に面する内側と、チャンバ外の外側とを有する。半導体エッチングチャンバの条件に耐えうる限り、その他の誘電性材料も可能である。通例、チャンバは、摂氏約50度から約120度の間の範囲の、又はそれよりも高い昇温で動作する。温度は、エッチングプロセス動作及び具体的レシピによって決まる。チャンバ102は、また、約1ミリトール(mT)から約100ミリトール(mT)の間の範囲の真空条件でも動作する。図には示されていないが、チャンバ102は、通例、クリーンルーム又は加工施設のなかに設置されるときに設備に接続される。設備としては、処理ガス、真空、温度制御、及び環境粒子制御を提供する配管設備が挙げられる。
【0038】
これらの設備は、対象とされる加工施設のなかに設置されるときに、チャンバ102に接続される。また、チャンバ102は、移送チャンバにも接続されてよく、該移送チャンバは、代表的な自動操作を使用したロボット技術によって半導体ウエハをチャンバ102に対して出し入れすることを可能にする。
【0039】
引き続き
図1Aを参照すると、TCPコイルは、内コイル(IC)122と、外コイル(OC)120とを含むものとして示されている。TCPコイルは、誘電体窓106の上に個々に配された通電グリッド108の上に並べられる。TCPコイルの内構造及び外構造は、窓106の上の半径方向位置を基準にして画定され、TCP電力は、制御調整回路網ユニット124を使用して調整可能である。
【0040】
一実施形態では、TCPコイルは、内コイル122及び外コイル120への接続を含む制御調整回路網124に接続される。図に示されるように、外コイル120の外ループは、ノード146に接続され、該ノードは、可変コンデンサ136に接続している。可変コンデンサ136は、整合素子128及びRF発生器126に接続される手前で、ノード146とノード144との間に配置される。外コイル120の内ループは、ノード142に接続され、該ノードは、コンデンサ132に接続している。コンデンサ132は、アースとノード142との間に接続される。内コイル122は、その外ループをノード140に接続され、該ノードは、次いで、可変コンデンサ134に接続している。
【0041】
可変コンデンサ134は、ノード140とノード144との間に接続される。内コイル122の内ループは、ノード148に接続される。ノード148は、インダクタ130に接続し、該インダクタは、アースにも接続される。制御調整回路網124は、したがって、通電グリッド108の上に配される内コイル及び外コイルに提供される電力を調整するために、可変コンデンサ134及び136の動的調整を可能にする。
【0042】
一実施形態では、制御調整回路網124は、外コイル120よりも内コイル122の方に多くの電力を提供するようにTCPコイルを調整するように構成される。別の一実施形態では、制御調整回路網124は、外コイル120よりも内コイル122の方に少ない電力を提供するようにTCPコイルを調整するように構成される。別の一実施形態では、内コイル及び外コイルに提供される電力は、電力を均等に分布させるための及び/又は基板(すなわち、ウエハが存在しているときはウエハ)の上における半径方向のイオン密度を制御するためのものである。更に別の一実施形態では、外コイルと内コイルとの間における電力の調整は、チャック104の上に配置された半導体ウエハに対して実施されているエッチング用に画定された処理パラメータに基づいて調節される。
【0043】
一実装形態では、2つの可変コンデンサを有する回路が、2つのコイルにおける電流を所定の比率にするために自動的に調節されるように構成される。この比率は、この実装形態では、0.1から1.5であってよい。別の一実装形態では、電流は、おおよそ等しい。更に別の一実施形態では、比率は、外コイルのみが動作状態に設定されるように、ゼロである。
【0044】
一実施形態では、コンデンサ134及び136は、チャンバ102の電子パネルに接続された処理コントローラによって制御される。電子パネルは、具体的なサイクル中に所望される処理動作によって決まる特定の処理ルーチンを動作させるネットワーキングシステムにつなぐことができる。電子パネルは、したがって、チャンバ102内で実施されるエッチング動作はもちろん、コンデンサ134及び136の具体的な設定値も制御することができる。
【0045】
この実施形態では、通電グリッド108は、それ自身の独立RF電力に接続される。RF電力は、別個の発生器から得ることができる、又は例えば個別調整可能なRFラインを分離することによって、チャンバ内で既に使用されている別の発生器から得ることができる。個別調整可能なRFラインは、通電グリッド108の動作に適した特定の周波数に合わせて提供することができる。しかしながら、総じて、通電グリッド108に提供されるRF電力は、RFコイル120/122によって提供されるTCP電力から切り離されている及び/又は独立している追加の電力であることを理解されるべきである。一実施形態では、
図1Aは、ノード214に接続された整合素子212に接続される独立RF発生器210を示している。ノード214は、通電グリッド108への接続である。こうして、通電グリッド108に提供される電力は、TCPコイルによって提供される電力から独立していることが理解される。一実施形態では、内コイル及び外コイルに提供される電力が、第1のRF電源によって提供される一方で、通電グリッド108に提供される電力は、第1のRF電源から独立している第2のRF電源によって提供される。
【0046】
本明細書で使用されるチャンバとは、ケースによって画定されるプロセスチャンバを言う。ケースは、総じて、チャンバのための構造を画定する。ケースは、アルミニウム若しくはステンレス鋼などの金属材料、又はその他の既知の材料で作成することができる。ケースの内側は、チャック104であり、ケースの頂部は、誘電体窓によって画定される。誘電体窓は、平らな又はドーム状の形状などの任意の既知の形状であってよい。TCPコイルも、平らな又はドーム状の形状に合わせて数々の任意の形状をとることができ、通電グリッド108も同様である。
【0047】
図1Bは、本発明の一実施形態にしたがった、内コイル122及び外コイル120を図式化した上面図を示している。
図1Bに示された断面は、一例として、
図1Aにおけるコイルへの接続を示している。内コイル122は、内コイル1と、内コイル2と、外コイル1と、外コイル2とを含む。コイルの端どうしの接続は、
図1Aに示されるように、回路網124への制御に提供された回路網を基準にして示されている。
図1Bにおける例示は、本発明の一実施形態にしたがった、チャンバ102内で用いられるTCPコイルの内コイル及び外コイルのそれぞれに関連付けられた円形の巻き線を示すために提供されたものである。当然ながら、その他のタイプのコイル構成も可能である。平らなコイル分布以外のドーム状構造及びその他のコイルタイプ構造を提供する次元性コイルも可能である。通電グリッド108は、したがって、選択される形状がどうであれ、コイルと窓との間に配置することができる。
【0048】
図2は、基板107の上に形成された状態の、通電グリッド108の三次元図を示している。一実施形態では、基板は、誘電性材料である。誘電性材料は、剛性の誘導体、又はプリント回路基板(PCB)技術で通例使用される剛性材料の形態をとることができる。PCBは、その表面上に堆積されて特定のパターンを画定するためにエッチングされる伝導性材料に対する機械的な支えを提供することができる。一実施形態で使用される特定のパターンは、通電グリッド108の中心の伝導性領域に接続されたスポークパターンである。通電グリッドは、したがって、開口領域(すなわち、金属材料を含まない領域)によって隔てられた複数の金属構造によって画定される。一実施形態では、通電グリッドは、中心に開口を有する円盤形状であり、中心の開口は、金属性であり、複数の伝導性スポーク又はヒレ(例えば幾何学的構造)に接続されている。
【0049】
更に別の一実施形態では、PCBは、スポークパターンを画定するために表面上にパターン形成される金属材料を支えるために必要とされる剛性を提供するために、層状の誘電性材料で作成される。或いは、PCB材料の代わりに、セラミック円盤、セラミックとその他の誘電性材料との混合、及びTeflon(登録商標)などの誘電体が、通電グリッド108を画定するために使用される金属パターンを支えるために使用することができる。尚も更に、通電グリッド108は、
図2に示されるスポークパターンの代わりに、数々の任意のパターンで画定することができる。本質的には、パターンは、コイルによって提供されるTCP電力がチャンバ内のプラズマに伝わることを可能にするために、金属材料間に隙間又は空間が画定される限り、数々の任意の形状をとることができる。
【0050】
基本的に、通電グリッドは、誘導結合に対しては透過性であるが容量結合に対しては制御を行う電極である。このように、通電グリッド108は、チャンバのTCPコイルから独立している容量結合電極として機能する。通電グリッド108は、状況によっては、或る種のファラデーシールド、すなわち通電ファラデーシールドとして言及されることもある。しかしながら、通電グリッド108は、物理的にはファラデーシールドとして機能していない。それでも尚、もし、当業者が通電グリッド108を一種のファラデーシールドとして言及したならば、通電グリッドの機能的及び物理的動作が優先されるべきである。すなわち、通電グリッド108は、誘導結合に対しては透過性であるが依然として容量結合に対しては制御を行う電極である。
【0051】
図2は、通電グリッド108の中心位置に接続するストラップ200も示している。中心位置は、装着されたときに誘電体窓106の表面を実質的に覆う、外径に至るまでの通電グリッド108の表面全体にRF電力が分布することを可能にする。ストラップ200は、以下で示されるように、上述された独立RF電力を提供される。例示された実施形態では、通電グリッド108を画定する金属材料は、基板107の上にパターン形成される銅である。通電グリッド108の表面全体にわたって十分なRF伝導が可能にされる限り、銅の代わりに、その他の金属材料も使用可能であることが理解されるべきである。この実施形態では、RF電源と通電グリッド108との間に優れた電気伝導を提供するために、ストラップ200も銅で画定されている。
【0052】
図3は、誘電体窓106とTCPコイルとの間に通電グリッド108が装着される前における誘電体窓106の三次元図を示している。図に示されるように、窓106は、
図1Aに示されるようにチャンバの上に配されるセラミック誘電体である。TCPコイル及び関連のループは、誘電体窓106の上に並べて示されている。外コイル120及び内コイル122は、内コイル及び外コイルへの供給を行うRF接続を伴って示されている。RF電力をコイルに接続するための支え構造も例示されている。
【0053】
図4は、誘電体窓106の上に配置された通電グリッド108の三次元図を示している。図に示されるように、通電グリッド108及びその基板107は、実質的に平らな向きで誘電体窓106の上に配置される。基板107は、誘電体窓106に直接接触している。別の一実施形態では、基板107と通電グリッド108との間に空間が提供されてよい。更に別の一実施形態では、通電グリッド108は、基板107を必要としない金属材料で画定することができる。金属材料は、間隔を空けられた向きで誘電体窓106の上に配するのに十分な剛性を有すると考えられる。或いは、もし、通電グリッド108が、基板を伴わない金属材料で形成されるならば、その通電グリッド108は、誘電体窓106の上に直接配することができる。したがって、通電グリッド108は、独立に通電可能であって尚且つ誘電体窓106の上に配する、接続する、取り付ける、又は位置決めすることができる限り、数々の任意の物理的構成をとれることが理解されるべきである。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態にしたがった、誘電体窓106の上に配置されTCPコイルの下に配されたときの通電グリッド108の三次元図を示している。例示された通電グリッド108の画は、通電グリッド108の有効性を証明するために使用されるテストベンチである。したがって、通電グリッド108は、接着テープを使用して一時的に誘電体窓106に取り付けて示されている。商業上の実装形態では、通電グリッド108は、テストベンチで使用される接着テープの使用を伴わずにシステムに接続されると考えられる。それでも尚、
図5は、誘電体窓106及びTCPコイル122/120に関連した通電グリッド108の相対的な位置決めを例示している。
【0055】
やはり図に示されているのは、通電グリッド108のストラップ200に接続する延長ストラップ201である。延長ストラップ201は、独立RF電力への接続用に構成され、簡単のために、RFへの接続として示されている。上述のように、誘電体窓106は、チャンバの上に座し、通電グリッド108及びTCPコイルは、チャンバ外に含まれる。通電グリッド108を含む側とは反対側である、誘電体窓106の底部は、動作中は、チャンバ内のプラズマに面する。このように、通電グリッド108は、TCPコイルと同様に、処理チャンバ外である。
【0056】
図6は、本発目の一実施形態にしたがった、誘電体窓106及び通電グリッド108の切り取り断面を示している。図に示されるように、窓106は、使用されている材料次第で、通例は約10mmから約50mmの間の厚さを有する。窓の上方に配置されるのは、約0.5mmから約3mmの間、より好ましくは約1mmから約2mmの間、名目上は約1.5mm(例えば約60ミル)である基板107である。基板107は、上記のPCBタイプの材料、Teflon、セラミックなどの様々なタイプの材料で画定可能であることが留意されるべきである。
【0057】
図6は、また、通電グリッド108及び誘電体窓106に呼応させた、TCPコイル120及び122の一般的配置も示している。動作中は、チャンバの内側でプラズマが発生し、窓106の内表面に隣接してプラズマシースが画定される。同様に、チャック104の上方に配されたウエハ202は、ウエハ202の表面のごく近くでプラズマシースを見舞われる。プラズマシース及びエッチングプロセスの具体的制御は、TCPコイルによって提供される電力、底部電極(チャック104)に提供される電力、チャンバに提供される圧力、温度、チャンバに提供される電力の周波数、エッチング化学剤、及び動作のために選択されたレシピに特有なその他の設定値によって決まる。
【0058】
動作中は、窓106のごく近くにシースがある。一実施形態では、プラズマシースと通電グリッド108との間のおおよその距離Zが画定される。この距離は、通電グリッド108から見たプラズマインピーダンスを画定する変数の1つである。通電グリッド108は、通電グリッド108の視点から見た具体的なプラズマインピーダンスに合わせて調整される別個のRF発生器に独立に接続される。
【0059】
一実施形態では、通電グリッド108の金属材料の厚さは、約0.0075mmから約0.5mmの間、好ましくは約0.3mm(例えば約5ミル)である。この例では、金属材料は、銅である。しかしながら、アルミニウム、真ちゅう、銀、めっきされた銅などの、その他の金属材料も使用可能である。
【0060】
図7は、RF発生器210と通電グリッド108との間の接続を示している。通電グリッド108は、ストラップ200及び延長ストラップ201によって発生器210に電気的に接続されている。整合部212が、通電コイル108から見たインピーダンスとして示される負荷に接続されて図示されており、該インピーダンスは、R−jXcであるZとして表される。発生器210は、方向性結合器210aを含み、該結合器は、通電グリッド108から見た負荷に基づいて発生器210の周波数を設定するために、調整器210bに結合している。
【0061】
一実施形態では、発生器210は、50オーム内部インピーダンスを有し、もし、発生器が整合部212からの地点230において50オームを見ているならば、整合が設定されている。もし、動作時に、整合部212が地点230において10オームを示すならば、発生器210の50オームインピーダンスと、地点230における10オーム負荷との間には、もう整合は存在しない。このような例では、地点230における10オームは、通電グリッド108から見た、プラズマからの高反射性電力を表している。方向性結合器210aは、すると、不整合によって引き起こされる反射/順方向電力232を感知し、これは、調整器210bに提供される。50オーム及び10オームの例は、一例にすぎない。
【0062】
したがって、上記の例にしたがうと、反射/順方向電力232は、発生器210の周波数設定値を調整するために使用される。それゆえに、発生器210の周波数は、調整器210bによって反射/順方向電力232を読み取ることによって提供される調整に基づいて、動的に設定される。調整可能である発生器210の周波数を変化させることによって、発生器210のインピーダンスは、地点230における負荷に整合される。この実施形態では、したがって、通電グリッドは、低周波数である約2MHz付近の周波数で通電され、整合部の入力側における発生器210から見たインピーダンスに基づいて調節される。一実施形態では、調整は、処理時における負荷に応じ、発生器210の周波数を、約1.5MHから約2.5MHzの間に、より好ましくは約1.9MHzから約2.1MHzの間に設定する。一実施形態では、通電グリッド108に接続されたRF電源の周波数の設定値は、整合部から見た負荷に基づいて自動的に調節される。
【0063】
この自動調節は、プラズマエッチングチャンバ内の条件に基づいて、処理時に経時的に生じる。自動調節は、上方調節であってよい、下方調節であってよい、又は周期的に上げ下げされてよい。例えば、2MHz付近における或る調節範囲は、約0.01+/−MHzから約1.0+/−MHzの間、より好ましくは約0.05+/−MHzから約0.5+/−MHzの間であってよい。この調整は、一実施形態では、RF電力(周波数及びワット単位電力レベル)がTCPコイルのRF電力(周波数及びワット単位電力レベル)から完全に独立しているゆえに可能である。一実施形態では、通電グリッド108の調整は、周波数調整機能を備えた市販の発生器を使用して設定することができる。
【0064】
一実施形態では、RF発生器210は、低周波数における二峰性イオンエネルギ分布を参照にして言及されるのが通例である高いエネルギテールを使用して制御の向上を図るために、2MHz付近の低周波数で動作される。例えば、イオンエネルギ分布関数(IEDF)を参照すると、周波数が低いほど、得られる二峰性分布のエネルギは高くなることが知られている。この高いエネルギは、窓の内側を見ているプラズマシースに対して更なるエネルギを提供し、それによって窓表面への不揮発性副生成物の付着を減らすように窓付近におけるプラズマのDCバイアスを制御する働きをする。
【0065】
動作中は、プラズマチャンバ内で実施されているレシピに基づいて、設定周波数に追加して、通電グリッド108に印加される電力の設定値が選択される。レシピは、周知であるように、幾つかの要因と、実施されるべき所望のエッチング動作とによって決まる。要因の非限定的な例として、チャンバ圧力、化学剤、温度、及びRFコイルによって提供される電力などが挙げられる。追加の制御を1つ提供するために、具体的なレシピに基づいて、通電グリッド108に提供される具体的な電力値を設定することも望まれる。印加される電力が増すにつれて、設定周波数で送られるエネルギのIEDFプロフィールの大きさも増す。或いは、レシピで所望される設定値に応じて、印加される電力を減らしてエネルギの大きさを小さくすることができる。通電グリッド108に提供される電力の例は、約5Wから1000Wの間の範囲である。幾つかの例は、50Wから300Wの間の範囲、及び75Wから150Wの間の範囲で動作する。
【0066】
一実施形態では、TCP RFシステムからの効率的な電力蓄積を可能にするために、通電グリッド108のスロット(開口)(すなわち、基板207の上で金属被覆を提供されていないところ)の設計を調整することができる。一実施形態では、TCP RF電力は、プラズマを打ち出すために、約13.56MHzに設定される。一実施形態では、内コイル−外コイル電力蓄積パターンが、通電グリッドを提供されないときとできるだけ近い状態に維持することができるように、中心から縁までの全てのスロットによって占められる開口率を設計するにあたり、開口が実質的に均等であることが好ましいとされる。一実施形態では、中心の近く及び周辺における開口領域の割合(すなわち、金属材料を伴わない領域)は、50%を上回る程度であり、一方で、外径の近く及び周辺における領域では、開口領域の割合は、30%を下回る程度である。この例では、開口領域の割合は、中心の近くで大きく、半径が通電グリッド108の外縁に近づくにつれて徐々に増加する。この最適化は、一実施形態において、通電グリッド108を通り抜けることができる磁束の量及びしたがってプラズマ内に蓄積されるTCP電力が、開口の割合によって決定されるようになされるものである。
【0067】
また、通電グリッド108に印加される2MHz電力を調節することによって、現場内洗浄及び現場外洗浄を制御することも可能である。一実施形態では、現場内洗浄は、通常のウエハ処理中に誘電体窓を清浄に維持するために必要とされるグリッドへの電力が、かなり低くてすむ。しかしながら、現場外の場合は、現場内洗浄機能がオンにされていないときに、ウエハ処理中に誘電体窓の内表面上に既に蓄積された金属材料をスパッタリングによって取り除くために、更なる電力、すなわち、更に高いイオンエネルギを必要とする。また、約13.56MHz電力による処理のためのTCPプラズマ密度と、2MHzによる洗浄のためのイオンエネルギとを独立に制御することも可能である。一実施形態にしたがうと、TCPコイルにかかる13.56MHz電力は、容量結合されている2MHz電力よりも、プラズマ生成においては遥かにずっと効率的であり、一方で、2MHz電力は、誘電体窓の内表面に向かうイオンエネルギを増加させるためには遥かにずっと効率的であり、これは、窓を実質的に清浄に維持する働きをする。
【0068】
図8A〜8Cは、本発明の一実施形態にしたがった、通電グリッド108が装着されたときにチャンバに提供される制御の例を示している。
図8Aは、通電グリッド108にかかるRF電圧が、それ自身の電力によって独立に制御されることを示している。
図8Bは、通電グリッド108にかかるRF電圧が、TCCT比によって大きく影響されないことを示している。
図8Cは、通電グリッド108にかかるRF電圧が、PCP電力によって大きく影響されないことを示している。テスト条件は、非スイープ時において、アルゴンが200sccmで流され、チャンバ圧力が約10ミリトールに設定され、TCCTが約0.8に設定された状態で行われた。
【0069】
図9Aは、通電グリッド108を使用して実験がなされたときに、依然としてDCバイアスが対TCP電力で制御可能であることを示している。この実験は、通電グリッド108が約2MHz及び900Wに設定された状態で行われた。
図9Bは、通電グリッド108を使用して実験がなされたときに、DCバイアスがチャンバ圧力にも反応することを示している。この実験では、通電グリッド108は、2MHz及び750Wに設定された。選ばれたプロセスで所望されるレシピに応じて、通電グリッド108への電力の最適な設定値を識別するために、
図9A及び
図9Bのこれらの実験が行われ、データが収集された。実際は、システムのユーザが、レシピで所望されるプロセス条件に基づいて適切な印加電力を選択することを可能にするために、更に多くの実験が行われ、通電グリッド108の電力設定値範囲が特定される。
【0070】
図10A及び
図10Bは、通電グリッド108がシステムに接続されたときも、依然としてDCバイアスに対する制御が可能であることを示すデータを提供している。この制御が可能であるのは、通電グリッド108への電力が、RF TCPコイルの電力から独立しているからである。
図9A〜10Bに示されたデータは、窓にワイヤを取り付けられた100メガオームプローブを含むチャンバを動作させることによって収集された。
図11Bは、通電グリッド108が実装されたときのプラズマ密度のグラフを示している。この実験のためのテスト条件は、チャンバについて、TCP電力が500W、アルゴンが200sccm、SF6が50sccm、及びTCCTが1に設定された状態であった。
【0071】
上記に示された例で説明された通電グリッド108は、したがって、プラズマエッチング動作時における誘電体窓106の内側への副生成物の堆積を防ぐ又は制御するのに良く適している。通電グリッド108へのRF電力の独立制御は、TCP電力、圧力、及びその他の変数などの標準的なレシピ設定値を使用した、完全なプロセス制御及びレシピ制御を可能にする。このように、106におけるスタイル属性窓とTCPコイルとの間への通電グリッド108の装着は、特定のレシピで予期される性能の実現に必要とされる正常な動作又はプロセス設定値を妨げない。
【0072】
低周波数(すなわち、2MHz付近)の電力の独立制御は、誘電体窓106へのエッチング副生成物の蓄積の低減を所望の設定値によって助けることを可能にし、そうして何枚かのウエハの処理に必要とされる洗浄動作の回数を少なくする。また、上記のように、誘電体窓106へのエッチング副生成物の堆積を低減することによって、処理時におけるウエハ間の一貫性を確実に向上させるとともに、誘電体窓を洗浄するための停止回数を減らすことが可能である。要するに、平均チャンバ洗浄間隔時間(MTBC)を大幅に長くすることができる。
【0073】
本明細書で使用される、通電グリッド108へのRF電力の独立制御は、RFコイルによって提供される同じ電力に金属構造を接続する実施形態からこの構成を区別することを意図している。RFコイルによって提供される電力(TCP電力)は、したがって、通電グリッド108に提供される電力の設定値に関係なく制御される。
【0074】
本発明は、幾つかの実施形態の見地から説明されてきたが、当業者ならば、先の明細書を読むこと及び図面を検討することによって、様々な代替、追加、置き換え、及び均等物を認識するだろうことがわかる。したがって、本発明は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとして、このようなあらゆる代替、追加、置き換え、及び均等物を含むことを意図している。
例えば本発明には以下の適用例も含まれ得る。
[適用例1]プラズマ処理チャンバであって、
基板を受けるための静電チャックと、
前記チャンバの上部につながれた誘電体窓であって、その内側は、前記静電チャックの上方のプラズマ処理領域に面し、その外側は、前記プラズマ処理領域の外である、誘電体窓と、
前記誘電体窓の外側の上方に配置され、第1のRF電源に接続される内コイル及び外コイルと、
前記誘電体窓の前記外側と、前記内コイル及び外コイルとの間に配置され、前記第1のRF電源から独立している第2のRF電源に接続される通電グリッドと、
を備えるプラズマ処理チャンバ。
[適用例2]適用例1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記通電グリッドは、開口領域によって隔てられた複数の金属構造で画定される、プラズマ処理チャンバ。
[適用例3]適用例1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内コイル及び外コイルに接続される前記第1のRF電源は、変圧器結合プラズマ(TCP)電力を提供する、プラズマ処理チャンバ。
[適用例4]適用例1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記通電グリッドは、金属構造を伴った基板で画定される、プラズマ処理チャンバ。
[適用例5]適用例4に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記通電グリッドの前記基板は、前記誘電体窓の前記外側に接触している、プラズマ処理チャンバ。
[適用例6]適用例1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記第2のRF電源は、動作時に、前記チャンバ内のプラズマの負荷に整合するように周波数を調節可能である、プラズマ処理チャンバ。
[適用例7]適用例1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記通電グリッドは、中心に開口を有する円盤形状であり、前記中心の開口は、金属性であり、複数の伝導性スポークに接続されている、プラズマ処理チャンバ。
[適用例8]チャンバであって、
ケースと、
前記ケース内でウエハを支えるためのチャックと、
誘電体窓によって画定される前記ケースの上部と、
前記誘電体窓の上に配置される通電グリッドと、
前記通電グリッドの上に配置されるTCPコイルと、
前記TCPコイルとは独立に前記通電グリッドに接続されるRF電力と、
を備えるチャンバ。
[適用例9]適用例8に記載のチャンバであって、
前記通電グリッドは、開口領域によって隔てられた複数の伝導性構造を含む、チャンバ。
[適用例10]チャンバであって、
前記チャンバ内でウエハを支えるためのチャックと、
誘電体窓によって画定される前記チャンバの上部と、
前記誘電体窓の上に配置される通電グリッドと、
前記通電グリッドの上に配置されるTCPコイルと、
前記TCPコイルとは独立に前記通電グリッドに接続されるRF電力と、
を備えるチャンバ。
[適用例11]適用例10に記載のチャンバであって、
前記通電グリッドは、開口領域によって隔てられた複数の伝導性構造を含む、チャンバ。
[適用例12]適用例10に記載のチャンバであって、
前記通電グリッドに接続される前記RF電力は、前記TCPコイルに接続される前記RF電力から切り離されている、チャンバ。
[適用例13]プラズマエッチングチャンバ内でウエハを処理するための方法であって、
前記プラズマエッチングチャンバの上部誘電体窓の上に第1のRF電力を印加することであって、前記第1のRF電力は、内コイル及び外コイルに印加される、ことと、
前記プラズマエッチングチャンバの前記上部誘電体窓の上に第2のRF電力を印加することであって、前記第2のRF電力は、前記内コイル及び外コイルと前記誘電体窓との間に配置される通電グリッドに印加される、ことと、
前記第1のRF電力を前記第2のRF電力の設定とは独立に設定することであって、前記第2のRF電力によって印加される周波数及び電力レベルは、前記第1のRF電力によって印加される周波数及び電力レベルと異なる、ことと、
を備える方法。
[適用例14]適用例13に記載の方法であって、
前記第2のRF電力の周波数は、1.5MHzから2.5MHzの間の範囲の低周波数に設定され、前記プラズマエッチングチャンバ内で処理されるプラズマからの、前記通電グリッドから見た負荷に同調される、方法。
[適用例15]適用例13に記載の方法であって、
前記第2のRF電力のワット単位の電力レベルは、前記第1のRF電力のワット単位の電力レベルとは独立に調節可能である、方法。
[適用例16]適用例13に記載の方法であって、
前記第1のRF電力の周波数は、前記TCPコイルに印加されるときに約13.56MHzであるように設定される、方法。
[適用例17]適用例13に記載の方法であって、
前記通電グリッドは、前記誘電体窓の外表面を覆うように配置される、方法。
[適用例18]適用例17に記載の方法であって、
前記誘電体窓の前記外表面を覆うことは、前記通電グリッドの伝導性構造間に空間を画定することを含む、方法。
[適用例19]適用例13に記載の方法であって、
前記第2のRF電力は、前記プラズマエッチングチャンバ内における処理時に整合部から見た負荷に基づいて前記第2のRF電力の周波数を自動的に調節するための調整機能を有する、方法。
[適用例20]適用例19に記載の方法であって、
前記自動調節は、前記プラズマエッチングチャンバ内の条件に基づいて、処理時に経時的に動的に生じる、方法。