特許第6046128号(P6046128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6046128誘導結合プラズマ(ICP)リアクタ用動的イオンラジカルシーブ及びイオンラジカルアパーチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046128
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】誘導結合プラズマ(ICP)リアクタ用動的イオンラジカルシーブ及びイオンラジカルアパーチャ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20161206BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01L21/302 101C
   H05H1/46 L
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-513512(P2014-513512)
(86)(22)【出願日】2012年4月25日
(65)【公表番号】特表2014-522573(P2014-522573A)
(43)【公表日】2014年9月4日
(86)【国際出願番号】US2012034915
(87)【国際公開番号】WO2012166264
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年4月24日
(31)【優先権主張番号】61/491,679
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】シン サラブジート
(72)【発明者】
【氏名】スコット グラエム ジャミエソン
(72)【発明者】
【氏名】クマー アジャイ
【審査官】 溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−113007(JP,A)
【文献】 特開2004−165645(JP,A)
【文献】 実開平07−033972(JP,U)
【文献】 特開平11−149999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理領域を囲むチャンバ本体と、
処理領域内に配置され、基板受け面を有する基板支持体と、
基板受け面に対向するチャンバ本体の壁に配置されたプラズマ源と、
プラズマ源と基板受け面との間に配置されたイオンラジカルシールドと、
イオンラジカルシールドと基板受け面との間の可動アパーチャ部材であって、可動アパーチャ部材は中央アパーチャを含み、中央アパーチャは、可動アパーチャ部材と実質的に平行関係にある第2部材を支持するような輪郭の内壁を有する可動アパーチャ部材とを含むイオンエッチングチャンバ。
【請求項2】
可動アパーチャ部材は、基板受け面に向かって延びる縁部シールドに結合される請求項1記載のイオンエッチングチャンバ。
【請求項3】
可動アパーチャ部材可動アパーチャ部材と基板受け面との間の距離を変化させるように操作可能なリニアアクチュエータに結合される請求項1又は2記載のイオンエッチングチャンバ。
【請求項4】
イオンラジカルシールドは、可動アパーチャ部材を貫通して配置された複数のシールド支持体によって支持される請求項1〜3のいずれか1項記載のイオンエッチングチャンバ。
【請求項5】
リフトアセンブリが、可動アパーチャ部材とリニアアクチュエータの間に配置される請求項3又は4記載のイオンエッチングチャンバ。
【請求項6】
リフトアセンブリは、リフトリングと、可動アパーチャ部材が載置される複数のリフト支持体を含む請求項5記載のイオンエッチングチャンバ。
【請求項7】
シールド支持体は、可動アパーチャ部材とリフトリングの間に配置されたシールド支持リングから延びる請求項6記載のイオンエッチングチャンバ。
【請求項8】
処理領域を囲むチャンバ本体と、
処理領域内に配置され、基板受け面を有する基板支持体と、
基板受け面に対向するチャンバ本体の壁に配置されたプラズマ源と、
プラズマ源と基板受け面との間に配置されたイオンラジカルシールドと、
イオンラジカルシールドと基板受け面との間の可動アパーチャ部材であって、可動アパーチャ部材は、可動アパーチャ部材と基板受け面との間の距離を変化させるように操作可能なリニアアクチュエータに結合される可動アパーチャ部材と、
可動アパーチャ部材とリニアアクチュエータの間に配置されたリフトアセンブリであって、リフトアセンブリは、リフトリングと、可動アパーチャ部材が載置される複数のリフト支持体を含むリフトアセンブリとを含み、イオンラジカルシールドは、可動アパーチャ部材を貫通して配置された複数のシールド支持体によって支持され、シールド支持体は、可動アパーチャ部材とリフトリングの間に配置されたシールド支持リングから延び、リフト支持体は、シールド支持リングを貫通して延びるイオンエッチングチャンバ。
【請求項9】
基板支持体と、
基板支持体と対向するプラズマ源と、
プラズマ源と基板支持体の間に配置されたイオンフィルタと、
イオンフィルタと基板支持体の間に配置されたフォーカス板であって、フォーカス板は、フォーカス板の昇降を制御するように操作可能なリニアアクチュエータに結合されたフォーカス板と、
フォーカス板とリニアアクチュエータの間に配置されたリフトアセンブリであって、リフトアセンブリは、リフトリングと、フォーカス板が載置される複数のリフト支持体を含むリフトアセンブリとを含み、イオンフィルタは、フォーカス板を貫通して配置された複数のシールド支持体によって支持され、シールド支持体は、フォーカス板とリフトリングの間に配置されたバッフルから延び、リフト支持体は、バッフルを貫通して延びる半導体基板のプラズマ処理チャンバ。
【請求項10】
フォーカス板は、中央アパーチャを含む請求項9記載のチャンバ。
【請求項11】
中央アパーチャは、基板支持体の基板受け面よりも大きな面積を有している請求項10記載のチャンバ。
【請求項12】
アクチュエータは、イオンフィルタの近傍の第1位置から基板支持体の近傍の第2位置までフォーカス板を移動するのに十分なストローク長さを有る請求項12記載のチャンバ。
【請求項13】
チャンバと、
チャンバの一側に配置されたプラズマ源と、
プラズマ源の反対側に配置され、プラズマ源に対向するステージを有する基板支持体と、
プラズマ源と基板支持体の間に配置され、ステージと位置合わせされたイオンラジカルシールドの領域内に複数のアパーチャが形成されたイオンラジカルシールドであって、アパーチャが貫通して形成されたイオンラジカルシールドの領域は、ステージよりも大きな面積範囲を有するイオンラジカルシールドと、
イオンラジカルシールドと基板支持体の間に配置され、アパーチャが貫通して形成されたイオンラジカルシールドの領域と実質的に同じ大きさの中央アパーチャを有するアパーチャ板であって、アパーチャ板は、リフトリングと、リフトリングから延び、アパーチャ板に接触する複数のリフト支持体とによって、リニアアクチュエータに結合されたアパーチャ板を含み、イオンラジカルシールドは、アパーチャ板を貫通して配置された複数のシールド支持体によって支持され、シールド支持体は、アパーチャ板とリフトリングの間に配置されたシールド支持リングから延び、リフト支持体は、シールド支持リングを貫通して延びるプラズマエッチング装置。
【請求項14】
チャンバと、
チャンバの一側に配置されたプラズマ源と、
プラズマ源の反対側に配置され、プラズマ源に対向するステージを有する基板支持体と、
プラズマ源と基板支持体の間に配置され、ステージと位置合わせされたイオンラジカルシールドの領域内に複数のアパーチャが形成されたイオンラジカルシールドであって、アパーチャが貫通して形成されたイオンラジカルシールドの領域は、ステージよりも大きな面積範囲を有するイオンラジカルシールドと、
イオンラジカルシールドと基板支持体の間に配置され、アパーチャが貫通して形成されたイオンラジカルシールドの領域と実質的に同じ大きさの中央アパーチャを有するアパーチャ板であって、アパーチャ板は、リフトリングと、リフトリングから延び、アパーチャ板に接触する複数のリフト支持体とによって、リニアアクチュエータに結合され、アパーチャ板は、少なくとも6インチの外径を有する円盤を含み、中央アパーチャは矩形形状であり、アパーチャと実質的に平行関係にある第2部材を支持するような輪郭の内壁を有し、円盤の周辺部に複数の穴が形成され、円盤は石英又はセラミックスを含むアパーチャ板とを含むプラズマエッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本明細書内に記載される実施形態は、半導体製造方法及び装置に関する。より具体的には、基板のエッチング方法及び装置が開示されている。
【背景】
【0002】
パターンエッチングは、半導体製造の定番となっている。基板は一般に、基板の表面にパターンをエッチングする反応性イオン及び中性粒子のプラズマに曝露される。このようなプロセスは、典型的には、その後半導体基板のフォトリソグラフィパターニングで使用される基板内にパターンをエッチングするために使用される。基板は通常、片側にクロム及び/又はモリブデンをドープした窒化ケイ素の層を備えたガラス又は石英である。層は、反射防止コーティング及び感光性レジストで覆われ、パターニングされたUV光への露光によってパターニングされる。レジストの露光部分を溶解して、下地のクロム層がプラズマエッチングによりパターニングされる。
【0003】
プラズマエッチングの際、プラズマは一般的に、基板に隣接して形成される。プラズマからの反応性イオン及びラジカルは、基板表面と反応して、表面から材料を除去する。基板表面上のある位置における材料除去又はエッチングの速度は、その場所に隣接する反応種の濃度に比例する。マイクロローディング、アスペクト比の変化、プラズマ効果、及びチャンバ効果のために、基板の表面全域に亘る反応種の濃度の均一性は、しばしばばらつき、基板全域に亘るエッチングレートのばらつきをもたらす。多くの場合、エッチング速度は、基板の中心付近でより高く、周辺部付近でより低く観察される。
【0004】
エッチング速度の均一性に対処する従来の方法は、エッチング速度制御の化学的方法、前駆体の温度及びプラズマの熱プロファイルを制御する熱的方法、及びチャンバ内の異なる位置に配置された電極を備えた電磁的方法を含む。しかしながら、動的に調節可能な方法で、プラズマの密度分布に影響を与える方法及び装置の必要性が、依然として存在する。
【概要】
【0005】
本明細書に記載される実施形態は、可動アパーチャを有するイオンエッチングチャンバを用いて基板をエッチングする装置及び方法を提供する。イオンエッチングチャンバは、処理領域を囲むチャンバ本体と、処理領域内に配置され、基板受け面を有する基板支持体と、基板受け面に対向するチャンバ本体の壁に配置されたプラズマ源と、プラズマ源と基板受け面との間に配置されたイオンラジカルシールドと、イオンラジカルシールドと基板受け面との間の可動アパーチャ部材を含む。可動アパーチャ部材は、リフトリングとリフト支持体を含むリフトアセンブリによって、リフトリングからアパーチャ部材まで駆動される。イオンラジカルシールドは、アパーチャ部材を貫通して配置されたシールド支持体によって支持される。アパーチャの大きさ、形状、及び/又は中心軸の位置は、インサートを使用して変更することができる。
【0006】
リフトリングは、リニアアクチュエータによって駆動し、これによってアパーチャ部材を基板支持体上に配置された基板のより近くに、又は基板からより遠くに移動することができる。本明細書内に記載される基板処理方法は、イオンエッチングチャンバのイオンラジカルシールドと基板受け面の間にアパーチャ部材を配置する工程と、基板受け面のより近くに、又は基板受け面からより遠くにアパーチャ部材を移動することによって、基板受け面近くの反応種の密度プロファイルを制御する工程を含む。
【0007】
別の一実施形態では、リフトリングは、アパーチャ部材のより近くに、又はアパーチャ部材からより遠くにイオンラジカルシールドを移動するためにイオンラジカルシールドに結合することができ、一方、アパーチャ部材は固定部材から支持される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1】一実施形態に係る処理チャンバの概略側断面図である。
図2】一実施形態に係るアパーチャアセンブリの部分斜視図である。
図3A】〜
図3C】様々な処理位置におけるアパーチャアセンブリを示す側断面図である。
図4A】一実施形態に係るアパーチャ部材の上面図である。
図4B】別の一実施形態に係るアパーチャ部材の側断面図である。
図5】別の一実施形態に係る処理チャンバの側断面図である。
【0009】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。一実施形態で開示された要素を、特に説明することなく、他の実施形態で有益に利用してもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0010】
本明細書内に記載される実施形態は、可動アパーチャ部材を用いて基板をエッチングするための方法及び装置を提供する。図1は、一実施形態に係る処理チャンバ100の概略側断面図である。本明細書に開示された教示における使用に適合可能な適切な処理チャンバは、例えば、Decoupled Plasma Source(DPS(商標名))IIリアクタ、又は基板エッチングシステムのTetra(商標名)ファミリーを含み、これらすべてがカリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアル社(Applied Materials, Inc.)から入手可能である。本明細書内で図示される処理チャンバ100の特定の実施形態は、例示の目的のために提供され、本発明の範囲を制限するために使用されるべきではない。なお、本発明は、他の製造業者によるものを含めた他のプラズマ処理チャンバで使用可能であることが理解される。
【0011】
処理チャンバ100は、概して、チャンバ壁102及びチャンバ蓋104によって画定された処理容積106を含む。処理チャンバ100は、処理容積106内にプラズマを供給する又はプラズマを発生させるためのプラズマ源122を含む。プラズマ源122は、処理容積106内に誘導結合プラズマを発生させるためのチャンバ蓋104の上方に配置されたアンテナ110を含むことができる。アンテナ110は、1以上の同軸コイル部110a、110bを含むことができる。アンテナ110は、整合回路網114を介してプラズマ電源112に結合することができる。
【0012】
支持アセンブリ108は、凸部130上で処理される基板1を支持するために、処理容積106内に配置される。凸部130は、処理容積106内の所望の位置に基板1を位置決めするためのステージとして機能することができる。凸部130の上面182は基板受け面として機能する。支持アセンブリ108は、電気接続部128によってチャック電源126に接続される少なくとも1つのクランプ電極118を有する静電チャック116を含むことができる。支持アセンブリ108は、他の基板保持機構(例えば、サセプタクランプリング、メカニカルチャック、真空チャックなど)を含むことができる。支持アセンブリ108は、温度制御用のヒータ電源120及びヒートシンク129に結合された抵抗ヒータ124を含むことができる。
【0013】
チャック電源126は、いくつかの実施形態では、RF発生器とすることができるので、インピーダンス整合回路127がチャック電源126とクランプ電極118の間に介在してもよい。チャック電源126からのバイアス電力又はプラズマ電源112からのソース電力又はその両方は、パルス状又は連続とすることができる。チャック電源126及び/又はプラズマ電源112は、周波数が約1kHz〜約10kHzで、デューティサイクルが約10%〜約90%、最小パルス持続時間が約10μsecのパルス状のRF電力を供給するように動作可能である。整合回路114及び/又は整合回路127は、約50Ωの負荷で安定したプラズマを供給するように動作可能であってもよい。
【0014】
支持アセンブリ108は、凸部130と外部搬送装置(外部ロボットなど)の間で基板1を搬送するためのアダプタ134も含む。アダプタ134は、静電チャック116の上に配置され、凸部130が貫通することができる穴136を有することができる。アダプタ134は、リフト機構138に結合された複数のリフトピン140によって静電チャック116から持ち上げることができる。典型的なアダプタは、「Mask Etch Processing Apparatus(マスクエッチング処理装置)」と題される米国特許第7,128,806号に記載されている。
【0015】
処理チャンバ100は、支持アセンブリ108の上方に配置されたイオンラジカルシールド142を含むこともできる。イオンラジカルシールド142は、チャンバ壁102及び支持アセンブリ108から電気的に分離することができる。イオンラジカルシールド142は、複数の貫通孔148と、平板146を支持し、平板146を支持アセンブリ108の上方に一定距離で位置決めする複数のシールド支持体150を有する実質的な平板146を含む。複数のシールド支持体150は、静電チャック116、アダプタ134又はバッフル156の上に配置することができる。複数の貫通孔148は、平板146の開放領域152に閉じ込めることができる。開放領域152は、処理容積106の上部容積154内に形成されたプラズマからイオンラジカルシールド142と支持アセンブリ108の間に位置する下部容積144へと通過するイオンの量を制御する。貫通孔148によって覆われる面積範囲は、上面182の面積範囲より大きくてもよい。例示的なイオンラジカルシールドは、「Method and Apparatus for Substrate Plasma Etching(基板のプラズマエッチングのための方法及び装置)」と題される米国特許第7,909,961号に見出すことができる。
【0016】
ガスパネル158は、処理容積106に向かって1以上の処理ガスを供給するための入口160に接続される。真空ポンプ164は、スロットルバルブ162を介して処理容積106に結合される。バッフル156は、スロットルバルブ162の上流の支持アセンブリ108の周りに配置することができ、これによって処理容積162内での均一な流量分布を可能にし、コンダクタンスの非対称性を補償する。
【0017】
アパーチャアセンブリ166は、リフトリング172に結合された複数のリフト支持体170(支持ピンであってもよい)の上に、イオンラジカルシールド142と支持アセンブリ108の間で支持されるアパーチャ部材168を含む。アパーチャ部材168は、アパーチャ部材と、凸部130の上面182との間の処理ゾーン145から下部容積144を分離する。シャフト174を介してリフトリング172に結合されたリニアアクチュエータなどのアクチュエータ176(例えば、油圧シリンダ、空気圧シリンダ又は電動スクリューアクチュエータ)は、アパーチャ部材168を支持アセンブリ108のより近くに、又は支持アセンブリ108からより遠くに動かす。アパーチャ部材168の移動は、支持アセンブリ108上の基板近くの反応種の分布を調整する。
【0018】
縁部シールド188は、アパーチャ部材168に結合することができる。縁部シールド188は、概して、アパーチャ部材168を越えて支持アセンブリ108に向かって延長部を有する環状部材である。縁部シールド188の延長部は、アパーチャ部材168の周りを支持アセンブリ108及び載置された任意の基板へと流れる処理ガスを防ぐことができる。
【0019】
アパーチャ部材168は、アパーチャ部材168の中央領域にアパーチャ178が形成されており、これを通して処理ガスが基板1に接触するように流れる。アパーチャは、基板1の対応する寸法よりも大きい寸法を有するように図1に示されているが、いくつかの実施形態では、アパーチャの寸法は、基板1の対応する寸法よりも小さいか、又は基板1の対応する寸法と同じ大きさであることが可能である。アパーチャの寸法及びその基板までの近さは、基板表面全域に亘る反応種の分布に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、アパーチャ部材168は、凸部130の上面182に所望の分布に反応種を集めるフォーカス板であってもよい。
【0020】
リフトリング172は、支持アセンブリ108の半径方向外方の処理容積106内に配置される。リフトリング172は、シャフト174の上に実質的に水平姿勢に取り付けられる。シャフト174は、アクチュエータ176によって駆動され、処理容積106内でリフトリング172を上下に移動させる。3以上のリフト支持体170は、リフトリング172から上方に延び、アパーチャ部材168を支持アセンブリ108の上方に位置決めする。3以上のリフト支持体170は、アパーチャ部材168をリフトリング172に固定して取り付ける。アパーチャ部材168は、処理容積106内でリフトリング172と共に上下に移動し、これによってアパーチャ部材168は、基板1の上方に所望の距離で位置決めすることができ、及び/又は基板1を搬送するためにアパーチャ部材168と支持アセンブリ108の間の処理容積106に外部基板ハンドリング装置が入ることができる。
【0021】
3以上のリフト支持体170は、処理チャンバ100内外に基板1を搬送可能となるように配置することができる。一実施形態では、3以上のリフト支持体170の各々は、イオンラジカルシールドを支持する複数のシールド支持体150の1つの近くに配置して、これによって基板1へのアクセスを最大化することができる。
【0022】
アパーチャ部材168は、チャンバ壁102の内側寸法と実質的に類似のサイズの平面板であり、これによってアパーチャ部材168は処理容積106内で処理ガス又はプラズマの下向きの流れを遮断することができる。一実施形態では、チャンバ壁102は円筒形であり、アパーチャ部材168はチャンバ壁102の内径よりもわずかに小さい外径を有する円盤であることができる。アパーチャ178は、静電チャック116の凸部130と位置合わせされ、基板1と実質的に平行に位置決めすることができる。アパーチャ178は、処理ガス又は活性種に対して制限された経路を提供し、基板1が配置される凸部130に向かって下方へと流し、こうして基板1のプラズマへの曝露を制御する。
【0023】
アパーチャ部材168のアパーチャ178は、図5Bに関連してより詳細に説明されるように、第2部材(インサートなど)を支持するために輪郭形成可能な縁部179を有する。輪郭の断面形状は、面取り、曲面、又は階段状のいずれであってもよい。縁部179の輪郭は、イオンラジカルシールド142に対向しており、これによってアパーチャ部材168と実質的に平行な関係でアパーチャ178内に第2部材を支持することができる。縁部179が面取りを有する一実施形態では、面取りは、アパーチャ部材168の面を基準にして、約75°までの任意の角度で機械加工された直線斜面であることができる。他の実施形態では、面取りは、必要に応じて、曲面又はファセットとすることができる。いくつかの実施形態では、縁部179は、面取り部分及び直線部分によって、部分的に面取りされてもよい。例えば、イオンラジカルシールド142に対向するアパーチャ部材168の表面に近接した縁部179の第1部分は面取りされ、一方、凸部130の上面182に対向するアパーチャ部材168の表面に近接した縁部179の第2部分は直線(すなわち、上面182に対して実質的に直角)であることができる。このような部分的に面取りされた縁部は、アパーチャ部材168によって入れ子にされた一定寸法のインサートの安定性を向上させることができる。
【0024】
アパーチャ178の形状は、処理される基板1の形状と実質的に同様とすることができる。アパーチャ178は、基板1の上面112よりもわずかに大きくして、基板1の表面全域に亘る反応種の分布に影響を及ぼすのに適したプロセスウィンドウを提供することができる。例えば、アパーチャ178は、約6×6インチよりも大きくてもよい。アパーチャ部材168と凸部130の上面182との間の距離180は、基板1が所望のプラズマ曝露を達成するように調整することができる。
【0025】
リフトリング172を操作することによって、アパーチャ部材168は、イオンラジカルシールド142の下方かつ支持アセンブリ108の上方に移動可能に配置することができる。アパーチャ部材168は複数の穴184を有することができ、これによってイオンラジカルシールド142の平板146を支持する複数のシールド支持体150を収容することができる。穴184は、貫通孔、切欠き、ノッチ、又はアパーチャ部材168がシールド支持体150に影響を与えることなく自由に移動可能なように形成された他の種類の穴であってもよい。
【0026】
処理中、プラズマは通常、処理容積106内で形成される。プラズマ中の種(例えば、ラジカルやイオン)は、平板146及びアパーチャ部材168のアパーチャ178を通って基板1へと通過する。アパーチャ部材168は、下部容積144から処理領域145までのラジカル及びイオンのための流れ経路を作ることによって、基板1の上面近傍のラジカル及びイオンの分布を制御する。アパーチャ178を通過した種が、基板1の縁部及び/又は側部に到達しないように、アパーチャ178を形作る及び/又は配置することができる。アパーチャ178はまた、基板1の全面に亘って活性種の密度を制御するように形作り、大きさに作り、及び/又は配置することもできる。一実施形態では、アパーチャ部材168を基板1よりもイオンラジカルシールド142により近く配置することによって、基板1の中央領域近傍の活性種密度を低減し、基板の周辺領域近傍の密度を増加させることができる。
【0027】
アパーチャ部材168は、処理化学物質と相性の良い材料から形成することができる。一実施形態では、アパーチャ部材168は、石英やセラミックス(とりわけ、アルミナ、イットリア(酸化イットリウム)、K140(京セラから入手可能な独自材料)など、これらの組み合わせ及び合金を含む)から形成することができる。アパーチャ部材168は、いくつかの実施形態では、コーティングされてもよい。セラミックスコーティングされた金属材料(例えば、蒸着又は溶射されたセラミックスコーティング(例えば、アルミナ(Al)又はイットリア(Y))でコーティングされた陽極酸化アルミニウム又はアルミニウム)が、有用であるかもしれない。
【0028】
アパーチャ部材168は、チャンバから電気的に分離することができ、又は必要に応じてバイアス電圧を供給するために、又はプラズマ処理への曝露からの電圧の蓄積を除去するために通電することができる。電気的接続181は、電圧蓄積を除去するために、チャンバ壁102などの接地経路を設けることができる。スイッチなどの制御素子(図示せず)が設けられてもよい。電気的接続181に電源を結合することによって、バイアス電圧をアパーチャ部材168に印加することができる。RF源177は、インピーダンス整合回路でもある又はインピーダンス整合回路を含むこともできるフィルタ回路183と共に、図1に示される。アパーチャ部材168にバイアスを掛けるために、電気的接続181は、一般に、アパーチャ部材168の導電部(例えば、アパーチャ部材168がセラミックスコーティングされた金属部材である場合は、金属部分)に結合される。
【0029】
図2は、チャンバ蓋104、チャンバ壁102、及び支持アセンブリ108を除去した、一実施形態に係るアパーチャアセンブリ266の部分斜視図である。
【0030】
複数のリフト支持体170がバッフル156を貫通し、これによってアパーチャ部材168をバッフル156と平板146の間に位置決めしている。複数の貫通孔184は、バッフル156の上に平板146を支持するシールド支持体150を収容する。シールド支持体150及びリフト支持体170を千鳥配置にすることによって、アパーチャ部材168は、バッフル156及び平板146から独立して移動することができる。
【0031】
アパーチャ部材168は、リフトリング172によって上下方向に移動される。リフトリング172は、側部延長部202を有するリング状本体204を含むことができる。リング状本体204は、支持アセンブリ108(図1)を囲むのに十分な大きさの内側穴206を有する。側部延長部202は、リング状本体204から半径方向外側に配置される。側部延長部202によって、リフトループ172は、側部からアクチュエータに接続することができる。側部駆動配置によって、リフトリング172及びアパーチャ部材168は、バッフル156及びイオンラジカルシールド142の平板146とは別の駆動機構を有することができ、これによって処理チャンバ100のプロセスの柔軟性を向上させることができる。
【0032】
アパーチャ部材168は、支持アセンブリ108(図1)の上方の異なる距離に配置することができ、これによって基板1の表面全域に亘って活性種の分布を制御し、及び/又は、基板1及び他のチャンバ部品の移動を可能にする。
【0033】
図3Aは、下方処理位置におけるアパーチャ部材168を示す側断面図である。下面306は、支持アセンブリ108の凸部130の上方のある距離302に配置される。下方処理位置において、処理される基板1の近くにアパーチャ部材168を配置することによって、距離302は約1.0インチ未満(例えば、約0.4インチ〜約0.6インチ(例えば、約0.42インチ))になる。下方処理位置では、アパーチャ部材168は、アパーチャ178を通って流れるラジカル及びイオンが横方向に広がることを抑制し、基板1全域に亘る活性種の相対的に均一な密度をもたらす。
【0034】
図3Bは、上方処理位置におけるアパーチャ部材168を示す側断面図である。下面306は、支持アセンブリ108の凸部130の上方のある距離304に配置される。上方処理位置では、アパーチャ部材168は、アパーチャ178を通って流れるラジカル及びイオンが、基板1に接触する前に横方向に広がることを可能にする。ラジカル及びイオンが横方向に広がるので、基板1の周辺部近傍の活性種の密度は、基板1の中心部付近の活性種の密度よりも低くなる。こうして、アパーチャ部材168と基板1との間の距離を調整することによって、基板1近傍の活性種の密度分布を制御することができる。上方処理位置では、距離302は、少なくとも約1.5インチ(例えば、約1.6インチ〜約2.2インチ(例えば、約2.1インチ))とすることができる。
【0035】
図3Cは、基板1を支持アセンブリ108へ、及び支持アセンブリ108から搬送することができるような搬送位置におけるアパーチャ部材168を示す側断面図である。リフトリング172及びアパーチャ部材168は上昇され、これによってアパーチャ部材168と凸部130の間に基板搬送用の空間を作る。
【0036】
また、アパーチャ部材168と凸部130の間の距離を、処理中又は連続する基板の処理の間に動的に調整し、これによって各基板に対して最適な反応種の均一性を達成することができる。アパーチャ部材168と凸部130の間の距離が最大化される場合、中心部のエッチング速度と周辺部のエッチング速度の差が最大化され、距離が最小化される場合、エッチング速度の差が最小化される。この機能は、エッチング速度の均一性におけるパターン効果を補償するために使用することができる。
【0037】
図4Aは、アパーチャ部材168の上面図である。図4Bは、アパーチャ部材168の側断面図である。アパーチャ部材168は、平面円盤状本体402を有する。平面円盤状本体402は、円筒状の側壁を有する処理チャンバで使用するために円形であることができる。アパーチャ178は、平面円盤状本体402の中央領域を貫通して形成される。アパーチャ178は、正方形の基板1を処理するために正方形であることができる。アパーチャは、概して、プラズマチャンバ内で処理される基板の形状に沿うように形成される。アパーチャ178は、本明細書内に記載される実施形態では面取りされている内壁404によって画定されるが、他の実施形態では、実質的に垂直であってもよい。一実施形態では、アパーチャ178の大きさは、基板1の大きさよりもやや大きくてもよく、これによって基板1は図4Aのアパーチャ178を通して見ることができる。例えば、アパーチャ178のサイズは、6×6インチよりもわずかに大きくてもよい。処理中に、アパーチャ178は、基板1と同軸に位置合わせされるように構成され、これによって基板1の均一な処理を提供する。なお、必要に応じて、アパーチャ178は、基板1の中心軸からずれていてもよく、これによって基板1の中心に対して対称ではない濃度プロファイルを達成することができることに留意すべきである。
【0038】
一実施形態では、3以上の貫通孔184が平面円盤状本体402の外周に沿って形成される。貫通孔184は、イオンラジカルシールド142用のシールド支持体150を収容するように構成される。支持機能(例えば、リフト支持体170)は、場所406において平面円盤状本体402に取り付けることができる。あるいはまた、場所406は支持部材(例えば、リフト支持体170)を受けるように用いられる凹部であってもよい。場所406は、貫通孔184に隣接して配置することができ、これによって隣のリフト支持体170との間の空間を通して基板1を搬送することができる。
【0039】
なお、アパーチャ部材168及びアパーチャ178は、チャンバの形状及び基板の形状に応じてそれぞれ異なる形状を有してもよいことに留意すべきである。
【0040】
図4Bを参照すると、1以上のリング状インサート408が、アパーチャ部材168と共に使用される場合がある。インサート408は、アパーチャ178の寸法、及びアパーチャ178の輪郭壁179に嵌合する輪郭の外縁よりもわずかに大きい外側寸法を有し、これによってインサート408及びアパーチャ部材168が平行な嵌合方向にあるときに、インサート408はアパーチャ178を通過できない。インサート408は、アパーチャ178の輪郭縁部179上に載置され、これによってアパーチャ178のサイズを小さくし、アパーチャ178の形状及び/又は中心軸の位置を潜在的に変化させる。
【0041】
様々なインサート408は、異なる大きさのアパーチャを有し、必要に応じて、複数のインサート408が使用されてもよく、これによってアパーチャの大きさ、形状、及び/又は中心軸の位置を変化させることができる。例えば、第1インサートは、アパーチャ部材168のアパーチャ178の寸法よりも小さい約1/8インチ〜約1/4インチの第1アパーチャを有することができる。第2インサートは、第1アパーチャよりも小さい約1/8インチ〜約1/4インチの第2アパーチャを有することができ、第1アパーチャ内に入れ子にできる。必要に応じて、最大約5つのインサートをアパーチャ部材178のアパーチャ168内に入れ子にでき、これによってアパーチャの大きさを約3インチまで削減できる。1以上のインサートを用いてアパーチャの面積を変化させることは、主要なチャンバ部品を変更するためにチャンバの運転を休止する必要なく、異なる基板及びチャンバ用にアパーチャ部材168の性能を調整するために使用することができる制御法を追加する。
【0042】
図5は、別の一実施形態に係る処理チャンバ500の概略側断面図である。図5の実施形態は、図1の実施形態とほぼ同様であるが、図5のアパーチャ部材568は、基板1よりも小さいアパーチャ578を有しており、図1のリフト支持体170及びシールド支持体184は、図5ではリフト支持体570及びシールド支持体584に交換されている。リフト支持体570はイオンラジカルシールド146をリフトリング172に結合し、一方、アパーチャ支持体584はアパーチャ部材568をアダプタ134から支持する。図5の実施形態では、イオンラジカルシールド146は、基板1のより近くに、又は基板1からより遠くに移動することができ、一方、アパーチャ部材568は基板1に対して静止したままである。
【0043】
図5の実施形態は、基板1の表面全域に亘る反応種の分布を制御する別の方法を採用している。イオンラジカルシールド142がアパーチャ部材568に対して移動されるので、アパーチャ578を通過する反応種の密度プロファイルが変化し、基板1に変化した密度プロファイルをもたらす。なお、アパーチャ部材568とイオンラジカルシールド146の両方が駆動される実施形態が考慮されていることに留意すべきである。
【0044】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5