特許第6046488号(P6046488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6046488データ通信システム、半導体装置及びデータ通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046488
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】データ通信システム、半導体装置及びデータ通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20161206BHJP
   H04L 29/08 20060101ALI20161206BHJP
   H04L 29/10 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
   H04L13/00 307Z
   H04L13/00 309C
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-287841(P2012-287841)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-131178(P2014-131178A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 博次
【審査官】 衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−175265(JP,A)
【文献】 特開2002−135288(JP,A)
【文献】 特開平11−088384(JP,A)
【文献】 特開2012−209881(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0067496(US,A1)
【文献】 特開2009−059104(JP,A)
【文献】 特開平11−136677(JP,A)
【文献】 特開2006−72899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04L 29/08
H04L 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2情報処理装置を含むデータ通信システムであって、
前記第1情報処理装置は、所定データ処理の実行を要求する要求信号を間欠的に生成する第1コントローラと、前記要求信号の1に応じて前記第1コントローラに対して擬似応答を行うと共に前記要求信号を前記第2情報処理装置に送信する第1通信インタフェース部と、を含み、
前記第2情報処理装置は、前記要求信号の1を受信してこれに応じて前記所定データ処理を為しその完了を待って応答データを生成する第2コントローラと、前記応答データを前記第1情報処理装置に送信する第2通信インタフェース部と、を含み、
前記第1通信インタフェース部は、受信した前記応答データをメモリに格納すると共に、前記メモリへの前記応答データの格納完了後に前記第1コントローラで生成された前記要求信号に応じて前記メモリから前記応答データを読み出しこれを前記第1コントローラに供給することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
前記第2通信インタフェース部は、前記応答データを繰り返し前記第1情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
【請求項3】
前記所定データ処理は、前記第2コントローラで取得した情報データを読み出す読出処理であり、
前記応答データは前記情報データであることを特徴とする請求項1又は2記載のデータ通信システム。
【請求項4】
前記所定データ処理は、前記第2コントローラに対するデータの書込処理であり、
前記応答データは前記書込処理が正常に為されたか否かを示す書込結果通知データであることを特徴とする請求項1又は2記載のデータ通信システム。
【請求項5】
前記第1情報処理装置及び前記第2情報処理装置間で前記応答データ及び前記要求信号の伝送を行う伝送ケーブルを含み、
前記第1情報処理装置は、前記第2情報処理装置を動作させる為の直流の電源電圧を生成しこれを前記伝送ケーブルに印加する電源電圧生成供給手段を更に含み、
前記第2情報処理装置は、前記伝送ケーブルから前記電源電圧を導出する電源電圧導出手段を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のデータ通信システム。
【請求項6】
互いに双方向でデータ通信を行う第1及び第2情報処理装置を含む半導体装置であって、
前記第1情報処理装置は、所定データ処理の実行を要求する要求信号を間欠的に生成する第1コントローラと、前記要求信号の1に応じて前記第1コントローラに対して擬似応答を行うと共に前記要求信号を前記第2情報処理装置に送信する第1通信インタフェース部と、を含む第1半導体チップからなり、
前記第2情報処理装置は、前記要求信号の1を受信してこれに応じて前記所定データ処理を為しその完了を待って応答データを生成する第2コントローラと、前記応答データを前記第1情報処理装置に送信する第2通信インタフェース部と、を含む第2半導体チップからなり、
前記第1通信インタフェース部は、受信した前記応答データをメモリに格納すると共に、前記メモリへの前記応答データの格納完了後に前記第1コントローラで生成された前記要求信号に応じて前記メモリから前記応答データを読み出しこれを前記第1コントローラに供給することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
前記第2通信インタフェース部は、前記応答データを繰り返し前記第1情報処理装置に送信することを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1情報処理装置及び前記第2情報処理装置間で前記応答データ及び前記要求信号の伝送を行う伝送ケーブルを含み、
前記第1情報処理装置は、前記第2情報処理装置を動作させる為の直流の電源電圧を生成しこれを前記伝送ケーブルに印加する電源電圧生成供給手段を更に含み、
前記第2情報処理装置は、前記伝送ケーブルから前記電源電圧を導出する電源電圧導出手段を更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置。
【請求項9】
所定データ処理の実行を要求する要求信号を間欠的に生成するコントローラを備えた第1情報処理装置、及び前記所定データ処理を行う第2情報処理装置間で為されるデータ通信方法であって、
前記第1情報処理装置は、前記要求信号の1に応じて前記コントローラに対して擬似応答を行うと共に、前記要求信号の1を前記第2情報処理装置に送信した際に前記第2情報処理装置から返信されてきた応答データをメモリに格納し、
前記メモリへの前記応答データの格納完了後に前記第1コントローラで生成された前記要求信号に応じて前記メモリから前記応答データを読み出しこれを前記コントローラに供給することを特徴とするデータ通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答時間が規格化されている通信インタフェースを用いて情報機器間でデータ通信を行うデータ通信システム、かかるデータ通信システムで用いられる通信インタフェース装置が形成されている半導体装置、及びそのデータ通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、このような通信インタフェースとして、IC(Inter-Integrated Circuit)通信インタフェースが知られている。IC通信インタフェースを利用して、例えば第1の情報機器が第2の情報機器に対して、情報データの読出しを要求する場合、第2の情報機器は、この読出要求に応じて、規定の応答期間内にその要求された情報データを第1の情報機器側に送信しなければならない。ところが、第2の情報機器側において、要求された情報データを取得するまでに費やされるアクセス時間が大となる場合には、規定応答期間内にその情報データを第1の情報機器側に送信することができなくなる。よって、この際、第1の情報機器は、規定応答期間内に第2の情報機器側からの返答が無いことからタイムアウトとなり、再度、読出要求を行う、或いは一旦回線を遮断する等の回避処理に移行することになる。
【0003】
従って、第1の情報機器側から読出要求のあった情報データを第2の情報機器が取得するまでに費やすアクセス時間が大となる場合には、第1の情報機器は、この情報データを取得出来ない虞があった。
【0004】
そこで、情報データの読出要求に対して規定応答期間内にその要求された情報データを送信することができない場合には、この規定応答期間内にダミーの応答信号を送信しておくことにより、回線遮断を回避するようにした通信システムが提案された(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、かかる通信システムによると、読出要求元の情報機器は、情報発信元の情報機器側から所望の情報データが送られてくるまで待避していなければならない。よって、この間、読出要求元の情報機器は他の処理を行うことが不可となるので動作効率が低いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−130586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、上記問題点を解決すべく為されたものであり、データ通信を行う情報処理装置の動作効率を低下させることなく、応答期間が規定されている通信インタフェースを介して所望の情報データを伝送することが可能なデータ通信システム、通信インタフェース装置が形成されている半導体装置、及びデータ通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るデータ通信システムは、第1及び第2情報処理装置を含むデータ通信システムであって、前記第1情報処理装置は、所定データ処理の実行を要求する要求信号を間欠的に生成する第1コントローラと、前記要求信号の1に応じて前記第1コントローラに対して擬似応答を行うと共に前記要求信号を前記第2情報処理装置に送信する第1通信インタフェース部と、を含み、前記第2情報処理装置は、前記要求信号の1を受信してこれに応じて前記所定データ処理を為しその完了を待って応答データを生成する第2コントローラと、前記応答データを前記第1情報処理装置に送信する第2通信インタフェース部と、を含み、前記第1通信インタフェース部は、受信した前記応答データをメモリに格納すると共に、前記メモリへの前記応答データの格納完了後に前記第1コントローラで生成された前記要求信号に応じて前記メモリから前記応答データを読み出しこれを前記第1コントローラに供給する。
【0009】
また、本発明に係る半導体装置は、互いに双方向でデータ通信を行う第1及び第2情報処理装置を含む半導体装置であって、前記第1情報処理装置は、所定データ処理の実行を要求する要求信号を間欠的に生成する第1コントローラと、前記要求信号の1に応じて前記第1コントローラに対して擬似応答を行うと共に前記要求信号を前記第2情報処理装置に送信する第1通信インタフェース部と、を含む第1半導体チップからなり、前記第2情報処理装置は、前記要求信号の1を受信してこれに応じて前記所定データ処理を為しその完了を待って応答データを生成する第2コントローラと、前記応答データを前記第1情報処理装置に送信する第2通信インタフェース部と、を含む第2半導体チップからなり、前記第1通信インタフェース部は、受信した前記応答データをメモリに格納すると共に、前記メモリへの前記応答データの格納完了後に前記第1コントローラで生成された前記要求信号に応じて前記メモリから前記応答データを読み出しこれを前記第1コントローラに供給する。
【0010】
また、本発明に係るデータ通信方法は、所定データ処理の実行を要求する要求信号を間欠的に生成するコントローラを備えた第1情報処理装置、及び前記所定データ処理を行う第2情報処理装置間で為されるデータ通信方法であって、前記第1情報処理装置は、前記要求信号の1に応じて前記コントローラに対して擬似応答を行うと共に、前記要求信号の1を前記第2情報処理装置に送信した際に前記第2情報処理装置から返信されてきた応答データをメモリに格納し、前記メモリへの前記応答データの格納完了後に前記第1コントローラで生成された前記要求信号に応じて前記メモリから前記応答データを読み出しこれを前記コントローラに供給する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るデータ通信システムでは、第1情報処理装置の第1コントローラから送出された要求信号に応じて第2情報処理装置が返信してきた応答データを第1情報処理装置で受信するにあたり、要求信号の1に応じて、この応答データを待つことなく第1情報処理装置の第1通信インタフェース部が直ちに第1コントローラに対して擬似応答を行う。これにより、第1コントローラは、要求信号を送出してから規定応答期間内に擬似応答を受け取ることになるので、その後、第1コントローラは、回避処理を実施することなく他の処理に移行することが可能となる。よって、第1コントローラの動作効率を高めることが可能となる。
【0012】
更に、第2情報処理装置から送信された応答データを受信すると、第1情報処理装置の第1通信インタフェース部は、この応答データをメモリに格納すると共に、かかるメモリへの応答データの格納完了後に第1コントローラから送出された要求信号、つまり2度目以降に発せられた要求に応じて、メモリから応答データを読み出して第1コントローラに供給する。よって、第1コントローラからの2度目以降に発せられた要求に対しては、第2情報処理装置への送信処理及びこの第2情報処理装置内での処理が為されることなく、第2情報処理装置からの応答データを取得することが可能となる。
【0013】
従って、本発明によれば、第1情報処理装置の第1コントローラによる最初の要求に応じた、第2情報処理装置からの応答が規定応答期間を超えて為されてしまう場合にも、第1情報処理装置の動作効率を低下させることなく、第1コントローラからの2度目以降に発せられた要求によって迅速にその応答内容を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】メイン情報処理装置1からの読出要求に応じて為される、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間における通信動作の一例を示す通信フロー図である。
図3】メイン情報処理装置1からの読出要求に応じて為される、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間における通信動作の一例を示す通信フロー図である。
図4】メイン情報処理装置1からの書込要求に応じて為される、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間における通信動作の一例を示す通信フロー図である。
図5】メイン情報処理装置1からの書込要求に応じて為される、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間における通信動作の一例を示す通信フロー図である。
図6】メイン情報処理装置1からの読出要求に応じて為される、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間における通信動作の他の一例を示す通信フロー図である。
図7】メイン情報処理装置1からの読出要求に応じて為される、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間における通信動作の他の一例を示す通信フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係るデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すデータ通信システムは、第1半導体チップに形成されているメイン情報処理装置1、第2半導体チップに形成されているサブ情報処理装置2、これらメイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2同士を接続する伝送ケーブル3からなる。
【0017】
メイン情報処理装置1は、ホストコントローラ11、通信インタフェース12、メモリ13、送信回路14、受信回路15、コンデンサ16及び電源電圧生成回路17を含む。
【0018】
ホストコントローラ11は、通信インタフェース12を介してサブ情報処理装置2側から送信されてきた情報データ及び制御信号に基づき各種データ処理を行う。例えば、メイン情報処理装置1がテレビジョン装置である場合、ホストコントローラ11は、かかるデータ処理により、上記情報データによって示される映像データ及び音声データを復元し、夫々を図示せぬディスプレイ装置に供給する。この際、ホストコントローラ11は、サブ情報処理装置2で取得された情報データを読み出すべき読出要求信号、及びサブ情報処理装置2の動作モードを設定する為の各種設定データを書き込ませるべき書込要求信号を含む各種制御信号を、通信インタフェース12に供給する。
【0019】
通信インタフェース12は、例えばIC通信インタフェースの如き汎用インタフェース規格に沿って、メイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間の通信を司る。通信インタフェース12は、ホストコントローラ11から制御信号又は設定データが供給された場合には、これらをサブ情報処理装置2側に送信すべく送信回路14をアクセスする。
【0020】
また、通信インタフェース12は、ホストコントローラ11から要求信号(読出要求信号又は書込要求信号)が供給された場合には、この要求信号に応じてサブ情報処理装置2において生成される応答データ(後述する)がメモリ13に格納済みであるか否かを判定する。この際、かかる応答データがメモリ13に格納されていないと判定された場合、通信インタフェース12は、上記要求信号が最初の要求信号であると捉え、ホストコントローラ11に対して擬似応答(後述する)を実行する。一方、この応答データがメモリ13に格納済みであると判定された場合、通信インタフェース12は、ホストコントローラ11から供給された要求信号が2度目に供給された要求信号であると捉え、上記の如き擬似応答は実行しない。
【0021】
更に、通信インタフェース12は、サブ情報処理装置2から送信されてきた応答データを受信回路15を介して受けると、これをメモリ13に格納し、このメモリ13に対する応答データの格納完了後にホストコントローラ11から供給された要求信号に応じて、メモリ13から応答データを読み出して、これをホストコントローラ11に供給する。
【0022】
送信回路14は、通信インタフェース12から供給された、各種制御信号及び設定データに対して誤り訂正符号化及び変調処理を施して得られた変調信号をラインL1、コンデンサ16及び伝送ケーブル3を介してサブ情報処理装置2に送信する。受信回路15は、伝送ケーブル3、コンデンサ16及びラインL1を介してサブ情報処理装置2側から送信されてきた変調信号を受け、これに復調処理及び誤り訂正処理を施すことにより情報データ又は設定データを復元し、これらを通信インタフェース12に供給する。
【0023】
コンデンサ16の一端は伝送ケーブル3に接続されており、他端はラインL1を介して送信回路14の出力端子及び受信回路15の入力端子に接続されている。コンデンサ16は、伝送ケーブル3上の直流成分がラインL1に流れ込むのを遮断する。
【0024】
電源電圧生成回路17は、メイン情報処理装置1の各モジュール、つまり、ホストコントローラ11、通信インタフェース12、メモリ13、送信回路14及び受信回路15の各々を動作させる電源として直流の電源電圧VDDを生成し、夫々に供給する。更に、電源電圧生成回路17は、かかる電源電圧VDDを伝送ケーブル3に印加することにより、直流の電源電圧VDDをサブ情報処理装置2に供給する。
【0025】
すなわち、伝送ケーブル3に直流の電源電圧VDDが重畳された状態で、この伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間のデータ通信が為される。尚、直流の電源電圧VDDに関しては、これを、伝送ケーブル3ではなく、専用に設けた電源ケーブル(図示せぬ)を介してサブ情報処理装置2側に供給するようにしても良い。
【0026】
一方、図1に示されるサブ情報処理装置2は、情報収集デバイス20〜20(nは2以上の整数)、サブシステムコントローラ21、通信インタフェース22、メモリ23、送信回路24、受信回路25、コンデンサ26及び電源電圧導出回路27を含む。
【0027】
情報収集デバイス20〜20は、例えば夫々が放送波を受信するアンテナであり、各々で受信して得られた高周波受信信号を収集データとしてサブシステムコントローラ21に供給する。尚、情報収集デバイス20〜20は、サブシステムコントローラ21から供給された設定データによってその動作モードが設定される。
【0028】
サブシステムコントローラ21は、通信インタフェース22から読出要求信号が供給された場合には、情報収集デバイス20〜20から供給された収集データに対して所定のデータ処理を施すことにより、サブ情報処理装置2の生成目的である情報データを生成する。例えば、収集データがアンテナによって受信して得られた高周波受信信号である場合、サブシステムコントローラ21は、かかる高周波受信信号に対して復調及び復号処理を施すことにより、放送内容(映像、音声)を表す映像及び音声データを情報データとして生成する。そして、サブシステムコントローラ21は、かかる情報データをメイン情報処理装置1へ送信すべきデータとして通信インタフェース22に供給する。また、サブシステムコントローラ21は、通信インタフェース22から書込要求信号、設定データ及び制御信号が供給された場合、上記した如きデータ処理、或いは情報収集デバイス20〜20の動作モードを設定すべきデータ処理を行う。更に、サブシステムコントローラ21は、メイン情報処理装置1に送出すべき、読出要求信号又は書込要求信号を含む各種制御信号、又はメイン情報処理装置1の動作モードを設定する為の設定データを、通信インタフェース22に供給する。
【0029】
通信インタフェース22は、例えばIC通信インタフェースの如き汎用インタフェース規格に沿ってメイン情報処理装置1及びサブ情報処理装置2間の通信を司る。通信インタフェース22は、サブシステムコントローラ21から制御信号又は設定データが供給された場合にはこれらをメイン情報処理装置1側に送信すべく、送信回路24をアクセスする。また、通信インタフェース22は、上記した通信インタフェース12と同様に、サブシステムコントローラ21から最初に供給された読出要求信号又は書込要求信号に応じてサブシステムコントローラ21に対して擬似応答を実行する。また、通信インタフェース22は、受信回路25から設定データが供給された場合には、これをメモリ23に格納しつつサブシステムコントローラ21に中継供給する一方、受信回路25から2度目以降に発せられた読出要求信号又は書込要求信号が供給された場合にはこれをサブシステムコントローラ21に中継供給する。
【0030】
送信回路24は、通信インタフェース22から供給された制御信号及び情報データに対して誤り訂正符号化及び変調処理を施して得られた変調信号をラインL2、コンデンサ26及び伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1に送信する。受信回路25は、伝送ケーブル3、コンデンサ26及びラインL2を介してメイン情報処理装置1側から送信されてきた変調信号を受け、これに復調処理及び誤り訂正処理を施すことにより、読出要求信号及び書込要求信号を含む各種制御信号、及び設定データを復元し、通信インタフェース22に供給する。
【0031】
コンデンサ26の一端は伝送ケーブル3に接続されており、他端はラインL2を介して送信回路24の出力端子及び受信回路25の入力端子に接続されている。コンデンサ26は、伝送ケーブル3上の直流成分がラインL2に流れ込むのを遮断する。
【0032】
電源電圧導出回路27は、伝送ケーブル3に重畳されている直流の電源電圧VDDを導出する。そして、電源電圧導出回路27は、かかる電源電圧VDDを、情報収集デバイス20〜20、サブシステムコントローラ21、通信インタフェース22、メモリ23、送信回路24及び受信回路25の各々を動作させる電源として、夫々に供給する。
【0033】
以下に、図1に示されるデータ通信システムにおいて為される通信動作について説明する。
【0034】
図2及び図3は、メイン情報処理装置1のホストコントローラ11が生成した読出要求に応じて、サブ情報処理装置2にて取得された情報データがメイン情報処理装置1側に送信されるまでのデータ通信の手順を示す通信フロー図である。
【0035】
先ず、ホストコントローラ11が、サブ情報処理装置2側で取得された情報データを読み出させるべき最初の読出要求信号を、通信インタフェース12に供給する(ステップS1)。かかる読出要求信号に応じて、通信インタフェース12は、先ず、この読出要求信号が最初に供給されたものであるか否かを判定する。すなわち、通信インタフェース12は、かかる読出要求信号に応じてサブ情報処理装置2で生成された情報データがメモリ13に格納されていない場合には、この読出要求信号が最初に供給されたものであると判定する。この際、上記ステップS1の段階では、最初の読出要求信号であることから、通信インタフェース12は、かかる読出要求信号をサブ情報処理装置2側へ送信すべく送信回路14をアクセスし(ステップS2)、引き続き、擬似応答制御を実行する。すなわち、ステップS2の実行後、通信インタフェース12は、サブ情報処理装置2からの応答(情報データの受信)を待つことなく、直ちに所定の暫定値を情報データとしてホストコントローラ11に供給するという擬似応答を実行する(ステップS3)。これにより、ホストコントローラ11は、図2に示す如く、読出要求を発令(S1)してから規定応答期間内に、擬似応答としての暫定値を受け取ることになる。尚、規定応答期間とは、図1に示すデータ通信システムにおいて採用している汎用インタフェース(例えばIC通信インタフェース)で規定されているものであり、要求が発せられてから応答するまでに費やされる時間として許可する最大時間である。この際、規定応答期間内に応答が為されなかった場合、要求元が、本通信を一旦解除し、再度、読出要求を行う等の回避処理に移行することになる。よって、ステップS3による擬似応答の実行によれば、この回避処理を実施することなく、他の必要処理の実行に移行することが可能となる。
【0036】
更に、上記ステップS2の実行により、読出要求信号をサブ情報処理装置2側へ送信すべきアクセスが為されると、送信回路14は、この読出要求信号を変調した変調信号を伝送ケーブル3を介してサブ情報処理装置2に送信する(ステップS4)。かかる変調信号を受信すると、サブ情報処理装置2の受信回路25は、これに復調処理を施すことにより読出要求信号を復元して通信インタフェース22に供給する(ステップS5)。この読出要求信号が供給されると、通信インタフェース22は、かかる読出要求信号をサブシステムコントローラ21に中継供給する(ステップS6)。通信インタフェース22から供給された読出要求信号に応じて、サブシステムコントローラ21は、情報収集デバイス20〜20各々からデータを収集し、収集したデータに基づいて所望の情報データを生成する(ステップS7)。次に、サブシステムコントローラ21は、かかる情報データを通信インタフェース22に送出する(ステップS8)。通信インタフェース22は、サブシステムコントローラ21から供給された情報データをメイン情報処理装置1側へ送信すべく送信回路24をアクセスする(ステップS9)。かかるアクセスに応じて、送信回路24は、この情報データを変調した変調信号を伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1に送信する(ステップS10)。かかる変調信号を受信すると、メイン情報処理装置1の受信回路15は、これに復調処理を施すことにより情報データを復元して通信インタフェース12に供給する(ステップS11)。通信インタフェース12は、受信回路15から供給された情報データをメモリ13に格納する(ステップS12)。
【0037】
その後、図3に示すように、ホストコントローラ11が、上記したステップS1で送出した読出要求信号と同一の読出要求信号、つまり2度目以降に発せられた読出要求信号を通信インタフェース12に供給する(ステップS13)。かかる読出要求信号に応じて通信インタフェース12は、サブ情報処理装置2で生成された情報データがメモリ13に格納済みであるか否かを判定する。この際、情報データがメモリ13に格納済みであることから、通信インタフェース12は、この読出要求信号が2度目以降に供給されたものであると捉え、この2度目以降に発せられた読出要求信号に応じて、メモリ13に格納されている情報データを読み出し(ステップS14)、これをホストコントローラ11に送出する(ステップS15)。これにより、ホストコントローラ11は、読出要求に応じた情報データ、つまりサブ情報処理装置2側で生成された情報データを取得する。
【0038】
次に、メイン情報処理装置1のホストコントローラ11から発せられた書込要求に応じて為される通信動作について説明する。
【0039】
図4及び図5は、ホストコントローラ11から発せられた書込要求に応じて、サブ情報処理装置2がその書込結果(正常に為されたか否か)をメイン情報処理装置1側に送信するまでのデータ通信の手順を示す通信フロー図である。
【0040】
先ず、ホストコントローラ11が、動作モードを設定する為の設定データをサブ情報処理装置2側に書き込ませるべき書込要求信号を通信インタフェース12に供給する(ステップS21)。かかる書込要求信号に応じて、通信インタフェース12は、先ず、この書込要求信号が最初に供給されたものであるか否かを判定する。すなわち、通信インタフェース12は、書込要求信号に応じてサブ情報処理装置2で生成される書込結果通知データ(後述する)がメモリ13に格納されていない場合には、この書込要求信号が最初に供給されたものであると判定する。この際、上記ステップS21の段階では、最初に供給された書込要求信号であることから、通信インタフェース12は、かかる書込要求信号をサブ情報処理装置2側へ送信すべく送信回路14をアクセスし(ステップS22)、引き続き、擬似応答制御を実行する。すなわち、ステップS2の実行後、通信インタフェース12は、サブ情報処理装置2からの応答(書込結果通知データの受信)を待つことなく、直ちに所定の暫定値を書込結果通知データとしてホストコントローラ11に供給するという擬似応答を実行する(ステップS23)。これにより、ホストコントローラ11は、図4に示すように、書込要求を発令(S21)してから規定応答期間内に、擬似応答としての暫定値を受け取ることになる。よって、その後、ホストコントローラ11は、回避処理に移行することなく、他の処理に移行することが可能となる。
【0041】
また、上記ステップS22の実行により、書込要求信号をサブ情報処理装置2側へ送信すべきアクセスが為されると、送信回路14は、この書込要求信号を変調した変調信号を伝送ケーブル3を介してサブ情報処理装置2に送信する(ステップS24)。かかる変調信号を受信すると、サブ情報処理装置2の受信回路25は、これに復調処理を施すことにより書込要求信号を復元して通信インタフェース22に供給する(ステップS25)。書込要求信号が供給されると、通信インタフェース22は、かかる書込要求信号をサブシステムコントローラ21に中継供給する(ステップS26)。通信インタフェース22から供給された書込要求信号に応じて、サブシステムコントローラ21は、書込要求信号にて示される設定データを書き込み、この設定データに従った動作モードを設定する(ステップS27)。この際、サブシステムコントローラ21は、設定データの書き込みが正常に為されたか否かを示す書込結果通知データを生成し、これを通信インタフェース22に送出する(ステップS28)。すると、通信インタフェース22は、サブシステムコントローラ21から供給された書込結果通知データをメイン情報処理装置1側へ送信すべく送信回路24をアクセスする(ステップS29)。かかるアクセスに応じて、送信回路24は、この書込結果通知データを変調した変調信号を伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1に送信する(ステップS30)。かかる変調信号を受信すると、メイン情報処理装置1の受信回路15は、これに復調処理を施すことにより書込結果通知データを復元して通信インタフェース12に供給する(ステップS31)。通信インタフェース12は、受信回路15から供給された書込結果通知データをメモリ13に格納する(ステップS32)。
【0042】
その後、図5に示すように、ホストコントローラ11が、上記したステップS21で送出した書込要求信号と同一の書込要求信号、つまり2度目以降に発せられた書込要求信号を通信インタフェース12に供給する(ステップS33)。かかる書込要求信号に応じて、通信インタフェース12は、かかる書込要求信号が最初に供給されたものであるか否かを判定する。すなわち、通信インタフェース12は、書込要求信号に応じてサブ情報処理装置2で生成された書込結果通知データがメモリ13に格納済みであるか否かを判定する。この際、書込結果通知データがメモリ13に格納済みであることから、通信インタフェース12は、この書込読出要求信号が2度目以降に供給されたものであると判定し、通信インタフェース12は、メモリ13に格納されている書込結果通知データを読み出し(ステップS34)、これをホストコントローラ11に送出する(ステップS35)。これにより、ホストコントローラ11は、サブ情報処理装置2に対する設定データの書き込みが正常に為されたか否かを示す書込結果通知データを取得する。
【0043】
以上の如く、図2図5に示すデータ通信では、先ず、メイン情報処理装置1としての第1情報処理装置に含まれる、ホストコントローラ11としての第1コントローラが所定データ処理(情報データ読出、設定データ書込)の実行を要求する要求信号(読出要求信号、書込要求信号)を間欠的に生成する。この際、要求信号の1つに応じて、第1情報処理装置に含まれる第1通信インタフェース部(12、14、15)は、第1コントローラに対して擬似応答を行う(S3、S23)と共に、かかる要求信号をサブ情報処理装置2としての第2情報処理装置に送信する。この要求信号を受信すると、第2情報処理装置に含まれるサブシステムコントローラ21としての第2コントローラは、かかる要求信号に応じた所定データ処理(情報データの取得、設定データの書込)を行い、その完了を待って処理結果を示す応答データ(情報データ、書込結果通知データ)を生成する。そして、第2情報処理装置に含まれる第2通信インタフェース部(22、24、25)は、かかる応答データを第1情報処理装置側に送信する。この際、第1情報処理装置の第1通信インタフェース部は、受信した応答データをメモリ(13)に格納すると共に、このメモリへの応答データの格納完了後に第1コントローラから送出された要求信号、つまり2度目以降に発せられた要求信号に応じて、メモリから応答データを読み出しこれを第1コントローラに供給する。
【0044】
このように、図2図5に示すデータ通信では、第1情報処理装置の第1コントローラから送出された要求信号に応じて、第2情報処理装置側からの応答を待つことなく、第1通信インタフェース部が、直ちに第1コントローラに対して擬似応答を行うようにしている。
【0045】
これにより、第1コントローラは、要求信号を送出してから規定応答期間内に、擬似応答を受け取ることになる。よって、その後、第1コントローラは、回避処理を実施することなく、他の処理に移行することができるようになるので、この第1コントローラの動作効率を高めることが可能となる。
【0046】
更に、図2図5に示すデータ通信では、第1情報処理装置の第1通信インタフェース部が、規定応答期間内であるか否かに拘わらず、第2情報処理装置から送信されてきた応答データを受信し、これをメモリに格納しておくようにしている。この際、メモリへの応答データの格納完了後に第1コントローラから発せられた要求信号、つまり2度目以降に発せられた要求信号に応じて、第1通信インタフェース部が、このメモリに格納しておいた応答データを読み出して第1コントローラに供給するのである。すなわち、第1コントローラからの2度目以降に発せられた要求に対しては、第2情報処理装置への送信処理(S4、S24)及びこの第2情報処理装置内での処理(S5〜S10、S25〜S30)を行うことなく、第2情報処理装置からの応答データ(情報データ、書込結果通知データ)が取得可能となる。
【0047】
従って、本発明によれば、第1情報処理装置(1)の第1コントローラ(11)による最初の要求に応じた第2情報処理装置(2)からの応答が規定応答期間を超えてしまう場合にも、第1情報処理装置の動作効率を低下させることなく、第1コントローラからの2度目以降に発せられた要求によって迅速にその応答内容を取得することが可能となる。
【0048】
又、上記実施例では、メイン情報処理装置1側から発せられた最初の読出要求(S1)又は書込要求(S21)に応じて、サブ情報処理装置2側が1回だけ応答、つまり情報データの送信(S7〜S10)又は書込結果通知データの送信(S27〜S30)を実施するようにしているが、かかる応答を複数回繰り返し実行するようにしても良い。
【0049】
図6及び図7は、かかる点に鑑みて為された、通信手順の他の一例を示す通信フロー図である。尚、図6及び図7に示す通信では、メイン情報処理装置1のホストコントローラ11から発せられた読出要求に応じて、サブ情報処理装置2が、読出要求された情報データを複数回に亘り繰り返し送信するものである。
【0050】
尚、図6及び図7において、メイン情報処理装置1側で実施されるステップS1〜S4からなる読出要求信号の送信シーケンスについては、図2に示すものと同一である。ここで、かかる送信シーケンス(S1〜S4)の実行によってメイン情報処理装置1側から送信された変調信号(読出要求信号)を受信すると、サブ情報処理装置2の受信回路25は、これに復調処理を施すことにより読出要求信号を復元して通信インタフェース22に供給する(S5)。読出要求信号が供給されると、通信インタフェース22は、最初の読出要求信号をサブシステムコントローラ21に中継供給する(S6)。この際、通信インタフェース22から供給された最初の読出要求信号に応じて、サブシステムコントローラ21、通信インタフェース22及び送信回路24は、図2に示す如きステップS7〜S10からなる応答シーケンスRCと同一処理からなる第1応答シーケンスRCに従った処理を行う。かかる第1応答シーケンスRCの実行により、サブシステムコントローラ21で取得された情報データを変調した変調信号が、伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1に送信される。かかる変調信号を受信すると、メイン情報処理装置1の受信回路15は、これに復調処理を施すことにより情報データを復元して通信インタフェース12に供給する(S11)。すると、通信インタフェース12は、受信回路15から供給された情報データをメモリ13に格納する(S12)。
【0051】
ここで、第1応答シーケンスRCが終了すると、通信インタフェース22は、引き続き第2回目の読出要求信号をサブシステムコントローラ21に供給する(ステップS110)。この際、通信インタフェース22から供給された第2回目の読出要求信号に応じて、サブシステムコントローラ21、通信インタフェース22及び送信回路24は、図2に示す応答シーケンスRCと同一処理からなる第2応答シーケンスRCに従った処理を行う。かかる第2応答シーケンスRCの実行により、サブシステムコントローラ21において取得された情報データを変調した変調信号が、伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1に送信される。かかる変調信号を受信すると、メイン情報処理装置1の受信回路15は、これに復調処理を施すことにより情報データを復元して通信インタフェース12に供給する(ステップS111)。すると、通信インタフェース12は、受信回路15から供給された情報データを、メモリ13に上書きする(ステップS112)。すなわち、上記したステップS12においてメモリ13に格納された情報データが、新たな情報データに更新されるのである。
【0052】
その後、図8に示すように、ホストコントローラ11が2度目以降に発せられた読出要求信号を通信インタフェース12に供給する(ステップS113)と、かかる2度目以降に発せられた読出要求信号に応じて、通信インタフェース12は、メモリ13に格納されている情報データを読み出し(ステップS114)、これをホストコントローラ11に送出する(ステップS115)。これにより、ホストコントローラ11は、通信インタフェース22が発した第2回目の読出要求に応じてサブシステムコントローラ21が取得した情報データを、取り込む。尚、通信インタフェース22は、上記した第2応答シーケンスRCの終了後、引き続き第3回目の読出要求信号をサブシステムコントローラ21に供給する(ステップS116)。この際、通信インタフェース22から供給された第3回目の読出要求信号に応じて、サブシステムコントローラ21、通信インタフェース22及び送信回路24は、図2に示す応答シーケンスRCと同一処理からなる第3応答シーケンスRCに従った処理を行う。かかる第3応答シーケンスRCの実行により、サブシステムコントローラ21にて取得された情報データを変調した変調信号が、伝送ケーブル3を介してメイン情報処理装置1に送信される。かかる変調信号を受信すると、メイン情報処理装置1の受信回路15は、これに復調処理を施すことにより情報データを復元して通信インタフェース12に供給する(ステップS117)。すると、通信インタフェース12は、受信回路15から供給された情報データを、メモリ13に上書きする(ステップS117)。すなわち、上記したステップS112においてメモリ13に上書きされた情報データが、新たな情報データに更新されるのである。
【0053】
すなわち、図6及び図7に示されるデータ通信では、第1情報処理装置(1)の第1コントローラ(11)からの最初の要求(読出、書込)に応じて、第2情報処理装置(2)の第2通信インタフェース部(22、24、25)は、繰り返しその要求に対応した処理(情報データ取得、設定データ書込)を実行しその応答内容を第1情報処理装置側へ送信する。この際、第2情報処理装置からの応答が返信される度に、第1情報処理装置の第1通信インタフェース部(12、14、15)が、その応答内容をメモリ(13)に上書き記憶(S12、S112、S118)してゆくのである。
【0054】
よって、かかるデータ通信によれば、第1情報処理装置の第1コントローラによる2度目以降の要求に対して、第1情報処理装置は、自身に含まれているメモリから応答内容を読み出すことにより、常に最新の応答内容を迅速に取得することが可能となる。
【符号の説明】
【0055】
1 メイン情報処理装置
2 サブ情報処理装置
3 伝送ケーブル
11 ホストコントローラ
12、22 通信インタフェース
13、23 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7