特許第6046974号(P6046974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046974
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】パターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20161212BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   H01L21/30 502D
   H01L21/302 105A
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-216388(P2012-216388)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-72315(P2014-72315A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
(72)【発明者】
【氏名】小山 賢一
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 英民
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−130213(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0003069(US,A1)
【文献】 特開平09−176516(JP,A)
【文献】 特開2012−166302(JP,A)
【文献】 特開2004−193525(JP,A)
【文献】 特開2008−043873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
B05D 3/10
C09D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にエッチング対象膜が形成された基板上に、露光により多孔質となる露光部と、露光されない非露光部と、を有するパターン形成材料膜を形成する工程と、
前記パターン形成材料膜の前記非露光部を露光せずにそのまま残存させ前記露光部を露光して前記露光部を多孔質化する工程と、
多孔質化した前記露光部の空隙に選択的に充填種を浸潤して前記露光部を強化する工程と、
前記パターン形成材料膜の前記非露光部をドライエッチングにより除去して所定のパターンを形成する工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記パターン形成材料膜は、第1のポリマー鎖と第2のポリマー鎖とが末端どうしで結合したブロック共重合体からなる自己組織化材料膜であり、前記露光部が前記第2のポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記第1のポリマーがポリスチレンであり、前記第2のポリマーがポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記パターン形成材料膜は、塗布により形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記充填種は、反応により所定の物質となる反応系物質、ナノ粒子、有機金属化合物、カーボンナノチューブまたはナノフラーレンの誘導体溶液のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記浸潤は、熱拡散により行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記浸潤は、前記充填種が有機金属化合物の場合に、加水分解により行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記浸潤は、超臨界流体を用いて行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記非露光部のドライエッチングは、反応性イオンエッチングまたはアッシングであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記露光部の露光は、DUV光を用いて行われることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記露光部の露光は、EUV光または電子ビームを用いて行われることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセスにおいてパターンを形成するパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造においては、微細化の要請に対応して、ArFガスを光源とした波長193nmのDUV(深紫外線)光を使ったリソグラフィ技術が主流となっており、これにより40nm程度の微細パターンを得ている。
【0003】
また、このような波長193nm(ArF)のフォトリソグラフィ技術をベースとしてセルフアラインダブルパターニング(SADP)を組み合わせることにより、20nm程度までの微細化が可能である(例えば特許文献1)。
【0004】
一方、露光装置を必要としない微細パターン形成技術として、ブロック共重合体を利用した自己組織化(Directed Self-Assembly;DSA)技術が提案されている(例えば特許文献2の段落0078、特許文献3)。
【0005】
DSA技術においては、まず、例えばAポリマー鎖とBポリマー鎖とが末端どうしで結合したブロック共重合体が基板に塗布される。次に、基板を加熱すると、互いにランダムに固溶していたAポリマー鎖とBポリマー鎖とが相分離し、Aポリマー領域とBポリマー領域とが規則的に配列される。次いで、Aポリマー領域とBポリマー領域のいずれかを除去してブロック共重合体をパターニングすることにより、所定のパターンを有するマスクが形成される。このようなブロック共重合体としては、ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とが結合したものが例示される。これにより、10nm程度までの微細なパターン形成に対応できる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−88085号公報
【特許文献2】特開2005−29779号公報
【特許文献3】特開2008−149447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、193nm露光用のフォトレジストは、構造的に強度が十分ではなく、微細パターンになるとウエット現像によりパターン倒れが生じるおそれがある。また、ウエット現像によるImage Blurによりパターンのラフネス(LER(Line Edge Roughness)等)が大きくなる。また、パターン形成後のドライエッチング(プラズマエッチング)に対する耐性が低いため、フォトレジスト膜の表面の荒れが生じたり、マスク選択比が小さいことによりフォトレジスト膜の消失が生じたりして、エッチングパターンの形状が悪化してしまう等の種々の問題がある。
【0008】
また、DSAにおいてもウエット現像時にパターン倒れが生じるおそれがある。また、エッチング加工の際のマスク選択比が小さいという問題もある。さらに、所望のパターンを形成するために、ガイドパターンを形成する必要があり、パターンがガイド揺らぎに支配されるとともに、工程が煩雑となる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、パターン倒れが生じず、パターンのラフネスを小さくすることおよびパターンマスク選択比を高くすることができ、ガイドパターンを用いることなく微細パターンを形成することができるパターン形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、表面にエッチング対象膜が形成された基板上に、露光により多孔質となる露光部と、露光されない非露光部と、を有するパターン形成材料膜を形成する工程と、前記パターン形成材料膜の前記非露光部を露光せずにそのまま残存させ前記露光部を露光して前記露光部を多孔質化する工程と、多孔質化した前記露光部の空隙に選択的に充填種を浸潤して前記露光部を強化する工程と、前記パターン形成材料膜の前記非露光部をドライエッチングにより除去して所定のパターンを形成する工程とを有することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0011】
本発明において、前記パターン形成材料膜としては、第1のポリマー鎖と第2のポリマー鎖とが末端どうしで結合したブロック共重合体からなる自己組織化材料膜であり、前記露光部が前記第2のポリマーを含むことが好ましい。前記第1のポリマーとしてポリスチレン、前記第2のポリマーとしてポリメタクリル酸メチルを用いることができる。前記パターン形成材料膜は、塗布により形成することができる。
【0012】
前記充填種としては、反応により所定の物質となる反応系物質、ナノ粒子、有機金属化合物(錯体、アルコキシドなど)、カーボンナノチューブやナノフラーレンの誘導体溶液のいずれかを用いることができる。
【0013】
前記浸潤は、熱拡散や有機金属化合物の加水分解により行うことができ、超臨界流体を用いても行うことができる。
【0014】
前記非露光部のドライエッチングは、反応性イオンエッチングまたはアッシングで行うことができる。
【0015】
前記露光部の露光は、DUV光を用いて行うことができる。また、EUV光または電子ビームを用いて行うこともできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、露光により多孔質となる露光部と、露光されない非露光部と、を有するパターン形成材料膜に対して、非露光部を露光せずにそのまま残存させ露光部を露光して前記露光部を多孔質化し、露光部の空隙に選択的に充填種を浸潤して露光部を強化した後、ドライエッチングにより非露光部を除去してパターンを形成するので、パターン倒れ抑止やパターンのラフネス(LER)の低減を促し、マスク選択比を高くすることができ、反射防止膜やガイドパターンを用いることなく微細パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を説明するための工程断面図である。
図3】充填種を浸潤して充填部を形成する際に、露光部の全体を充填部にした状態を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を示すフローチャートであり、図2はその工程断面図である。
【0019】
最初に、表面にエッチング対象膜が形成された半導体ウエハ10の上にDSA材料膜11を形成する(工程1;図2(a))。
【0020】
DSA材料膜11としては、例えば第1のポリマー鎖と第2のポリマー鎖とが末端どうしで結合したブロック共重合体を挙げることができる。このようなブロック共重合体の典型例としては、ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とが結合したものが例示される。DSA材料膜11は、塗布により半導体ウエハ10上に形成される。塗布方式としてはスピン塗布やスリット塗布を挙げることができる。
【0021】
次に、DSA材料膜11に対してパターン露光を行う(工程2;図2(b))。
これにより、露光部12が第2のポリマー、例えばPMMAからなる多孔質部となり、非露光部13はDSA材料がそのまま残存した状態となる。露光光としては、現在フォトリソグラフィ技術で主流である、ArFガスを用いた波長193nmのDUVを用いることができる。これにより、ハーフピッチ40nmのパターンを形成することができる。また、より波長の短いEUV(extreme ultraviolet;波長13.5nm)や、電子ビーム(EB)を用いてより微細パターンを形成することも可能である。
【0022】
次に、露光部12に形成された空隙の少なくとも表面部分に選択的にパーティクル等の充填種を浸潤する(工程3;図2(c))。
【0023】
この工程は、多孔質の露光部12を強化する工程であり、これにより、露光部12の少なくとも表面部分に充填部14が形成される。
【0024】
充填種としては、反応により所定の物質となる反応系物質、ナノ粒子、有機金属化合物(錯体、アルコキシドなど)、カーボンナノチューブやナノフラーレンの誘導体溶液を用いることができる。反応系物質としては、反応により空隙にaSiやSiNが充填されるシクロペンタシランを挙げることができる。ナノ粒子としては、コロイダルシリカ(SiO)、Siナノ粒子、TiOゾル、SnOゾル、CeO、HfO、ZrO、Ag、Cu、Auを挙げることができ、有機金属化合物としては、分解されてAl、AlO、ZrO、TiO、W、Siのいずれかが形成されるものを挙げることができる。また、充填種としてカーボンナノチューブやナノフラーレン誘導体溶液を用いることによりカーボンナノチューブやナノフラーレンが空隙に充填される。
【0025】
浸潤方式としては、熱拡散による方法を用いることができ、充填種が有機金属化合物の場合は加水分解を挙げることができる。また、超臨界流体を用いる方法を採用することもできる。熱拡散を利用する場合には、半導体ウエハを例えば室温(23℃)〜150℃程度に加熱することにより充填種を空隙中に拡散させる。また、有機金属化合物を加水分解する場合には、有機金属化合物を充填させた後、加水分解することにより、空隙にAl、AlO、ZrO、TiO、W、Siのいずれかが充填した状態となる。また、超臨界流体を用いる方法は、超臨界流体(例えば超臨界CO)のナノ浸透性を利用して、空隙中に充填種を浸潤させる。
【0026】
このようにして、多孔質の露光部12の少なくとも表面部分の空隙を上記充填種により浸潤して充填部14を形成することで、その部分が強化される。理想的には、図3に示すように、露光部12の全体を充填部14とすることであり、より大きな効果を得ることができる。
【0027】
次に、非露光部13をドライエッチングにより除去して所定のパターンを形成する(工程4;図2(d))。
【0028】
非露光部13のドライエッチング除去には、例えば、RIEによる異方性エッチングを用いることができる。露光部12の少なくとも表面に形成された充填部14は、充填種で強化されているのでRIEによりほとんど除去されず、ほぼ非露光部13のみが除去される。これにより、所定のパターン15を形成することができる。
【0029】
図3のように露光部12の全体が充填部14の場合には、異方性がなくてもよく、ドライエッチングとして酸素プラズマ等によるアッシングを用いてより高速でパターン形成を行うことができる。
【0030】
以上のようにしてパターンを形成することにより、残存した露光部12の少なくとも表面部が充填部14により強化されているので、その後のエッチング加工の際のマスク選択比を高くすることができる。また、このようにドライエッチングによりパターンを形成するので、パターンの高さを高くすることができる。
【0031】
さらに、ウエット現像を用いることなくパターンを形成するので、パターン倒れが発生せず、ウエット現像によるImage Blurが存在しないのでパターンのラフネスを低くすることができる。
【0032】
さらにまた、反射防止膜やガイドパターンを用いる必要がない。このため、工程の煩雑さが回避され、またパターンがガイド揺らぎに支配されることがない。
【0033】
さらに、露光光としてDUVを用いることにより、現行のフォトリソグラフィによるパターン形成と同等のハーフピッチ40nm程度の微細パターンを形成することができ、さらにSADP技術を組み合わせることにより、ハーフピッチ20nm程度まで微細化が可能である。また、SADPを適用時に芯材種の選択幅を広くすることが可能である。
【0034】
さらに、上述したように、より波長の短いEUV(extreme ultraviolet;波長13.5nm)や、電子ビーム(EB)を用いることにより、より微細パターンを形成することも可能である。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態においては、パターン形成用の材料として、PSとPMMAからなるブロック共重合体を用いた例を示したが、第1のポリマー鎖と第2のポリマー鎖とが末端どうしで結合したブロック共重合体からなる他のDSA材料膜を用いることができる。また、パターン形成用の材料としては、このようなDSA材料膜に限らず、露光により多孔質体が形成されるものであれば用いることができ、このようなものであれば有機材料に限らず無機材料であっても適用することができる。
【0036】
また、上記実施形態では、パターン形成用のDSA材料膜を塗布により形成した例について示したが、塗布に限らず、CVD等の薄膜形成技術を用いることもできる。
【符号の説明】
【0037】
10;半導体ウエハ
11;DSA材料膜
12;露光部
13;非露光部
14;充填部
15;パターン
図1
図2
図3