(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
並行して配された複数の前記コンベアと、該複数のコンベアのそれぞれに対応して配された、複数の前記露光ユニット及び前記脚ユニットとを備えること、を特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、タッチパネルは、例えばATM、自動販売機、携帯情報端末、携帯ゲーム機、電子案内表示板、カーナビゲーション、携帯電話等に広く用いられている。
タッチパネルを液晶パネルの上に載せて使う従来方法に対して、タッチパネル機能を液晶パネルの中に一体化する方法の研究が盛んになっている。このタッチパネルと液晶パネルの一体化には、「インセル」と呼ばれる方法と、「オンセル」と呼ばれる方法がある。
【0003】
インセルは、タッチパネル機能を液晶の画素の中に組み込む方法である。一方、オンセルは、タッチパネル機能をカラー・フィルタ基板と偏光板の間に作り込む方法である。外付けだったタッチパネル部品を一体化できれば、薄型化、軽量化が可能になる。
【0004】
インセル技術の提案は以前からあったが、複雑な半導体製造プロセスを使うため、歩留まりや表示性能の確保が難しく、実用化が進まずにいた。また、画素内にタッチ・センサを組み込むことで、表示に利用できる面積が減ってしまい、画質劣化の要因にもなっていた。
【0005】
一方、オンセル技術では、カラー・フィルタ基板と偏光板の間に、簡単な透明電極パターンなどを形成するだけで済むため、歩留まりを確保しやすい。また、画素内の有効表示領域の面積も減らないため、画質劣化もほとんどない。
【0006】
ところで、近年、タッチパネルセンサの薄型化と製造工程の簡単化のトレンドとして、上述したようなインセル方式、オンセル方式と並んで、カバーガラスに直接パターニングする方法が検討されている。
【0007】
現在市場に流通しているカバーガラスは、最終的に得られる製品のサイズにカットした後に強化処理を行っている。この工程を逆にすることが技術的障壁であり、カットされたカバーガラスヘのパターニングが行われている。即ち、強化処理を行った複数取りの大型ガラス基板を露光・パターニング後にカットすると、クラックが入るなどして製品化ができないのが現状である。
【0008】
そこで、製品サイズにカットされたガラス基板に対して露光処理を行う露光装置が求められているが、そのような露光装置では、タクトタイムが大きくなってしまい、生産性向上の妨げとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、個別形状にカットされた基板に対して露光処理を行う露光装置において、タクトタイムを短縮して、生産性を向上できる露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載の露光装置は、最終的に得られる製品の個別形状にカットされた基板に対して露光処理を行う露光装置であって、光源、前記光源の下方に配されたフレーム部材、及び前記フレーム部材に取付けられたマスクを有する露光ユニットと、前記基板が載置される基板保持ユニットと、前記露光ユニットを前記基板保持ユニットの上方に支持するとともに、前記露光ユニットを少なくとも鉛直方向に移動させる脚ユニットと、
前記フレーム部材に固定されたノズル、シリンダケース、前記シリンダケース内をシリンダ室aとシリンダ室bに分けるシリンダ、前記シリンダを付勢する付勢部材、及び空圧源を有するアクチュエータを備え、前記基板保持ユニット表面に基板が載置された状態で、前記脚ユニット
及び前記アクチュエータにより前記露光ユニットの鉛直方向の位置を調整し、前記露光ユニットの前記光源から光を発し、該光が前記マスクを透過して、前記マスクに形成されたパターンに応じたパターンの光を前記基板表面に照射すること、を特徴とする。
本発明の請求項2に記載の露光装置は、請求項1において、
前記空圧源は弁を介してシリンダ室bに接続され、前記空圧源は弁及び絞りを介してシリンダ室aに接続されること、を特徴とする。
本発明の請求項3に記載の露光装置は、請求項1又は2において、前記基板保持ユニットは、複数の基板を連続的に搬送するコンベアの一部であり、光照射位置において、露光処理がなされる基板を停止した状態で保持すること、を特徴とする。
本発明の請求項4に記載の露光装置は、請求項
3において、並行して配された複数の前記コンベアと、該複数のコンベアのそれぞれに対応して配された、複数の前記露光ユニット及び前記脚ユニットとを備えること、を特徴とする。
本発明の請求項5に記載の露光装置は、
請求項3において、並行して配された複数の前記コンベアと、前記露光ユニットを、前記複数のコンベアを横切る方向に移動させる、移動手段を備えること、を特徴とする。
本発明の請求項6に記載の露光装置は、
最終的に得られる製品の個別形状にカットされた基板に対して露光処理を行う露光装置であって、光源、前記光源の下方に配されたフレーム部材、及び前記フレーム部材に取付けられたマスクを有する露光ユニットと、前記基板が載置される基板保持ユニットと、前記露光ユニットを前記基板保持ユニットの上方に支持するとともに、前記露光ユニットを少なくとも鉛直方向に移動させる脚ユニットと、並行して配された複数の前記コンベアと、前記露光ユニットを、前記複数のコンベアを横切る方向に移動させる、移動手段を備え、前記基板保持ユニットは、複数の基板を連続的に搬送するコンベアの一部であり、前記基板保持ユニット表面に基板が載置された状態で、前記脚ユニットにより前記露光ユニットの鉛直方向の位置を調整し、光照射位置において、露光処理がなされる基板を停止した状態で保持し、前記露光ユニットの前記光源から光を発し、該光が前記マスクを透過して、前記マスクに形成されたパターンに応じたパターンの光を前記基板表面に照射すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の露光装置では、光源、前記光源の下方に配されたフレーム部材、及び前記フレーム部材に取付けられたマスクを有する露光ユニットと、前記基板が載置される基板保持ユニットと、前記露光ユニットを前記基板保持ユニットの上方に支持するとともに、前記露光ユニットを少なくとも鉛直方向に移動させる脚ユニットと、を備えている。そして本発明の露光装置では、前記基板保持ユニット表面に、個別形状にカットされた基板が載置された状態で、前記脚ユニットにより前記露光ユニットの(鉛直方向の)位置を調整し、前記露光ユニットの前記光源から光を発し、該光が前記マスクを透過して、前記マスクに形成されたパターンに応じたパターンの光を前記基板表面に照射しているので、個別形状にカットされた複数の基板に対して、迅速に露光処理を行うことができる。これにより本発明では、タクトタイムを短縮して、生産性を向上できる露光装置を提供することができる。
また本発明の露光装置においては、前記フレーム部材に固定されたノズル、シリンダケース、前記シリンダケース内をシリンダ室aとシリンダ室bに分けるシリンダ、前記シリンダを付勢する付勢部材(たとえばスプリング)、及び空圧源を有するアクチュエータを備え、前記基板保持ユニット表面に基板が載置された状態で、前記脚ユニット及び前記アクチュエータにより前記露光ユニットの鉛直方向の位置を調整する。これにより、機械的接触をせずに、マスクと基板との間のギャップを精密に制御して、マスク下面と基板との間の露光ギャップを所定幅に制御することが可能となる。さらに、この場合、ノズルと基板載置面(基板保持ユニットの表面)との衝突リスクの軽減が図れる。このように、前記アクチュエータでは、センサやコントローラを必要としないので、安価な閉ループ制御が実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明に係る露光装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る露光装置の一構成例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は断面図である。
この露光装置は、最終的に得られる製品の個別形状にカットされた基板に対して露光処理を行う露光装置である。
露光装置1は、光源11、前記光源11の下方に配されたフレーム部材12、及び前記フレーム部材12に取付けられたマスク13を有する露光ユニット10と、前記基板2が載置される基板保持ユニット20と、前記露光ユニット10を前記基板保持ユニット20の上方に支持するとともに、前記露光ユニット10を少なくとも鉛直方向に移動させる脚ユニット30と、を備える。
【0016】
前記基板2は、最終的に得られる製品の個別形状にカットされるとともに、予め強化処理が施されたガラス基板である。
本実施形態において、基板2は、例えば化学強化ガラスからなる。このような化学強化ガラスは、温度が400℃程度のカリウム塩溶融浴に浸漬して化学強化処理を行ったガラスであり、ガラス基板2のナトリウムイオンがカリウムイオンにイオン交換されている。ここで、ナトリウムのイオン半径は95nmであるのに対して、カリウムイオンのイオン半径は133nmであり、カリウムイオンの方がナトリウムイオンよりもイオン半径が大きい。このため、ガラス基板は、表面の化学強化層に起因する圧縮応力によって強度が強化された状態にある。
【0017】
また、本実施形態において、基板は、大型のガラス基板を切断した後、強化処理されてなる。このため、大型の強化ガラス基板を切断する必要がないので、製品サイズのガラス基板を効率よく生産することができる。
なお、基板2には、その表面にパターニングする対象となる薄膜が形成され、その薄膜表面にフォトレジスト膜が予め形成されていてもよい。
【0018】
露光ユニット10は、光源11、前記光源11の下方に配されたフレーム部材12、前記フレーム部材12に取付けられたマスク13(フォトマスク)を備える。
光源11としては、例えば、波長365nmを基準波長とする超高圧水銀ランプが好ましい。このランプを使用する場合、点灯/消灯制御を頻繁に行うことは現実的ではないので、継続点灯状態で用いる。そのため、光源からの光の出射/遮蔽動作を行うためには、2次デバイスが必要となる。この2次デバイスとしては通常、モータ駆動のメカニカルなシャッタが搭載される。後述するミラーデバイスは、このシャッタの代替要素の一例である。
【0019】
フレーム部材12は、マスク13を位置決めして保持する。
マスク13は、例えば、ガラス等の透明基板上に、所定パターンの遮光膜が形成されることで構成される。
【0020】
さらに、本実施形態の露光装置1において、前記露光ユニット10は、前記フレーム部材12の(鉛直方向の)位置を調整可能な移動機構(アクチュエータ14)を有する。
アクチュエータ14は、マスク13を保持したフレーム部材12を、少なくともY軸の方向(鉛直方向)に移動可能である。これにより、基板保持ユニット20に載置された基板2上に形成される、照明領域の形状又は位置を調整することができる。
なお、本実施形態の露光装置1は、いわゆる、「プロキシミティ露光」装置を主な対象として検討されたものである。ここで、「プロキシミティ露光」とは、マスク(レチクル)とワーク(試料、基板)のギャップを求められる解像度に対応して数μmから数百μm程度に設定して露光する非接触の露光方式を意味する。「プロキシミティ露光」は、マスクをワークに接触させる「コンタクト露光」に比較して、たとえばマスク表面にレジスト材料が展着するようなリスクを回避できる反面、マスク開口部を通過する光(マスク開口通過光)の放射成分(完全な平行光は作れない)によって、マスクパターン外のレジスト材にも微小に露光が進行し、解像度が劣化する。この解像劣化量は、ギャップ量に比例して進行するので、例えばタッチパネルの場合、ギャップ量としては150μm程度が好ましい。
【0021】
図2は、本実施形態の露光装置において、フレーム部材12及びアクチュエータ14の部分の構成を示す斜視図である。また、
図3は、アクチュエータ14の構成を模式的に示す図である。本実施形態において、アクチュエータ14は、フィードバック制御を行う。
【0022】
アクチュエータ14は、電磁弁50、フレーム部材12に固定されたノズル51、シリンダケース52内をシリンダ室52a,52bに分けるシリンダ52c、シリンダケース52内に配されたシリンダ52cを付勢するスプリング53、空圧源54、レギュレータ55、及び、オリフィス等とされる絞り56を有する。
【0023】
図3の電磁弁off 状態では、スプリング53に押圧されてシリンダ52cは上方に移動した状態にある。
電磁弁52をONにするとシリンダ室52b が加圧され、シリンダ52c を下方に移動せしめ、スプリング53を圧縮する。このとき、シリンダ室52aには絞り56を通過した圧空が導入されていて、さらにノズル51から排気されている状態で、いわゆるメータアウト駆動状態にある。
【0024】
フレーム部材12及びマスク13を下降させると、フレーム部材12に固定されたノズル51が、基板載置面(基板保持ユニット20表面)に近接するに応じて先のメータアウトの絞りが強まることとなる。これにより、ノズル51内圧およびシリンダ室52aの圧力が上昇する。シリンダ室52aの圧力とシリンダ52cを上方に押し上げるスプリング53のスプリング力の和が、シリンダ室52bの圧力によるシリンダ52cに対する下向きの力まで高まると、シリンダ室52aとシリンダ室52bとの圧力差によりシリンダ52cはノズル51先端のギャップをそれ以上縮める方向に移動できなくなる。このため、スプリング53とシリンダ室52aとの押圧力の和がシリンダ室52bの圧力差に釣り合う位置で、シリンダ52cと一体に固定されたフレーム部材12は停止する。さて、絞り56がなくても先の動作中のメータアウト効果は得られるのであるが、その場合はシリンダ室52b内に残留していたエアがノズル51先端から流れだしてしまい、ノズル51と基板保持ユニット20表面が接触してしまう可能性があるため好ましくない。
【0025】
何らかの外力によって20と51を離間させる状態にしたときには、ノズル51の吐出流量が増加する。これにより、ノズル51内およびシリンダ室52aの圧力が減少しシリンダ52cが下降する。このシリンダ室52aの圧力とシリンダ52cを上方に押し上げるスプリング力との和が、シリンダ室52bの圧力と釣り合う位置までシリンダ52cが下降すると、シリンダ52cは一体として上下動するフレーム部材12及びマスク13ともども停止する。
【0026】
フレーム部材12,マスク13,シリンダ52c といった重量とスプリング53のスプリング力と、シリンダ室52bに導入されるレギュレータ55のレギュレータ設定圧、シリンダ室52aの室圧がシリンダ52cに作用する釣り合い条件は機械設計的に決められるのであるが、基板保持ユニット20表面とノズル51とのギャップは、シリンダ室52室圧が絞り56と、ノズル51先端部圧力損失比によって決まるものなので、絞り56をより絞れば、基板保持ユニット20表面とノズル51との釣合ギャップはより狭小に調整できる。
また、絞り56を固定したとき、レギュレータ55のレギュレータ圧を調整することでも基板保持ユニット20表面とノズル51との釣合ギャップを調整することができる。
【0027】
これにより、機械的接触をせずに、マスク13と基板2との間のギャップを精密に制御して、マスク下面13aと基板2との間の露光ギャップを所定幅に制御することが可能となる。さらに、この場合、ノズル51と基板載置面(基板保持ユニット20表面)との衝突リスクの軽減が図れるので好ましい。このように、本実施形態のアクチュエータ14では、センサやコントローラを必要としないので、安価な閉ループ制御を実現できる。
【0028】
なお、露光ユニット10において、光源11とマスク13との間に、コンデンサレンズ(図示せず)が配されていてもよい。コンデンサレンズは、例えば一対の非球面レンズからなり、光源11からの照射光を略平行光とする。
【0029】
また、マスク13と基板保持ユニット20との間に、縮小投影レンズ(図示せず)が配されていてもよい。縮小投影レンズは、マスク13上のパターンを、基板保持ユニット20に載置された基板2上に縮小投影する。
【0030】
基板保持ユニット20は、その表面に、露光処理が施される被処理基板2が載置される。基板保持ユニット20は、例えば真空吸着、静電吸着、メカニカルクランプなどにより基板2を固定する手段を有していてもよい。
本実施形態の露光装置1において、前記基板保持ユニット20は、複数の基板2を連続的に搬送するコンベア21の一部である。
【0031】
コンベア21は、例えば、駆動用回転ローラ、回転ローラ、及びコンベアベルトを備える。モータを所定方向に回転させて、コンベアベルトを所定方向に回転させ、これにより、コンベアベルト上に載置された複数の基板2を、連続的に搬送する。
そして、コンベア21は、光照射位置(露光ユニット10の下方位置)において、露光処理がなされる被処理基板2を停止した状態で保持する。
【0032】
脚ユニット30は、前記露光ユニット10を前記基板保持ユニット20の上方に支持するとともに、前記露光ユニット10を少なくとも鉛直方向に移動させる。
脚ユニット30は、昇降モータ(図示せず)に連結され鉛直方向に延びる昇降脚31を有し、この昇降脚31の上端部には、露光ユニット10が取り付けられている。昇降脚31の数は特に限定されるものではないが、複数とすることが好ましく、例えば3本とする。
【0033】
このような構成の露光装置11を用いて、ガラスからなる基板2表面に形成された薄膜をパターニングするには、まず、
図4に示すように複数の基板2をコンベア21(基板保持ユニット20)に載置する。
なお、基板2は、その表面にパターニングする対象となる薄膜が形成され、その薄膜表面にフォトレジスト膜が予め形成されている。
【0034】
このとき、
図4(b)に示すように、昇降ユニットは上昇し、その昇降脚31によって露光ユニット10を支持して上昇した状態とされている。
コンベア21は、露光処理がなされる被処理基板2を、処理が行われる所定位置(露光ユニット10の下方位置)まで搬送し、光照射位置において、被処理基板2を停止した状態で保持する。
【0035】
そして、
図1(c)に示すように、昇降ユニットの昇降脚31を下降させることで露光ユニット10を下降させ、その状態で、基板2に対して露光処理を行う。このとき、前記脚ユニット30により前記露光ユニット10の鉛直方向の位置を調整してもよい。また、アクチュエータ14により、マスク13を保持したフレーム部材12の少なくともY軸の方向(鉛直方向)の位置を調整してもよい。
【0036】
この状態で、光源11から光を発すると、その光がコンデンサレンズに照射され、コンデンサレンズで集光されて平行光束が形成され、マスク13に照射される。
【0037】
マスク13に照射された平行光束は、マスク13を透過した後、縮小投影レンズ15で縮小されて基板保持ユニット20に載置された基板表面に照射される。その結果、基板2の表面のフォトレジスト膜の一部領域に、マスク13と同じパターンで、縮小された像を結像するように、フォトレジスト膜の一部領域が露光されて潜像が形成される。
【0038】
露光処理終了後、
図4に示すように、昇降ユニットの昇降脚31を上昇させることで露光ユニット10を上昇させ、再びコンベア21を動作させることで処理済の基板2を搬送するとともに、次に露光処理がなされる基板2を、所定位置(露光ユニット10の下方位置)まで搬送する。
【0039】
このように、本発明の露光装置1によれば、個別形状にカットされた複数の基板2に対して、迅速に露光処理を行うことができる。これにより本発明の露光装置1では、タクトタイムを短縮して、生産性を向上することができる。
【0040】
なお、本発明の露光装置1では、
図5に示すように、並行して配された複数の前記コンベア21と、該複数のコンベア21のそれぞれに対応して配された、複数の前記露光ユニット10及び前記脚ユニット30とを備えた構成とすることもできる。これにより、より多くの基板2に対して露光処理をおこなうことができ、生産性をさらに向上することができる。
【0041】
また、本発明の露光装置では、
図6に示すように、並行して配された複数の前記コンベア21と、前記露光ユニット10を、前記複数のコンベア21を横切る方向(コンベア21の幅方向)に移動させる、移動手段40を備えた構成とすることもできる。
【0042】
露光ユニット10は、前記移動手段40によって、複数のコンベア21を横切る方向に移動し、それぞれのコンベア21上において、該コンベア21に載置された複数の基板に対して露光処理を行う。これにより、一台の装置で多くの基板に対して露光処理をおこなうことができ、生産性をさらに向上することができる。また、露光ユニットが1台で済むため、装置コストを抑えることもできる。
【0043】
また、上述した実施形態では、マスクを用いた露光装置の場合について説明したが、本発明は、マスクを用いずに、光源の光路中にMEMSミラーデバイスを配し、露光工程における照射/非照射の切り替えを、前記ミラーデバイスへの信号によって行うような、露光装置にも応用することが可能である。
【0044】
この場合、露光ユニットの構成内容は公知のシングルチップDLPプロジェクターとほぼ同等であり、ランプは紫外光(UV)用のものとし、投影レンズはUV光の透過率が高いものとして成る。投影レンズの焦点位置は1m以内程度にすることが望ましい。
【0045】
装置をマスクレスとし、ミラーデバイスを用いることで、被処理基板サイズに拡大投射したとき、ミラーデバイスの解像力で丁度パターニングできるという利点がある。
一方、ミラーデバイスは、単にON/OFF信号入力にしてシャッタ機能としてマスク露光用途に用いることができる。このとき、振動や寿命、応答性の面で、ミラーデバイスを用いることが、メカニカルシャッタに比較して有利である。
【0046】
以上、本発明の露光装置について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。