【文献】
SeokJoon Hong et al.,Interleaved Spatial Diversity Transmission with Coordinate Interleaver for MIMO-OFDM Systems,Vehicular Technology Conference,2009. VTC Spring 2009.,2009年 4月,pp.1-4
【文献】
蔀 拓也 他,次世代地上放送に向けた伝送技術 − 円・斜め偏波を用いた偏波MIMO 伝送実験 −,映像情報メディア学会技術報告,2011年 3月 4日,Vol.35, No.13,pp.1-4,BCT2011-41
【文献】
朝倉 慎悟 他,次世代地上放送に向けた伝送技術 −多次元インターリーブの一検討−,映像情報メディア学会技術報告,2012年 2月 2日,第36巻,第6号,pp.53-58,BCT2012-25
【文献】
朝倉 慎悟 他,次世代地上放送に向けた伝送技術 −偏波MIMO伝送におけるLDPC符号復号方法の一検討−,映像情報メディア学会技術報告,2012年 6月 8日,第36巻、第23号,pp.25-30,BCT2012-58
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セグメント間インターリーブ部は、前記キャリアシンボルを、IQ平面のI軸座標上に配置されるIデータ、及びIQ平面のQ軸座標上に配置されるQデータに分解し、Iデータ及びQデータを最小単位として、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに周波数方向にインターリーブ処理して、前記セグメント間でインターリーブ処理されたデータを生成する、請求項1に記載の送信装置。
前記出力処理部は、水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナ、又は右旋円偏波用アンテナ及び左旋円偏波用アンテナを介して前記OFDM信号を送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一般に誤り訂正符号は、データが連続的に誤ると訂正が効きにくい。そのため、送信装置ではデータをインターリーブ処理し、受信装置では受信したデータをデインターリーブ処理して元のデータに戻すことで、誤りデータを全体に分散させ、誤り訂正能力を向上させている。日本のデジタル放送方式であるISDB−Tでは、ビットインターリーブ処理、周波数インターリーブ処理、時間インターリーブ処理をそれぞれ行うことで、様々な条件下で最適のパフォーマンスを実現するように設計されている。本発明では、これらのインターリーブに加えて送信アンテナ間のインターリーブ処理を行うことで、送信アンテナ間のレベル差による誤りデータを送信アンテナ間に分散させ、MIMOシステム全体の伝送特性を改善する。以下、複数アンテナを用いたMIMOの一例として、水平偏波、垂直偏波の直交性を利用した偏波MIMOを具体例にとり説明する。ただし、本発明による送信装置及び受信装置は、偏波MIMO伝送のみならず、一般的なSDM-MIMO伝送に対して有効である。
【0029】
<第1の実施形態>
[送信装置]
まず、本発明の第1の実施形態に係る送信装置について説明する。送信装置は、複数の送信アンテナからそれぞれ異なる偏波を用いてOFDM信号を送信する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、送信装置1は、誤り訂正符号化部11と、ビットインターリーブ部12と、マッピング部13と、時間インターリーブ部14と、周波数・偏波間インターリーブ部15と、第1偏波用出力処理部16−1と、第2偏波用出力処理部16−2と、第1偏波用送信アンテナ17−1と、第2偏波用送信アンテナ17−2と、を備える。第1偏波用出力処理部16−1は、第1偏波用OFDMフレーム構成部161−1と、第1偏波用IFFT部162−1と、第1偏波用GI付加部163−1と、を備える。第2偏波用出力処理部16−2は、第2偏波用OFDMフレーム構成部161−2と、第2偏波用IFFT部162−2と、第2偏波用GI付加部163−2と、を備える。ビットインターリーブ部12は、後述の理由によりDVB−C2(Digital Video Broadcasting-Cable 2)方式を踏襲したものとする。その他、周波数・偏波間インターリーブ部15を除く各ブロックの処理は、ISDB−T方式を踏襲したものとする。
【0030】
第1偏波用出力処理部16−1は、第1偏波用の送信データについての処理を行い、第2偏波用出力処理部16−2は、第2偏波用の送信データについての処理を行う。第1偏波及び第2偏波は、水平偏波及び垂直偏波や、右旋円偏波及び左旋円偏波など、2種類の分離可能な偏波とする。以下の説明において、第1偏波用と第2偏波用とで両者を区別する必要が無い場合には、第1偏波用出力処理部16−1及び第2偏波用出力処理部16−2を出力処理部16と称し、第1偏波用OFDMフレーム構成部161−1及び第2偏波用OFDMフレーム構成部161−2をOFDMフレーム構成部161と称し、第1偏波用IFFT部162−1及び第2偏波用IFFT部162−2をIFFT部162と称し、第1偏波用GI付加部163−1及び第2偏波用GI付加部163−2をGI付加部163と称し、第1偏波用送信アンテナ17−1及び第2偏波用送信アンテナ17−2を送信アンテナ17と称する。
【0031】
誤り訂正符号化部11は、受信側で伝送誤りを訂正可能とするために、入力される送信信号を誤り訂正符号化する。誤り訂正は、例えば外符号としてBCH符号を用い、内符号としてLDPC(Low Density Parity Check)符号を用いる。
【0032】
ビットインターリーブ部12は、誤り訂正符号の性能を高めるために、誤り訂正符号化部11より出力された送信信号をビット単位でインターリーブする。誤り訂正に外符号としてLDPC符号を用いる場合、ビットインターリーブ方法はDVB−C2で用いられている方法などで効果があることが知られている。DVB−C2のビットインターリーブ方法については、ETSI EN 302 769 V1.2.1(p.32)や、http://www.dvb.org/technology/dvbc2/を参照されたい。
【0033】
マッピング部13は、mビット/シンボルとしてIQ平面へのマッピングを行い、変調方式に応じたキャリア変調が施されたキャリアシンボルを生成する。
【0034】
時間インターリーブ部14は、マッピング部13から入力されるキャリアシンボルの順序を、時間方向に並べ替える。
【0035】
周波数・偏波間インターリーブ部15は、時間インターリーブ部14から入力される時間方向にインターリーブ処理されたキャリアシンボルの順序を、周波数方向及び偏波間(送信アンテナ間)で並べ替え、送信アンテナ17ごとにインターリーブ処理されたデータを生成する。インターリーブ処理の具体例は後述する。
【0036】
出力処理部16は、周波数・偏波間インターリーブ部15から入力されるインターリーブ処理されたデータに対して、OFDMフレームを構成し、各送信アンテナ17を介してOFDM信号を送信する。送信アンテナ17は、水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナ、又は右旋円偏波用アンテナ及び左旋円偏波用アンテナである。
【0037】
OFDMフレーム構成部161は、周波数・偏波間インターリーブ部15から入力される信号にパイロット信号(SP信号)、制御情報を示すTMCC信号、及び付加情報を示すAC信号を挿入し、全キャリアを1 OFDMシンボルとして、所定数のOFDMシンボルのブロックでOFDMフレームを構成する。
【0038】
IFFT部162は、OFDMフレーム構成部161から入力されるOFDMシンボルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を施して時間領域の有効シンボル信号を生成する。
【0039】
GI付加部163は、IFFT部162から入力される有効シンボル信号の先頭に、有効シンボル信号の後半部分をコピーしたガードインターバルを挿入し、直交変調処理及びD/A変換を施したアナログ信号を、送信アンテナ17を介して外部に送信する。
【0040】
[受信装置]
次に、本発明の第1の実施形態に係る受信装置について説明する。受信装置は、上述した送信装置1から送信されるOFDM信号を、複数の受信アンテナにより受信する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、受信装置2は、第1偏波用受信アンテナ21−1と、第2偏波用受信アンテナ21−2と、第1偏波用入力処理部22−1と、第2偏波用入力処理部22−2と、伝送路応答算出部23と、MIMO検出部24と、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25と、雑音分散算出部26と、第2周波数・偏波間デインターリーブ部27と、尤度比算出部28と、時間デインターリーブ部29と、ビットデインターリーブ部30と、誤り訂正符号復号部31と、を備える。第1偏波用入力処理部22−1は、第1偏波用GI除去部221−1と、第1偏波用FFT部222−1と、第1偏波用パイロット信号抽出部223−1と、を備える。第2偏波用入力処理部22−2は、第2偏波用GI除去部221−2と、第2偏波用FFT部222−2と、第2偏波用パイロット信号抽出部223−2と、を備える。
【0041】
第1偏波及び第2偏波は、送信装置1の第1偏波及び第2偏波と同一である。以下の説明において、第1偏波用と第2偏波用とで両者を区別する必要が無い場合には、第1偏波用受信アンテナ21−1及び第2偏波用受信アンテナ21−2を受信アンテナ21と称し、第1偏波用入力処理部22−1及び第2偏波用入力処理部22−2を入力処理部22と称し、第1偏波用GI除去部221−1及び第2偏波用GI除去部221−2をGI除去部221と称し、第1偏波用FFT部222−1及び第2偏波用FFT部222−2をFFT部222と称し、第1偏波用パイロット信号抽出部223−1及び第2偏波用パイロット信号抽出部223−2をパイロット信号抽出部223と称する。
【0042】
入力処理部22は、送信装置1から送信されるOFDM信号を、受信アンテナ21を介して受信する。GI除去部221は、受信したOFDM信号を直交復調処理してベースバンド信号を生成し、A/D変換によりアナログ信号を生成する。そして、GI除去部221は、ガードインターバルを除去して有効シンボル信号を抽出する。
【0043】
FFT部222は、GI除去部221から入力される有効シンボル信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を施して複素ベースバンド信号を生成する。
【0044】
パイロット信号抽出部223は、FFT部222から入力される複素ベースバンド信号からパイロット信号(SP信号)を抽出する。
【0045】
伝送路応答算出部23は、パイロット信号抽出部223から入力されるパイロット信号を用いて伝送路応答を算出する。
【0046】
MIMO検出部24は、FFT部222から入力されるベースバンド信号を、伝送路応答算出部23から入力される伝送路応答を用いて、ZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Squared Error)、BLAST(Bell Laboratories Layered Space-Time)、MLD(Maximum Likelihood Detection)などの既知の手法により、送信装置1から送信される複数の偏波信号を波形等化及び分離した分離信号を生成する。
【0047】
第1周波数・偏波間デインターリーブ部25は、MIMO検出部24から入力される分離信号に対し、周波数方向及び偏波間(受信アンテナ間)でデインターリーブ処理(送信装置1の周波数・偏波間インターリーブ部15と逆の処理)を行う。
【0048】
受信装置2は、LDPC復号に必要な尤度比を算出するために、雑音分散を算出する必要がある。第1周波数・偏波間デインターリーブ部25によりデインターリーブ処理されたデータキャリア(分離信号)から帯域全体の雑音分散を算出してもよいが、より精度の高い雑音分散を算出するには、後述するように、各キャリアに対して雑音分散の重み付けを行う必要がある。したがって、
図2に示す受信装置2では、雑音分散算出部26を、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25と尤度比算出部28との間ではなく、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25の前に配置している。
【0049】
雑音分散算出部26は、MIMO検出部24から入力される各偏波信号から雑音分散を求める。雑音分散σ
2は、キャリアシンボルが本来あるべきIQ座標上のシンボル点と実際に観測したキャリアシンボルのシンボル点Pとのずれを意味し、変調誤差比を求めて逆数を取ることで得られる。これは、帯域内平均電力を1とする正規化係数を乗じているためである。
図3は、雑音分散算出部26の処理を説明する図である。雑音分散の算出方法は幾つか存在するが、
図3に示すように、シンボル点Pの雑音分散を算出する際には、多値変調(
図3の例では64QAM)されているデータシンボルから求めるよりも、ACシンボル及び/又はTMCCシンボルから求めるほうが、誤って認識される確率が低い。そこで、雑音分散算出部26は、データシンボルを周波数・偏波間デインターリーブ処理する前に、ACシンボル及び/又はTMCCシンボルを用いて、OFDMキャリアシンボル全体の平均雑音分散を算出するのが好適である。
【0050】
伝送路にマルチパスが存在する場合は、各OFDMキャリアで電力が異なるため雑音分散にばらつきが生じる。雑音分散σ
2は、各キャリアシンボルを構成するビット単位の尤度比を求めるために必要であり、キャリア毎の雑音分散をなるべく正確に算出することがLDPC復号の性能を決める。そこで、伝送路応答から求まるウェイト行列を利用し、帯域全体の平均雑音分散に対して各キャリアで重み付けを行って雑音分散を定める。各キャリアにおけるウェイト行列は、伝送路応答行列Hとして(H
HH)
−1と表せることが知られている。各キャリアのウェイト成分は、この対角成分で表せる。これを全キャリアで正規化し、帯域全体の平均雑音分散に乗算することで重み付けを行う。各キャリアの信号対電力の情報(=C/N)を尤度計算に乗算する復号法については、例えば、中原、「マルチパス伝送路における64QAM−OFDM信号の軟判定復号法の検討」、ITE Technical Report vol.22、no.34、PP1-6、Jun.1998を参照されたい。ウェイト行列の算出等の詳細は、例えば、大鐘・小川、「わかりやすいMIMOシステム技術」、オーム社、p.101を参照されたい。
【0051】
第2周波数・偏波間デインターリーブ部27は、雑音分散算出部26から入力される各偏波信号に対応する雑音分散に対し、周波数方向及び偏波間(受信アンテナ間)でデインターリーブ処理(送信装置1の周波数・偏波間インターリーブ部15と逆の処理)を行う。
【0052】
尤度比算出部28は、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25から入力されるデインターリーブ処理されたデータと、該データに対応する第2周波数・偏波間デインターリーブ部27から入力される雑音分散σ
2とを用いて尤度比λを算出する。尤度比λは誤り訂正符号の各ビットについて算出されるものであり、受信信号の確率的な信頼度情報を表す。尤度比としては、一般的に対数尤度比(LLR:Log-Likelihood Ratio)が用いられる。例えば、BPSK変調での対数尤度比λは、観測した値をyとして、2値(x=0,1)それぞれの確率P(=尤度関数)はガウス分布となるため、次式(3)で表される。詳細は、例えば、和田山、「低密度パリティ検査符号とその復号法」、トリケップスを参照されたい。
【0054】
時間デインターリーブ部29は、尤度比算出部28から入力される尤度比λに対し、時間方向にデインターリーブ処理(送信装置1の時間インターリーブ部14と逆の処理)を行う。そして、デインターリーブ処理された尤度比λを、ビットデインターリーブ部30に出力する。
【0055】
ビットデインターリーブ部30は、時間デインターリーブ部29により生成された尤度比λに対し、ビット方向にデインターリーブ処理(送信装置1のビットインターリーブ部12と逆の処理)を行う。そして、デインターリーブ処理された尤度比λを、誤り訂正符号復号部31に出力する。
【0056】
誤り訂正符号復号部31は、ビットデインターリーブ部30から入力される尤度比λを用いて誤り訂正復号の復号を行い、送信装置1から送信されたビットの推定値を出力する。
【0057】
[周波数・偏波間インターリーブ部]
次に、周波数・偏波間インターリーブ部15について説明する。なお、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25及び第2周波数・偏波間デインターリーブ部27は、周波数・偏波間インターリーブ部15と逆方向にデータを並び替えて元の順序に戻すものであり、周波数・偏波間インターリーブ部15のブロック図と信号線の矢印の向きが逆になるだけであるため、説明を省略する。
【0058】
[インターリーブの第1の例]
インターリーブの第1の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15は、所定数のキャリアシンボルごとに第1偏波送信用データ及び第2偏波送信用データに分類した後に、偏波ごとに周波数インターリーブ処理を行う。
図4は、周波数・偏波間インターリーブ部15の第1の例の構成を示すブロック図である。第1の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15は、データ分配部151と、第1偏波用周波数インターリーブ部150−1と、第2偏波用周波数インターリーブ部150−2とを備える。第1偏波用周波数インターリーブ部150−1は、第1偏波用セグメント間インターリーブ部152−1と、第1偏波用データローテーション部153−1と、第1偏波用データランダマイズ部154−1と、を備える。第2偏波用周波数インターリーブ部150−2は、第2偏波用セグメント間インターリーブ部152−2と、第2偏波用データローテーション部153−2と、第2偏波用データランダマイズ部154−2と、を備える。以下の説明において、第1偏波用と第2偏波用とで両者を区別する必要が無い場合には、第1偏波用周波数インターリーブ部150−1及び第2偏波用周波数インターリーブ部150−2を周波数インターリーブ部150と称し、第1偏波用セグメント間インターリーブ部152−1及び第2偏波用セグメント間インターリーブ部152−2をセグメント間インターリーブ部152と称し、第1偏波用データローテーション部153−1及び第2偏波用データローテーション部153−2をデータローテーション部153と称し、第1偏波用データランダマイズ部154−1及び第2偏波用データランダマイズ部154−2をデータランダマイズ部154と称する。
【0059】
データ分配部151は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルを所定数ずつ、第1偏波用周波数インターリーブ部150−1、及び第2偏波用周波数インターリーブ部150−2に分配する。インターリーブの効果を高めるためには、1キャリアシンボルずつ分配する、すなわち奇数番目のキャリアシンボルを第1偏波用周波数インターリーブ部150−1に出力し、偶数番目のキャリアシンボルを第2偏波用周波数インターリーブ部150−2に出力するのが好適である。
【0060】
周波数インターリーブ部150は、例えばISDB−Tで行われている方法でインターリーブ処理を行い、データ分配部151により分配された各偏波用のデータ(各送信アンテナのデータ)を、1 OFDMシンボルごとに、周波数方向にインターリーブする。
【0061】
図5は、セグメント間インターリーブ部152の処理を説明する図であり、
図5(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図5(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。セグメント間インターリーブ部152は、データ分配部151から入力されるキャリアシンボルを、1 OFDMキャリアシンボルごとに、セグメント間で周波数方向にインターリーブ処理する。
図5に示す例では、1 OFDMキャリアシンボル内のセグメント数をn(ISDB−T方式では、n=13)とし、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。なお、並び替え順は一例であり、これに限られるものではない。
【0062】
図6は、データローテーション部153の処理を説明する図であり、
図6(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図6(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。データローテーション部153は、セグメント間インターリーブ部152から入力されるキャリアシンボルに対し、1セグメントごとに、データのローテーションによるインターリーブ処理を行う。
図6では、
図5と同様に、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。データローテーション部153は、k番目セグメント、i番目のデータを、データローテーションによって、k番目セグメント、i’番目に並べ替える。
図6に示す例では、i’=(i+k)mod384としている。なお、並べ替え順は一例であり、これに限られるものではない。
【0063】
図7は、データランダマイズ部154の処理を説明する図であり、
図7(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図7(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。データランダマイズ部154は、セグメント内のキャリアシンボル数分の乱数テーブルを予め有し(送信側及び受信側で同じ乱数テーブルとする)、データローテーション部153から入力されるデータに対して、乱数テーブルを参照してセグメント内でランダマイズ処理を行い、周期性を排除する。
図7では、
図5、6と同様に、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。なお、乱数は一例であり、これに限られるものではない。
【0064】
ここで、
図1に示すように、周波数・偏波間インターリーブ部15は、インターリーブを、マッピング部13によるマッピングが行われる前のビットデータに対してではなく、マッピング部13によるマッピングが行われた後のキャリアシンボルに対して行う点に留意されたい。その理由を以下に説明する。
図8は、本発明に係る送信装置1との比較のために示す、マッピング部13によるマッピングが行われる前のビットデータに対してデータ分配を行う送信装置1’の構成を示す図である。
【0065】
AWGN(additive white Gaussian noise)環境などでは、偏波間のインターリーブを、送信装置1’のようにマッピング前のビットデータに対して行う場合と、送信装置1のようにマッピング後のキャリアシンボルに対して行う場合とでは、特性差はあまり生じない。しかし、例えばマルチパス環境下においては、1キャリアシンボル単位で振り分ける方が、1ビット単位で振り分ける方法よりも誤りやすいビット(例えば隣り合うキャリアシンボル同士で1ビット異なるグレー符号において下位2ビット)が分散する。そのため、本発明による送信装置1では、送信装置1’のように1ビット単位で分配するのではなく、1キャリアシンボル単位で分配する。これにより、マルチパス環境下におけるBER特性を向上させることができる。
【0066】
図9は、マルチパス環境下における、周波数・偏波間インターリーブ部15が上述した第1の例の場合における送信装置1と、送信装置1’のBERのシミュレーション結果を示す図である。このシミュレーションの際に使用したパラメータは、マルチパス波の遅延差を1.17[us]、D/U比を6dB、位相差を180°としており、変調多値数は1024QAMである。その他はISDB−Tモード3に準拠している。
【0067】
[インターリーブの第2の例]
次に、インターリーブの第2の例について説明する。インターリーブの第2の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15の構成は、
図4に示した構成例と同じである。ただし、第1の例ではキャリアシンボル単位でインターリーブ処理したのに対し、第2の例ではIQ平面のI軸座標上に配置されるデータ(以下、「Iデータ」と称する)又はIQ平面のQ軸座標上に配置されるデータ(以下、「Qデータ」と称する)単位でインターリーブ処理する点が相違する。
【0068】
データ分配部151は、時間インターリーブ部14から入力される1キャリアシンボルを、Iデータ及びQデータに分解し、Iデータ又はQデータ(以下、「IQデータ」と称する)を最小単位として所定数ずつ、第1偏波用周波数インターリーブ部150−1、及び第2偏波用周波数インターリーブ部150−2に分配する。インターリーブの効果を高めるためには、1IQデータずつ分配する、すなわちIデータを第1偏波用周波数インターリーブ部150−1に、Qデータを第2偏波用周波数インターリーブ部150−2に分配するのが好適である。
【0069】
図10は、セグメント間インターリーブ部152の処理を説明する図であり、
図10(a)はインターリーブ前のIデータ又はQデータの配置を表し、
図10(b)はインターリーブ後のIQデータの配置を表す。セグメント間インターリーブ部152は、データ分配部151から入力されるIQデータを、1 OFDMキャリアシンボルごとに、セグメント間で周波数方向にインターリーブ処理する。図示のデータは、第1偏波用周波数インターリーブ部150−1の場合にはIデータを示しており、第2偏波用周波数インターリーブ部150−2の場合にはQデータを示している。
図10に示す例では、1 OFDMシンボル内のセグメント数をn(ISDB−T方式では、n=13)とし、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384(すなわち、IQデータ数は768)としている。セグメント間インターリーブ部152は、キャリアシンボル単位ではなく、IQデータ単位でデータを並び替える。なお、並び替えは一例であり、これに限られるものではない。
【0070】
データローテーション部153は、セグメント間インターリーブ部152から入力されるIQデータに対し、1セグメントごとに、データのローテーションによるインターリーブ処理を行う。第1偏波用データローテーション部153−1は、k番目セグメント、x番目のデータを、データローテーションによって、k番目セグメント、x’番目に並べ替える。第2偏波用データローテーション部153−2は、k番目セグメント、y番目のデータを、データローテーションによって、k番目セグメント、y’番目に並べ替える。例えば、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384とした場合、x’=(x+k)mod384とする。また、y’=(y−k)mod384とする。ただしy’が負の場合は、384加えた値をy’の値とする。なお、ローテーションは一例であり、これに限られるものではない。また、第1偏波用データローテーション部153−1と第2偏波用データローテーション部153−2とで同じ式によりローテーションを行ってもよい。
【0071】
データランダマイズ部154は、セグメント内のキャリアシンボル数分の乱数テーブルを予め送信側、受信側で有し、データローテーション部153から入力されるキャリアシンボルを、乱数テーブルを参照してセグメント内でランダムに並べ替え、周期性を排除する。第1偏波用データランダマイズ部154−1と、第2偏波用データランダマイズ部154−2は、それぞれ別の乱数テーブルを用いるようにしてもよい。
【0072】
[インターリーブの第3の例]
次に、インターリーブの第3の例について説明する。
図11は、インターリーブの第3の例の周波数・偏波間インターリーブ部15の構成を示すブロック図である。第3の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15は、セグメント間インターリーブ部155と、データ分配部156と、第1偏波用データローテーション部153−1と、第2偏波用データローテーション部153−2と、第1偏波用データランダマイズ部154−1と、第2偏波用データランダマイズ部154−2と、を備える。
【0073】
図12は、セグメント間インターリーブ部155の処理を説明する図であり、
図12(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図12(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。セグメント間インターリーブ部155は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルを、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、セグメント間で周波数方向にインターリーブ処理する。
図12に示す例では、送信アンテナ数を2、2 OFDMキャリアシンボル内のセグメント数を2n(ISDB−T方式では、n=13)、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。なお、並び替えは一例であり、これに限られるものではない。
【0074】
データ分配部156は、セグメント間インターリーブ部155から入力されるインターリーブ後のセグメントNo.0〜n−1までのキャリアシンボルを第1偏波用データローテーション部153−1に出力し、セグメントNo.n〜2n−1までのデータを第2偏波用データローテーション部153−2に出力する。なお、キャリアシンボルの分配は一例であり、これに限られるものではない。
【0075】
セグメント内インターリーブ部(データローテーション部153及びデータランダマイズ部154)の処理は、インターリーブの第1の例と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
[インターリーブの第4の例]
次に、インターリーブの第4の例について説明する。インターリーブの第4の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15は、
図11に示した第3の例の構成と同じである。ただし、第3の例ではキャリアシンボル単位でインターリーブ処理したのに対し、第4の例ではIQデータ単位でインターリーブ処理する点が相違する。
【0077】
図13は、セグメント間インターリーブ部155の処理を説明する図であり、
図13(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図13(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。セグメント間インターリーブ部155は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルをIQデータに分解し、IQデータを最小単位として、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、セグメント間で周波数方向にインターリーブ処理する。
図13に示す例では、送信アンテナ数を2、2 OFDMシンボル内のセグメント数を2n(ISDB−T方式では、n=13)、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。なお、並び替えは一例であり、これに限られるものではない。インターリーブ後は、セグメント毎にIデータ又はQデータのみが集まり、新たなキャリアシンボル(I,Qデータの対)を構成する。
【0078】
データ分配部156は、セグメント間インターリーブ部155から入力されるインターリーブ後のセグメントNo.0〜n−1までのIQデータを第1偏波用データローテーション部153−1に出力し、セグメントNo.n〜2n−1までのIQデータを第2偏波用データローテーション部153−2に出力する。なお、IQデータの分配は一例であり、これに限られるものではない。
【0079】
セグメント内インターリーブ部(データローテーション部153及びデータランダマイズ部154)の処理は、インターリーブの第2の例と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
[インターリーブの第5の例]
次に、インターリーブの第5の例について説明する。インターリーブの第5の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15は、送信アンテナ数分の全てのキャリアシンボルをランダムに並べ替える。
図14は、第5の例の周波数・偏波間インターリーブ部15の構成を示すブロック図である。
図14に示すように、周波数・偏波間インターリーブ部15は、乱数テーブル記憶部157と、データランダマイズ部158と、データ分配部159と、を備える。
【0081】
乱数テーブル記憶部157は、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルの配置を決定する乱数テーブル(送信側及び受信側で同じ乱数テーブルとする)を記憶する。
【0082】
データランダマイズ部158は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルを、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、乱数テーブル記憶部157を参照して並べ替える。
【0083】
データ分配部159は、データランダマイズ部158から入力されるインターリーブ後のキャリアシンボルを所定数ずつ、第1偏波用出力処理部16−1、及び第2偏波用出力処理部16−2に分配する。
【0084】
[インターリーブの第6の例]
次に、インターリーブの第6の例について説明する。インターリーブの第6の例では、周波数・偏波間インターリーブ部15は、送信アンテナ数分の全てのIQデータをランダムに並べ替える。第6の例の周波数・偏波間インターリーブ部15の構成は、
図14に示した第5の例の構成と同じである。ただし、第5の例ではキャリアシンボル単位でインターリーブ処理したのに対し、第6の例ではIQデータ単位でインターリーブ処理する点が相違する。
【0085】
データランダマイズ部158は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルをIQデータに分解し、IQデータを最小単位として、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、乱数テーブル記憶部157を参照して並べ替える。
【0086】
データ分配部159は、データランダマイズ部158から入力されるインターリーブ後のIQデータを所定数ずつ、第1偏波用出力処理部16−1、及び第2偏波用出力処理部16−2に分配する。
【0087】
図15は、送信装置1のシミュレーション結果を示す図であり、上述したインターリーブの第1の例〜第6の例のBER特性を示す。ここでは、第1偏波を水平偏波、第2偏波を垂直偏波とし、両者間で6dBの電力差がある場合についてシミュレーションを行った。変調方式は1024QAMとし、符号化率は3/4、GI比は1/8としている。帯域幅、キャリア総数などはISDB−Tのモード3に準拠している。MIMO復調アルゴリズムにはZF(Zero Forcing)を適用し、LDPC符号長は64800、sum-product復号法による反復復号回数は20回とした。
【0088】
なお、インターリーブの第5の例及び第6の例では、一度の処理で周期性を排除でき、かつBER特性も良いが、乱数テーブルが大きいためにハードウェアに実装した場合の負荷が大きくなる。
【0089】
このように、送信装置1は、周波数・偏波間インターリーブ部15により、キャリアシンボルの順序を周波数方向及び偏波間で並べ替え、送信アンテナごとにインターリーブ処理されたデータを生成する。また、受信装置2は、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25及び第2周波数・偏波間デインターリーブ部27により、送信装置1によりインターリーブ処理されたデータを周波数方向及び偏波間にデインターリーブ処理する。このため、第1の実施形態の送信装置1及び受信装置2によれば、偏波間に受信レベル差があった場合でも、誤りデータを多く含む片偏波側のデータを分散させることができ、誤り訂正符号の効果を向上させ、BER特性を改善することができるようになる。
【0090】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態として、複数チャンネルを同時に用いて1つのデータストリームを伝送する(以後、バルク伝送と呼ぶ)場合、すなわち、送信装置が複数チャンネルのOFDM信号を各チャンネルあたり複数の送信アンテナを用いて送信し、受信装置が複数チャンネルのOFDM信号を各チャンネルあたり複数の受信アンテナを用いて受信する場合について説明する。第2の実施形態では、チャンネル数が2の場合を例に説明するが、チャンネル数は2に限定されるものではない。
【0091】
[送信装置]
図16は、第2の実施形態に係る送信装置3の構成を示すブロック図である。誤り訂正符号化部11、ビットインターリーブ部12、マッピング部13、及び時間インターリーブ部14は2チャンネル分の送信信号について、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0092】
周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、時間インターリーブ部14から入力される時間方向にインターリーブ処理された2チャンネル分のキャリアシンボルの順序を、周波数方向及び偏波・チャンネル間(送信アンテナ間)で並べ替え、送信アンテナ17ごとにインターリーブ処理されたデータを生成する。第2の実施形態では送信アンテナ数は4本であるため、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、4つのストリームに分割して出力する。インターリーブ処理の具体例は後述する。
【0093】
各出力処理部16は、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18から出力される各ストリームについて、第1の実施形態と同様にOFDMフレーム構成処理、IFFT処理、及びGI付加処理を行う。そして送信装置3は、送信アンテナ17−1及び17−2から第1チャンネルのOFDM信号を送信し、送信アンテナ17−3及び17−4から第2チャンネルのOFDM信号を送信する。
【0094】
[受信装置]
次に、第2の実施形態に係る受信装置について説明する。
図17は、本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。受信装置4は、受信アンテナ21−1及び21−2により、送信装置3の送信アンテナ17−1及び17−2から送信された第1チャンネルのOFDM信号を受信し、受信アンテナ21−3及び21−4により、送信装置3の送信アンテナ17−3及び17−4から送信された第2チャンネルのOFDM信号を受信する。すなわち、送信装置3及び受信装置4により、チャンネル数分の2×2MIMO伝送を実現する。
【0095】
各入力処理部22は、各受信アンテナ21により受信したOFDM信号について、それぞれ第1の実施形態と同様にGI除去処理、FFT処理、及びパイロット信号抽出処理を行う。
【0096】
伝送路応答算出部23−1、及びMIMO検出部24−1は、第1チャンネル用入力処理部220−1により処理された第1チャンネルの受信信号について伝送路応答の算出、及び波形等化・分離を行う。伝送路応答算出部23−2、及びMIMO検出部24−2は、第2チャンネル用入力処理部220−2により処理された第2チャンネルの受信信号について伝送路応答の算出、及び波形等化・分離を行う。
【0097】
第1周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部32及び第2周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部33は、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18と逆方向にデータを並び替えて元の順序に戻すものであり、後述する周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18のブロック図と信号線の矢印の向きが逆になるだけであるため、説明を省略する。また、雑音分散算出部26、尤度比算出部28、時間デインターリーブ部29、ビットデインターリーブ部30、及び誤り訂正符号復号部31は、2チャンネル分の受信信号について、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0098】
[周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部]
次に、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18について説明する。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様にインターリーブの第1の例からインターリーブの第6の例について説明する。
【0099】
[インターリーブの第1の例]
インターリーブの第1の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、所定数のキャリアシンボルごとに第1チャンネルの第1偏波送信用データ、第1チャンネルの第2偏波送信用データ、第2チャンネルの第1偏波送信用データ、及び第2チャンネルの第2偏波送信用データに分類した後に、それぞれ周波数インターリーブ処理を行う。
図18は、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18の第1の例の構成を示すブロック図である。第1の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、データ分配部181と、第1チャンネル用周波数インターリーブ部180−1と、第2チャンネル用周波数インターリーブ部180−2と、を備える。
【0100】
データ分配部181は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルを所定数ずつ4つのストリームに分割し、第1チャンネルの第1偏波用周波数インターリーブ部、第1チャンネルの第2偏波用周波数インターリーブ部、第2チャンネルの第1偏波用周波数インターリーブ部、及び第2チャンネルの第2偏波用周波数インターリーブ部に分配する。インターリーブの効果を高めるためには、1キャリアシンボルずつ分配するのが好適である。第2の実施形態では、データ分配部181から出力される4つのストリームについてそれぞれセグメント間インターリーブ処理、データローテーション処理、データランダマイズ処理を行う。各ストリームの処理は第1の実施形態の第1の例と同一であるため、説明を省略する。
【0101】
[インターリーブの第2の例]
次に、インターリーブの第2の例について説明する。インターリーブの第2の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18の構成は、
図18に示した構成例と同じである。ただし、第1の例ではキャリアシンボル単位でインターリーブ処理したのに対し、第2の例ではIデータ又はQデータ単位でインターリーブ処理する点が相違する。
【0102】
データ分配部181は、時間インターリーブ部14から入力される1キャリアシンボルを、Iデータ及びQデータに分解し、IQデータを最小単位として所定数ずつ4つのストリームに分割し、第1チャンネルの第1偏波用周波数インターリーブ部、第1チャンネルの第2偏波用周波数インターリーブ部、第2チャンネルの第1偏波用周波数インターリーブ部、及び第2チャンネルの第2偏波用周波数インターリーブ部に分配する。インターリーブの効果を高めるためには、1IQデータずつ分配するのが好適である。第2の実施形態ではデータ分配部181から出力される4つのストリームについてそれぞれセグメント間インターリーブ処理、データローテーション処理、及びデータランダマイズ処理を行う。各ストリームの処理は第1の実施形態の第2の例と同一であるため、説明を省略する。
【0103】
[インターリーブの第3の例]
次に、インターリーブの第3の例について説明する。
図19は、インターリーブの第3の例の周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18の構成を示すブロック図である。第3の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、セグメント間インターリーブ部185と、データ分配部186と、第1チャンネル用セグメント内インターリーブ部190−1と、第2チャンネル用セグメント内インターリーブ部190−2と、を備える。
【0104】
図20は、セグメント間インターリーブ部185の処理を説明する図であり、
図20(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図20(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。セグメント間インターリーブ部185は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルを、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、セグメント間で周波数方向にインターリーブ処理する。
図20に示す例では、送信アンテナ数を4、4 OFDMキャリアシンボル内のセグメント数を4n(ISDB−T方式では、n=13)、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。なお、並び替えは一例であり、これに限られるものではない。
【0105】
データ分配部186は、セグメント間インターリーブ部185から入力されるインターリーブ後のセグメントNo.0〜n−1までのキャリアシンボルを第1チャンネルの第1偏波用データローテーション部183−1に出力し、セグメントNo.n〜2n−1までのデータを第1チャンネルの第2偏波用データローテーション部183−2に出力し、セグメントNo.2n〜3n−1までのデータを第2チャンネルの第1偏波用データローテーション部183−3に出力し、セグメントNo.3n〜4n−1までのデータを第2チャンネルの第2偏波用データローテーション部183−4に出力する。なお、キャリアシンボルの分配は一例であり、これに限られるものではない。
【0106】
セグメント内インターリーブ部(データローテーション部183及びデータランダマイズ部184)の処理は、インターリーブの第1の例と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
[インターリーブの第4の例]
次に、インターリーブの第4の例について説明する。インターリーブの第4の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、
図19に示した第3の例の構成と同じである。ただし、第3の例ではキャリアシンボル単位でインターリーブ処理したのに対し、第4の例ではIQデータ単位でインターリーブ処理する点が相違する。
【0108】
図21は、セグメント間インターリーブ部185の処理を説明する図であり、
図21(a)はインターリーブ前のシンボル配置を表し、
図21(b)はインターリーブ後のシンボル配置を表す。セグメント間インターリーブ部185は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルをIQデータに分解し、IQデータを最小単位として、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、セグメント間で周波数方向にインターリーブ処理する。
図21に示す例では、送信アンテナ数を4、4 OFDMシンボル内のセグメント数を4n(ISDB−T方式では、n=13)、1セグメントあたりのキャリアシンボル数を384としている。なお、並び替えは一例であり、これに限られるものではない。インターリーブ後は、セグメント毎にIデータ又はQデータのみが集まり、新たなキャリアシンボル(I,Qデータの対)を構成する。
【0109】
データ分配部186は、セグメント間インターリーブ部185から入力されるインターリーブ後のセグメントNo.0〜n−1までのキャリアシンボルを第1チャンネルの第1偏波用データローテーション部183−1に出力し、セグメントNo.n〜2n−1までのデータを第1チャンネルの第2偏波用データローテーション部183−2に出力し、セグメントNo.2n〜3n−1までのデータを第2チャンネルの第1偏波用データローテーション部183−3に出力し、セグメントNo.3n〜4n−1までのデータを第2チャンネルの第2偏波用データローテーション部183−4に出力する。なお、IQデータの分配は一例であり、これに限られるものではない。
【0110】
セグメント内インターリーブ部(データローテーション部183及びデータランダマイズ部184)の処理は、インターリーブの第2の例と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
[インターリーブの第5の例]
次に、インターリーブの第5の例について説明する。インターリーブの第5の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、送信アンテナ数分の全てのキャリアシンボルをランダムに並べ替える。
図22は、第5の例の周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18の構成を示すブロック図である。
図22に示すように、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、乱数テーブル記憶部187と、データランダマイズ部188と、データ分配部189と、を備える。
【0112】
乱数テーブル記憶部187は、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルの配置を決定する乱数テーブル(送信側及び受信側で同じ乱数テーブルとする)を記憶する。
【0113】
データランダマイズ部188は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルを、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、乱数テーブル記憶部187を参照して並べ替える。
【0114】
データ分配部189は、データランダマイズ部188から入力されるインターリーブ後のキャリアシンボルを所定数ずつ4つのストリームに分割し、第1チャンネルの第1偏波用出力処理部16−1、第1チャンネルの第2偏波用出力処理部16−2、第2チャンネルの第1偏波用出力処理部16−3、及び第2チャンネルの第2偏波用出力処理部16−4に分配する。
【0115】
[インターリーブの第6の例]
次に、インターリーブの第6の例について説明する。インターリーブの第6の例では、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18は、送信アンテナ数分の全てのIQデータをランダムに並べ替える。第6の例の周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18の構成は、
図22に示した第5の例の構成と同じである。ただし、第5の例ではキャリアシンボル単位でインターリーブ処理したのに対し、第6の例ではIQデータ単位でインターリーブ処理する点が相違する。
【0116】
データランダマイズ部188は、時間インターリーブ部14から入力されるキャリアシンボルをIQデータに分解し、IQデータを最小単位として、送信アンテナ数分のOFDMキャリアシンボルごとに、乱数テーブル記憶部187を参照して並べ替える。
【0117】
データ分配部189は、データランダマイズ部188から入力されるインターリーブ後のIQデータを所定数ずつ、第1チャンネルの第1偏波用出力処理部16−1、第1チャンネルの第2偏波用出力処理部16−2、第2チャンネルの第1偏波用出力処理部16−3、及び第2チャンネルの第2偏波用出力処理部16−4に分配する。
【0118】
このように、送信装置3は、周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18により、複数チャンネル分のキャリアシンボルの順序を周波数方向及び偏波間で並べ替え、送信アンテナごとにインターリーブ処理されたデータを生成し、複数チャンネルのOFDM信号を送信する。また、受信装置4は、複数チャンネルのOFDM信号を受信し、第1周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部32及び第2周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部33により、送信装置3によりインターリーブ処理された複数チャンネル分のデータを周波数方向及び偏波間にデインターリーブ処理する。このため、第2の実施形態の送信装置3及び受信装置4によれば、複数チャンネルを用いたバルク伝送を行う際についても第1の実施形態と同様に、偏波間に受信レベル差があった場合でも、誤りデータを多く含む片偏波側のデータを分散させることができる。更に、片方のチャンネルのみ同一チャンネル干渉が発生した場合でも、誤りデータを多く含む片チャンネル側のデータを分散させることができる。結果、誤り訂正符号の効果を向上させ、BER特性を改善することができるようになる。
【0119】
図24は、上述した送信装置1,3による送信方法を示すフローチャートである。
図24を参照して送信方法を簡潔に説明する。まず、誤り訂正符号化部11により、送信信号を誤り訂正符号化する(ステップS101)。次に、ビットインターリーブ部12により、訂正符号化された送信信号をビット単位でインターリーブする(ステップS102)。次に、マッピング部13により、IQ平面へのマッピングを行い変調方式に応じたキャリア変調が施されたキャリアシンボルを生成する(ステップS103)。次に、時間インターリーブ部14により、キャリアシンボルの順序を時間方向に並べ替える(ステップS104)。そして、周波数・偏波間インターリーブ部15又は18により、時間方向にインターリーブ処理されたキャリアシンボルの順序を、周波数方向及び偏波間(送信アンテナ間)で並べ替え、送信アンテナ17ごとにインターリーブ処理されたデータを生成する(ステップS105)。周波数・偏波間インターリーブ部15又は18によるインターリーブ処理の詳細については上述した通りである。最後に、出力処理部16により、インターリーブ処理されたデータに対して、OFDMフレームを構成し、各送信アンテナ17を介してOFDM信号を送信する(ステップS106)。
【0120】
図25は、上述した受信装置2,4による受信方法を示すフローチャートである。
図25を参照して受信方法を簡潔に説明する。まず、入力処理部22により、OFDM信号を受信アンテナ21を介して受信する(ステップS201)。次に、伝送路応答算出部23により、伝送路応答を算出する(ステップS202)。次に、MIMO検出部24により、受信したOFDM信号を伝送路応答を用いて波形等化及び分離し、分離信号を生成する(ステップS203)。そして、第1周波数・偏波間デインターリーブ部25又は第1周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部32により、分離信号に対して周波数方向及び偏波間(受信アンテナ間)でデインターリーブ処理を行う(ステップS204)。次に、雑音分散算出部26により、各偏波信号から雑音分散σ
2を求め(ステップS205)、第2周波数・偏波間デインターリーブ部27又は第2周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部33により、雑音分散σ
2に対して周波数方向及び偏波間(受信アンテナ間)でデインターリーブ処理を行う(ステップS206)。
【0121】
続いて尤度比算出部28により、ステップS204にてデインターリーブ処理されたデータ、及びステップS206にてデインターリーブ処理された雑音分散σ
2を用いて尤度比λを算出する(ステップS207)。次に、時間デインターリーブ部29により、尤度比λに対し時間デインターリーブ処理を行い(ステップS208)、ビットデインターリーブ部30により、時間デインターリーブ処理された尤度比λに対しビットデインターリーブ処理を行う(ステップS209)。最後に、誤り訂正符号復号部31により、ビットデインターリーブ処理された尤度比λを用いて誤り訂正符号を復号する(ステップS210)。
【0122】
上述の実施形態は、代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0123】
例えば、上述の実施形態では送信装置1の誤り訂正符号化部11が内符号としてLDPC符号を採用する場合について説明したが、内符号としてLDPC符号を採用しない場合には、受信装置2は雑音分散算出部26、第2周波数・偏波間デインターリーブ部27、及び尤度比算出部28を備えなくてよい。また、上述の実施形態では本発明による送信装置及び受信装置を2×2のMIMO伝送に適用する場合について説明したが、2×4や4×4のMIMO伝送にも適用することができるのは勿論である。
【0124】
また、上述の実施形態では送信装置1,3がビットインターリーブ部12及び時間インターリーブ部14を備える場合について説明したが、これらは必須の構成ではなく、またいずれか一方のみを備える構成であってもよい。また、インターリーブ処理を複数のブロックで行うようにしてもよく、例えば時間インターリーブ処理を時間インターリーブ部14以外に周波数・偏波間インターリーブ部15又は周波数・偏波・チャンネル間インターリーブ部18でも行うようにしてもよい。同様に、上述の実施形態では受信装置2,4が時間デインターリーブ部29及びビットデインターリーブ部30を備える場合について説明したが、これらは必須の構成ではなく、またいずれか一方のみを備える構成であってもよい。また、デインターリーブ処理を複数のブロックで行うようにしてもよく、例えば時間デインターリーブ処理を時間デインターリーブ部29以外に第1周波数・偏波間デインターリーブ部25及び第2周波数・偏波間デインターリーブ部27、又は第1周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部32及び第2周波数・偏波・チャンネル間デインターリーブ部33でも行うようにしてもよい。さらに、本発明における処理順序も上述の実施形態の順序に限定されるものではない。例えば、受信装置2,4において、時間デインターリーブ部29の処理を尤度比算出部28の処理の前段で行ってもよい。