特許第6047578号(P6047578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6047578帯電防止性剥離剤及び帯電防止性剥離フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047578
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】帯電防止性剥離剤及び帯電防止性剥離フィルム
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/00 20060101AFI20161212BHJP
   C09K 3/16 20060101ALI20161212BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20161212BHJP
   C08L 101/02 20060101ALI20161212BHJP
   C08J 7/04 20060101ALI20161212BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20161212BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   C09K3/00 R
   C09K3/16 102H
   C08L83/04
   C08L101/02
   C08J7/04 DCFD
   B32B27/00 L
   B32B27/00 101
   B32B27/18 D
【請求項の数】2
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2014-534407(P2014-534407)
(86)(22)【出願日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】JP2013073928
(87)【国際公開番号】WO2014038626
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年6月8日
(31)【優先権主張番号】特願2012-195440(P2012-195440)
(32)【優先日】2012年9月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】松林 総
(72)【発明者】
【氏名】神戸 康平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一義
(72)【発明者】
【氏名】山本 謙児
(72)【発明者】
【氏名】入船 真治
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−45061(JP,A)
【文献】 特開2006−249303(JP,A)
【文献】 特開2007−254730(JP,A)
【文献】 特開2011−32382(JP,A)
【文献】 特開2010−6079(JP,A)
【文献】 特開平3−39379(JP,A)
【文献】 特開平10−217623(JP,A)
【文献】 特開2002−241613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/00
B32B 27/00
B32B 27/18
C08J 7/04
C08L 83/04
C08L 101/02
C09K 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縮合硬化型オルガノポリシロキサンを含む剥離性成分と、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの複合体を含む導電性成分と、有機溶媒とを含有し、導電性成分の含有量が、剥離性成分100質量部に対して1〜300質量部であり、
前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1種以上のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合しており、
前記アミン系化合物は、炭素数4以上のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基及びオキシアルキレン基よりなる群から選ばれる置換基を1つ以上有する、帯電防止性剥離剤。
【請求項2】
プラスチックフィルム又は紙からなる基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された剥離剤層とを備え、前記剥離剤層が、請求項1に記載の帯電防止性剥離剤より形成された、帯電防止性剥離フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止性を有する剥離剤及び剥離フィルムに関する。
本願は、2012年9月5日に、日本に出願された特願2012−195440号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
剥離フィルムとして、プラスチックフィルムや紙等の基材の表面にシリコーン系剥離剤が塗布されたものが広く利用されている。
ところで、前記基材は帯電し易く、シリコーン系剥離剤を塗布すると、さらに帯電し易くなる傾向にあった。そのため、剥離フィルムに対して帯電防止性の付与が求められていた。
従来、帯電防止剤としては、界面活性剤等のイオン導電性化合物が広く使用されていたが、イオン導電性化合物は、導電性が湿度依存性を有するため、帯電防止性が安定せず、また、剥離基材からブリードアウトするという問題を有していた。そこで、剥離フィルムに対して帯電防止性を付与するための帯電防止剤として、導電性に湿度依存性がなく、ブリードアウトを起こさないπ共役系導電性高分子を使用することが知られている。
π共役系導電性高分子は不溶性、及び不融性を有する物質であり、塗布や押出ラミネートを適用することができない。そこで、特許文献1には、ポリアニオンをドーパント兼界面活性剤として添加したπ共役系導電性高分子の水分散液が開示されている。
【0003】
ところで、近年、ディスプレイにおいてはより高い精細性が求められており、特に、部品実装分野においては実装速度のより一層の向上が求められている。そのため、光学用途に使用される保護フィルムや、電子電気部品用に使用される帯電防止性剥離フィルムのニーズが高まっている。
これらのニーズに対し、特許文献2には、付加硬化型シリコーンエマルジョンとチオフェン系導電性高分子を含む剥離剤を用いた剥離フィルムが提案されている。
しかし、エマルジョン型シリコーンは基材に対する密着性が低い上に、大量の水を含有し、塗工機の腐食を起こす懸念があり、帯電防止性剥離フィルムの用途に適用しにくかった。
【0004】
また、帯電防止性剥離フィルムとして、基材の上に、金属ナノ粒子やπ共役系導電性高分子を含む帯電防止層を設け、前記帯電防止層の上に、シリコーン樹脂を含む剥離剤層を設けたものも知られている。
しかし、この場合には、帯電防止層と剥離剤層とを別々に設けるため、塗工回数が複数回となり、高コストになりやすく、また、金属ナノ粒子を用いた場合には帯電防止層のヘイズが高くなるため、光学用途には適していなかった。
【0005】
シリコーンは親水性が低いため、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの複合体の水分散液とは可溶化しにくい。そこで、水分散液の代わりに非水系の導電性高分子分散液を用いることが考えられた。
非水系の導電性高分子分散液としては、特許文献3には、ポリアニリンの有機溶媒溶液が開示されている。特許文献4〜6には、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む水分散液の水を有機溶媒に置換して得た有機溶媒分散液が開示されている。特許文献7には、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む水分散液を凍結乾燥した後、有機溶媒に溶解して得た有機溶媒分散液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特許第2636968号公報
【特許文献2】特開2002−241613号公報
【特許文献3】国際公開第2005/052058号
【特許文献4】特開2006−249303号公報
【特許文献5】特開2007−254730号公報
【特許文献6】特開2008−045061号公報
【特許文献7】特開2011−032382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献3に記載の有機溶媒溶液にシリコーン系剥離剤を混ぜて得たものは、溶媒の選択によっては可溶化しているが、乾燥の際に、シリコーン系剥離剤と、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの複合体とが分離して、所望の帯電防止性及び剥離性は得られなかった。
特許文献4〜7に記載の有機溶媒分散液にシリコーン系剥離剤を単に混ぜた場合には、シリコーン系剥離剤と、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの複合体とが可溶せず、所望の帯電防止性及び剥離性を得ることは困難であった。また、一般に、シリコーンの硬化反応としてヒドロシリル化反応が利用されるが、特許文献4〜7に記載の有機溶媒分散液にシリコーン系剥離剤を混ぜ、加熱してもシリコーンが硬化せず、剥離剤層が形成されないという問題点があった。
本発明は、帯電防止性と剥離性とが共に優れた帯電防止性剥離剤及び帯電防止性剥離フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、縮合硬化型オルガノポリシロキサンを含む剥離性成分と、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの複合体を含む導電性成分と、有機溶媒とを含有し、導電性成分の含有量が、剥離性成分100質量部に対して1〜300質量部であり、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1種以上のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合しており、前記アミン系化合物は、炭素数4以上のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基及びオキシアルキレン基よりなる群から選ばれる置換基を1つ以上有する。
本発明の第二の態様における帯電防止性剥離フィルムは、プラスチックフィルム又は紙からなる基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された剥離剤層とを備え、前記剥離剤層が、上記帯電防止性剥離剤より形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の帯電防止性剥離剤及び帯電防止性剥離フィルムは、帯電防止性と剥離性とが共に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<帯電防止性剥離剤>
(剥離性成分)
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤に含まれる剥離性成分は、縮合硬化型オルガノポリシロキサンを含み、具体的には、下記(A)〜(C)よりなる群から選ばれる1種以上の組成物を含むシリコーン系材料であり、縮合反応によって硬化するものである。
【0011】
(A):組成物(A)は、下記(A−1)〜(A−3)を含む。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサン
(A−3):縮合触媒
【0012】
(B):組成物(B)は、下記(B−1)〜(B−3)を含む。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン
(B−3):縮合触媒
【0013】
(C):組成物(C)は、下記(C−1)〜(C−2)を含む。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサン
(C−2):縮合触媒
【0014】
(A−1)成分、(B−1)成分は、1分子中に珪素原子に直接結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。珪素原子に直接結合するヒドロキシ基以外の一価の有機基については特に限定されるものではなく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、プロペニル等のアルケニル基等の炭素数1〜10の一価炭化水素基が挙げられるが、本発明においては、特に水酸基以外の有機基の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。分子構造も特に限定されるものではないが、基本的には直鎖が工業的には好ましいが、分岐構造を有するものも同様に使用可能である。
(A−1)成分、(B−1)成分のオルガノポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度は、50mPa・s以上のものが好ましく、より好ましくは50〜100000mPa・sであり、さらに好ましくは100〜40000mPa・sである。
(A−1)成分、(B−1)成分の具体的な例としては、以下の式(1−1)及び(1−2)、(1−3)で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。式中のRは、水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、プロペニル等のアルケニル基;等の炭素数1〜20の一価炭化水素基、及び構造式(2−1)及び(2−2)のシロキサン残基等である。式(2−1)と式(2−2)中、Rは酸素原子又は炭素数1〜6のアルキレン基である。炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。Rは上記と同様である。α1は0〜1000の整数であり、特に0〜900の整数であることが好ましい。β1は50〜9000の整数であり、特に60〜9000の整数であることが好ましい。α2は0〜900の整数、β2は0〜9000の整数である。γは1〜3000の整数で,特に1〜2000が好ましい。式中、複数のRはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。ただし、式(1−1)及び(1−2)、(1−3)で表されるオルガノポリシロキサンは1分子中に水酸基を2個以上有する。なかでも、式(1−1)、(1−3)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましく、両末端の構成単位(ジメチルヒドロキシシリル基)を除く主骨格は、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、ジメチルシロキサン単位70〜100モル%、ジフェニルシロキサン単位0〜30モル%及びヒドロキシメチルシロキサン単位0〜10モル%を含むことが好ましく、ジメチルシロキサン単位80〜100モル%、ジフェニルシロキサン単位0〜20モル%及びヒドロキシメチルシロキサン単位0〜5モル%を含むことがより好ましく、ジメチルシロキサン単位90〜100モル%、ジフェニルシロキサン単位0〜10モル%からなることがさらに好ましい。
【0015】
【化1】
(上記式中、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を表す。)
【0016】
(A−1)及び(B−1)の1分子中の水酸基の数は、2〜50であることが好ましく、2〜20であることがより好ましい。
【0017】
上記(A−2)の具体例としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられ、より具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサンの重合物;メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとの共重合物;メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルフェニルポリシロキサンとの共重合物;メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサンとの共重合物;メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサン及びジフェニルポリシロキサンとの共重合物等が挙げられる。
本発明の(A−2)成分として用いることのできるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に珪素原子に直接結合する水素原子を少なくとも3個、好ましくは4〜1000個、さらに好ましくは4〜200個有することが必要である他は特に限定されず、分子構造は直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。本発明の(A−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度は、数mPa・s〜数万mPa・sの範囲であればよい。好ましくは、2〜1000mPa・sであり、より好ましくは5〜300mPa・sである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例として下記式(3−1)〜(3−5)で表されるものを挙げることができる。
【0018】
【化2】
【0019】
但し、上記構造式及び組成式において、Meはメチル基を示し、YとZはそれぞれ上記構造式(4−1)又は(4−2)で示される基であり、かつ、a〜pは1分子中にSiH基が3個以上となる数であり、次に示される範囲の整数である。
a,eはそれぞれ3〜500の整数であり、特に4〜500の整数が好ましい。cは1〜500の整数であり、特に2〜400の整数が好ましい。b,d,f,g,h,i,j,k,m,n,o,p,qはそれぞれ0〜500の整数であり、特に0〜400の整数が好ましい。
なかでも、式(3−1)又は(3−4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましく、式(3−1)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンがより好ましい。式(3−1)中、両末端の構成単位(トリメチルシリル基)を除く主骨格が、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、MeHSiO2/2で表される単位を10〜100モル%含有することが好ましく、20〜100モル%含有することがより好ましい。
本発明の(B−2)成分として使用できるオルガノポリシロキサンは、1分子中に珪素原子に結合する加水分解性基を少なくとも3個、好ましくは3〜1000個、さらに好ましくは3〜200個有するものである。加水分解性基としては、珪素原子に直接結合したメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、イソプロペノキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基が挙げられるが、一部、エチルアミノ基等のアミノ基、アミド基、エチルメチルブタノキシム基等のオキシム基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を有するものが混在してもよい。
加水分解性基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が工業的には好ましいが、具体的には下記式(5−1)〜(5−4)で表されるオルガノポリシロキサンが使用できる。
下記式(5−1)〜(5−4)中、rは1〜200の整数であり、1〜190の整数がより好ましく、1〜100の整数がさらに好ましい。sは1〜200の整数であり、1〜190の整数が好ましい。nは1〜100の整数であり、1〜50の整数であることが好ましく、2〜30の整数であることが特に好ましい。なお、下記式中Meはメチル基、Etはエチル基を示す。
なかでも(5−4)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい
本発明の(B−2)成分として使用できるオルガノポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度は、好ましくは、1〜100mPa・sであり、より好ましくは2〜50mPa・sである。
【0020】
【化3】
【0021】
上記の式で表わされるもの以外に、分岐状,環状の構造を有するものでもよい.
なお、アルコキシ基を構成する水素原子の一部はCHCOO−,CH(C)C=NO−,(CN−,CHCO(C)N−,CH=(CH)CO−等の基で置換されていてもよい。
(C−1)成分としては、(B−2)成分と同じものがあげられる。
(C−1)成分としては、上記(5−4)で表される化合物が好ましい。
【0022】
上記(A−3),(B−3),及び(C−2)は、(A−1)と(A−2)、(B−1)と(B−2)、及び(C−1)同士を、脱水、脱水素、脱アルコールすることにより縮合させて硬化させると共に(B−2),(C−1)の加水分解性基を加水分解する触媒である。
縮合触媒としては、チタン化合物や、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、及びスズ化合物など各種金属触媒等を用いることができ、これらの中でも、スズ化合物を好ましく使用することができる。スズ化合物としては、スズの有機酸塩、スズの多座配位子キレート化合物が挙げられる。
スズの有機酸塩としては、溶解性が良好であることから、炭素数2〜20の有機酸塩(例えば、酢酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、又はステアリン酸との塩等)が好ましく、スズに直結するアルキル基を2個有するスズ化合物のジカルボン酸塩がより好ましい。アルキル基は、メチル基,エチル基,ブチル基,オクチル基、デシル基、及びドデシル基等があげられるが,炭素数8〜25のアルキル基が好ましい。より具体的には、オクチル基、デシル基が挙げられ、なかでもオクチル基が好ましい。スズの多座配位子キレート化合物としては、カテコール、クラウンエーテル、多価カルボン酸、ヒドロキシ酸、ジケトン、ケト酸等、及びその置換誘導体の多座配位子がスズに配位したものが挙げられる。1個のスズに複数の配位子が配位してもよい。より具体的には、ジカルボン酸、β−ヒドロキシ酸、1,3−ジケトン、β−ケト酸、β−ヒドロキシケトン及びそれらの置換誘導体)が挙げられ、なかでもマロン酸、アセト酢酸、アセチルアセトンもしくはその置換誘導体が好ましい。縮合触媒としては、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、及びジブチルスズジラウレートが特に好ましい。ジオクチルスズジアセテートが最も好ましい。
【0023】
上記(B−2),(C−1)における加水分解性基としては、オルガノポリシロキサンの珪素に直接結合した、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、及びイソプロペノキシ基等)、アセトキシ基(アシルオキシ基等)、アミノ基(エチルアミノ基等)、アミド基、及びオキシム基(エチルメチルブタノキシム基)が挙げられる。これらのうちでも、コストや安定性の点から、アルコキシ基、及びアセトキシ基が好ましい。
(B−2),(C−1)の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジアシルオキシシラン、メチルトリアシルオキシシラン、テトラアシルオキシシラン、ジフェニルジアシルオキシシラン、フェニルトリアシルオキシシランなど各種加水分解性シランモノマーやそれらの部分加水分解縮合物及び共縮合物等が挙げられる。
【0024】
組成物(A)における(A−1)の含有量は、組成物(A)の総質量に対し、99〜80質量%であることが好ましく、98〜90質量%であることがより好ましい。
組成物(A)における(A−2)の含有量は、組成物(A)の総質量に対し、1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
組成物(A)における(A−3)の含有量は、(A−1)と(A−2)の合計質量100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましい。
組成物(B)における(B−1)の含有量は、組成物(B)の総質量に対し、99〜40質量%であることが好ましく、98〜50質量%であることがより好ましい。
組成物(B)における(B−2)の含有量は、組成物(B)の総質量に対し、1〜60質量%であることが好ましく、2〜50質量%であることがより好ましい。
組成物(B)における(B−3)の含有量は、(B−1)と(B−2)の合計質量100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましい。
組成物(C)における(C−1)の含有量は、組成物(C)の総質量に対し、99〜50質量%であることが好ましく、98〜70質量%であることがより好ましい。
組成物(C)における(C−2)の含有量は、(C−1)100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましい。
組成物(A)における(A−1)/(A−2)の含有量比は、(A−1)と(A−2)の合計質量を100質量部としたときに、質量比で99/1〜80/20であることが好ましく、99/1〜85/15であることがより好ましい。
組成物(B)における(B−1)/(B−2)の含有量比は、(B−1)と(B−2)の合計質量を100質量部としたときに、質量比で99/1〜40/60であることが好ましく、98/2〜50/50であることがより好ましい。
組成物(C)における(C−1)/(C−2)の含有量比は、(C−1)と(C−2)の合計質量を100質量部としたときに、質量比で99/1〜50/50であることが好ましく、98/2〜70/30であることがより好ましい。
組成物(A)〜(C)の組成が上記範囲であれば、目的の剥離性を確実に得ることができる。
剥離性成分中、組成物(A)の含有量は、剥離性成分の総質量に対し、2〜80質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
剥離性成分中、組成物(B)の含有量は、剥離性成分の総質量に対し、2〜80質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
剥離性成分中、組成物(C)の含有量は、剥離性成分の総質量に対し、2〜80質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましい。
【0025】
本発明の剥離性成分はその他の有機樹脂を含有してもよい。有機樹脂は、処理浴安定性、各種基材に対する塗工性の向上、皮膜形成性の向上、剥離特性の調整、塗工量及び粘度の調整を目的として配合される成分であり、例えばシリコーン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、セルロース、それらの誘導体、等の有機樹脂が使用でき、剥離性成分100質量部に対して2〜400質量部含有することができるが、剥離特性や帯電防止特性に影響する場合は配合されなくてもよい。上記誘導体としては、具体的には、セルロースのヒドロキシ基の一部をアルキル基でエーテル化したもの等が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等があげられ、エチル基が好ましい。
【0026】
本発明の剥離性成分は有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、処理浴安定性、各種基材に対する塗工性の向上、塗工量及び粘度の調整を目的として配合される成分であり、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、IPA、ブタノール、ジアセトンアルコール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の、組成物を均一に溶解できる任意量の有機溶剤が使用でき、剥離性成分100質量部に対して10〜1900質量部含有することができるが、塗工方法によっては有機溶剤は配合されなくてもよい。
剥離性成分としては、組成物(A)、組成物(B)又は組成物(C)であることが好ましい。なかでも、組成物(A)または(B)がより好ましい。
組成物(A)中、(A−1)、(A−2)及び(A−3)はそれぞれ1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせであってもよい。また、組成物(A)は、(B−2)を含んでいてもよい。
組成物(B)中、(B−1)、(B−2)及び(B−3)はそれぞれ1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせであってもよい。
組成物(C)中、(C−1)及び(C−2)はそれぞれ1種類であってもよく、2種類以上の組み合わせであってもよい。また、組成物(C)は、(A−2)を含んでいてもよい。
なお、組成物が(A−2)と、(A−1)又は(B−1)と、(B−2)又は(C−1)と縮合触媒とを含む場合、この組成物は組成物(A)に分類されるものとし;組成物が(B−1)と、(B−2)又は(C−1)と、縮合触媒とを含む場合、この組成物は組成物(B)に分類されるものとし;組成物が(A−2)と、(B−2)又は(C−1)と、縮合触媒とを含む場合、この組成物は(C)に分類されるものとする。
【0027】
(導電性成分)
本発明の帯電防止性剥離剤に含まれる導電性成分は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの複合体を含む。前記複合体は、具体的には、π共役系導電性高分子にポリアニオンの一部のアニオン基が配位してドープして、π共役系導電性高分子とポリアニオンとが複合化されている。
導電性成分は、必要に応じて、前記複合体以外の他の導電性物質やイオン導電性化合物を含んでもよい。
【0028】
導電性成分の含有量は、剥離性成分100質量部に対して1〜300質量部であり、1〜65質量部であることがより好ましい。導電性成分の含有量が前記下限値以上であることにより、帯電防止性を充分に確保でき、前記上限値以下であることにより、剥離性を充分に確保できる。
本発明の帯電防止性剥離剤中、導電性成分の含有量は、帯電防止性剥離剤の総質量に対し、1〜75質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。
【0029】
[π共役系導電性高分子]
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であり、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。なかでも、重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリチオフェン類、ポリピロール類及びポリアニリン類が好ましい。さらに、溶剤に対する可溶性及び透明性の点から、ポリチオフェン類が好ましい。ここで、「主鎖」とは、鎖式化合物の主要な炭素鎖を指し、本明細書においては、π共役系導電性高分子において、炭素数が最大となる幹部分のことを指す。
【0030】
ポリチオフェン類としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、及びポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。なかでもポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)がより好ましい。
ポリピロール類としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、及びポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。なかでもポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)が好ましく、ポリピロールがより好ましい。
ポリアニリン類としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、及びポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。なかでもポリアニリン、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、及びポリ(3−アニリンスルホン酸)が好ましく、ポリアニリンがより好ましい。
上記π共役系導電性高分子の中でも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。
【0031】
[ポリアニオン]
ポリアニオンとは、分子内にアニオン基を有する構成単位(以下、「モノマー単位」ということもある)を有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
本願の一つの態様として、ポリアニオンのアニオン基としては、スルホン酸基又はカルボキシル基であることが好ましい。また、ポリアニオンとは、前記スルホン酸基、又はカルボキシル基を有するモノマー単位を重合して得られる高分子であることが好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、及びポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよいが最も好ましいポリアニオンはスルホン酸基含有ポリアニオンである。なかでもポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸が好ましく、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
【0032】
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、分散性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万〜100万であることが好ましい。ポリアニオンの質量平均分子量が前記下限値以上であれば、π共役系導電性高分子の含有が均一な剥離剤とすることができ、前記上限値以下であれば、充分に高い導電性を得ることができる。
本発明においては、ポリアニオンに対しては、オルガノポリシロキサンとの可溶性を高くすることが求められ、その可溶性を勘案してポリアニオンの重合度、分子量を選択する必要があるが、それによって本来の導電性や安定性が損なわれてはならない。これらを勘案すると、ポリアニオンの質量平均分子量は2万〜75万の範囲がより好ましい。
【0033】
ポリアニオンの含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。ポリアニオンの含有量が前記下限値より少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。その上、分散性及び溶解性が低くなり、均一な溶液を得ることが困難になる。また、ポリアニオンの含有量が前記上限値より多くなると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
【0034】
ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。この余剰のアニオン基は親水基であるから、複合体の水分散性を向上させる役割を果たす。
ポリアニオン中の全てのアニオン基中、余剰のアニオン基は、ポリアニオン中の全てのアニオン基に対し、30〜90モル%であることが好ましく、45〜75モル%であることがより好ましい。
【0035】
なかでも導電性成分としては、π共役系導電性高分子としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)に、ポリアニオンとしてのポリスチレンスルホン酸の一部のアニオン基が配位してドープして、π共役系導電性高分子とポリアニオンとが複合体を形成しているものが好ましい。ポリスチレンスルホン酸の含有量は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)1モルに対して1〜10モルの範囲であることが好ましく、1.5〜5モルの範囲であることがより好ましい。
【0036】
なかでも導電性成分としては、π共役系導電性高分子としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)に、ポリアニオンとしてのポリスチレンスルホン酸の一部のアニオン基が配位してドープして、π共役系導電性高分子とポリアニオンとが複合体を形成しているものが好ましい。
【0037】
本発明では、ポリアニオンの一部のアニオン基、具体的には、π共役系導電性高分子にドープしない余剰のアニオン基に、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1種以上のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合している。余剰のアニオン基にアミン系化合物がイオン対として配位又は結合することにより、親水性は低下し、疎水性が向上するため、複合体の有機溶媒分散性及びオルガノポリシロキサンに対する可溶性が向上する。
【0038】
余剰のアニオン基に配位又は結合するアミン系化合物は、炭素数4以上のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基及びオキシアルキレン基より選択される置換基よりなる群から選ばれる置換基を1つ以上有する。余剰のアニオン基に配位又は結合するアミン系化合物が、前記置換基を有することにより、疎水性をより高めることができる。ここで「置換基」とはアミン系化合物の窒素原子に結合した有機基を意味する。
前記置換基の炭素数は、4〜12が好ましく、4〜8がより好ましい。
炭素数4以上のアルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
アラルキレン基としては、ベンジレン基、及びフェネチレン基等が挙げられる。
オキシアルキレン基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、テトラエチレンオキサイド基等が挙げられる。
【0039】
前記置換基を有する2級アミンとしては、メチルオクチルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルアニリン、ジブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、及びジヘプチルアミン等が挙げられる。
前記置換基を有する3級アミンとしては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリパーフルオロプロピルアミン、トリパーフルオロブチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、ジデシルメチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジドデシルアミン、及びN,N−ジベンジルアニリン等が挙げられる。
前記置換基を有する4級アンモニウム塩としては、メチルトリヘキシルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリデシルアンモニウムクロライド、メチルトリドデシルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、テトラヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルアンモニウムブロマイド、テトラドデシルアンモニウムブロマイド、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキサデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−オクタデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、メチルピリジニウムクロライド、エチルピリジニウムクロライド、プロピルピリジニウムクロライド、ブチルピリジニウムクロライド、ヘキシルピリジニウムクロライド、オクチルピリジニウムクロライド、デシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、及びヘキサドデシルピリジニウムクロライド等が挙げられる。
前記置換基を有するアミンアルキレンオキサイドとしては、例えば、下記化学式I及びIIで示される化合物が挙げられる。
式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜24のアルキル基を表し、AO、AO及びAOは、それぞれ独立して、炭素数2〜4のオキシアルキレン基若しくはその混合物を表し、p、q及びrは、それぞれ独立して、1≦p≦100、1≦q≦100、1≦r≦100であって、且つ2<q+r≦100を満たす。ここで、R、R、R置換基中のいずれかの炭素数或いは(AO)、(AO)、(AO)置換基中のA×p、A×q、A×r、のいずれかにおける炭素数の合計、すなわち、下記化学式I及びIIで示される化合物中の炭素数が4〜448であることが必要である。
、R及びRは、炭素数4〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素数7〜10のアルキル基であることがより好ましい。
O、AO及びAOは、炭素数4〜12のオキシアルキレン基若しくはその混合物であることが好ましい。
p、q及びrは、それぞれ独立して、1≦p≦25、1≦q≦25、1≦r≦25であって、且つ2<q+r≦25を満たすことが好ましく、15≦q+r≦25を満たすことがより好ましい。
具体的には、三洋化成工業株式会社、商品名『イオネット』、日油株式会社 商品名『ナイミーン』、ライオンアクゾ株式会社 商品名『エソミン』などの各シリーズから選択可能である。具体的には、商品名『イオネット』は、式中、化学式Iに対応する。商品名『ナイミーン』は、式中、化学式IIに対応する。商品名『エソミン』は、式中、化学式IIに対応する化合物である。
【0040】
【化4】
【0041】
アミン系化合物としては、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、アミンアルキレンオキサイド(特には15≦q+r≦25を満たすエソミンC/25及びエソミンC/15)が好ましく、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がより好ましい。
【0042】
アミン系化合物の量は、ポリアニオンに対して0.1〜10モル当量であることが好ましく、0.5〜2.0モル当量であることがより好ましく、0.85〜1.25モル当量であることがさらに好ましい。ここで「モル等量」とは、モル数の比率を意味する。具体的には、ポリアニオンにおける余剰のアニオン基を1モルとしたときに、前記余剰のアニオン基に配位又は結合するアミン系化合物のモル数を意味する。本明細書中、「ポリアニオンの一部のアニオン基にアミン系化合物がイオン対として配位又は結合している」とは、ポリアニオン中の全アニオン基において、30〜90モル%のアニオン基に対し、アミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることを意味し、45〜90モル%のアニオン基に対し、アミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。なお、「結合」とは、共有結合、水素結合、イオン結合を意味する。
【0043】
(有機溶媒)
本発明の帯電防止性剥離剤に含まれる有機溶媒としては、剥離性成分を溶解させる溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エステル)を使用してもよいし、導電性成分を溶解させる溶剤(メチルエチルケトン等のケトン溶媒、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール溶媒)を使用してもよいし、これらを併用してもよい。ただし、剥離性成分が組成物(A)を含む場合(又は(A−2)を含む組成物(C)である場合)には、アルコール溶媒を用いると、副反応として水酸基とヒドロシリル基との間で脱水素反応が起こるため、使用量には注意が必要である。剥離性成分が組成物(B)又は(C)(ただし(A−2)を含まない)である場合には、アルコール溶媒を用いると、帯電防止性剥離剤の保存安定性を向上させることができる。そのため、有機溶媒は、帯電防止性剥離剤に配合される材料に応じて適宜選択すればよい。
なかでも、有機溶媒としては、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒が好ましく、混合溶媒としては、導電性高分子を溶解させる溶媒を10〜99質量部と、剥離性成分を溶解させる溶媒を1〜90質量部とを組み合わせて使用することが好ましい。トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒がより好ましい。
有機溶媒の含有量は、各成分の配合や剥離剤層の目標の厚み等に応じて適宜調整されるが、通常は、剥離性成分と導電性成分の合計質量を1(質量部)とした際に、0.1〜100質量部の範囲とされる。
組成物が(A−2)を含む場合であって、有機溶媒としてアルコール溶媒を使用する場合は、アルコール溶媒の使用量は、剥離性成分と導電性成分の合計1質量部に対し、10〜99質量部であることが好ましい。
【0044】
(導電性向上剤)
本発明の帯電防止性剥離フィルムには、二次ドーパントとしての導電性向上剤が含まれてもよい。
導電性向上剤としては、グリシジル化合物、極性溶媒、多価脂肪族アルコール、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、2個以上のカルボキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基と1個以上のカルボキシ基を有する化合物、及びラクタム化合物等が挙げられる。
これらのなかでも、剥離性成分の硬化を阻害しにくいものが好ましい。剥離性成分の硬化を阻害しにくければ、前記帯電防止性剥離剤から得た剥離剤層に、粘着シートの粘着剤層を重ねた後、粘着剤層に剥離剤が転写することを防ぐことができる。
剥離性成分の硬化を阻害しにくい導電性向上剤としては、グリシジル化合物、極性溶媒、及び多価脂肪族アルコールが挙げられる。
また、導電性向上剤は、25℃で液状であることが好ましい。液状であれば、前記帯電防止性剥離剤から形成した剥離剤層の透明性を向上させることができ、剥離剤層に貼り合わされる粘着剤層への異物の転写を防ぐことができる。なお、導電性向上剤を温度25℃に調整したときに液状であれば、25℃で液状である導電性向上剤に該当するものとする。ここで「液状」とは、(液体)のことである。
【0045】
グリシジル化合物の具体例としては、エチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、及びメタクリル酸グリシジルエーテル等が挙げられる。
極性溶媒の具体例としては、N−メチルホルムアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、及び乳酸プロピル等が挙げられる。
多価脂肪族アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、チオジエタノール、及びジプロピレングリコール等が挙げられる。
導電性向上剤としては、なかでもジメチルスルホキシド、エチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、又は乳酸エチルが好ましい。
【0046】
導電性向上剤の含有量は、導電性成分100質量部に対して10〜10000質量部であることが好ましく、30〜5000質量部であることがより好ましい。導電性向上剤の含有量が前記下限値以上であれば、帯電防止性をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えると、剥離性が低下するおそれがある。
【0047】
(作用効果)
従来、π共役系導電性高分子にポリアニオンがドープした複合体は、剥離性成分を構成する縮合硬化型オルガノポリシロキサンとの可溶性が低かった。そのため、π共役系導電性高分子にポリアニオンがドープした複合体と縮合硬化型オルガノポリシロキサンとを混合しても、互いに均一に混ざらず、帯電防止性及び剥離性を共に充分に発揮することは困難であった。
しかし、本発明では、ポリアニオンの余剰のアニオン基に、上記特定の置換基を有するアミン系化合物を配位又は結合させているため、複合体の疎水性が向上している。これにより、π共役系導電性高分子にポリアニオンがドープした複合体と縮合硬化型オルガノポリシロキサンとの可溶性が高くなっており、互いに均一分散している。そのため、帯電防止性及び剥離性を共に発揮させることができる。
なお、本明細書において、「可溶性」とは、分子レベルのミクロな可溶化の程度に限定されず、マクロな可溶化の程度のことを含む。したがって、可溶性が高い場合には、ミクロな観察(例えば、電子顕微鏡)では分離しているが、マクロな観察(例えば、目視)では互いに可溶化している状態を含む。
【0048】
また、本発明の帯電防止性剥離剤は、非水系であるため、プラスチックフィルムに対する密着性が高い。本発明の帯電防止性剥離剤は、紙に対しても密着性が高い。
さらに、本発明の帯電防止性剥離剤は、透明性にも優れる。
【0049】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記(A)〜(C)よりなる群から選ばれる1種以上の組成物を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0050】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記(A)〜(C)よりなる群から選ばれる1種以上の組成物を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(3−1)〜(3−5)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0051】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(A)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(3−1)〜(3−5)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0052】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(B)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0053】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(C)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0054】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(A)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒と;ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び乳酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の導電性向上剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(3−1)〜(3−5)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0055】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(B)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒と;ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び乳酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の導電性向上剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、上記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0056】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(C)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、及びメチルエチルケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒と;ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び乳酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の導電性向上剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記式(5−1)〜(5−4)のいずれかで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及びジブチルスズジラウレートからなる群から選択される少なくとも1種の縮合触媒
【0057】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記(A)〜(C)よりなる群から選ばれる1種以上の組成物を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が50〜100000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位90〜100モル%、ジフェニルシロキサン単位0〜10モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、分子鎖の主鎖の両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、主骨格は、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、MeHSiO2/2で表される単位を10〜100モル%含有し、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が2〜1000mPa・sであるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が50〜100000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位90〜100モル%、ジフェニルシロキサン単位0〜10モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が1〜100mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記化学式IIIで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート
【0058】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記(A)〜(C)よりなる群から選ばれる1種以上の組成物を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、分子鎖の主鎖の両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、主骨格は、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、MeHSiO2/2で表される単位を100モル%含有し、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が25mPa・sであるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が800mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位90モル%、ジフェニルシロキサン単位10モル%で構成されているポリオルガノシロキサン;又は1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記化学式IIIで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート
【0059】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記(A)〜(C)よりなる群から選ばれる1種以上の組成物を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒と;ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び乳酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の導電性向上剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、分子鎖の主鎖の両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、主骨格は、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、MeHSiO2/2で表される単位を100モル%含有し、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が25mPa・sであるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が800mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位90モル%、ジフェニルシロキサン単位10モル%で構成されているポリオルガノシロキサン;又は1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記化学式IIIで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート
【0060】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(A)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(A):下記(A−1)〜(A−3)を含む組成物。
(A−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(A−2):1分子中に少なくとも3個のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであって、分子鎖の主鎖の両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、主骨格は、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、MeHSiO2/2で表される単位を100モル%含有し、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が25mPa・sであるオルガノポリシロキサン
(A−3):ジオクチルスズジアセテート
【0061】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(B)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が800mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位90モル%、ジフェニルシロキサン単位10モル%で構成されているポリオルガノシロキサン;又は1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート
【0062】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(B)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒と;ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び乳酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の導電性向上剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(B):下記(B−1)〜(B−3)を含む組成物。
(B−1):1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が800mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位90モル%、ジフェニルシロキサン単位10モル%で構成されているポリオルガノシロキサン;又は1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有するオルガノポリシロキサンであって、回転粘度計により測定される25℃における粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%で構成されているポリオルガノシロキサン
(B−2):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンであって、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサン
(B−3):ジオクチルスズジアセテート
【0063】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤は、下記組成物(C)を含むシリコーン系材料である剥離性成分と;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の複合体を含む導電性成分と;トルエン、ブタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン及びジアセトンアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基に、トリオクチルアミン、上記化学式Iで示される化合物及び上記化学式IIで示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合していることが好ましい。
(C):下記(C−1)〜(C−2)を含む組成物。
(C−1):1分子中に少なくとも3個の加水分解性基を有するオルガノシロキサンであって、上記化学式IIIで表されるオルガノポリシロキサン
(C−2):ジオクチルスズジアセテート
【0064】
本発明の第一の態様における帯電防止性剥離剤の製造方法としては、前記π共役系導電性高分子と前記ポリアニオンとの複合体を形成すること;前記複合体に、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1種以上のアミン系化合物、及び有機溶媒を加えて混合し、前記複合体中のポリアニオンの一部のアニオン基に、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1種以上のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合させて、導電性成分を得ること;前記導電性成分に縮合硬化型オルガノポリシロキサンを含む剥離性成分、及び溶媒を加えて混合し、帯電防止性剥離剤を得ること;を含む方法が挙げられる。π共役系導電性高分子と前記ポリアニオンの複合体を形成する際の、反応温度としては−20〜90℃が好ましく、−10〜40℃がより好ましい。反応時間は1〜48時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。反応は水中で行うことが好ましい。反応終了後、酸化剤、触媒の残渣を限外濾過法等により除去して複合体の濃度を、溶液の総質量に対し、0.1〜5質量%に調整することが好ましい。
複合体中のポリアニオンの一部のアニオン基に、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群から選択される1種以上のアミン系化合物がイオン対として配位又は結合させる際の温度は、5〜60℃が好ましく、10〜40 ℃がより好ましい。得られる導電性成分中の複合体の濃度が、導電性成分の総質量に対し、0.1〜1質量%となるように、溶媒の量を調整することが好ましい。
導電性成分に縮合硬化型オルガノポリシロキサンを含む剥離性成分、及び溶媒を加えて混合する際の温度は、5〜40℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
【0065】
<帯電防止性剥離フィルム>
本発明の第二の態様における帯電防止性剥離フィルムは、プラスチックフィルム又は紙からなる基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された剥離剤層とを備える。
本発明の帯電防止性剥離フィルムを構成する剥離剤層は、上記帯電防止性剥離剤より形成された層である。
帯電防止性剥離フィルムの厚さは、2〜500μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。別の態様としては、10μm〜1000μmが好ましく、50μm〜300μmがより好ましい。ここで、「帯電防止性剥離フィルムの厚さ」とは、基材と剥離剤層の厚みの合計のことであり、ダイヤルゲージ、超音波厚み計など、公知の厚み測定器(シックネスゲージ)によって測定することができる。
帯電防止性剥離フィルムにおいて、剥離剤層の厚さは、0.1〜5.0μmが好ましく、0.1〜2.0μmがより好ましい。ここで「剥離剤層の厚さ」とは、帯電防止性剥離剤より形成された層の厚みのことであり、走査型電子顕微鏡(SEM) や透過型電子顕微鏡 (TEM) などによる計測、X線や色々な波長の光を用いた実測とシミュレーションによる解析、あるいは直接的な探針を用いた触針式の測定による計測などによって測定することができる。
【0066】
プラスチックフィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、及びセルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、透明性、可撓性、汚染防止性及び強度等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
紙としては、上質紙、クラフト紙、及びコート紙等を用いることができる。
【0067】
帯電防止性剥離フィルムの製造方法としては、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に上記帯電防止性剥離剤を塗布すること、帯電防止性剥離剤を乾燥して帯電防止性剥離フィルムを得ること、を含む方法が挙げられる。
帯電防止性剥離剤の塗布方法としては、例えば、バーコーター、グラビアコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの塗工機を用いる方法が適用される。塗布量としては特に制限はないが、通常は、固形分として、0.1〜5.0g/mの範囲とされる。
帯電防止性剥離剤を乾燥する方法としては、加熱することにより揮発成分や溶剤成分を除去する方法が挙げられる。具体的には熱風乾燥機、IR乾燥機などが挙げられる。あるいはそのまま常温で放置してもよい。乾燥する際の温度は、50〜200℃が好ましく、70〜180℃がより好ましい。乾燥する際の時間は、1〜120秒が好ましく、5〜90秒がより好ましい。別の態様としては、乾燥する際の温度は、80〜200℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。乾燥する際の時間は、0.5〜10分が好ましく、0.5〜2分がより好ましい。
【0068】
本発明の第二の態様における帯電防止性剥離フィルムは、上記帯電防止性剥離剤を含む剥離剤層を備えるから、帯電防止性と剥離性とが共に優れたものとなる。そのため、本発明の帯電防止性剥離フィルムは、光学用や電子電気部品用の粘着シートとして使用することが好ましい。
帯電防止性剥離フィルムの粘着シートとしての使用方法は、帯電防止性剥離フィルムを、光学用や電子電気部品に接着させることを含む。
【実施例】
【0069】
以下に、実施例及び比較例を示すが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における「部」は「質量部」、「%」は「質量%」のことである。
【0070】
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。
この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状の質量平均分子量30万のポリスチレンスルホン酸を得た。
【0071】
(製造例2)
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、濃度1.2%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(以下、「PEDOT−PSS水分散液」ともいう)を得た。
【0072】
(製造例3)
PEDOT−PSS水分散液1000gを凍結乾燥して、12gのPEDOT−PSSの粉体を得た。得られたPEDOT−PSSの粉体12.0gにイソプロパノール2882gとトリオクチルアミン10.6gを添加し、攪拌して、濃度0.4%のPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)を得た。
【0073】
(製造例4)
トリオクチルアミン10.6gの代わりにトリエチルアミン4.2gを添加した以外は製造例3と同様にして、濃度0.4%のPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(2)を得た。
【0074】
(製造例5)
トリオクチルアミン10.6gの代わりにトリプロピルアミン3.0gを添加した以外は製造例3と同様にして、濃度0.4%のPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(3)を得た。
【0075】
(製造例6)
トリオクチルアミン10.6gの代わりにモノn−ヘキシルアミン3.0gを添加した以外は製造例3と同様にして、濃度0.4%のPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(4)を得た。
【0076】
(製造例7)
トリオクチルアミン10.6gの代わりにエソミンC25(ライオンアクゾ社製)1.8gを添加した以外は製造例3と同様にして、濃度0.4%のPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(5)を得た。
【0077】
<剥離剤の調製>
以下の例で用いた縮合硬化型オルガノポリシロキサンは以下の通りである。
・縮合硬化型オルガノポリシロキサンC
有効成分20%、有機樹脂誘導体とアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルとの混合物。縮合硬化型オルガノポリシロキサンC中、有機樹脂誘導体の含有量:14質量%、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルの含有量:6質量%、トルエン55質量%、ブタノール25質量%。
本明細書において、「有効成分」とは、剥離性成分に含まれる成分(溶媒を除く)を意味する。
前記有機樹脂誘導体は、セルロースのヒドロキシ基の一部をエチル基でエーテル化したものである。
前記アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルは、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサンである。なお、1分子中に少なくとも3個のOMe基を有する。
・縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1
有効成分50%、シラノール基含有オルガノポリシロキサンオイルとアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルとの混合物。縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1中、シラノール基含有オルガノポリシロキサンオイルの含有量:45質量%、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルの含有量:5質量%、トルエン50質量%。
前記シラノール基含有オルガノポリシロキサンオイルは、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が800mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、両末端の構成単位を除く主骨格は、ジメチルシロキサン単位90モル%、ジフェニルシロキサン単位10モル%構成されているポリオルガノシロキサンである。
前記アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルは、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサンである。なお、1分子中に少なくとも3個のOMe基を有する。
・縮合硬化型オルガノポリシロキサンB2
有効成分30%、シラノール基含有オルガノポリシロキサンガムとアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルとの混合物。縮合硬化型オルガノポリシロキサンB2中、シラノール基含有オルガノポリシロキサンガムの含有量:24質量%、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルの含有量:6質量%、トルエンの含有量:70質量%。
前記シラノール基含有オルガノポリシロキサンガムは、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格はジメチルシロキサン単位100モル%、で構成されているポリオルガノシロキサンである。
前記アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンオイルは、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサンである。1分子中に少なくとも3個のOMe基を有する。
・縮合硬化型オルガノポリシロキサンA
有効成分30%、シラノール基含有オルガノポリシロキサンガムとSiH基含有オルガノポリシロキサンオイルとの混合物。シラノール基含有オルガノポリシロキサンガムの含有量:29質量%、SiH基含有オルガノポリシロキサンオイルの含有量:1質量%、トルエンの含有量:70質量%。
前記シラノール基含有オルガノポリシロキサンガムは、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の主鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、両末端の構成単位を除く主骨格は、ジメチルシロキサン単位100モル%、で構成されているポリオルガノシロキサンである。
前記SiH基含有オルガノポリシロキサンオイルは、分子鎖の主鎖の両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、両末端の構成単位を除く主骨格が、主骨格を構成する構成単位の総モル数に対し、MeHSiO2/2で表される単位を100モル%含有し、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度が25mPa・sであるオルガノポリシロキサンである。
粘度の測定はTVB−10型粘度計(東機産業社製)を用いて25℃でおこなった。
【0078】
(実施例1)
製造例3で得たPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)30gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンとして、縮合硬化型オルガノポリシロキサンCを10.9g、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1を2.74g、縮合触媒として、ジオクチルスズジアセテートを0.5g添加した。さらに、メチルエチルケトン45.86g及びジアセトンアルコール10.0gで希釈して、剥離剤を得た(含有水分量0.01%)。
【0079】
(実施例2)
製造例3で得たPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)30gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンとして、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB2を10.0g、縮合触媒として、ジオクチルスズジアセテートを0.4g添加した。さらに、メチルエチルケトン59.6gで希釈して、剥離剤を得た。
【0080】
(実施例3)
縮合硬化型オルガノポリシロキサンを、縮合硬化型オルガノポリシロキサンAに変更した以外は実施例2と同様にして、剥離剤を得た。
【0081】
(実施例4)
実施例1の剥離剤100gに対し、0.3gのジメチルスルホキシドを添加して、導電性向上剤を含む剥離剤を得た。
【0082】
(実施例5)
実施例1の剥離剤100gに対し、ジメチルスルホキシドの代わりにエチレングリコールを添加した以外は実施例4と同様にして、導電性向上剤を含む剥離剤を得た。
【0083】
(実施例6)
実施例1の剥離剤100gに対し、ジメチルスルホキシドの代わりに2−ヒドロキシエチルアクリルアミドを添加した以外は実施例5と同様にして、導電性向上剤を含む剥離剤を得た。
【0084】
(実施例7)
実施例1の剥離剤100gに対し、ジメチルスルホキシドの代わりに0.3gの乳酸エチルを添加して、導電性向上剤を含む剥離剤を得た。
【0085】
(実施例8)
製造例3で得たPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)170gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンとして、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1を0.456g、縮合触媒として、ジオクチルスズジアセテートを0.018g添加した。さらに、メチルエチルケトン45.86g及びジアセトンアルコール10.0gで希釈して、剥離剤を得た。
【0086】
(実施例9)
実施例8において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)の量を120gに変更した以外は実施例8と同様にして、剥離剤を得た。
【0087】
(実施例10)
実施例8において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)の量を60gに変更した以外は実施例8と同様にして、剥離剤を得た。
【0088】
(実施例11)
実施例1において、縮合硬化型オルガノポリシロキサンCの量を0.568gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1の量を0.143gに、ジオクチルスズジアセテートの量を0.028gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0089】
(実施例12)
実施例1において、縮合硬化型オルガノポリシロキサンCの量を1.09gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1の量を0.247gに、ジオクチルスズジアセテートの量を0.054gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0090】
(実施例13)
実施例1において、縮合硬化型オルガノポリシロキサンCの量を2.18gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1の量を0.548gに、ジオクチルスズジアセテートの量を0.108gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0091】
(実施例14)
実施例1において、縮合硬化型オルガノポリシロキサンCの量を4.36gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1の量を1.096gに、ジオクチルスズジアセテートの量を0.216gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0092】
(実施例15)
実施例2において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)の量を20gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0093】
(実施例16)
実施例2において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)の量を15gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0094】
(実施例17)
実施例2において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)の量を10gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0095】
(実施例18)
製造例7で得たPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(5)30gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンとして、縮合硬化型オルガノポリシロキサンCを10.9g、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1を2.74g、縮合触媒として、ジオクチルスズジアセテートを0.5g添加した。さらに、メチルエチルケトン45.86g及びジアセトンアルコール10.0gで希釈して、剥離剤を得た。
【0096】
(実施例19)
製造例3で得たPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)30gに、縮合硬化型オルガノポリシロキサンとして下記化学式IIIの化合物3g、ジオクチルスズジアセテートを0.5g添加した。さらに、メチルエチルケトン45.86g及びジアセトンアルコール10.0gで希釈して、剥離剤を得た。
【0097】
【化5】
【0098】
(比較例1)
縮合硬化型オルガノポリシロキサンCを10.9g、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB1を2.74g、ジオクチルスズジアセテートを0.5g、各々計量し、固形分濃度が3質量%になるように、メチルエチルケトン45.86g及びジアセトンアルコール10.0gの有機溶媒を添加して、剥離剤を得た。
【0099】
(比較例2)
縮合硬化型オルガノポリシロキサンB2を10.0g、ジオクチルスズジアセテートを0.4g、各々計量し、メチルエチルケトン59.6gを添加して、剥離剤を得た。
【0100】
(比較例3)
比較例2において、縮合硬化型オルガノポリシロキサンB2の代わりに縮合硬化型オルガノポリシロキサンAを用いた以外は比較例2と同様にして、剥離剤を得た。
【0101】
(比較例4)
実施例8において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液の量を190gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0102】
(比較例5)
実施例2において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液の量を5gに変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0103】
(比較例6)
実施例1において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)をPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(2)に変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0104】
(比較例7)
実施例1において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)をPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(3)に変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0105】
(比較例8)
実施例1において、PEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(1)をPEDOT−PSSのイソプロパノール分散液(4)に変更した以外は実施例1と同様にして、剥離剤を得た。
【0106】
<評価>
各例の剥離剤について、硬化性、剥離に要する力(以下、「剥離強度」という。)、残留接着率、表面抵抗率を以下の方法により評価又は測定した。結果を表1に示す。
【0107】
[硬化性]
厚さ38μmのPETフィルムに、得られた剥離剤を、バーコーターによって塗布し、120℃の熱風式乾燥機中で1分間加熱して剥離剤層を形成した。その剥離剤層を、指で10回擦った後、くもり及び脱落の有無を目視により観察し、以下の基準で評価した。
A:くもり及び脱落は見られなかった。
B:くもり又は脱落が見られた。
【0108】
[剥離強度]
上記硬化性評価と同様にして剥離剤層を形成し、剥離剤層の表面にポリエステル粘着テープ(ニットー31B、日東電工(株)製商品名)を載せ、次いで、その粘着テープの上に1976Paの荷重を載せて、剥離剤層にポリエステル粘着テープを貼り合せた。そして、引張試験機を用いて、剥離剤層からポリエステル粘着テープを、180゜の角度で剥離(剥離速度0.3m/分)し、剥離強度を測定した。剥離強度が小さい程、剥離剤層に粘着シートを貼り合せた後に、粘着シートを容易に剥離できる。すなわち、軽剥離となる。
【0109】
[残留接着率]
上記剥離強度の測定と同様に、剥離剤層にポリエステル粘着テープを貼り合せた。その後、室温で20時間放置し、又は、85℃で20時間加熱処理してから、剥離剤層からポリエステル粘着テープを剥がし、そのポリエステル粘着テープをステンレス板に貼り付けた。次いで、引張試験機を用いて、ステンレス板からポリエステル粘着テープを剥離し、剥離強度Xを測定した。
また、剥離剤層に貼り合せていないポリエステル粘着テープをステンレス板に貼り付け、引張試験機を用いて、ステンレス板からポリエステル粘着テープを剥離し、剥離強度Yを測定した。
そして、(剥離強度X/剥離強度Y)×100(%)の式より、残留接着率を求めた。
残留接着率が高い程、剥離剤層の剥離性に優れ、剥離剤層に貼り合せることによるポリエステル粘着テープの接着力低下が抑制されていることを示す。
【0110】
[表面抵抗率]
三菱化学社製ハイレスタMCP−HT450を用い、プローブMCP−HTP12、印加電圧10Vで測定した。なお、表中の「OVER」とは、表面抵抗率が高すぎて、測定できないことを意味している。また、表中の「Ω/□」は「Ω/sq.」を意味する。
【0111】
【表1】
【0112】
実施例1〜19の剥離剤は、剥離強度が小さく、表面抵抗率が低かった。
導電性成分を含まない比較例1〜3の剥離剤、導電性成分の含有量が少ない比較例5の剥離剤は、表面抵抗率が高すぎて、測定不能であった。
導電性成分の含有量が多く、相対的に剥離性成分が少ない比較例4の剥離剤は、剥離強度が大きかった。
ポリスチレンスルホン酸の余剰スルホン酸基に配位又は結合するアミン系化合物の置換基が炭素数4未満のアルキル基である比較例6,7は、液が安定ではなく、導電性複合体がシリコーン樹脂と可溶せず均一な皮膜が得られなかった。そのため、表面抵抗率は測定不能であった。
ポリスチレンスルホン酸の余剰スルホン酸基に配位又は結合するアミン系化合物の置換基が1つであるである(即ち、アミン系化合物が1級アミンである)比較例8は、液が安定ではなく、導電性複合体がシリコーン樹脂と可溶せず均一な皮膜が得られなかった。そのため、表面抵抗率は測定不能であった。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の帯電防止性剥離剤及び帯電防止性剥離フィルムは、帯電防止性と剥離性とが共に優れているため、産業上極めて有用である。