(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1価アルコールが、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンから選択される1種以上である、請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)から選択される1種以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
ジアミンが、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンから選択される1種以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
多価ヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール及び1,8−オクタンジオール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)から選択される1種以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物。
エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルのうち少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)が、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸、4−ヒドロキシフェニルビニルケトンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物。
エポキシ硬化剤がトリメリット酸無水物及びヘキサヒドロトリメリット酸無水物から選択される1種以上である、請求項2〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
テトラカルボン酸二無水物が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり、多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランであり、ラジカル共重合してなるポリマー(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であり、エポキシ硬化剤がトリメリット酸無水物であり、更に溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチルを含有する、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
テトラカルボン酸二無水物が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり、多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり、1価アルコールがベンジルアルコールであり、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランであり、エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルのうち少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)が、グリシジルメタクリレートであり、ラジカル共重合してなるポリマー(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であり、エポキシ硬化剤がトリメリット酸無水物であり、更に溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチルを含有する、請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、仮焼成後の耐薬品性に優れ、更に平坦性、耐熱性、ガラスなどの下地基板への密着性、透明性に優れる硬化膜、及びこの硬化膜を有する電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物を含む化合物の反応から得られるポリエステルアミド酸、エポキシ基を一分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるエポキシ樹脂、並びに下記一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)、及びエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)をラジカル共重合してなるポリマー(A)を含む樹脂組成物、及び該樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜により、上記目的を達することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を含む。
【0009】
[1] ポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂、並びに下記一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)、及びエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)をラジカル共重合してなるポリマー(A)を含む樹脂組成物であって、ポリエステルアミド酸がテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られ、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られるポリエステルアミド酸であり、
0.2≦Z/Y≦8.0・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0・・・(2)
エポキシ樹脂がエポキシ基を一分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるエポキシ樹脂であり、ポリエステルアミド酸100重量部に対し、エポキシ樹脂が20〜400重量部であり、ポリマー(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であり、ポリエステルアミド酸100重量部に対し、ポリマー(A)が0.1〜50重量部であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
【化1】
(R
1は水素またはメチルであり、R
2〜R
5は炭素数1〜5のアルキルであり、R
6は炭素数1〜10のアルキルであり、mは1〜10の整数であり、nは1〜150の整数である)
【0010】
[2] エポキシ樹脂100重量部に対し、エポキシ硬化剤を1〜60重量部含むことを特徴とする、[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0011】
[3] ポリエステルアミド酸の原料成分が、さらに1価アルコールを含む、[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0012】
[4] 1価アルコールが、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンから選択される1種以上である、[3]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0013】
[5] ポリエステルアミド酸の原料成分が、更にスチレン−無水マレイン酸共重合体を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0014】
[6] ポリエステルアミド酸が、下記一般式(4)及び(5)で示される構成単位を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【化2】
(R
7はテトラカルボン酸二無水物残基であり、R
8はジアミン残基であり、R
9は多価ヒドロキシ化合物残基である。)
【0015】
[7] ポリエステルアミド酸の重量平均分子量が1,000〜200,000である、[1]〜[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0016】
[8] テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)から選択される1種以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0017】
[9] ジアミンが、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンから選択される1種以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0018】
[10] 多価ヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール及び1,8−オクタンジオール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)から選択される1種以上である、[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0019】
[11] 一般式(3)で示されるラジカル重合性化合物(a1)が、R
1がメチル、R
2〜R
5がメチル、R
6が炭素1〜10のアルキル、mが1〜5の整数、nが1〜150の整数である、[1]〜[10]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
【0020】
[12] アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[11]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
【0021】
[13] エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルのうち少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)が、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸、4−ヒドロキシフェニルビニルケトンからなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[12]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
【0022】
[14] エポキシ硬化剤がトリメリット酸無水物及びヘキサヒドロトリメリット酸無水物から選択される1種以上である、[2]〜[13]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0023】
[15] テトラカルボン酸二無水物が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり、多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランであり、ラジカル共重合してなるポリマー(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であり、エポキシ硬化剤がトリメリット酸無水物であり、更に溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチルを含有する、[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0024】
[16] テトラカルボン酸二無水物が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり、多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり、1価アルコールがベンジルアルコールであり、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランであり、エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルのうち少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)が、グリシジルメタクリレートであり、ラジカル共重合してなるポリマー(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000であり、エポキシ硬化剤がトリメリット酸無水物であり、更に溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチルを含有する、[3]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0025】
[17] [1]〜[16]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜。
【0026】
[18] [17]に記載の硬化膜を保護膜として用いたカラーフィルター。
【0027】
[19] [18]に記載のカラーフィルターを用いた液晶表示素子。
【0028】
[20] [18]に記載のカラーフィルターを用いた固体撮像素子。
【0029】
[21] TFTと透明電極間に形成される透明絶縁膜として、[17]に記載の硬化膜を用いた液晶表示素子。
【0030】
[22] 透明電極と配向膜間に形成される透明絶縁膜として、[17]に記載の硬化膜
を用いた液晶表示素子。
【0031】
[23] [17]に記載の硬化膜を保護膜として用いたLED発光体。
【発明の効果】
【0032】
本発明の好ましい態様に係る熱硬化性樹脂組成物は、仮焼成後の耐薬品性、平坦性、及び耐熱性において特に優れた材料であり、カラー液晶表示素子のカラーフィルター保護膜として用いた場合、表示品位、及び信頼性を向上させることができる。また、本発明の好ましい態様に係る熱硬化性樹脂組成物を加熱することによって得られる硬化膜は、透明性、密着性及び耐スパッタ性においてもバランスのとれたものであり、非常に実用性の高いものである。特に、染色法、顔料分散法、電着法及び印刷法により製造されたカラーフィルターの保護膜として有用である。また、各種光学材料の保護膜及び透明絶縁膜としても使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
1. 本発明の熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られるポリエステルアミド酸、エポキシ基を一分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるエポキシ樹脂、並びに下記一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)、及びエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)をラジカル共重合してなるポリマー(A)を含む樹脂組成物であって、ポリエステルアミド酸100重量部に対し、エポキシ樹脂が20〜400重量部、前記ポリマー(A)が0.1〜50重量部であことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
【化3】
(R
1は水素またはメチルであり、R
2〜R
5は炭素数1〜5のアルキルであり、R
6は炭素数1〜10のアルキルであり、mは1〜10の整数であり、nは1〜150の整数である)
【0034】
1−1. ポリエステルアミド酸
該ポリエステルアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られる。さらに詳しくは、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られる。
0.2≦Z/Y≦8.0・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0・・・(2)
ポリエステルアミド酸の合成には、少なくとも溶剤が必要であり、この溶剤をそのまま残してハンドリング性等を考慮した液状やゲル状の熱硬化性樹脂組成物としてもよいし、この溶剤を除去して運搬性などを考慮した固形状の組成物としてもよい。また、ポリエステルアミド酸の合成には、原料として、必要に応じて、1価アルコール、及びスチレン−無水マレイン酸共重合体から選択される1種以上の原料を含んでいてもよく、なかでも、1価アルコールを含むことが好ましい。また、ポリエステルアミド酸の合成には、原料と
して、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の原料を含んでいてもよい。このような他の原料の例として、シリコン含有モノアミンが挙げられる。
【0035】
1−1−1. テトラカルボン酸二無水物
本発明では、ポリエステルアミド酸を得るための材料として、テトラカルボン酸二無水物を用いる。好ましいテトラカルボン酸二無水物は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG−100、新日本理化株式会社)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、及びシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等:脂肪族テトラカルボン酸二無水物、例えば、エタンテトラカルボン酸二無水物、及びブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる。これらのうち1種以上を用いることができる。
【0036】
これらのなかでも透明性の良好な樹脂を与える、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、TMEG−100がより好ましく、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0037】
1−1−2. ジアミン
本発明では、ポリエステルアミド酸を得るための材料として、ジアミンを用いる。好ましいジアミンは、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
【0038】
これらのなかでも透明性の良好な樹脂を与える3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンがより好ましく、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンが特に好ましい。
【0039】
1−1−3. 多価ヒドロキシ化合物
本発明では、ポリエステルアミド酸を得るための材料として、多価ヒドロキシ化合物を用いる。好ましい多価ヒドロキシ化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2,7−ヘプタントリオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、3,6−オクタンジオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2,10−デカントリオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどを挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
【0040】
これらのなかでも溶剤への溶解性が良好なエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、及びイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)がより好ましく、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールが特に好ましい。
【0041】
1−1−4. 1価アルコール
本発明では、ポリエステルアミド酸を得るための材料として、1価アルコールを用いることが好ましい。1価アルコールを用いることで、保存安定性が向上する。好ましい1価アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フェノール、ボルネオール、マルトール、リナロール、テルピネオール、ジメチルベンジルカルビノール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどを挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
【0042】
これらのなかでもイソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンがより好ましい。これらを使用してできるポリエステルアミド酸と、エポキシ樹脂およびエポキシ硬化剤を混合した場合の相溶性や、最終製品である熱硬化性樹脂組成物のカラーフィルター上への塗布性を考慮すると、1価アルコールにはベンジルアルコールの使用が特に好ましい。
【0043】
1価アルコールは、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜300重量部含有することが好ましい。より好ましくは5〜200重量部である。
【0044】
1−1−5. スチレン−無水マレイン酸共重合体
また、本発明に用いられるポリエステルアミド酸は、酸無水物基を3個以上有する化合物を添加して合成反応を行ってもよい。そうすることで、透明性が向上し、好ましい。酸無水物基を3個以上有する化合物の具体例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。スチレン−無水マレイン酸共重合体を構成する各成分の比率につ
いては、スチレン/無水マレイン酸のモル比が0.5〜4、好ましくは1〜3であり、具体的には、1又は2がより好ましく、1が特に好ましい。
【0045】
スチレン−無水マレイン酸共重合体の具体例としては、川原油化株式会社から提供される、SMA3000P、SMA2000P、SMA1000Pなどの市販品を挙げることができる。これらのなかでも耐熱性及び耐アルカリ性が良好なSMA1000Pが特に好ましい。
【0046】
スチレン−無水マレイン酸共重合体は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜500重量部含有することが好ましい。より好ましくは10〜300重量部である。
【0047】
1−1−6. シリコン含有モノアミン
ポリエステルアミド酸の合成には、原料として、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の原料を含んでいてもよく、このような他の原料の例として、シリコン含有モノアミンが挙げられる。
【0048】
本発明で用いられる好ましいシリコン含有モノアミンは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、及びm−アミノフェニルメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
【0049】
これらのなかでも塗膜の耐酸性が良好な3−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びp−アミノフェニルトリメトキシシランがより好ましく、3−アミノプロピルトリエトキシシランが耐酸性、相溶性の観点から特に好ましい。
【0050】
シリコン含有モノアミンは、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜300重量部含有することが好ましい。より好ましくは5〜200重量部である。
【0051】
1−1−7. ポリエステルアミド酸の合成反応に用いる溶剤
ポリエステルアミド酸を得るための合成反応に用いる溶剤としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN,N−ジメチルアセトアミドなどを挙げることができる。
これらのなかでもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、及びジエチレングリコールメチルエチルエーテルが好ましい。
【0052】
これらの溶剤は単独、または2種以上の混合溶剤として使用できる。また、30重量%以下の割合であれば上記溶剤以外に他の溶剤を混合して用いることもできる。
【0053】
1−1−8. ポリエステルアミド酸の合成方法
本発明で用いられるポリエステルアミド酸の合成方法は、テトラカルボン酸二無水物X
モル、ジアミンYモル、及び多価ヒドロキシ化合物Zモルを上記溶剤中で反応させる。このときX、Y及びZはそれらの間に下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような割合に定めることが好ましい。この範囲であれば、ポリエステルアミド酸の溶剤への溶解性が高く、したがって組成物の塗布性が向上し、結果として平坦性に優れた硬化膜を得ることができる。
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)
(1)式の関係は、好ましくは0.7≦Z/Y≦7.0であり、より好ましくは1.0≦Z/Y≦5.0である。また、(2)式の関係は、好ましくは0.5≦(Y+Z)/X≦4.0であり、より好ましくは0.6≦(Y+Z)/X≦2.0である。
【0054】
本発明で用いられるポリエステルアミド酸が、分子末端に酸無水物基を有している場合には、必要により、上述した1価アルコールを添加して反応させることができる。1価アルコールを添加して反応することにより得られたポリエステルアミド酸は、エポキシ樹脂およびエポキシ硬化剤との相溶性が改善されるとともに、それらを含む本発明の熱硬化性樹脂組成物の塗布性が改善される。
【0055】
また、上述したシリコン含有モノアミンを分子末端に酸無水物基を有するポリエステルアミド酸と反応させる場合には、得られた塗膜の耐酸性が改善される。更に、1価アルコールとシリコン含有モノアミンを同時にポリエステルアミド酸と反応させることもできる。
【0056】
反応溶剤は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物の合計100重量部に対し100重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は40℃〜200℃で、0.2〜20時間反応させるのがよい。シリコン含有モノアミンを反応させる場合には、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物の反応が終了した後に、反応液を40℃以下まで冷却した後、シリコン含有モノアミンを添加し、10〜40℃で0.1〜6時間反応させるとよい。また、1価アルコールは反応のどの時点で添加してもよい。
【0057】
反応原料の反応系への添加順序は、特に限定されない。すなわち、テトラカルボン酸二無水物とジアミン及び多価ヒドロキシ化合物を同時に反応溶剤に加える、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物を反応溶剤中に溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を添加する、テトラカルボン酸二無水物と多価ヒドロキシ化合物をあらかじめ反応させた後、その反応生成物にジアミンを添加する、またはテトラカルボン酸二無水物とジアミンをあらかじめ反応させた後、その反応生成物に多価ヒドロキシ化合物を添加するなどいずれの方法も用いることができる。
【0058】
このようにして合成されたポリエステルアミド酸は前記一般式(4)及び(5)からなる構成単位を含み、その末端は原料であるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン若しくは多価ヒドロキシ化合物に由来する酸無水物基、アミノ基若しくはヒドロキシ基であるか、またはこれら化合物以外の添加物がその末端を構成することが好ましい。このような構成を含むことで、硬化性が良好となる。
【0059】
一般式(4)及び(5)において、R
7はテトラカルボン酸二無水物残基であり、好ましくは炭素数2〜30の有機基である。R
8はジアミン残基であり、好ましくは炭素数2〜30の有機基である。R
9は多価ヒドロキシ化合物残基であり、好ましくは炭素数2〜20の有機基である。ここで、テトラカルボン酸二無水物残基、ジアミン残基および多価ヒドロキシ化合物残基とは、原料であるテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン又は多価ヒドロキシ化合物との反応によって形成される、ポリエステルアミド酸中のそれぞれの原
料由来の残基をいう。テトラカルボン酸二無水物残基はテトラカルボン酸二無水物の2つの酸無水物基を除いたもの、ジアミン残基はジアミンの2つのアミノ基を除いたもの、多価ヒドロキシ化合物残基は多価ヒドロキシ化合物の複数のヒドロキシル基のうち2つのヒドロキシル基を除いたものを指す。
【0060】
得られたポリエステルアミド酸の重量平均分子量は1,000〜200,000であることが好ましく、3,000〜50,000がより好ましい。これらの範囲にあれば、平坦性および耐熱性が良好となる。
【0061】
本明細書中の重量平均分子量は、GPC法(カラム温度:35℃、流速:1ml/min)により求めたポリスチレン換算での値である。標準のポリスチレンには分子量が645〜132900のポリスチレン(例えば、VARIAN社のポリスチレンキャリブレーションキットPL2010−0102)、カラムにはPLgel MIXED−D(VARIAN社)を用い、移動相としてTHFを使用して測定することができる。なお、本明細書中の市販品の重量平均分子量はカタログ掲載値である。
【0062】
1−2. エポキシ樹脂
本発明に用いられる、エポキシ基を一分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるエポキシ樹脂は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を形成する他成分との相溶性がよければ特に限定されることはない。エポキシ樹脂に含まれる一分子あたりのエポキシ基の数は、好ましくは3〜15個であり、より好ましくは3〜6個であり、更に好ましくは3個である。これらの範囲にあれば、耐熱性が良好となる。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは200〜3,000であり、より好ましくは200〜2,000であり、更に好ましくは200〜1,000である。これらの範囲にあれば、平坦性が良好となる。
【0063】
エポキシ樹脂の好ましい例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル、環式脂肪族エポキシ樹脂などが好ましい。これらのなかでも、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が、耐熱性に優れているため、特に好ましい。
【0064】
エポキシ樹脂の具体例としては、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、及び2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンが特に好ましい。また、これらのエポキシ樹脂としては、下記のような市販品を用いることができる。
【0065】
エポキシ基を一分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるグリシジルエ−テル型エポキシ樹脂としては、TECHMORE VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬株式会社)、JER 1032H60(商品名;三菱化学株式会社)など、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、JER 157S65、157S70(商品名;三菱化学株式会社)など、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPPN−201(商品名;日本化薬株式会社)、JER 152、154(商品名;三菱化学株式会社
)など、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EOCN−102S、103S、104S、1020(商品名;日本化薬株式会社)などを挙げることができる。
【0066】
1−3. ラジカル共重合してなるポリマー(A)
本発明に用いられる、前記ラジカル共重合ポリマー(A)におけるラジカル重合性化合物の混合割合((a1)、(a2)および(a3)の合計を100とした場合の重量比)は、(a1)が0.1〜5であり、(a2)が1〜95であり、(a3)が1〜95であることが、仮焼成後の耐薬品性、平坦性の観点から好ましい。当該重量比が、a1:a2:a3=0.1〜3:15〜79:20〜84であることがより好ましく、a1:a2:a3=0.5〜2.5:20〜74:25〜79であることがさらに好ましい。
本発明では、ラジカル共重合ポリマー(A)を用いることで、仮焼成後に該ポリマーが表面偏析により塗膜の表面に顕在化するため、耐薬品性、平坦性、耐熱性、耐傷性等が向上する。
【0067】
1−3−1. ラジカル重合性化合物(a1)
本発明では、前記ラジカル共重合ポリマー(A)を得るための原料として、下記一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)を用いる。
【化4】
(R
1は水素またはメチルであり、R
2〜R
5は炭素数1〜5のアルキルであり、R
6は炭素数1〜10のアルキルであり、mは1〜10の整数であり、nは1〜150の整数である)
ラジカル重合性化合物(a1)は、界面活性剤として作用するため、(a1)を原料に用いることで、ポリマー(A)が界面活性剤として作用することになり、別途界面活性剤を添加しなくても、平坦性、下地基板への密着性、塗布性が向上する。ラジカル重合性化合物(a1)を加えることで、ポリマー(A)が膜表面に顕在化しやすくなる。
【0068】
本発明において、一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)のうち、R
1が水素またはメチル、R
2〜R
5がメチル、R
6が炭素1〜10のアルキル、mが1〜5の整数、nが1〜150の整数である化合物が好ましい。R
1がメチル、R
2〜R
5がメチル、R
6がブチル、mが3、nが1〜150の整数である化合物がより好ましく、また、nが30〜70の整数のものがさらに好ましく、nが50〜70の整数のものが特に好ましい。
ラジカル重合性化合物(a1)の重量平均分子量は、好ましくは500〜8000である。
【0069】
ラジカル重合性化合物(a1)は公知の方法により製造することができる。また、市販のものを用いてもよい。例えば、FM−0711(JNC株式会社)、FM−0721(JNC株式会社)、FM−0725(JNC株式会社)、等が挙げられる。
【0070】
1−3−2. アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)
本発明では、前記ラジカル共重合ポリマー(A)を得るための原料として、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)を用いる。好ましいラジカル重合性化合物(a2)は、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である。これらのなかでも、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランは平坦性が良好であり好ましい。(a2)を用いることで、透明性、耐薬品性等が向上する。また、シランカップリング効果により、基材との密着性が向上する。
【0071】
1−3−3. エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)
本発明では、前記ラジカル共重合ポリマー(A)を得るための原料として、エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)を用いる。好ましいラジカル重合性化合物(a3)は、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸、4−ヒドロキシフェニルビニルケトンからなる群から選ばれる1種以上である。(a3)は、ポリマーの架橋剤として機能し、特に仮焼成後の耐熱性、耐薬品性等の向上に寄与する。
【0072】
1−3−4. ラジカル共重合ポリマー(A)の製造方法
ラジカル共重合ポリマー(A)は、前記一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)、及びエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)をラジカル共重合することによって得られる。ラジカル共重合ポリマー(A)の製造方法は特に制限されないが、ラジカル共重合ポリマー(A)は上記ラジカル重合性化合物類をラジカル開始剤の存在下に加熱して製造することが可能である。ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物などが使用できる。ラジカル共重合の反応温度は特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。反応時間も特に限定されないが、通常1〜48時間の範囲である。また、当該反応は、加圧、減圧又は大気圧のいずれの圧力下でも行うことができる。
【0073】
上記のラジカル共重合反応に使用する溶剤は、生成する重合体が溶解する溶剤が好ましい。当該溶剤の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、又はN,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノンである。溶剤は、これらの一種であってもよいし、これらの二種以上の混合物であってもよい。
【0074】
本発明で用いられるラジカル共重合ポリマー(A)は、重合に用いた溶剤をそのまま残してハンドリング性等を考慮したラジカル共重合ポリマー溶液としてもよいし、この溶剤を除去して運搬性などを考慮した固形状のラジカル共重合ポリマーとしてもよい。
【0075】
ラジカル共重合ポリマー(A)は、ポリスチレンを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が1,000〜50,000の範囲であると、膜の成膜性が良好であり好ましい。さらに、重量平均分子量が2,500〜20,000の範囲であると、膜の平坦性が良好でありより好ましい。さらに重量平均分子量が2,500〜15,000の範囲であると、仮焼成後の耐薬品性が良好であり特に好ましい。
【0076】
1−4. エポキシ硬化剤
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、平坦性、耐熱性、耐薬品性を向上させるために、エポキシ硬化剤を添加してもよい。エポキシ硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、及び触媒型硬化剤などがあるが、着色及び耐熱性の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
【0077】
酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、スチレン−無水マレイン酸共重合体から選ばれる1種以上が挙げられる。これらのなかでも耐熱性と溶剤に対する溶解性のバランスの点からトリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物が特に好ましい。
【0078】
1−5. ポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂、ラジカル共重合ポリマー(A)、エポキシ硬化剤の割合
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ポリエステルアミド酸100重量部に対する、エポキシ樹脂の割合は20〜400重量部である。エポキシ樹脂の割合がこの範囲であると、平坦性、耐熱性、耐薬品性、密着性のバランスが良好である。エポキシ樹脂が50〜300重量部の範囲であるとさらに好ましい。
【0079】
仮焼成後の耐薬品性、平坦性の向上を目的としてラジカル共重合ポリマー(A)を添加する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ポリエステルアミド酸100重量部に対する、ラジカル共重合ポリマー(A)の割合は0.1〜50重量部である。ラジカル共重合ポリマー(A)の割合がこの範囲であると、平坦性、耐熱性、耐薬品性、密着性のバランスが良好であり好ましい。ラジカル共重合ポリマー(A)が0.2〜30重量部の範囲であるとさらに好ましい。
【0080】
平坦性、耐熱性、耐薬品性の向上を目的としてエポキシ硬化剤を添加する場合、エポキ
シ樹脂とエポキシ硬化剤の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、エポキシ硬化剤1〜60重量部であり、5〜25重量部が好ましい。エポキシ硬化剤の添加量について、より詳細には、エポキシ基に対し、エポキシ硬化剤中のカルボン酸無水物基またはカルボキシル基が0.1〜1.5倍当量になるよう添加するのが好ましい。このとき、カルボン酸無水物基は2価で計算する。カルボン酸無水物基またはカルボキシル基が0.15〜0.8倍当量になるよう添加すると耐薬品性が一層向上するので、さらに好ましい。
【0081】
1−6. その他の成分
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、塗布均一性、接着性を向上させるために各種の添加剤を添加することができる。添加剤には、溶剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系又はシリコン系のレベリング剤・界面活性剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物等の酸化防止剤、硬化促進剤、感熱性酸発生剤が主に挙げられる。
【0082】
1−6−1. 溶剤
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる溶剤としては、ポリエステルアミド酸、及びラジカル共重合ポリマー(A)を合成する際の重合反応で用いた溶剤をそのまま用いることができる。上記熱硬化性樹脂組成物の固形分濃度は、塗膜の膜厚により選択することになるが、該樹脂組成物100重量部中に5〜50重量部の範囲で含まれるのが一般的である。なお、溶剤の量は、樹脂組成物のハンドリング等の問題に関係して適宜決定することができる。場合によっては、例えば、熱硬化性樹脂組成物中から溶剤を除去して、固形状態とした熱硬化性樹脂組成物であってもよい。
【0083】
1−6−2. 界面活性剤
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、塗布均一性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(以上いずれも商品名;共栄社化学工業株式会社)、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK342、BYK346、BYK361N、BYK−UV3500、BYK−UV3570(以上いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(以上いずれも商品名;信越化学工業株式会社)、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40、サーフロンS611(以上いずれも商品名;AGCセイミケミカル株式会社)、フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(以上いずれも商品名;株式会社ネオス)、EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(以上いずれも商品名;三菱マテリアル株式会社)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−410、メガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックR−30、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K、(以上いずれも商品名;DIC株式会社)、TEGO Twin 4000、TEGO Twin 4100、TEGO Flow 370、TEGO Glide 420、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250N(以上いずれも商品名、エボニック デグサ ジャパン(株))、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオ
ロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、又はアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。これらから選ばれる少なくとも1つを前記添加剤に用いることが好ましい。
【0084】
これらの界面活性剤の中でも、BYK306、BYK342、BYK346、KP−341、KP−358、KP−368、サーフロンS611、メガファックF−477、メガファックF−556、TEGO Twin 4000、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩の中から選ばれる少なくとも1種であると、熱硬化性樹脂組成物の塗布均一性が高くなるので好ましい。
【0085】
本発明の熱硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、これを含有させる場合には、通常、0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0086】
1−6−3. 密着性向上剤
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、密着性向上剤をさらに含有してもよい。このような観点から、密着性向上剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に対して、10重量%以下であることが好ましい。一方で、0.01重量%以上であることが好ましい。
【0087】
このような密着性向上剤としては、例えば、シラン系、アルミニウム系又はチタネート系のカップリング剤を用いることができ、具体的には、3−グリシジルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤、及びテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤を挙げることができる。
【0088】
これらの中でも、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。
【0089】
1−6−4. 酸化防止剤
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、透明性の向上、硬化膜が高温にさらされた場合の黄変を防止する観点から、酸化防止剤をさらに含有してよい。このような観点から、酸化防止剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に対して、0.1〜5重量部添加して用いられる
。
【0090】
本発明の熱硬化性組成物には、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物などの酸化防止剤を添加してもよい。この中でもヒンダードフェノール系が耐候性の観点から好ましい。具体例としては、Irganox1010、IrganoxFF、Irganox1035、Irganox1035FF、Irganox1076、Irganox1076FD、Irganox1076DWJ、Irganox1098、Irganox1135、Irganox1330、Irganox1726、Irganox1425 WL、Irganox1520L、Irganox245、Irganox245FF、Irganox245DWJ、Irganox259、Irganox3114、Irganox565、Irganox565DD、Irganox295(商品名;BASFジャパン株式会社)、ADK STAB AO−20、ADK STAB AO−30、ADK STAB AO−50、ADK STAB AO−60、ADK STAB AO−70、ADK STAB AO−80(商品名;株式会社ADEKA)が挙げられる。この中でもIrganox1010、ADK STAB AO−60が、より好ましい。
【0091】
1−6−5. 硬化促進剤
硬化促進剤は、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の反応を促進し、硬化膜の耐熱性、耐薬品性を向上するために使用するものであり、上記熱硬化性樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し0.01〜5重量部添加して用いられる。
【0092】
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の反応を促進する機能のあるものであればいずれも使用可能であり、イミダゾール系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、アンモニウム系硬化促進剤、ルイス酸系硬化促進剤等がその例として挙げられる。
【0093】
1−6−6. 感熱性酸発生剤
感熱性酸発生剤は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を200℃未満の低温硬化の条件で使用する場合にも、硬化膜に十分な硬度と耐薬品性を付与するために使用するものであり、上記熱硬化性樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し0.001〜3重量部添加して用いられる。
【0094】
感熱性酸発生剤としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等がその例として挙げられる。
【0095】
1−6−7. その他の添加剤
ポリエステルアミド酸が原料として、スチレン−無水マレイン酸共重合体を含まない場合には、他の成分としてスチレン−無水マレイン酸共重合体を添加してもよい。
【0096】
1−7. 熱硬化性樹脂組成物の保存
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、温度−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなく一層好ましい
【0097】
2. 熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂及びラジカル共重合ポリマー(A)を混合し、目的とする特性によっては、さらに溶剤、エポキシ硬化剤、カップリング剤、界面活性剤、及びその他の添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
上記のようにして調製された、熱硬化性樹脂組成物(溶剤がない固形状態の場合には溶剤に溶解させた後)を、基体表面に塗布し、例えば加熱などにより溶剤を除去すると、塗膜を形成することができる。基体表面への熱硬化性樹脂組成物の塗布は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、及びスリットコート法など従来から公知の方法により塗膜を形成することができる。次いでこの塗膜はホットプレート、またはオーブンなどで仮焼成される。仮焼成条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常70〜150℃で、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜5分間である。その後、塗膜を硬化させるために本焼成される。本焼成条件は、各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常180〜250℃、好ましくは200〜250℃で、オーブンなら30〜90分間、ホットプレートなら5〜30分間であり、加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
【0098】
このようにして得られた硬化膜は、加熱時において、1)ポリエステルアミド酸のポリアミド酸部分が脱水環化しイミド結合を形成、2)ポリエステルアミド酸のカルボン酸がエポキシ樹脂と反応して高分子量化、及び、3)エポキシ樹脂が硬化し高分子量化しているため、非常に強靭であり、透明性、耐熱性、耐薬品性、平坦性、密着性に優れている。また、耐光性、耐スパッタ性、耐傷性、塗布性に関しても、同様の理由から、優れることが期待される。したがって、本発明の硬化膜は、カラーフィルター用の保護膜として用いると効果的であり、このカラーフィルターを用いて、液晶表示素子や固体撮像素子を製造することができる。また、本発明の硬化膜は、カラーフィルター用の保護膜以外にも、TFTと透明電極間に形成される透明絶縁膜や透明電極と配向膜間に形成される透明絶縁膜として用いると効果的である。さらに、本発明の硬化膜は、LED発光体の保護膜として用いても効果的である。
【実施例】
【0099】
次に本発明を合成例、実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
まず、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、多価ヒドロキシ化合物の反応生成物からなるポリエステルアミド酸溶液を以下に示すように合成した(合成例1,2)。
【0100】
[合成例1]ポリエステルアミド酸溶液(B1)の合成
攪拌機付き四つ口フラスコに、脱水精製した3−メトキシプロピオン酸メチル(以下「MMP」と略記)、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(以下「ODPA」と略記)、1,4−ブタンジオール、ベンジルアルコールを下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下130℃で3時間攪拌した。
MMP 446.96g
ODPA 183.20g
1,4−ブタンジオール 31.93g
ベンジルアルコール 25.54g
その後、反応液を25℃まで冷却し、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(以下「DDS」と略記)、MMPを下記の重量で投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、115℃で1時間攪拌した。
DDS 29.33g
MMP 183.04g
〔Z/Y=3.0、(Y+Z)/X=0.8〕
【0101】
溶液を室温まで冷却し、淡黄色透明なポリエステルアミド酸の30重量%溶液(B1)を得た。
【0102】
溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量
を測定した。その結果、得られたポリマー(B1)の重量平均分子量は4,200であった。
【0103】
[合成例2]ポリエステルアミド酸溶液(B2)の合成
攪拌機付き四つ口フラスコに、脱水精製したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と略記)、ODPA、SMA1000P(商品名;スチレン・無水マレイン酸共重合体、川原油化株式会社)、1,4−ブタンジオール、ベンジルアルコール、脱水精製したジエチレングリコールメチルエチルエーテル(以下「EDM」と略記)の順に下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下130℃で3時間攪拌した。
PGMEA 504.00g
ODPA 47.68g
SMA1000P 144.97g
1,4−ブタンジオール 9.23g
ベンジルアルコール 55.40g
EDM 96.32g
その後、反応液を25℃まで冷却し、DDS、EDMを下記の重量で投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、115℃で1時間攪拌した。
DDS 12.72g
EDM 29.68g
〔Z/Y=2.0、(Y+Z)/X=1.0〕
【0104】
溶液を室温まで冷却し、淡黄色透明なポリエステルアミド酸の30重量%溶液(B2)を得た。
【0105】
溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られたポリマー(B2)の重量平均分子量は21,000であった。
【0106】
次に、一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)及びエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)をラジカル共重合してなるポリマー(A)を以下に示すように合成した。
【0107】
[合成例3]ラジカル共重合ポリマー(A1)の合成
攪拌器付四つ口フラスコに、重合溶剤として脱水精製したEDM、ラジカル重合性化合物(a1)としてFM−0721(前記一般式(3)において、R
1〜R
5がメチル、R
6がブチル、m=3、n=66、重量平均分子量:5,000、JNC株式会社)、アルコキシシリルを有する重合性化合物(a2)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)としてグリシジルメタクリレートを下記の重量で仕込み、さらに重合開始剤としてV−601(和光純薬工業株式会社)を下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下90℃で2時間攪拌した。
EDM 40.00g
FM−0721 0.20g
グリシジルメタクリレート 8.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 11.80g
V−601 2.00g
【0108】
溶液を室温まで冷却し、ポリマー(A1)の33.3重量%溶液を得た。
【0109】
溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られたポリマー(A1)の重量平均分子量は5,400であった。
【0110】
[合成例4]ポリマー(A2)の合成
合成例3と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
EDM 40.00g
FM−0721 0.40g
グリシジルメタクリレート 8.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 11.60g
V−601 2.00g
【0111】
合成例3と同様の処理を行い、ポリマー(A2)の33.3重量%溶液を得た。得られたポリマー(A2)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は5,800であった。
【0112】
[比較合成例1]ラジカル共重合ポリマー(C1)の合成
合成例3と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
EDM 40.00g
グリシジルメタクリレート 8.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 12.00g
V−601 2.00g
【0113】
合成例3と同様の処理を行い、ポリマー(C1)の33.3重量%溶液を得た。得られたポリマー(C1)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は5,500であった。
【0114】
[比較合成例2]ラジカル共重合ポリマー(C2)の合成
合成例3と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
EDM 40.00g
FM−0721 0.20g
グリシジルメタクリレート 9.00g
ベンジルメタクリレート 10.80g
V−601 2.00g
【0115】
合成例3と同様の処理を行い、ポリマー(C2)の33.3重量%溶液を得た。得られたポリマー(C2)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は5,900であった。
【0116】
[比較合成例3]ラジカル共重合ポリマー(C3)の合成
合成例3と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下110℃で2時間攪拌した。
EDM 40.00g
FM−0721 0.20g
ベンジルメタクリレート 15.00g
メタクリル酸 4.80g
V−601 2.00g
【0117】
合成例3と同様の処理を行い、ポリマー(C3)の33.3重量%溶液を得た。得られたポリマー(C3)のGPC分析(ポリスチレン標準)により求めた重量平均分子量は6
,200であった。
【0118】
次に、合成例1,2で得られたポリエステルアミド酸(B1,B2)、合成例3,4で得られたラジカル共重合ポリマー(A1,A2)、比較合成例1,2,3で得られたラジカル共重合ポリマー(C1,C2,C3)、及び市販の多官能かつ重量平均分子量が5,000未満のエポキシ樹脂を用いて、熱硬化性樹脂組成物を以下に示すように調製し、該熱硬化性樹脂組成物から硬化膜を得て、この硬化膜の評価を行った(実施例1〜3、比較例1〜5、表1〜4)。
【0119】
[実施例1]
合成例1で得られたポリエステルアミド酸(B1)、TECHMORE VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)(一分子あたりのエポキシ基の数:3、分子量:592.7)、合成例3で得られたラジカル共重合ポリマー(A1)、S510(商品名;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(JNC株式会社))、TMA(トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社))、IRGANOX 1010(商品名;BASFジャパン株式会社)、脱水精製したMMP、及び脱水精製したEDMを表1の割合に従って混合溶解し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過して熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0120】
[実施例2、3、比較例1〜5]
実施例2,3は、実施例1と同様に、表1の割合に従って各成分を混合溶解し、比較例1〜5は、実施例1と同様に、表2の割合に従って各成分を混合溶解し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過して熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
[熱硬化性組成物の評価方法1]
1)仮焼成後の耐薬品性
得られた熱硬化性樹脂組成物をガラス基板上に500〜600rpmで10秒間スピンコートした後、130℃のホットプレート上で1分30秒間仮焼成して塗膜を形成させた。その後、0.05%水酸化カリウム水溶液の液滴を塗膜上に滴下し、1分間静置させた後、基板を純水で1分間洗浄し、100℃のホットプレートで2分間乾燥した。この基板を230℃のオーブンで30分間加熱することにより塗膜を硬化させ、膜厚1.5μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜を偏光顕微鏡で観察し、液滴の跡が観察されなかったら○、観察されたら×とした。
【0124】
[熱硬化性組成物の評価方法2]
得られた熱硬化性樹脂組成物をガラス基板上及びカラーフィルター基板上に500〜600rpmで10秒間スピンコートした後、130℃のホットプレート上で1分30秒間仮焼成して塗膜を形成させた。その後、230℃のオーブンで30分間加熱することにより塗膜を硬化させ、膜厚1.5μmの硬化膜を得た。このようにして得られた硬化膜について、平坦性、耐熱性、透明性、密着性について特性を評価した。これらの評価結果を表3に示す。
2)平坦性
得られた硬化膜付きカラーフィルター基板の硬化膜表面の段差を段差・表面あらさ・微細形状測定装置(商品名;P−16+、KLA TENCOR株式会社)を用いて測定した。ブラックマトリクスを含むR、G、B画素間での段差の最大値(以下、最大段差と略記)が0.2μm未満である場合を○、0.2μm以上である場合を×とした。また、使用したカラーフィルター基板は、最大段差約1.1μmの樹脂ブラックマトリクスを用いた顔料分散カラーフィルター(以下、CFと略記)である。
【0125】
3)透明性
得られた硬化膜付きガラス基板を、紫外可視近赤外分光光度計V−670(商品名;日
本分光株式会社)を使用し、透明膜を形成していないガラス基板をリファレンスとして波長400nmでの光透過率を測定した。光透過率が95%以上の場合を○、95%未満の場合を×とした。
【0126】
4)耐熱性
得られた硬化膜付きガラス基板を250℃で1時間再加熱した後、加熱前の膜厚に対する加熱後の残膜率、及び加熱後の400nmでの透過率を測定した。加熱後の残膜率が95%以上であり、かつ、加熱後の400nmでの透過率が95%以上の場合を○とした。加熱後の残膜率が95%未満、または、加熱後の400nmでの透過率が95%未満の場合を×とした。
【0127】
5)密着性
得られた硬化膜付きガラス基板を碁盤目剥離試験(クロスカット試験)により評価した。評価は1mm角の碁盤目100個中におけるテープ剥離後の残存碁盤目数を数えた。残存数/100が、100/100である場合を○、99/100以下である場合を×とした。
【0128】
実施例1〜6、比較例1〜3で得られた熱硬化性樹脂組成物について、上記の評価方法によって得られた結果を表3及び表4に示す。
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
表4に示した結果から明らかなように、実施例1〜3の熱硬化性樹脂組成物は、仮焼成
後の耐薬品性、平坦性に優れており、さらに透明性、耐熱性、密着性の全ての点においてバランスがとれていることが分かる。一方、比較例1、及び比較例2のラジカル共重合ポリマー(A)を含まない熱硬化性樹脂組成物は、平坦性は優れているものの、仮焼成後の耐薬品性が劣る。また、比較例3の一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)を含まないラジカル共重合ポリマーを含んだ熱硬化性樹脂組成物、さらに比較例3、比較例4のアルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)を含まないラジカル共重合ポリマーを含んだ熱硬化性樹脂組成物においては、仮焼成後の耐薬品性、及び平坦性が劣るというものであった。以上のように、一般式(3)で表されるラジカル重合性化合物(a1)、アルコキシシリルを有するラジカル重合性化合物(a2)及びエポキシ、カルボキシル、ヒドロキシフェニルの少なくとも一つを有するラジカル重合性化合物(a3)をラジカル共重合してなるポリマー(A)をそれぞれ特定量で用いた場合のみ全ての特性を満足させることができた。