特許第6048446号(P6048446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6048446樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6048446
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム
(51)【国際特許分類】
   C08L 1/26 20060101AFI20161212BHJP
   C08L 31/06 20060101ALI20161212BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20161212BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20161212BHJP
   B29C 55/04 20060101ALI20161212BHJP
   B29K 1/00 20060101ALN20161212BHJP
   B29L 7/00 20060101ALN20161212BHJP
   B29L 11/00 20060101ALN20161212BHJP
【FI】
   C08L1/26
   C08L31/06
   G02B5/30
   C08J5/18CEP
   B29C55/04
   B29K1:00
   B29L7:00
   B29L11:00
【請求項の数】16
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2014-100895(P2014-100895)
(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公開番号】特開2015-157928(P2015-157928A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2016年6月22日
(31)【優先権主張番号】特願2013-121273(P2013-121273)
(32)【優先日】2013年6月7日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-146714(P2013-146714)
(32)【優先日】2013年7月12日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-158166(P2013-158166)
(32)【優先日】2013年7月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-11508(P2014-11508)
(32)【優先日】2014年1月24日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正泰
(72)【発明者】
【氏名】豊増 信之
(72)【発明者】
【氏名】北川 貴裕
【審査官】 安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/018651(WO,A1)
【文献】 特開2006−328132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/26
C08L 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示され、セルロースエーテルでありエーテル化度(置換度)が1.5〜3.0であるセルロース系樹脂30〜99重量%、および下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位30モル%以上を含むフマル酸エステル重合体70〜1重量%を含有する樹脂組成物。
【化1】
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜12の置換基を示す。)
【化2】

(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
【請求項2】
フマル酸エステル重合体が、フマル酸ジエステル残基単位30〜95モル%および下記一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜5モル%を含むフマル酸エステル重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
【化3】
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
【請求項3】
フマル酸エステル重合体が、フマル酸ジエチル残基単位30〜100モル%および下記一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜0モル%を含むフマル酸エステル重合体、フマル酸ジイソプロピル残基単位30〜95モル%および下記一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜5モル%を含むフマル酸エステル重合体、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位30〜95モル%および下記一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜5モル%を含むフマル酸エステル重合体からなる群より選ばれるフマル酸エステル重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
【化4】
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のフマル酸モノエステル残基単位が、フマル酸モノメチル残基単位、フマル酸モノエチル残基単位、フマル酸モノイソプロピル残基単位、フマル酸モノ−n−プロピル残基単位、フマル酸モノ−n−ブチル残基単位、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル残基単位からなる群より選ばれるフマル酸モノエステル残基単位である請求項2または請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
フマル酸エステル重合体が、下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位70〜99.5モル%、および下記一般式(4)で示されるアクリル酸エステル残基単位、下記一般式(5)で示されるメタクリル酸エステル残基単位、下記一般式(6)で示されるアクリル酸アミド残基単位、下記一般式(7)で示されるメタクリル酸アミド残基単位からなる群より選ばれる残基単位30〜0.5モル%を含むフマル酸エステル重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
【化5】
(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
【化6】
【化7】

【化8】
【化9】
(式中、R、R、R、R10はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の樹脂組成物を用いてなり、厚みが5〜200μmである光学補償フィルム。
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載の樹脂組成物を用いてなり、厚みが20〜60μmである光学補償フィルム。
【請求項8】
下記式(1)で示される面内位相差(Re)が80〜300nmで、下記式(2)で示されるNz係数が0.35〜0.65である請求項6または請求項7に記載の光学補償フィルム。
Re=(ny−nx)×d (1)
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
【請求項9】
下記式(1)で示される面内位相差(Re)が50〜200nmで、下記式(2)で示されるNz係数が−0.2〜0.2である請求項6または請求項7に記載の光学補償フィルム。
Re=(ny−nx)×d (1)
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
【請求項10】
下記式(1)で示される面内位相差(Re)が0〜20nmで、下記式(3)で示される面外位相差(Rth)が、−150〜20nmである請求項6または請求項7に記載の光学補償フィルム。
Re=(ny−nx)×d (1)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (3)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸
方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
【請求項11】
光線透過率が85%以上である請求項6〜請求項10のいずれかの項に記載の光学補償フィルム。
【請求項12】
ヘーズが1%以下である請求項6〜請求項11のいずれかの項に記載の光学補償フィルム。
【請求項13】
450nmにおけるレターデーションと550nmにおけるレターデーションの比Re(450)/Re(550)が0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であ
る請求項6〜請求項12のいずれかの項に記載の光学補償フィルム。
【請求項14】
下記一般式(1)で示され、セルロースエーテルでありエーテル化度(置換度)が1.5〜3.0であるセルロース系樹脂30〜99重量%、および下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位30モル%以上を含むフマル酸エステル重合体70〜1重量%を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストし、乾燥後、基材より剥離する請求項8〜請求項13のいずれかの項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
【化10】
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜12の置換基を示す。)
【化11】
(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
【請求項15】
キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを一軸延伸またはアンバランス二軸延伸させる請求項14に記載の光学補償フィルムの製造方法。
【請求項16】
キャストして得られた厚み30〜100μmのフィルムを一軸延伸またはアンバランス二軸延伸させる請求項14に記載の光学補償フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムに関するものであり、より詳しくは、樹脂組成物ならびに位相差特性および波長分散特性に優れた液晶ディスプレイ用の光学補償フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話、コンピューター用モニター、ノートパソコン、テレビまで幅広く使用されている。液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。特に光学補償フィルムは、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償など大きな役割を果たしている。
【0003】
液晶ディスプレイには、垂直配向型(VA−LCD)、面内配向型液晶(IPS−LCD)、スーパーツイストネマチック型液晶(STN−LCD)、反射型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイなどの多くの方式が有り、ディスプレイにあわせた光学補償フィルムが必要となっている。
【0004】
従来の光学補償フィルムとしては、セルロース系樹脂、ポリカーボネートや環状ポリオレフィンなどの延伸フィルムが用いられている。特にトリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系樹脂からなるフィルムは、偏光子であるポリビニルアルコールとの接着性も良好なことから幅広く使用されている。
【0005】
しかしながら、セルロース系樹脂からなる光学補償フィルムはいくつかの課題がある。例えば、セルロース系樹脂フィルムは延伸条件を調整することで各種ディスプレイにあわせた位相差値を持つ光学補償フィルムに加工されるが、セルロース系樹脂フィルムの一軸または二軸延伸により得られるフィルムの三次元屈折率は、ny≧nx>nzであり、それ以外の3次元屈折率、例えば、ny>nz>nxや、ny=nz>nxなどの3次元屈折率を有する光学補償フィルムを製造するためには、フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルムを接着し、その積層体を加熱延伸処理して、高分子フィルムの厚み方向に収縮力をかけるなど特殊な延伸方法が必要であり屈折率(位相差値)の制御も困難である(例えば、特許文献1〜3参照)。ここでnxはフィルム面内の進相軸方向(最も屈折率の小さい方向)の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向(最も屈折率の大きい方向)の屈折率、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示す。
【0006】
また、セルロース系樹脂フィルムは一般に溶剤キャスト法により製造されるが、キャスト法により成膜したセルロース系樹脂フィルムはフィルム厚み方向に40nm程度の面外位相差(Rth)を有するため、IPSモードの液晶ディスプレイなどではカラーシフトが起こるなどの問題がある。ここで面外位相差(Rth)は以下の式で示される位相差値である。
【0007】
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
しかしながら、フマル酸エステル系樹脂からなる延伸フィルムの3次元屈折率は、nz>ny>nxであり、上記3次元屈折率を示す光学補償フィルムを得るためには他の光学補償フィルム等との積層などが必要である。
【0009】
そこで、上記3次元屈折率を示す光学補償フィルムとして、樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0010】
ここで一般に、位相差フィルムは反射型液晶表示装置、タッチパネルや有機ELの反射防止層としても用いられるものであり、該用途では、長波長域ほどレターデーションが大きい位相差フィルム(以下、「逆波長分散フィルム」という)が求められるものであるが、特許文献5には逆波長分散フィルムとして用いられることについて何らの記載がないものである。
【0011】
反射防止層として逆波長分散フィルムが用いられる場合、位相差は測定波長λの1/4程度が好ましく、450nmにおけるレターデーションと550nmにおけるレターデーションの比Re(450)/Re(550)は0.81に近いことが好ましい。そして、表示装置の薄型化を鑑みた場合、使用される逆波長分散フィルムも薄いことが求められる。上記のような要求特性に対し、種々の位相差フィルムが開発されている。
【0012】
このような位相差フィルムとして、正の固有複屈折を有するポリマーと、負の固有複屈折を有するポリマーとをブレンドして得た、逆波長分散性を有する位相差板が開示されている(例えば、特許文献6参照)。しかし、当該文献には、正の固有複屈折を有するポリマーとしてノルボルネン系ポリマー、負の固有複屈折を有するポリマーとしてスチレンと無水マレイン酸との共重合体、及びそれらポリマーをブレンドして得られる組成物が開示されているが、該組成物を用いた位相差板は、位相差フィルムの位相差特性として望ましいReとNzの関係を満足するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許2818983号公報
【特許文献2】特開平5−297223号公報
【特許文献3】特開平5−323120号公報
【特許文献4】特開2008−64817号公報
【特許文献5】特開2013−28741号公報
【特許文献6】特開2001−337222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学補償フィルムに適する樹脂組成物ならびにそれを用いた位相差特性および波長分散特性に優れた光学補償フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のセルロースエーテルであるセルロース系樹脂および特定のフマル酸エステル重合体を含有する樹脂組成物、それを用いた光学補償フィルムおよびその製造方法が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、所定の式で示され、セルロースエーテルであるセルロース系樹脂30〜99重量%、および所定の式で示されるフマル酸エステル重合体70〜1重量%を含有することを特徴とする樹脂組成物、それを用いた光学補償フィルム、ならびにその製造方法である。
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明の樹脂組成物は、下記一般式(1)で示され、セルロースエーテルであるセルロース系樹脂30〜99重量%、および下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位30モル%以上を含むフマル酸エステル重合体70〜1重量%を含有する。
【0018】
【化1】
【0019】
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜12の置換基を示す。)
【0020】
【化2】
【0021】
(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
本発明の樹脂組成物は一般式(1)で示され、セルロースエーテルであるセルロース系樹脂を含有することで、フマル酸エステル重合体との相溶性に優れ、かつ面内位相差Reが大きく、更に延伸加工性に優れるものとなる。
【0022】
本発明のセルロースエーテルは、1種または2種以上含有していてもよい。
【0023】
本発明のセルロースエーテルは、機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10〜1×10であることが好ましく、5×10〜2×10であることがさらに好ましい。
【0024】
本発明のセルロースエーテルは、β−グルコース単位が直鎖状に重合した高分子であり、グルコース単位の2位、3位および6位の水酸基の一部または全部をエーテル化したポリマーである。本発明のセルロースエーテルとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース等のアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;ベンジルセルロース、トリチルセルロース等のアラルキルセルロース;シアンエチルセルロース等のシアノアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース;カルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等のカルボキシアルキルアルキルセルロース;アミノエチルセルロース等のアミノアルキルセルロース等が挙げられる。
【0025】
該セルロースエーテルにおけるセルロースの水酸基の酸素原子を介して置換している置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースの水酸基がエーテル化している割合(100%のエーテル化は置換度1)を意味し、溶解性、相溶性、延伸加工性の点から、エーテル基の全置換度DSは、好ましくは1.5〜3.0(1.5≦DS≦3.0)であり、さらに好ましくは1.8〜2.8である。
【0026】
本発明のセルロースエーテルは、溶解性、相溶性の点から、炭素数1〜12の置換基を有するものである。炭素数1〜12の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デカニル基、ドデカニル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェノニル基、ベンジル基、ナフチル基等を挙げることができる。これらの中でも、溶解性、相溶性の点から、炭素数1〜5のアルキル基であるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましい。本発明のセルロースエーテルにおけるエーテル基は1種類だけでもよいし、2種類以上のエーテル基を有していてもよい。
【0027】
セルロースエーテルは一般に、木材又はコットンより得たセルロースパルプをアルカリ分解し、アルカリ分解したセルロースパルプをエーテル化することで合成される。アルカリとしては、リチウム,カリウム,ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やアンモニアなどが利用できる。前記アルカリ類は一般に、水溶液として使用される。そして、アルカリ性にされたセルロースパルプは、セルロースエーテルの種類に応じて用いられるエーテル化剤と接触されることによりエーテル化されるものである。エーテル化剤としては、例えば、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化アルキル;ベンジルクロライド、トリチルクロライド等のハロゲン化アラルキル;モノクロロ酢酸、モノクロロプロピオン酸等のハロカルボン酸;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等が挙げられ、これらのエーテル化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0028】
なお、必要であれば、反応終了後、粘度調整のため塩化水素、臭化水素、塩酸、及び硫酸等で解重合処理してもよい。
【0029】
本発明の樹脂組成物が含有するフマル酸エステル重合体(以下、フマル酸エステル重合体という)は、一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位30モル%以上を含んでなる重合体であれば、特に制限がない。フマル酸ジエステル残基単位が30モル%未満の場合、位相差の発現性および重合性が低下する。
【0030】
フマル酸エステル重合体におけるフマル酸ジエステル残基単位のエステル置換基であるR4、は炭素数1〜12のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位としては、例えば、フマル酸ジメチル残基単位、フマル酸ジエチル残基単位、フマル酸エチルイソプロピル残基単位、フマル酸エチルt−ブチル残基単位、フマル酸ジ−n−プロピル残基単位、フマル酸ジイソプロピル残基単位、フマル酸イソプロピルt−ブチル残基単位、フマル酸ジ−n−ブチル残基単位、フマル酸ジ−s−ブチル残基単位、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位、フマル酸ジ−n−ペンチル残基単位、フマル酸ジ−s−ペンチル残基単位、フマル酸ジ−t−ペンチル残基単位、フマル酸ジ−n−ヘキシル残基単位、フマル酸ジ−s−ヘキシル残基単位、フマル酸ジ−t−ヘキシル残基単位、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基単位、フマル酸ジシクロプロピル残基単位、フマル酸ジシクロペンチル残基単位、フマル酸ジシクロヘキシル残基単位等が挙げられる。これらの中でも重合性および位相差発現性の点で、フマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジイソプロピル残基単位、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位、フマル酸エチルイソプロピル残基単位、フマル酸エチルt−ブチル残基単位、フマル酸イソプロピルt−ブチル残基単位が好ましく、フマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジイソプロピル残基単位、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位がさらに好ましい。
【0031】
本発明のフマル酸エステル重合体は、重合性および相溶性に特に優れたものとなることから、フマル酸ジエステル残基単位30〜95モル%および下記一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜5モル%を含むフマル酸エステル重合体であることが好ましい。
【0032】
【化3】
【0033】
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
また、本発明のフマル酸エステル重合体は、フマル酸ジエステル残基単位がフマル酸ジエチル残基である場合、フマル酸モノエステル残基単位を含まなくても重合性および相溶性に特に優れたものとなることから、フマル酸ジエチル残基単位30〜100モル%および一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜0モル%であることが好ましい。また、フマル酸ジエステル残基単位がフマル酸ジエチル残基である場合において、相溶性により優れたフマル酸エステル重合体となることから、フマル酸ジエチル残基単位30〜95モル%および一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位70〜5モル%であることがさらに好ましい。
【0034】
フマル酸エステル重合体におけるフマル酸モノエステル残基単位のエステル置換基であるRは炭素数1〜12のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、セルロースエーテルとの相溶性から、炭素数1〜4のアルキル基であるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。一般式(3)で示されるフマル酸モノエステル残基単位としては、例えば、フマル酸モノメチル残基単位、フマル酸モノエチル残基単位、フマル酸モノ−n−プロピル残基単位、フマル酸モノイソプロピル残基単位、フマル酸モノ−n−ブチル残基単位、フマル酸モノ−s−ブチル残基単位、フマル酸モノ−t−ブチル残基単位、フマル酸モノ−n−ペンチル残基単位、フマル酸モノ−s−ペンチル残基単位、フマル酸モノ−t−ペンチル残基単位、フマル酸モノ−n−ヘキシル残基単位、フマル酸モノ−s−ヘキシル残基単位、フマル酸モノ−t−ヘキシル残基単位、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル残基単位、フマル酸モノシクロプロピル残基単位、フマル酸モノシクロペンチル残基単位、フマル酸モノシクロヘキシル残基単位等が挙げられる。これらの中でも、セルロースエーテルとの相溶性が良いことから、フマル酸モノメチル残基単位、フマル酸モノエチル残基単位、フマル酸モノイソプロピル残基単位、フマル酸モノ−n−プロピル残基単位、フマル酸モノ−n−ブチル残基単位、フマル酸モノ−s−ブチル残基単位、フマル酸モノ−t−ブチル残基単位から選ばれるフマル酸モノエステル残基単位が好ましい。
【0035】
また、位相差特性および相溶性の点で、本発明のフマル酸エステル重合体として、一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位70〜99.5モル%、および下記一般式(4)で示されるアクリル酸エステル残基単位、下記一般式(5)で示されるメタクリル酸エステル残基単位、下記一般式(6)で示されるアクリル酸アミド残基単位、下記一般式(7)で示されるメタクリル酸アミド残基単位からなる群より選ばれる残基単位30〜0.5モル%を含むフマル酸エステル重合体も好ましく用いられる。
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
(式中、R、R、R、R10はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、アルキレン基またはエーテル基を示す。)
フマル酸エステル重合体は、フマル酸エステル残基単位に係る単量体を100モル%として、フマル酸エステル類と共重合可能な単量体の残基単位0〜60モル%を含んでいてもよい。
【0041】
フマル酸エステル類と共重合可能な単量体の残基単位としては、例えば、スチレン残基、α−メチルスチレン残基などのスチレン類残基;アクリル酸残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基などのアクリル酸エステル類残基;メタクリル酸残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基などのメタクリル酸エステル類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基などのビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基などのビニルエーテル残基;N―メチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基、N−フェニルマレイミド残基などのN−置換マレイミド残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;ケイ皮酸残基;ケイ皮酸メチル残基、ケイ皮酸エチル残基、ケイ皮酸イソプロピル残基などのケイ皮酸エステル残基;エチレン残基、プロピレン残基などのオレフィン類残基;ビニルピロリドン残基;ビニルピリジン残基等の1種または2種以上を挙げることができる。
【0042】
フマル酸エステル重合体は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10〜5×10のものであることが好ましく、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、5×10〜2×10であることがさらに好ましい。
【0043】
本発明の樹脂組成物におけるセルロースエーテルであるセルロース系樹脂とフマル酸エステル重合体の組成の割合は、セルロースエーテルであるセルロース系樹脂30〜99重量%およびフマル酸エステル重合体70〜1重量%である。セルロースエーテルが30重量%未満の場合(フマル酸エステル重合体が70重量%を超える場合)、またはセルロースエーテルが99重量%を超える場合(フマル酸エステル重合体が1重量%未満の場合)は、位相差の制御が困難である。好ましくは、セルロースエーテル30〜90重量%およびフマル酸エステル重合体70〜10重量%であり、さらに好ましくはセルロースエーテル40〜80重量%およびフマル酸エステル重合体60〜20重量%である。
【0044】
フマル酸エステル重合体の製造方法としては、該フマル酸エステル重合体が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよい。また、フマル酸エステル重合体がフマル酸ジエステル残基単位とフマル酸モノエステル残基単位を含むものである場合には、例えば、フマル酸ジエステルとフマル酸モノエステル類、場合によってはフマル酸ジエステルおよびフマル酸モノエステル類と共重合可能な単量体を併用し、ラジカル重合を行うことにより製造することができる。この際のフマル酸ジエステルと共重合可能なフマル酸モノエステル類としては、例えば、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ−n−プロピル、フマル酸モノイソプロピル、フマル酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノ−s−ブチル、フマル酸モノ−t−ブチル、フマル酸モノ−s−ペンチル、フマル酸モノ−t−ペンチル、フマル酸モノ−s−ヘキシル、フマル酸モノ−t−ヘキシル、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル、フマル酸モノシクロプロピル、フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル等が挙げられ、フマル酸ジエステルおよびフマル酸モノエステル類と共重合可能な単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;ビニルピロリドン;ビニルピリジン等の1種または2種以上を挙げることができる。
【0045】
ラジカル重合の方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
【0046】
ラジカル重合を行う際の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などのアゾ系開始剤等が挙げられる。
【0047】
そして、溶液重合法または沈殿重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル等が挙げられ、これらの混合溶媒をも挙げられる。
【0048】
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には30〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
【0049】
本発明の樹脂組成物は、熱安定性を向上させるために酸化防止剤を含有していても良い。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0050】
本発明の樹脂組成物は、耐候性を高めるためヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエート等が挙げられる。
【0051】
本発明の樹脂組成物は、いわゆる可塑剤として知られる化合物を、機械的性質向上、柔軟性を付与、耐吸水性付与、水蒸気透過率低減、レターデーション調整等の目的で添加してもよく、可塑剤としては、例えば、リン酸エステルやカルボン酸エステルが挙げられる。また、アクリル系ポリマーなども用いられる。リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることが出来る。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしては、クエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチル等を挙げることが出来る。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしては、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることが出来る。これら可塑剤を2種以上混合して使用してもよい。
【0052】
本発明の樹脂組成物は位相差を調整する目的で、芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤を含有していてもよい。位相差を調整する目的で使用される添加剤の下記式(A)で示される複屈折Δnについては、特に制限はないが、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.05〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.5である。添加剤のΔnは分子軌道計算によって求めることができる。
【0053】
Δn=ny−nx (A)
(式中、nxは添加剤分子の進相軸方向の屈折率を示し、nyは添加剤分子の遅相軸方向の屈折率を示す。)
本発明の樹脂組成物に芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤が含有される場合、本発明の樹脂組成物における芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤は、芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環の分子内の個数については、特に制限はないが、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、好ましくは1〜12個であり、さらに好ましくは1〜8個である。芳香族炭化水素環としては、例えば、5員環、6員環、7員環または二つ以上の芳香族環からなる縮合環等が挙げられ、芳香族性ヘテロ環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、1,3,5−トリアジン環等が挙げられる。
【0054】
芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられる。
【0055】
本発明で用いられる芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤としては、例えば、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等のリン酸エステル系化合物;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、2−エチルヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル系化合物;トリブチルトリメリテート、トリ−ノルマルヘキシルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−ノルマルオクチルトリメリテート、トリ−イソクチルトリメリテート、トリ−イソデシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系化合物;トリ(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラブチルピロメリテート、テトラ−ノルマルヘキシルピロメリテート、テトラ(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−ノルマルオクチルピロメリテート、テトラ−イソクチルピロメリテート、テトラ−イソデシルピロメリテート等のピロメリット酸エステル系化合物;安息香酸エチル、安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル等の安息香酸エステル系化合物;フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸エステル系化合物;メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のグリコール酸エステル系化合物;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、N−ベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド系化合物、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系化合物等が挙げられ、好ましくはトリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、これらは必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
本発明の樹脂組成物に芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤が含有される場合、光学特性及び機械的特性の観点から、好ましくは本発明の樹脂組成物における芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤の割合は0.01〜30重量%であり(上記の樹脂成分:99.99〜70重量%)、さらに好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜15重量%である。
【0057】
本発明の樹脂組成物は、発明の主旨を超えない範囲で、その他ポリマー、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等を含有していてもよい。
【0058】
本発明の樹脂組成物は、セルロースエーテルとフマル酸エステル重合体をブレンドすることにより得ることができる。
【0059】
ブレンドの方法としては、溶融ブレンド、溶液ブレンド等の方法を用いることができる。芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤が本発明の樹脂組成物に含有される場合における溶融ブレンド法とは加熱により樹脂と芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤を溶融させて混練することにより製造する方法である。溶液ブレンド法とは樹脂と芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤を溶剤に溶解しブレンドする方法である。溶液ブレンドに用いる溶剤としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を用いることができる。各樹脂および芳香族炭化水素環または芳香族性ヘテロ環を有する添加剤を溶剤に溶解したのちブレンドすることも可能であり、各樹脂の粉体、ペレット等を混練後、溶剤に溶解させることも可能である。得られたブレンド樹脂溶液を貧溶剤に投入し、樹脂組成物を析出させることも可能であり、またブレンド樹脂溶液のまま光学補償フィルムの製造に用いることも可能である。
【0060】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、フィルムの取扱い性及び光学部材の薄膜化への適合性の観点から、厚みが5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmがさらに好ましく、20〜80μmが特に好ましく、20〜60μmがもっとも好ましい。
【0061】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムの位相差特性は、目的とする光学補償フィルムにより異なるものであり、例えば、1)下記式(1)で示される面内位相差(Re)が好ましくは80〜300nm、さらに好ましくは100〜300nm、特に好ましくは100〜280nmであって、下記式(2)で示されるNz係数が好ましくは0.35〜0.65、さらに好ましくは0.45〜0.55であるもの、2)面内位相差(Re)が好ましくは50〜200nm、さらに好ましくは80〜160nmであって、Nz係数が好ましくは−0.2〜0.2、さらに好ましくは−0.1〜0.1であるもの、3)面内位相差(Re)が好ましくは0〜20nm、さらに好ましくは0〜5nmであって、下記式(3)で示される面外位相差(Rth)が好ましくは−150〜20nm、さらに好ましくは−150〜10nm、特に好ましくは−120〜0nmであるもの等が挙げられる。このときの位相差特性は全自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い、測定波長589nmの条件で測定されるものである。
【0062】
これらは、従来のセルロース系樹脂からなる光学補償フィルムでは発現が困難な位相差特性を有している。
【0063】
Re=(ny−nx)×d (1)
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (3)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明の光学フィルムの波長分散特性としては、色ずれ抑制のため、好ましくは0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であり、さらに好ましくは0.61<Re(450)/Re(550)<1.02であり、特に好ましくは0.61<Re(450)/Re(550)<1.00である。
【0064】
本発明のセルロースエーテルを使用した場合、単独では、低波長分散の光学フィルムを提供することができる。このフィルムに、延伸方向に対して負の複屈折性を示すフマル酸エステル重合体をブレンドした樹脂組成物は、一般的に逆波長分散性を示す光学フィルムを提供することができるものである。
【0065】
これらの位相差特性および波長分散特性を同時に満足することは、従来のセルロース系樹脂を用いた光学補償フィルムでは発現が困難であり、本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、これらの特性を同時に満足することを特徴とするものである。
【0066】
本発明の光学補償フィルムは、輝度向上のため、光線透過率が好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0067】
本発明の光学補償フィルムは、コントラスト向上のため、ヘーズが好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
【0068】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムの製造方法としては、本発明の光学補償フィルムの製造が可能であれば如何なる方法を用いてもよいが、光学特性、耐熱性、表面特性などに優れる光学補償フィルムが得られることから、溶液キャスト法により製造することが好ましい。ここで、溶液キャスト法とは、樹脂溶液(一般にはドープと称する。)を支持基板上に流延した後、加熱することにより溶媒を蒸発させて光学補償フィルムを得る方法である。流延する方法としては、例えば、Tダイ法、ドクターブレード法、バーコーター法、ロールコーター法、リップコーター法等が用いられ、工業的には、ダイからドープをベルト状またはドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が一般的に用いられている。また、用いられる支持基板としては、例えば、ガラス基板、ステンレスやフェロタイプ等の金属基板、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基板などがある。高度に表面性、光学均質性の優れた基板を工業的に連続製膜するには、表面を鏡面仕上げした金属基板が好ましく用いられる。溶液キャスト法において、厚み精度、表面平滑性に優れた光学補償フィルムを製造する際には、樹脂溶液の粘度は極めて重要な因子であり、樹脂溶液の粘度は樹脂の濃度、分子量、溶媒の種類に依存するものである。
【0069】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムを製造する際の樹脂溶液は、セルロースエーテルとフマル酸エステル重合体を溶媒に溶解し調製する。樹脂溶液の粘度は、重合体の分子量、重合体の濃度、溶媒の種類で調整可能である。樹脂溶液の粘度としては、特に制限はないが、フィルム塗工性をより容易にするため、好ましくは100〜10000cps、さらに好ましくは300〜5000cps、特に好ましくは500〜3000cpsである。
【0070】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムの製造方法としては、例えば、下記一般式(1)で示され、セルロースエーテルであるセルロース系樹脂30〜99重量%、および下記一般式(2)で示されるフマル酸ジエステル残基単位30モル%以上を含むフマル酸エステル重合体70〜1重量%を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストし、乾燥後、基材より剥離することが挙げられる。
【0071】
【化8】
【0072】
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜12の置換基を示す。)
【0073】
【化9】
【0074】
(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
本発明の樹脂組成物を用いて得られた光学補償フィルムは、面内位相差(Re)を発現するために一軸延伸またはアンバランス二軸延伸することが好ましい。光学補償フィルムを延伸する方法としては、ロール延伸による縦一軸延伸法やテンター延伸による横一軸延伸法、これらの組み合わせによるアンバランス逐次二軸延伸法やアンバランス同時二軸延伸法等を用いることができる。また本発明では、熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に延伸を行う特殊延伸法を用いずに位相差特性を発現させることができる。
【0075】
延伸する際の光学補償フィルムの厚みは、延伸処理のし易さおよび光学部材の薄膜化への適合性の観点から、10〜200μmが好ましく、30〜150μmがさらに好ましく、30〜100μmが特に好ましい。
【0076】
延伸の温度は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは100〜180℃である。一軸延伸の延伸倍率は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、1.05〜4.0倍が好ましく、1.1〜3.5倍がさらに好ましい。アンバランス二軸延伸の延伸倍率は特に制限はないが、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから長さ方向には1.05〜4.0倍が好ましく、1.1〜3.5倍がさらに好ましく、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、幅方向には1.01〜1.2倍が好ましく、1.05〜1.1倍がさらに好ましい。延伸温度、延伸倍率により面内位相差(Re)を制御することができる。
【0077】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、必要に応じて他樹脂を含むフィルムと積層することができる。他樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、マレイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド等が挙げられる。また、ハードコート層やガスバリア層を積層することも可能である。
【発明の効果】
【0078】
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、薄膜で特定の位相差特性および特定の波長分散特性を示すことから、液晶ディスプレイ用光学補償フィルムや反射防止用フィルムとして有用である。
【実施例】
【0079】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0080】
なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。
【0081】
<重合体の解析>
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)スペクトル分析より求めた。
【0082】
<数平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
【0083】
<光学補償フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作成したフィルムの光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
【0084】
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。
【0085】
<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)の比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。
【0086】
合成例1(フマル酸ジエチル重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル50g、および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.45gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル重合体26gを得た。得られた重合体の数平均分子量は25,000であった。
【0087】
合成例2(フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル48g、フマル酸モノエチル2.1gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.45gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体22gを得た。得られた重合体の数平均分子量は23,000、フマル酸ジエチル残基単位95モル%、フマル酸モノエチル残基単位5モル%であった。
【0088】
合成例3(フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル46g、フマル酸モノエチル4.3gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.47gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体21gを得た。得られた重合体の数平均分子量は20,000、フマル酸ジエチル残基単位90モル%、フマル酸モノエチル残基単位10モル%であった。
【0089】
合成例4(フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル41g、フマル酸モノエチル8.7gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.48gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体15gを得た。得られた重合体の数平均分子量は16,000、フマル酸ジエチル残基単位82モル%、フマル酸モノエチル残基単位18モル%であった。
【0090】
合成例5(フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル12g、フマル酸モノエチル23.4gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.39gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体20gを得た。得られた重合体の数平均分子量は28,000、フマル酸ジエチル残基単位33モル%、フマル酸モノエチル残基単位67モル%であった。
【0091】
合成例6(フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル41g、フマル酸モノイソプロピル9.3gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.61gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体14gを得た。得られた重合体の数平均分子量は14,000、フマル酸ジエチル残基単位82モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位18モル%であった。
【0092】
合成例7(フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル46g、フマル酸モノイソプロピル2.5g、けい皮酸イソプロピル2.0gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.60gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、144時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体12gを得た。得られた重合体の数平均分子量は12,000、フマル酸ジエチル残基単位90モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位5モル%、けい皮酸イソプロピル残基単位5モル%であった。
【0093】
合成例8(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル42g、フマル酸モノエチル7.7gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.66gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体27gを得た。得られた重合体の数平均分子量は53,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位82モル%、フマル酸モノエチル残基単位18モル%であった。
【0094】
合成例9(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル38g、フマル酸モノエチル12gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.68gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体22gを得た。得られた重合体の数平均分子量は29,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位73モル%、フマル酸モノエチル残基単位27モル%であった。
【0095】
合成例10(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル34g、フマル酸モノエチル16gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.58gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体22gを得た。得られた重合体の数平均分子量は31,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位64モル%、フマル酸モノエチル残基単位36モル%であった。
【0096】
合成例11(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル16g、フマル酸モノエチル26.9gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.44gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体23gを得た。得られた重合体の数平均分子量は31,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位32モル%、フマル酸モノエチル残基単位68モル%であった。
【0097】
合成例12(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル33g、フマル酸モノイソプロピル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.57gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体17gを得た。得られた重合体の数平均分子量は26,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位65モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位35モル%であった。
【0098】
合成例13(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル28g、フマル酸モノイソプロピル22gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.58gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体15gを得た。得られた重合体の数平均分子量は23,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位58モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位42モル%であった。
【0099】
合成例14(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル32g、フマル酸モノイソプロピル13g、けい皮酸イソプロピル5gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、144時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体15gを得た。得られた重合体の数平均分子量は19,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位58モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位26モル%、けい皮酸イソプロピル残基単位16モル%であった。
【0100】
合成例15(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル32g、フマル酸モノイソプロピル13g、けい皮酸エチル5gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、144時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体14gを得た。得られた重合体の数平均分子量は15,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位57モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位28モル%、けい皮酸エチル残基単位15モル%であった。
【0101】
合成例16(フマル酸ジ−t−ブチルの合成)
攪拌機および温度計を備えた300mLのオートクレーブに、エチレングリコールジメチルエーテル60mL、マレイン酸20g、硫酸4gを仕込んだ後2−メチルプロピレン51gを圧入し、撹拌しながら40℃で2時間反応した。
【0102】
上記反応で得られた反応液を中和および水洗することにより得られたマレイン酸ジ−t−ブチルのエチレングリコールジメチルエーテル溶液80mLおよびピペリジン0.3gを攪拌機、冷却器および温度計を備えた150mLの三口に仕込み、撹拌しながら110℃で2時間反応させた。得られた反応液をGC分析した結果、フマル酸ジ−t−ブチルへの異性化率は99%だった。得られた反応液の溶媒を留去した後昇華をし、純度99%のフマル酸ジ−t−ブチル22gを得た。
【0103】
合成例17(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル43g、フマル酸モノエチル6.8gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.59gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体33gを得た。得られた重合体の数平均分子量は65,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位82モル%、フマル酸モノエチル残基単位18モル%であった。
【0104】
合成例18(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル39g、フマル酸モノエチル11gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.61gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体26gを得た。得られた重合体の数平均分子量は42,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位73モル%、フマル酸モノエチル残基単位27モル%であった。
【0105】
合成例19(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル35g、フマル酸モノエチル15gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.53gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体25gを得た。得られた重合体の数平均分子量は36,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位64モル%、フマル酸モノエチル残基単位36モル%であった。
【0106】
合成例20(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル18g、フマル酸モノエチル26.5および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.44gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体27gを得た。得られた重合体の数平均分子量は34,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位35モル%、フマル酸モノエチル残基単位65モル%であった。
【0107】
合成例21(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル34g、フマル酸モノイソプロピル16gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.57gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体20gを得た。得られた重合体の数平均分子量は30,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位65モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位35モル%であった。
【0108】
合成例22(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル30g、フマル酸モノイソプロピル20gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.54gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体17gを得た。得られた重合体の数平均分子量は25,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位58モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位42モル%であった。
【0109】
合成例23(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル34g、フマル酸モノイソプロピル12g、けい皮酸イソプロピル4.7gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.51gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、144時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体17gを得た。得られた重合体の数平均分子量は23,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位58モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位26モル%、けい皮酸イソプロピル残基単位16モル%であった。
【0110】
合成例24(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジ−t−ブチル34g、フマル酸モノイソプロピル12g、けい皮酸エチル4.3gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.51gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、144時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体16gを得た。得られた重合体の数平均分子量は18,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位57モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位28モル%、けい皮酸エチル残基単位15モル%であった。
【0111】
合成例25(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル41g、フマル酸ジエチル5g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル4gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.67gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体28gを得た。得られた重合体の数平均分子量は53,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位80モル%、フマル酸ジエチル残基単位10モル%、アクリル酸2−ヒドロキシエチル残基単位10モル%であった。
【0112】
合成例26(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−s−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル37g、フマル酸ジ−s−ブチル9g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.64gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−s−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体23gを得た。得られた重合体の数平均分子量は44,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位75モル%、フマル酸ジ−s−ブチル残基単位15モル%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル残基単位10モル%であった。
【0113】
合成例27(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/N−tert−ブチルメタクリルアミド共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル37g、フマル酸ジエチル9g、N−tert−ブチルメタクリルアミド4gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.63gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/N−tert−ブチルメタクリルアミド共重合体35gを得た。得られた重合体の数平均分子量は41,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位72モル%、フマル酸ジエチル残基単位18モル%、N−tert−ブチルメタクリルアミド残基単位10モル%であった。
【0114】
合成例28(フマル酸ジイソプロピル/N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド共重合体の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル44g、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド6gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.63gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド共重合体38gを得た。得られた重合体の数平均分子量は56,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位87モル%、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド残基単位13モル%であった。
【0115】
合成例29(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体の合成)
5リットルオートクレーブ中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重量%を含む蒸留水2600g、フマル酸ジイソプロピル1232g、フマル酸ジ−n−ブチル168g、重合開始剤(日油製、商品名:パーブチルPV)11gを仕込み、重合温度47℃、重合時間36時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行った。得られた重合体粒子を濾過回収し、水、メタノールで十分に洗浄し80℃にて乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量は88000、フマル酸ジイソプロピル残基単位88モル%、フマル酸ジ−n−ブチル残基単位12モル%であった。
【0116】
合成例30(フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体の合成)
5リットルオートクレーブ中に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重量%を含む蒸留水2600g、フマル酸ジ−t−ブチル1404g、フマル酸ジ−n−ブチル168g、重合開始剤(日油製、商品名:パーブチルPV)11gを仕込み、重合温度47℃、重合時間36時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行った。得られた重合体粒子を濾過回収し、水、メタノールで十分に洗浄し80℃にて乾燥することにより、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量は102,000、フマル酸ジ−t−ブチル残基単位88モル%、フマル酸ジ−n−ブチル残基単位12モル%であった。
【0117】
実施例1
セルロース系樹脂としてエチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard)100、分子量Mn=55,000、分子量Mw=176,000、Mw/Mn=3.2、全置換度DS=2.5)83g、合成例1により得られたフマル酸ジエチル重合体67gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジエチル重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0118】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0121】
実施例2
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例1により得られたフマル酸ジエチル重合体67gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジエチル重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0122】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0123】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0124】
実施例3
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例2により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体67gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0125】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0126】
実施例4
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例2により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体67gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0127】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0128】
実施例5
実施例1で用いたエチルセルロース80g、合成例3により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体70gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:53重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:47重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0129】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0130】
実施例6
実施例1で用いたエチルセルロース80g、合成例3により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体70gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:53重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:47重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0131】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0132】
実施例7
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例4により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0133】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0134】
実施例8
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例4により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0135】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0136】
実施例9
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例5により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、135℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0137】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0138】
実施例10
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例6により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0139】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0140】
実施例11
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例6により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0141】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例12
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例7により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体67gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0142】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0143】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0144】
実施例13
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例7により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体67gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0145】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
【0146】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0147】
実施例14
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例8により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0148】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0149】
【表2】
【0150】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0151】
実施例15
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例8により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0152】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0153】
実施例16
実施例1で用いたエチルセルロース82g、合成例9により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体68gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0154】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0155】
実施例17
実施例1で用いたエチルセルロース82g、合成例9により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体68gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0156】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0157】
実施例18
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例10により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0158】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0159】
実施例19
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例10により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0160】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0161】
実施例20
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例11により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0162】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0163】
実施例21
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例12により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0164】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0165】
実施例22
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例12により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0166】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0167】
実施例23
実施例1で用いたエチルセルロース67g、合成例13により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体83gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:45重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:55重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0168】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0169】
実施例24
実施例1で用いたエチルセルロース67g、合成例13により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体83gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:45重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:55重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0170】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例25
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例14により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0171】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0172】
実施例26
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例14により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0173】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0174】
実施例27
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例15により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0175】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0176】
実施例28
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例15により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
【0177】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0178】
実施例29
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例17により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0179】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0180】
【表3】
【0181】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0182】
実施例30
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例17により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0183】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0184】
実施例31
実施例1で用いたエチルセルロース82g、合成例18により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体68gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0185】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0186】
実施例32
実施例1で用いたエチルセルロース82g、合成例18により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体68gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0187】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0188】
実施例33
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例19により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0189】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0190】
実施例34
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例19により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0191】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例35
実施例1で用いたエチルセルロース90g、合成例20により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体60gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:60重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:40重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、145℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0192】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0193】
実施例36
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例21により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0194】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0195】
実施例37
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例21により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0196】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0197】
実施例38
実施例1で用いたエチルセルロース67g、合成例22により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体83gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:45重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:55重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0198】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0199】
実施例39
実施例1で用いたエチルセルロース67g、合成例22により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体83gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:45重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル共重合体:55重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0200】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例40
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例23により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0201】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0202】
実施例41
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例23により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸イソプロピル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0203】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例42
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例24により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0204】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0205】
実施例43
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例24により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノイソプロピル/けい皮酸エチル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表3に合わせて示す。
【0206】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0207】
実施例44
実施例1で用いたエチルセルロース80g、合成例25により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体70gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:53重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体:47重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。
【0208】
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に示す。
【0209】
【表4】
【0210】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0211】
実施例45
実施例1で用いたエチルセルロース80g、合成例25により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体70gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:53重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体:47重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0212】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0213】
実施例46
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例26により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−s−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体75gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−s−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0214】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0215】
実施例47
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例26により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−s−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体75gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:50重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−s−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体:50重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0216】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0217】
実施例48
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例27により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/N−tert−ブチルメタクリルアミド共重合体67gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/N−tert−ブチルメタクリルアミド共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0218】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0219】
実施例49
実施例1で用いたエチルセルロース83g、合成例27により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/N−tert−ブチルメタクリルアミド共重合体67gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/N−tert−ブチルメタクリルアミド共重合体:45重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0220】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0221】
実施例50
実施例1で用いたエチルセルロース87g、合成例28により得られたフマル酸ジイソプロピル/N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド共重合体63gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:58重量%、フマル酸ジイソプロピル/N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド共重合体:42重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0222】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0223】
実施例51
実施例1で用いたエチルセルロース87g、合成例28により得られたフマル酸ジイソプロピル/N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド共重合体63gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:58重量%、フマル酸ジイソプロピル/N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド共重合体:42重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で3.5倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表4に合わせて示す。
【0224】
得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0225】
実施例52
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例29により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み40μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0226】
【表5】
【0227】
得られた光学補償フィルムは、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0228】
実施例53
実施例1で用いたエチルセルロース97g、合成例30により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体53gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み40μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:65重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸ジ−n−ブチル共重合体:35重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表5に合わせて示す。
【0229】
得られた光学補償フィルムは、面内位相差(Re)およびNz係数ならびに波長分散特性が目的とする光学特性を有するものであった。
【0230】
比較例1
セルロースアセテートブチレート(アセチル基=15モル%、ブチリル基=70モル%、全置換度DS=2.55、数平均分子量72,000)150gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0231】
【表6】
【0232】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、Nz係数および波長分散特性が目的とする光学特性を有していなかった。
【0233】
比較例2
実施例1で用いたエチルセルロース150gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0234】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、厚み方向の面外位相差(Rth)が大きく目的とする光学特性を有していなかった。
【0235】
比較例3
実施例1で用いたエチルセルロース150gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0236】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、厚み方向の面外位相差(Rth)が大きく目的とする光学特性を有していなかった。
【0237】
比較例4
実施例1で用いたフマル酸ジエチル重合体180gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み80μmのフィルム(樹脂組成物)を得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0238】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、厚み方向の面外位相差(Rth)が小さく目的とする光学特性を有していなかった。
【0239】
比較例5
実施例1で用いたエチルセルロース30g、合成例2により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体120gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:20重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル共重合体:80重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0240】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、Nz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
【0241】
比較例6
実施例14で用いたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体180gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み80μmのフィルム(樹脂組成物)を得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0242】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、厚み方向の面外位相差(Rth)が小さく目的とする光学特性を有していなかった。
【0243】
比較例7
実施例1で用いたエチルセルロース30g、合成例8により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体120gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:20重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体:80重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0244】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、Nz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
【0245】
比較例8
実施例29で用いたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体180gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み80μmのフィルム(樹脂組成物)を得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0246】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、厚み方向の面外位相差(Rth)が小さく目的とする光学特性を有していなかった。
【0247】
比較例9
実施例1で用いたエチルセルロース30g、合成例17により得られたフマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体120gを塩化メチレン:アセトン=8:2(重量比)に溶解して18重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度25℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:20重量%、フマル酸ジ−t−ブチル/フマル酸モノエチル共重合体:80重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0248】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、Nz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
【0249】
比較例10
実施例44で用いたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体180gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み80μmのフィルム(樹脂組成物)を得た。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0250】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、厚み方向の面外位相差(Rth)が小さく目的とする光学特性を有していなかった。
【0251】
比較例11
実施例1で用いたエチルセルロース30g、合成例25により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体120gをトルエン:アセトン=9:1(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mm、厚み200μmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:20重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体:80重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表6に合わせて示す。
【0252】
得られたフィルムは、光線透過率が高く透明性に優れ、ヘーズが小さいものの、Nz係数が目的とする光学特性を有していなかった。