(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウェハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)からArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜(bottom anti−reflective coating)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。
【0003】
パターンの微細化によりリソグラフィー工程でレジストの露光後に行われる現像と現像液のリンス工程でパターンが倒れる現象が問題になっている。
【0004】
パターン倒れの原因は、現像液やリンス液が乾燥する際の表面張力や液の流動に伴う力によるパターン間に働く力、即ちラプラス力によるものと考えられる。また、現像液やリンス液を遠心力を用いて外側に飛ばす時にも上記ラプラス力を生じパターン倒れが生じることと考えられる。
【0005】
このような問題を解決するために、基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に潜像を形成するために、前記レジスト膜にエネルギー線を選択照射する工程と、前記潜像が形成された前記レジスト膜からレジストパターンを形成するために、前記レジスト膜上に現像液(アルカリ現像液)を供給する工程と、前記基板上の現像液をリンス液に置換するために、前記基板上に前記リンス液を供給する工程と、前記基板上のリンス液の少なくとも一部の溶剤と前記レジスト膜と異なる溶質とを含む塗布膜用材料に置換するために、前記基板上に前記塗布膜用材料を供給する工程と、前記基板上にレジスト膜を覆う塗布膜を形成するために、前記塗布膜用材料中の溶剤を揮発させる工程と、前記レジストパターン上面の少なくとも一部分を露出させる及び前記塗布膜で構成されたマスクパターンを形成するために、前記塗布膜の表面の少なくとも一部分を後退させる工程と、前記マスクパターンを用いて前記基板を加工する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
レジストパターンが微細になると現像時に現像液をスピンドライするときにも、やはりラプラス力によりパターン倒れを生じる。
本発明の目的は微細なパターンを形成する時に、パターン倒れを生じない現像液と、それを用いたパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は第1観点として、リソグラフィープロセスに用いられる現像液であって、ドライエッチングマスク形成用ポリマーと有機溶剤を含む現像液、
第2観点として、前記ポリマーがレジスト膜を形成する硬化性樹脂とは異なる硬化性樹脂である第1観点に記載の現像液、
第3観点として、前記現像液は前記レジスト膜の露光後に用いられる第1観点又は第2観点に記載の現像液、
第4観点として、前記現像液の有機溶剤が酢酸ブチル、又は酢酸ブチルとアルコールとの混合溶剤である第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の現像液、
第5観点として、前記現像液の有機溶剤が2−ペンタノン、又は2−ペンタノンとアルコールとの混合溶剤である第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の現像液、
第6観点として、前記ポリマーがノボラック樹脂又はポリオルガノシロキサンである第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の現像液、
第7観点として、前記現像液中の前記ポリマー濃度が0.5〜20重量%である第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の現像液、
第8観点として、半導体基板にレジストを被覆しレジスト膜を形成し、露光する工程(A)、該レジスト膜の表面に第1観点乃至第7観点のいずれか1項に記載の現像液を接触させ、該パターン化されたレジスト膜のパターンの間に前記ポリマーの層を形成する工程(B)、該パターン化されたレジスト膜をドライエッチングで除去し、該ポリマーによるリバースパターンを形成する前記工程(C)を含む半導体装置の製造方法、
第9観点として、前記工程(A)におけるレジスト膜の形成が、半導体基板上にレジスト下層膜を形成し、その上にレジスト膜を形成することによるものである第8観点に記載の半導体装置の製造方法、
第10観点として、前記工程(A)におけるレジスト膜の形成が、半導体基板上に有機下層膜を形成し、その上にケイ素原子を含むハードマスクを形成し、その上にレジスト膜を形成することによるものである第8観点に記載の半導体装置の製造方法、
第11観点として、前記工程(B)において、前記ポリマー層の形成が熱を加えることを含むものである第8観点乃至第10観点のいずれか一つに記載の製造方法、及び
第12観点として、前記工程(C)において、レジスト/ポリマーのドライエッチング速度比が1.0以上である第8観点乃至第11観点のいずれか一つに記載の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、半導体基板上に被覆し膜形成したレジストを露光した後に、ポリマーを含む現像液を該レジスト膜に接触させることにより、該レジスト膜にパターンが形成されると共にパターンの間に該ポリマーが充填されることから、現像及び洗浄の際にレジストの倒壊を防ぐことができる。また、本発明では該ポリマーが、該レジスト膜を形成する硬化性樹脂とは異なる種類の硬化性樹脂であることから、ドライエッチングによりレジスト膜のみを選択的に除去することができる。これにより該ポリマーによる新たな微細パターンを形成することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記特許文献1の従来技術においては、露光後のレジスト表面を現像液で現像後、リンス液で洗浄し、ポリマー成分を含有した塗布液でリンス液を置き換え、レジストパターンをポリマー成分で被覆し、その後にドライエッチングでレジストを除去して置き換えられたポリマー成分でリバースパターンを形成する方法である。
【0011】
しかし、上記方法では現像液やリンス液でレジストを除去しレジストパターンを形成する時にラプラス力が働きパターン倒れを生じる可能性がある。
【0012】
本発明は、マスク露光後のレジスト表面にドライエッチングマスク形成用ポリマーを含む現像液に接触し、レジストは露光部が有機溶媒に不溶であり、未露光部を有機溶剤含有現像液で溶解すると共に含有されているポリマーでレジストパターン間をポリマーで充填し、レジストパターンの倒壊を防ぐものである。その後、レジストパターンを充填した表面をドライエッチングしてレジストパターンを除去して、充填されたポリマーが新たなレジストパターンとなる。これはリバースプロセスということもできる。
【0013】
レジスト層と充填されるポリマーは、ドライエッチングに用いられるガス種によりドライエッチング速度が変化する組み合わせとすることが好ましく、例えばレジスト層としてアクリル系レジスト材料を用いた場合に、充填されるポリマー層のポリマーはノボラック樹脂(フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、又はそれらの組み合わせ)等の高い炭素含有率を有する樹脂や、ポリオルガノシロキサン材料を用いることが好ましい。
本発明は露光後のレジストにポリマーを含む現像液で被覆させることで、未露光部を現像しながら現像除去されたレジストパターン間にその後の工程で新たにパターンを形成することが可能なポリマーで充填するので、当初のレジストパターンが倒壊することなく充填が可能であり、その後のドライエッチングプロセスでリバースパターン(逆パターン)により、倒壊しない微細なパターンを形成することができる。
【0014】
次に本発明の組成物の構成について説明する。
本発明はドライエッチングマスク形成用ポリマーと有機溶剤とを含むリソグラフィープロセスに用いられるレジスト現像液である。
【0015】
現像液は有機溶剤に上記ドライエッチングマスク形成用ポリマーが溶解しているものであり、固形分は0.5〜20.0質量%、又は1.0〜10.0質量%である。固形分とは現像液から有機溶剤を取り除いた残りの割合である。
【0016】
固形分中に占める上記ドライエッチングマスク形成用ポリマーの割合は、50〜100質量%、又は80〜100質量%である。
【0017】
現像液中のドライエッチングマスク形成用ポリマーの濃度は、0.5〜20.0質量%である。
【0018】
本発明ではレジストの露光後に用いられる現像液であるため、マスクを通じて露光後に上記現像液で除かれる部分は未露光部である。
【0019】
ドライエッチングマスク形成用ポリマーはレジスト膜を形成する硬化性樹脂とは異なる硬化性樹脂である。
これにより後のドライエッチング工程で、ガス種の選定により、レジストを選択的にドライエッチング除去して充填したドライエッチングマスク形成用ポリマーによる新たなパターンが形成される。
【0020】
これらの中でもヒドロキシ基を含有しない溶剤としては酢酸ブチルが好ましく、アルコールと酢酸ブチルとの混合溶剤を挙げることができる。例えば、4−メチル−2−ペンタノールと酢酸ブチルを1:99〜20:80の質量比で混合した有機溶剤を挙げることができる。
【0021】
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルと酢酸ブチルとの混合溶剤を挙げることができる。例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルと酢酸ブチルを1:99〜20:80の質量比で混合した有機溶剤を挙げることができる。
【0022】
現像液に含まれるドライエッチングマスク形成用ポリマーとしては、レジスト膜を形成する硬化性樹脂とは異なる硬化性樹脂が挙げられる。例えばレジストがアクリル系レジストを用いる場合に、充填されるポリマー層のポリマーはノボラック樹脂(フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、又はそれらの組み合わせ)等の高い炭素含有率を有する樹脂や、ポリオルガノシロキサン材料を用いることが好ましい。
【0023】
ノボラック樹脂としては以下に例示される。
【化1】
【0024】
上記単位構造、又は上記単位構造の組み合わせを含むノボラック樹脂を用いることができる。xとyはモル比であり、x:y=100:0〜0:100、又は80〜20:20〜80、又は70〜30:30〜70が挙げられる。
【0025】
式(1)の単位構造を有するポリマーの重量平均分子量は1000〜30000、又は2000〜10000の範囲とすることができる。
【0026】
ポリシロキサン樹脂としては以下に例示される式(2)から選ばれる少なくとも1種の加水分解性シランを加水分解し縮合して得られたポリシロキサンを用いることができる。
【化2】
【0027】
ただし式中R
1はアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、もしくはシアノ基を有する有機基、又はそれらの組み合わせであり、且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R
2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。
【0028】
式(2)から選ばれる少なくとも1種の加水分解性シランを加水分解し縮合して得られたポリシロキサンの重量平均分子量は、500〜30000又は800〜10000の範囲である。
【0029】
加水分解はアルコキシシリル基、アシロキシシリル基、又はハロゲン化シリル基の加水分解には、加水分解性基の1モル当たり、0.5〜100モル、好ましくは1〜10モルの水を用いる。
また、加水分解性基の1モル当たり0.001〜10モル、好ましくは0.001〜1モルの加水分解触媒を用いることができる。
【0030】
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常20〜80℃である。
加水分解は完全に加水分解を行うことも、部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
加水分解し縮合させる際に触媒を用いることができる。
【0031】
加水分解触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
【0032】
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
【0033】
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
【0034】
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0035】
加水分解に用いられる有機溶剤としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶剤;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
【0036】
4−メチル−2−ペンタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶剤;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0037】
このポリシロキサンとしては例えば以下に例示される。
【化3】
【0038】
xとyはモル比であり、x:y=100:0〜0:100、又は80〜20:20〜80、又は70〜30:30〜70が挙げられる。
【0039】
本発明は半導体基板にレジストを被覆しレジスト層を形成し、露光する工程(A)、該レジスト層の表面に第1観点乃至第7観点のいずれか1項に記載の現像液を接触し、レジストパターンの間にポリマー層を形成する工程(B)、レジスト層をドライエッチングで除去し、該ポリマーによるリバースパターンを形成する工程(C)を含む半導体装置の製造方法である。
【0040】
工程(A)に用いられるレジスト材料としては、例えばポリメタクリレート等の樹脂成分を有するレジストを挙げることができる。レジスト溶液は塗布した後に焼成を焼成温度70.0〜150.0℃で、焼成時間0.5〜5分間にて行い、レジスト膜厚は10〜1000nmの範囲で得られる。レジスト溶液や現像液や以下に示す塗布材料は、スピンコート、ディップ法、スプレー法等で被覆できるが、特にスピンコート法が好ましい。レジストの露光は所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びEUV光(波長13.5nm)、電子線等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択される。
【0041】
工程(A)のレジストの形成が、半導体基板上にレジスト下層膜が形成され、その上にレジストを形成することができる。
【0042】
工程(A)のレジストの形成が、半導体基板上に有機下層膜を形成し、その上にケイ素のハードマスクを形成し、その上にレジストを形成させることができる。
【0043】
上記工程(A)で用いられるレジスト下層膜は上層レジストの露光時の乱反射を防止するものであり、また、レジストとの密着性を向上する目的で用いるものであり、例えばアクリル系樹脂やノボラック系樹脂を用いることができる。レジスト下層膜は半導体基板上に膜厚1〜1000nmの被膜を形成することができる。
【0044】
また上記工程(A)に用いられる有機下層膜は有機樹脂を用いたハードマスクであり、炭素含有量が高く水素含有量が低い材料が用いられる。例えばポリビニルナフタレン系樹脂、カルバゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられる。これらは半導体基板上に膜厚5〜1000nmで被膜を形成することができる。
【0045】
また上記工程(A)に用いられるケイ素のハードマスクとしては、上述のポリシロキサン樹脂としては以下に例示される式(2)から選ばれる少なくとも1種の加水分解性シランを加水分解して得られたポリシロキサンを用いることができる。例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、及びフェニルトリエトキシシランを加水分解し得られるポリシロキサンを例示することができる。これらは上記有機下層膜の上に膜厚5〜200nmで被膜を形成することができる。
【0046】
工程(B)において、ドライエッチングマスク形成用ポリマー層の形成の為のポリマーは加熱して形成することができる。加熱は焼成温度50〜180℃で、0.5〜5分間行われる。
【0047】
工程(C)において、ドライエッチングはテトラフルオロメタン、パーフルオロシクロブタン(C
4F
8)、パーフルオロプロパン(C
3F
8)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いて行われる。これにより当初のレジストパターンを除去し、現像液中に含まれていたドライエッチングマスク形成用ポリマーによるリバースパターンが形成される。
【実施例】
【0048】
合成例1
ナフトールノボラック樹脂(1−ナフトール:フェノール=50:50のモル比でホルムアルデヒドと反応しノボラック樹脂を合成した。重量平均分子量は3200)3gをプロピレングリコールモノメチルエーテル3.88g、酢酸ブチル93.12gに溶解させ、ドライエッチングマスク形成用ポリマーを含む現像液を得た。
【0049】
合成例2
シリコン含有樹脂(3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート:メチルトリエトキシシラン=20:80のモル比で混合し、混合したシランを加水分解と縮合を行いポリシロキサン樹脂を得た。重量平均分子量は26000)3gを4−メチル−2−ペンタノール3.88g、酢酸ブチル93.12gに溶解させ、ドライエッチングマスク形成用ポリマーを含む現像液を得た。
(レジスト未露光部の置換とドライエッチングによるパターニング)
【0050】
実施例1
シリコン基板上にレジスト下層膜(市販品、樹脂成分はポリメタクリレート)をスピナーを用いて膜厚80nmで製膜し、その膜上にArF用レジスト溶液(市販品、樹脂成分はポリメタクリレート)を、スピナーを用いて塗布した。ホットプレート上で、100℃で60秒間加熱することにより膜厚100nmのレジスト膜を形成した。ArFエキシマレーザー用露光装置(NIKON社製、S307E)を用い、所定の条件で露光する。目的の線幅を65nmラインアンドスペースとし、露光後、105℃で60秒間加熱(PEB)を行い、クーリングプレート上で室温まで冷却した。合成例1で得られた現像液をレジスト膜上に液盛りし、60秒間静置、1500rpmで60秒スピンして溶剤をスピンドライし、さらに合成例1の現像液を液盛りして5秒間静置し、1500rpmで60秒スピンしてパターン形成膜とレジスト未露光部の置換を行なった。
レジスト未露光部の置換の有無は、断面SEM観察により判断した。
【0051】
実施例2
上記実施例1において、合成例1の現像液の代わりに合成例2の現像液を用いた以外は同様に行った。
【0052】
比較例1
上記実施例1において、有機溶剤のみからなる現像液をスピンコートし、その後に実施例1の現像液を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0053】
表1においてドライエッチングマスク形成用ポリマーを含む現像液によるポリマーの埋め込み性の評価は、断面SEMによる観察でパターン形成が良好な場合を「良好」として、パターン形成が不良又はパターン形成が行われなかった場合を「なし」とした。
パターン倒れの有無の評価は断面SEMによる観察でパターン倒れがない場合を「なし」として、パターン倒れを生じた場合を「あり」とした。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例2で埋め込んだ膜のドライエッチングによるパターニングを行なった。エッチングガスとしてCF
4を用いたドライエッチングを行い、レジストパターン上部を露呈させた。最後に、エッチングガスとしてO
2を用いたドライエッチングを行い、レジストを除去してパターンが得られる。レジストパターンと共に、レジスト下層膜の少なくとも一部がエッチングされた。