(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁基板と、前記絶縁基板の一方の面側及び他方の面側に配置されたアンテナ回路と、前記一方の面側に配置されたアンテナ回路の一部に並列状に配置され、2種以上のICチップバンプ位置に対応した対向端子部と、前記一方の面側に配置されたアンテナ回路の一部に前記対向端子部と並列状に配置されたコンデンサパターン部とを有する非接触式ICカード又は非接触式ICタグ用の回路基板であって、
前記コンデンサパターン部が、前記絶縁基板の一方の面側に配置された導電性テープと、前記絶縁基板の他方の面側に前記一方の面側の導電性テープと平面視重なるように配置された1個の平面パターンB
とを有する非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板。
請求項1又は2の非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板と、前記2種以上のICチップバンプ位置に対応した対向端子部の何れかに搭載されたICチップとを有する非接触式ICカード又は非接触式ICタグ。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触式ICカード又は非接触式ICタグは、キャッシュカード(バンクカード)、クレジットカード、社員証カード、鉄道・バス等の交通機関やアミューズメントのサービスに使用するプリペイドカードなど、幅広い業界に導入され、身近な生活からビジネスまで様々な分野で利用が始まっている。更に、公共機関のサービスに利用する住民基本台帳カードや運転免許証カードなど、セキュリティー性の高い分野へも普及が始まっている。そのため、非接触式ICカードに搭載されるICチップとして、通信プロトコルやセキュリティー機能、メモリ容量、などの異なる多種多様なICチップが上市されている。一方で非接触式ICカード又は非接触式ICタグの製造メーカは、前記ICチップを搭載した多品種の非接触式ICカード又は非接触式ICタグを、低コスト短納期で提供できるようになることが望まれる。
【0003】
前記のようなICチップを搭載する多品種の非接触式ICカード又は非接触式ICタグを製造するには、各種ICチップ毎に対応した回路基板をそれぞれ準備しておく必要がある。その理由としては、ICチップ毎にチップサイズやバンプ位置、内部キャパシタンスなどが各々異なるため、実装端子位置やアンテナサイズ、ターン数、コンデンサ面積などのアンテナ側のインピーダンスを決める最適な回路レイアウトが異なるためである。ここで前記回路基板は、エッチングまたは印刷方式によってパターン形成されたアンテナを有する回路基板であり、非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板として最も汎用的に適用されている方式である。そのため、各種ICチップに対応した回路基板毎に、パターン形成するためのマスクまたは版を製作する必要があり、種類分のイニシャルコストが発生する。
【0004】
そこで、数種類のICチップに対応した共通材料として使用できる回路基板を提供するため、1種の回路基板でコンデンサ面積を変更でき、ICチップ毎に最適な共振周波数が得られる方法が、特許文献1に記載されている。特許文献1によれば、カード基体内にアンテナと等単位調整量の静電容量を持つ複数の平面パターンからなる平面状の調整用コンデンサを有し、単位調整量の平面パターンを段階的に切断してコンデンサ容量を減少させることにより、共振周波数を調整して良好な通信状態の確保が可能とされていることを特徴とする非接触型ICカードが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の非接触型ICカードでは、コンデンサ容量を調整するためには、回路基板をカッター等の刃物、または抜き型を使用して切断すると示されているが、後工程のカード状に成形する工程において、例えばロールラミネートする際に、張力や圧力による回路基板の破断や、ラミネート後に切断部表面に凹凸が発生するような不具合が起こり得る。またカード表皮材との貼り合せのために、回路基板の片側に接着剤または粘着材を積層すると、反対面から接着剤または粘着材が染み出し、ラミネートロールに付着するなどの不具合が発生することも考えられる。
【0007】
本発明は、バンプ位置及び内部キャパシタンスが異なる2種以上のICチップから任意に選択した何れか1種を実装することができ、更には各種ICチップが通信動作するための最適な共振周波数を得ることができる非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板及び非接触式ICカード又は非接触式ICタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、絶縁基板と、前記絶縁基板の一方の面側及び他方の面側に配置されたアンテナ回路と、前記一方の面側に配置されたアンテナ回路の一部に並列状に配置され、2種以上のICチップバンプ位置に対応した対向端子部と、前記一方の面側に配置されたアンテナ回路の一部に前記対向端子部と並列状に配置されたコンデンサパターン部とを有する非接触式ICカード又は非接触式ICタグ用の回路基板であって、前記コンデンサパターン部が、前記絶縁基板の一方の面側に配置された導電性テープと、前記絶縁基板の他方の面側に前記一方の面側の導電性テープと平面視重なるように配置された1個の平面パターンBとを有する非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板である。
本発明では、アンテナ回路の一部に並列状に配置され、2種以上のICチップバンプ位置に対応した対向端子部を有するので、1種類のICチップだけでなく、バンプ位置が異なる違う種類のICチップも搭載できるので、2種類以上のICチップで一つのアンテナ回路を兼用することができる。このため、バンプ位置が異なる2種以上のICチップから任意に選択した何れか1種を実装することができる。また、コンデンサパターン部が、絶縁基板の一方の面側に配置された導電性テープと、絶縁基板の他方の面側に一方の面側の導電性テープと平面視重なるように配置された1個の平面パターンBとを有するので、導電性テープを、実装されるICチップによって予め決められた面積分だけを貼り付けることによって、実装されるICチップが通信動作するための最適な共振周波数を得ることができる。
【0009】
また、本発明は、上記において、前記コンデンサパターン部が、更に、前記絶縁基板の一方の面側に配置された2個以上の孤立した平面パターンAを有し、前記絶縁基板の他方の面側に前記一方の面側の導電性テープと平面視重なるように配置された1個の平面パターンBが、前記絶縁基板の他方の面側に前記一方の面側の2個以上の孤立した平面パターンAと平面視重なるように配置され、前記絶縁基板の一方の面側に配置された導電性テープが、前記2個以上の孤立した平面パターンAを電気的に接続するように配置される非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板である。
これにより、表面側の孤立した2個以上の平面パターンAを、実装されるICチップによって予め決められた個数分だけ導電性テープを貼り付けて接続することによって、実装されるICチップが通信動作するための最適な共振周波数を得ることができる。
【0010】
本発明は、上記の何れかの非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板と、前記2種以上のICチップバンプ位置に対応した対向端子部の何れかに搭載されたICチップとを有する非接触式ICカード又は非接触式ICタグである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、バンプ位置及び内部キャパシタンスが異なる2種以上のICチップから任意に選択した何れか1種を実装することができ、更には各種ICチップが通信動作するための最適な共振周波数を得ることができる非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板及び非接触式ICカード又は非接触式ICタグを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
(第1の実施形態)
図1から
図3は、第1の実施の形態に係る非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11の概略構成を示すものである。
図1は、非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11の全体を表面側(一方の面側)から見た平面図であり、
図2は、非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11の全体を裏面側(他方の面側)から見た平面図であり、
図3は、
図1の対向端子部3を表面側から見た拡大平面図である。
【0015】
図1から
図3に示すように、第1の実施の形態の非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11は、絶縁基板1と、前記絶縁基板1の表面側に形成されたアンテナ回路2と、前記アンテナ回路2のパターンの一部を分離するように並列して接続された2種以上のICチップバンプに対応した対向端子部3と、前記アンテナ回路2の一部から分岐配線され、前記対向端子部3と並列して形成されたコンデンサパターン部4と、前記アンテナ回路2の最外周部と最内周部の一部に形成された表面側のスルーホール部A6とを有する。前記コンデンサパターン部4は、前記絶縁基板1の表面側に貼り付けられた導電性テープ5と、前記絶縁基板1の裏面側に、前記表面側の導電性テープ5と重なるように配置された1個の平面パターンB4bとを有する。前記1個の平面パターンB4bは、裏面側に配置されたジャンパー線7の一部から分岐配線される。また、前記ジャンパー線7の両端部の前記表面側のスルーホール部A6と重なる位置に、裏面側のスルーホール部B9が配置される。本実施の形態において、「コンデンサパターン部4」とは、裏面側の1個の平面パターンB4bが設けられた領域及びこれに対応する絶縁基板1の表面側の領域をいう。
【0016】
絶縁基板1としては、絶縁性を有し、アンテナ回路2を形成できるベース基材となるものであれば特に制限されるもではないが、例えば、PET(ポリエチンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド等のフィルム基材を用いることができる。
【0017】
アンテナ回路2には、銅やアルミニウム等の金属薄膜、または銀ペースト等の導電性塗料などが用いられる。
図1のように、アンテナ回路2が螺旋状に周回する場合は、閉回路にするため、アンテナ回路2の一部を跨ぐためのジャンパー線7が必要となる。ジャンパー線7の配線方法としては、絶縁基板1にスルーホール部A6、B9を形成し、絶縁基板1の裏面側にジャンパー線7を形成する方法などが用いられる。
【0018】
図3に拡大図を示すように、対向端子部3は、ICチップ10に形成されたバンプ部(図示しない。)と接続するための接続端子であり、各種ICチップ10のバンプ位置と合うように端子形状を形成する。各種ICチップ10によってバンプ位置が異なるため、各種ICチップ10が接続できるよう2種以上の対向端子部3を並列状に設けることができる。なお、バンプ部と対向端子部3を電気的に接続する方法には、異方導電性接着剤を用いた接続方法や、超音波接合などの方法が用いられる。
【0019】
次に、裏面側の平面パターンB4bは、アンテナ回路2と同じく、銅やアルミニウム等の金属薄膜、または銀ペースト等の導電性塗料などが用いられる。裏面側の平面パターンB4bは、実装されるICチップ10が通信動作するための最適な共振周波数を得ることができるよう、導電性テープ5とともに、コンデンサパターン部4に静電容量を生成するためのものである。
【0020】
ここで最適な共振周波数をf
0とし、アンテナ回路2のインダクタンスをL、ICチップ10の内部キャパシタンスをC
i、コンデンサパターン部4の静電容量をC
0とすると、以下の(1)式で表すことができる。
f
0=1/[2×π×{L×(C
i+C
0)}
1/2] ・・・(1)
Lは、アンテナ回路2の外形サイズやターン数、線間距離等によって決められるため、1種のアンテナ回路パターンでは変化しないが、C
iは、実装されるICチップ10によって内部キャパシタンスが異なる。従って、内部キャパシタンスが異なる各種ICチップ10を実装しても最適な共振周波数を得られるようにするには、コンデンサパターン部4の静電容量C
0を調整する必要がある。
【0021】
コンデンサパターン部4によって生成される静電容量C
0は、絶縁基板1の表裏に形成された相対する表面側のコンデンサパターン部4に配置された導電性テープ5と裏面側の平面パターンB4bの平面視において重なる面積S、パターン間距離d、及び絶縁基板1の材質による比誘電率εr、で決定され、以下の(2)式で表すことができる。
C
0=ε
r×S/d ・・・(2)
ε
rおよびdは、1種の絶縁基板1では調整できないため、Sによって調整することができる。
その方法として、
図1に示すように、表面側のコンデンサパターン部4の一部に貼り付ける導電性テープ5の面積を任意に調整することで、表面側の導電性テープ5と裏面側の平面パターンB4bが平面視において重なる面積Sを調整できる。つまりコンデンサパターン部4の静電容量C
0を調整することができる。
【0022】
上記より、第1の実施形態に係る非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11は、バンプ位置及び内部キャパシタンスが異なる2種以上のICチップ10からいずれか1種を任意に実装することができ、更には各種ICチップ10が通信動作するための最適な共振周波数を得ることができる。
【0023】
(第2の実施形態)
図4から
図8は、第2の実施の形態に係る非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11の概略構成を示すものである。
図4、
図6、
図7は、非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11の全体を表面側(一方の面側)から見た平面図であり、
図5は、非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11の全体を裏面側(他方の面側)から見た平面図であり、
図8は、
図6のコンデンサパターン部4を表面側から見た拡大平面図である。
【0024】
図4から
図8に示すように、第2の実施の形態の非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11は、絶縁基板1と、前記絶縁基板1の表面側に形成されたアンテナ回路2と、前記アンテナ回路2のパターンの一部を分離するように並列して接続された2種以上のICチップバンプに対応した対向端子部3と、前記アンテナ回路2の一部から分岐配線され、前記対向端子部3と並列して形成されたコンデンサパターン部4と、前記アンテナ回路2の最外周部と最内周部の一部に形成された表面側のスルーホール部A6とを有する。前記コンデンサパターン部4は、前記絶縁基板1の表面側に貼り付けられた導電性テープ5と、前記絶縁基板1の裏面側に、前記表面側の導電性テープ5と重なるように配置された1個の平面パターンB4bと、更に、前記絶縁基板1の表面側に配置された2個以上の孤立した平面パターンA4aを有する。前記1個の平面パターンB4bは、裏面側に配置されたジャンパー線7の一部から分岐配線され、前記絶縁基板1の裏面側に前記表面側の2個以上の孤立した平面パターンA4aと平面視重なるように配置される。前記ジャンパー線7の両端部の前記表面側のスルーホール部A6と重なる位置に、裏面側のスルーホール部B9が配置される。前記絶縁基板1の表面側に配置された導電性テープ5は、前記2個以上の孤立した平面パターンA4aを電気的に接続するように配置される。なお、本実施の形態において、「コンデンサパターン部4」とは、裏面側の1個の平面パターンB4bが設けられた領域及びこれに対応する絶縁基板1の表面側の領域をいう。
【0025】
図4、
図6、
図7、
図8に示すように、前記表面側のコンデンサパターン部4は2個以上の孤立した平面パターンA4aとして形成しておき、導電性テープ5を貼付けて接続する平面パターンA4aの個数を選択することで、表面側の平面パターンA4aと裏面側の平面パターンB4bが平面視において重なる面積Sを調整できる。つまりコンデンサパターン部4の静電容量C
0を調整することができる。
【0026】
上記より、第2の実施形態に係る非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11は、バンプ位置および内部キャパシタンスが異なる2種以上のICチップ10からいずれか1種を任意に実装することができ、更には各種ICチップ10が通信動作するための最適な共振周波数を得ることができる。
【実施例】
【0027】
以下、
図4〜から
図8を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0028】
まず、
図4に示すように、絶縁基板1となる厚み50μmの透明PETの片面に、厚み9μmのアルミニウム箔を接着し、エッチング加工により螺旋状に周回するアンテナ回路2、3種の対向端子部3、および表面側の平面パターンA4aを形成した(
図4には、導電性テープ5及びICチップ10が示されているが、この時点では、導電性テープ5及びICチップ10は配置されない。)。なお、アンテナ回路2の外形サイズやターン数、線間距離等によって、インダクタンスLは2μHとなるように設計した。3種の対向端子部3は、NXP社製のICチップ10「NTAG203」、「SL2ICS20」、「MF1S5001」(何れも商品名。)の3種のICチップ10が実装できる端子形状とした。また、表面側の平面パターンA4aは、以下式により各種ICチップ10が動作するための最適な共振周波数が得られるよう、C
1=12.9pF、C
2=28.3pF、C
3=3.0pFとなる静電容量の3個のコンデンサを形成する面積とした。
【0029】
設計の手順は以下の通りである。
アンテナ回路2のインダクタンスL:2μH
「NTAG203」の内部キャパシタンス:50pF
「NTAG203」の最適共振周波数:14.2MHz
「SL2ICS20」の内部キャパシタンス:23.5pF
「SL2ICS20」の最適共振周波数:14.0MHz
「MF1S5001」の内部キャパシタンス:16.1pF
「MF1S5001」の最適共振周波数:14.5MHz
コンデンサパターン部4の静電容量は、
前記(1)式 f
0=1/[2×π×{L×(C
i+C
0)}
1/2]
より、C
0={1/(2×π×f
0)
2/L}−C
i ・・・(3)
で求められる。その結果、
「NTAG203」実装時のC
0=12.9pF
「SL2ICS20」実装時のC
0=41.2pF
「MF1S5001」実装時のC
0=44.2pF
となった。ここで、
「NTAG203」実装時は平面パターンA4aを1個(C
1)
「SL2ICS20」実装時は平面パターンA4aを2個(C
1、C
2)
「MF1S5001」実装時は平面パターンA4aを3個(C
1、C
2、C
3)
接続することとすると、
C
1=12.9pF
C
1+C
2=41.2pF
C
1+C
2+C
3=44.2pF
より、
C
1=12.9pF
C
2=28.3pF
C
3= 3.0pF
となる。
【0030】
次に、
図5に示すように、アンテナ回路2の最外周部と最内周部の一部にスルーホール部A6を設け、その後、絶縁基板1裏面側に銀ペースト導電塗料でジャンパー線7および裏面側の平面パターンB4bを印刷方式で形成し、表面側のアンテナ回路2と導通させた。次に、
図4に示すように、前記3種のICチップ10から任意の1種を実装するため、そのICチップ10に対応した1種の対向端子部3の先端部に異方導電性接着剤(図示しない。)をポッティングし、その上にICチップ10を搭載し、熱圧着することにより対向端子部3とICチップ10を接続した。次に、
図4に示すように、実装したICチップ10の種類により、前記で求めたコンデンサパターン部4の静電容量となるよう、導電性テープ5を貼付け、表面側の平面パターンA4aを所定個数接続した。
【0031】
ここで、「NTAG203」を実装した回路基板11の平面図を
図4に、「SL2ICS20」を実装した回路基板11の平面図を
図6及び
図8に、「MF1S5001」を実装した回路基板11の平面図を
図7に示す。
【0032】
上記によって製造された実施例3種の非接触式ICカード用又は非接触式ICタグ用の回路基板11を、ネットワークアナライザにより共振周波数を評価した結果、以下の通り最適な共振周波数が得られ、情報読取り書込み装置により安定して通信動作できることを実証できた。
「NTAG203」実装時の回路基板11の共振周波数:14.22MHz
「SL2ICS20」実装時の回路基板11の共振周波数:14.01MHz
「MF1S5001」実装時の回路基板11の共振周波数:14.48MHz