(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
一般式(1)において、R
1及びR
2は粘度を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。他の液晶成分との混和性を上昇させるためには、R
1及びR
2が異なることが好ましい。
【0017】
A
1及びA
2は各々独立して、粘度を低下させる為にはトランス−1,4−シクロヘキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが更に好ましい。他の液晶成分との混和性を向上させる為には、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましい。T
niを上昇させる為には、無置換の1,4−フェニレン基、無置換のナフタレン−2,6−ジイル基であることが好ましい。液晶表示素子とした際の長期信頼性を向上させるには窒素原子を含有しないことが好ましい。粘度、他の液晶成分との混和性、及びT
niをバランスよく向上させる観点からは、A
1又はA
2の少なくとも1つ以上がトランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、且つ、A
1又はA
2の少なくとも1つ以上が無置換の1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましい。より具体的には、n
1+n
2が2を表す場合、A
1又はA
2のいずれか一方がトランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、且つA
1又はA
2のいずれか一方が無置換の1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましく、A
1がトランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、且つA
2が無置換の1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることがより好ましい。また、n
1+n
2が3を表す場合、A
1又はA
2の少なくとも1つ以上がトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましく、A
1又はA
2の少なくとも1つ以上が2−フルオロー1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましい。
【0018】
X
2及びX
4は、他の液晶成分との混和性を重視する場合は、X
2がフッ素原子を表すことが好ましい。X
1及びX
3は粘性を重視する場合には共に水素原子である事が好ましく、他の液晶成分との混和性を重視する場合にはフッ素原子である事が好ましい。また、分子中に含まれるフッ素原子の総数が多い場合、T
niの過度の低下、他の液晶成分との混和性の低下を招くことから、分子中に含まれるフッ素原子の総数は1、2、又は3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。具体的には、X
1及びX
3が水素原子であり、X
2及びX
4がフッ素原子であることが好ましく、X
1、X
3及びX
4が水素原子であり、X
2がフッ素原子であることが好ましく、X
1、X
2及びX
3が水素原子であり、X
4がフッ素原子であることが好ましい。
【0019】
n
1は粘度を重視する場合には0又は1であることが好ましく、T
niを重視する場合には1又は2であることが好ましい。他の液晶成分との混和性を高くする為には、0又は1であることが好ましい。
【0020】
n
2は粘度を重視する場合には1であることが好ましく、T
niを重視する場合には1又は2であることが好ましく、他の液晶成分との混和性を高くするためには1であることが好ましい。
【0021】
n
1+n
2については、粘度を重視する場合には2であることが好ましく、T
niを重視する場合には3であることが好ましく、他の液晶成分との混和性を高くするためには2であることが好ましい。n
1+n
2が2である場合、n
1が1であり、n
2が1であることが好ましい。n
1+n
2が3である場合、n
1が1であり、n
2が2であることが好ましく、n
1が0であり、n
2が3であることが好ましい。
【0022】
なお、一般式(1)で表される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
【0023】
好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
一般式(1)の中では以下の一般式(1a)〜一般式(1d)で表される各化合物が好ましい。
【0026】
(式中、R
1、R
2、X
1、X
2、X
3及びX
4は各々独立して前記一般式(1)における、R
1、R
2、X
1、X
2、X
3、X
4と同じ意味を表し、A
2a、A
2b、A
2c、A
2d1及びA
2d2は各々独立して前記一般式(1)におけるA
2と同じ意味を表し、n
d1及びn
d2は各々独立して0又は1を表すが、n
d1+n
d2は1を表す。)
一般式(1a)としては、以下の一般式(1a−1)〜一般式(1a−6)で表される化合物が好ましい。
【0029】
(式中、R
1及びR
2は各々独立して前記一般式(1)における、R
1及びR
2と同じ意味を表す。)
特に、一般式(1a−2)が好ましい。
【0030】
一般式(1b)としては、以下の一般式(1b−1)〜一般式(1b−8)で表される化合物が好ましい。
【0033】
(式中、R
1及びR
2は各々独立して前記一般式(1)における、R
1及びR
2と同じ意味を表す。)
特に、一般式(1b−1)及び(1b−2)が好ましい。
【0034】
一般式(1c)としては、以下の一般式(1c−1)〜一般式(1c−7)で表される化合物が好ましい。
【0037】
(式中、R
1及びR
2は各々独立して前記一般式(1)における、R
1及びR
2と同じ意味を表す。)
特に、一般式(1c−1)、(1c−2)及び(1c−7)が好ましい。
【0038】
一般式(1d)としては、以下の一般式(1d−1)〜一般式(1d−13)で表される化合物が好ましい。
【0043】
(式中、R
1及びR
2は各々独立して前記一般式(1)における、R
1及びR
2と同じ意味を表す。)
特に、一般式(1d−1)、(1d−2)及び(1d−13)が好ましい。
【0044】
本発明の液晶組成物において一般式(1)で表される化合物の含有量が少ないとその効果が現れないため、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、2%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが更に好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、70%以下含有することが好ましく、60%以下含有することがより好ましく、50%以下含有することが更に好ましく、40%以下含有することが特に好ましい。一般式(1)で表される化合物は1種のみで使用することもできるが、2種以上の化合物を同時に使用してもよい。
【0045】
液晶組成物の物性値を調整するために一般式(1)で表される化合物以外の化合物を使用してもよく、液晶相を持つ化合物以外にも必要に応じて液晶相を持たない化合物を添加することもできる。
【0046】
このように、一般式(1)で表される化合物と混合して使用することのできる化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第四成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
【0047】
即ち、第二成分は誘電率異方性が正のいわゆるp型液晶化合物であって、以下の一般式(LC1)及び一般式(LC2)で示される化合物を挙げることができる。
【0049】
(式中、R
LC11及びR
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、A
LC11、及びA
LC21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0051】
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3で置換されていてもよい。)を表し、X
LC11、X
LC12、X
LC21〜X
LC23はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表し、Y
LC11及びY
LC21はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、−CF
3、−OCH
2F、−OCHF
2又は−OCF
3を表し、Z
LC11及びZ
LC21はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表し、m
LC11及びm
LC21はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、A
LC11、A
LC21、Z
LC11及びZ
LC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
R
LC11及びR
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましく、直鎖状であることが更に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
【0053】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC11及びA
LC21はそれぞれ独立して下記の構造が好ましい。
【0055】
Y
LC11及びY
LC21はそれぞれ独立してフッ素原子、シアノ基、−CF
3又は−OCF
3が好ましく、フッ素原子又は−OCF
3が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0056】
Z
LC11及びZ
LC21は単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合、−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合、−OCH
2−又は−CF
2O−がより好ましい。
【0057】
m
LC11及びm
LC21は1、2又は3が好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2が好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するには2又は3が好ましい。
【0058】
一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−a)から一般式(LC1−c)
【0060】
(式中、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表し、A
LC1a1、A
LC1a2及びA
LC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、X
LC1b1、X
LC1b2、X
LC1c1〜X
LC1c4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【0061】
R
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0062】
X
LC11〜X
LC1c4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましい。
【0063】
Y
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF
3又は−OCF
3が好ましい。
【0064】
また、一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−d)から一般式(LC1−m)
【0066】
(式中、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表し、A
LC1d1、A
LC1f1、A
LC1g1、A
LC1j1、A
LC1k1、A
LC1k2、A
LC1m1〜A
LC1m3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、X
LC1d1、X
LC1d2、X
LC1f1、X
LC1f2、X
LC1g1、X
LC1g2、X
LC1h1、X
LC1h2、X
LC1i1、X
LC1i2、X
LC1j1〜X
LC1j4、X
LC1k1、X
LC1k2、X
LC1m1及びX
LC1m2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表し、Z
LC1d1、Z
LC1e1、Z
LC1j1、Z
LC1k1、Z
LC1m1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
【0067】
R
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0068】
X
LC11〜X
LC1m2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましい。
【0069】
Y
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF
3又は−OCF
3が好ましい。
【0070】
Z
LC1d1〜Z
LC1m1はそれぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−が好ましい。
一般式(LC2)は、下記一般式(LC2−a)から一般式(LC2−g)
【0072】
(式中、R
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23はそれぞれ独立して前記一般式(LC2)におけるR
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23と同じ意味を表し、X
LC2d1〜X
LC2d4、X
LC2e1〜X
LC2e4、X
LC2f1〜X
LC2f4及びX
LC2g1〜X
LC2g4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3を表し、Z
LC2a1、Z
LC2b1、Z
LC2c1、Z
LC2d1、Z
LC2e1、Z
LC2f1及びZ
LC2g1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
【0073】
R
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0074】
X
LC21〜X
LC2g4はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子が好ましく、
Y
LC21はそれぞれ独立してフッ素原子、−CF
3又は−OCF
3が好ましい。
【0075】
Z
LC2a1〜Z
LC2g4はそれぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−が好ましい。
【0076】
第三成分は誘電率異方性が負のいわゆるn型液晶化合物であって、以下の一般式(LC3)〜一般式(LC5)で示される化合物を挙げることができる。
【0078】
(式中、R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、A
LC31、A
LC32、A
LC41、A
LC42、A
LC51及びA
LC52はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0080】
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、−CF
3又は−OCF
3で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z
LC31、Z
LC32、Z
LC41、Z
LC42、Z
LC51及びZ
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、Z
5は−CH
2−又は酸素原子を表し、X
LC41は水素原子又はフッ素原子を表し、m
LC31、m
LC32、m
LC41、m
LC42、m
LC51及びm
LC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、m
LC31+m
LC32、m
LC41+m
LC42及びm
LC51+m
LC52は1、2又は3であり、A
LC31〜A
LC52、Z
LC31〜Z
LC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
R
LC31〜R
LC52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
【0082】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC31〜A
LC52はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0084】
Z
LC31〜Z
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−又は−OCH
2−が好ましい。
【0085】
一般式(LC3)は、下記一般式(LC3−a)及び一般式(LC3−b)
【0087】
(式中、R
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31と同じ意味を表し、X
LC3b1〜X
LC3b6は水素原子又はフッ素原子を表すが、X
LC3b1及びX
LC3b2又はX
LC3b3及びX
LC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、m
LC3a1は1、2又は3であり、m
LC3b1は0又は1を表し、A
LC31及びZ
LC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。ただし、一般式(LC3−a)において一般式(LC3−b)で表される群より選ばれる化合物を除く。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
A
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましい。
Z
LC31は単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
一般式(LC3−a)としては、下記一般式(LC3−a1)〜一般式(LC3−a4)を表すことが好ましい。
【0089】
(式中、R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。)
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、R
LC31が炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
【0090】
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b12)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b6)、一般式(LC3−b8)、一般式(LC3−b11)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)及び一般式(LC3−b6)を表すことがさらに好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことが最も好ましい。
【0092】
(式中、R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。)
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、R
LC31が炭素原子数2又は3のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数2のアルキル基を表すことがより好ましい。
【0093】
一般式(LC4)は下記一般式(LC4−a)から一般式(LC4−c)、一般式(LC5)は下記一般式(LC5−a)から一般式(LC5−c)
【0095】
(式中、R
LC41、R
LC42及びX
LC41はそれぞれ独立して前記一般式(LC4)におけるR
LC41、R
LC42及びX
LC41と同じ意味を表し、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるR
LC51及びR
LC52と同じ意味を表し、Z
LC4a1、Z
LC4b1、Z
LC4c1、Z
LC5a1、Z
LC5b1及びZ
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0096】
R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
【0097】
Z
LC4a1〜Z
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
【0098】
第四成分は誘電率異方性が0程度である、いわゆる非極性液晶化合物であり、以下の一般式(LC6)で示される化合物を挙げることができる。
【0100】
(式中、R
LC61及びR
LC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、A
LC61〜A
LC63はそれぞれ独立して下記
【0102】
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2CH
2−は−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z
LC61及びZ
LC62はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、m
iii1は0〜3を表す。ただし、一般式(LC1)〜一般式(LC6)で表される化合物、及び一般式(1)を除く。)
R
LC61及びR
LC62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
【0104】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC61〜A
LC63はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0106】
Z
LC61及びZ
LC62はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましい。
【0107】
一般式(LC6)は、一般式(LC6−a)から一般式(LC6−m)
【0109】
(式中、R
LC61及びR
LC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0110】
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製法1)
一般式(2)
【0112】
(式中、A
2及びR
2は一般式(1)におけるA
2及びR
2と同じ意味を表し、n
3は0又は1を表し、X
5及びX
6はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表すが共にフッ素原子であることはない。)で表される化合物と、一般式(3)
【0114】
(式中、X
3及びX
4は一般式(1)におけるX
3及びX
4と同じ意味を表し、Y
1及びY
2はそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。)で表される化合物を、有機溶媒中において遷移金属触媒、銅触媒及び塩基の存在下反応させることで、一般式(4)
【0116】
(式中、A
2、R
2、X
3及びX
4は一般式(1)におけるA
2、R
2、X
3及びX
4と同じ意味を表し、n
3、X
5及びX
6は一般式(2)におけるn
3、X
5及びX
6と同じ意味を表し、Y
1は一般式(3)におけるY
1と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることが出来る。
【0117】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させることが出来ればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリジノンが特に好ましい。また、必要に応じて複数の溶媒を混合してもよい。
【0118】
反応温度は、反応を好適に進行させることが出来ればいずれでも構わないが、室温から有機溶媒が還流するまでの温度が好ましく、40℃から有機溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から溶媒が還流するまでの温度が特に好ましい。
【0119】
使用する銅触媒としては、反応を好適に進行させることが出来ればいずれでも構わないが、塩化銅(I)、臭化銅(I)又はヨウ化銅(I)が好ましく、ヨウ化銅(I)であることが更に好ましい。
【0120】
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)等のパラジウム系遷移金属触媒又はニッケル系遷移金属触媒が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)又は二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)が更に好ましい。また、反応の進行を促進するため、必要に応じてホスフィン系配位子を加えても良い。
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、アンモニア水溶液、トリエチルアミン又はジイソプロピルアミン等のアミン系試薬、ピリジン又は2,6−ジメチルピリジン等のピリジン系試薬、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム等の炭酸塩が好ましく、トリエチルアミンジイソプロピルアミンが更に好ましい。
【0121】
目的とする一般式(4)で表される化合物を効率よく得るためには、一般式(3)におけるY
1及びY
2が異なることが好ましい。
【0122】
続いて、一般式(4)で表される化合物を、一般式(5)
【0124】
(式中、A
1、X
1、X
2、n
1及びR
1は一般式(1)におけるA
1、X
1、X
2、n
1及びR
1と同じ意味を表し、R
3及びR
4は各々独立して直鎖であっても又は分岐していても良い炭素数1から5のアルキル基を表す。)で表される化合物を、有機溶媒中において遷移金属触媒及び塩基の存在下反応させる事で、一般式(6)
【0126】
(式中、R
1、R
2、A
1、A
2、X
1、X
2及びn
1は一般式(1)におけるR
1、R
2、A
1、A
2、X
1、X
2及びn
1と同じ意味を表し、X
5、X
6及びn
3は一般式(2)におけるX
5、X
6及びn
3と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることが出来る。
【0127】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のN−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましく、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールが更に好ましい。
【0128】
反応温度は、反応を好適に進行する温度であればいずれでも構わないが、室温から有機溶媒が還流するまでの温度が好ましく、40℃から有機溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から有機溶媒が還流するまでの温度が特に好ましい。
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)等のパラジウム系遷移金属触媒又はニッケル系遷移金属触媒が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)又は二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)が更に好ましい。また、反応の進行を促進するため、必要に応じてホスフィン系配位子を加えても良い。
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩類が好ましく、炭酸カリウム又は炭酸セシウムである事が更に好ましい。また、必要に応じて水溶液として使用することも好ましい。
続いて、一般式(6)で表される化合物を有機溶媒中、金属触媒存在下、水素ガスと反応させる事でエタン連結基と結合するA
2が1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3−フルオロ−1,4−フェニレン基を表す一般式(1)で表される化合物を得ることが出来る。
【0129】
使用する有機溶剤としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール又はブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル又は酢酸ブチル等のエステル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、エタノール又は酢酸エチルが好ましい。また、必要に応じて塩酸、酢酸又は硫酸等の酸を添加する事も好ましい。
【0130】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、0℃から80℃が好ましく、室温から60℃が更に好ましい。
【0131】
使用する金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、パラジウム炭素、ルテニウム炭素、白金黒又は酸化白金が好ましく、パラジウム炭素が更に好ましい。
【0132】
反応する際の水素圧は、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、大気圧から0.5MPaであることが好ましく、0.2MPaから0.5MPaであることが更に好ましい。
(製法2)
一般式(7)
【0134】
(式中、X
3及びX
4は一般式(1)におけるX
3及びX
4と同じ意味を表し、Y
3及びY
4はそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。)で表される化合物を有機溶媒中又は無溶媒条件においてトリフェニルホスフィンと反応させる事で、一般式(8)
【0136】
(式中、X
3及びX
4は一般式(1)におけるX
3及びX
4と同じ意味を表し、Y
3及びY
4は一般式(7)におけるY
3及びY
4と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることが出来る。
【0137】
有機溶媒を使用する場合には、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン又はメチルシクロヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン又はメシチレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のN−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒が好ましく、飽和炭化水素系溶媒又は芳香族系溶媒が更に好ましく、トルエン、キシレンであることが特に好ましい。
【0138】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれの温度でも構わないが、室温から有機溶媒が還流するまでの温度が好ましく、50℃から有機溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、90℃から有機溶媒が還流するまでの温度であることが特に好ましい。
【0139】
続いて、一般式(8)で表される化合物を有機溶媒中塩基と反応させてリンイリド試薬を調製したのち、一般式(9)
【0141】
(式中、A
2、n
2及びR
2は、一般式(1)におけるA
2、n
2及びR
2と同じ意味を表す。)で表される化合物と反応させる事で、一般式(10)
【0143】
(式中、X
3、X
4、A
2、n
2及びR
2は一般式(1)におけるX
3、X
4、A
2、n
2及びR
2と同じ意味を表し、Y
3は一般式(7)におけるY
3と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることが出来る。
【0144】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒であることが好ましく、テトラヒドロフランであることが好ましい。また、必要に応じて複数の溶媒を混合して使用することも好ましい。
【0145】
反応温度は、好適に反応を進行させる温度であればいずれの温度でも構わないが、−60℃から20℃であることが好ましく、−40℃から0℃であることが更に好ましい。
【0146】
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド又はカリウムターシャリーブトキシド等の
アルコキシド系試薬、ブチルリチウム、セカンダリーブチルリチウム又はターシャリーブチルリチウム等のアルキルリチウム系試薬、水素化ナトリウムであることが好ましく、カリウムターシャリーブトキシド、水素化ナトリウム、ブチルリチウムであることが更に好ましい。
【0147】
続いて、一般式(10)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物を有機溶媒中において遷移金属触媒及び塩基の存在下反応させる事で、一般式(11)
【0149】
(式中、X
1、X
2、X
3、X
4、A
1、A
2、n
1、n
2、R
1及びR
2は一般式(1)におけるX
1、X
2、X
3、X
4、A
1、A
2、n
1、n
2、R
1及びR
2と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることが出来る。
【0150】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のN−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましく、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールが更に好ましい。
【0151】
反応温度は、反応を好適に進行する温度であればいずれでも構わないが、室温から有機溶媒が還流するまでの温度が好ましく、40℃から有機溶媒が還流するまでの温度が更に好ましく、60℃から有機溶媒が還流するまでの温度が特に好ましい。
使用する遷移金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)又は二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)等のパラジウム系遷移金属触媒又はニッケル系遷移金属触媒が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン]パラジウム(II)又は二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)が更に好ましい。また、反応の進行を促進するため、必要に応じてホスフィン系配位子を加えても良い。
使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩類が好ましく、炭酸カリウム又は炭酸セシウムである事が更に好ましい。また、必要に応じて水溶液として使用することも好ましい。
続いて、一般式(11)で表される化合物を有機溶媒中、金属触媒存在下、水素ガスと反応させる事で一般式(1)で表される化合物を得ることが出来る。
【0152】
使用する有機溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール又はブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル又は酢酸ブチル等のエステル系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、エタノール又は酢酸エチルが好ましい。また、必要に応じて塩酸、酢酸又は硫酸等の酸を添加する事も好ましい。
【0153】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、0℃から80℃が好ましく、室温から60℃が更に好ましい。
【0154】
使用する金属触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、パラジウム炭素、ルテニウム炭素、白金黒又は酸化白金が好ましく、パラジウム炭素が更に好ましい。
【0155】
反応する際の水素圧は、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、大気圧から0.5MPaであることが好ましく、0.2MPaから0.5MPaであることが更に好ましい。
【0156】
本発明の化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶表示素子は、高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPSモード、FFSモード又はECBモード用等の種々のモードの液晶表示素子に適用できる。
【0157】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る液晶表示装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0158】
図1は、互いに対向する二つの基板と、前記基板間に設けられたシール材と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶とを備えている液晶表示素子を示す断面図である。
【0159】
具体的には、基板a100上に、TFT層102、画素電極103を設け、その上からパッシベーション膜104及び配向膜a105を設けたバックプレーンと、基板b200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜(オーバーコート層)201、透明電極204を設け、その上から配向膜b205を設け、前記バックプレーンと対向させたフロントプレーンと、前記基板間に設けられたシール材301と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶層303とを備え、前記シール材301が接する基板面には突起304が設けられている液晶表示素子の具体的態様を示している。
前記基板a又は前記基板bは、実質的に透明であれば材質に特に限定はなく、ガラス、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。プラスチック基板としてはセルロ−ス、トリアセチルセルロ−ス、ジアセチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、更にガラス繊維−エポキシ樹脂、ガラス繊維−アクリル樹脂などの無機−有機複合材料などを用いることができる。
【0160】
なおプラスチック基板を使用する際には、バリア膜を設けることが好ましい。バリア膜の機能は、プラスチック基板が有する透湿性を低下させ、液晶表示素子の電気特性の信頼性を向上することにある。バリア膜としては、それぞれ、透明性が高く水蒸気透過性が小さいものであれば特に限定されず、一般的には酸化ケイ素などの無機材料を用いて蒸着やスパッタリング、ケミカルベーパーデポジション法(CVD法)によって形成した薄膜を使用する。
【0161】
本発明においては、前記基板a又は前記基板bとして同素材を使用しても異素材を使用してもよく特に限定はない。ガラス基板を用いれば耐熱性や寸法安定性の優れた液晶表示素子を作製することができて好ましい。またプラスチック基板であれば、ロールツウロール法による製造方法に適し且つ軽量化あるいはフレキシブル化に適しており好ましい。また、平坦性及び耐熱性付与を目的とするならば、プラスチック基板とガラス基板とを組み合わせると良い結果を得ることができる。
【0162】
バックプレーンには、基板a100上に、TFT層102及び画素電極103を設けている。これらは通常のアレイ工程にて製造される。この上にパッシベーション膜104及び配向膜a105を設けてバックプレーンが得られる。
【0163】
パッシベーション膜104(無機保護膜ともいう)はTFT層を保護するための膜で、通常は窒化膜(SiNx)、酸化膜(SiOx)等を化学的気相成長(CVD)技術等により形成する。
【0164】
また、配向膜a105は、液晶を配向させる機能を有する膜であり、通常ポリイミドのような高分子材料が用いられることが多い。塗布液には、高分子材料と溶剤からなる配向剤溶液が使われる。配向膜はシール材との接着力を阻害する可能性があるため、封止領域内にパターン塗布する。塗布にはフレキソ印刷法のような印刷法、インクジェットのような液滴吐出法が用いられる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、ベーキングにより架橋硬化される。この後、配向機能を出すために、配向処理を行う。
【0165】
配向処理は通常ラビング法にて行われる。前述のように形成された高分子膜上を、レーヨンのような繊維から成るラビング布を用いて一方向にこすることにより液晶配向能が生じる。
【0166】
また、光配向法を用いることもある。光配向法は、光感受性を有する有機材料を含む配向膜上に偏光を照射することにより配向能を発生させる方法であり、ラビング法による基板の傷や埃の発生が生じない。光配向法における有機材料の例としては二色性染料を含有する材料がある。二色性染料としては、光二色性に起因するワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応(例:アゾベンゼン基)、二量化反応(例:シンナモイル基)、光架橋反応(例:ベンゾフェノン基)、あるいは光分解反応(例:ポリイミド基)のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じる基(以下、光配向性基と略す)を有するものを用いることができる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、任意の偏向を有する光(偏光)を照射することで、任意の方向に配向能を有する配向膜を得ることができる。
【0167】
一方のフロントプレーンは、基板b200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜201、透明電極204、配向膜b205を設けている。
【0168】
ブラックマトリックス202は、例えば、顔料分散法にて作製する。具体的にはバリア膜201を設けた基板b200上に、ブラックマトリックス形成用に黒色の着色剤を均一分散させたカラーレジン液を塗布し、着色層を形成する。続いて、着色層をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
【0169】
あるいは、フォトレジスト型の顔料分散液を使用してもよい。この場合は、フォトレジスト型の顔料分散液を塗布し、プリベークしたのち、マスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
【0170】
カラーフィルタ203は、顔料分散法、電着法、印刷法あるいは染色法等にて作成する。顔料分散法を例にとると、(例えば赤色の)顔料を均一分散させたカラーレジン液を基板b200上に塗布し、ベーキング硬化後、該上にフォトレジストを塗布しプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に現像を行い、パターニングする。この後フォトレジスト層を剥離し、再度ベーキングすることで、(赤色の)カラーフィルタ203が完成する。作成する色順序に特に限定はない。同様にして、緑カラーフィルタ203、青カラーフィルタ203を形成する。
【0171】
透明電極204は、前記カラーフィルタ203上に(必要に応じて前記カラーフィルタ203上に表面平坦化のためにオーバーコート層(201)を設けてもよい。)設ける。透明電極204は透過率が高い方が好ましく、電気抵抗が小さいほうが好ましい。透明電極204はITOなどの酸化膜をスパッタリング法などによって形成する。
【0172】
また、前記透明電極204を保護する目的で、透明電極204の上にパッシベーション膜を設ける場合もある。
【0173】
配向膜b205は、前述の配向膜a105と同じものである。
【0174】
以上本発明で使用する前記バックプレーン及び前記フロントプレーンについての具体的態様を述べたが、本願においては該具体的態様に限定されることはなく、所望される液晶表示素子に応じた態様の変更は自由である。
【0175】
前記柱状スペーサーの形状は特に限定されず、その水平断面を円形、四角形などの多角形など様々な形状にすることができるが、工程時のミスアラインマージンを考慮して、水平断面を円形または正多角形にすることが特に好ましい。また該突起形状は、円錐台または角錐台であることが好ましい。
【0176】
前記柱状スペーサーの材質は、シール材もしくはシール材に使用する有機溶剤、あるいは液晶に溶解しない材質であれば特に限定されないが、加工及び軽量化の面から合成樹脂(硬化性樹脂)であることが好ましい。一方、前記突起は、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法により、第一の基板上のシール材が接する面に設けることが可能である。このような理由から、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法に適した、光硬化性樹脂を使用することが好ましい。
【0177】
例として、前面柱状スペーサーをフォトリソグラフィ法によって得る場合について説明する。
【0178】
前記フロントプレーンの透明電極204上に、柱状スペーサー形成用の(着色剤を含まない)レジン液を塗布する。続いて、このレジン層をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に、現像を行ってレジン層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、レジン層をベーキングして柱状スペーサーが完成する。
【0179】
柱状スペーサーの形成位置はマスクパターンによって所望の位置に決めることができる。従って、液晶表示素子の封止領域内と封止領域外(シール材塗布部分)との両方を同時に作成することができる。また柱状スペーサーは封止領域の品質が低下することがないように、ブラックマトリックスの上に位置するように形成させることが好ましい。このようにフォトリソグラフィ法によって作製された柱状スペーサーのことを、カラムスペーサ又はフォトスペーサと呼ぶことがある。
【0180】
前記スペーサーの材質は、PVA−スチルバゾ感光性樹脂などのネガ型水溶性樹脂や多官能アクリル系モノマー、アクリル酸共重合体、トリアゾール系開始剤などの混合物が使用される。あるいはポリイミド樹脂に着色剤を分散させたカラーレジンを使う方法もある。本発明においては特に限定はなく、使用する液晶やシール材との相性に従い公知の材質でスペーサーを得ることができる。
【0181】
このようにして、フロントプレーン上の封止領域となる面に柱状スペーサーを設けた後、該バックプレーンのシール材が接する面にシール材(
図1における301)を塗布する。
【0182】
シール材の材質は特に限定はなく、エポキシ系やアクリル系の光硬化性、熱硬化性、光熱併用硬化性の樹脂に重合開始剤を添加した硬化性樹脂組成物が使用される。また、透湿性や弾性率、粘度などを制御するために、無機物や有機物よりなるフィラー類を添加することがある。これらフィラー類の形状は特に限定されず、球形、繊維状、無定形などがある。さらに、セルギャップを良好に制御するために単分散径を有する球形や繊維状のギャップ材を混合したり、基板との接着力をより強化するために、基板上突起と絡まりやすい繊維状物質を混合しても良い。このとき使用する繊維状物質の直径はセルギャップの1/5〜1/10以下程度が望ましく、繊維状物質の長さはシール塗布幅よりも短いことが望ましい。
【0183】
また、繊維状物質の材質は所定の形状が得られるものであれば特に限定されず、セルロース、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維やガラス、炭素などの無機材料を適宜選ぶことが可能である。
【0184】
シール材を塗布する方法としては、印刷法やディスペンス法があるが、シール材の使用量が少ないディスペンス法が望ましい。シール材の塗布位置は封止領域に悪影響を及ぼさないように通常ブラックマトリックス上とする。次工程の液晶滴下領域を形成するため(液晶が漏れないように)、シール材塗布形状は閉ループ形状とする。
【0185】
前記シール材を塗布したフロントプレーンの閉ループ形状(封止領域)に液晶を滴下する。通常はディスペンサーを使用する。滴下する液晶量は液晶セル容積と一致させるため、柱状スペーサーの高さとシール塗布面積とを掛け合わせた体積と同量を基本とする。しかし、セル貼り合わせ工程における液晶漏れや表示特性の最適化のために、滴下する液晶量を適宜調整することもあれば、液晶滴下位置を分散させることもある。
【0186】
次に、前記シール材を塗布し液晶を滴下したフロントプレーンに、バックプレーンを貼り合わせる。具体的には、静電チャックのような基板を吸着させる機構を有するステージに前記フロントプレーンと前記バックプレーンとを吸着させ、フロントプレーンの配向膜bとバックプレーンの配向膜aとが向きあい、シール材ともう一方の基板が接しない位置(距離)に配置する。この状態で系内を減圧する。減圧終了後、フロントプレーンとバックプレーンとの貼り合せ位置を確認しながら両基板位置を調整する(アライメント操作)。貼り合せ位置の調整が終了したら、フロントプレーン上のシール材とバックプレーンとが接する位置まで基板を接近させる。この状態で系内に不活性ガスを充填させ、徐々に減圧を開放しながら常圧に戻す。このとき、大気圧によりフロントプレーンとバックプレーンが貼り合わされ、柱状スペーサーの高さ位置でセルギャップが形成される。この状態でシール材に紫外線を照射してシール材を硬化することによって液晶セルを形成する。この後、場合によって加熱工程を加え、シール材硬化を促進する。シール材の接着力強化や電気特性信頼性の向上のために、加熱工程を加えることが多い。
【実施例】
【0187】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。液晶組成物の比抵抗値は、測定用セルに液晶組成物を入れ、電圧(DC)1V印加時の抵抗値を25℃にて測定して得た。相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。
【0188】
T
n−iはネマチック相−等方相の転移温度を表す。
【0189】
化合物記載に下記の略号を使用する。
【0190】
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:n−プロピル基、Bu:n−ブチル基
(実施例1)4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1がエチル基、R
2がプロピル基を表す化合物)の製造
【0191】
【化44】
【0192】
(1−1) 乾燥窒素雰囲気下、4−ヨードブロモベンゼン(101.0g)、ヨウ化銅(I)(2.72g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(8.25g)、DMF(400mL)及びトリエチルアミン(200mL)を混合し、75℃に加熱した。加熱下、4−プロピルフェニルアセチレン(51.5g)をDMF(200mL)に溶解させた溶液を滴下した後、さらに3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水(400mL)及びトルエン(400mL)を加えて分液した。有機層を飽和食塩水(400mL)で2回洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。さらに、アセトン及びメタノールの混合溶媒から再結晶する事で、4−ブロモ−4’−プロピルトラン(94.6g)を得た。
(1−2) 乾燥窒素雰囲気下、工程(1−1)で得られた4−ブロモ−4’−プロピルトラン(20.0g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.77g)、THF(60mL)及び2mol/L炭酸カリウム水溶液(65mL)を混合し、60℃に加熱した。加熱下、4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)−2−フルオロフェニルホウ酸(18.4g)をTHF(55mL)に溶解させた溶液を滴下したのち、さらに2時間撹拌した。反応液を氷冷したのち、水(200mL)を加える事で目的化合物を析出させた。目的化合物を濾過したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製したのち、トルエン及びアセトンの混合溶媒から再結晶する事で4−[4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)−2−フルオロフェニル]−4’−プロピルトラン(26.1g)を得た。
(1−3) 工程(1−2)で得られた4−[4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)−2−フルオロフェニル]−4’−プロピルトラン(26.1g)、5wt%パラジウム炭素(含水品)(1.3g)及びTHF(260mL)をオートクレーブ反応器に仕込み、水素雰囲気下(0.5MPa)、室温に於いて2時間撹拌した。反応液を濾過する事でパラジウム触媒を除去したのち、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製したのち、メタノール及びアセトンの混合溶媒から再結晶する事で、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1がエチル基、R
2がプロピル基を表す化合物)を21.1g得た。
相転移温度(℃):Cr 68.6 N 190.5 Iso
MS m/z:428[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.47(2H,dd,J
1=1.40Hz,J
2=8.02Hz),7.35(1H,t,J=8.12Hz),7.27(2H,d,J=8.16Hz),7.13(4H,d,J=5.24Hz),7.06−6.98(2H,m),2.93(4H,s),2.57(2H,t,J=7.52Hz),2.50(1H,tt,J
1=3.24Hz,J
2=12.0Hz),1.92(4H,t,J=12.1Hz),1.62(2H,sex,J=7.44Hz),1.51−1.40(2H,m),1.31−1.18(3H,m),1.10−1.00(2H,m),0.94(3H,t,J=7.3Hz),0.92(3H,t,J=7.44Hz)
(実施例2)4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−エチルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1がプロピル基、R
2がエチル基を表す化合物)の製造
【0193】
【化45】
【0194】
実施例1に記載の方法と同様にして製造する事で、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−エチルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1がプロピル基、R
2がエチル基を表す化合物)を9.2g得た。
相転移温度(℃):Cr 75.6 N 211.6 Iso
MS m/z:428[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.47(2H,dd,J
1=1.42Hz,J
2=8.02Hz),7.35(1H,t,J=8.12Hz),7.28(2H,d,J=8.16Hz),7.15(4H,s),7.06−6.98(2H,m),2.94(4H,s),2.64(2H,t,J=7.49Hz),2.50(1H,tt,J
1=3.24Hz,J
2=12.0Hz),1.90(4H,t,J=12.1Hz),1.51−1.29(5H,m),1.24(3H,t,J=7.54Hz),1.18−1.19(2H,m),1.10−1.01(2H,m),0.91(3H,t,J=7.44Hz)
(実施例3)4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1及びR
2が共にプロピル基を表す化合物)の製造
【0195】
【化46】
【0196】
実施例1に記載の方法と同様にして製造する事で、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1及びR
2が共にプロピル基を表す化合物)を9.2g得た。
相転移温度(℃):Cr 90.4 N 213.1 Iso
MS m/z:428[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.47(2H,d,J=18.00Hz),7.36(1H,t,J=8.08Hz),7.27(2H,d,J=8.04Hz),7.13(4H,d,J=5.40Hz),7.06−6.98(2H,m),2.93(4H,s),2.56(2H,t,J=7.56Hz),2.50(1H,tt,J
1=3.29Hz,J
2=12.0Hz),1.90(4H,t,J=15.0Hz)1.63(2H,sex,J=7.64Hz),1.51−1.41(2H,m),1.38−1.89(5H,m),1.10−1.00(2H,m),0.95(3H,t,J=7.32Hz),0.90(3H,t,J=7.24Hz)
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)
(実施例4)4−(エチルフェニル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1b−2)のR
1がエチル基、R
2がプロピル基を表す化合物)の製造
【0197】
【化47】
【0198】
実施例1に記載の方法と同様にして製造する事で、4−(エチルフェニル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1b−2)のR
1がエチル基、R
2がプロピル基を表す化合物)を23.6g得た。
相転移温度(℃):Cr 111.0 SmA 130.9 N 219.7 Iso
MS m/z:422[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.54(4H,t,J=8.12Hz),7.50−7.37(3H,m),7.31(4H,d,J=7.96Hz),7.14(4H,d,J=5.96Hz),2.95(4H,s),2.71(2H,t,J=7.56Hz),2.57(2H,t,J=7.60Hz),1.64(2H,sex,J=7.52Hz),1.29(3H,t,J=7.56Hz),0.95(3H,t,J=7.24Hz)
(実施例5)4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)フェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1d−2)のR
1がプロピル基、R
2がエチル基を表す化合物)の製造
【0199】
【化48】
【0200】
実施例1に記載の方法と同様にして製造する事で、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)フェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1d−2)のR
1がプロピル基、R
2がエチル基を表す化合物)を3.4g得た。
MS m/z:510[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.47(2H,dd,J
1=1.41Hz,J
2=8.01Hz),7.33(1H,t,J=8.11Hz),7.28(2H,d,J=8.16Hz),7.15(4H,s),7.06−6.98(2H,m),2.94(4H,s),2.55−1.53(1H,m),2.50(1H,tt,J
1=3.24Hz,J
2=12.0Hz),1.90(4H,t,J=12.1Hz),1.55−1.23(9H,m),1.20−1.01(11H,m),0.97(3H,t,J=7.53Hz),0.90(3H,t,J=7.45Hz)
(比較例1)4’’−(4−trans−ブチルシクロヘキシル)−2’フルオロ−4−プロピル−1,1‘:4’,1’’−テルフェニルの合成
【0201】
【化49】
【0202】
英国特許第2240778号明細書に記載の方法と同様にして、4’’−(4−trans−ブチルシクロヘキシル)−2’フルオロ−4−プロピル−1,1‘:4’,1’’−テルフェニルを合成した。
相転移温度(℃): Cr 154 SmA 234 N 302 Iso
MS m/z:428[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.55(2H,d,J=8.16Hz),7.52(2H,d,J=6.80Hz),7.48(1H,d,J=8.08Hz),8.04(1H,dd,J
1=1.68Hz,J
2=8.04Hz),7.37(1H,dd,J
1=1.44Hz,J
2=12.1Hz),7.31(2H,d,J=8.12Hz),7.28(2H,d,J=8.20Hz),2.64(2H,d,J=7.44Hz),2.52(1H,tt,J
1=3.28Hz,J
2=12.1Hz),1.91(4H,t,J=9.88Hz),1.69(2H,sex,J=7.64Hz),1.51−1.45(2H,m),1.32−1.23(8H,m),1.11−1.02(2H,m),0.99(3H,t,J=7.28Hz),0.91(3H,t,J=6.96Hz)
(比較例2)4−(エチルフェニル)−3−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニルの合成
【0203】
【化50】
【0204】
英国特許第2240778号明細書に記載の方法と同様にして、4−(エチルフェニル)−3−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニルを合成した。
MS m/z:422[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.56(4H,t,J=8.10Hz),7.48−7.40(3H,m),7.31(4H,d,J=7.95Hz),7.14(4H,d,J=5.99Hz),2.93(4H,s),2.70(2H,t,J=7.49Hz),2.57(2H,t,J=7.60Hz),1.62(2H,sex,J=7.55Hz),1.29(3H,t,J=7.58Hz),0.95(3H,t,J=7.21Hz)
(実施例6)液晶組成物の調製−1
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)
【0205】
【化51】
【0206】
を調製した。
この母体液晶(H)80%と、実施例1で得られた4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1がエチル基、R
2がプロピル基を表す化合物)20%からなる液晶組成物(M−A)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0207】
外挿T
n−i:183.9℃
外挿Δε:0.25
外挿Δn:0.1886
外挿η
20:46.5mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−A)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0208】
さらに、液晶組成物(M−A)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例7)液晶組成物の調製―2
母体液晶(H)80%と、実施例2で得られた4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−エチルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1がプロピル基、R
2がエチル基を表す化合物)20%からなる液晶組成物(M−B)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0209】
外挿T
n−i:201.4℃
外挿Δε:0.15
外挿Δn:0.1921
外挿η
20:33.5mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−B)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0210】
さらに、液晶組成物(M−B)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例8)液晶組成物の調製―3
母体液晶(H)80%と、実施例3で得られた4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4‘−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1a−2)のR
1及びR
2が共にプロピル基を表す化合物)20%からなる液晶組成物(M−C)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0211】
外挿T
n−i:203.3℃
外挿Δε:0.20
外挿Δn:0.1900
外挿η
20:36.6mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−C)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0212】
さらに、液晶組成物(M−C)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例9)液晶組成物の調製―4
母体液晶(H)85%と、実施例4で得られた4−(エチルフェニル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1b−2)のR
1がエチル基、R
2がプロピル基を表す化合物)15%からなる液晶組成物(M−D)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0213】
外挿T
n−i:196.8℃
外挿Δε:−0.39
外挿Δn:0.2884
外挿η
20:40.3mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−D)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0214】
さらに、液晶組成物(M−D)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(実施例10)液晶組成物の調製―5
母体液晶(H)90%と、実施例5で得られた4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオロ−4’−[2−(4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)フェニル)−1−エチル]ビフェニル(一般式(1d−2)のR
1がプロピル基、R
2がエチル基を表す化合物)10%からなる液晶組成物(M−E)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0215】
外挿T
n−i:284.6℃
外挿Δε:0.11
外挿Δn:0.1512
外挿η
20:80.6mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−E)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0216】
さらに、液晶組成物(M−E)を用いて作製した液晶表示装置は、優れた表示特性を示し、長期にわたり安定な表示特性を保ち、高い信頼性を示した。
(比較例3)液晶組成物の調製―6
母体液晶(H)80%と、比較例1で得られた4’’−(4−trans−ブチルシクロヘキシル)−2’フルオロ−4−プロピル−1,1‘:4’,1’’−テルフェニル20%からなる液晶組成物(M−F)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0217】
外挿T
n−i:239.7℃
外挿Δε:0.26
外挿Δn:0.2471
外挿η
20:55.5mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−F)は、測定翌日に個体が析出していることが確認された。
【0218】
実施例7で得られた本願化合物の外挿T
n−iと外挿η
20を比較すると、実施例7で得られた本願化合物は比較例3の化合物と比べてやや低いT
n−iを示すものの、大きくη
20を低下させることが可能であることが判明した。また、本願化合物は安定したネマチック液晶状態を保持していたことから、他の液晶組成物との混和性に優れることが分かった。
(比較例4)液晶組成物の調製―7
母体液晶(H)90%と、比較例2で得られた4−(エチルフェニル)−3−フルオロ−4’−[2−(4−プロピルフェニル)−1−エチル]ビフェニル10%からなる液晶組成物(M−G)を調製した。この組成物の外挿T
n−i、外挿Δε、外挿Δn、外挿η
20の値は以下のとおりである。
【0219】
外挿T
n−i:189.1℃
外挿Δε:−0.55
外挿Δn:0.2893
外挿η
20:49.4mPa・s
また、調製した液晶組成物(M−G)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持した。
【0220】
実施例9で得られた本願化合物の外挿T
n−iと外挿η
20を比較すると、実施例9で得られた本願化合物は比較例4の化合物と比べてほぼ同程度のT
n−iを示すが、η
20を低下させることが可能であることが判明した。このことから、本願化合物のフッ素置換位置は比較例化合物のフッ素置換位置に比べて粘性を低下させるという効果が認められた。
、低い粘度(η)、大きなΔn、及び液晶組成物への高い混和性を示し、さらに化学的に高い安定性を併せ持つ液晶組成物を得ることができる。このため、高速応答が求められる液晶表示素子用の液晶組成物の構成成分として非常に有用である。