特許第6049170号(P6049170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049170
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】研削方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 7/22 20060101AFI20161212BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   B24B7/22 Z
   H01L21/304 631
   H01L21/304 622J
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-180848(P2012-180848)
(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公開番号】特開2014-37035(P2014-37035A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100087099
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功
(74)【代理人】
【識別番号】100124338
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 健
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 哲一
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−221030(JP,A)
【文献】 特開平10−217081(JP,A)
【文献】 再公表特許第2007/122961(JP,A1)
【文献】 特開2006−269761(JP,A)
【文献】 特開2004−235235(JP,A)
【文献】 特開平8−139062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 7/22
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
うねりがある板状ワークを研削によって平坦化する研削方法であって、
板状ワークの第1の面を保持テーブルが吸引保持し、該第1の面の反対面となる第2の面に基材と糊層とを備える粘着テープを貼着する貼着工程と、
該貼着工程の後、該粘着テープを上にして該板状ワークの側部をクランプして保持するとともに該板状ワークを下側から支持し、該基材の上面を切削バイト刃で切削して該基材の上面を平坦化する平坦化工程と、
該平坦化工程の後、平坦化された該基材を下にして該基材の下面を保持テーブルが吸引保持し、該板状ワークの該第1の面の上面を研削砥石で研削する第1の研削工程と、
該第1の研削工程の後、該板状ワークから該粘着テープを剥離する剥離工程と、
該剥離工程の後、該板状ワークの該第1の研削工程で研削された該第1の面を下にして該第1の面を保持テーブルが吸引保持し、該板状ワークの該第2の面を研削砥石で研削する第2の研削工程と、からなる研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うねりが形成された板状ワークを平坦化する研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエーハメイキングにおいては、例えば、シリコン等の円柱状のインゴットがワイヤソーによってスライスされて円形の板状ワークが形成される。このスライス時において板状ワークにうねりが形成されることがある。したがって、このうねりを除去して板状ワークを平坦化するためには、うねりが形成された板状ワークの片面に樹脂を塗布し、加熱や紫外線照射などによって樹脂を硬化させ、この樹脂が塗布された片面と反対側にある面を研削した後、該片面から樹脂を剥離し、該片面を研削している(例えば、下記の特許文献1及び特許文献2を参照)。
【0003】
また、下記の特許文献3には、板状ワークに塗布した樹脂を削り取る切削ホイールが開示されている。この切削ホイールは、リング状の基台と、該基台の上において少なくとも一箇所に配設された切削刃とを備え、切削刃を回転させながら樹脂を削り取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−148866号公報
【特許文献2】特開2011−103379号公報
【特許文献3】特開2000−173954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
うねりが形成された板状ワークに樹脂を均一に被覆するためには、僅かながらも板状ワークに樹脂を押し付ける必要があるため、その際、板状ワークのうねりが変化して樹脂が硬化することがある。そのため、樹脂が被覆されていない側の板状ワークの面を研削し、その後、板状ワークのうねりがある面から樹脂を剥離すると、樹脂を押し付ける際の板状ワークへの押圧力によって、樹脂を被覆する前に形成されたうねりとは異なる新たなうねりが板状ワークに形成されることがあるため、板状ワークを平坦にすることが容易でないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであり、板状ワークに樹脂を押し付ける際に新たなうねりが形成されても、このうねりを除去して板状ワークを容易に平坦化できるようにすることに発明の解決すべき課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、うねりがある板状ワークを研削によって平坦化する研削方法であって、板状ワークの第1の面を保持テーブルが吸引保持し、第1の面の反対面となる第2の面に基材と糊層とを備える粘着テープを貼着する貼着工程と、貼着工程の後、該粘着テープを上にして該板状ワークの側部をクランプして保持するとともに板状ワークを下側から支持し、該基材の上面を切削バイト刃で切削して該基材の上面を平坦化する平坦化工程と、該平坦工程の後、平坦化された該基材を下にして該基材の下面を保持テーブルが吸引保持し、該板状ワークの該第1の面の上面を研削砥石で研削する第1の研削工程と、該第1の研削工程の後、該板状ワークから該粘着テープを剥離する剥離工程と、該剥離工程の後、板状ワークの該第1の研削工程で研削された該第1の面を下にして該第1の面を保持テーブルが吸引保持し、該板状ワークの該第2の面を研削砥石で研削する第2の研削工程と、からなる研削方法によって板状ワークを研削する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、貼着工程において板状ワークのうねりに沿って粘着テープを貼着し、平坦化工程において粘着テープを構成する基材のうねりを切削バイト刃で切削し基材を平坦にした後、保持テーブルで基材を保持するため、第1の研削工程で板状ワークの第1の面に形成されたうねりを除去することができる。さらには、第1の研削工程を実施した後、剥離工程で板状ワークから粘着テープを剥離し、第2の研削工程において板状ワークの第2の面に形成されたうねりを除去することができる。したがって、板状ワークの第1の面及び第2の面のうねりを除去して板状ワークを容易に平坦化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】板状ワークに粘着テープを貼着する貼着工程を示す断面図である。
図2】クランプ部によって板状ワークの側部をクランプして、切削刃で基材のうねりを除去して平坦にする平坦化工程を示す断面図である。
図3】板状ワークの第1の面を研削する第1の研削工程を示す断面図である。
図4】板状ワークから粘着テープを剥離する剥離工程を示す断面図である。
図5】板状ワークの第2の面を研削する第2の研削工程を示す断面図である。
図6】半リング状で凸部を有するクランプ部で板状ワークの側部をクランプする状態を示す断面図である。
図7】半リング状で凸部を有するクランプ部で板状ワークの側部をクランプする状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示す板状ワーク1は、その下面が第1の面2となっており、第1の面2の反対側にある上面が第2の面3となっている。以下では、うねりが形成された板状ワーク1の研削方法について説明する。
(1)貼着工程
まず、図1に示すように、回転可能な保持テーブル10aが板状ワーク1を保持する。保持テーブル10aには、多孔質部材12が形成され、その表面が保持面11となっている。保持面11は吸引孔13を介してエアーの吸引源14に接続されている。
【0011】
吸引源14が作動すると、保持面11が板状ワーク1の第1の面2を吸引保持し、板状ワーク1の第2の面3を上向きにして露出させる。その後、基材6と糊層7とにより形成される粘着テープ5の糊層7側を板状ワーク1の第2の面3に貼着する。
【0012】
基材6としては、例えば、板状ワークの分割時にデバイスの表面を保護するダイシングテープを使用することができる。使用する基材6の厚みは、概ね100μm〜150μmに形成されていることが望ましい。なお、図1に示す板状ワーク1にはうねりがないが、これは保持テーブル10aの吸引保持によるためであり、糊層7が板状ワーク1の第2の面3に均一に接着されることで、粘着テープ5は板状ワーク1のうねりに沿って貼着される。
【0013】
(2)平坦化工程
貼着工程を実施した後、粘着テープ5の基材6を平坦化する。図1に示した保持テーブル10aから板状ワーク1を離間させると、図2(a)に示すように、板状ワーク1のうねりに沿って粘着テープ5が貼着された状態となる。すなわち、板状ワーク1の第2の面3のうねりに沿って糊層にもうねりが形成されるとともに、基材6の上面6a及び下面6bにもうねりが形成されている。
【0014】
次に、図2(b)に示すように、基材6の上面6aを上にして、例えばリング状のクランプ部8を用いて板状ワーク1の側部4をクランプして保持する。クランプ部8は、板状ワーク1が動かないように固定することができる。
【0015】
次いで、図2(c)に示す切削バイト刃9が基材6の上面6aを走査し、切削バイト刃9に備える切り刃部9aが上面6aのうねりを削ぎ取るようにして除去する。全てのうねりが除去されると、図2(d)に示すように、基材6の上面6aが平坦に形成される。
【0016】
(3)第1の研削工程
平坦化工程を実施した後、図3に示すように、板状ワーク1の第1の面2を研削する。まず、粘着テープ5が貼着された板状ワーク1を反転させ、基材6の上面6aを下にして保持テーブル10bの保持面11に基材6の上面6aを吸引保持させることで第1の面2を上向きに露出させる。次いで、保持テーブル10bは、例えば矢印A方向に回転する。なお、保持テーブル10bは、上記の保持テーブル10aと同様の構成となっている。
【0017】
次に、板状ワーク1に研削を施す研削手段20が作動して板状ワーク1を研削する。図3に示す研削手段20は、回転可能なスピンドル21と、スピンドル21の下端に装着された研削ホイール22と、研削ホイール22の下部に環状に固着された研削砥石23とを備えている。研削手段20は、研削ホイール22を例えば矢印A方向に回転させながら、所定の研削送り速度で研削砥石23を板状ワーク1の第1の面2に接触するまで下降させる。
【0018】
図3に示すように、研削砥石23が第1の面2に接触したら、研削手段20は、研削砥石23によって板状ワーク1の第1の面2に所定の研削荷重をかけながら、第1の面2に形成されたうねりを除去する。このようにして、板状ワーク1の第1の面2が平坦に形成される。
【0019】
(4)剥離工程
第1の研削工程を実施した後、図4に示すように、板状ワーク1から粘着テープ5を剥離する。これにより、板状ワーク1の第2の面3に形成されたうねりが露出した状態となる。なお、粘着テープ5を剥離する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、剥離用のテープを使用して板状ワーク1から粘着テープ5を剥離することが可能である。
【0020】
(5)第2の研削工程
剥離工程を実施した後、図5に示すように、板状ワーク1の第2の面3を研削する。まず、図5(a)に示すように、板状ワーク1を反転させ、平坦に形成された第1の面2を保持テーブル10bの保持面11に吸引保持させることで第2の面3を上向きに露出させる。次いで、保持テーブル10bは、例えば矢印A方向に回転する。
【0021】
次に、研削手段20が作動し、研削ホイール22を例えば矢印A方向に回転させながら、所定の研削送り速度で研削砥石23を板状ワーク1の第2の面3に接触するまで下降させる。
【0022】
図5(a)に示すように、研削砥石23が第2の面3に接触したら、研削手段20は、研削砥石23によって板状ワーク1の第2の面3に所定の研削荷重をかけながら、第2の面3に形成されたうねりを除去する。このようにして、図5(b)に示すように、板状ワーク1は、板状ワーク1の第1の面2及び第2の面3のうねりが除去されて平坦化される。
【0023】
上記実施形態に示した平坦化工程において、板状ワーク1の側部4をクランプする装置としては、クランプ部8に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、板状ワーク1を下側から支持できるように、内周側に向けて凸部を設けたクランプ部30を使用することが可能である。図7に示すように、少なくとも2つのクランプ部30は、溝31を起点として2分割可能になっており、それぞれが半リング状に形成されている。そして、2つのクランプ部30で板状ワーク1を囲繞するようにクランプすることができる。
【0024】
以上のように、貼着工程で板状ワーク1のうねりに沿って粘着テープ5を貼着し、平坦化工程で粘着テープ5を構成する基材6のうねりを切削バイト刃9で切削して基材6を平坦化し、保持テーブル10bが基材6を保持した後、第1の研削工程で板状ワーク1の第1の面2に形成されたうねりを除去し、第2の研削工程において板状ワーク1の第2の面3に形成されたうねりを除去することができるため、板状ワーク1を平坦化することが容易となる。
【符号の説明】
【0025】
1:板状ワーク
2:第1の面
3:第2の面
4:側部
5:粘着テープ
6:基材 6a:上面 6b:下面
7:糊層
8:クランプ部
9:切削バイト刃 9a:切り刃部
10a,10b:保持テーブル 11:保持面 12:多孔質部材
13:吸引孔 14:吸引源
20:研削手段 21:スピンドル 22:研削ホイール 23:研削砥石
30:クランプ部 31:溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7