(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜3のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物、ならびに/または、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、あらゆる比率のそれらの混合物の少なくとも1種を含む、医薬。
炎症状態、免疫学的状態、自己免疫状態、アレルギー状態、リウマチ状態、血栓性状態、がん、感染症、神経変性疾患、神経炎症性疾患、心血管疾患、または代謝性状態の処置ならびに/または防止のための使用のための、式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはあらゆる比率のそれらの混合物であって、該処置ならびに/または防止が、有効量の請求項1に記載の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、請求項5または6に記載の医薬。
関節リウマチ、全身性ループス、喘息、多発性硬化症、骨関節炎、虚血傷害、巨細胞性動脈炎、炎症性腸疾患、糖尿病、嚢胞性線維症、乾癬、シェーグレン症候群および移植片器官拒絶の群から選択された疾患の処置および/または防止のための使用のための、請求項7に記載の医薬。
アルツハイマー病、ダウン症候群、アミロイドーシス−オランダ型を有する遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、パーキンソン病の群から選択された疾患の処置および/または防止のための使用のための、請求項7に記載の医薬。
リーシュマニア、らい菌、結核菌および/またはマイコバクテリウム・アビウムを含むマイコバクテリア、リーシュマニア、マラリア原虫、ヒト免疫不全ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、単純ヘルペスウイルス、C型肝炎ウイルスの群から選択された疾患の処置および/または防止のための使用のための、請求項7に記載の医薬。
(a)有効量の、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物、ならびに/または、それらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、あらゆる比率のそれらの混合物
ならびに
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の別箇のパックからなるセット(キット)。
【背景技術】
【0003】
タンパク質キナーゼが代謝、細胞増殖、細胞分化および細胞生存を含むほぼすべての細胞プロセスを調節するので、それらは様々な疾患状態のための治療的介在のための魅力的な標的である。例えば、タンパク質キナーゼが極めて重要な役割を果たす細胞周期制御、免疫変調、ストレス応答および血管新生は、多数の疾患状態、例えば、がん、炎症性疾患、神経変性疾患、慢性感染症、異常な血管新生およびそれに関連する疾患、アテローム性動脈硬化症、黄斑変性、糖尿病、肥満および疼痛と関連する細胞プロセスであるが、それらに限定されない。
【0004】
式Iで表される化合物は、general control nonderepressible 2(GCN2)と称されるストレス応答eIF2キナーゼEIF2AK4を阻害する。
【0005】
固形腫瘍のがん処置の多くの戦略は、可能な限り腫瘤の外科的除去ならびにそれに引き続くがん細胞経路をより特異的に標的する放射線療法および細胞毒性薬または阻害剤での化学療法によるあらゆる残存腫瘍細胞の根絶に焦点を当てている。しかしながら、かかるアプローチの成功は限定的であり、しばしば持続しない。これは主として、かかる細胞毒性薬に対する狭い治療濃度域(特異性および副作用)および細胞傷害性薬物または他の阻害剤によって適用された選択的な圧力に適応するがん細胞の能力のためである。初期の処置に対抵抗性を獲得した少数の腫瘍(幹)細胞の生存は、腫瘍の再成長のきっかけを与えるのに十分であり得る。これらの再発は、ほとんどの場合において初期腫瘍のものと比較して処置するのがより困難である。結果として、腫瘍細胞のより成功的な標的化は、腫瘍細胞の複数の生存および逃避機構を並行して標的化することを必要とし得る(Muller & Prendegast 2007)。
【0006】
悪性度の進展は、細胞生理学の主な上昇(roll up)を伴う。このプロセス中に、成長阻害シグナルに対する不死化または非感受性の根拠であるいくつかの特質が、がん細胞によって獲得される。さらに、腫瘍細胞はまた、微小環境とその先との相互作用を修正する。後者の領域は、腫瘍細胞が免疫監視から逃避するための戦略を含む(Muller & Prendegast 2007)。免疫監視は、悪性成長を制限し、また免疫反応を回避するための機構の発生を誘発する選択的な圧力を与え、それは[Dunn et al. 2004]によって概説されている。本質的に、T細胞免疫性の消失が腫瘍発生率を増加させるのに十分であることは、頻繁に観察されており[Shankaran et al. 2001]、免疫逃避は腫瘍休眠対進行に影響し、浸潤および転移を促進し、治療的応答に対して負に影響すると信じられている。
【0007】
いくつかのメカニズム研究によって、免疫逃避が腫瘍微小環境内の代謝的変化との重要な界面を有することが発見された。抗原に対する免疫耐性を媒介するにあたってのここでの重要な役割は、それぞれ酵素インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)およびアルギナーゼI(ARG)によって行われる必須アミノ酸トリプトファンおよびアルギニンの異化に関連していた(BronteおよびZanovello, 2005;Muller et al., 2005b;MullerおよびPrendergast, 2007;MunnおよびMellor, 2007;Popovic et al., 2007)。
【0008】
IDOは、トリプトファンのキヌレニンへの分解を触媒する単鎖オキシドレダクターゼである。IDOは、過剰の食事由来のトリプトファンを代謝作用で異化するのに関与しているのではなく、トリプトファンレベルを局所的環境において変調させる。がん患者におけるトリプトファン異化の上昇は、トリプトファンまたは異化産物の著しく変化した血清濃度において現れ、これは、腫瘍および流入領域リンパ節において共通して上昇するIDOに関連づけられた。いくつかの刊行物によると、IDO過剰発現は、がんにおける予後不良と関連する[Okamoto et al 2005;Brandacher et al, 2006]。
【0009】
T細胞はIDO活性化に対して優先的に感受性であるようであり、例えばトリプトファンが枯渇した際に、それらは分割することができず、その結果それらに対して提示された抗原によって活性化されるようにはなることができない。MunnおよびMellorおよび共同研究者らは、IDOが免疫性を、T細胞活性化を抑制することにより、および腫瘍抗原に対する末梢性寛容を作成することにより変調させることを明らかにした(MellorおよびMunn, 2004)。これらの機構は、その直近の微小環境、または腫瘍排出リンパ節へと腫瘍細胞によってリクルートされた免疫細胞の破壊を包含する。ここで抗原提示細胞によって掃除された腫瘍抗原は、適応免疫系に交差提示される。直接的に寛容原性であることに加えて、成熟DCは、調節T細胞(Tregs)を拡張する能力を有する[Moser 2003]。
【0010】
トリプトファン異化に加えて、アルギニンの転換は、腫瘍状態微小環境において増加し、多数の報告書によって、腫瘍成長および発育中のアルギナーゼの活性化についての役割が示される。腫瘍浸潤性骨髄系細胞において、アルギニンは、アルギナーゼI(ARG1)、アルギナーゼII(ARG2)によって尿素およびオルニチンに変換され、誘導型の一酸化窒素シンターゼ(NOS2)によってシトルリンおよび一酸化窒素(NO)に酸化される。
【0011】
増加したARG活性は、結腸癌、乳癌、肺癌および前立腺癌を有する患者において頻繁に観察され[Cederbaum 2004]、前立腺癌において所見されるARGおよびNOSの過剰発現と相関する[Keskinege et al. 2001, Aaltoma et al. 2001, Wang et al. 2003]。浸潤性マクロファージのARG活性がCD3受容体の抗原特異性T細胞応答および発現を損なわせることが、示された。さらに、腫瘍関連骨髄系細胞におけるARGおよびNOSの累積的な活性は、最終的にはアポトーシスに至る抗原特異性Tリンパ球に対する阻害シグナルを発生することができる[Bronte 2003 a; 2003b]。
【0012】
IDOおよびARGの両方に関連する機構は、それぞれのアミノ酸濃度の枯渇した濃度を感知するという点において結合する。アミノ酸枯渇中に、general control nondepressible 2(GCN2)と称されるeIF2キナーゼEIF2AK4は、細胞内で蓄積する脱アシル化tRNAと相互作用している。結果として、GCN2は、自己阻害(auto-inhibited)配座から活性配座に変化し、さらに自己リン酸化によって活性化されると推測される。次に、唯一の既知の基質タンパク質eIF2aはリン酸化のものとなり、結果として翻訳開始のための複合体は阻害される[Harding et al. 2000,]。
【0013】
これによって一般的なCap依存性の翻訳開始が減少し、これによって対応するタンパク質産生が減少する。他方では、これによって、ストレス関連標的遺伝子の特定の発現が、主として活性化転写因子4(ATF4)を介してのcap非依存性開始によって誘発される。それぞれのストレス応答タンパク質、例えばアミノ酸代謝における酵素を発現することによって、細胞は、特別の細胞ストレスを補償しようとする[Wek et al. 2006]。
【0014】
ストレスが持続する場合には、同一の経路は、細胞死を、アポトーシス促進性転写因子、CCAAT/エンハンサー結合タンパク質相同タンパク質(CHOP)の転写による促進に切り替わるであろう[Oyadomari 2004]。トリプトファン飢餓が、eIF2aリン酸化および翻訳開始を変更する、T細胞におけるGCN2依存性ストレスシグナリング経路をトリガーし、ひいては細胞成長停止をもたらすことが示された(Munn et al. 2005)。
【0015】
Sharma, et al. [2007]は、成熟Tregsの直接的IDO誘発およびGCN2依存性活性化で公表した。同様に、Fallarino et al [2006]は、CD4+CD25細胞のCD25+FoxP3+Tregs産生IL−10およびTGFβへのGCN2依存性変換を見出した。Rodriguez et al. [2007]は、TCRシグナリングと組み合わせでのトリプトファンまたはアルギニン枯渇によるGCN2経路の活性化によって、CD3ζ鎖ダウンレギュレーション、細胞周期停止およびアネルギーがもたらされることを確認した。
【0016】
重要なことには、GCN2経路は腫瘍免疫回避のために重要であるのみならず、腫瘍生存を直接変調させるにあたって積極的な役割を果たす。Ye et al [2010]は、前述の転写因子ATF4がヒト固形腫瘍において過剰発現されており、腫瘍進行における重要な機能を示唆することを見出した。アミノ酸およびグルコース欠乏は固形腫瘍において所見される典型的なストレスであり、GCN2経路を活性化して、アミノ酸合成および輸送に関与するATF4標的遺伝子をアップレギュレートする。GCN2活性化/過剰発現および増加したホスホ−eIF2aは、正常組織と比較してのヒトおよびマウス腫瘍において観察され、ATF4またはGCN2発現の抑止は、in vivoでの腫瘍成長を著しく阻害した。GCN2−eIF2a−ATF4経路が腫瘍細胞における代謝的ホメオスタシスを維持するために重要であることが、結論付けられた。
【0017】
現在の生物学全般にわたりは、ARG/IDO経路の干渉を、適応機構による腫瘍免疫回避を抑制するために魅力的にする。GCN2機能の干渉は、それが2つの経路、IDOおよびARGの併合ポイントであり、それが直接腫瘍代謝を妨げるための追加の機会を提供するので、ここで特に興味深い。
【0018】
いくつかの経路阻害剤は、既に免疫モジュレーターであると考えられている。これらの阻害剤は、主としてIDOまたはARGタンパク質の酵素的機能に向けられる(MullerおよびScherle, 2006)。アルギナーゼ阻害剤N−ヒドロキシ−nor−L−Argの適用によって、マウスにおけるs.c. 3LL肺癌の成長が阻止される[Rodriguez 2004]。NCX 4016(2−(アセチルオキシ)安息香酸3−(ニトロオキシメチル)フェニルエステル)のようなNO供与アスピリンは、骨髄系細胞の阻害酵素活性を干渉すると報告された。経口的に投与されたNOアスピリンは、がん保有宿主の免疫状態を正常化し、腫瘍抗原特異性Tリンパ球の数および機能を増加させ、がんワクチン接種によって引き起こされた抗腫瘍免疫性の防止的および治療的有効性を増強した(DeSanto 2005)。
【0019】
基質類似体1メチル−トリプトファン(1MT)および関連する分子は、がん背景および他の設定におけるIDOを標的するために広く使用された。Friberg et al. (2002)およびUyttenhove et al. (2003)による研究によって、1MTがIDOを過剰発現する腫瘍の成長を制限することができることが例証された。しかしながら、1MTは、いくつかの腫瘍モデルにおける腫瘍退縮を引き起こすことができず、IDO阻害が単独療法として適用された際の適度の抗腫瘍効能のみが示唆された。
【0020】
対照的に、1MTおよび様々な細胞毒性化学療法薬との併用処置は、いかなる単剤療法に対してもあまり反応しない、定着したMMTV−neu/HER2腫瘍の退縮を引き起こした[Muller et al 2005a]。処置前のマウスからのCD4+またはCD8+ T細胞の免疫枯渇は、このモデルにおいて観察された併用の効能を消滅させ、1MTがT細胞媒介抗腫瘍免疫性の活性化により間接的に作用するという予測が裏付けられた。IDO標的化が1MT作用に必須であるという重要な証拠が、1MTがIDO遺伝的欠乏性マウスにおける抗腫瘍活性を欠如することの実証により提供された[Hou et al., 2007]。
【0021】
GCN2の阻害によって、アミノ酸飢餓誘発免疫エディティング(immunoediting)の2つの経路分枝を併合することを可能とし、腫瘍がいずれかの分枝の阻害を回避するための選択肢を低減させるであろう。さらに、上に詳述したように、GCN2阻害によって、同時に腫瘍代謝に干渉するための機会が提供され、単剤療法または他の抗がんアプローチとの併用療法の効能が増強され得る。
【0022】
上に述べたように、eIF2キナーゼGCN2は、栄養的な欠乏ストレスの直接的な結果として蓄積している脱アシル化tRNAとの相互作用により活性化される。他の細胞ストレス因子、例えばUV照射、レドックスストレスまたはプロテアソーム阻害は、GCN2活性化を間接的に引き起こすことができる[Wek et al 2006]。すべての既知の場合において、eIF2aはリン酸化のものとなり、これによって、ストレス関連標的遺伝子の特定の発現が、主として活性化転写因子4(ATF4)によるcap非依存性開始によって誘発される。
【0023】
Mitsuda et al (2007)は、プレセニリン−1が、GCN2によって調節された、転写因子4(ATF4)を活性化することにより誘発されることを示した。大脳皮質においてγ−セクレターゼによりアミロイド前駆体タンパク質から産生するアミロイド−β(Aβ)の蓄積は、大脳皮質においてアルツハイマー病において共通しており、決定的な事象である。
【0024】
詳細には、プレセニリンは、γ−セクレターゼ活性のために必須である。Ohata et al. (2010)は、オートファジー障害細胞におけるγ−セクレターゼ活性の調節におけるGCN2−eIF2α−ATF4シグナリングの役割を記載している:オートファジーはアミノ酸レベルの維持に必要であるため、オートファジー−リソソーム系の障害によって、細胞におけるアミノ酸不均衡が生じ得る。オートファジー−リソソーム系は、GCN2によるγ−セクレターゼ活性の重大なモジュレーターとして討議され、オートファジー悪化におけるAβ蓄積をもたらし、それは、Aβ産生を低減するための可能な治療的標的であり得る。γ−セクレターゼは、アルツハイマー病(AD)の発生において重要な役割を果たす。γ−セクレターゼ活性は、オートファジー空胞において富化され、それはアミロイド−β(Aβ)合成を増大する。
【0025】
老人斑は、β−セクレターゼ(BACE−1)およびγ−セクレターゼによるタンパク質分解を受けたアミロイド前駆タンパク質(APP)から誘導されたβ−アミロイドペプチド(Aβ)から主に構成されている。O'Connor et al.(2008)は、BACE−1レベルがeIF2αのリン酸化によって翻訳的に増加することを見出した。
【0026】
結果としてAβを蓄積するγ−セクレターゼの活性化または脳におけるBACE−1の誘導を促進するような疾患条件下でのGCN2の阻害は、神経変性疾患の進行を緩和するか、または停止すらさせる有用な手段を提供するであろう。
【0027】
持続性であって、急性ではない、寄生虫またはウイルス感染は、感染性生物または粒子に対する免疫感受性宿主においてでさえの免疫特権状態の確率に関連すると記載された。これは、IDO発現の局所的な誘導に関連していた。Makala et al (J Infect Dis. 2011 Mar 1;203(5):715-25)は、皮膚のリーシュマニア属の主な感染が局所リンパ節において免疫性調節酵素インドールアミン2,3 ジオキシゲナーゼ(IDO)の発現を刺激したことを示した。誘発されたIDOは、樹状細胞のT細胞刺激機能を減衰し、外来性の、および微量寄生中抗原に対する局所的なT細胞応答を抑制した。
【0028】
IDO消失によって、確立している伝染病を有するマウスにおけるIDOの薬理学的阻害と同様に、局所的な炎症および寄生動物負担を低減させた。de Souza Sales (
Clin Exp Immunol. 2011 Aug;165(2):251-63)は、らい腫性ハンセン病免疫抑制におけるインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼの役割を裏付けた。Boasso et al (
Blood. 2007 Apr 15;109(8):3351-9)は、HIVがCD4+ T細胞増殖を、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼを形質細胞様樹状細胞において誘発することにより阻害し、IDOのin vitro阻害の結果、HIV感染者からのPBMCにおける増加したCD4(+)T細胞増殖応答がもたらされることを見出した。
【0029】
IDO/GCN2経路の阻害薬剤を使用して、慢性および持続性感染症に対する宿主免疫性を増強することができるかもしれない。
【0030】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0031】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0032】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0033】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0034】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0035】
特に、本発明は、GCN2によるシグナル伝達の阻害、調節および/または変調が役割を果たす化合物に、および化合物の使用に関する。
【0036】
それゆえ免疫調節またはストレス応答キナーゼ、特にGCN2によるシグナル伝達を特異的に阻害、調節および/または変調させる小化合物の合成が所望され、本発明の目的である。
さらに、本発明の目的は、固形腫瘍癌、リンパ系または血液系のがん、神経変性疾患および慢性感染症を含むが、それらには限定されない腫瘍性悪性病変の防止および処置のための新たな化合物の合成である。
【0037】
本発明による化合物およびそれらの塩が非常に有用な薬理学的特性を有し、同時に良好に耐容されることが見いだされた。
式Iで表される化合物をさらに、GCN2の単離ならびに活性または発現の調査のために使用することができる。さらに、それらは、未制御の、または妨げられたGCN2活性に関連する疾患に対する診断方法において使用するのに特に適している。
【0038】
式Iで表される化合物はまた、チロシンキナーゼFMS(CSF1R)、FLT3もしくはFLT4またはこれらのキナーゼの組み合わせを、GCN2に対する阻害活性に加えて優先的に阻害することができる。
【0039】
FLK−2(胎児肝臓キナーゼ2)およびSTK−I(幹細胞キナーゼ1)としても知られている、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)は、造血幹細胞の増殖および分化において重要な役割を果たす。FLT3受容体キナーゼは、80%より多い骨髄性疾患患者の細胞において、およ
び急性リンパ芽球性白血病細胞の細
胞分画の細胞において非常に高いレベルで発現される。さらに、酵素はまた、リンパ系急性転化における慢性骨髄性白血病を有する患者からの細胞上において所見され得る。FLT3キナーゼが急性骨髄白血病(AML)の30%において、および同様に急性リンパ芽球性白血病(ALL)の一部において変異することが、報告された(Gilliland et al, Blood 100, 1532-1542 (2002);Stirewalt et al., Nat. Rev. Cancer, 3, 650-665 (2003)。FLT3変異における活性化突然変異は、予後不良と関連していた(Malempati et al., Blood, 104, 11 (2004)。FLT3阻害剤は開発途上であり、いくつかはAMLに対する有望な臨床的効果を示した(Levis et al Int. J. Hematol, 52, 100- 107 (2005)。
【0040】
小分子FLT3阻害剤の数種が、FLT3活性化変異を有する細胞系におけるアポトーシスを誘発し、骨髄細胞において変異体FLT3を発現するマウスの生存を延長するにあたり有効であることが、報告されている(Levis et al, Blood, 99, 3885-3891 (2002);Kelly et al, Cancer Cell, 1, 421-432 (2002);Weisberg et al, Cancer Cell, 1, 433-443 (2002);Yee et al, Blood, 100, 2941-2949 (2002)。
【0041】
米国特許出願20090054358には、免疫抑制のための、および特に免疫関連疾患、とりわけ他の自己免疫疾患のなかでも、例えば臓器拒絶、骨髄移植拒絶、骨髄非破壊的骨髄移植拒絶、強直性脊椎炎、関節炎、再生不良性貧血、ベーチェット病、1型糖尿病、移植片対宿主病、グレーブス病、自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、高IgE症候群、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、およびループスなどの処置のためのFlt3阻害剤が記載されている。Flt3阻害剤をまた、神経変性疾患としての神経障害、例えば軸索変性によって生じた疾患を処置するために使用してもよい。神経変性疾患は、例えば、多発性硬化症;脱髄核障害、例えば多発性硬化症、急性横断性脊髄炎を含むが、それらに限定されない。
【0042】
Scott et al (Bioorg. Med Chem Let. (2008) 18 (17) p4794)は、がんの処置のためのCSF−1R阻害剤を記載する。CSF−1Rは、クラスIII受容体チロシンキナーゼのメンバーである。マクロファージ/単球コロニー刺激因子(M−CSF)としても知られているコロニー刺激因子1(CSF−1)は、CSF−1Rに結合し、二量体化、自己リン酸化およびシグナル伝達の活性化をもたらす。1 CSF−1/CSF−1Rシグナリングは、正常な単球発生のために必須である。がんにおいて、腫瘍形成性支持(pro-tumorigenic)マクロファージが同定され、乳癌、卵巣癌および前立腺癌における予後不良と関連付けられている。上昇レベルのCSF−1およびCSF−1Rは、乳癌、卵巣癌および子宮内膜癌を含むいくつかの腫瘍タイプにおいて報告されており、また浸潤および転移に関連付けられている。CSF−1R活性の阻害は、したがって腫瘍関連マクロファージ(TAM)のレベルの低下により腫瘍に対して多数の効果を有し得、腫瘍自体に対して直接的な効果を有し得る(C.E. Lewis, J.W. Pollard, Cancer Res., 66 (2006), p. 605;I. Bingle, N. et al., J. Pathol., 196 (2002), p. 254;B.M. Kacinski, Ann. Med., 27 (1995), p. 79;E. Garwood et al. J Clin Oncol 26: 2008)。
【0043】
Su JL et al. (Cancer Cell. 2006 Mar;9(3):209-23)は、VEGFC/Flt−4軸ががん細胞の浸潤および転移を促進することが報告されている。Flt−4、VEGF受容体は、その特異的リガンド、VEGF−Cによって活性化される。得られたシグナリング経路は、血管新生および/またはリンパ脈管新生を促進する。VEGFC/Flt−4軸はがん細胞移動性および浸潤性を増強し、がん細胞転移の促進に寄与する。様々なタイプのがんからの腫瘍組織の検査によって、臨床的転移および患者の生存と密接に関連する高レベルのFlt−4およびVEGF−C発現が明らかになった。Flt−4キナーゼの阻害は、種々のタイプのがんのにおける浸潤能力を低減させ得る。
【0044】
GCN2への阻害特異性をFMS(CSF1R)、FLT3もしくはFLT4のものと組み合わせること、あるいはこれらのキナーゼの組み合わせにおより、異なる疾患段階における新生物悪性病変の処置のために特に有用であり得る。それは、がん/腫瘍細胞への免疫応答を刺激する効果を組み合わせて、腫瘍関連マクロファージのレベルおよび転移形成に関するがんの浸潤能力を低下させ得る。さらなる観点において、GCN2に対する阻害活性の、特にFLT3の阻害との組み合わせは、それが脳におけるタンパク質堆積物発生の変調を伴う炎症プロセスに対する抑制効果に相乗作用を付与し得るので、神経変性障害の処置のために有利であり得る。別の観点において、GCN2に対する阻害活性の特にFLT3の阻害との組み合わせは、免疫応答を変調させるためにの利点を提供して、免疫関連障害および炎症性疾患または自己免疫疾患を処置し得る。
【0045】
さらなる態様において、本発明は特定的に、GCN2、FMS(CSF1R)、FLT3もしくはFLT4またはこれらのキナーゼの組み合わせによるシグナル伝達を阻害、調節および/または変調する式Iで表される化合物に、これらの化合物を含む組成物に、ならびにGCN2、FMS(CSF1R)、FLT3もしくはFLT4またはこれらのキナーゼの組み合わせによって誘発または変調される疾患および愁訴の処置のためのその使用方法に関する。
【0046】
本発明のさらなる目的は、固形腫瘍癌、リンパ系または血液系のがん、神経変性疾患、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループス、多発性硬化症または他の自己免疫疾患および慢性感染症を含むが、それらには限定されない腫瘍性悪性病変の防止および処置のための新たな化合物の合成である。
【0047】
式Iで表される化合物は、さらにSyk、GCN2、FMS(CSF1R)、FLT3またはFLT4の単離ならびに活性または発現の調査のために使用することができる。加えて、それらは、未制御の、または妨害されたSyk、GCN2、FMS(CSF1R)、FLT3またはFLT4活性に関連する疾患のための診断方法において使用するのに特に適している。宿主または患者は、任意の哺乳動物種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含むげっ歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属し得る。動物モデルは、ヒト疾患の処置のためのモデルを供給する実験的調査のために興味深い。
【0048】
本発明の化合物での処理に対する特定の細胞の感受性を、in vitro試験によって決定することができる。典型的には、細胞の培養物を、本発明による化合物と、様々な濃度で、活性剤、例えば抗IgMが細胞応答、例えば表面マーカーの発現を誘発することを可能にするのに十分である期間にわたり、通常約1時間〜1週間組み合わせる。in vitro試験を、血液からのまたは生検試料からの培養した細胞を使用して行うことができる。発現された表面マーカーの量を、フローサイトメトリーによって、マーカーを認識する特異的な抗体を使用して評価する。
【0049】
用量は、使用する特定の化合物、特定の疾患、患者の状態などに依存して変化する。治療的用量は、典型的には標的組織中の所望されない細胞集団をかなり縮小し、同時に患者の生存可能性を維持するのに十分である。処置を、一般にかなりの縮小、例えば細胞負担の少なくとも約50%の縮小が生じるまで継続し、本質的にもはや所望されない細胞が身体において検出されなくなるまで継続してもよい。
【0050】
シグナル伝達経路の同定、および様々なシグナル伝達経路間の相互作用の検出のために、様々な科学者は、好適なモデルまたはモデル系、例えば細胞培養モデル(例えばKhwaja et al., EMBO, 1997, 16, 2783-93)および遺伝子導入動物のモデル(例えばWhite et al., Oncogene, 2001, 20, 7064-7072)を開発した。シグナル伝達カスケードにおける特定の段階の決定のために、相互作用する化合物を利用してシグナルを変調させることができる(例えばStephens et al., Biochemical J., 2000, 351, 95105)。本発明の化合物をまた、動物および/もしくは細胞培養モデルにおける、または本出願において述べる臨床的疾患におけるキナーゼ依存性シグナル伝達経路を試験するための試薬として使用することができる。
【0051】
キナーゼ活性の測定は、当業者に周知である手法である。基質、例えばヒストン(例えばAlessi et al., FEBS Lett. 1996, 399, 3、333〜338頁)または塩基性ミエリンタンパク質を使用するキナーゼ活性の決定のための包括的な試験系は、文献(例えばCampos-Gonzalez, R.およびGlenney, Jr., J.R. 1992, J. Biol. Chem. 267、14535頁)に記載されている。
【0052】
キナーゼ阻害剤の同定のために、様々なアッセイ系が利用可能である。シンチレーション近接アッセイ(Sorg et al., J. of. Biomolecular Screening, 2002, 7, 11-19)およびフラッシュプレートアッセイにおいて、基質としてのタンパク質またはペプチドのγATPでの放射性リン酸化を、測定する。阻害化合物の存在下で、低下した放射性シグナルが検出可能であるか、または完全に検出可能ではない。さらに、均質時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(HTR−FRET)および蛍光偏光(FP)技術は、アッセイ方法として好適である(Sills et al., J. of Biomolecular Screening, 2002, 191-214)。
【0053】
他の非放射性ELISAアッセイ法は、特異的ホスホ抗体(ホスホAB)を使用する。ホスホABは、リン酸化された基質のみに結合する。この結合を、化学発光によって、ペルオキシダーゼ抱合型抗ヒツジ2次抗体を使用して検出することができる(Ross et al., 2002, Biochem. J.)。
【0054】
さらに本発明は、Sykによるシグナル伝達の阻害、調節および/または変調が役割を果たす化合物および化合物の使用に関する。
【0055】
肥満細胞の活性化に続くシグナリング経路において鍵となる事象の1つは、チロシンキナーゼSykの活性化である。肥満細胞は、炎症誘導性メディエーターおよびサイトカインを放出することにより、喘息およびアレルギー性疾患において重大な役割を果たす。IgEの高親和性受容体であるFcεRJの、抗原を介する凝集は、肥満細胞の活性化という結果をもたらす。これによって、ヒスタミン、プロテアーゼ、ロイコトリエンおよびサイトカインを含むメディエーターの放出をもたらす一連のシグナリング事象が引き起こされる。これらのメディエーターは、増大した血管透過性、粘液産生、気管支収縮、組織分解および炎症を引き起こし、よって、喘息およびアレルギー性疾患の病因ならびに兆候において重大な役割を果たす。Sykキナーゼは、全ての後続シグナリングすべての中心的なイニシエーターとして作用し、メディエーターの放出をもたらす。シグナリング経路におけるSykキナーゼの決定的な役割は、Sykキナーゼ阻害剤として機能するSykキナーゼのSH2ドメインを含有するタンパク質による、メディエーター放出の完全な阻害により、実証された(J. A.Taylor et al, Molec. and Cell Biol, 15: 4149-4157 (1995))。
【0056】
Syk(膵臓チロシンキナーゼ(Spleen-Tyrosine-Kinase))は、とりわけZAP70、Pyk2、Abl、Tie2、KDRおよびHERを含む細胞内チロシンキナーゼのサブファミリーに属する72kDaの非受容体チロシンキナーゼである。Sykは、FcR(FcγRI、II、IIIF、FcεRI、FcαR)およびBCRシグナリングの主要なレギュレーターであり、造血系のいたるところに、ならびに、線維芽細胞、破骨細胞、肝細胞、上皮細胞および神経細胞において発現される。SYKは、C末端キナーゼドメインに加えて、2つのSH2ドメインと10を超える自己リン酸化部位とを呈する
1。
【0057】
SYKは、その両方のSH2ドメインにより、リン酸化されたITAM(単球、マクロファージ、肥満細胞、好中球およびB細胞に発現された、FcγRI、IIA、IIIA、FcαR、FcεRIおよびBCRなどの免疫受容体に存在する、ITAMs(免疫受容体チロシンベース活性化チロシンモチーフ(
Immunoreceptor
Tyrosine-based
Activation
Motif))に特異的にリクルートされ、肥満細胞、B細胞、マクロファージ、単球、好中球、好酸球、NK細胞、DC細胞、血小板および破骨細胞のそれらの受容体の活性化により引き起こされる免疫受容体シグナリングを特異的に仲介する
1、2。
【0058】
BCR架橋の際、Igα/Igβの細胞質尾部のITAMモチーフのチロシン残基は、SrcファミリーキナーゼLynによりリン酸化され、SYKに対するドッキング部位が生じ、よって、BCR免疫複合体にリクルートされる。その後、SYKは、SrcファミリーキナーゼLynによりリン酸化され、活性化される。活性化の際、SYKは、アダプタータンパク質BLNKをリン酸化し、BTKおよびPLCγ
2の両方とのそれぞれのSH2ドメインを介したその相互作用を可能とする。SYKリン酸化されひいては活性化されたBTKは、今度は、PLCγ
2をリン酸化し、活性化させ、IP
3形成、Ca
2+動員、PKCおよびMAPKの活性化、ならびにその結果として、NFAT、AP−1およびNFκB転写因子活性化を招き、B細胞の活性化および表面マーカー発現、サイトカインの放出、生存ならびに増殖という結果をもたらす
3。肥満細胞において、アレルゲン活性化FcεRIは、LYNおよびFYNにリン酸化され、SYKをリクルートし、SYKは今度はLYNにリン酸化され、さらに自己リン酸化され、完全に活性化されるようになる。
【0059】
活性化SYKは、2つのアダプター分子NTALおよびLATをリン酸化し、PLCγ
1、vav、およびPI3Kのp85調節サブユニットなどのSH2含有タンパク質とのより多くのドッキング部位を作り出し、その結果、肥満細胞の脱顆粒化およびサイトカイン産生がもたらされる
4。肥満細胞のシグナル伝達におけるSykの決定的な役割は、ヒトドナーからの脱顆粒することができない好塩基球(循環肥満細胞)の10〜15%が低減した量のSykタンパク質を有するという再現性のある観察により確認されている
5、6。加えて、SYKは破骨細胞の骨吸収活性に必要とされる。αvβ3インテグリンが破骨細胞を刺激する際、SYKは、おそらくc−Srcにより、DAP−12/FcγRII依存性機構においてリン酸化のものとなり、SPL−76およびVav3リン酸化とそれに続く細胞骨格再構築とがもたらされる。SYK欠損破骨細胞は不活性であり、不完全な細胞骨格再構築を示す。これに相関し、SYK欠損胚は、欠陥的な骨格量を示す
7、8。
【0060】
リンパ節におけるBCR介在性B細胞活性化、ならびに、関節における樹状細胞、単球、マクロファージ、好中球および肥満細胞のFcR媒介性活性化は、リウマチ性関節炎(RA)の間に生じる細胞病態生理学的機構の不可欠な要素である。
【0061】
さらに、破骨細胞の活性化によって、この病理学の特質である、骨と軟骨との破壊がもたらされる
9。したがって、SYKシグナリングは、関節炎進展の間に、炎症の周囲とその部位との両方において、要となる役割を果たしているというべきである
10。実際に、経口利用可能なSyk阻害剤R406(Rigelにより開発された)は、臨床スコアの有意な改善を誘導し、RAのマウスモデルにおいて血清サイトカイン濃度ならびに骨びらんを有意に減少させた
11、12。さらに、この阻害剤は、ヒトのRA第II相試験において、有効性(ACRスコア改善)および良好な耐用性を示した
13、14、15。
【0062】
SLEにおいて、B細胞は、自己抗体の産生を介する病因に本質的に寄与し、その結果、免疫複合体形成、Fc受容体の刺激、最終的には炎症の過剰でかつ慢性的な活性化をもたらす。SLEのマウスモデルにおいて、Syk阻害剤による処置によって、クラススイッチした胚中心、辺縁帯、新たに形成されたB細胞および濾胞性B細胞の数の減少、したがって、疾患の緩和効果がもたらされる
18。
【0063】
胸腺細胞および未感作T細胞において、TCRシグナルが細胞内チロシンキナーゼZAP−70により伝達されるが、複数の研究によって、分化したエフェクター細胞、例えば多発性硬化症(MS)または全身性エリテマトーデス(SLE)の病態生理学に関与するものが、TCRゼータ鎖の下方調節、TCR/CD3チェーンの同時上方調節、およびFcRγとのその相互作用を示すことが、示される。それらの研究により、エフェクター細胞におけるTCR/CD3/FcRガンマ複合体が、ZAP−70、チロシンキナーゼの代わりに、Sykをリクルートし活性化させることが示されている。TCRシグナリングにおけるこの生理的なスイッチは、未感作T細胞でも記憶T細胞でもなく、もっぱらエフェクターT細胞において生じる
16、17、18。そこで驚くほどのことではないが、SYK阻害剤は、SLEのマウスモデルにおいて、疾患の進行を遅らせることおよび生存を改善することを示した
17、18、19、20、21。
【0064】
SYK阻害剤はまた、喘息、アレルギー、多発性硬化症、ならびに、他の疾患、例えば血小板減少性紫斑病およびT細胞またはB細胞リンパ腫などのにおける使用も見出されるかもしれない
1、10、14、22〜35。罹患前のNZB/WマウスをSyk阻害剤で処置することにより、軽減した糸球体硬化、尿細管損傷、タンパク尿およびBUNレベルにより実証される、腎疾患進展を阻止した
18。
【0065】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0066】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0067】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0068】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0069】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0070】
Sykは、肥満細胞に加えて、B細胞などの他の造血細胞で発現し、そこで、未成熟B細胞の成熟循環B細胞への移行に必要なシグナルを伝達するのに不可欠な役割を果たすと考えられている(M. Turner et al, Immunology Today, 21: 148 (2000))。B細胞は、紅斑性狼瘡(O. T. Chan etal., Immunological Rev, 169: 107-121 (1999))およびリウマチ性関節炎(A. Gause et al, Biodrugs, 15(2): 73-79 (2001))などのいくつかの炎症状態において重要な役割を果たすと報告されている。
【0071】
Sykはまた、神経毒性産物の産生をもたらすベータアミロイドおよびプリオン原繊維において、シグナリングカスケードの因子であると報告された(C. K. Combs et al., J. Neuroscl, 19: 928-939 (1999))。さらに、Sykの阻害剤は、これら神経毒性産物の産生を阻止した。よって、フロピリジン誘導体は、アルツハイマー病および関連する神経炎症性の疾患の処置において、潜在的に有用であろう。他の報告(Y. Kuno et al., Blood, 97, 1050-1055 (2001)により、Sykが悪性進行において重要な役割を果たすことが実証されている。TEL−Syk融合タンパク質は、造血細胞を形質転換させることが見出され、造血器悪性腫瘍の病因における役割を示唆した。したがって、目下クレームされている化合物は、あるタイプのがんの処置に有用であるかもしれない。
【0072】
従来技術
トリアゾロピリミジン誘導体は、疾患、例えばアルツハイマー病または糖尿病の処置のためのGSK3阻害剤としてWO 2005/012307 A1およびWO 2006/075023 A2に記載されている。
【発明の概要】
【0073】
本発明は、式I
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
R
1は、Ar、COHetまたはHetを示し、
R
2は、H、Ar
1、NHHetまたはHetを示し、
R
3は、HまたはA’を示し、
R
4は、H、A、Ar
1、Het、Hal、NHAr
1またはCNを示し、
Arは、フェニルまたはナフチルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、Cyc、[C(R
3)
2]
pOA、[C(R
3)
2]
pOH、CN、NHCOHet
1、NHCOA、NHCO[C(R
3)
2]
pCyc、CONH[C(R
3)
2]
pCyc、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2、[C(R
3)
2]
pHet
1、NR
3SO
2A、SO
2N(R
3)
2、S(O)
nA、COHet
1、O[C(R
3)
2]
mN(R
3)
2および/もしくはO[C(R
3)
2]
pHet
1によって単置換もしくは二置換されており、
Ar
1は、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、フェニル、CONH
2、[C(R
3)
2]
pOR
3、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2、[C(R
3)
2]
pCN、[C(R
3)
2]
pHet
1および/もしくはO[C(R
3)
2]
pHet
1によって単置換もしくは二置換されており、
【0074】
Hetは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イミダゾピリジル、ジヒドロインドリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニルまたはフロ[3,2−b]ピリジルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、[C(R
3)
2]
pOR
3、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2、[C(R
3)
2]
pHet
1、NO
2、CN、[C(R
6)
2]
pCOOR
3、CON(R
3)
2、NR
3COA、NR
3SO
2A、SO
2N(R
3)
2、S(O)
nA、COHet
1、O[C(R
3)
2]
mN(R
3)
2、O[C(R
3)
2]
pHet
1および/もしくは=Oによって単置換、二置換もしくは三置換されており、
Het
1は、ジヒドロピロリル、ピロリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラゾリル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、[1,3]ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジルまたはピペラジニルを示し、それは、非置換であるかまたはHal、CN、OH、OA、COOA、CONH
2、S(O)
nA、S(O)
nAr、COA、Aおよび/もしくは=Oによって単置換もしくは二置換されており、
【0075】
Aは、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1つまたは2つの隣接していないCHまたはCH
2基はN、Oおよび/またはS原子によって置き換えられていてもよく、かつここで1〜7個のH原子は、FまたはClによって置き換えられていてもよく、
Cycは、3〜7個のC原子を有する環状アルキルを示し、それは非置換であるか、または[C(R
3)
2]
pOHもしくはCNによって単置換されており、
A’は、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1または2を示し、
mは、1、2または3を示し、
pは、0、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0076】
本発明はまた、これら化合物の、光学的活性体(立体異性体)、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマーならびに水和物および溶媒和物にも関する。
本発明はまた、式Iで表される化合物の塩の溶媒和物、例えば塩酸塩の一または二水和物に関する。
さらに、本発明は、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る誘導体に関する。
【0077】
用語、溶媒和物は、それらの相互引力により形成された、化合物上への不活性溶媒分子の付加物を意味するものとする。溶媒和物は、例えば、一もしくは二水和物またはアルコラートである。
用語、薬理学的に許容し得る誘導体は、例えば、本発明による化合物の塩、ならびにまたプロドラッグ化合物を意味するものとする。
【0078】
本明細書において用いられ、および別段の指示がない限り、「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件(in vitroまたはin vivo)下で加水分解、酸化または別の反応がなされ、活性化合物、特に式Iで表される化合物を提供する、式Iで表される化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、生体加水分解性(biohydrolyzable)部分、例えば生体加水分解性アミド、生体加水分解性エステル、生体加水分解性カルバマート、生体加水分解性カルボナート、生体加水分性ウレイド、および生体加水分解性ホスファート類似物などを含むがそれらに限定されない、式Iで表される化合物の誘導体および代謝物が挙げられる。ある態様において、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボキシラートエステルは、前記分子に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することにより簡便に形成される。プロドラッグは、典型的には、周知の方法、例えばBurger 's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed. (Donald J. Abraham ed., 2001, Wiley)およびDesign and Application of Prodrugs(H.Bundgaard ed., 1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)に記載されるものなどを使用して製造することができる。
【0079】
表現「有効量」は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医者により、探索されているか、または所望されている生物学的または医学的応答を引き起こさせる医薬のまたは薬剤活性成分の量を示す。 加えて、「治療的有効量」という表現は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の転帰を有する量を表す:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の、改善した処置、治癒、防止または除去、あるいはまた、疾患、愁訴または障害の進行の軽減。
「治療的有効量」という表現はまた、正常な生理学学的機能を増加させるのに有効である量も包含する。
【0080】
本発明はまた、式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物の使用に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性体の化合物の混合物である。
【0081】
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体に言及する。異性体の濃度は、化合物が見出される環境に依存し、例えば化合物が固体であるか、有機溶液中もしくは水溶液中にあるか否かによって異なっていてもよい。
【0082】
本発明は、式Iで表される化合物およびそれらの塩、ならびに式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の製造方法であって、
式II
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
2およびR
4は請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物を、
式III
R
1−L III
式中、R
1は請求項1において示した意味を有し、およびLはClまたはBrを示す、
で表される化合物と反応させ、
かつ/あるいは
式Iで表される塩基または酸をその塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
【0083】
本明細書中において、明示的に別段の定めをした場合を除き、ラジカルR
1、R
2およびR
4は、式Iに対して示した意味を有する。
【0084】
Aは、アルキルを表し、これは非分岐(直鎖)または分岐であり、1、2、3、4、5、6、7、8.9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくはメチル、さらにはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにはまたペンチル、1,2もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−もしくは3,3−ジメチルブチル、1−もしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−もしくは1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを示す。
【0085】
Aは、極めて特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを表す。
【0086】
さらに、Aは、例えばCH
2OCH
3、CH
2CH
2OH、OCH
2CH
2NH
2、CH
2NHCH
2またはNHCH
2CH
3を示す。
Cycは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
A’は、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルを示す。
【0087】
R
2は、好ましくはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルを示し、それは非置換であるか、またはA、[C(R
3)
2]
pCyc、[C(R
3)
2]
pAr、[C(R
3)
2]
pHet
1、CNもしくは[C(R
3)
2]
pCOOR
3によって単置換されている。
R
3は、好ましくはHまたは1、2、3もしくは4個のC原子を有するアルキル、特に好ましくはHまたはメチルを示す。
【0088】
Arは、例えば、o−、m−もしくはp−トリル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−もしくはp−シアノフェニル、o−、m−もしくはp−カルボキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−ホルミルフェニル、o−、m−もしくはp−アセチルフェニル、o−、m−もしくはp−アミノスルホニルフェニル、
【0089】
o−、m−もしくはp−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]フェニル、o−、m−もしくはp−[3−(N,N−ジエチルアミノ)プロポキシ]フェニル、さらに、好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチル−アミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを表す。
【0090】
Arは、さらに好ましくはフェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、Cyc、[C(R
3)
2]
pOA、[C(R
3)
2]
pOH、CN、NHCOHet
1、NHCOA、NHCO[C(R
3)
2]
pCyc、CONH[C(R
3)
2]
pCyc、[C(R
3)
2]
pHet
1、SO
2N(R
3)
2、NR
3SO
2A、O[C(R
3)
2]
pHet
1、COHet
1および/もしくはS(O)
nAによって単置換もしくは二置換されている。
Ar
1は、好ましくはフェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、フェニル、CONH
2、[C(R
3)
2]
pCN、[C(R
3)
2]
pOR
3および/もしくは[C(R
3)
2]
pHet
1によって単置換もしくは二置換されている。
【0091】
Hetは、好ましくはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イミダゾピリジル、ジヒドロインドリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニルまたはフロ[3,2−b]ピリジルを示し、それは、非置換であるか、またはA、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2および/もしくは=Oによって単置換、二置換もしくは三置換されている。
【0092】
Hetは、特に好ましくはピラゾリル、ピリジル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリルまたはジヒドロインドリルを示し、それは、非置換であるか、またはA、[C(R
3)
2]
pHet
1、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2および/もしくは=Oによって単置換、二置換もしくは三置換されている。
【0093】
Het
1は、好ましくはジヒドロピロリル、ピロリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラゾリル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、[1,3]ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジルまたはピペラジニルを示し、それは非置換であるか、またはAによって単置換もしくは二置換されている。
【0094】
Het
1は、特に好ましくはモルホリニルまたはピペラジニルを示し、それは非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されている。
【0095】
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、ならびにIを示し、特に好ましくはFまたはClである。
本発明をとおして、1回以上現れる全てのラジカルは、同じであっても異なっていてもよく、すなわち、互いに独立している。
式Iで表される化合物は、1個または2個以上のキラル中心を有してもよく、よって、様々な立体異性体の形態に現れ得る。式Iはこれらすべての形態を包含する。
【0096】
したがって、本発明は具体的には、当該ラジカルの少なくとも1個以上が前述した好ましい意味の1つを有する式Iで表される化合物に関する。化合物の好ましい基のいくつかは、以下の従属式Ia〜Igで表現してもよく、これらは式Iに従い、式中、詳細には指定されていないラジカルは式Iで示した意味を有するが、式中、
【0097】
Iaにおいて、Arは、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、Cyc、[C(R
3)
2]
pOA、[C(R
3)
2]
pOH、CN、NHCOHet
1、NHCOA、NHCO[C(R
3)
2]
pCyc、CONH[C(R
3)
2]
pCyc、[C(R
3)
2]
pHet
1、SO
2N(R
3)
2、NR
3SO
2A、O[C(R
3)
2]
pHet
1、COHet
1および/もしくはS(O)
nAによって単置換もしくは二置換されており;
Ibにおいて、Ar
1は、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、フェニル、CONH
2、[C(R
3)
2]
pCN、[C(R
3)
2]
pOR
3および/もしくは[C(R
3)
2]
pHet
1によって単置換もしくは二置換されており、
【0098】
Icにおいて、Hetは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イミダゾピリジル、ジヒドロインドリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニルまたはフロ[3,2−b]ピリジルを示し、それは、非置換であるか、またはA、[C(R
3)
2]
pHet
1、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2および/もしくは=Oによって単置換、二置換もしくは三置換されており、
【0099】
Idにおいて、Het
1は、ジヒドロピロリル、ピロリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラゾリル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、[1,3]ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジルまたはピペラジニルを示し、それは、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されており、
【0100】
Ieにおいて、R
1は、Ar、COHetまたはHetを示し、
R
2は、H、Ar
1、NHHetまたはHetを示し、
R
3は、HまたはA’を示し、
R
4は、H、A、Ar
1、Het、Hal、NHAr
1またはCNを示し、
【0101】
Arは、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、Cyc、[C(R
3)
2]
pOA、[C(R
3)
2]
pOH、CN、NHCOHet
1、NHCOA、NHCO[C(R
3)
2]
pCyc、CONH[C(R
3)
2]
pCyc、[C(R
3)
2]
pHet
1、SO
2N(R
3)
2、NR
3SO
2A、O[C(R
3)
2]
pHet
1、COHet
1および/もしくはS(O)
nAによって単置換もしくは二置換されており、
Ar
1は、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、フェニル、CONH
2、[C(R
3)
2]
pCN、[C(R
3)
2]
pOR
3および/もしくは[C(R
3)
2]
pHet
1によって単置換もしくは二置換されており、
【0102】
Hetは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イミダゾピリジル、ジヒドロインドリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニルまたはフロ[3,2−b]ピリジルを示し、それは、非置換であるか、またはA、[C(R
3)
2]
pHet
1、[C(R
3)
2]
pN(R
3)
2および/もしくは=Oによって単置換、二置換もしくは三置換されており、
【0103】
Het
1は、ジヒドロピロリル、ピロリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラゾリル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、[1,3]ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジルまたはピペラジニルを示し、それは、非置換であるかまたはAによって単置換もしくは二置換されており、
【0104】
Aは、1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、かつここで1〜7個のH原子は、FまたはClによって置き換えられていてもよく、
Cycは、3〜7個のC原子を有する環状アルキルを示し、それは非置換であるか、または[C(R
3)
2]
pOHもしくはCNによって単置換されており、
【0105】
A’は、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、0、1または2を示し、
pは、0、1、2、3または4を示す、
ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体であり、すべての比率でのそれらの混合物を含む。
【0106】
さらに、式Iで表される化合物、およびそれらの製造のための出発材料もまた、論文に記載されているそれ自体知られている方法で(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的な作業において)、正確に製造する。ここまた、本明細書においてより詳細には言及されない、自体公知の変形の使用もまたなされことができる。
【0107】
式IIおよびIIIで表される出発化合物は、一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合、それらは、自体公知の方法で製造することができる。
式Iで表される化合物は、好ましくは、式IIで表される化合物を式IIIで表される化合物と反応させることによって、得ることができる。
【0108】
当該反応を、一般に当業者に知られており、知られており、前記反応に適しているバックウォルド条件下で行う。
使用する条件に依存して、反応時間は、数分間〜14日間であり、反応温度は、約0°〜140°、通常20°〜120°、特に約60°〜約110°である。
【0109】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなど;塩素化炭化水素類、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタンなど;アルコール類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなど;エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンなど;グリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ダイグライム);ケトン類、アセトンもしくはブタノンなど;アミド類、アセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF)など;ニトリル類、アセトニトリルなど;スルホキシド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)など;二硫化炭素類;カルボン酸類、ギ酸もしくは酢酸など;ニトロ化合物類、ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなど;エsテル類、酢酸エチルなど、または該溶媒の混合物である。
特に好ましいのは、非プロトン性溶媒、特に好ましくはTHFである。
【0110】
遊離アミノ基は、有利にはジクロロメタンまたはTHFなどの不活性溶媒中、および/または、トリエチルアミンもしくはピリジンなどの塩基の存在下、−60〜+30°の温度で、酸塩化物もしくは酸無水物を使用する慣用の様式でさらにアシル化するか、または非置換のもしくは置換したアルキルハロゲン化物を使用してさらにアルキル化することができる。
【0111】
薬学的な塩および他の形態
本発明による該化合物を、最終非塩形態で使用することができる。一方で、本発明はまた、当該技術分野において知られている手順により様々な有機および無機の酸および塩基から誘導することができる、それらの薬学的に許容し得る塩の形態でのこれらの化合物の使用も包含する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態のほとんどの部分を、慣用の様式により製造する。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含む場合、その好適な塩の1つを、化合物を好適な塩基と反応させて、対応する塩基付加塩を得ることにより形成させることができる。
【0112】
かかる塩基は、アルカリ金属水酸化物類、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムむ;アルカリ土類金属水酸化物類、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなど;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウム・エトキシドおよびナトリウムプロポキシドなど;ならびにさまざまな有機塩基類、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチル−グルタミンなどである。式Iで表される化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。式Iで表される特定の化合物の場合、これらの化合物を、ハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素など、他の鉱酸およびその対応する塩、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルスルホン酸塩、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩およびモノアリールスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびその対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などの、薬学的に許容し得る有機および無機酸で処理することにより、酸付加塩を形成させることができる。
【0113】
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下を含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギナート(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素化物、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクテル酸塩(粘液酸からのもの)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素化物、2−ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは限定を表さない。
【0114】
さらに、本発明による化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の塩が含まれるが、これが限定を表すことは意図されない。前述した塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩類ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属類カルシウムおよびマグネシウムである。薬学的に許容し得る有機非毒性塩基から誘導される、式Iで表される化合物の塩には、第一級、第二級および第三級アミン、置換アミン、ならびに天然由来の置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン(N−メチル−D−グルカミン)、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)などが含まれるが、これが制限を表すことは意図されない。
【0115】
塩基性窒素含有基を含む、本発明の化合物を、薬剤、例えばハロゲン化(C
1〜C
4)アルキル、例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C
1〜C
4)アルキル硫酸塩、例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;ハロゲン化(C
10〜C
18)アルキル、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにハロゲン化アリール(C
1〜C
4)アルキル、例えば、塩化ベンジルおよび臭化フェネチルなどを使用して四級化することができる。本発明による、水溶性および油溶性の化合物の両方を、かかる塩を使用して製造することができる。
【0116】
好ましい前述の薬学的な塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これが限定を表すことは意図されない。
特に、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩およびコハク酸塩が好ましい。
【0117】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩を、遊離の塩基形態を十分量の所望の酸と接触させ、従来のやり方で塩の形成をもたらすことにより調製する。遊離の塩基を、従来のやり方で塩形態を塩基と接触させ、遊離の塩基を単離することにより、再生させることができる。遊離の塩基形態は、極性溶媒中での溶解性などの特定の物性に関し、その対応する塩形形態と、ある点で、異なる;しかしながら、本発明の目的において、塩は、別のやり方で、そのそれぞれの遊離の塩基形態に対応する。
【0118】
前述のとおり、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩を、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンと生成させる。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0119】
本発明による酸性化合物の塩基付加塩を、遊離の酸形態を十分量の所望の塩基と接触させ、従来のやり方で塩の形成をもたらすことにより調製する。遊離の酸を、従来のやり方で塩形態を酸と接触させ、遊離の酸を単離することにより、再生させることができる。遊離の酸形態は、極性溶媒中での溶解性などの特定の物性に関し、その対応する塩形態と、ある点において、異なる;しかしながら、本発明の目的において、塩は、別のやり方で、そのそれぞれの遊離の酸形態に対応する。
【0120】
本発明による化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を形成させることができる、1個より多い基を含む場合には、本発明はまた、多重塩も包含する。典型的な多重塩としては、例えば、ビタルトラート、ジアセタート、ジフマラート、ジメグルミン、ジホスファート、ジナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは制限的なものを意図しない。
【0121】
前述に関し、本文脈における表現「薬学的に許容し得る塩」は、特に、この塩形態が、活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、式Iで表される化合物をその塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて付与することができ、さらに、この活性成分の薬力学に対して身体におけるその治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
【0122】
同位体
さらに、式Iで表される化合物が同位体で標識されたその形態を含むことを、意図する。式Iで表される化合物の同位体で標識された形態は、化合物の1個または2個以上の原子が通常天然に存在する原子の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子(単数)または原子(複数)によって置き換えられているという事実とは別に、この化合物と同一である。
【0123】
容易に商業的に入手でき、周知の方法によって式Iで表される化合物に包含させることができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18Fおよび
36CIを含む。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体の1種または2種以上を含む式Iで表される化合物、そのプロドラッグまたは薬学的に許容し得る塩は、本発明の一部であることを意図する。式Iで表される同位体で標識した化合物を、多数の有益な方法において使用することができる。
【0124】
例えば、例えば
3Hまたは
14Cなどの放射性同位体が包含された式Iで表される同位体で標識した化合物は、医薬および/または基質の組織分布アッセイに適している。これらの放射性同位体、つまりトリチウム(
3H)および炭素14(
14C)は、単純な調製および優れた検出可能性のために特に好ましい。より重い同位体、例えば重水素(
2H)の式Iで表される化合物中への包含は、この同位体で標識した化合物のより高い代謝安定性のために治療的利点を有する。
【0125】
より高い代謝安定性は、増加したin vivoでの半減期またはより低い投与量に直接変換可能であり、それは、ほとんどの状況の下で本発明の好ましい態様を表す。式Iで表される同位体で標識した化合物を、通常、本テキスト中の合成スキームおよび関連する記載に、例の部に、ならびに調製の部に開示した手順を行うことによって製造することができ、同位体で標識していない反応体を容易に入手できる同位体で標識した反応体によって交換する。
【0126】
重水素(
2H)をまた、化合物の酸化的代謝を一次反応速度の同位体効果(primary kinetic isotope effect)によって操作するための目的で、式Iで表される化合物に包含させることもできる。一次反応速度の同位体効果は、同位体核の交換に起因する化学反応の速度の変化であり、それは、この同位体交換の後に共有結合形成に必要な基底状態エネルギーの変化によって順に引き起こされる。より重い同位体の交換の結果、通常、化学結合のための基底状態エネルギーの低下がもたらされ、したがって律速的な結合破壊において速度の低下が生じる。
【0127】
結合破壊が、多生成物反応の座標に沿った鞍点領域において、またはその近辺で生じる場合には、生成物分布比を、実質的に変化させることができる。説明のために:重水素が炭素原子に交換可能でない位置において結合する場合には、k
M/k
D=2〜7の速度差が、典型的である。この速度差を、酸化を受けやすい式Iで表される化合物に首尾よく適用する場合には、in vivoでのこの化合物のプロフィールを大幅に修正し、改善された薬物動態学的特性をもたらすことができる。
【0128】
治療薬を発見し、進展させる場合には、当業者は、薬物動態学的パラメーターを最適化し、同時に所望のin vitro特性を保持することを試みる。薬物動態学的プロフィールの乏しい多くの化合物が酸化的代謝を受けやすいものと推測することは、合理的である。
【0129】
現在利用可能なin vitroでの肝臓ミクロソームアッセイは、このタイプの酸化的代謝の経過についての有用な情報を提供し、それによって次に、かかる酸化的代謝に対する耐性によって改善された安定性を有する式Iで表される重水素化された化合物の合理的な設計が可能になる。
【0130】
式Iで表される化合物の薬物動態学的プロフィールにおける著しい改良が、それによって得られ、in vivo半減期(t/2)、最大の治療効果における濃度(C
max)、用量反応曲線下面積(AUC)およびFの増加の点において;ならびに低下したクリアランス、用量および物質コストの点において定量的に表すことができる。
【0131】
以下は、上記のものを例示することを意図する:酸化的代謝のための攻撃の複数の潜在的な部位、例えばベンジル水素原子および窒素原子に結合した水素原子を有する式Iで表される化合物を、水素原子の様々な組み合わせが重水素原子によって置き換えられ、したがってこれらの水素原子のいくつか、ほとんどまたはすべてが重水素原子によって置き換えられている一連の類似体として製造する。半減期決定によって、酸化的代謝に対する耐性の改善が改善される程度の好ましく、かつ正確な決定が可能になる。このようにして、基本化合物の半減期を、このタイプの重水素−水素交換の結果、最高100%まで延長することができることが決定される。
【0132】
式Iで表される化合物における重水素−水素交換をまた、望ましくない有毒な代謝産物を減少させるか、または消失させるための出発化合物の代謝産物範囲の好ましい修正を達成するために使用することもできる。例えば、有毒な代謝産物が酸化的炭素−水素(C−H)結合切断によって生じる場合には、重水素化された類似体が、特定の酸化が律速ステップでない場合であっても不要な代謝産物の産生を大幅に減少させるか、または消失させるであろうことを合理的に推測することができる。重水素−水素交換に関しての先端技術に関するさらなる情報は、例えばHanzlik et al., J. Org. Chem. 55, 3992-3997, 1990、Reider et al., J. Org. Chem. 52, 3326-3334, 1987、Foster, Adv. Drug Res. 14, 1-40, 1985、Gillette et al, Biochemistry 33(10) 2927-2937, 1994およびJarman et al. Carcinogenesis 16(4), 683-688, 1993に見出され得る。
【0133】
さらに、本発明は、式Iで表される化合物および/またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物の少なくとも1種、ならびに任意に、賦形剤および/またはアジュバントを含む医薬に関する。
【0134】
医薬製剤を、予め決定した量の投与単位毎に活性成分を含む投与単位の形態で投与することができる。かかる単位は、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明による化合物を含むことができ、処置される疾患、投与方法および年齢、体重および患者の状態次第であり、または医薬製剤を、予め決定した量の投与単位毎に活性成分を含む投与単位の形態で投与することができる。好ましい投与単位製剤は、前記に示したように、活性成分の1日用量または部分用量、あるいはその対応する画分を含むものである。さらに、このタイプの医薬製剤を、薬学の分野において一般的に知られているプロセスを使用して調製することができる。
【0135】
医薬製剤を、任意の所望する好適な方法を介した投与に適合させることができ、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(頬、舌下または経皮を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)方法による。かかる製剤を、薬学の分野で知られているあらゆるプロセスを使用して、例えば、活性成分に賦形剤(単数または複数)またはアジュバント(単数または複数)を組み合わせることにより調製することができる。
【0136】
経口投与に適合させた医薬製剤を、例えば、カプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液;食用泡(edible foam)または泡食品(foam food);あるいは、水中油滴型液体エマルションまたは油中水滴型液体エマルション、などの別個の単位として投与することができる。
【0137】
よって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合には、活性成分の構成要素を、例えば、エタノール、グリセリン、水などの経口用の、無毒性である、薬学的に許容し得る不活性賦形剤と組み合わせることができる。粉末を、化合物を好適な微細サイズの粉末状にし、それを類似の方法で粉末状にした、例えばデンプンまたはマンニトールなどの、例えば食用炭水化物などの薬学的賦形剤と混合することにより調製する。フレーバー剤、保存料、分散剤および色素が、同様に存在してもよい。
【0138】
カプセルを、前記のように粉末混合物を調製し、これでゼラチンの殻を充填することにより製造する。例えば固体形態の、高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールなどの流動促進剤および潤滑剤を、充填操作の前に粉末混合物に加えることができる。例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を、カプセルが摂取された後の医薬の利用率を高めるために、同様に加えてもよい。
【0139】
さらに、所望のまたは必要な場合には、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに色素を、同様に混合物中に組み入れることができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから作られる甘味料などの天然糖、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形に使用される潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0140】
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、混合物を顆粒化するかまたは乾式プレスし、潤滑剤および崩壊剤を添加し、混合物全体を圧縮することにより処方され、錠剤が得られる。粉末混合物を、前記のように、好適な方法で粉末化された化合物を、希釈剤または基剤と、および任意に例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤、例えばパラフィンなどの溶解遅延剤、例えば第四級アンモニウム塩などの吸収促進剤および/または例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムなどの吸収剤と混合することにより調製する。粉末混合物を、それを例えばシロップ、デンプンペースト、アカシア粘液またはセルロースまたはポリマー材料の溶液などの結合剤により湿潤させ、ふるいに通過させてそれを圧縮することにより顆粒化することができる。顆粒化の代替として、粉末混合物を打錠機に通して、砕いて顆粒を形成する不均一な形状の塊を得ることができる。
【0141】
顆粒は、錠剤鋳型に付着することを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油の添加により潤滑化させることができる。潤滑化された混合物を、次に圧縮し、錠剤を得る。本発明による化合物はまた、自由に流動する(free-flowing)不活性賦形剤と組み合わせて、次に直接圧縮して、顆粒化または乾式プレスを行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびワックスの光沢層からなる、透明なまたは不透明な保護層が存在してもよい。色素を、異なる用量単位を差別化することを可能にするために、これらの被膜に添加することができる。
【0142】
例えば溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口液体を、用量単位の形態で調製することにより、所定の量が予め特定された量の化合物を含むことができる。シロップを、水溶液中の化合物を好適なフレーバー剤で溶解させることにより調製することができ、一方でエリキシルを、無毒性アルコールビヒクルを使用して調製する。懸濁液を、無毒性ビヒクル中の化合物の分散により処方することができる。例えばエトキシ化されたイソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存料、例えばペパーミント油または天然甘味料またはサッカリンなどのフレーバー添加剤あるいは他の人工甘味料などを、同様に添加することができる。
【0143】
経口投与のための用量単位製剤を、所望の場合には、マイクロカプセルにカプセル化することができる。製剤をまた、放出が延長または遅延されるように、例えば、ポリマー、ワックスなどの中に粒子状材料を被覆することまたは包埋することなどにより調製することができる。
【0144】
式Iで表される化合物ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体をまた、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクルおよび多層ベシクルなどのリポソーム送達系の形態で投与することができる。リポソームを、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの種々のリン脂質から形成することができる。
【0145】
式Iで表される化合物ならびにその塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体をまた、化合物分子が結合したモノクローナル抗体を独立した担体として使用して送達することもできる。化合物をまた、標的医薬担体として可溶性ポリマーに結合させることもできる。かかるポリマーには、パルミトイルラジカルで置換された、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリジンが包含されてもよい。化合物を、さらに、医薬の制御放出を達成するのに好適な生分解性ポリマーのクラス、例えばポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋されたまたは両親媒性ブロックコポリマーなどと結合させてもよい。
【0146】
経皮投与に適合された医薬製剤を、独立した膏薬として、レシピエントの表皮との広範かつ密接な接触のために、投与することができる。よって、例えば、活性成分を、一般論としてPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に記載されるように、膏薬からイオン泳動により、送達することができる。
局所投与に適合された薬学的化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ジェル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして処方することができる。
【0147】
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、製剤を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を得るための製剤の場合において、活性成分を、パラフィン性または水混和性のクリーム基剤のいずれかとともに用いることができる。代替的に、活性成分を処方し、水中油滴型クリーム基剤または油中水滴型基剤を有するクリームとして得ることができる。
【0148】
眼への局所適用に適合された医薬製剤には、活性成分が、好適な担体に、特に水性溶媒に溶解されるか、または懸濁された点眼剤が含まれる。
口腔中の局所適用に適合された医薬製剤には、薬用キャンディー、トローチおよびマウスウォッシュが包含される。
直腸投与に適合された医薬製剤を、坐薬または浣腸の形態で投与することができる。
【0149】
担体物質が固体である、経鼻投与に適合された医薬製剤には、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有し、鼻から吸い込んで摂取される方法で、すなわち鼻の近傍に保持され、粉末を含有する容器から鼻腔を経由した急速な吸入により投与される粗粉末を含む。担体物質として液体を伴う鼻腔用スプレーまたは点鼻剤に好適な製剤には、水または油中の活性成分溶液が包含される。
【0150】
吸入による投与に適合された医薬製剤には、エアロゾル、噴霧器または吸入器を備えた種々の加圧ディスペンサーにより発生させることができる、微粒子ダストまたはミストが包含される。
膣内投与に適合された医薬製剤を、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡またはスプレー製剤として投与することができる。
【0151】
非経口投与に適合された医薬製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静菌物質(bacteriostatics)および溶質を含み、それにより製剤は処置されるべきレシピエントの血液で等張される、水性および非水性滅菌注射溶液;ならびに、懸濁媒体および増粘剤を含んでもよい、水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。製剤を、例えば密封アンプルおよびバイアルなどの単回用量または複数用量容器で投与し、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができ、使用直前の、例えば注射用の水などの滅菌担体溶液の添加のみが必要となる。配合に従って調製された注射溶液および懸濁液を、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0152】
特に前述した構成成分に加え、製剤にはまた、特定のタイプの製剤に関し、当該技術分野において通常の他の剤も含まれていてもよいことは言うまでもなく;よって、例えば、経口投与に好適な製剤には、フレーバー剤が含まれていてもよい。
【0153】
式Iで表される化合物の治療的有効量は、多数の因子に依存し、例えば、動物の年齢および体重、処置が求められる正確な疾患、その重症度、製剤の性質および投与の方法が含まれ、最終的には処置する医師または獣医により決定される。しかしながら、本発明による化合物の有効量は、一般的に、1日当たりレシピエント(哺乳動物)の体重の0.1〜100mg/kgの範囲であり、特に典型的には、1日当たり体重の1〜10mg/kgの範囲である。よって、70kgの体重である成体の哺乳動物について、1日当たりの実際の量は、通常70と700mgとの間であり、ここで、この量を、1日当たり単回用量でまたは通常1日当たり一連の部分用量(例えば2、3、4、5または6など)で投与することができ、これにより1日の全体用量が同一となる。それらの塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の有効量を、本発明による化合物自体の有効量の画分として決定することができる。類似した用量が前述の他の疾患の処置に好適であることを仮定することができる。
【0154】
開示された式Iで表される化合物を、RA(リウマチ性関節炎)の処置用の剤を含む他の知られている治療剤と併用して投与することができる。ここで使用した「RAの処置用の剤」という用語は、RAを処置する目的で、RAを有する患者に投与する任意の剤に関する。
以下の医薬は、好ましくは、式Iで表される化合物と併用するが、これらには限定されない:
【0155】
1.NSAID(非ステロイド系抗炎症薬)および鎮痛剤
2.グルココルチコイド(低経口用量)
3.従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)
− メトトレキサート
− レフルノミド
− スルファサラジン
− ヒドロキシクロロキン
− アザチオプリン
− シクロスポリン
− ミノサイクリン
− 金
【0156】
4.生物学的反応修飾物質(BRM)-->炎症プロセスに関与する標的分子/免疫細胞、および以下の剤を含む:
− TNF阻害剤
− エタネルセプト(Enbrel)
− インフリキシマブ(Remicade)
− アダリムマブ(Humira)
− B細胞への治療
− リツキシマブ(Rituxan)
− T細胞/B細胞の同時活性化シグナル阻害剤
− アバタセプト(Orencia)
− IL−1受容体アンタゴニスト
− アナキンラ(Kineret)
【0157】
【表11】
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【0158】
この種の併用処置は、該処置の個々の成分を、同時に、連続的に、または別個に調剤することにより達成することができる。この種の併用製品は、本発明による化合物を用いる。
さらに、本発明は、式Iで表される化合物および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物の少なくとも1種、ならびに、さらなる医薬活性成分の少なくとも1種を含む医薬に関する。
【0159】
本発明はまた、
(a)式Iで表される化合物および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物の有効量、
ならびに、
(b)さらなる医薬活性生物の有効量
の別箇のパックからなるセット(キット)にも関する。
【0160】
セットには、例えば箱、個別の瓶、袋またはアンプルなどの好適な容器が含まれる。セットには、例えば、別個のアンプルが含まれ、各々が、式Iで表される化合物および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物の有効量
ならびに溶解されたか、または凍結乾燥された形態での他の医薬活性成分の有効量を含有する。
【0161】
本明細書で使用する「処置する」は、傷害もしくは疾患に関連する症状の全部または一部の緩和、あるいは、それら症状のさらなる進行もしくは悪化の緩徐または停止、あるいは、該疾患もしくは障害を発症するリスクのある患者において、該疾患もしくは障害の防止または予防を意味する。
【0162】
式(I)で表される化合物に関連する用語「有効量」は、障害または疾患と関連する徴候を全体的に、または部分的に軽減するか、あるいは当該徴候のさらなる進行または悪化を緩徐化または停止するか、あるいは本明細書中に開示した疾患を有するかまたは発症する危険にある対象における疾患または障害、例えば炎症状態、免疫学的状態、がん、代謝性状態、神経変性状態、慢性感染症またはキナーゼもしくはキナーゼ経路、一態様においてGCN2経路の阻害により処置可能であるかまたは防止可能である状態を防止するかまたは予防を提供することができる量を意味することができる。
【0163】
別の態様において、これは、GCN2、FMS(CSF1R)、FLT3もしくはFLT4の群またはその組み合わせからのキナーゼまたはキナーゼ経路の阻害によって治療可能であるかまたは予防可能である状態に関する。一態様において、式(I)で表される化合物の有効量は、細胞におけるキナーゼを例えばin vitroまたはin vivoで阻害する量である。いくつかの態様において、有効量の式(I)で表される化合物は、細胞におけるキナーゼを、処理していない細胞のキナーゼの活性と比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または99%まで阻害する。例えば医薬組成物における式(I)で表される化合物の有効量は、所望の効果を発揮するだろうレベルであってもよく;例えば、経口および腸管外の両方の投与のための単位用量において、約0.005mg/kg対象の体重〜約10mg/kg対象の体重である。
【0164】
使用
本化合物は、免疫調節およびストレス応答キナーゼ誘発性疾患の処置において、哺乳動物のための、特にヒトのための医薬活性成分として好適である。これらの疾患は、固形腫瘍癌、リンパ系または血液系のがん、腫瘍細胞の増殖、固形腫瘍の成長を促進する病理学的血管新生(もしくは血管新生)、神経変性疾患(アルツハイマー病、脱髄核障害多発性硬化症など)、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループスまたは他の自己免疫疾患および慢性感染症を含むが、それらには限定されない腫瘍性悪性病変を含む。
【0165】
本発明は、式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、がんの処置または防止のための医薬の製造のための使用を包含する。処置のための好ましいがんは、大脳癌腫、尿生殖路癌腫、リンパ系の癌腫、胃癌、喉頭癌および肺癌の群から生じる。がんの好ましい形態のさらなる群は、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽腫、黒色腫および乳癌である。がんの好ましい形態のさらなる群は、子宮頸癌、神経芽細胞腫、精巣癌、マクログロブリン血症および/または肉腫を含むが、それらには限定されない。
【0166】
また包含されるのは、本発明の請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、神経学的障害、特に神経変性疾患、例えば軸索変性またはタンパク質プラーク堆積によって生じた疾患の処置または防止のための医薬の製造のための使用である。神経変性疾患は、例えば脱髄核障害、例えば多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、筋萎縮性側索硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病またはアルツハイマー病を含む。
【0167】
さらに包含されるのは、本発明の請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、慢性感染症の処置のための医薬の製造のための使用である。かかる慢性感染症は、ハンセン病、またはHIVなどによるウイルス感染へのリーシュマニア属のような寄生動物に関するかもしれない。
【0168】
さらに包含されるのは、本発明の請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、血管新生が関与する疾患の処置または防止のための医薬の製造のための使用である。
血管新生が関与するかかる疾患は、眼疾患、例えば網膜血管化、糖尿病性網膜症、年齢誘発黄斑変性などである。
【0169】
本発明は、式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、免疫関連障害、例えば強直性脊椎炎、関節炎、再生不良性貧血、ベーチェット病、1型糖尿病、移植片対宿主病、グレーブス病、自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、高IgE症候群、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、およびループス、とりわけ自己免疫疾患の処置または防止の医薬の製造のための使用を包含する。
【0170】
また包含されるのは、式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、哺乳動物における免疫変調もしくはストレス応答キナーゼ誘発性疾患または免疫変調もしくはストレス応答キナーゼ誘発状態の処置または防止のための医薬の製造のための使用であり、この方法に対して、治療的に有効な量の本発明の化合物を、かかる処置を必要とする罹患した哺乳動物に投与する。治療的量は特定の疾患によって変化し、過度の努力を伴わずに当業者によって決定することができる。
【0171】
本発明はまた、式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、網膜血管化の処置または防止のための医薬の製造のための使用を包含する。
【0172】
表現「免疫変調またはストレス応答キナーゼ誘発性疾患または状態」は、1種または2種以上の免疫変調またはストレス応答キナーゼの活性に依存する病理学的状態を指す。免疫変調またはストレス応答キナーゼは、増殖、付着および遊走および分化を含む様々な細胞活性のシグナル伝達経路に直接または間接的に関与する。免疫変調またはストレス応答キナーゼ活性に関連する疾患は、腫瘍性悪性病変(固形腫瘍癌、リンパ系もしくは血液系のがんなど)、神経変性疾患、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループス、多発性硬化症または他の自己免疫疾患、および慢性感染症を含む。
【0173】
本発明は、GCN2の阻害、調節および/または調整阻害が役割を果たす疾患の処置に使用するための、式Iで表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物に、特に関する。
本発明は、GCN2の阻害に使用するための、式Iで表される化合物およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物に、特に関する。
【0174】
本発明は特定的に、腫瘍性悪性病変(固形腫瘍癌、リンパ系もしくは血液系のがんなど)、神経変性疾患、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループス、多発性硬化症または他の自己免疫疾患、および慢性感染症の処置のための使用のための、式Iで表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0175】
特に好ましいのは、疾患が腫瘍性悪性病変である疾患の処置のための使用である。
腫瘍性悪性病変は、好ましくは肺、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭頸部、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃および/または喉頭の腫瘍の群から選択される。
【0176】
腫瘍性悪性病変は、さらに好ましくは肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽腫、結腸癌および乳癌の群から選択される。
好ましいのは、さらに、血液および免疫系の腫瘍性悪性病変の処置、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病または慢性リンパ性白血病の群から選択された腫瘍の処置のための使用である。
【0177】
本発明は具体的には、炎症状態、免疫学的状態、自己免疫状態、アレルギー状態、リウマチ状態、血栓性状態、がん、感染、神経変性疾患、神経炎症性の疾患、心臓血管疾患または代謝性状態の処置または防止方法であって、式Iで表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体、立体異性体もしくは溶媒和物の有効量を、それらを必要とする対象に投与することを含む該方法に関する。
【0178】
他の態様において、本明細書において、キナーゼの、該キナーゼを発現する細胞における阻害方法であって、式Iで表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体、立体異性体もしくは溶媒和物の有効量を、該細胞に接触させることを含む該方法を提供する。一態様において、キナーゼは、GCN2あるいはそれらの突然変異体もしくはイソフォーム、あるいは、それらの2種または3種以上の組み合わせである。
【0179】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な免疫学的状態は、ベーチェット症候群、非アレルギー性の肥満細胞疾患(例えば肥満細胞症、アナフィラキシーの処置)、強直性脊椎炎、変形性関節症、リウマチ性関節炎(RA)、多発性硬化症、紅斑性狼瘡、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、グレーブス病、移植片拒絶、体液性移植片拒絶、非体液性移植片拒絶、細胞性移植片拒絶、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、特発性血小板減少性紫斑病、糖尿病、細菌感染症、寄生虫感染症、寄生蠕虫感染症またはウイルス感染に対する免疫応答、湿疹、皮膚炎、移植片対宿主病、グッドパスチャー症候群、新生児溶血性疾患、自己免疫溶血性貧血、抗リン脂質症候群、ANCA関連血管炎、チャーグ−ストラウス症候群、ヴェゲナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、血清病、混合性クリオグロブリン血症、IgM抗体に関連する末梢性神経障害、顕微鏡的多発血管炎、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、線維化性の疾患(先天的もしくは適応的な免疫系または局所的な間葉細胞に依存したものなど)または原発性胆汁性肝硬変症を含むが、それらに限定されない。
【0180】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な自己免疫状態は、自己免疫溶血性貧血(A1HA)、ベーチェット症候群、クローン病、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、橋本甲状腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変症、リウマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、潰瘍性大腸炎、またはヴェグナー肉芽腫症を含むが、それらに限定されない。
【0181】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的なアレルギー状態は、アナフィラキシー、枯草熱、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、粘膜障害、組織障害および特定の胃腸障害を含むが、それらに限定されない。
【0182】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的なリウマチ状態は、リウマチ性関節炎、痛風、強直性脊椎炎、または変形性関節炎を含むが、それらに限定されない。
【0183】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な炎症状態は、非ANCA(抗好中球細胞質自己抗体)血管炎(例えば、ここでGCN2機能は、好中球の付着、漏出および/または活性化に関連する)、乾癬、喘息、アレルギー性リウマチ、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹、皮膚の掻痒、アナフィラキシー、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、炎症性大腸炎、過敏性腸症候群、痛風、クローン病、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、腸管抗原に対するアレルー(グルテン性腸症)、糖尿病(例えば、1型糖尿病および2型糖尿病)および肥満を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様において、炎症状態は、例えば、乾癬、蕁麻疹、皮膚の掻痒、湿疹、強皮症、または皮膚炎などの、皮膚科学的状態である。他の態様において、炎症状態は、炎症肺状態、例えば、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などである。他の態様において、炎症状態は、例えば、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、特発性炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、または痙攣性結腸などの胃腸の疾患である。
【0184】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な感染は、細菌、寄生虫、プリオン、ウイルス感染または蠕虫感染を含むが、それらに限定されない。
【0185】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的ながんは、頭、首、眼、口腔、咽喉、食道、気管支、喉頭、咽頭、胸、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、頸部、乳房、卵巣、精巣または他の生殖器、皮膚、甲状腺、血、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、脳、中枢神経系、固形腫瘍および血液媒介腫瘍のがんを含むが、それらに限定されない。
【0186】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な心血管疾患は、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、および、脳卒中、心筋梗塞、心臓、肺、胃腸、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓または脳に対する虚血性障害などのその影響を含むが、それらに限定されない。
【0187】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な代謝性状態は、肥満および糖尿病(例えば1型および2型糖尿病)を含むが、それらに限定されない。特定の態様において、インスリン抵抗性の処置または防止方法を本明細書において提供する。ある態様において、糖尿病(例えば2型糖尿病)を引き起こすインスリン抵抗性の処置または防止方法を本明細書において提供する。他の態様において、X症候群またはメタボリック・シンドロームの処置または防止方法を本明細書において提供する。他の態様において、2型糖尿病、1型糖尿病、遅発性1型糖尿病、尿崩症(例えば、神経原性尿崩症、腎性尿崩症、口渇誘導性尿崩症、または黄体ホルモン尿崩症)、真性糖尿病、妊娠糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群、成人発症型糖尿病、若年性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、栄養不良関連糖尿病、ケトーシス傾向の糖尿病、糖尿病前症(例えばグルコース代謝の障害)、嚢胞性線維症に関連する糖尿病、ヘモクロマトーシスおよびケトーシス抵抗性の糖尿病の処置または防止方法を本明細書において提供する。
【0188】
式Iで表される化合物が処置または防止に有用である代表的な神経変性疾患および神経炎症性疾患は、ハンチントン病、アルツハイマー病、ウイルス(例えばHIV)または細菌に関連する脳炎および損傷を含むが、それらに限定されない。
他の態様において、線維症および線維性障害の処置または防止方法を本明細書において提供する。特定の態様において、特発性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、脂肪線維症および脂肪性肝炎の処置または防止方法を本明細書において提供する。
【0189】
他の態様において、限定されないが、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞および虚血性脳卒中などの血栓事象に関連する疾患の処置防止方法を本明細書において提供する。
【0190】
本発明は具体的には、炎症状態、免疫学的状態、自己免疫状態、アレルギー状態、リウマチ状態、血栓症状態、がん、感染症、神経変性疾患、神経炎症性(neuroinflammatory)疾患、心血管疾患および代謝性状態の処置および/または予防のための使用のための、式Iで表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物であって、該方法が、その必要のある対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、該化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0191】
さらに、本発明は具体的には、がんの処置および/または防止のための使用のための化合物であって、
処置するべきがんが固形腫瘍または血液および免疫系の腫瘍である、該化合物に関する。
【0192】
さらに、本発明は具体的には、がんの処置および/または防止のための使用のための化合物であって、該腫瘍は、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群を起源とする、該化合物に関する。
【0193】
さらに、本発明は具体的には、がんの処置および/または防止のための使用のための化合物であって、固形腫瘍が、上皮、膀胱、胃、腎臓、頭頸部、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭、軟骨肉腫およびユーイング肉腫を含む骨、胚性組織腫瘍を含む生殖細胞、および/または
肺の腫瘍の群、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽腫、神経線維腫、血管肉腫、乳癌および/または悪性黒色腫の群
に由来する、該化合物に関する。
【0194】
さらに、本発明は具体的には、関節リウマチ、全身性ループス、喘息、多発性硬化症、骨関節炎、虚血傷害、巨細胞性動脈炎、炎症性腸疾患、糖尿病、嚢胞性線維症、乾癬、シェーグレン症候群および移植片器官拒絶の群から選択された疾患の処置および/または防止のための使用に関する。
【0195】
さらに、本発明は具体的には、アルツハイマー病、ダウン症候群、アミロイドーシス−オランダ型を有する遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、パーキンソン病の群から選択された疾患の処置および/または防止のための使用のための化合物に関する。
【0196】
さらに、本発明は具体的には、リーシュマニア、らい菌、結核菌および/またはマイコバクテリウム・アビウムを含むマイコバクテリア、リうーシュマニア、マラリア原虫、ヒト免疫不全ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、単純ヘルペスウイルス、C型肝炎ウイルスの群から選択された疾患の処置および/または防止のための使用のための化合物に関する。
【0197】
式Iで表される開示した化合物を、抗がん剤を含む他の公知の治療剤と併用して投与することができる。本明細書中で使用する用語「抗がん剤」は、がんを処置する目的のためにがんを有する患者に投与されるあらゆる剤に関する。
【0198】
本明細書中で定義する抗がん処置を、単独療法として適用してもよく、または本発明の化合物に加えて、慣用の手術または放射線療法または化学療法を関与させてもよい。かかる化学療法は、以下のカテゴリーの抗腫瘍剤の1種または2種以上を含んでもよい:
【0199】
(i)医学的腫瘍学において使用する抗増殖/抗悪性腫瘍/DNA損傷剤およびそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニトロソ尿素);代謝拮抗薬(例えば葉酸代謝拮抗薬、例えばフルオロピリミジン、例えば5−フルオロウラシルおよびテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素およびゲムシタビン);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害薬(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビン、ならびにタキソイド、例えばタキソールおよびタキソテール);トポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシドおよびテニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカンおよびカンプトセシン)ならびに細胞分化剤(例えば全トランス型レチノイン酸、13−シスレチノイン酸およびフェンレチニド);
【0200】
(ii)細胞分裂阻害剤、例えば抗エストロゲン(antioestrogen)(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)およびヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体下方調節剤(downregulator)(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲステロン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害薬(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボロゾールおよびエキセメスタン)ならびに5α還元酵素の阻害剤、例えばフィナステリド;
【0201】
(iii)がん細胞浸潤を抑制する薬剤(例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばマリマスタットおよびウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤);
【0202】
(iv)成長因子機能の阻害剤、例えばかかる阻害剤は、成長因子抗体、成長因子レセプター抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ[Herceptin
TM]および抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、
N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、例えば血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤および例えば肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤を含む。
【0203】
(v)抗血管新生薬、例えば血管内皮成長因子の効果を抑制するもの(例えば抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ[Avastin
TM]、化合物、例えば公表された国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856およびWO 98/13354に開示されているもの)および他の機構によって作動する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能およびアンジオスタチンの阻害剤)、
【0204】
(vi)血管損傷剤、例えばコンブレタスタチンA4ならびに国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434およびWO 02/08213に開示されている化合物);
【0205】
(vii)アンチセンス療法、例えば上に列挙した標的に向けられるもの、例えばISIS 2503、抗Rasアンチセンス;
【0206】
(viii)例えば異常な遺伝子、例えば異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2の置き換えのためのアプローチ、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌性ニトロ還元酵素を使用するもの、および化学療法または放射線療法に対する患者耐性を増加させるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子療法を含む、遺伝子療法アプローチ;ならびに
【0207】
(ix)例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるためのex-vivoおよびin vivoアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを減少させるためのアプローチ、トランスフェクトした免疫細胞、例えばサイトカインでトランスフェクトした樹状細胞を使用するアプローチ、サイトカインでトランスフェクトした腫瘍細胞系を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチを含む、免疫療法アプローチ。
【0208】
以下の表1からの医薬を、好ましくは、式Iで表される化合物と併用されるが、排他的にではない。
【0209】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0210】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0211】
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0213】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0214】
式Iで表される開示した化合物ならびにそれらの薬学的に許容し得る溶媒和物、塩、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物を、好ましくは免疫調節物質と、好ましくは抗PDL−1−またはIL−12と併用して投与することができる。
【0215】
さらに本発明は、Sykの阻害のための使用のための、式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0216】
本発明は具体的には、関節リウマチ、全身性ループス、喘息、アレルギー性鼻炎、ITP、多発性硬化症、白血病、乳癌、悪性黒色腫の処置のための使用のための、式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0217】
本発明は具体的には、炎症状態、免疫学的状態、自己免疫性態、アレルギー状態、リウマチ状態、血栓症状態、がん、感染症、神経変性疾患、神経炎症性疾患、心血管疾患または代謝性状態の処置または防止方法であって、その必要のある対象に、有効量の式Iで表される化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩、互変異性体、立体異性体または溶媒和物を投与することを含む、前記方法に関する。
【0218】
以下の略語は、それぞれ下記の定義を参照する:
aq(水性)、h(時間)、g(グラム)、L(リットル)、mg(ミリグラム)、MHz(メガヘルツ)、min.(分)、mm(ミリメートル)、mmol(ミリモル)、mM(ミリモーラー)、m.p.(融点)、eq(定量的)、mL(ミリリットル)、L(マイクロリットル)、ACN(アセトニトリル)、AcOH(酢酸)、CDCl
3(重水素化クロロホルム)、CD
3OD(重水素化メタノール)、CH
3CN(アセトニトリル)、c−hex(シクロヘキサン)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DIEA(ジイソプロピルエチル−アミン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシ)、DMSO−d
6(重水素化ジメチルスルホキシド)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)、ESI(エレクトロスプレイイオン化)、EtOAc(酢酸エチル)、Et
2O(ジエチルエーテル)、EtOH(エタノール)、HATU(ジメチルアミノ([1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)−メチレン]−ジメチル−アンモニウムヘキサフルオロホスファート)、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)、i−PrOH(2−プロパノール)、K
2CO
3(炭酸カリウム)、LC(液体クロマトグラフィ)、MeOH(メタノール)、MgSO
4(硫酸マグネシウム)、MS(質量分析)、MTBE(メチルtert−ブチルエーテル)、NaHCO
3(重炭酸ナトリウム)、NaBH
4(水素化ホウ素ナトリウム)、NMM(N−メチルモルホリン)、NMR(核磁気共鳴)、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート)、RT(室温)、Rt(保持時間)、SPE(固相抽出)、TBTU(2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、TLC(薄層クロマトグラフィ)、UV(紫外線)。
【0219】
インビトロアッセイの説明
GCN2:アッセイ原理および条件
このアッセイは、セリンキナーゼGCN2(全般統制非デレプレッシブル−2)の活性を定量化することができる。
このキナーゼは、細胞のストレス代謝に関与する。それは、飢餓(アミノ酸枯渇)で活性化される。その天然の基質はeIF2a(真核生物開始因子2アルファサブユニット)、翻訳因子であり、それは細胞におけるアミノ酸ボトルネックの場合においてGCN2によって活性化(リン酸化)される。これによって、次にタンパク質合成の停止がもたらされる。GCN2の阻害の結果、この機構が停止する:細胞は、「飢餓」ストレスの際にタンパク質産生を停止することができない。
【0220】
アッセイを、2ステップで実行する:酵素的反応および検出ステップ。第1のステップにおいて、GCN2を、10μMのATPおよび80nMのGFP標識基質eIF2アルファとともに室温でインキュベートする。
酵素的反応を、EDTAの添加によって停止する。リン酸化eIF2アルファの量を、TR−FRET(Lanthascreen)によって決定する:抗体およびGFP標識ホスホ−eIF2aからなる複合体が形成し、それによって340nmでの励起の際のFRETが可能になる。
GCN2活性は、発光波長520nm(ホスホペプチド感受性波長=GFPの発光)での蛍光単位の495nm(基準波長=テルビウム−キレート化合物の発光)での単位に対する比率に正比例する。
【0221】
酵素的反応における最終濃度
Hepes、pH 7.0 50mM
MgCl
2 10mM
MnCl
2 5mM
BSA 0.1%
DMSO 1%
ATP 10uM
DTT 2mM
GFP−eIF2a 80nM(基質)
GCN2 30nM(酵素)
【0222】
アッセイ手順
4uL 酵素溶液(アッセイ緩衝液中)
1.5uL 化合物(化合物希釈緩衝液/6.3% DMSO中)
インキュベーション RTで20min
4uL 基質/ATP混合物(アッセイ緩衝液中)
インキュベーション RTで90min
10uL 停止/検出混合物(抗体希釈緩衝液中)
インキュベーション RTで60min
読み出し Lanthascreen 340/495/520
【0223】
化合物活性の決定のための細胞アッセイ
ヒトU2OS細胞(2000個の細胞/ウェル)を384ウェルプレート中に播種し、20時間インキュベートする。
翌日、細胞を試験化合物で処理し、2時間インキュベートする。次に、トリプトファノールを、600μMの最終濃度で細胞に加え、それらを30分間インキュベートする。
【0224】
細胞GCN2活性の分析を、免疫細胞化学によって行う。簡潔には、細胞を、ウェル表面上にホルムアルデヒドによって固定し、Triton X-100で透過性にする。一次抗体(抗ホスホ−eIF2アルファ(Ser51, Cell Signalling Technology, #3398)を、処理した細胞上で20時間インキュベートし、続いて二次抗体(抗ウサギIgG-Alexa 488;Molecular Probes # 11008)で60分間インキュベートする。
【0225】
リン酸化GCN2の分析および定量化を、プレートをAcumen Explorer system (TTPLabtech)において走査することにより行う。得られたデータを、未処理の対照ウェル(DMSOのみ)に対して標準化し、%効果値として表現する。IC
50値の決定を、Graph Pad Prismソフトウェアを使用することにより行う。
【0226】
SYKフラッシュプレートアッセイ
キナーゼアッセイを、384ウェルのフラッシュプレートアッセイ(例えばトップカウント(Topcount)測定に対して)、または384ウェルイメージ(Image)−フラッシュプレートアッセイ(リードシーカー(LEADseeker)測定に対して)のいずれかとして実施する。
【0227】
2.5nMのSYK、400nMのビオチン−Aha−Aha−KEDPDYEWPSAKKおよび10μMのATP(0.3μCiの33P−ATP/ウェルを添加された)を、試験化合物とともにまたは試験化合物なしで、50μlの全量(60mMのHepes、10mMのMgCl
2、1.2mMのジチオスレイトール、0.02%のBrij35、0.1%のBSA、pH7.5)で、30℃で1時間インキュベートする。反応を、25μl 200mMのEDTAで停止する。30℃で30Min後、液を除去し、各ウェルを、100μl 0.9%塩化ナトリウム溶液で3回洗浄する。非特異的な反応を、0.1μMのスタウロスポリンの存在下で、決定する。放射能をそれぞれ、トップカウント(フラッシュプレートを使用する場合)またはリードシーカー(画像−フラッシュプレートを使用する場合)で測定する。結果(例えばIC50値)を、IT部門(例えば、Symyx Assay Explorer、Genedata Screener)により提供されるプログラムツールで算出する。
【0228】
Caliper LifeSciences Technologyを使用する酵素アッセイ
ここに記載のアッセイを、Caliper Life Sciences LC3000系で実施する。この技術は、酵素反応の最後に、リン酸化されたか、または非リン酸化の蛍光標識基質ペプチドの相対量の測定により酵素活性のデータを提供する。ペプチドのこれらの異なる状態を、試料間の潜在的な差異を適用することによって解消する。生成物(基質の対語として)上の荷電したリン酸基の存在によって、2種のペプチド間のペプチド移動度が異なる。これは、基質および生成物のペプチド上の蛍光標識の励起によって可視化され、分析ソフトウェア内のピークとして表される。
【0229】
この技術によりキナーゼ阻害剤の阻害活性を測定するために、TTP Mosquito液取扱い器具を、384ウェルのプレートの各ウェルに、100%のDMSO中、適切な濃度の阻害剤の0.25μlを播種するために使用する(用量応答曲線計算のため)。25μlの最終体積まで、この反応成分に、加えた。以下の表は、この報告に記載されたアッセイの配列および濃度を示す。標準成分は、1mMのDTT(Sigma、D0632)、1mMのMgCl
2(Sigma、M1028)、100mMのHEPES pH7.5(Calbiochem、391338)、0.015%のBrij−35(Sigma、B4184)である。
【0230】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0231】
反応物を25℃で90minインキュベートし、その後、70μlの停止緩衝液(100mMのHEPES pH7.5、0.015%のBrij−35、10mMのEDTA(Sigma、 E7889))を加えることで停止する。
【0232】
プレートを、12シッパー(sipper)チップ上の、オフ−チップ(Off-Chip)移動シフトアッセイフォーマットにおいて、Caliper LC 3000で読む。非リン酸化基質およびリン酸化生成物のペプチドを、基質から生成物への変換パーセンテージの直接測定を可能とする分離ピークとして、分解する。変換パーセンテージを、生成物に対する阻害剤の濃度に対し、GeneData Condoseoまたは同様な製品を使用してIC50を算出することができるS字状の用量応答曲線をプロットすることができる。
【0233】
細胞活性アッセイ1. BCR架橋により誘発されるBLNKリン酸化
5%FCSを含むIMDM培地中で終夜インキュベートしたRamos細胞を、血清なしのIMDM培地中に再懸濁した(3.3×10
6細胞/ml)。90μlの細胞懸濁(300,000細胞)を、96ウェルプレート中、10μlのSYK阻害剤(3%DMSO中)とともに、37℃で20分間インキュベートした。予め阻害剤とインキュベートした後、細胞を、10μg/mlのヤギ抗ヒト抗IgMで、37℃で10分間活性化した。刺激後、細胞を、80μlの4%パラホルムアルデヒドの添加により固定し、続いて、RTで10分間インキュベートし、PBS中0.1%Triton X−100中で固定した。BLNKリン酸化を、BD pharmingenの抗BLNK−pY84抗体で細胞をRTで45分間染色した後、フローサイトメトリーで検出した。
【0234】
健常ボランティアのバフィーコートから単離したCD19
+末梢血単核細胞においてBLNKリン酸化(PBMC)を、同じプロトコルを使用して実施し、BD Pharmingenの抗BLNK−pY84−PE、抗CD19PerCpおよび抗IgM APC抗体の混合物で細胞を染色した。
【0235】
2. BCR架橋により誘発されるCD69上方調節
末梢血単核細胞において、抗IgM誘発CD69の上方調節を定量化するために、90μlのPBMC細胞懸濁(1×10
6細胞を含む)を、予め、10μlのSYK阻害剤とともに、37℃/5%CO
2で1hインキュベートした。予め阻害剤とともにインキュベーションした後、細胞を、10μg/mlのヤギ抗ヒト抗IgMにより、37℃/5%CO
2で、18時間刺激した。刺激後、細胞を、4%FCSを含むPBS中ヤギIgG(1:200希釈)、CD19−PerCpCy5.5(5μl)およびCD69−APC(3μl)抗体を含むカクテルで染色した。CD19
+細胞におけるCD69発現を、フローサイトメトリーにより定量化した。
【0236】
インビボアッセイ
CIA
コラーゲン誘発関節炎(CIA)を誘導するために、オスDBA/1マウスに、500μlのプリスタンを、〜21日に、i.p.で注入する。0日に、マウスを、フロイント完全アジュバント(CFA)中100μgのニワトリII型コラーゲン(CII)により、0日に耳介とその裏側の一部位とに分けて経皮的に免疫する。21日に、マウスに、PBS中可溶化CIIを、i.p.追加免疫(100μg)を行う。Syk阻害剤の投薬は予防的である:0日に開始し、10日までおよび20日にブーストを開始する前まで継続し、30日まで継続する。化合物を、3、10および30mg/kgの用量で、1日に2回経口的に投与する。
【0237】
体重および臨床スコアを、毎日記録する。関節炎の重症度を、個々の肢において、炎症の査定に基づく臨床スコア系を使用し、採点する。この臨床スコアのスケールは、個々の肢それぞれにつき0〜4に及ぶ。
【0238】
GIA
グルコース−6−ホスファートイソメラーゼにより誘発される関節炎(GIA)を誘導するために、メスDBA/1マウスに、フロイント完全アジュバント(CFA)中100μgのG6PIにより、0日に耳介とその裏側の一部位とに分けて経皮的に免疫する。Syk阻害剤の投薬は、0日に予防的に開始し、14日まで継続する。化合物を、3、10および30mg/kgの用量で、1日に2回経口的に投与する。
【0239】
体重および臨床スコアを、毎日記録する。関節炎重症度は、個々の肢において、炎症アセスメントに基づく臨床スコア化システムを使用して格付けする。この臨床スコアのスケールは、個々の肢それぞれに対し0〜4の範囲である。
【0240】
LCMS:
方法A
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0mL/min。
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
方法B
方法:A−H
2O中の0.1%NH
4HCO
3、B−ACN:流量−1.0mL/min。
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、−veモード
1HNMR:
Bruker 400MHz
【0241】
HPLC:
方法A
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0mL/min。
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)。
方法B
方法:A−H
2O中の0.1%NH
4HCO
3、B−ACN:流量−1.0mL/min。
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)。
【0242】
本明細書において、温度はすべて℃で示す。以下の例において、「慣用のワークアップ」は、次を意味する:必要ならば水を添加し、必要ならばpHを最終生成物の構成に応じて2〜10の値に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、および蒸発させ、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィで、および/または再結晶化で、精製する。シリカゲルでのRf値;溶離液:酢酸エチル/メタノール 9:1。
【0243】
例1
(4−メタンスルホニル−フェニル)−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A1」)の合成
1.1 5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化3】
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5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(2.0g、11.8mmol)を1,4−ジオキサン/水(9:1、50mL)に溶解した溶液に、1−メチル−1H−インダゾール−5イル−ボロン酸(3.1g、17.7mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.4g、0.7mmol)、酢酸パラジウム(0.08g、0.35mmol)および炭酸カリウム(4.9g、35.4mmol)を加え、圧力管中で110℃で10h加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライト(celite)に通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、75mL)で洗浄し、濾液を濃縮して粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MEOH/DCM勾配溶離)によって精製する;収率:42%(1.3g、黄色固体);
【0244】
LCMS:(方法A)266.2(M+H)、RT. 2.2min、80.3%(最大)、92.7%(254nm);
【化4】
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【0245】
1.2 (4−メタンスルホニル−フェニル)−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A1」)
【化5】
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5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.1g、0.37mmol)を乾燥tert−ブタノール(5mL)に溶解した溶液に、4−ブロモフェニルメチルスルホン(0.13g、0.56mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.015g、0.04mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.015g、0.02mmol)およびリチウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(1.1mL)を加え、短時間脱気し、150℃で90分間マイクロ波中で照射する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、50mL)で洗浄し、濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MEOH/DCM勾配溶離)によって精製する;収率:5%(7.7mg、薄茶色固体);
【0246】
LCMS:(方法A)420.0(M+H)、RT. 3.3min、91.6%(最大)、90.7%(254nm);
【化6】
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HPLC:(方法A)RT 3.3min、92.5%(最大)、91.0%(254nm)。
【0247】
以下の化合物を、「A1」と同様にして合成する:
(3−メトキシ−フェニル)−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A2」)
【化7】
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収率:18%(26mg、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)372.2(M+H)、RT. 3.9min、98.4%(最大)、99.2%(254nm);
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.8min、98.5%(最大)、98.4%(254nm)。
【0248】
[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−ピリジン−3−イル−アミン(「A3」)
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
収率:36%(46mg、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)343.2(M+H)、RT. 2.3min、96.4%(最大)、94.6%(254nm);
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.3min、95.8%(最大)、94.3%(254nm)。
【0249】
[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミン(「A4」)
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
収率:65%(65mg、淡黄色固体);
LCMS:(方法A)454.2(M+H)、RT. 3.0min、94.5%(最大)、96.2%(254nm);
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.9min、94.4%(最大)、95.7%(254nm)。
【0250】
例2
3,3−ジメチル−6−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A5」)の合成
2.1 2−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
水素化ナトリウム(60%)(2.13g、53.3mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)に0℃で懸濁させた懸濁液に、マロン酸ジメチル(12mL、104.2mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解した溶液を加える。反応混合物を、100℃に20min加熱する。乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の2,5−ジブロモニトロベンゼン(5g、17.8mmol)を、RTで滴加し、100℃に3h加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を0℃に冷却し、冷水で反応停止する。反応混合物を高度の真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(75mL)中に吸収させ、水(2×75mL)、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE勾配溶離)によって精製する;
【0251】
収率:80%(4.7g、明るいオレンジ色の固体);
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:(方法B)330.0(M−H)、RT. 5.8min、91.1%(最大)、90.8%(254nm)。
【0252】
2.2 4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル
【化15】
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2−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル(4.7g、14.2mmol)をDMSO(10mL)に溶解した溶液に、塩化リチウム(1.2g、28.4mmol)および水(0.3mL)を加え、100℃に24h加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を、高度の真空下で濃縮する。残留物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE勾配溶離)によって精製する;
【0253】
収率:20%(0.8mg、薄茶色固体);
【化16】
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LCMS:(方法B)274.0(M−H)、RT. 5.8min、94.0%(最大)。
【0254】
2.3 2−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
【化17】
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水素化ナトリウム(60%)(0.28g、7.22mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に0℃で懸濁させた懸濁液に、4−ブロモ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(0.8g、2.9mmol)、ヨードメタン(0.72mL、11.5mmol)および18−クラウン−6(0.8g、0.3mmol)を加え、RTで2時間撹拌する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を0℃に冷却し、冷水で反応停止する。反応混合物を高度の真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(30mL)中に吸収させ、水(2×30mL)、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE勾配溶離)によって精製する;
【0255】
収率:91%(0.8g、茶色油);
【化18】
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LCMS:(方法B)301.0(M−H)、RT. 6.2min、96.3%(最大)、93.5%(254nm);
【0256】
2.4 6−ブロモ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
【化19】
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2−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(0.6g、1.96mmol)を氷酢酸(10mL)に溶解した溶液に、鉄粉末(0.55g、9.8mmol)を加え、100℃に2時間加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を高度の真空で濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、セライトに通過させる。濾液を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE勾配溶離)によって精製する;
【0257】
収率:35%(210mg、白色固体);
【化20】
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LCMS:(方法B)240.0(M−H)、RT. 5.1min、99.5%(最大)、99.0%(254nm);
【0258】
2.5 3,3−ジメチル−6−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A5」)
【化21】
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化合物を、「A1」と同様にして得る;
収率:58%(59mg、黄色固体);
【0259】
LCMS:(方法A)425.2(M+H)、RT. 3.6min、97.5%(最大)、81.0、96.6%(254nm);
【化22】
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HPLC:(方法A)RT 3.7min、96.8%(最大)、95.3%(254nm)。
【0260】
例3
(2−ジメチルアミノメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A6」)の合成
3.1 6−ブロモ−2−クロロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
【化23】
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4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミン(3g、16mmol)を無水アルコール(50mL)に溶解した溶液に、塩酸エチル−2−クロロアセトイミダート(5g、32mmol)を加え、RTで12時間撹拌する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を、真空下で濃縮する。残留物をジクロロメタン(60mL)中に吸収させ、水、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA/PE勾配溶離)によって精製する;
【0261】
収率:30%(1.2g、薄茶色固体);
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:(方法A)246.0(M+H)、RT. 2.3min、97.4%(最大)、97.5%(254nm)。
【0262】
3.2 (6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−ジメチル−アミン
【化25】
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6−ブロモ−2−クロロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(1.2g、4.8mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した溶液に、ジエチルアミン(40%、5mL)を加え、RTで2時間、密封管中で撹拌する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を真空下で濃縮する。残留物をジクロロメタン(30mL)中に吸収させ、水、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して、生成物を得る;
【0263】
収率:69%(0.85g、茶色固体);
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0264】
3.3 [6−ブロモ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル]−ジメチル−アミン
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
水素化ナトリウム(60%)(150mg、3.8mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に0℃で懸濁させた懸濁液に、(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−ジメチル−アミン(800mg、3.17mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解した溶液を加え、1時間撹拌する。(2−(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(5.4mL、30.6mmol)を加え、RTで30分間撹拌する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を冷水で反応停止し、高度の真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル中に吸収させ、水(2×25mL)、ブライン(1×25mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM勾配溶離)によって精製して、位置異性体の混合物を得る;
【0265】
収率:49%(0.6g、茶色の粘着性固体);
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:(方法A)384.0(M+H)、RT. 4.5min、85.3%(最大)、88.7%(254nm)。
【0266】
3.4 [2−ジメチルアミノメチル−1−(3−トリメチルシラニル−プロポキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル]−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」と同様にして製造する;
収率:17%(60mg、茶色液体);
LCMS:(方法A)569.3(M+H)、RT. 3.8、4.1min、34.3、30.5%(最大)。
【0267】
3.5 (2−ジメチルアミノメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A6」)
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
[2−ジメチルアミノメチル−1−(3−トリメチルシラニル−プロポキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル]−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(60mg、0.1mmol)を乾燥メタノール(3mL)に溶解した溶液に、メタノール(3mL)中のHClを加え、RTで1時間撹拌する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を濃縮し、残留物をジクロロメタン(15mL)中に吸収させ、水性NaHCO
3(20%、15mL)、水(1×15mL)、ブライン(1×15mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM勾配溶離)によって精製する;
【0268】
収率:5%(5mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)439.2(M+H)、RT. 2.5min、97.7%(最大)、95.8%(254nm);
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.4min、93.6%(最大)、92.8%(254nm)。
【0269】
例4
3−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−ベンゼンスルホンアミド(「A7」)の合成
4.1 5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(1.0g、5.9mmol)を1,2−ジメトキシエタン/水(9:1、20mL)に溶解した溶液に、3−キノリン−ボロン酸ピナコールエステル(2.24g、8.8mmol)、ジキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロリド(0.2g、0.3mmol)および炭酸ナトリウム(2M、5mL)の水溶液を加え、マイクロ波中で130℃で90分間照射する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、75mL)で洗浄し、濾液を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MEOH/DCM勾配溶離)によって精製する;
【0270】
収率:55%(0.85g、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)263.0(M+H)、RT. 1.7min、96.2%(最大)、95.7%(254nm);
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
4.2 3−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−ベンゼンスルホンアミド(「A7」)
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」と同様にして製造する;
収率:36%(36mg、オフホワイト固体);
LCMS:(方法A)418.0(M+H)、RT. 2.7min、97.8%(最大)、97.5%(254nm);
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.6min、96.9%(最大)、97.1%(254nm)。
【0272】
以下の化合物を、同様にして製造する:
[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A8」)
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
収率:28%(28mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)451.2(M+H)、RT. 2.7min、97.3%(最大)、96.5%(254nm);
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.6min、96.7%(最大)、96.2%(254nm)。
【0273】
3,3−ジメチル−6−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A9」)
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
収率:32%(32mg、淡黄色固体);
LCMS:(方法A)422.2(M+H)、RT. 3.3min、96.5%(最大)、97.3%(254nm);
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法B)RT 5.0min、94.1%(最大)、92.4%(254nm)。
【0274】
例5
(2−ジメチルアミノメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A10」)の合成
5.1
[2−ジメチルアミノメチル−1−(3−トリメチルシラニル−プロポキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル]−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」と同様にして製造する;
収率:20%(70mg、茶色液体);
LCMS:(方法A)566.2(M+H)、RT. 3.7、3.9min、43.5、37.3%(最大)。
【0275】
5.2 (2−ジメチルアミノメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A10」)
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A6」と同様にして製造する;
収率:10%(9mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)436.2(M+H)、RT. 2.4min、99.2%(最大)、99.5%(254nm)。
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.3min、97.1%(最大)、97.0%(254nm)。
【0276】
例6
(4−メタンスルホニル−フェニル)−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A11」)の合成
6.1 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」、ステップ1と同様にして製造する;
収率:32%(0.8g、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)216.2(M+H)、RT. 1.5min、99.8%(最大)、99.6%(254nm);
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0277】
6.2 (4−メタンスルホニル−フェニル)−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A11」)
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」と同様にして製造する;
収率:29%(50mg、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)370.0(M+H)、RT. 2.8min、95.8%(最大)、92.6%(220nm);
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.7min、94.4%(最大)、90.5%(254nm)。
【0278】
以下の化合物を、同様にして製造する:
[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−ピリジン−3−イル−アミン(「A12」)
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
収率:24%(33mg、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)293.2(M+H)、RT. 1.8min、98.8%(最大)、98.3%(254nm);
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 1.8min、99.2%(最大)、98.6%(254nm)。
【0279】
3,3−ジメチル−6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A13」)
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
収率:66%(70mg、オフホワイト固体);
LCMS:(方法A)375.2(M+H)、RT. 3.0min、97.9%(最大)、96.8%(254nm);
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.3min、97.6%(最大)、96.9%(254nm)。
【0280】
(2−ジメチルアミノメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A14」)
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A6」と同様にして製造する;
収率:11%(11mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)389.2(M+H)、RT. 2.1min、97.5%(最大)、97.3%(254nm);
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.2min、98.0%(最大)、96.7%(254nm)。
【0281】
例7
5−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A15」)の合成
7.1 5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」、ステップ1と同様にして製造する;
収率:45%(800mg、薄茶色固体);
LCMS:(方法A)297.2(M+H)、RT. 2.4min、89.2%(最大)、93.2%(254nm);
【0282】
7.2 5−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A15」)
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」と同様にして製造する;
収率:30%(30mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)428.2(M+H)、RT. 3.1min、97.8%(最大)、96.6%(254nm);
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.3min、96.2%(最大)、95.5%(254nm)。
【0283】
以下の化合物を、同様にして製造する:
[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−ピリジン−3−イル−アミン(「A16」)
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
収率:20%(26mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)374.2(M+H)、RT. 2.5min、97.1%(最大)、96.8%(254nm);
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.5min、98.6%(最大)、98.1%(254nm)。
【0284】
[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A17」)
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
収率:37%(37mg、茶色固体);
LCMS:(方法A)485.3(M+H)、RT. 3.1min、97.3%(最大)、97.8%(254nm);
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.1min、97.2%(最大)、97.8%(254nm)。
【0285】
例8
(6−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン(「A18」)の合成
8.1 N−(tert−ブトキシカルボニル)−O−(メシチルスルホニル)−ヒドロキシルアミン
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
塩化2−メシチレンスルホニル(2.0g、0.00914mol)を乾燥THF(50mL)に溶解した溶液に、N−Boc−ヒドロキシルアミン(1.21g、0.00914mol)を加え、N
2雰囲気下で0℃に冷却する。反応混合物を、5分間撹拌する。この混合物に、トリエチルアミン(1.1g、0.011mol)を、10分にわたりゆっくり加える。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次に溶媒を真空中で除去する。残留物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、水(2×50mL)、10%水性NaHCO
3(50ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥する。それを次に減圧下で室温で濃縮して、生成物をオフホワイト固体として得る。(2.1g、73%);
【0286】
TLC:石油エーテル/酢酸エチル(8/2)R
f−0.4;
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
8.2 2−[(アミノオキシ)スルホニル]−1,3,5−トリメチルベンゼン
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
N−(t−ブトキシカルボニル)−O−(メシチルスルホニル)−ヒドロキシルアミン(2.1g、0.0066mol)に、トリフルオロ酢酸(20ml)を、窒素雰囲気下で0℃でゆっくり加える。反応混合物を30分間撹拌し、水(60mL)をゆっくり加え、反応混合物を15分間撹拌する。沈殿物を濾過し、濾液のpHが中性であるまで水で数回洗浄する。白色固体(1.4g、98%)をブフナー漏斗中で乾燥し、次の反応のために直ちに使用する。
【0288】
白色固体注意:MSHとしても知られている2−[(アミノオキシ)スルホニル]−1,3,5−トリメチルベンゼンは、高度に不安定であり、反応性の化合物である。それは、多量に扱うときに爆発すると知られている。この化合物を、常にバッチにおいて製造し、次の反応のために直ちに使用しなければならない。
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0289】
8.3 1,2−ジアミノ−5−クロロ−ピラジニウムメシチレネート
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
5−アミノ−2−クロロ−ピラジン(1.75g、13.5mmol)を乾燥ジクロロメタン(75ml)に溶解した溶液に、0℃でN
2雰囲気下で、乾燥ジクロロメタン(50ml)中の2−[(アミノオキシ)スルホニル]−1,3,5−トリメチルベンゼン(3.36g、16.88mmol)を滴加し、反応混合物を室温で3時間撹拌する。反応混合物を最小に濃縮し、ジエチルエーテル(100ml)を加え、15分間撹拌する。沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、生成物を茶色固体(3.2g、69.56%)として得る;
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
8.4 (6−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
イソチオシン酸3−メトキシフェニル(0.1g、5.87mmol)を乾燥ジクロロメタン(25ml)に溶解した溶液に、1,2−ジアミノ−5−クロロ−ピラジニウムメシチレネート(2.52g、7.34mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.79g、29.35mmol)を加え、1時間撹拌する。EDCI(2.24g、11.74mmol)を加え、6時間撹拌する。反応混合物を水中に取り込み、層を分離し、有機層を水、ブラインで洗浄し、無水MgSO
4で乾燥し、濃縮する。粗生成物を、(60−120)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を薄茶色固体(0.55g、35.71%)として得る;
【0291】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、276.0);
方法:A−H
2O中の0.1%TFA:B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.79面積%−96.75(最大)、97.37(254nm);
【0292】
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1% TFA:B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min。
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.85面積%−96.68(最大)、97.02(254nm)。
【0293】
以下の化合物を、同様にして製造する:
(6−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(3−フルオロ−フェニル)−アミン(「A19」)
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.5g、29.41%;色:薄茶色固体;
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、264.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量 − 2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):4.25面積% 99.07(最大)、98.26(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):4.11面積% 99.41(最大)、98.47(254nm)。
【0294】
(6−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−ピリジン−3−イル−アミン(「A20」)
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.026g、37.08%;色:淡黄色固体;
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、247.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.64面積% 97.82(最大)、96.52(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):1.69面積% 98.07(最大)、96.67(254nm)。
【0295】
(6−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(4−フルオロ−フェニル)−アミン(「A21」)
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.023g、49.48%;色:オフホワイト固体;
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、264.0);
方法:A−H
2O中の0.1%TFA:B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.91面積% 99.11(最大)、98.98(254nm)。
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.99面積% 99.3(最大)、99.42(254nm)。
【0296】
(6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン(「A22」)
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
収率:2.3g、60%;色:薄茶色固体;
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.4;
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、322.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.88面積% 99.12(最大)、99.46(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.93面積% 99.46(最大)、99.80(254nm)。
【0297】
(6−シアノ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン(「A23」)
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、267.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.67面積% 98.79(最大)、98.78(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.66面積% 99.57(最大)、96.80(254nm)。
【0298】
例9
(3−メトキシ−フェニル)−(6−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A24」)の合成
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
(6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン(0.1g、0.31mmol)をアセトニトリル/水(1:1、8ml)に溶解した溶液に、メチルボロン酸(0.037g、0.62mmol)、ビス(トリフェニルホスフィノ)ジクロロパラジウム(II)(0.008g、0.01mmol)、炭酸ナトリウム(0.09g、0.93mmol)を加え、短時間脱気し、120℃で30分間マイクロ波中で照射する。反応混合物を濃縮し、メタノール中の50%のジクロロメタンで希釈し、セライトに通過させ、濾液を濃縮する。粗生成物を、シリカゲル(60−120)メッシュを使用してカラムによって精製して、生成物をオフホワイト固体(0.052g、50.9%)として得る;
【0299】
TLC:石油エーテル/酢酸エチル(7/3) R
f−0.3;
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、256.30)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.18面積% 96.51(最大)、96.80(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.19面積% 98.85(最大)、97.92(254nm)。
【0300】
例10
ピリジン−3−イル−(6−ピリジン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A25」)の合成
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.031g、21%;色:薄茶色固体;
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、290.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.67面積%−95.59(最大)、95.64(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%NH
4HCO
3、B−ACN:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.78面積%−98.22(最大)、97.67(254nm)。
【0301】
以下の化合物を、同様にして製造する。
(3−メトキシ−フェニル)−(6−o−トリル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A26」)
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.052g、50.9%;色:オフホワイト固体;
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.4、
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、332.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):4.67面積%−98.38(最大)、99.78(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):4.78面積%−98.25(最大)、99.81(254nm)。
【0302】
例10a
(3−フルオロ−フェニル)−[5−(3−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミンの合成
10a.1 6−(3−メトキシ−フェニル)−ピラジン−2イルアミン
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロピラジン(0.5g、3.85mmol)をトルエン/エタノール(4:1、10ml)の混合物に溶解した溶液に、3−メトキシフェニルボロン酸(0.64g、4.24mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.13g、0.11mmol)および炭酸セシウム(2.51g、7.71mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で120℃で15分間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタンで洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲル(60−120)メッシュを使用してカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.34g、44.15%)として得る。
【0303】
TLC:石油エーテル/酢酸エチル(7/3)R
f−0.2;
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、202.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):2.48面積%−98.79(最大)、99.35(254nm)。
【0304】
10a.2 5−(3−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル−アミン
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
6−(3−メトキシ−フェニル)−ピラジン−2イルアミン(0.34g、1.68mmol)を乾燥ジクロロメタン(25ml)に溶解した溶液に、イソシアン酸エトキシカルボニルイ(0.24g、1.85mmol)を加え、50℃に16時間加熱する。反応混合物を濃縮し、メタノール/エタノール(1:1、35ml)の混合物中に吸収させ、塩酸ヒドロキシルアミン(0.58g、8.44mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.65g、5.06mmol)を加え、80℃で3時間還流させる。反応混合物を最小に濃縮し、冷却し、濾過し、水、ジエチルエーテル中の20%アセトニトリルで洗浄して、生成物を黄色固体(0.25g、61.42g)として得る。
【0305】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、242.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.04面積%−87.06(最大)、90.54(254nm)。
【0306】
10a.3 (3−フルオロ−フェニル)−[5−(3−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
5−(3−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル−アミン(0.1g、0.41mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、3−クロロ−1−フルオロベンゼン(0.0.094g、0.82mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.016g、0.017mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.016g、0.041mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.62ml、0.62mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で120℃で40分間照射する。反応混合物を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって直接精製して、生成物をオフホワイト固体(0.05g、35.90%)として得る;
【0307】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.4;
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、336.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):4.62面積%−95.42(最大)、97.75(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):4.61面積%−97.72(最大)、98.03(254nm)。
【0308】
例11
[5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−ピリジン−3−イル−アミン(「A27」)を、例10aと同様にして製造する。
11.1 6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラジン−2イルアミン
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、190.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):2.52面積%−96.57(最大)。
【0309】
11.2 5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、230.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.02面積%−97.52(最大)、97.50(220nm)。
【0310】
11.3 [5−(4−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−ピリジン−3−イル−アミン(「A27」)
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.015g、11.90%;色:オフホワイト固体
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、307.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.67面積%−92.99(最大)、93.45(254nm)。
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):2.58面積%−95.92(最大)、94.84(254nm)。
【0311】
以下の化合物を、同様にして製造する。
(3−メトキシ−フェニル)−(5−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A28」)
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
収率:0.061g、40.99%;色:淡黄色固体;
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.4;
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、318.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):4.46面積% 99.03(最大)、99.01(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):4.37面積% 96.18(最大)、97.66(254nm)。
【0312】
例12
N2−(3−フルオロ−フェニル)−N6−(3−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2,6−ジアミン
【化98】
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(6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(3−フルオロ−フェニル)−アミン(0.1g、0.31mmol)を乾燥1,4−ジオキサン(4ml)に溶解した溶液に、m−アニシジン(0.034g、0.28mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.018g、0.032mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.14g、0.015mmol)、炭酸セシウム(0.15g、0.46mmol)を加え、短時間脱気し、5分間超音波処理し、密封した管中で120℃で12時間加熱した。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン中の30%メタノール(20ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲル(230−400)メッシュを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物をオフホワイト固体(0.144g、43.8%)として得る。
【0313】
TLC:石油エーテル/酢酸エチル(5/5)R
f−0.2。
【化99】
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LCMS:観測された質量(M+、351.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):4.67面積% 99.40(最大)、98.45(254nm)。
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):4.67面積% 99.57(最大)、99.09(254nm)。
【0314】
以下の化合物を、同様にして製造する。
N6−(4−フルオロ−フェニル)−N2−ピリジン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2,6−ジアミン(「A29」)
【化100】
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収率:0.014g、3.23%;色:薄茶色固体;
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、322.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):2.81面積% 95.12(最大)、95.94(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):2.87面積% 96.95(最大)、95.08(254nm)。
【0315】
以下の化合物を、例10aと同様にして製造する。
(3−メトキシ−フェニル)−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A30」)
【化102】
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収率:0.0071g、29.72%;色:薄茶色固体;
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.4;
【化103】
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LCMS:観測された質量(M+、323.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.33面積%−94.37(最大)、94.62(254nm)。
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.34面積%−96.30(最大)、96.75(254nm)。
【0316】
例13
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A31」)の合成
13.1 5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化104】
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2−アミノ−6−クロロピラジン(15.0g、115.8mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(150ml)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(16.7g、127.4mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、300ml)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(40.09g、576.9mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(44.73g、346.1mmol)を加え、80℃に3時間加熱する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、濾過し、水、低温アセトニトリル、ジエチルエーテルで洗浄して、生成物を淡黄色固体(14.0g、71.42%)として得る;TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.2。
【0317】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、170.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−1.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):2.01面積%−99.66(最大)、99.51(220nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−1.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):2.02面積%−99.23(最大)、99.05(220nm)。
【0318】
13.2 4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール
【化106】
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1H−ピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(0.5g、2.57mmol)をテトラヒドロフラン/アセトニトリル(3:2、20ml)に溶解した溶液に、2−(クロロメトキシルエチル)トリメチルシラン(0.51g、3.09mmol)および炭酸セシウム(1.67g、5.15mmol)を加え、室温で2時間撹拌する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、濃縮し、粗製の物体を酢酸エチル(30ml)中に吸収させ、水、ブライン溶液で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥し、濃縮して、生成物を茶色油(0.55g、65.94%)として得る;
【0319】
TLC:石油エーテル/酢酸エチル(8/2)R
f−0.5;
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0320】
13.3 5−[1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.3g、1.77mmol)を1,2−ジメトキシエタン/水(9:1、10ml)に溶解した溶液に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール(0.86g、2.66mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.061g、0.05mmol)および重炭酸ナトリウム(0.44g、5.32mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で120℃で45分間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物をオフホワイト固体(0.09g、96.77%)として得る;
【0321】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.2;
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、332.3);
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.92面積%−74.45(最大)。
【0322】
13.4 (4−モルホリン−4−イル−フェニル)−{5−[1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}−アミン
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
5−[1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.09g、0.27mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、4−(4−クロロフェニル)−モルホリン(0.08g、0.40mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.01g、0.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.01g、0.01mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.4ml)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で45分間照射する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、10ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.05g、37.59%)として得る;
【0323】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、493.3);
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.98面積%−87.00(最大)、89.03(254nm)。
【0324】
13.5 (4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−アミン(「A31」)
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−{5−[1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル}−アミン(0.05g、0.1mmol)を乾燥メタノール(3ml)に溶解した溶液に、メタノール中のHCl(5ml)を加え、12時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水(15ml)中に吸収させ、Na
2CO
3で中和し、pH〜8に調整し、ジクロロメタンで抽出し、無水MgSO
4で乾燥し、濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.004g、16.66%)として得る;
【0325】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、363.3);
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.99面積%−97.48(最大)、97.97(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):2.04面積%−98.46(最大)、98.52(254nm)。
【0326】
例14
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A32」)の合成
14.1 6−キノリン−3−イル−ピラジン−2−イルアミン
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロ−ピラジン(0.3g、2.31mmol)をトルエン/エタノール(9:1、10ml)に溶解した溶液に、キノリン−3−ボロン酸ピナコールエステル(0.65g、2.54mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.08g、0.069mmol)および炭酸セシウム(1.5g、4.60mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で130℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.25g、49.61%)として得る。
【0327】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.4;
LCMS:観測された質量(M+、223.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.67面積%−99.35(最大)。
【0328】
14.2 5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
6−キノリン−3−イル−ピラジン−2−イルアミン(0.25g、1.14mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(30ml)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(0.16g、1.26mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、50ml)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(0.49g、7.08mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.54g、4.24mmol)を加え、80℃に6時間加熱する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、濾過し、水、低温アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄して、生成物を淡黄色固体(0.05g、8%)として得る;
【0329】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.2;
LCMS:観測された質量(M+、263.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.76面積%−95.72(最大)、90.35(254nm)。
【0330】
14.3 (4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A32」)
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
5−キノリン−3−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.04g、0.15mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、4−(4−クロロフェニル)−モルホリン(0.045g、0.22mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.006g、0.015mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.006g、0.006mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.23ml)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、10ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.017g、21.6%)として得る。
【0331】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、424.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):2.49面積%−98.12(最大)、97.50(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):2.50面積%−97.91(最大)、97.47(254nm)。
【0332】
例15
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(5−キノリン−6−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A33」)の合成
15.1 6−キノリン−6−イル−ピラジン−2−イルアミン
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロピラジン(0.25g、3.86mmol)をトルエン/エタノール(9:1、10ml)に溶解した溶液に、6−キノリンボロン酸ピナコールエステル(1.08g、4.24mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13g、0.11mmol)および炭酸セシウム(2.5g、7.7mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で130℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.51g、59.44%)として得る。
【0333】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.2;
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、223.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.41面積%−95.35(最大)、95.76(254nm)。
【0334】
15.2 5−キノリン−6−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
6−キノリン−6−イル−1,2−ジヒドロ−ピラジン−2−イルアミン(0.51g、2.29mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(0.33g、2.52mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、50ml)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(0.79g、11.46mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.88g、6.87mmol)を加え、80℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、濾過し、水、低温アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄して、生成物を淡黄色固体(0.45g、74.98%)として得る;
【0335】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、263.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.29面積%−89.08(最大)、90.99(254nm)。
【0336】
15.3 (4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(5−キノリン−6−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−アミン(「A33」)
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
5−キノリン−6−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.09g、0.34mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、4−(4−クロロフェニル)−モルホリン(0.101g、0.51mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.013g、0.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.013g、0.01mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.51ml)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で30分間照射する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、10ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物をオレンジ色固体(0.024g、16.62%)として得る;
【0337】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、424.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):2.00面積%−98.18(最大)、98.12(254nm)。
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):1.99面積%−99.54(最大)、99.53(254nm)。
【0338】
例16
2−メチル−2−{4−[2−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル]−フェニル}−プロピオニトリル(「A34」)の合成
16.1 2−[4−(6−アミノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロ−ピラジン(0.5g、3.86mmol)をトルエン/エタノール(9:1、10ml)に溶解した溶液に、4−(1−シアノ−1−メチルエチル)フェニルボロン酸(0.8g、4.24mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13g、0.11mmol)および炭酸セシウム(2.5g、7.72mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で130℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.63g、69.28%)として得る;
【0339】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.2;
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、239.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.06面積%−93.86(最大)、99.39(254nm)。
【0340】
16.2 2−[4−(2−アミノ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
2−[4−(6−アミノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(0.63g、2.67mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(0.38g、2.93mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、50ml)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(1.5g、21.68mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.67g、12.97mmol)を加え、80℃に3時間加熱する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、濾過し、水、低温アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄して、生成物を淡黄色固体(0.15g、20.21%)として得る;
【0341】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、279.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.06面積%−96.70(最大)、95.39(254nm)。
【0342】
16.3 2−メチル−2−{4−[2−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル]−フェニル}−プロピオニトリル(「A34」)
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
2−[4−(2−アミノ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(0.1g、0.36mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、4−(4−クロロフェニル)−モルホリン(0.106g、0.54mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.014g、0.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.014g、0.01mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.54ml)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で30分間照射する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、10ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.04g、25.39%)として得る;TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【0343】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、440.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.34面積%−98.72(最大)、99.21(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.32面積%−99.05(最大)、99.61(254nm)。
【0344】
例17
[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A35」)の合成
17.1 6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピラジン−2−イルアミン
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロピラジン(0.5g、3.86mmol)をトルエン/エタノール(9:1、10ml)に溶解した溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(0.8g、4.24mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13g、0.11mmol)および炭酸セシウム(2.5g、7.72mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で130℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.51g、75.44%)として得る;
【0345】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、176.0)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−0.6ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):1.09面積%−96.86(最大)。
【0346】
17.2 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピラジン−2−イルアミン(0.51g、2.94mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(30ml)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(0.42g、3.23mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、50ml)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(1.02g、14.72mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.1g、8.83mmol)を加え、80℃に3時間加熱する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、濾過し、水、低温アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄して、生成物を淡黄色固体(0.05g、8%)として得る;TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.2;
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
17.3 [5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A35」)
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.05g、0.23mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、4−(4−クロロフェニル)−モルホリン(0.068g、0.34mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.009g、0.023mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.009g、0.01mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.35ml)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、10ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.012g、13.8%)として得る;TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【0348】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、377.3)。
方法:A−10mM NH
4HCO
3、B−ACN:流量−1.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):4.13面積%−96.16(最大)、97.66(254nm);
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):2.19面積%−97.26(最大)、96.49(254nm)。
【0349】
例18
(5−ビフェニル−2−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A36」)の合成
18.1 6−ビフェニル−2−イル−ピラジン−2−イルアミン
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロ−ピラジン(0.25g、1.93mmol)をトルエン/エタノール(9:1、10ml)に溶解した溶液に、2−ビフェニルボロン酸(0.42g、2.13mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.067g、0.05mmol)および炭酸セシウム(1.25g、3.87mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で130℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.3g、63.02%)として得る;
【0350】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3。
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、248.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−0.6ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.54面積%−98.72(最大)。
【0351】
18.2 5−ビフェニル−2−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
6−ビフェニル−2−イル−ピラジン−2−イルアミン(0.3g、1.21mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(30ml)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(0.17g、1.33mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、50ml)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(0.54g、7.94mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.61g、4.74mmol)を加え、80℃に3時間加熱する。反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、濾過し、水、低温アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄して、生成物を淡黄色固体(0.3g、63.02%)として得る;
【0352】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、288.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.55面積%−78.24(最大)。
【0353】
18.3 (5−ビフェニル−2−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A36」)
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
5−ビフェニル−2−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(0.046g、0.16mmol)を乾燥tert−ブタノール(5ml)に溶解した溶液に、4−(4−クロロフェニル)−モルホリン(0.047g、0.24mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(0.006g、0.016mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.006g、0.006mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(0.25ml)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で1時間照射する。反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、10ml)で洗浄し、濾液を濃縮し、(230−400)メッシュを使用してシリカカラムによって精製して、生成物を黄色固体(0.009g、11.76%)として得る;
【0354】
TLC:クロロホルム/メタノール(9.5/0.5)R
f−0.3;
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:観測された質量(M+、449.3)。
方法:A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード
Rt(min):3.64面積%−94.69(最大)、96.26(254nm)。
HPLC
方法:A−A−H
2O中の0.1%TFA、B−ACN中の%TFA:流量−2.0ml/min
カラム:X Bridge C8(50×4.6mm、3.5μm)
Rt(min):3.74面積%−96.04(最大)、97.10(254nm)。
【0355】
以下の化合物を、同様にして製造する。
(5−ビフェニル−2−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル)−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミン(「A37」)
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
例19
5−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A38」)の合成
19.1 5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(2.0g、11.8mmol)を1,4−ジオキサン/水(9:1、50mL)に溶解した溶液に、1−メチル−1H−インダゾール−5イル−ボロン酸(3.1g、17.7mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.4g、0.7mmol)、酢酸パラジウム(0.08g、0.35mmol)および炭酸カリウム(4.9g、35.4mmol)を加え、圧力管中で110℃で10時間加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、75mL)で洗浄し、濾液を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MEOH/DCM勾配溶離)によって精製する;収率:42%(1.3g、黄色固体);
【0357】
LCMS:(方法A)266.2(M+H)、RT. 2.2min、80.3%(最大)、92.7%(254nm);
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0358】
19.2 5−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A38」)
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(250mg、0.94mmol)を乾燥tert−ブタノール(8mL)に溶解した溶液に、5−ブロモ−2−オキシンドール(298mg、1.41mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル(50mg、0.09mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(35mg、0.037mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(3mL)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で4h照射する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25mL)で洗浄し、濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MEOH/DCM勾配溶離)によって精製する;収率:3%(13mg、黄色固体);LCMS:(方法A)397.2(M+H)、RT.2.9min、92.1%(最大)、92.7%(254nm);
【0359】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.1min、96.3%(最大)、94.9%(254nm)。
【0360】
例20
3−[5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(「A39」)の合成
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(250mg、0.94mmol)を乾燥tert−ブタノール(8mL)に溶解した溶液に、3−クロロベンゼンスルホンアミド(271mg、1.41mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(37mg、0.09mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(36mg、0.039mmol)およびナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(1M/THF)(3mL)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で150℃で2時間照射する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライトに通過させて濾過し、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25mL)で洗浄し、濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MEOH/DCM勾配溶離)によって精製する;収率:4%(15mg、オフホワイト固体);LCMS:(方法A)421.0(M+H)、RT.3.1min、99.0%(最大)、99.0%(254nm);
【0361】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.0min、98.5%(最大)、97.9%(254nm)。
【0362】
例21
2−メチル−2−(4−{2−[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル}−フェニル)−プロピオニトリル(「A40」)の合成
21.1 2−[4−(6−アミノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−6−クロロ−ピラジン(0.5g、3.86mmol)をトルエン/エタノール(9:1、10mL)に溶解した溶液に、4−(1−シアノ−1−メチルエチル)フェニルボロン酸(0.8g、4.24mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13g、0.11mmol)および炭酸セシウム(2.5g、7.72mmol)を加え、短時間脱気し、マイクロ波中で130℃で1h照射する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物をセライトに通過させ、ジクロロメタン/メタノール(1:1、25ml)で洗浄し、濾液を濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA勾配溶離)によって精製する;収率:69%(0.63g、黄色固体);
【0363】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:(方法A)239.3(M+H)、RT. 3.0min、93.8%(最大)、99.3%(254nm)。
【0364】
21.2 2−[4−(2−アミノ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
2−[4−(6−アミノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2−メチル−プロピオニトリル(0.63g、2.67mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した溶液に、イソチオシアン酸エトキシカルボニル(0.38g、2.93mmol)を加え、50℃に12時間加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を濃縮し、エタノール/メタノール(1:1、50mL)に懸濁させ、塩酸ヒドロキシルアミン(1.5g、21.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.3mL、12.9mmol)を加え、80℃に3時間加熱する。反応完了後(TLCによってモニタリングした)、反応混合物を濃縮し、粗製の物体を水中に取り込み、粉末にし、濾過し、水(2×10mL)、アセトニトリル(1×10mL)、ジエチルエーテル(2×10mL)で洗浄して、生成物を得る;収率:20%(0.15g、黄色固体);
【0365】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
LCMS:(方法A)279.3(M+H)、RT. 3.0min、96.7%(最大)、95.3%(254nm)。
【0366】
21.3 2−メチル−2−(4−{2−[3−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル}−フェニル)−プロピオニトリル(「A40」)
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を、「A1」と同様にして製造する;収率:16%(49mg、淡黄色固体);
LCMS:(方法A)467.2(M+H)、RT. 3.5min、97.6%(最大)、97.2%(254nm);
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 3.4min、96.0%(最大)、96.3%(254nm)。
【0367】
以下の化合物を、同様にして製造する。
5−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(「A41」)
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
収率:21%(67mg、黄色固体);
LCMS:(方法A)347.2(M+H)、RT. 2.3min、95.0%(最大)、96.8%(254nm);
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
HPLC:(方法A)RT 2.3min、96.1%(最大)、96.3%(254nm)。
【0368】
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−アミン(「A42」)
【化157】
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収率:22%(83mg、茶色固体);LCMS:(方法A)404.2(M+H)、RT. 2.4min、96.1%(最大)、97.5%(254nm);
【化158】
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HPLC:(方法A)RT 2.7min、99.0%(最大)、99.0%(254nm)。
【0369】
N−(3−(2−((3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(「A43」)
【化159】
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収率:22%(71mg、黄色固体);LCMS:(方法A)493.2(M+H)、RT. 2.7min、96.6%(最大)、97.5%(254nm);
【化160】
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HPLC:(方法A)RT 2.8min、95.4%(最大)、97.0%(254nm)。
【0370】
例22
[6−メチル−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A44」)の合成
【化161】
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ステップ1
DMSOおよび水中の2−アミノ−6−クロロピラジン(1eq)に、0℃でNIS(1.1eq)を3分割で加える。混合物を、暗中で72h撹拌する。混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出し、蒸発させる。粗製の物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0371】
ステップ2
6−クロロ−5−ヨード−ピラジン−2−イルアミン(1eq)を、窒素の下でジオキサンに溶解する。イソチオシアン酸エトキシカルボニル(1.05eq)を加え、混合物をrtで18h撹拌し、HPLC MSによってモニタリングする。溶媒を真空において除去し、残留物を低温シクロヘキサンで洗浄し、所望のチオ尿素を固体として得る。
【0372】
ステップ3
N−[(6−クロロ−5−ヨード−ピラジン−2−イル)カルバモチオイル]カルバミン酸エチル(1eq)を、ヒドロキシルアンモニウムクロリド(5eq)およびN−エチルジイソプロピルアミン(3eq)のエタノール中の混合物に付与する。混合物をrtで2h撹拌し、次に60℃にさらに3時間加熱する。反応を濃縮し、固体を濾過によって採集する。冷水で洗浄し、真空中で60℃で乾燥することによって、5−クロロ−6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミンが固体として得られる。
【0373】
ステップ4
5−クロロ−6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(1eq)、2,4,6−トリメチル−シクロトリボロキサン(0.8eq、THFに溶解した溶液)、酢酸パラジウム(II)(0.03eq)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.1eq)および炭酸カリウムを、アセトニトリルおよび水の混合物に溶解する。混合物を脱気し、マイクロ波照射の下で150℃に1.5時間加熱する。溶媒を真空中で除去し、粗製の物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0374】
ステップ5
5−クロロ−6−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(1eq)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.5eq)、酢酸パラジウム(II)(0.03eq)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.1eq)および炭酸カリウムを、アセトニトリルおよび水の混合物に溶解する。懸濁液を、窒素で短時間脱気し、30分間マイクロ波照射によって150℃に加熱する。完了時に、混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0375】
ステップ6
6−メチル−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(1eq.)をtert.ブタノールに溶解し、4−(4−クロロ−フェニル)−モルホリン(1.1eq)を加える。混合物を窒素で短時間脱気し、その後クロロ[2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル][2−(2−アミノエチル)フェニル]Pd(II)(0.014eq)およびLHMDS(2eq)を加える。混合物を110℃で2h撹拌し、HPLCによってモニタリングする。完了時に、反応を停止し、濃縮する。分取HPLCによる精製によって、表題化合物が固体として得られる;HPLC−MS純度(方法A):100%、Rt:1,52min、観察された[M+H]=391.2;
【化162】
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【0376】
以下の化合物を、同様にして製造する。
[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A45」)
【化163】
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表題化合物を、「A44」に対して記載した方法を使用するが、ステップ4においてベンゼンボロン酸を使用して合成する;
HPLC−MS純度(方法A):100%、Rt:1,95min、観察された[M+H]=493.2;
【化164】
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【0377】
[5,6−ビス−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(「A46」)
【化165】
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表題化合物を、「A44」について記載した方法を使用して、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールをステップ4においてカップリングパートナーとして使用して合成する;
HPLC−MS純度(方法A):100%、Rt:1,49min、観察された[M+H]=457.2;
【化166】
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【0378】
1−{4−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミノ]−フェニル}−シクロプロパンカルボニトリル(「A47」)
【化167】
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5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イルアミン(1eq)を、ブッフバルト・ハートウィッグ条件下で、クロロ[2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル]2−(2−アミノエチル)フェニル)Pd(II)(0.05eq)およびLHMDS(2eq)を触媒および塩基として使用して、1−(4−クロロフェニル)−1−シクロプロパンカルボニトリル(1.5eq)と、tert.−ブタノール中でカップリングする。通常のワークアップによって、表題化合物が固体として得られる;HPLC−MS純度(方法A):100%、Rt:1,90min、観察された[M+H]=357.2;
【化168】
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【0379】
以下の化合物を、同様にして製造する。
【表18】
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【0380】
【表19】
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【0381】
【表20】
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【0382】
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0383】
【表22】
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【0384】
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0385】
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0387】
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【0388】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0389】
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0390】
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0391】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
【表32】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
【0395】
【表34】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
【表35】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
【表38】
[この文献は図面を表示できません]
【0400】
薬理学的データ
【表39】
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【0401】
【表40】
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【0402】
【表41】
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【0403】
表1に示した化合物は、本発明による、特に好ましい化合物である。
【0404】
以下の例は医薬に関する:
例A:注射バイアル
2回蒸留した3lの水中の式Iで表される100gの活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムの溶液を、2Nの塩酸を使用してpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で封をする。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0405】
例B:座剤
式Iで表される20gの活性成分と100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注ぎ入れ、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0406】
例C:溶液
式Iで表される1gの活性成分、9.38gのNaH
2PO
4・2H
2O、28.48gのNa
2HPO
4・12H
2Oおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、2回蒸留した940mlの水中に、溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液は、点眼剤の形態で用いることができる。
【0407】
例D:軟膏
式Iで表される500mgの活性成分を、無菌条件下で、99.5gのワセリンと混合する。
【0408】
例E:錠剤
式Iで表される1kgの活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、従来のやり方で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0409】
例F:糖衣錠
例Eに類似して錠剤を圧縮し、続いて、従来のやり方で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0410】
例G:カプセル
式Iで表される2kgの活性成分を、従来のやり方で、硬質ゼラチンカプセル中に導入し、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
【0411】
例H:アンプル
2回蒸留した60lの水中、式Iで表される1kgの活性成分の溶液を滅菌濾過し、アンプル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で封をする。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。