(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発色団基が、置換されたフェニル基、置換されていないフェニル基、置換されたアントラシル基、置換されていないアントラシル基、置換されたフェナントリル基、置換されていないフェナントリル基、置換されたナフチル基、置換されていないナフチル基、酸素、窒素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含む置換されたヘテロ環式芳香族環、及び酸素、窒素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含む置換されていないヘテロ環式芳香族環、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜7のいずれか一つに記載の組成物。
ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基が、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、ヒドロキシスチレン類、ヒドロキシスチレンと1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを含むビニルモノマーとのコポリマーから選択されるモノマーから誘導される、請求項1〜8のいずれか一つに記載の組成物。
発色団基と、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基が、異なるモノマー性単位中における一つのモノマー性単位に存在する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
反射防止コーティングが、フォトレジスト層のコーティングの前のベークステップの後に有機溶剤及び水性アルカリ性溶液中に不溶性になり、そしてフォトレジスト及び底面反射防止コーティング層の現像の前の化学線での露光の後に水性アルカリ性溶液中に可溶性になる、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、フォトレジストのパターン化の後にドライエッチングまたは水性アルカリ性現像剤で除去される底面反射防止コーティング組成物に関する。この組成物は、ポリマー、架橋剤及び添加剤を含む。前記ポリマーは、前記架橋剤と架橋する架橋可能な基を含む架橋可能なポリマーであってよい。前記ポリマーは、前記架橋剤と架橋する架橋可能な基を含みかつポリマー中の酸不安定性基の脱架橋によって水性アルカリ性現像剤中に可溶性になるポリマーであってよい。本発明は、更にこのような組成物を使用する方法、特に約12nm〜約450nmの放射線を用いて画像形成するために使用する方法にも関する。
【0015】
一つの態様では、本発明の反射防止コーティング組成物は、ポリマー、末端にビニルエーテル基を有する架橋剤、及び少なくとも一つの
ヒドロキシルアレーンの残基を含む新規の架橋性添加剤を含む、新規で、吸光性で、光画像形成性(photoimageable)でかつ水性現像可能なポジ画像形成性反射防止コーティング組成物であって、前記ポリマーが、少なくとも一つの発色団基、少なくとも一つのヒドロキシル及び/またはカルボキシル基、任意に及び酸不安定性基を形成するための化合物でキャップされたヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を含む少なくとも一つの単位を含む組成物に関する。任意に、該組成物は、光酸発生剤、ビニルエーテル架橋剤としても機能するビニルエーテル含有光酸発生剤、ビニルエーテルと架橋できるヒドロキシル基を含む光酸発生剤、アミンからなる塩基添加剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を更に含んでもよい。該新規組成物は、基材からフォトレジスト中への反射を防ぐために、基材の上にかつポジ型フォトレジストの下にコーティングされるフィルムを形成するために使用される。この反射防止コーティングは、上面フォトレジストと同じ波長の光で光画像形成可能であり、またフォトレジストを典型的に現像するのに使用されるものと同じ水性アルカリ性現像溶液で現像可能でもあり、そうして該新規反射防止コーティングフィルムにパターンが形成される。該反射防止コーティング組成物は、ポリマー、架橋剤及び新規添加剤を含む。該新規コーティング組成物は、反射性基材上にコーティングされる。スピンコートプロセスの間に形成され得るエッジビードは、次いで、エッジビード除去溶剤を用いて除去することができる。なぜならば、ポリマーが、エッジビードリムーバとして使用される溶剤中になおも可溶性であるからである。次いで、コーティングはベークされ、コーティング溶液の溶剤が除去されると共にコーティングが架橋されて、層間の相互混合が防がれるかもしくはその程度が最小化されかつコーティングが水性アルカリ性現像剤中に不溶性になる。以下の理屈に拘束されるものではないが、ベークステップの間に、反射防止コーティング中において、架橋剤、特にビニルエーテル末端基を含む化合物と、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有するポリマーとの反応が起こって、コーティング内に酸不安定性基が形成するものと考えられる。ベーク及び硬化の後は、反射防止コーティングは、アルカリ性現像溶液中にも、フォトレジストの溶剤中にも本質的に不溶性である。
【0016】
次いで、ポジ型フォトレジストを、硬化した反射防止コーティングの上面にコーティングしそしてベークしてフォトレジスト溶剤を除去する。化学線に曝す前は、フォトレジストと反射防止コーティングのどちらも、フォトレジストの水性アルカリ性現像溶液中に不溶性である。この二層系を、次いで、単一のステップで放射線に像様露光し、ここで上面フォトレジストと底面反射防止コーティングの両方に酸が発生する。反射防止コーティング中に光酸発生剤が存在する場合には、これは光分解される。反射防止コーティング中に光酸発生剤が存在しない場合には、酸がフォトレジストから反射防止コーティング中に拡散し得る。次のベークステップでは、露光された領域で、酸不安定性基(例えば酸不安性性アセタール基)を含む架橋された部位を有する反射防止コーティングのポリマーにおいて、その酸不安定性基が、光の作用により発生した酸の存在下に脱架橋され、そうしてポリマーが、それ故反射防止コーティングが、水性アルカリ性現像剤中に可溶性になる。水性アルカリ性現像剤を用いた次の現像ステップが、次いで、露光された領域のポジ型フォトレジストと反射防止コーティングの両方を溶解して、ポジ型の画像を生成し、次の加工のために基材をクリアな状態にする。該新規組成物は、現像可能な底面反射防止コーティング組成物として機能する。
【0017】
本発明の他の態様の一つでは、本発明は、架橋可能な基及び発色団を含むポリマー、架橋剤、及び該新規添加剤を含む反射防止コーティング組成物に関する。この態様では、コーティングはベークされ、この時、フォトレジストフィルムの画像形成及びパターン化に使用される水性アルカリ性現像剤では除去されない架橋されたコーティングが形成される。この新規コーティングは、ドライエッチングチャンバ中で、ガス(複数種可)を用いてドライエッチングすることによって除去される。ポリマーと架橋剤との間には酸不安性基は形成されない。フォトレジストコーティングを反射防止コーティング上に形成し、そして像様露光及び現像する。水性アルカリ性現像プロセスでは、この反射防止コーティングにパターンは形成されない。
【0018】
本発明の反射防止コーティング組成物は、ポリマー、架橋剤、及び構造(1)を有する新規アミニウム添加剤を含み、ここでそのアンモニウムアシスティブ(assistive)は、ヒドロキシアリールまたは
ヒドロキシルアレーンの残基を含み、ここで
ヒドロキシルアレーンの残基とはAr−(OH)
m(m=1、2または3)のことを指す。
【0019】
【化2】
式中、Arは
1〜4つの芳香族環を含む芳香族基(
アリール)(例え
ば、フェニル、ナフチル、アントラシルなど)であり;Yは、カルボキシレート及びスルホネートアニオンからなる群から選択され(例えば、構造(2)及び(3)を有するものなど);R
1、R
2及びR
3は、独立して、置換されていないC
1〜C
8アルキル、置換されたC
1〜C
8アルキル、アリール、及び
ヒドロキシアリールから選択され;R
4は、置換されていないC
1〜C
8アルカンの残基、置換されたC
1〜C
8アルカンの残基、
アレーンの残基、
ヒドロキシルアレーンの残基及びこれらの混合物からなる群から選択され;X
1、X
2、X
3、及びX
4は、独立して、直接原子価結合及び(置換されているかもしくは置換されていない)C
1〜C
8アルキレン基から選択され、nは、1、2または3であり、ここで少なくとも一つの
ヒドロキシルアレーンの残基が添加剤中に存在する。
【0020】
【化3】
一つの態様では、R
1、R
2、R
3及びR
4は、独立して、置換されていないかもしくは置換された(例えばフッ素、塩素、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシなどのヘテロ基)C
1〜C
8アルカンの残基、1〜3個の芳香族環を含む
ヒドロキシルアレーンの残基(例えば、構造4、5及び6に示すようなもの、mは1、2または3)、
アレーンの残基(例えば構造7、8または9に示すようなもの)から選択され
;X1、X
2、X
3及びX
4は、直接原子価結合かまたはC
1〜C
8アルキレン基のいずれかを表し;そしてnは、アンモニウムイオンの数が酸部分の数と等しくなるように1、2、3である。
【0021】
【化4】
ヒドロキシルアレーンの残基(Ar−(OH)m;m=1、2または3)は、R
1、R
2、R
3のうちの少なくとも一つに存在し、他方でR
4には存在しないことができる。
ヒドロキシルアレーンの残基は、R
4に存在し、他方でR
1、R
2、R
3には存在しないことができる。
ヒドロキシルアレーンの残基は、R
1、R
2、R
3のうちの少なくとも一つに、並びにR
4にも存在することができる。それ故、
ヒドロキシルアレーンの残基は、アニオンにだけ、またはカチオンにだけ、またはアニオンとカチオンの両方に存在してよい。
ヒドロキシルアレーンの残基は、
少なくとも一つのヒドロキシル基を持つ、芳香族構造の
アレーンの残基(Ar)、例えばフェニル、ナフチル、アントラシルな
どであり、そしてその芳香族構造は、C
1〜C
8アルキル基によって更に置換されていてもよい。最大三つまでのヒドロキシル基が
アレーン残基に結合してよい。一般的に、該添加剤は、ポリマー及び架橋剤が架橋するのを助ける。
【0022】
該新規反射防止コーティングがドライエッチングされる場合の態様の一つでは、Yが構造(3)である式(1)の添加剤を使用し得る。アミニウムスルホネートの更なる態様が、本明細書に記載される。
【0023】
スルホネート型添加剤の他の態様の一つでは、添加剤は次の構造(10)によって表し得る。
【0024】
【化5】
式中、n、及びR
1、R
2、R
3及びR
4は上述の通りであり、ここで、R
1、R
2、R
3及びR
4のうちの少なくとも一つは
ヒドロキシルアレーンの残基である。
【0025】
該添加剤の他の態様では、添加剤が構造1を有するスルホネート塩であり、ここでYが構造3であり、nが1であり、X
1、X
2、X
3及びX
4が直接原子価結合であり、R
1が構造(4)に等しく、ここでmは1であり、R
2及びR
3は独立してC
1〜C
8アルキル基からなる群から選択され、そしてR
4は構造4であり、ここでmは1であり、かつたった一つのスルホネート基が存在する(n=1)。該新規添加剤は、次の構造(11)によっても表し得る。
【0026】
【化6】
式中、R
2及びR
3は、独立して、C
1〜C
8アルキル基からなる群から選択され;mは1、2または3であり、そしてnは1である。具体的には、R
2及びR
3は、メチル、プロピル、ブチルなどから選択してよい。
【0027】
該新規反射防止コーティングが水性アルカリ性現像剤により現像されてこのコーティング中にパターンが形成される一つの態様では、Yが構造(2)である構造(1)の添加剤が使用される。アミニウムカルボキシレート添加剤の更に別の態様は、本明細書に記載されている。
【0028】
一つの態様では、該添加剤は、次の構造(12)によって表し得る。
【0029】
【化7】
式中、n並びにR
1、R
2、R
3及びR
4は上述の通りであり、ここで、R
1、R
2、R
3及びR
4のうちの少なくとも一つは
ヒドロキシルアレーンの残基である。
【0030】
該添加剤の他の態様では、添加剤は、構造1のアミニウムカルボキシレート塩であり、ここでYは構造2であり、nは1〜3であり;X
1、X
2、X
3及びX
4は直接原子価結合であり、R
1は、構造4に等しく、ここでmは1であり、R
2及びR
3は、独立して、C
1〜C
8アルキル基からなる群から選択され、そしてR
4は構造4であり、ここでmは1である。一つのケースでは、たった一つのカルボキシル基が存在する(n=1)。一例として、該新規添加剤は、次の構造(13)によって表し得る。
【0031】
【化8】
式中、R
2及びR
3は、独立して、C
1〜C
8アルキル基からなる群から選択され、mは1、2または3であり、そしてnは1である。具体的には、R
2及びR
3は、メチル、プロピル、ブチルなどから選択してよい。
【0032】
該添加剤の更に別の態様の一つでは、これは、構造(10)の添加剤であって、R
1、R
2及びR
3が、独立して、C
1〜C
8アルキル基、1〜3つの芳香族環を含む
ヒドロキシアリール部分(例えば、mが1、2または3の時の構造(4)、(5)及び(6)に示されるもの)及びアリール部分(例えば、構造(7)、(8)及び(9)に示されるもの)から選択され、及びR
1、R
2及びR
3のうちの少なくとも一つが
ヒドロキシアリール部分であり、ここでこの
ヒドロキシルアレーン部分は、構造(4)、(5)または(6)から選択してよく、そしてR
4は、
ヒドロキシルアレーンの残基であり、ここでこの
ヒドロキシルアレーン部分は、構造(4)、(5)または(6)から選択してよいものであることができる。それ故、カチオンとスルホネート含有アニオンの両方が
ヒドロキシルアレーンの残基を含む。
【0033】
該添加剤の更に別の態様の一つでは、これは、構造(12)の添加剤であって、R
1、R
2及びR
3が、独立して、C
1〜C
8アルキル基、1〜3つの芳香族環を含む
ヒドロキシアリール部分(例えば、mが1、2または3の時の構造(4)、(5)及び(6)に示されるもの)、及びアリール部分(例えば、構造(7)、(8)または(9)に示されるもの)から選択され、及びR
1、R
2及びR
3のうちの少なくとも一つが
ヒドロキシアリール部分であり、ここでこの
ヒドロキシルアレーン部分は、構造(4)、(5)または(6)から選択してよく、そしてR
4が
ヒドロキシルアレーンの残基であり、ここでこの
ヒドロキシルアレーン部分は、構造(4)、(5)または(6)から選択してよいものであることができる。それ故、カチオンと
カルボキシレート含有アニオンの両方が
ヒドロキシルアレーンの残基を含む。
【0034】
該添加剤の更に別の態様の一つでは、これは式(10)の添加剤であって、R
1、R
2、及びR
3が、独立して、C
1〜C
8アルキル基、アリール部分(例えば、構造(7)、(8)または(9)に示されるもの)から選択され、そしてR
4が、
ヒドロキシルアレーンの残基であり、ここでこの
ヒドロキシルアレーン部分は構造(4)、(5)または(6)から選択してよいものであることができる。それ故、スルホネートイオンが
ヒドロキシルアレーンの残基を含む。
【0035】
該添加剤の更に別の態様の一つでは、これは構造(12)の添加剤であって、R
1、R
2及びR
3が、独立して、C
1〜C
8アルキル基、アリール部分(例えば構造(7)、(8)または(9)に示されるもの)から選択され、そしてR
4は
ヒドロキシルアレーンの残基であり、ここでこの
ヒドロキシルアレーン部分は、構造(4)、(5)または(6)から選択してよいものであることができる。それ故、カルボキシレートイオンが
ヒドロキシルアレーンの残基を含む。
【0036】
図1は、カルボキレート型添加剤の例を示す。
図2は、スルホネート型添加剤の例を示す。添加剤の例は、トリエチルアミニウム4−ヒドロキシベンゼンスルホネート、ビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネートトリエチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート、トリヘキシルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート、トリエチルアミニウム3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート、及びビス(3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム)マロネートである。
【0037】
アルキルは、所望の炭素原子数及び原子価を有する線状または分枝状アルキル基を意味する。アルキル基は概して脂肪族であり、そして環式または非環式であることができる。適当な非環式基は、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、isoもしくはtert−ブチル、線状もしくは分枝状ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル及びヘキサデシルであることができる。他に記載がなければ、アルキルは1〜10個の炭素原子部分を指す。環状アルキル基は、単環式または多環式であってよい。単環式アルキル基の適当な例としては、置換されたシクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル基などが挙げられる。置換基は、本明細書に記載の非環式アルキル基のうちの任意のものであってよい。適当な二環式アルキル基には、置換されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、及びビシクロ[3.3.2]デカン、及び類似物などが挙げられる。三環式アルキル基の例には、トリシクロ[5.4.0.0.
2,9]ウンデカン、トリシクロ[4.2.1.2.
7,9]ウンデカン、トリシクロ[5.3.2.0.
4,9]ドデカン、及びトリシクロ[5.2.1.0.
2,6]デカンなどが挙げられる。本明細書に記載のように、環状アルキル基は、置換基として前記非環式アルキル基のうちの任意のものを有してよい。
【0038】
アルキレン基は、上記アルキル基のうちの任意のものから誘導された多価のアルキル基である。アルキレン基と言う時は、これには、アルキレン基の主炭素鎖において(C
1〜C
6)アルキル基で置換されたアルキレン鎖も包含される。また、アルキレン基は、アルキレン部分中に一つまたはそれ超のアルキン基を含むことができ、ここでアルキンとは三重結合のことである。本質的に、アルキレンとは、主鎖としての二価の炭化水素基である。応じて、二価の非環式基は、メチレン、1,1−もしくは1,2−エチレン、1,1−、1,2−もしくは1,3プロピレン、2,5−ジメチル−ヘキセン、2,5−ジメチル−ヘキサン−3−インなどなどであることができる。同様に、二価の環状アルキル基は、1,2−もしくは1,3−シクロペンチレン、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキシレン及び類似物などであることができる。二価の三環式アルキル基は、上記の三環式アルキル基のうちの任意のものであってよい。本発明において特に有用な三環式アルキル基は、4,8−ビス(メチレン)−トリシクロ[5.2.1.0.
2,6]デカンである。
【0039】
アリール基は、6〜24個の炭素原子を含み、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アントラシル、ビフェニル類、ビス−フェニル類、トリス−フェニル類、及び類似物などが挙げられる。これらのアリール基は、更に、例えば上述のアルキル、アルコキシ、アシルまたはアリール基などの、適当な置換基の任意のもので置換されていてもよい。同様に、適当な多価アリール基、アリーレン類なども、本発明に使用することができる。二価アリール基の代表的な例には、フェニレン類、キシレン類、ナフチレン類、ビフェニレン類、及び類似物などが挙げられる。
【0040】
該新規組成物は、ポリマー、架橋剤、及び該新規添加剤を含む。前記ポリマーは架橋可能な基を含んでいてもよい。前記ポリマーは、架橋可能な基と発色団を含んでいてもよい。前記ポリマーは、更に、酸不安定性基を含んでいてもよい。該新規添加剤を使用し得る反射防止組成物は、次の米国特許及び米国特許出願、すなわちUS7,824,837(特許文献1)、US2008/0090184(特許文献2)、US2010/0119972(特許文献3)、US2011/0086312(特許文献4)及び2010年11月11日に出願された米国特許出願第12/944,420号明細書(特許文献5)に記載されている。これらの特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。
【0041】
本発明の一つの態様では、コーティングをベークして、架橋されたコーティングを形成する。これは、ドライエッチングによって除去されるが、フォトレジストを画像形成するのに使用される水性アルカリ性現像剤では除去されない。この場合、本発明は、架橋可能な基と発色団とを含むポリマー、架橋剤、及び該新規添加剤を含む反射防止コーティング組成物に関する。この態様では、コーティングをベークし、架橋されたコーティングを形成する。この架橋されたコーティングは、フォトレジストを画像形成するのに使用される水性アルカリ性現像剤では除去されない。ポリマーと架橋剤との間には酸不安定性基は形成されない。ポリマーは、架橋可能なポリマーであってよい。この架橋可能なポリマーは、本発明のポリマーと架橋できる反応性基を含むポリマーの一種または混合物である。架橋可能なポリマーの様々なタイプの非限定的な例は、架橋する官能基、例えば酸、アルコール、エステル、エーテルなどを含むものである。特に好ましいものは、ヒドロキシル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル、エポキシ基、ウレタン類及びアミドを含むポリマーである。ポリヒドロキシスチレンのコポリマー、ポリ(ヒドロキシナフタレン)、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリーレート、ポリエステル、ポリウレタン、及びアルキド樹脂(脂肪族ポリエステル)などの架橋可能なポリマーを使用し得る。有用なポリマーは、ポリ(ヒドロキシスチレン−メチルメタクリレート);次のモノマーのうちの少なくとも一つ、すなわちスチレン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタアクリレート)、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸の重合によって得られるホモポリマー及び/またはコポリマー、並びにUS6,465,148(特許文献6)、US5,733,714(特許文献7)、US6,737,492(特許文献8)、US6,187,506(特許文献9)、US5,981,145(特許文献10)及びUS2004/0101779(特許文献11)に記載のポリマーによって例示される。これらの文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0042】
架橋可能なポリマーの具体例は、ポリ(ヒドロキシスチレン−スチレン−、メタクリレート)、ポリ(ヒドロキシスチレン−スチレン−メタクリレート)、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、及びポリ(ピロメリト酸二無水物−エチレングリコール−プロピレンオキシド)である。様々な架橋剤を本発明の組成物に使用することができる。架橋可能なポリマーを酸の存在下に架橋できるものであれば任意の適当な架橋剤を使用し得る。このような架橋剤の例は、限定はされないが、メラミン類を含む樹脂、メチロール類、グリコールウリル、ポリマー性グリコールウリル、ベンゾグアナミン、尿素、ヒドロキシアルキルアミド、エポキシ及びエポキシアミン樹脂、ブロックドイソシアネート、及びジビニルモノマーである。ヘキサメトキシメチルメラミンのようなモノマー性メラミン類、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルのようなグリコールウリル類、及び2,6−ビスヒドロキシメチルp−クレゾールのような芳香族メチロール類を使用し得る。架橋剤が、少なくとも一種のグリコールウリル化合物と、少なくとも一つのヒドロキシ基及び/または少なくとも一つの酸基を含む少なくとも一種の反応性化合物とを反応させることによって得られるポリマー性グリコールウリルである、US2006/0058468(特許文献12)に記載の架橋剤も使用し得る。前記特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。添加剤は、本明細書に記載の任意のものである。
【0043】
該反射防止組成物が、水性アルカリ性現像剤を用いて現像してそのコーティング中にパターンを形成することが可能なポジ型底面光画像形成性反射防止コーティング組成物である態様では、該組成物は、新規添加剤、架橋剤及びポリマーを含み、ここで前記ポリマーは、少なくとも一つのヒドロキシル及び/またはカルボキシル基と、及び/または少なくとも一つの吸光性発色団とを含む。前記ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基、及び吸光性基は、同じ繰り返し単位中に存在してよいか、またはポリマーは、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの繰り返し単位と、吸光性発色団を有する少なくとも一つの繰り返し単位とを含む。この態様の有用なポリマーは、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの単位と、吸光性発色団を有する少なくとも一つの単位とを含み得る。吸光性発色団の例は、一つないし四つの独立したまたは縮合した環を有する炭化水素芳香族部分及び複素環式芳香族部分であり、ここで、各々の環中には3〜10個の原子がある。重合できる吸光性発色団を有するモノマーの例は、置換されたもしくは置換されていないフェニル、置換されたもしくは置換されていないアントラシル、置換されたもしくは置換されていないフェナントリル、置換されたもしくは置換されていないナフチル、酸素、窒素、硫黄またはこれらの組み合わせなどのヘテロ原子を含む置換されたもしくは置換されていないヘテロ環式環、例えばピロリジニル、ピラニル、ピペリジニル、アクリジニル、キノリニルを含むビニル化合物である。置換基は、任意のヒドロカルビル基であってよく、そして更にヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄またはこれらの組み合わせを含んでよい。このような基の例は、(C
1〜C
12)アルキレン、エステル、エーテルなどである。同様に使用し得る他の発色団は、US6,114,085(特許文献13)に及びUS5,652,297(特許文献14)、US5,981,145(特許文献15)、US6,187,506(特許文献16)、US5,939,236(特許文献17)及びUS5,935,760(特許文献18)に記載されている。これらの特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。モノマーは、ビニル化合物、例えばビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、ビニル芳香族類、ビニルアルキレン芳香族化合物などであり得る。好ましい発色団モノマーは、置換されたもしくは置換されていないフェニル、置換されたもしくは置換されていないアントラシル、及び置換されたもしくは置換されていないナフチルのビニル化合物であり;より好ましいモノマーは、スチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、ビニルベンゾエート、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、N−メチルマレイミド、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェノールメタクリレート、ベンジルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルフタルイミド、N−(3−ヒドロキシ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−エトキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(2,4−ジニトロフェニルアミノフェニル)マレイミド、3−(4−アセトアミノフェニル)アゾ−4−ヒドロキシスチレン、3−(4−エトキシカルボニルフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのテトラヒドロアンモニウムスルフェート塩及び等価の構造物である。適当な露光波長で吸収を示す任意の発色団を、単独でまたは他の発色団との組み合わせで使用し得ることも本発明の範囲内である。置換基は、ヒドロキシ、アルキル、エステル、エーテル、アルコキシカルボニル、フルオロアルコール、ビニルオキシアルキレンなどであってよい。
【0044】
アルカリ可溶性を供するためのヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの単位と、及び架橋性部位とを含むポリマーでは、そのポリマーの一つの機能は良好なコーティング品質を供することであり、他の機能は、反射防止コーティングが画像形成プロセスの間に可溶性を変化し得るようにすることである。ポリマー中のヒドロキシルまたはカルボキシル基は、溶解性の変化のために必要な成分の一つを提供する。重合時にこのような単位を提供するモノマーの例は、限定はされないが、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を含む置換されたもしくは置換されていないビニルモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、ヒドロキシスチレン類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルオキシメタクリレート、4−ヒドロキシフェニルオキシアクリレート、5−ヒドロキシナフチルオキシメタクリレート、5−ヒドロキシナフチルオキシアクリレート、1,1’,2,2’,3,3’−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを含むビニルモノマーであるが、ポリマーをアルカリ可溶性に、好ましくは水不溶性にするものであれば任意のモノマーを使用してよい。ポリマーは、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を含む複数種のモノマー単位の混合物を含んでよい。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール基を含むビニルモノマーは、次の構造(14)〜(19)及びそれらの置換等価物によって表される。
【0045】
【化9】
それ故、ポリマーは、ヒドロキシルまたはカルボキシル基を含むモノマーと、吸光性発色団を含むモノマーとを重合することによって合成し得る。当業者にとっては、関心のある露光波長においてどの発色団が有用であるかは分かるものである。またその代わりに、アルカリ可溶性ポリマーを、ヒドロキシルまたはカルボキシル基を供する化合物、及び吸光性発色団を供する化合物と反応させてもよい。最終のポリマーでは、ヒドロキシルまたはカルボキシル基を含む一つまたは複数の単位のモル%は、5〜95、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80の範囲であることができ、そして最終のポリマーの吸光性発色団単位のモル%は、5〜95、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80の範囲であることができる。ヒドロキシルまたはカルボキシル基が吸光性発色団に結合している場合あるいは発色団がヒドロキシルまたはカルボキシル基に結合している場合、すなわち両方の基が同じ単位中に存在している場合も本発明の範囲内である。一例として、上述の発色団基が、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を側基として有してもよいし、または発色団基と、ヒドロキシル基及び/またはカルボニル基とが同じ基に結合していてもよい。
【0046】
ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基、及び吸光性発色団を含む単位に加えて、該ポリマーは、他の非吸光性モノマー性単位を含んでもよく、このような単位は、他の所望の性質を与え得る。当業者にとって、関心の露光波長においてどの非吸光性モノマー性単位が有用であり得るかは分かることである。第三のモノマーの例としては、−CR
1R
2−CR
3R
4−などが挙げられ、ここで、R
1〜R
4は、独立して、H、(C
1−C
10)アルキル、(C
1−C
10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニル、SO
2CF
3、COOZ、SO
3Z、COZ、OZ、NZ
2、SZ、SO
2Z、NHCOZ、SO
2NZ
2であり、ここで、Zは、H、または(C
1−C
10)アルキル、ヒドロキシ(C
1−C
10)アルキル、(C
1−C
10)アルキルOCOCH
2COCH
3であるか、あるいはR
2及びR
4は組み合わさって環状基、例えば酸無水物、ピリジンもしくはピロリドンを形成するか、あるいはR
1〜R
3は、独立して、H、(C
1−C
10)アルキル、(C
1−C
10)アルコキシであり、そしてR
4は親水性基である。親水性基の例をここに挙げるが、これらに限定はされない、すなわちO(CH
2)
2OH、O(CH
2)
20(CH
2)OH、(CH
2)
nOH(nは0〜4)、COO(C
1−C
4)アルキル、COOX及びSO
3X(Xは、H、アンモニウム、アルキルアンモニウムである)である。該ポリマーを形成するのに使用できる他の親水性ビニルモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、及びN−ビニルピロリジノンである。他のモノマーは、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレートなどであり得る。酸不安定性基を含むモノマー性単位も使用してよく、例えば酸不安定性基でキャップされたヒドロキシスチレン、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸などがある。酸不安定性基の例は、限定はされないが、少なくとも一つのβ水素を有する第二及び第三アルキル(炭素原子数20まで)、アセタール類及びケタール類、トリメチルシリル、及びβ−トリメチルシリル置換アルキルなどがある。酸不安定性基の代表的な例は、tert−ブチル、tert−ペンチル、イソボルニル、1−アルキルシクロヘキシル、1−アルキルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−アルキル−2−アダマンチル、2−アルキル−2−ノルボルニルである。酸不安定性基の他の例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されたもしくは置換されていないメトキシカルボニル、β−トリアルキルシリルアルキル基(例えばCH
2−CH
2Si(CH
3)
3、CH(−CH
2Si(CH
3)
3)
2、CH
2−CH(Si(CH
3)
3)
2)及び類似物などである。
【0047】
該ポリマーに使用できる酸不安定性基含有モノマーの例としては、メチルアダマンタンのメタクリレートエステル、メバロノラクトンのメタクリレートエステル、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、t−ブチルノルボニルカルボキシレート、t−ブチルメチルアダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、t−ブチルアクリレート及びt−ブチルメタクリレート;t−ブトキシカルボニルオキシビニルベンゼン、ベンジルオキシカルボニルオキシビニルベンゼン;エトキシエチルオキシビニルベンゼン;ビニルフェノールのトリメチルシリルエーテル、及びメチルメタクリレートの2−トリス(トリメチルシリル)シリルエチルエステルなどが挙げられる。
【0049】
該新規光画像形成性反射防止コーティング組成物に有用な架橋剤は、末端にビニルエーテルを有する架橋剤であることができ、例えば次の一般構造(14)で表すことができる。
【0050】
【化10】
式中、Rは、(C
1−C
30)線状、分枝状もしくは環状アルキレン、置換されたもしくは置換されていない(C
6−C
40)アリーレン、または置換されたもしくは置換されていない(C
7−C
40)脂肪環式炭化水素から選択され;そしてpは≧2である。末端ビニルエーテル基がポリマーのヒドロキシルまたはカルボキシル基と反応して酸不安定性アセタール結合を与えるものと考えられる。このようなビニルエーテル末端架橋剤の例には、ビス(4−ビニルオキシブチル)アジペート;トリス(4−ビニルオキシブチル)−1,2,5−シクロヘキサントリカルボキシレート、ビス(4−ビニルオキシブチル)スクシネート;ビス(4−ビニルオキシブチル)イソフタレート;ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)グルタレート;トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート;ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)テレフタレート;ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)イソフタレート;ビス(4−ビニルオキシブチル)(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスカルバメート;ビス(4−ビニルオキシブチル)(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート;及びトリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメンタノールジビニルエーテル、Aldrich Companyによって提供される様々なVectomer(登録商標)ビニルエーテルモノマー、及びビニルオキシ側基を有するポリマーなどが挙げられる。他のビニルエーテル末端架橋剤は、T.Yamaoka,et al.,Trends in Photochem.Photobio.,7:45(2001)(非特許文献1); S.Moon,et al.,Chem.Mater.,6:1854(1994)(非特許文献2);またはH.Schacht,et al.,ACS Symp.Ser.706:78(1998)(非特許文献3)に記載されており、これらもまた使用し得る。なおこれらの文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。ビニルエーテル架橋剤はポリマーと架橋して、酸の存在下に脱架橋が可能な酸不安定性構造を与える。これは、光画像形成性反射防止コーティング組成物にとって特に有用である。
【0051】
ビニルエーテル末端架橋剤は、ポリマー上の反応性基当たり0.20〜2.00モル当量のビニルエーテル架橋官能基または反応性基あたり0.50〜1.50の反応性当量を与える割合で反射防止コーティングに加えられる。
【0052】
反射防止コーティング組成物が任意選択の光酸発生剤を含む態様では、反射防止コーティング中の光酸発生剤及びフォトレジスト中の光酸発生剤は同じ波長の光に感度があり、そのため、同じ放射波長の光が、両方の層中に酸を生成させることができる。フォトレジストからの拡散または反射防止フィルム中の光酸発生剤からの光生成のいずれかを介して存在する、反射防止コーティングの露光領域中の酸は、酸不安定性架橋結合と反応してポリマーを脱架橋化し、そうして反射防止コーティングの露光領域を水性アルカリ性現像剤中に可溶性にする。選択される反射防止コーティングの光酸発生剤は使用するフォトレジストに依存する。該新規組成物の光酸発生剤(PAG)は、所望の露光波長、好ましくは、深紫外線フォトレジスト用に248nm、193nm及び157nm、極端紫外線用に13.5nmで吸収を示すもの、並びに365nm、436nm及びブロードバンドフォトレジスト用にナフトキノンジアジド類またはスルホニウム塩から選択される。酸生成性感光性化合物の適当な例には、限定はされないが、イオン性光酸発生剤(PAG)、例えばジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、または非イオン性PAG、例えばジアゾスルホニル化合物、スルホニルオキシイミド類、及びニトロベンジルスルホネートエステル類などが挙げられるが、照射時に酸を生成するものであれば任意の感光性化合物を使用し得る。オニウム塩は、通常は、有機溶剤中に可溶性の形態で、大概はヨードニウム塩もしくはスルホニウム塩として使用され、これらの例は、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート及び類似物などである。照射時に酸を生成する、使用し得る他の化合物は、トリアジン類、オキサゾール類、オキサジアゾール類、チアゾール類、置換された2−ピロン類である。フェノール系スルホン酸エステル、ビス−スルホニルメタン類、ビス−スルホニルメタン類またはビス−スルホニルジアゾメタン類、トリフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリフェニルスルホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ジフェニルヨードニウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、ジフェニルヨードニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド及びそれらの同族体も可能な候補である。複数種の光活性化合物の混合物も使用し得る。一つの態様では、該反射防止コーティング組成物は、任意に、ビニルエーテル基を含む光酸発生剤を含み、これは、ヒドロキシル部分と反応する架橋剤として機能し得る。このような架橋剤の例は、US2010/0119972(特許文献3)に記載されている。
【0053】
反射防止コーティングのための溶剤は、それが、反射防止コーティングの全ての固形成分を溶解し得るように選択される。該反射防止コーティング組成物のための適当な溶剤の例は、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、2−ヘプタノン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、ガンマブチロアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、メチル3−メトキシプロピオネート、ピルビン酸エチル、2−メトキシブチルアセテート、ジアセトンアルコール、ジエチルカーボネート、2−メトキシエチルエーテルであり、但し、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルまたはこれらの混合物が好ましい。毒性が低く及び良好なコーティング及び溶解性を持つ溶剤が一般的に好ましい。
【0054】
本発明の組成物は、更に、追加の添加剤、例えばヒドロキシアリーレン部分を含まない熱酸発生剤などを含んでもよい。任意の既知の熱酸発生剤を使用でき、限定はされないが、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、スクアリン酸、2−ニトロベンジルトシレート、クロロ酢酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ノナフレート酸、トリフルオロメタンスルホン酸、有機系スルホン酸の他のアルキルエステル、上記の酸の塩などによって例示される。熱酸発生剤は、中程度の酸性度の酸、すなわちpKa(酸解離定数の−log
10)が1.0を超える酸を放出する成分であってよい。光画像形成性反射防止コーティング組成物のためには、5.0未満であるが、1.0を超えるpKaを有する酸を放出する熱酸発生剤も好ましい。中程度の酸性度を有する酸または熱酸発生剤から誘導される酸の例は、限定はされないが、マレイン酸(pKa=1.83)、クロロ酢酸(pKa=1.4)、ジクロロ酢酸(pKa=1.48)、シュウ酸(pKa=1.3)、ケイ皮酸(pKa=4.45)、酒石酸(pKa=4.3)、グリコール酸(pKa=3.8)、フマル酸(pKa=4.45)、マロン酸(pKa=2.8)、シアノ酢酸(pKa=2.7)などである。塩基でブロックされて熱酸発生剤を形成する酸が好ましい。例えば上述のような酸を、アミン類などの塩基でブロックし得る。典型的な塩基は、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリドデシルアミンなどである。更に、カルボン酸またはアリールカルボン酸などの弱酸のアニオンとのジアリールもしくはトリアルキルスルホニウム塩も使用し得る。塩基によってブロックされた酸は、前記酸を塩基と組み合わせることによって形成し得、この際、酸:塩基比は約1:1〜約1:3の範囲である。この添加剤は、該反射防止組成物中に、固形物の0.1〜25重量%、特に0.1〜約5重量%の濃度で存在してよい。反射防止コーティングが不可逆的に架橋されて、ドライエッチングの必要がある場合の態様の一つでは、1.0未満のpKaを有する酸を放出する熱酸発生剤も好ましい。強酸性度を有する酸または熱酸発生剤から誘導される酸の例は、限定はされないが、トルエンスルホン酸、オクタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸などである。塩基によってブロックされて熱酸発生剤を形成する酸が好ましい。例えば上述のような酸を、アミン類などの塩基でブロックしてよい。典型的な塩基は、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリドデシルアミンなどである。更に、アリールスルホン酸、アルキルスルホン酸またはパーフルオロアルキルスルホン酸などの強酸のアニオンとのジアリールもしくはトリアルキルスルホニウム塩も使用し得る。塩基によってブロックされた酸は、前記酸と塩基とを組み合わせることで形成し得、ここで酸:塩基比は約1:1〜約1:3の範囲である。この添加剤は、該反射防止組成物中に、固形物の0.1〜25重量%、特に0.1〜約5重量%の濃度で存在してよい。
【0055】
本発明の反射防止コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量を基準にして、固形物を約15重量%まで、好ましくは8%未満で含んでよい。固形物は、該反射防止コーティング組成物の総固形物含有量を基準にして、構造1を有する新規添加剤1〜15重量%、任意選択の光酸発生剤0.5〜25重量%、任意選択の架橋性光酸発生剤0.5〜25重量%、ポリマー50〜99重量%、架橋剤1〜50重量%、及び任意に追加の熱酸発生剤0.1〜10重量%を含んでよい。好ましくは、光酸発生剤の量は、約0.01〜約20重量%の範囲である。好ましくは、該新規添加剤の量は、全固形物の約0.1〜10重量%の範囲であり、架橋剤の量は、全固形物の約5〜約40重量%または10〜35重量%の範囲である。固形成分は溶剤中にまたは複数種の溶剤の混合物中に溶解され、そして濾過して不純物が除去される。該反射防止コーティングの成分は、製品の品質を向上するために、イオン交換カラムに通したり、濾過、及び抽出プロセスなどの技術によって処理してもよい。
【0056】
コーティングの性能を増強するために本願の反射防止組成物に他の成分を添加してよく、このような他の成分には、例えば、低級アルコール、染料、表面レベリング剤、接着促進剤、消泡剤などがある。これらの添加剤は、30重量%までの量で存在してよい。他のポリマー、例えばノボラック、ポリヒドロキシスチレン、ポリメチルメタクリレート及びポリアリーレートなどを該組成物に添加してよいが、性能が悪影響を受けないことが条件である。好ましくは、このポリマーの量は、組成物の全固形物の50重量%未満に、より好ましくは35重量%未満に、更により好ましくは20重量%未満に抑えられる。安定性を増強するために塩基を該組成物に添加してもよい。光塩基(photobases)及び非光塩基(nonphotobases)の両方が既知の添加剤である。塩基の例は、テトラメチルアンモニウムカルボキシレート塩、アミン類、水酸化アンモニウム、及び感光性塩基である。特に好ましい塩基は、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリオクチルアミン、n−オクチルアミン、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、トリフェニルスルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムシクラメート、及びトリス(tert.−ブチルフェニル)スルホニウムシクラメート、テトラメチルアンモニウムデオキシコレート、テトラメチルアンモニウムコレート、テトラメチルアンモニウムリソコレート、及び一般に130℃を超える沸点を有するアミン系塩基である。
【0057】
該新規組成物の吸光パラメータ(k)は、エリプトメトリを用いて測定して、約0.1〜約1.0、好ましくは約0.15〜約0.7の範囲である。該反射防止コーティングの屈折率(n)も最適化される。n及びk値は、J.A.Woollam WVASE VU−302 TMエリプソメータなどのエリプソメータを用いて計算することができる。k及びnの最適範囲の正確な値は、使用する露光波長及び使用のタイプに依存する。典型的には、193nmの場合には、kの好ましい範囲は0.1〜0.75であり、248nmの場合は、kの好ましい範囲は0.15〜0.8であり、365nmの場合は、好ましい範囲は0.1〜0.8である。反射防止コーティングの厚さは、上面フォトレジストの厚さよりも薄い。現像可能な反射防止コーティングの場合には、反射防止コーティングのフィルム厚は、(露光波長/屈折率)の値よりも薄く、より好ましくは、これは、(露光波長/2×屈折率)の値よりも薄い。ここで、屈折率は、反射防止コーティングの屈折率のことであり、エリプソメータを用いて測定できる。反射防止コーティングの最適なフィルム厚は、露光波長、反射防止コーティング及びフォトレジストの屈折率、上面及び底面コーティングの吸光特性、及び基材の光学特性によって決定される。この場合、底面反射防止コーティングが露光及び現像ステップにより除去されるため、最適なフィルム厚は、反射防止コーティング中に光の吸収がない光学ノードを避けることによって決定される。
【0058】
反射防止コーティング組成物は、当業者には周知の技術、例えばディップコート法、スピンコート法またはスプレーコート法を用いて基材上にコーティングされる。当技術分野において既知の様々な基材、例えば平坦な基材、トポグラフィを有する基材またはホールを有する基材を使用し得る。半導体基材の例は、結晶性及び多結晶性ケイ素、二酸化ケイ素、(オキシ)窒化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム/ケイ素合金、及びタングステンである。場合によっては、基材の縁にエッジビードと呼ばれるフォトレジストフィルムの堆積物が生じることがある。このエッジビードは、当技術分野において通常の知識を有する者にとって周知の技術を用いて、溶剤または複数種の溶剤の混合物を使用することによって除去することができる。本発明の組成物は、エッジビードリムーバと特に適合性がよい。エッジビードリムーバに使用される典型的な溶剤は、乳酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、またはこれらの混合物である。コーティングは次いで硬化される。好ましい温度範囲は、ホットプレートまたは等価の加熱装置の場合に約30〜120秒間で、約120℃〜約240℃、より好ましくは45〜90秒間で、約150℃〜約200℃である。反射防止コーティングのフィルム厚は約20nm〜約300nmの範囲である。最適なフィルム厚は、当技術分野において周知のように、良好なリソグラフィー性が得られるところに、特にフォトレジスト中に定在波が観察されないところに決定される。図らずしも、該新規組成物の場合には、フィルムの優れた吸光及び屈折率特性の故に非常に薄いコーティングを使用できることが見出された。硬化された反射防止コーティングもこの段階ではアルカリ性現像溶液中に不溶性である。次いで、フォトレジストを、反射防止コーティングの上にコーティングすることができる。
【0059】
水性アルカリ性溶液で現像されるポジ型フォトレジストが本発明にとって有用である。但し、フォトレジスト及び反射防止コーティング中の光活性化合物が、フォトレジストの画像形成プロセスに使用される同じ露光波長において吸収を示すことが条件である。ポジ型フォトレジスト組成物は放射線で像様露光され、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像溶液により溶けやすくなり、他方で未露光の領域は現像剤溶液に対し比較的不溶性のまま残る。それ故、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると、コーティングの露光された領域が除去されて、フォトレジストコーティング中にポジ型の画像が形成される。フォトレジスト解像度とは、レジスト組成物が、露光及び現像後に高いレベルの鋭い像縁をもって、フォトマスクから基材へと転写できる最小の図形(feature)と定義される。現在の多くの製造用途では、1ミクロン未満のオーダーのレジスト解像度が必要である。加えて、現像されたフォトレジスト壁の側面が基材に対してほぼ垂直であることが大概の場合に望ましい。レジストコーティングの現像された領域と現像されていない領域との間のこのような明確な境界画定が、基材へのマスク画像の正確なパターン転写につながるのである。微細化に向かう動向がデバイス上での微小寸法(critical dimensions)を小さくしているので、このことはより一層重要となる。
【0060】
フォトレジストは、半導体工業において使用されるタイプのもののうち任意のものであることができるが、フォトレジスト及び反射防止コーティング中の光活性化合物が画像形成プロセスに使用される露光波長で吸収を示すことが条件である。
【0061】
現在まで、微細化に大きな進展をもたらした幾つかの主要な深紫外線(uv)露光技術があり、これらは、248nm、193nm、157nm及び13.5nmの放射線である。248nm用のフォトレジストは、典型的には、置換されたポリヒドロキシスチレン及びそれのコポリマー/オニウム塩をベースとしており、例えばUS4,491,628(特許文献19)及びUS5,350,660(特許文献20)に記載のものなどがある。他方で、200nm未満の露光用のフォトレジストは、芳香族類がこの波長で不透明なために非芳香族系ポリマーを必要とする。US5,843,624(特許文献21)及びUS6,866,984(特許文献22)は、193nm露光用に有用なフォトレジストを開示している。一般的に、脂肪環式炭化水素を含むポリマーが、200nm未満の露光用のフォトレジストに使用される。脂肪環式炭化水素は、多くの理由からポリマーに組み入れられる。というのも、主には、それらは、耐エッチング性を向上する比較的高い炭素:水素比を有し、またこれらは短い波長において透明性を供し、そしてこれらは比較的高いガラス転移温度を有するからである。US5,843,624(特許文献21)は、無水マレイン酸及び不飽和環状モノマーとの遊離基重合によって得られるフォトレジスト用ポリマーを開示している。193nmフォトレジストの既知のタイプのいずれも使用でき、例えばUS6,447,980(特許文献23)及びUS6,723,488(特許文献24)に記載のものなどがある。なおこれらの文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。
【0062】
フルオロアルコール側基を有するフッ素化ポリマーをベースとし、そして157nmに感度がある二つの基本的な部類のフォトレジストが、この波長で実質的に透明であることが知られている。一つの部類の157nmフルオロアルコールフォトレジストは、フッ素化ノルボルネン類などの基を含むポリマーから誘導され、そして金属触媒重合またはラジカル重合のいずれかを用いて単独重合されるかまたは他の透明モノマー
、例えばテトラフルオロエチレンと共重合される(US6,790,587(特許文献24)及びUS6,849,377(特許文献25))。一般的に、これらの材料は、比較的高い吸光性を与えるが、それらの高い脂肪環式類含有率の故に良好なプラズマエッチング耐性を有する。より最近になって、別の部類の157nmフルオロアルコールポリマーが開示され、そのポリマー主鎖は、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−1,6−ヘプタジエンなどの非対称性ジエンのシクロ重合から(Shun−ichi Kodama et al Advances in Resist Technology and Processing XIX,Proceedings of SPIE Vol.4690 p76 2002(非特許文献4); US6,818,258(特許文献26))、またはフルオロジエン類とオレフィンとの共重合から(US6,916,590(特許文献27))から誘導される。これらの材料は、157nmで許容可能な吸光度を与えるが、前記のフルオロ−ノルボルネンポリマーと比べて脂肪環式類含有率が比較的少ないために、プラズマエッチング耐性に劣る。これらの二つの部類のポリマーは、最初のタイプのポリマーの高いエッチング耐性と後のタイプのポリマーの157nmでの高い透明性との間のバランスを図るために、しばしばブレンドすることができる。13.5nmの極端紫外線(EUV)を吸収するフォトレジストも有用であり、当技術分野において既知である。
【0063】
次いで、フォトレジストのフィルムが、硬化した反射防止コーティングの上にコーティングされ、そしてベークされて、フォトレジスト溶剤が実質的に除去される。
【0064】
フォトレジストは化学線で像様露光され、次いで現像されて、フォトレジストパターンに画像を形成する。この際、パターンは反射防止コーティングフィルムには転写されない。この態様では、該新規反射防止フィルムの除去にはドライエッチングが使用される。
【0065】
光画像形成性コーティングの態様では、フォトレジストと反射防止コーティングとのバイレベル層は、次いで化学線で像様露光される。次の加熱ステップでは、露光ステップの間に発生した酸が反応して、反射防止コーティング組成物のポリマーを脱架橋化し、そうして反射防止コーティングの露光された領域を、現像溶液中にアリカリ可溶性にする。ポスト露光ベークステップのための温度は、ホットプレートまたは等価の加熱システムにおいて30〜200秒間で40℃〜200℃の範囲、好ましくは40〜90秒間で80℃〜160℃の範囲であることができる。場合によっては、ポスト露光ベークを省略できる。なぜならば、或る種のケミストリー、例えば一部のアセタール酸不安定性結合では、解保護化は室温で進行するからである。反射防止コーティングの露光された領域中のポリマーは今や水性アルカリ性溶液中に可溶性である。次いで、このバイレベル系を水性アルカリ性現像剤中で現像して、フォトレジスト及び反射防止コーティングを除去する。現像剤は好ましくは水性アルカリ性溶液であり、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含む水性アルカリ性溶液である。現像剤は、更に、添加剤、例えば界面活性剤、ポリマー、イソプロパノール、エタノールなどを含んでもよい。フォトレジストコーティング及び反射防止コーティングをコーティング及び画像形成するプロセスは、当業者には周知であり、そして使用したフォトレジストと反射防止コーティングとの特定の組み合わせに合わせて最適化される。次いで、画像形成されたバイレベル系は、集積回路の製造プロセスによって要求される通りに更に加工することができ、例えば金属堆積及びエッチングなどを行うことができる。
【0066】
上記で引用した文献は、それぞれ、全ての目的に関してその内容の全てが本明細書に掲載されたものとする。以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び利用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定または減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に利用しなればならない条件、パラメータまたは値を教示するものとは解釈すべきではない。
【実施例】
【0067】
吸光パラメータ(k)及び屈折率(n)は、角度可変分光エリプソメトリを用いて測定した。底面反射防止コーティング(B.A.R.C.)溶液は、下塗りしたケイ素ウェハ上にスピンコートし、そしてベークして所定のフィルム厚を得た。次いで、これらのコーティングされたウェハを、J.A.WoollamまたはSopra Corporation社製のエリプソメータを用いて測定した。得られたデータを近似(fit)してB.A.R.C.フィルムのk及びn値を得た。
【0068】
ポリマーは、US2011/0076626(特許文献28)に概要が示される一般的な手順を用いたラジカル重合によって得た。各々のポリマーについての括弧中の数値は、この手順を用いた時に使用したモノマーのモル供給比を表す。
【0069】
スラッシュで隔てられた構成モノマーの頭字語からなるポリマー名の後の括弧内の数値は、それが製造された時に使用したモノマーのモル供給比を表す。これらの例に記載のPAG及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネートは、US2010/0119972(特許文献3)に記載の手順を用いて得た。
【0070】
以下は、以下の例のポリマーを製造するのに使用した各モノマーの頭字語を添えたそれらの構造である。
【0071】
【化11】
使用したフォトレジストは、Sumitomo Chemical、Tokyo Ohka及びJapan Synthetic Rubberなどのベンダーによって販売されている商業的に入手可能な193nmまたは248nmフォトレジストのいずれか一つであった。
【0072】
フォトレジストコーティングのためにプリウェット(prewet)溶剤として使用した溶剤は、PGMEA、PGME、乳酸エチル、シクロヘキサン、酢酸n−ブチル、γ−ブチロラクトン及びこれらの混合物のうちのいずれかである。
合成例1
1.52gの4−ヒドロキシフェニル酢酸を40.37gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)中に溶解した。このPGME溶液に、2.96gのトリヘキシルアミンを添加、混合した。
【0073】
この溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下に40℃で加熱し、そして生成物を単離した。H−NMRスペクトルは3.5ppmでN
+CH
2プロトンを示した。遊離のカルボキシル基のプロトンは観察されず、カルボン酸塩の形成が確認された。
【0074】
合成例2〜15
表1に例1〜15を列記する。これらの例は、全て、PGME中の原料溶液として製造されそして処方例に使用された塩である。これらは上に示した場合と同じように反応させたが、上記の処方例に使用すべき原料溶液としてPGME中の材料を残した。
【0075】
【表1】
【0076】
処方及び露光例1
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.2218g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0665g)、トリエチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.0670g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0047g)を、13.57gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して反射防止組成物(B.A.R.C.)溶液を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0077】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そしてホットプレートで60秒間、190℃で加熱して、400Åのフィルム厚を得た。193nmで、吸光(k)値は0.38であり、屈折率(n)値は1.726であった。このB.A.R.C.ウェハを溶剤で予め湿らし(プリウェット)し、そして193nmフォトレジストでコーティングし、そしてホットプレートで60秒間、110℃で加熱して140nmのフィルム厚を得た。このコーティングされたウェハを、マスクを通して像様露光用にNikon 306D 193nmスキャナを用いて露光した。この露光されたウェハを次いで110℃で60秒間ポスト露光ベークし、その後、AZ(登録商標)MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,70 Meister Ave.,Somerville NJから入手できる2.38重量%TMAH水溶液)を用いて、23℃で30秒間パドル現像した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、20.0mJ/cm
2の線量で125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。26mJ/cm
2に至るまで及び26mJ/cm
2でもパターン崩壊は観察されなかった。
【0078】
処方及び露光例2
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.197g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0579g)、トリヘキシルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.0991g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0058g)を、13.57gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0079】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そしてホットプレートで60秒間、190℃で加熱して、400Åのフィルム厚を得た。193nmにおいて、吸光(k)値は0.387であり、屈折率(n)値は1.728であった。このB.A.R.C.溶液を溶剤で予め湿らし(プリウェット)し、
193nmフォトレジストでコーティングし、そしてホットプレートで60秒間、130℃で加熱して140nmのフィルム厚を得た。このコーティングされたウェハを、像様露光のためにNikon 306D 193nmスキャナを用いて露光した。次いで、この露光されたウェハを105℃で60秒間ポスト露光ベークし、その後、AZ(登録商標)300 MIF現像剤を用いて23℃で30秒間パドル現像した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27mJ/cm
2に至るまでまたは27mJ/cm
2でもパターン崩壊は観察されなかった。
【0080】
処方及び露光例3
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.658g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.198g)、トリエチルアミニウム3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(0.210g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0139g)を、40.73gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、17.45gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.724gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0081】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0082】
処方及び露光例4
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.658g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.193g)、トリエチルアミニウム3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(0.210g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0194g)を、40.74gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、17.45gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.724gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0083】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0084】
処方及び露光例5
PQMA/AdOMMA/EAdMA(55/20/25)ターポリマー(0.146g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.045g)、トリヘキシルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.076g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0031g)を、13.64gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.85gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.247gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0085】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0086】
処方及び露光例6
PQMA/AdOMMA/EAdMA(55/20/25)ターポリマー(0.164g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.051g)、トリエチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.051g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0035g)を、13.64gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.85gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.247gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0087】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン及びB.A.R.C.パターンが完全に公開した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0088】
処方及び露光例7
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.2258g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0634g)、3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.0745g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0064g)を、13.57gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0089】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例1のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、20.0mJ/cm
2で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0090】
処方及び露光例8
PQMA/AdOMMA/EAdMA(55/20/25)ターポリマー(0.171g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.050g)、ビス(3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム)マロネート(0.044g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0050g)を、13.64gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.84gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.25gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0091】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0092】
処方及び露光例9
PQMA/AdOMMA/EAdMA(55/20/25)ターポリマー(0.160g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.049g)、3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.057g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0047g)を、13.63gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.84gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.25gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0093】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、23.0mJ/cm
2の線量で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0094】
処方及び露光例10
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.232g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.068g)、ビス(3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム)マロネート(0.0530g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0068g)を、13.58gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、感光性反射防止組成物を調製した。このB.A.R.C.溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0095】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例1に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、20.0mJ/cm
2の線量で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0096】
処方及び露光例11
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.215g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.063g)、3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.0745g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0064g)を、13.58gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、感光性反射防止組成物を調製した。このB.A.R.C.溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0097】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例1に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、20.0mJ/cm
2の線量で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0098】
処方及び露光例12
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.232g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0683g)、ビス(3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム)マロネート(0.0525g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0068g)を、13.58gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0099】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例1に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、20.0mJ/cm
2の線量で、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)が得られ、レジストにクリーンなパターン、及びB.A.R.C.パターンが完全に開口した状態でクリーンなトレンチスペースが得られた。27.0mJ/cm
2に至るまで及び27.0mJ/cm
2でもパターンの崩壊は観察されなかった。
【0100】
処方及び露光例13
4−ヒドロキシスチレン/メチルメタクリレート(55/45)コポリマー(0.110g)、4−ヒドロキシスチレン/メチルメタクリレート(30/70)コポリマー(0.090g)、テトラメトキシメチルグリコールウリル(0.06g)、及びトリエチルアミニウム4−ヒドロキシベンゼンスルホネート(0.05g)を、9.825gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、4.25gのプロピレングリコールモノメチルエーテル及び0.475gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、感光性反射防止組成物を調製した。このB.A.R.C.溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。
【0101】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして例1に記載の通りに加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、25.5mJ/cm
2の線量で、B.A.R.C.フィルム上にクリーンな80nmフォトレジストライン(1:1)が得られた。B.A.R.C.フィルムは、水性アルカリ性現像剤を用いた現像の後、除去されなかった。
【0102】
処方及び露光例14
4−ヒドロキシスチレン/メチルメタクリレート(55/45)コポリマー(0.110g)、4−ヒドロキシスチレン/メチルメタクリレート(30/70)コポリマー(0.090g)、テトラメトキシメチルグリコールウリル(0.06g)、及び3−ヒドロキシフェニル−N,N−ジメチルアミニウム4−ヒドロキシベンゼンスルホネート(0.05g)を、9.825gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、4.25gのプロピレングリコールモノメチルエーテル及び0.475gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、感光性反射防止組成物を調製した。この溶液を0.2μmフィルターに通して濾過した。
【0103】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして例1に記載の通りに加工した。走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、25.5mJ/cm
2の線量で、クリーンな80nmフォトレジストライン(1:1)が得られた。このB.A.R.C.コーティングは、水性アルカリ性現像剤で現像されなかった。
【0104】
処方及び露光例15
4−ヒドロキシスチレン/9−アントラセンメチルメタクリレート(80/20)コポリマー(0.2509g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0634g)、トリエチルアミニウム4−ヒドロキシフェニルアセテート(0.0304g)及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(0.0157g)を、15.9233gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、7.3875gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1.1687gのγ−バレロラクトン及び0.7704gの乳酸エチルの混合物中に溶解して、感光性反射防止組成物を調製する。このB.A.R.C.溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過する。
【0105】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そしてホットプレートで60秒間、180℃で加熱して、約600Åのフィルム厚を得る。このB.A.R.C.ウェハを溶剤を用いて予め湿らし、そして商業的に入手可能な248nmフォトレジストでコーティングし、そしてホットプレートで90秒間、95℃で加熱して、約200nmのフィルム厚を得る。このコーティングされたウェハを、マスクを通して、像様露光のためのCanon FPA3000EX5 248nmステッパを用いて露光する。この露光されたウェハを、次いで、105℃で90秒間ポスト露光ベークし、次いでAZ(登録商標)300MIF現像剤(AZ Electronic Materials USA Corp.,70 Meister Ave.,Somerville NJから入手できる2.38重量%TMAH水溶液)を用いて23℃で60秒間パドル現像する。走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、現像されたフォトレジスト及びB.A.R.C.パターンを観察できる。
【0106】
比較例1
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.2394g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0718g)、ビス(トリエチルアミニウム)マロネート(0.0438g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0050g)を、13.57gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例1に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、パターンを検査したが、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)はスカムを示し、B.A.R.C.は、最適露光量(dose to print)(20mJ/cm
2)で完全には溶解されなかった。
【0107】
比較例2
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.2244g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0673g)、(トリエチルアミニウム)フェニルアセテート(0.0635g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0047g)を、13.57gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.81gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例1に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)を用いてパターンを検査したが、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)はスカムを示し、B.A.R.C.は、最適露光量(20mJ/cm
2)で完全には溶解されなかった。
【0108】
比較例3
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.2336g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0701g)、ビス(トリエチルアミニウム)テレフタレート(0.0514g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0049)を、13.58gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.82gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)を用いてパターンを検査したが、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)はフッティングを示し、そしてB.A.R.C.は、最適露光量(23mJ/cm
2)で完全には溶解されなかった。
【0109】
比較例4
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.2331g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0699g)、ビス(トリエチルアミニウム)シクロヘキサン−3,4−ジカルボキシレート(0.0521g)及びビス[トリス(4−ビニルオキシエトキシフェニル)スルホニウム]パーフルオロブタンジスルホネート(0.0049g)を、13.58gのプロピレングリコールモノメチルエーテル、5.82gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び0.241gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmミクロンフィルターに通して濾過した。このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして処方及び露光例2に記載のように加工した。走査電子顕微鏡(SEM)を用いてパターンを検査したが、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)はフッティングを示し、そしてB.A.R.C.は、最適露光量(23mJ/cm
2)で完全には溶解されなかった。
【0110】
比較例5
PQMA/EAdMA(60/40)コポリマー(0.209g)、トリス(ビニルオキシブチル)シクロヘキサン1,2,4−トリカルボキシレート(0.0558g)、ビス(トリエチルアミニウム)マロネート(0.0323g)及びビス(トリフェニルスルホニウム)パーフルオロブタンジスルホネート(0.0023g)を、24.68gのプロピレングリコールモノメチルエーテル及び0.0203gのγ−バレロラクトンの混合物中に溶解して、反射防止組成物(B.A.R.C.溶液)を調製した。この溶液を0.2μmフィルターに通して濾過した。
【0111】
このB.A.R.C.溶液をケイ素ウェハ上にコーティングし、そして例1に記載の通りに加工した。走査電子顕微鏡(SEM)を用いてパターンを検査したが、125nmフォトレジスト/B.A.R.C.ライン(1:1)はスカムを示し、そしてB.A.R.C.は最適露光量(20mJ/cm
2)で完全には溶解されなかった。