(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。なお、添付図面は、特徴を分かりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを省略している。
【0013】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を
図1〜
図3に従って説明する。
(第1実施形態に係るリードフレームの構造)
図1(a)に示すように、リードフレーム1は、平面視略矩形状の基板フレーム2を有している。基板フレーム2の材料としては、例えば銅(Cu)、Cuをベースにした合金、鉄−ニッケル(Fe−Ni)又はFe−Niをベースにした合金等を用いることができる。基板フレーム2の厚さは、例えば0.05〜0.25mm程度とすることができる。
【0014】
基板フレーム2には、複数(ここでは、3つ)の樹脂封止領域3が分離して画定されている。各樹脂封止領域3には、単位リードフレーム4がマトリクス状(ここでは、5×5)に複数個連設して形成されている。この単位リードフレーム4は、最終的に発光素子等の半導体素子が搭載されて個々の半導体装置(パッケージ)として切り出されるものである。なお、各樹脂封止領域3の外周には、長手方向(図中の左右方向)に延在される一対のレール部5と、幅方向(図中の上下方向)に延在される一対のレール部6とが形成されている。また、半導体装置の組み立てを行う際には、各単位リードフレーム4に半導体素子が搭載された後、各樹脂封止領域3毎に一括モールディング方式により樹脂封止が行われる。
【0015】
図1(b)に示すように、単位リードフレーム4(破線枠参照)は、複数(ここでは、2つ)の配線(リード)10と、各配線10間に形成された絶縁性の樹脂層20とを有している。
【0016】
各配線10の平面形状は、略長方形状に形成されている。これら複数の配線10は、単位リードフレーム4の中央部において、平行に隣接して配置されている。これら複数の配線10は、基板フレーム2の開口部11によって互いに分離されている。また、この開口部11によって、隣り合う単位リードフレーム4の配線10同士も互いに分離されている。なお、配線10の厚さは、基板フレーム2と同様に、例えば0.05〜0.25mm程度とすることができる。
【0017】
開口部11は、
図1(c)に示すように、基板フレーム2の厚さ方向に貫通して形成されている。具体的には、開口部11は、配線10の第1の面(ここでは、上面)10A側から第2の面(ここでは、下面)10B側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成されている。なお、開口部11の内壁面は、基板フレーム2の厚さ方向の面、つまり配線10の側面になる。
【0018】
樹脂層20は、配線10の側面10C全面を覆うように形成されている。具体的には、樹脂層20は、上記開口部11に充填されている。また、樹脂層20は、配線10の下面10Bを覆うように形成されている。この樹脂層20の上面20Aは、半導体素子が搭載される側の配線10の上面10Aと略面一になるように形成されている。このような樹脂層20によって複数の配線10が支持されている。具体的には、各単位リードフレーム4内の複数の配線10が樹脂層20によって上記レール部5,6(
図1(a)参照)に支持されている。
【0019】
樹脂層20としては、例えばトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法やインジェクションモールド法などにより形成されたモールド樹脂を用いることができる。このモールド樹脂の材料としては、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、配線10の下面10Bから樹脂層20の下面までの厚さは、例えば50〜150μm程度とすることができる。
【0020】
(作用)
各配線10の側面10C全面を覆うように樹脂層20を形成し、その樹脂層20によって各配線10を支持するようにした。これにより、従来必要であったサポートバーやセクションバー等を省略することができる。このため、
図1(c)に示した破線の位置で樹脂層20を切断することにより単位リードフレーム4を個片化した場合に、切断面に基板フレーム2(配線10)の側面が露出されることが抑制される。
【0021】
(第1実施形態に係るリードフレームの製造方法)
まず、
図2(a)に示すように、基板フレーム2の母材となる導電性基板50を準備する。この導電性基板50の材料としては、例えばCu、Cuをベースにした合金、Fe−Ni又はFe−Niをベースにした合金からなる金属板を用いることができる。この導電性基板50の厚さは、例えば0.05〜0.25mm程度とすることができる。
【0022】
次に、
図2(b)に示す工程(第1工程)では、導電性基板50の第1の面(ここでは、上面)50Aにテープ51を接着する。具体的には、片面に粘着剤51Bが塗布されたシート状のテープ基材51Aの粘着剤51Bが塗布されている側の面51Cを導電性基板50の上面50Aに貼り付ける。例えば導電性基板50の上面50Aにシート状のテープ51を熱圧着によりラミネートする。ここで、テープ51の材料としては、例えば耐薬品性や耐熱性に優れた材料を用いることができる。具体的には、テープ基材51Aの材料としては、例えば作業性が良好な材料であることが好ましい。このようなテープ基材51Aの材料としては、例えばポリイミド樹脂やポリエステル樹脂を用いることができる。また、粘着剤51Bの材料としては、後工程のモールディングによって形成される樹脂層20(
図1(c)参照)から容易に剥離することができる材料を用いることができる。このような粘着剤51Bの材料としては、例えばシリコーン系の粘着材料を用いることができる。なお、テープ基材51Aの厚さは、例えば30〜50μm程度とすることができる。また、粘着剤51Bの厚さは、例えば20〜30μm程度とすることができる。
【0023】
続いて、
図2(c)に示す工程では、導電性基板50の第2の面(ここでは、下面)50Bに、開口部11の形状に対応した開口部52Xを有するレジスト層52を形成する。レジスト層52の材料としては、耐エッチング性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層52の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えばノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。例えば感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、導電性基板50の下面50Bにドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムを露光・現像によりパターニングして上記レジスト層52を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層52を形成することができる。
【0024】
次いで、レジスト層52をエッチングマスクとして、導電性基板50を下面50B側からエッチングして、
図2(d)に示すような基板フレーム2を形成する(第2工程)。具体的には、レジスト層52の開口部52Xから露出された導電性基板50を下面50B側からエッチングし、導電性基板50に開口部11を形成して基板フレーム2を形成する。この開口部11の形成により、各単位リードフレーム4に複数の配線10が画定される。なお、ウェットエッチング(等方性エッチング)により導電性基板50をパターニングする場合には、そのウェットエッチングで使用されるエッチング液は、導電性基板50の材質に応じて適宜選択することができる。例えば導電性基板50として銅を用いる場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができ、導電性基板50の下面50B側からスプレーエッチングにて上記パターニングを実施することができる。このようにウェットエッチングにより導電性基板50がパターニングされると、エッチングが導電性基板50の面内方向に進行するサイドエッチ現象により配線10の断面形状が台形に形成される。なお、本工程では、テープ51がエッチングストッパ層として機能する。
【0025】
このように、本工程では、導電性基板50をテープ51に貼り付けた状態で、その導電性基板50をパターニングして基板フレーム2(配線10)を形成するようにした。このため、エッチングにより配線10のみを残すようにしても、つまり従来のようなセクションバーやサポートバーを残さずに配線10のみを残すようにしても、テープ51によって配線10を保持することができる。換言すると、本工程におけるテープ51は、基板フレーム2(配線10)を所定の位置に保持するための一時的な基材としての役割を果たす。
【0026】
次に、
図3(a)に示す工程では、
図2(d)に示したレジスト層52を例えばアルカリ性の剥離液により除去する。
続いて、
図3(b)に示す工程(第3工程)では、基板フレーム2(具体的には、配線10)を封止するように、テープ51の面51C上に樹脂層20を形成する。具体的には、テープ51の面51C上に、配線10の下面10B及び側面10Cを覆うように樹脂層20を形成する。この樹脂層20は、例えば樹脂モールド成形法により形成することができる。例えば樹脂層20の材料として熱硬化性を有したモールド樹脂を用いる場合には、
図3(a)に示した構造体を金型内に収容し、ゲート部(図示略)から対応する樹脂封止領域3(
図1(a)参照)に上記モールド樹脂を充填しながら加熱及び加圧処理を行う。これにより、
図3(b)に示すように、開口部11内を充填するように樹脂層20が形成されるとともに、配線10の下面10Bを覆うように樹脂層20が形成される。このように、一括モールディング方式により、樹脂封止領域3毎にテープ51上の配線10を埋め込むように樹脂層20が形成される。このとき、テープ51の面51Cと接する配線10の上面10A及び樹脂層20の上面20Aは、テープ51の面51C(平坦面)に沿った形状に形成される。このため、配線10の上面10A及び樹脂層20の上面20Aは平坦に形成され、それら上面10Aと上面20Aとが面一になるように形成される。なお、上記モールド樹脂を充填する方法としては、トランスファーモールドやインジェクションモールド等の方法を用いることができる。また、封止処理中、テープ51は、上述のように樹脂層20の配線10の上面10Aへの漏れ出し(「モールドフラッシュ」ともいう。)を防止する役割を果たす。
【0027】
そして、所要の封止処理を終えると、樹脂層20で覆われた構造体(
図3(b)参照)を上記金型から取り出す。なお、本工程により形成された樹脂層20によって各配線10が樹脂封止領域3毎にレール部5,6(
図1(a)参照)に支持される。
【0028】
次いで、
図3(c)に示す工程(第4工程)では、
図3(b)に示したテープ51を剥離して除去する。但し、この段階では、配線10の上面10A側に、剥離したテープ51の粘着剤51B(
図3(b)参照)の一部が残存している可能性がある。そこで、その残存している可能性のある粘着剤51Bを、例えばアッシング(酸素プラズマを用いたドライエッチング)で除去するようにしてもよい。このようにテープ51が除去されると、上述のように面一に形成された配線10の上面10A及び樹脂層20の上面20Aが露出する。
【0029】
以上説明した製造工程により、配線10及び樹脂層20を有する単位リードフレーム4がマトリクス状に複数個連設された構造、つまり
図1に示した構造のリードフレーム1が製造される。なお、このリードフレーム1は、各単位リードフレーム4毎に1又は複数の半導体素子が搭載され、その半導体素子を封止する一括モールディングに供される。あるいは、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層20を切断し、
図3(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4に個片化し、その単位リードフレーム4に1又は複数の半導体素子を搭載するようにしてもよい。この場合には、個別モールディングにより、各単位リードフレーム4毎に上記半導体素子が封止される。
【0030】
(効果)
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)各配線10の側面10C全面を覆うように樹脂層20を形成し、その樹脂層20によって各配線10を支持するようにした。これにより、従来必要であったサポートバーやセクションバー等を省略することができる。このため、
図1(c)に示した破線の位置で樹脂層20を切断することにより単位リードフレーム4を個片化した場合に、切断面に配線10(基板フレーム2)の側面10Cが露出されることが抑制される。したがって、配線10の酸化を好適に抑制することができる。
【0031】
(2)ところで、従来の半導体装置80では、その側面の一部に金属(リード74)が露出されていたため、半導体装置80の絶縁性に問題があった。これに対し、本実施形態のリードフレーム1では、個別の単位リードフレーム4に個片化した場合に、配線10の側面10C全面が樹脂層20によって覆われる。このため、単位リードフレーム4及びその単位リードフレーム4を用いた半導体装置における絶縁信頼性を向上させることができる。
【0032】
(3)導電性基板50をテープ51に貼り付けた状態で、その導電性基板50をパターニングして基板フレーム2(配線10)を形成するようにした。このため、エッチングにより配線10のみを残すようにしても、つまり従来のようなセクションバーやサポートバーを残さずに配線10のみを残すようにしても、テープ51によって配線10を保持することができる。さらに、テープ51によって保持された配線10を封止するように樹脂層20を形成し、その後、テープ51を剥離するようにした。このように、配線10を支持する樹脂層20が形成された後に、テープ51が剥離される。このため、テープ51の剥離後においても、樹脂層20によって配線10を所定の位置に保持(支持)することができる。したがって、従来必要であった配線10を支持するためのセクションバーやサポートバーを省略することができる。
【0033】
(第1実施形態の変形例)
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0034】
・上記第1実施形態において、配線10の下面10Bが露出されるように樹脂層20を形成するようにしてもよい。例えば
図3(b)に示した構造体を形成した後に、配線10の下面10Bが露出されるまで樹脂層20を薄化するようにしてもよい。また、例えば
図3(a)に示した構造体とその構造体の下面側に配置された半硬化状態の樹脂シートとを上下一対の板材の間に配置し、プレス装置などによって上下両面から加圧及び加熱するようにしてもよい。これにより、上記樹脂シートが溶融し、その溶融した樹脂が樹脂層20として上記開口部11に埋め込まれるとともに、配線10の下面10Bが露出されることになる。
【0035】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、
図4及び
図5に従って説明する。この実施形態のリードフレーム1Aは、各単位リードフレーム4Aに放熱板30を設けた点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0036】
(第2実施形態に係るリードフレームの構造)
図4(b)に示すように、各単位リードフレーム4Aは、複数の配線10と、接着層31と、放熱板30と、樹脂層21とを有している。
【0037】
接着層31は、単位リードフレーム4A内の複数の配線10の下面10Bに形成されている。具体的には、単位リードフレーム4A内の対向する配線10の下面10Bに掛け渡すように接着されている。この接着層31は、配線10と放熱板30とを接着する機能と、配線10と放熱板30とを絶縁する機能とを有する。この接着層31としては、例えばエポキシ系、ポリイミド系やシリコーン系等の熱硬化性の接着剤や、液晶ポリマ等の熱可塑性の接着剤等を用いることができる。また、接着層31としては、例えば熱伝導性の高い無機材料(例えば、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素など)のフィラーを含有した有機系の樹脂バインダーからなる熱伝導部材を用いることもできる。なお、接着層31の厚さは、例えば50〜150μm程度とすることができる。
【0038】
放熱板30は、接着層31を介して複数の配線10に接着され、それら配線10と熱的に接続されている。放熱板30は、例えば平面視略矩形状の平板である。放熱板30の材料としては、例えば銅やアルミニウム(Al)などの熱伝導性に優れた金属又はこれらの金属を少なくとも一種以上含む合金を用いることができる。また、放熱板30の材料としては、例えば窒化アルミニウムやアルミナ等の熱伝導性に優れたセラミック材を用いることができる。なお、放熱板30の厚さは、例えば200〜500μm程度とすることができる。
【0039】
樹脂層21は、配線10の側面10C全面を覆うように形成されている。具体的には、樹脂層21は、上記開口部11に充填されている。また、樹脂層21は、接着層31の側面全面及び放熱板30の側面全面を覆うように形成されている。具体的には、樹脂層21は、隣り合う単位リードフレーム4Aの接着層31間及び放熱板30間に形成される空間S1に充填されている。樹脂層21の上面21Aは、配線10の上面10Aと略面一になるように形成されている。また、樹脂層21の下面21Bは、放熱板30の下面30Bと略面一になるように形成されている。このような樹脂層21によって、各単位リードフレーム4A内の複数の配線10が上記レール部5,6(
図1(a)参照)に支持されている。
【0040】
樹脂層21としては、例えばトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法やインジェクションモールド法などにより形成されたモールド樹脂を用いることができる。このモールド樹脂の材料としては、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂を用いることができる。さらに、樹脂層21としては、例えば熱伝導率の高いモールド樹脂であることが好ましい。なお、上面21Aから下面21Bまでの樹脂層21の厚さは、例えば400〜800μm程度とすることができる。
【0041】
(第2実施形態に係るリードフレームの製造方法)
まず、
図5(a)に示す工程では、先の
図2(a)〜
図3(a)に示した工程と同様の製造工程により、テープ51が貼り付けられた基板フレーム2(配線10)を形成する。続いて、このように形成された構造体の下方に、接着層31及び放熱板30を配置する。具体的には、配線10の下面10Bに接着層31の上面が対向するように、且つ接着層31の下面に放熱板30の上面30Aが対向するように、上記構造体の下方に接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。すなわち、配線10と放熱板30との間に接着層31を介在させて、上記構造体、接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。なお、このときの接着層31は、B−ステージ(半硬化状態)のものが使用される。
【0042】
次に、上述のように配置した構造体、接着層31及び放熱板30を加熱及び加圧することにより、
図5(a)に示すように、配線10の下面10Bに接着層31の上面を当接し、接着層31の下面に放熱板30の上面30Aを当接すると共に、接着層31を硬化する。この接着層31の硬化により、放熱板30が接着層31を介して配線10に接着される。例えば
図3(a)に示した構造体、接着層31及び放熱板30を上述のように重ね合わせた構造体を一対のプレス熱盤の間に配置し、真空プレスなどにより上下両面から加熱及び加圧することによって、
図5(a)に示すような一体構造を得ることができる。
【0043】
次に、
図5(b)に示す工程(第3工程)では、一括モールディング方式により、隣り合う単位リードフレーム4Aの接着層31間及び放熱板30間の空間S1及び開口部11に樹脂層21を形成する。例えば樹脂層21の材料として熱硬化性を有したモールド樹脂を用いる場合には、
図5(a)に示した構造体を金型内に収容し、ゲート部(図示略)から対応する樹脂封止領域3(
図1(a)参照)に上記モールド樹脂を充填しながら加熱及び加圧処理を行う。これにより、
図5(b)に示すように、開口部11及び空間S1内を充填するように樹脂層21が形成される。なお、上記モールド樹脂を充填する方法としては、トランスファーモールドやインジェクションモールド等の方法を用いることができる。
【0044】
次いで、
図5(c)に示す工程(第4工程)では、
図5(b)に示したテープ51を剥離して除去する。すると、配線10の上面10A及び樹脂層21の上面21Aが露出する。
【0045】
以上説明した製造工程により、配線10、接着層31、放熱板30及び樹脂層21を有する単位リードフレーム4Aがマトリクス状に複数個連設された構造、つまり
図4に示した構造のリードフレーム1Aが製造される。なお、このリードフレーム1Aは、各単位リードフレーム4A毎に1又は複数の半導体素子が搭載され、その半導体素子を封止する一括モールディングに供される。あるいは、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層21を切断し、
図5(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Aに個片化し、その単位リードフレーム4Aに1又は複数の半導体素子を搭載するようにしてもよい。
【0046】
(効果)
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加えて以下の効果を奏する。
【0047】
(4)配線10の下面10Bに接着層31を介して放熱板30を設けるようにした。この放熱板30により、例えばリードフレーム1Aの各単位リードフレーム4Aに半導体素子を搭載した場合に、その半導体素子の動作時に発生する熱を効率良く放熱することができる。
【0048】
(第2実施形態の変形例)
なお、上記第2実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0049】
・上記第2実施形態では、各単位リードフレーム4Aに個別の放熱板30を形成するようにした。これに限らず、複数の単位リードフレーム4Aに対して1枚の放熱板を形成するようにしてもよい。この場合のリードフレームの製造方法の一例を
図6に従って説明する。
【0050】
まず、
図6(a)に示す工程では、先の
図3(a)に示した構造体の下方に、接着層32及び放熱板33を配置する。具体的には、複数の単位リードフレーム4A内の複数の配線10と放熱板33との間に接着層32を介在させて、上記構造体、接着層32及び放熱板33を重ね合わせる。ここで、接着層32及び放熱板33の平面形状及び大きさは、例えば上記樹脂封止領域3(
図1(a)参照)の平面形状及び大きさと略同じになるように形成されている。すなわち、接着層32及び放熱板33は、各樹脂封止領域3内の複数の単位リードフレーム4Aに対して共通に設けられている。なお、このときの接着層32は、B−ステージ状態のものが使用される。
【0051】
次に、上述のように配置した構造体、接着層32及び放熱板33を加熱及び加圧することにより、
図6(a)に示すように、配線10の下面10Bに接着層32の上面を当接し、接着層32の下面に放熱板33の上面を当接すると共に、接着層32を硬化する。この接着層32の硬化により、放熱板33が接着層32を介して配線10に接着され、
図6(a)に示した一体構造が得られる。
【0052】
次に、
図6(b)に示す工程では、一括モールディング方式により、開口部11に樹脂層22を形成する。続いて、
図6(c)に示す工程では、
図6(b)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、配線10、樹脂層22、接着層32及び放熱板33を有する単位リードフレーム4Aがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0053】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Aを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層22、接着層32及び放熱板33が切断される。これにより、
図6(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Aが得られる。
【0054】
このような製造方法によれば、複数の単位リードフレーム4Aに対して1つの接着層32及び1つの放熱板33を設けるようにしたため、配線10に対する接着層32及び放熱板33の位置合わせを容易に行うことができる。
【0055】
なお、本変形例では、接着層32に厚い材料を用いることにより、
図6(a)に示した工程で開口部11を接着層32で充填することも可能である。この場合には、樹脂層22の形成を省略することができる。
【0056】
・あるいは、
図7に示される製造方法により、複数の単位リードフレーム4Aに対して1枚の放熱板が形成されたリードフレームを形成するようにしてもよい。
詳述すると、
図7(a)に示す工程では、先の
図3(a)に示した構造体の下方に、接着層31及び放熱板33を配置する。具体的には、複数の単位リードフレーム4A内の複数の配線10と放熱板33との間に接着層31を介在させて、上記構造体、接着層31及び放熱板33を重ね合わせる。ここで、接着層31は、各単位リードフレーム4A内の対向する配線10の下面10Bに掛け渡すように接着されている。すなわち、接着層31は、各単位リードフレーム4A毎に設けられている。その一方で、放熱板33は、各樹脂封止領域3(
図1(a)参照)内の複数の単位リードフレーム4Aに対して共通に設けられている。なお、このときの接着層31は、B−ステージ状態のものが使用される。
【0057】
次に、上述のように配置した構造体、接着層31及び放熱板33を加熱及び加圧することにより、
図7(a)に示すように、配線10の下面10Bに接着層31の上面を当接し、接着層31の下面に放熱板33の上面を当接すると共に、接着層31を硬化する。この接着層31の硬化により、放熱板33が接着層31を介して配線10に接着され、
図7(a)に示した一体構造が得られる。
【0058】
次に、
図7(b)に示す工程では、一括モールディング方式により、隣り合う単位リードフレーム4Aの接着層31間の空間S2及び開口部11に樹脂層23を形成する。続いて、
図7(c)に示す工程では、
図7(b)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、配線10、樹脂層23、接着層31及び放熱板33を有する単位リードフレーム4Aがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0059】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Aを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層23及び放熱板33が切断される。これにより、
図7(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Aが得られる。
【0060】
このような製造方法によれば、複数の単位リードフレーム4Aに対して1枚の放熱板33を設けるようにしたため、配線10に対する放熱板33の位置合わせを容易に行うことができる。
【0061】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、
図8〜
図10に従って説明する。この実施形態のリードフレーム1Bは、各単位リードフレーム4Bの配線10上にめっき層40を設けた点が上記第2実施形態と異なっている。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0062】
(第3実施形態に係るリードフレームの構造)
図8(b)に示すように、単位リードフレーム4Bは、配線10と、樹脂層21と、接着層31と、放熱板30と、めっき層40(第1めっき層)とを有している。
【0063】
めっき層40は、配線10の上面10Aの一部を覆うように形成されている。また、めっき層40は、各単位リードフレーム4B内において対向する配線10間に形成された樹脂層21の上面21Aの一部を覆うように形成されている。このため、各単位リードフレーム4A内において対向するめっき層40間には、開口部11よりも開口幅の狭い開口部40Xが形成されている。
図8(a)に示すように、めっき層40は、平面視略長方形状に形成されている。上記めっき層40の例としては、例えば配線10の上面10AからNi層/金(Au)層を順に積層した金属層を挙げることができる。また、めっき層40の他の例としては、Ni層/パラジウム(Pd)層/Au層を順に積層した金属層、Ni層/Pd層/銀(Ag)層を順に積層した金属層、Ni層/Pd層/Ag層/Au層を順に積層した金属層を挙げることができる。ここで、上記Ni層はNi又はNi合金からなる金属層、上記Au層はAu又はAu合金からなる金属層、Pd層はPd又はPd合金からなる金属層、Ag層はAg又はAg合金からなる金属層である。このようなめっき層40の最下層の金属層としては、Ni等の硬度の高い金属からなる金属層であることが好ましい。なお、めっき層40が例えばNi/Au層である場合には、Ni層の厚さを1〜10μm程度とすることができ、Au層の厚さを0.1〜1μm程度とすることができる。また、上記開口部40Xの幅は、例えば20〜100μm程度とすることができる。
【0064】
(第3実施形態に係るリードフレームの製造方法)
まず、
図9(a)に示すように、基板フレーム2の母材となる導電性基板50を準備する。
【0065】
続いて、
図9(b)に示す工程(第5工程)では、導電性基板50の上面50A上に、所定の箇所に開口パターン53X(第1開口パターン)を有するレジスト層53(第1レジスト層)を形成する。この開口パターン53Xは、めっき層40の形成領域に対応する部分の導電性基板50を露出するように形成される。レジスト層53の材料としては、耐めっき性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層53の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えばノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。例えば感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、導電性基板50の上面50Aにドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして上記レジスト層53を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層53を形成することができる。
【0066】
次いで、
図9(c)に示す工程(第6工程)では、上記レジスト層53をめっきマスクとして、導電性基板50の上面50Aに、その導電性基板50をめっき給電層に利用する電解めっき法を施す。具体的には、レジスト層53の開口パターン53Xから露出された導電性基板50の上面50Aに電解めっき法を施すことにより、その導電性基板50上にめっき層40を形成する。なお、例えばめっき層40がNi/Au層である場合には、電解めっき法により、レジスト層53の開口パターン53Xから露出された導電性基板50の上面50AにNi層とAu層を順に積層する。その後、レジスト層53を例えばアルカリ性の剥離液により除去する。
【0067】
次に、
図9(d)に示す工程(第1工程)では、導電性基板50の上面50Aにテープ51を接着する。具体的には、片面に粘着剤51Bが塗布されたフィルム状のテープ基材51Aの粘着剤51Bが塗布されている側の面51Cを導電性基板50の上面50Aに貼り付ける。このとき、粘着剤51Bの厚さは、めっき層40の厚さよりも厚くなるように設定することが好ましい。具体的には、めっき層40の厚さは例えば1〜11μm程度であり、粘着剤51Bの厚さは例えば20〜30μm程度である。このように厚さを設定することにより、例えば導電性基板50の上面50Aにシート状のテープ51を熱圧着によりラミネートした際に、粘着剤51B中にめっき層40が圧入される。これにより、めっき層40の側面全面及び上面全面が粘着剤51Bによって覆われる。このようにめっき層40が粘着剤51B中に圧入されると、そのめっき層40の形成によって生じる導電性基板50の上面50A側の凹凸が粘着剤51Bによって吸収されることになる。したがって、そのような凹凸に起因してテープ51と導電性基板50との間の接着力及び密着力が低下するといった問題の発生を抑制することができる。
【0068】
続いて、
図9(e)に示す工程(第2工程)では、先の
図2(c)及び
図2(d)に示した工程と同様の製造工程により、導電性基板50の下面50Bにレジスト層52を形成し、そのレジスト層52をエッチングマスクとして、導電性基板50を下面50B側からエッチングして開口部11を形成する。この開口部11の形成により、各単位リードフレーム4Bに複数の配線10が画定されるとともに、めっき層40の下面の一部が開口部11から露出される。このとき、めっき層40は、その最下層が硬度の高い金属により形成され、テープ51の粘着剤51Bによって保持されている。このため、開口部11から露出されためっき層40が配線10から浮いた状態となった場合であっても、そのめっき層40が変形する(例えば下方に垂れ下がる)ことが抑制される。なお、この工程で使用されるエッチング液は、導電性基板50の材質に応じて適宜選択することができる。例えば導電性基板50として銅を用いる場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができ、導電性基板50の下面50B側からスプレーエッチングにて上記パターニングを実施することができる。このようなエッチング工程では、テープ51及びめっき層40がエッチングストッパ層として機能する。
【0069】
次に、
図10(a)に示す工程では、
図9(e)に示した構造体の下方に、接着層31及び放熱板30を配置する。具体的には、配線10の下面10Bに接着層31の上面が対向するように、且つ接着層31の下面に放熱板30の上面が対向するように、上記構造体の下方に接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。すなわち、配線10と放熱板30との間に接着層31を介在させて、上記構造体、接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。なお、このときの接着層31は、B−ステージ(半硬化状態)のものが使用される。
【0070】
次に、上述のように配置した構造体、接着層31及び放熱板30を加熱及び加圧することにより、
図10(a)に示すように、配線10の下面10Bに接着層31の上面を当接し、接着層31の下面に放熱板30の上面を当接すると共に、接着層31を硬化する。この接着層31の硬化により、放熱板30が接着層31を介して配線10に接着される。これにより、
図10(a)に示した一体構造が得られる。
【0071】
次に、
図10(b)に示す工程(第3工程)では、一括モールディング方式により、隣り合う単位リードフレーム4Bの接着層31間及び放熱板30間の空間S1及び開口部11に樹脂層21を形成する。これにより、開口部11から露出されていためっき層40の下面が樹脂層21によって覆われる。その後、
図10(c)に示す工程(第4工程)では、
図10(b)に示したテープ51を剥離して除去する。
【0072】
以上説明した製造工程により、配線10、めっき層40、接着層31、放熱板30及び樹脂層21を有する単位リードフレーム4Bがマトリクス状に複数個連設された構造、つまり
図8に示した構造のリードフレーム1Bが製造される。なお、このリードフレーム1Bは、各単位リードフレーム4B毎に1又は複数の半導体素子が搭載され、その半導体素子を封止する一括モールディングに供される。あるいは、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層21を切断し、
図10(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Bに個片化し、その単位リードフレーム4Bに1又は複数の半導体素子を搭載するようにしてもよい。
【0073】
(効果)
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(3)及び第2実施形態の(4)の効果に加えて以下の効果を奏する。
【0074】
(5)配線10の上面10Aにめっき層40を設けるようにした。これにより、リードフレーム1Bの単位リードフレーム4Bに半導体素子を実装する際のコンタクト性(ワイヤボンディング性やはんだ付け性など)を向上させることができる。
【0075】
(6)導電性基板50の下面50Bに、フォトリソグラフィ法によりパターニングされた開口パターン53Xを有するレジスト層53を形成し、導電性基板50を給電層とする電解めっき法により、開口パターン53Xから露出する導電性基板50にめっき層40を形成するようにした。このように、めっき層40の形状を決定するレジスト層53の開口パターン53Xがフォトリソグラフィ法によって形成されるため、開口パターン53X及びめっき層40の平面形状を所望の形状(設計通りの形状)に精度良く形成することができる。したがって、めっき層40のピッチがエッチング加工で形成が困難なほどに狭ピッチ化した場合であっても、上記フォトリソグラフィ法及びめっきパターニングによって、狭ピッチ化に対応しためっき層40を精度良く形成することができる。
【0076】
(7)テープ51の粘着剤51Bをめっき層40よりも厚く形成するようにした。これにより、例えば導電性基板50の上面50Aにシート状のテープ51を熱圧着によりラミネートした際に、粘着剤51B中にめっき層40が圧入される。このようにめっき層40が粘着剤51B中に圧入されると、そのめっき層40の形成によって生じる導電性基板50の上面50A側の凹凸が粘着剤51Bによって吸収されることになる。したがって、そのような凹凸に起因してテープ51と導電性基板50との間の接着力及び密着力が低下するといった問題の発生を抑制することができる。
【0077】
(第3実施形態の変形例)
なお、上記第3実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0078】
・上記第3実施形態における放熱板30及び接着層31を省略するようにしてもよい。この場合のリードフレームの製造方法の一例を
図11に従って説明する。
まず、
図11(a)に示す工程では、先の
図9(e)に示した構造体のレジスト層52をアルカリ性の剥離液により除去する。続いて、
図11(b)に示す工程では、基板フレーム2(具体的には、配線10)を封止するように、テープ51の面51C上に樹脂層20を形成する。具体的には、一括モールディング方式により、樹脂封止領域3(
図1(a)参照)毎にテープ51上の配線10を埋め込むように樹脂層20を形成する。これにより、
図11(b)に示すように、開口部11を充填するように樹脂層20が形成されるとともに、配線10の下面10Bを覆うように樹脂層20が形成される。このため、開口部11から露出されていためっき層40の下面が樹脂層20によって覆われる。
【0079】
その後、
図11(c)に示す工程では、
図11(b)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、配線10、めっき層40及び樹脂層20を有する単位リードフレーム4Bがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0080】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Bを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層20が切断される。これにより、
図11(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Bが得られる。
【0081】
・先の
図11に示した変形例において、配線10の下面10Bが露出されるように樹脂層20を形成するようにしてもよい。例えば
図11(b)に示した構造体を形成した後に、配線10の下面10Bが露出されるまで樹脂層20を薄化するようにしてもよい。
【0082】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、
図12〜
図14に従って説明する。この実施形態のリードフレーム1Cは、各単位リードフレーム4Cの配線10の下面10Bにめっき層41を設けた点が上記第3実施形態と異なっている。以下、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
【0083】
(第4実施形態に係るリードフレームの構造)
図12(b)に示すように、各単位リードフレーム4Cは、配線10と、めっき層40と、めっき層41(第2めっき層)と、樹脂層24と、接着層31と、放熱板30とを有している。
【0084】
めっき層41は、配線10の下面10Bを覆うよう形成されている。また、図示は省略するが、めっき層41の平面形状は、配線10と同様に略長方形状に形成されている。そして、めっき層41の平面形状は、配線10の下面10Bの平面形状よりも一回り大きく形成されている。このため、
図12(b)に示すように、めっき層41の周縁部は、配線10の下面10Bの周縁部よりも突出するように形成されている。これにより、めっき層41の周縁部は、配線10の下面10Bに対して庇状に形成されている。また、各単位リードフレーム4C内において対向するめっき層41間には、開口部11のめっき層41側の開口端よりも幅の狭い開口部41Xが形成されている。
【0085】
上記めっき層41の例としては、例えば配線10の下面10BからNi層/Au層を順に積層した金属層を挙げることができる。また、めっき層41の他の例としては、Ni層/Pd層/Au層を順に積層した金属層、Ni層/Pd層/Ag層を順に積層した金属層、Ni層/Pd層/Ag層/Au層を順に積層した金属層を挙げることができる。なお、めっき層41が例えばNi/Au層である場合には、Ni層の厚さを1〜10μm程度とすることができ、Au層の厚さを0.1〜1μm程度とすることができる。また、上記開口部41Xの幅は、例えば20〜100μm程度とすることができる。
【0086】
接着層31は、単位リードフレーム4C内の複数のめっき層41の下面41Bに形成されている。具体的には、単位リードフレーム4C内の対向するめっき層41の下面41Bに掛け渡すように接着されている。この接着層31は、めっき層41と放熱板30とを接着する機能と、めっき層41と放熱板30とを絶縁する機能とを有する。
【0087】
樹脂層24は、配線10の側面10C全面を覆うように開口部11に充填されている。また、樹脂層24は、めっき層41の側面全面を覆うように形成されている。具体的には、樹脂層24は、上記開口部41Xに充填されている。これにより、樹脂層24は、めっき層41の周縁部に食い込むように形成されている。詳述すると、樹脂層24が形成される開口部11及び開口部41Xを含む空間では、めっき層41の周縁部と配線10の側面10Cとによって段差が形成されている。このような段差を有する空間に樹脂層24が形成されると、樹脂層24がめっき層41の周縁部の上面に食い込むように形成されることになる。このため、樹脂層24と基板フレーム2との密着性が向上し、樹脂層24が開口部11から抜けることを抑制することができる。
【0088】
さらに、樹脂層24は、接着層31の側面及び放熱板30の側面を覆うように形成されている。具体的には、樹脂層24は、隣り合う単位リードフレーム4Cの接着層31間及び放熱板30間に形成される空間S1に充填されている。樹脂層24の上面24Aは、配線10の上面10Aと略面一になるように形成されている。また、樹脂層24の下面24Bは、放熱板30の下面と略面一になるように形成されている。このような樹脂層24によって、各単位リードフレーム4C内の複数の配線10が上記レール部5,6(
図1(a)参照)に支持されている。
【0089】
(第4実施形態に係るリードフレームの製造方法)
図13(a)に示す工程(第5工程)では、導電性基板50の上面50A上に、所定の箇所に開口パターン53Xを有するレジスト層53を形成するとともに、導電性基板50の下面50B上に、所定の箇所に開口パターン54X(第2開口パターン)を有するレジスト層54(第2レジスト層)を形成する。これら開口パターン53X,54Xは、めっき層40,41の形成領域にそれぞれ対応する部分の導電性基板50を露出するように形成される。レジスト層53,54の材料としては、耐めっき性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層53,54の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えばノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。
【0090】
次いで、
図13(b)に示す工程(第6工程)では、上記レジスト層53,54をめっきマスクとして、導電性基板50の上面50A及び下面50Bに、その導電性基板50をめっき給電層に利用する電解めっき法を施す。具体的には、レジスト層53の開口パターン53Xから露出された導電性基板50の上面50Aに電解めっき法を施すことにより、その導電性基板50の上面50Aにめっき層40を形成する。また、レジスト層54の開口パターン54Xから露出された導電性基板50の下面50Bに電解めっき法を施すことにより、その導電性基板50の下面50Bにめっき層41を形成する。なお、例えばめっき層40,41がNi/Au層である場合には、電解めっき法により、レジスト層53,54の開口パターン53X,54Xから露出された導電性基板50の上面50A及び下面50BにNi層とAu層を順に積層する。その後、レジスト層53,54を例えばアルカリ性の剥離液により除去する。
【0091】
次に、
図13(c)に示す工程(第1工程)では、導電性基板50の上面50Aにテープ51を接着する。
続いて、上記めっき層41をエッチングマスクとして、導電性基板50を下面50B側からエッチングして、
図13(d)に示すように開口部11を形成する(第2工程)。この開口部11の形成により、各単位リードフレーム4Cに複数の配線10が画定されるとともに、めっき層40の下面の一部が開口部11から露出される。なお、ウェットエッチング(等方性エッチング)により導電性基板50をパターニングする場合には、そのウェットエッチングで使用されるエッチング液は、導電性基板50の材質に応じて適宜選択することができる。例えば導電性基板50として銅を用いる場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができ、導電性基板50の下面50B側からスプレーエッチングにて上記パターニングを実施することができる。このようにウェットエッチングにより導電性基板50がパターニングされると、エッチングが導電性基板50の面内方向に進行するサイドエッチ現象により配線10の断面形状が台形に形成される。すなわち、ウェットエッチング(等方性エッチング)では、エッチングがマスク(めっき層41)に対して垂直方向だけではなく水平方向にも進行するため、
図13(d)に示すように、めっき層41の周縁部直上の配線10もエッチングされ、配線10の側面がめっき層41よりも後退するように一部除去される。換言すると、下層のめっき層41の周縁部が上層の配線10の下面10Bから外側にはみ出した構造、いわゆるオーバーハング構造が形成される。
【0092】
次に、
図14(a)に示す工程では、
図13(d)に示した構造体の下方に、接着層31及び放熱板30を配置する。具体的には、めっき層41の下面41Bに接着層31の上面が対向するように、且つ接着層31の下面に放熱板30の上面30Aが対向するように、上記構造体の下方に接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。すなわち、めっき層41と放熱板30との間に接着層31を介在させて、上記構造体、接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。なお、このときの接着層31は、B−ステージ(半硬化状態)のものが使用される。
【0093】
次に、上述のように配置した構造体、接着層31及び放熱板30を加熱及び加圧することにより、
図14(a)に示すように、めっき層41の下面41Bに接着層31の上面を当接し、接着層31の下面に放熱板30の上面30Aを当接すると共に、接着層31を硬化する。この接着層31の硬化により、放熱板30が接着層31を介してめっき層41に接着される。これにより、
図14(a)に示した一体構造が得られる。
【0094】
次に、
図14(b)に示す工程(第3工程)では、一括モールディング方式により、隣り合う単位リードフレーム4Cの接着層31間及び放熱板30間の空間S1、開口部11及びめっき層41間の開口部41Xに樹脂層24を形成する。これにより、開口部11とその開口部11よりも開口幅の小さい開口部41Xとを含む空間、すなわちめっき層41の周縁部と配線10の側面とによって形成される段差を有する空間に樹脂層24が形成される。その後、
図14(c)に示す工程(第4工程)では、
図14(b)に示したテープ51を剥離して除去する。
【0095】
以上説明した製造工程により、配線10、めっき層40,41、接着層31、放熱板30及び樹脂層24を有する単位リードフレーム4Cがマトリクス状に複数個連設された構造、つまり
図12に示した構造のリードフレーム1Cが製造される。なお、このリードフレーム1Cは、各単位リードフレーム4C毎に1又は複数の半導体素子が搭載され、その半導体素子を封止する一括モールディングに供される。あるいは、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層24を切断し、
図14(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Cに個片化し、その単位リードフレーム4Cに1又は複数の半導体素子を搭載するようにしてもよい。
【0096】
(効果)
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(3)、第2実施形態の(4)、第3実施形態の(5)〜(7)の効果に加えて以下の効果を奏する。
【0097】
(8)配線10の下面10Bを被覆し、その下面10Bよりも一回り大きいめっき層41を形成するようにした。また、開口部11とその開口部11よりも開口幅の小さい開口部41Xとを含む空間、すなわちめっき層41の周縁部と配線10の側面とによって形成される段差を有する空間に樹脂層24を形成するようにした。このような段差を有する空間に樹脂層24が形成されると、樹脂層24がめっき層41の周縁部の上面に食い込むように形成されたことになる。このため、樹脂層24と基板フレーム2との密着性が向上し、樹脂層24が開口部11から抜けることを抑制することができる。
【0098】
(9)導電性基板50にテープ51を貼り付ける前に、導電性基板50の下面50Bにめっき層41を形成し、そのめっき層41をエッチングマスクにして、導電性基板50をエッチングするようにした。これにより、導電性基板50にテープ51を貼り付けた後のフォトリソグラフィ法によるレジスト層の形成などを省略することができるため、テープ51へのダメージを低減することができる。
【0099】
(第4実施形態の変形例)
なお、上記第4実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0100】
・上記第4実施形態における放熱板30及び接着層31を省略するようにしてもよい。この場合のリードフレームの製造方法の一例を
図15に従って説明する。
まず、
図15(a)に示す工程では、先の
図13(a)〜
図13(d)に示した工程と同様の製造工程により、
図13(d)に示した構造体と同様の構造体を形成する。続いて、
図15(b)に示す工程では、基板フレーム2(具体的には、配線10)及びめっき層41を封止するように、テープ51の面51C上に樹脂層25を形成する。具体的には、一括モールディング方式により、樹脂封止領域3(
図1(a)参照)毎にテープ51上の配線10及びめっき層41を埋め込むように樹脂層25を形成する。これにより、
図15(b)に示すように、開口部11,41X内を充填するように樹脂層25が形成されるとともに、めっき層41の下面41Bを覆うように樹脂層25が形成される。このように、開口部11とその開口部11よりも開口幅の小さい開口部41Xとを含む空間、すなわちめっき層41の周縁部と配線10の側面とによって形成される段差を有する空間に樹脂層25が形成される。
【0101】
その後、
図15(c)に示す工程では、
図15(b)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、配線10、めっき層40,41及び樹脂層25を有する単位リードフレーム4Cがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0102】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Cを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層25が切断される。これにより、
図15(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Cが得られる。
【0103】
・先の
図15に示した変形例において、めっき層41の下面41Bが露出されるように樹脂層25を形成するようにしてもよい。例えば
図15(b)に示した構造体を形成した後に、めっき層41の下面41Bが露出されるまで樹脂層25を薄化するようにしてもよい。
【0104】
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、
図16〜
図18に従って説明する。この実施形態のリードフレーム1Dは、各単位リードフレーム4Dの配線10内にめっき層42が埋め込まれている点、及び配線10の下面10Bが凹凸形状に形成されている点が上記第2実施形態と異なっている。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0105】
(第5実施形態に係るリードフレームの構造)
図16(b)に示すように、各単位リードフレーム4Dは、配線10と、めっき層42と、樹脂層26と、接着層31と、放熱板30とを有している。
【0106】
各配線10の上面10Aには、所要の箇所(
図16(b)では、1つ)に凹部10Xが形成されている。この凹部10Xは、配線10の上面10Aから配線10の厚さ方向の中途位置まで形成されている。すなわち、凹部10Xは、その底面が配線10の厚さ方向の中途に位置するように形成されている。
図16(a)に示すように、凹部10Xの平面形状は、例えば長方形状に形成されている。この凹部10Xは、配線10の平面方向の中間位置に形成されている。このため、
図16(b)に示すように、凹部10Xの側壁は配線10によって構成されている。
【0107】
また、各配線10の下面10Bには、所要の箇所(
図16(b)では、5つ)に微小径の凹部10Yが形成されている。この凹部10Yは、配線10の下面10Bから配線10の厚さ方向の中途位置まで形成されている。すなわち、凹部10Yは、その底面が配線10の厚さ方向の中途に位置するように形成されている。この凹部10Yは、例えば断面視略台形状に形成されている。このような微小径の凹部10Yが多数形成されることで、配線10の下面10Bは凹凸面になっている。この凹凸面は、配線10の下面10Bが粗化されて形成される粗化面とは異なる。なお、凹部10Yの平面形状は、図示は省略するが、例えば円形状に形成されている。例えば凹部10Yの開口端の直径は、例えば10μm程度とすることができる。また、凹部10Yは、例えば平面視で千鳥状やマトリクス状に配置されている。
【0108】
めっき層42は、配線10の凹部10X内に形成されている。めっき層42の上面42Aは、配線10の上面10Aと略面一になるように形成されている。また、めっき層42の側面は、凹部10Xの側壁を構成する配線10によって覆われている。このようにめっき層42は、配線10内に埋め込まれるように形成されている。
図16(a)に示すように、めっき層42の平面形状は、凹部10Xの平面形状と同様に略長方形状に形成されている。
【0109】
上記めっき層42の例としては、例えば凹部10Xの底面からNi層/Au層を順に積層した金属層を挙げることができる。また、めっき層42の他の例としては、Ni層/Pd層/Au層を順に積層した金属層、Ni層/Pd層/Ag層を順に積層した金属層、Ni層/Pd層/Ag層/Au層を順に積層した金属層を挙げることができる。なお、めっき層42が例えばNi/Au層である場合には、Ni層の厚さを1〜10μm程度とすることができ、Au層の厚さを0.1〜1μm程度とすることができる。
【0110】
接着層31は、単位リードフレーム4D内の複数の配線10の下面10Bに形成されている。具体的には、単位リードフレーム4D内の対向する配線10の下面10Bに掛け渡すように接着されている。この接着層31は、配線10の下面10Bに形成された凹部10Yを充填するように形成されている。これにより、配線10に対して接着層31が機械的に引っ掛かるため、接着層31と配線10との密着性が向上し、接着層31及び放熱板30が配線10から脱離することを抑制することができる。
【0111】
(第5実施形態に係るリードフレームの製造方法)
まず、
図17(a)に示すように、基板フレーム2の母材となる導電性基板50を準備する。
【0112】
次に、
図17(b)に示す工程では、導電性基板50の上面50A上に、所定の箇所に開口パターン55Xを有するレジスト層55を形成する。この開口パターン55Xは、凹部10Xの形成領域に対応する部分の導電性基板50を露出するように形成される。レジスト層55の材料としては、耐エッチング性及び耐めっき性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層55の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えばノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。例えば感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、導電性基板50の上面50Aにドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして上記レジスト層55を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層55を形成することができる。
【0113】
続いて、レジスト層55をエッチングマスクとして、開口パターン55Xから露出している導電性基板50の部分にハーフエッチングを施し、当該部分を所要の深さまで除去して薄くする。これにより、開口パターン55Xから露出している導電性基板50に凹部10Xが形成される。この工程で使用されるエッチング液は、導電性基板50の材料に応じて適宜選択することができる。導電性基板50の材料として銅を用いる場合であって、凹部10Xの深さが5μm未満である場合には、例えばエッチング液として過硫酸塩のエッチング液を好適に用いることができる。また、導電性基板50の材料として銅を用いる場合であって、凹部10Xの深さが5μ以上である場合には、例えばエッチング液として塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液を好適に用いることができる。なお、このようなエッチング加工(ハーフエッチング)により凹部10Xを形成することも可能であるが、例えばプレス加工により凹部10Xを形成することもできる。
【0114】
次に、
図17(c)に示す工程では、上記レジスト層55をめっきマスクとして、導電性基板50の上面50Aに、その導電性基板50をめっき給電層に利用する電解めっき法を施す。具体的には、レジスト層55の開口パターン55Xから露出された導電性基板50、つまり凹部10Xに電解めっき法を施すことにより、その凹部10X内にめっき層42を形成する。例えばめっき層42がNi/Au層である場合には、電解めっき法により、レジスト層55の開口パターン55Xから露出された凹部10Xの底面上にNi層とAu層を順に積層する。本例では、最上層に形成される金属層(例えば、Au層)の上面42Aが導電性基板50の上面50Aと略面一になるように形成される。なお、凹部10X内に形成されためっき層42は、その上面42Aが導電性基板50の上面50Aよりも凹んだ位置に形成されていてもよい。また、凹部10X内に形成されためっき層42は、その上面42Aが導電性基板50の上面50Aよりも上方に突出して形成されていてもよい。但し、めっき層42の上面42Aを導電性基板50の上面50Aよりも上方に突出させる場合には、そのめっき層42の突出量が後工程で使用されるテープ51の粘着剤51Bの厚さよりも小さい突出量であることが望ましい。
【0115】
その後、レジスト層55を例えばアルカリ性の剥離液により除去する。
続いて、
図17(d)に示す工程(第1工程)では、導電性基板50の上面50Aにテープ51を接着する。具体的には、片面に粘着剤51Bが塗布されたフィルム状のテープ基材51Aの粘着剤51Bが塗布されている側の面51Cを導電性基板50の上面50Aに貼り付ける。このとき、導電性基板50の上面50Aとめっき層42の上面42Aとが略面一に形成されているため、テープ51の粘着剤51Bを薄く形成することができる。例えば、粘着剤51Bの厚さは、例えば1〜5μm程度とすることができる。すなわち、粘着剤51Bが接する面(導電性基板50の上面50A及びめっき層42の上面42A)が凹凸の小さい平坦面であるため、粘着剤51Bを薄く形成した場合であっても、上記凹凸に起因してテープ51と導電性基板50との間の接着力及び密着力が低下するといった問題の発生を抑制することができる。
【0116】
次いで、
図17(e)に示す工程では、導電性基板50の下面50Bに、所定の箇所に開口部56X,56Yを有するレジスト層56を形成する。この開口部56Xは、開口部11の形成領域に対応する部分の導電性基板50の下面50Bを露出するように形成される。また、開口部56Yは、凹部10Yの形成領域に対応する部分の導電性基板50の下面50Bを露出するように形成される。このとき、開口部56Yの開口径を微小径(例えば、10μm程度)とする。レジスト層56の材料としては、耐エッチング性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層56の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えばノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)等を用いることができる。例えば感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、導電性基板50の下面50Bにドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムをフォトリソグラフィ法によりパターニングして上記レジスト層56を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層56を形成することができる。
【0117】
次に、レジスト層56をエッチングマスクとして、導電性基板50の下面50B側からエッチングして、
図17(e)に示すような基板フレーム2を形成する(第2工程)。具体的には、レジスト層56の開口部56X,56Yから露出された導電性基板50を下面50B側からエッチングし、導電性基板50に開口部11を形成して基板フレーム2を形成する。この開口部11の形成により、各単位リードフレーム4Dに複数の配線10が画定される。さらに、上記エッチングにより、レジスト層56の開口部56Yから露出された配線10の下面10Bに凹部10Yが形成される。詳述すると、レジスト層56の開口部56Yの開口径を微小径(例えば、10μm程度)とすると、エッチングレートが低下する。このため、このような微小径の開口部56Yから露出する配線10に対してエッチングを施すことにより、配線10の厚さ方向を貫通しない凹部10Yを配線10に形成することができる。すなわち、開口部11に対応する開口部56Xと微小径の開口部56Yとを有するレジスト層56を形成することで、配線10の厚さ方向を貫通する開口部11と配線10の厚さ方向を貫通しない凹部10Yとを同時に形成することができる。このように、微小径の凹部10Yは、粗化処理とは異なる方法によって形成される。なお、ウェットエッチングにより開口部11及び凹部10Yを形成する場合には、そのウェットエッチングで使用されるエッチング液は、導電性基板50の材質に応じて適宜選択することができる。例えば導電性基板50として銅を用いる場合には、エッチング液として塩化第二鉄水溶液を使用することができ、導電性基板50の下面50B側からスプレーエッチングにて上記開口部11及び凹部10Yの形成を行うことができる。このようにウェットエッチングにより導電性基板50がパターニングされると、エッチングが導電性基板50の面内方向に進行するサイドエッチ現象により開口部11及び凹部10Yの断面形状が台形に形成される。なお、本工程では、テープ51がエッチングストッパ層として機能する。
【0118】
その後、レジスト層56を例えばアルカリ性の剥離液により除去する。
次に、
図18(a)に示す工程では、
図17(e)に示した構造体からレジスト層56を除去した構造体の下方に、接着層31及び放熱板30を配置する。具体的には、配線10の下面10Bに接着層31の上面が対向するように、且つ接着層31の下面に放熱板30の上面が対向するように、上記構造体の下方に接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。すなわち、配線10と放熱板30との間に接着層31を介在させて、上記構造体、接着層31及び放熱板30を重ね合わせる。なお、このときの接着層31は、B−ステージのものが使用される。
【0119】
次に、上述のように配置した構造体、接着層31及び放熱板30を加熱及び加圧する。これにより、接着層31が凹部10Y内に圧入され、凹部10Y内に接着層31が充填される。また、配線10の下面10Bに接着層31の上面が当接され、接着層31の下面に放熱板30の上面が当接される。そして、接着層31が硬化することにより、放熱板30が接着層31を介して配線10に接着される。これにより、
図18(a)に示した一体構造が得られる。
【0120】
続いて、
図18(b)に示す工程(第3工程)では、一括モールディング方式により、隣り合う単位リードフレーム4Dの接着層31間及び放熱板30間の空間S1及び開口部11に樹脂層26を形成する。その後、
図18(c)に示す工程(第4工程)では、
図18(b)に示したテープ51を剥離して除去する。
【0121】
以上説明した製造工程により、凹部10X,10Yが形成された配線10、凹部10X内に形成されためっき層42、接着層31、放熱板30及び樹脂層21を有する単位リードフレーム4Dがマトリクス状に複数個連設された構造、つまり
図16に示した構造のリードフレーム1Dが製造される。なお、このリードフレーム1Dは、各単位リードフレーム4D毎に1又は複数の半導体素子が搭載され、その半導体素子を封止する一括モールディングに供される。あるいは、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層26を切断し、
図18(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Dに個片化し、その単位リードフレーム4Dに1又は複数の半導体素子を搭載するようにしてもよい。
【0122】
(効果)
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(3)、第2実施形態の(4)及び第3実施形態の(5)の効果に加えて以下の効果を奏する。
【0123】
(10)配線10の上面10Aに形成された凹部10X内にめっき層42を形成するようにした。これにより、配線10の上面10Aとめっき層42の上面42Aとを凹凸の小さい平坦面に形成することができる。このため、それら配線10の上面10A及びめっき層42の上面42Aに接着する粘着剤51Bを薄く形成した場合であっても、上記凹凸に起因してテープ51と導電性基板50との間の接着力及び密着力が低下するといった問題の発生を抑制することができる。したがって、粘着剤51Bを薄く形成することができ、製造コストを低減することができる。
【0124】
(11)配線10の下面10Bに多数の微小径の凹部10Yを形成することで、配線10の下面10Bを凹凸面にし、その凹部10Yを充填するように配線10の下面10Bに接着層31を接着するようにした。これにより、配線10に対して接着層31が機械的に引っ掛かるため、接着層31と配線10との密着性が向上し、接着層31及び放熱板30が配線10から脱離することを抑制することができる。
【0125】
(12)導電性基板50をパターニングして基板フレーム2を形成する際に、開口部11に対応する開口部56Xと微小径の開口部56Yとを有するレジスト層56を導電性基板50の下面50Bに形成した。そして、そのレジスト層56をエッチングマスクとして、導電性基板50の下面50B側からエッチングするようにした。これにより、微小径の開口部56Yに対応する部分ではエッチングレートが低下するため、配線10の厚さ方向を貫通する開口部11と配線10の厚さ方向を貫通しない凹部10Yとを同時に形成することができる。
【0126】
(第5実施形態の変形例)
なお、上記第5実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0127】
・上記第5実施形態における接着層31を省略するようにしてもよい。この場合のリードフレームの製造方法の一例を
図19に従って説明する。
まず、
図19(a)に示す工程では、先の
図17(a)から
図17(e)に示した工程と同様の製造工程により、
図17(e)に示した構造体と同様の構造体を形成し、レジスト層56を除去する。続いて、
図19(b)に示す工程では、テープ51の面51Cに、配線10を覆う樹脂層27と放熱板33とをこの順番で積層する。この樹脂層27の形成、及び樹脂層27と放熱板33との積層は、例えば樹脂モールド成形法により形成することができる。例えば樹脂層27の材料として熱硬化性を有したモールド樹脂を用いる場合には、
図19(a)に示した構造体と放熱板33を所定距離だけ離間した状態で金型内に収容し、ゲート部(図示略)から対応する樹脂封止領域3(
図1(a)参照)に上記モールド樹脂を充填しながら加熱及び加圧処理を行う。これにより、
図19(b)に示すように、開口部11及び凹部10Yを充填するように、配線10と放熱板33との間に樹脂層27が形成され、テープ51の面51Cに樹脂層27と放熱板33とが積層される。このとき、テープ51の面51Cと接する配線10の上面10A及び樹脂層27の上面27Aは、テープ51の面51C(平坦面)に沿った形状に形成される。このため、配線10の上面10A及び樹脂層27の上面27Aは平坦に形成され、それら上面10Aと上面27Aとが面一になるように形成される。なお、上記モールド樹脂を充填する方法としては、例えばトランスファーモールドやインジェクションモールド等の方法を用いることができる。
【0128】
また、樹脂層27と放熱板33との積層は、例えば以下の方法により形成することもできる。まず、放熱板33にシート状の樹脂層27が接着された構造体を用意し、その構造体を樹脂層27が配線10と対向するように、
図19(a)に示した構造体のテープ51の面51C側に配置する。このとき、樹脂層27は、B−ステージ状態のものが使用される。次に、上述した2つの構造体を両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱及び加圧する。これにより、樹脂層27が開口部11及び凹部10Y内に充填され、樹脂層27によって配線10が覆われる。また、樹脂層27が硬化し、その硬化に伴って樹脂層27が配線10に接着される。
【0129】
このように、樹脂層27が配線10の凹部10Yに充填されて形成される。これにより、配線10に対して樹脂層27が機械的に引っ掛かるため、樹脂層27と配線10との密着性が向上し、樹脂層27及び放熱板33が配線10から脱離することを抑制することができる。なお、上記樹脂層27及び放熱板33の平面形状及び大きさは、例えば上記樹脂封止領域3(
図1(a)参照)の平面形状及び大きさと略同じになるように形成されている。
【0130】
その後、
図19(c)に示す工程では、
図19(b)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、凹部10X,10Yの形成された配線10、凹部10X内に形成されためっき層42、樹脂層27及び放熱板33を有する単位リードフレーム4Dがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0131】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Dを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層27及び放熱板33が切断される。これにより、
図19(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Dが得られる。
【0132】
・上記変形例における樹脂層27と放熱板33との間に、樹脂層27と粘性の異なる樹脂層34を形成するようにしてもよい。この場合のリードフレームの製造方法の一例を
図20に従って説明する。
【0133】
まず、
図20(a)に示す工程では、
図17(e)に示した構造体と同様の構造体を形成し、レジスト層56を除去する。続いて、テープ51の面51Cに、配線10を覆うように粘度の低い樹脂層27を形成する。例えばB−ステージ状態のシート状の樹脂層27をテープ51の面51Cに熱圧着によりラミネートする。これにより、樹脂層27中に配線10が圧入され、樹脂層27が開口部11及び凹部10Y内に充填される。このとき、樹脂層27は粘度が低いため、その樹脂層27を開口部11及び凹部10Y内に確実に充填することができる。したがって、配線10に対して樹脂層27が機械的に引っ掛かるため、樹脂層27と配線10との密着性が向上し、樹脂層27が配線10から脱離することを抑制することができる。なお、この樹脂層27の粘度としては、例えば500Pa・S程度とすることができる。
【0134】
その後、樹脂層27を150℃程度の温度雰囲気でキュア(熱硬化処理)を行うことにより硬化させる。
次に、
図20(b)に示す工程では、樹脂層27の下面27Bに、樹脂層34と放熱板33とをこの順番で積層する。例えば、放熱板33に樹脂層34が接着された構造体を用意し、その構造体を樹脂層34が樹脂層27と対向するように、
図20(a)に示した構造体の下面側に配置する。このとき、樹脂層34は、B−ステージ状態のものが使用される。次に、上述した2つの構造体を両面側から真空雰囲気で100〜200℃程度の温度で加熱及び加圧する。これにより、
図20(b)に示すように、樹脂層27の下面27Bに樹脂層34の上面が当接され、樹脂層34の下面に放熱板33の上面が当接される。さらに、樹脂層34が硬化し、その硬化により樹脂層34が樹脂層27に接着される。このとき、樹脂層34は樹脂層27に比べて粘度が高いため、上記加圧処理を行った場合にも所望の厚さを確保することができる。したがって、放熱板33と配線10との間に粘度の低い樹脂層27のみが介在される場合と比べて、放熱板33と配線10との絶縁性を向上させることができる。なお、樹脂層34の粘度としては、例えば2000Pa・S程度とすることができる。また、樹脂層34及び放熱板33の平面形状及び大きさは、例えば上記樹脂封止領域3(
図1(a)参照)の平面形状及び大きさと略同じになるように形成されている。
【0135】
その後、
図20(c)に示す工程では、
図20(b)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、凹部10X,10Yの形成された配線10、凹部10X内に形成されためっき層42、樹脂層27、樹脂層34及び放熱板33を有する単位リードフレーム4Dがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0136】
このような
図20(c)に示した構造体は、例えば以下の方法により形成することもできる。すなわち、放熱板33上に、高粘度の樹脂層34と、低粘度の樹脂層27と、テープ51が接着された基板フレーム2とをこの順番で積層し、テープ51を基板フレーム2から剥離した後に、樹脂層27,34を硬化することにより、
図20(c)に示した構造体を得ることができる。
【0137】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Dを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層27、樹脂層34及び放熱板33が切断される。これにより、
図20(d)に示すように、個別の単位リードフレーム(リードフレーム)4Dが得られる。
【0138】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態の単位リードフレーム4,4A〜4Dでは、2つの配線10を形成するようにした。これに限らず、例えば単位リードフレームに3つ以上の配線10を形成するようにしてもよい。このような単位リードフレームを有するリードフレームの一例を
図21に従って説明する。
【0139】
図21(b)に示すように、各単位リードフレーム4Eは、3つの配線10と、配線10の上面10Aに形成されためっき層40,43と、配線10の下面10Bに形成されためっき層41と、接着層31と、放熱板30と、樹脂層28とを有している。
【0140】
図21(a)及び
図21(b)に示すように、めっき層43は、単位リードフレーム4E内において真ん中に形成された配線10の上面10A全面を覆うように形成されている。また、めっき層43は、各単位リードフレーム4E内において対向する配線10間に形成された樹脂層28の上面28Aの一部を覆うように形成されている。このため、各単位リードフレーム4E内において対向するめっき層43間には、配線10を画定する開口部11よりも開口幅の狭い開口部43Xが形成されている。なお、
図21(a)に示すように、めっき層43は、平面視略長方形状に形成されている。上記めっき層43としては、めっき層40と同様の金属層を用いることができる。このようなめっき層43は、半導体素子と電気的に接続されるリードとして使用してもよいし、半導体素子が搭載されるダイパッドとして使用してもよい。なお、
図21の例では、配線10の上面10A全面を覆うようにめっき層43を形成するようにしたが、配線10の上面10Aの一部を覆うようにめっき層43を形成するようにしてもよい。
【0141】
接着層31は、単位リードフレーム4E内の3つのめっき層41の下面41Bを覆うように形成されている。具体的には、単位リードフレーム4D内の3つのめっき層41の下面41Bに掛け渡すように接着されている。この接着層31は、めっき層41と放熱板30とを接着する機能と、めっき層41と放熱板30とを絶縁する機能とを有する。
【0142】
樹脂層28は、開口部11,41X及び空間S1を充填するように形成されている。樹脂層28の上面28Aは、配線10の上面10Aと略面一になるように形成されている。また、樹脂層28の下面28Bは、放熱板30の下面30Bと略面一になるように形成されている。このような樹脂層28によって、各単位リードフレーム4E内の配線10が上記レール部5,6(
図1(a)参照)に支持されている。
【0143】
なお、
図21では、第4実施形態の単位リードフレーム4Cの変形例を示したが、第1〜第3実施形態及び第5実施形態の単位リードフレーム4,4A,4B,4Dについても同様に変形することができる。
【0144】
・上記第3及び第4実施形態のリードフレーム1B,1Cの単位リードフレーム4B,4C、つまりめっき層40を有する単位リードフレーム4B,4Cにおける配線10を省略するようにしてもよい。この場合のリードフレームの製造方法の一例を
図22に従って説明する。
【0145】
まず、
図22(a)に示す工程では、先の
図9(a)〜
図9(d)に示した工程と同様の製造工程により、
図9(d)に示した構造体と同様の構造体を形成する。
次に、
図22(b)に示す工程では、
図22(a)に示した導電性基板50を除去する。例えば導電性基板50として銅板を用いる場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液等を用いたウェットエッチングにより、導電性基板50の除去を行うことができる。この際、
図22(a)に示した構造体の上面側にはテープ基材51Aが露出され、下面側にはテープ51の粘着剤51B及びめっき層40(例えば、Ni層)が露出されているため、銅板である導電性基板50のみを選択的にエッチングすることができる。
【0146】
続いて、
図22(c)に示す工程では、めっき層40を封止するように、テープ51の面51C上に樹脂層29を形成する。これにより、めっき層40の下面40Bを覆うように樹脂層29が形成される。
【0147】
その後、
図22(d)に示す工程では、
図22(c)に示したテープ51を剥離して除去する。これにより、めっき層40及び樹脂層29を有する単位リードフレーム4Fがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームを製造することができる。
【0148】
なお、このようにして形成された単位リードフレーム4Fを個片化する際には、ダイシングソーにより矢印の位置の樹脂層29が切断される。これにより、
図22(e)に示すように、個別の単位リードフレーム4Eが得られる。
【0149】
・上記第1〜第4実施形態及びそれら各変形例における配線10の下面10Bを粗化するようにしてもよい。すなわち、配線10の下面10Bを粗化面としてもよい。また、配線10の側面10Cを粗化するようにしてもよい。これにより、配線10と樹脂層20〜26,28との密着性を向上させることができる。
【0150】
・上記各実施形態及び上記各変形例における配線10の上面10Aを粗化するようにしてもよい。
・上記第4実施形態及びその変形例におけるめっき層41の下面41Bを粗化するようにしてもよい。これにより、めっき層41と樹脂層24,25との密着性を向上させることができる。
【0151】
・上記第2〜第5実施形態及びそれら各変形例における単位リードフレーム4A〜4Eでは、樹脂層21,24,26,28の下面21B,24B,26B,28Bが放熱板30の下面30Bと面一になるように形成した。これに限らず、例えば放熱板30の下面30Bを覆うように樹脂層21,24,26,28を形成するようにしてもよい。
【0152】
・上記各実施形態及び上記各変形例における樹脂層20〜29を、樹脂モールド成形法を用いて形成するようにした。これに限らず、例えばポッティング法により樹脂層20〜29を形成するようにしてもよい。
【0153】
・上記各実施形態及び上記各変形例の単位リードフレーム4,4A〜4Eの形状に特に制限はない。すなわち、複数の配線10と、その複数の配線10を画定する開口部11を充填し、配線10を支持する樹脂層とを有するリードフレームであれば、その形状は特に制限されない。
【0154】
・上記各実施形態及び上記各変形例では、単位リードフレーム4,4A〜4Fがマトリクス状に複数個連設されたリードフレームに具体化したが、例えば単位リードフレーム4,4A〜4Fが帯状に複数個連設されたリードフレームに具体化してもよい。すなわち、単位リードフレームが複数個連設されたリードフレームであれば、その単位リードフレームの配列は特に限定されない。
【0155】
・上記各実施形態及び上記各変形例におけるリードフレーム1,1A〜1Dは、例えば発光装置に用いることができる。これに限らず、例えばQFN、BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、CSP(Chip Size Package)やSON(Small Out line Non-Lead Package)等のようなパッケージの一面に外部接続用の端子を複数露出させたタイプの表面実装型パッケージに用いられるリードフレームに具体化してもよい。
【0156】
(半導体素子の搭載例)
図23〜
図26は、上記各実施形態及び上記各変形例の単位リードフレームに半導体素子60,66を搭載してなる半導体装置の断面構造を示している。
【0157】
(半導体素子の搭載例1)
図23(a)に示す半導体装置7Aは、
図3(d)に示した単位リードフレーム4を有している。この単位リードフレーム4の配線10間に形成された樹脂層20の上面20Aには、半導体素子60が搭載されている。この半導体素子60の電極(図示略)は、ボンディングワイヤ61を介して配線10と電気的に接続されている。これら半導体素子60及びボンディングワイヤ61は、封止樹脂62によって封止されている。また、封止樹脂62から露出された配線10は、外部接続用ワイヤW1を介して実装基板(図示略)と電気的に接続されている。なお、封止樹脂62は、外部接続用ワイヤW1が接続される箇所に開口部が形成されるようにしてもよい。この場合には、封止樹脂62の開口部から露出される配線10が外部接続用ワイヤW1を介して実装基板に電気的に接続される。
【0158】
上記半導体素子60としては、例えば発光ダイオード等の発光素子、ICチップやLSIチップなどを用いることができる。また、ボンディングワイヤ61としては、例えば金やアルミニウムなどの細線を用いることができる。封止樹脂62の材料としては、例えばエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂やシリコーン系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。
【0159】
次に、半導体装置7Aの製造方法の一例を簡単に説明する。
まず、先の
図2(a)〜
図3(c)で説明した製造方法によりリードフレーム1を製造し、各単位リードフレーム4の配線10間に形成された樹脂層20上に1又は複数の半導体素子60を搭載する。その後、各半導体素子60の電極と配線10とをボンディングワイヤ61により電気的に接続する。これにより、半導体素子60が単位リードフレーム4に実装されたことになる。続いて、一括モールディング方式により、単位リードフレーム4毎に、半導体素子60及びボンディングワイヤ61を封止樹脂62で封止する。次いで、ダイシングソーにより、所定の位置(例えば、
図3(c)に示した矢印参照)の樹脂層20を切断し、個別の半導体装置7Aに個片化する。これにより、
図23(a)に示した個別の半導体装置7Aが製造される。なお、その後、実装基板に半導体装置7Aを搭載し、外部接続用ワイヤW1を介して配線10と実装基板とを電気的に接続する。
【0160】
(半導体素子の搭載例2)
図23(b)に示す半導体装置7Bは、
図3(d)に示した単位リードフレーム4と、ソルダレジスト層63と、半導体素子60と、ボンディングワイヤ61と、封止樹脂62とを有している。
【0161】
ソルダレジスト層63は、配線10の上面10Aの一部及び樹脂層20の上面20Aの一部を被覆するように形成されている。具体的には、ソルダレジスト層63は、半導体素子60が実装される実装領域となる配線10及び樹脂層20を露出させるための開口部63Xと、実装基板(図示略)と電気的に接続される電極端子として配線10の一部を露出させるための開口部63Yとが形成されている。ソルダレジスト層63の材料としては、例えばエポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。また、半導体素子60として発光素子を用いた場合には、ソルダレジスト層63は、高い反射率を有する反射膜であることが好ましい。具体的には、この場合のソルダレジスト層63は、波長が450〜700nmの間で50%以上(好適には80%以上)の反射率を有する。このようなソルダレジスト層63は、白色レジスト層とも呼ばれる。この場合のソルダレジスト層63の材料としては、例えば白色の絶縁性樹脂を用いることができる。白色の絶縁性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂やオルガノポリシロキサン系樹脂に白色の酸化チタン(TiO
2)や硫酸バリウム(BaSO
4)からなるフィラーや顔料を含有した樹脂材を用いることができる。また、ソルダレジスト層63の材料としては、黒色の絶縁性樹脂を用いることもできる。黒色の絶縁性樹脂としては、例えば遮光性の黒色樹脂に感光材を混入させた遮光性の黒色レジストを用いることができる。なお、黒色顔料としては、例えば数種類の顔料を混合したもの、カーボンブラックやチタンブラックなどを用いることができる。
【0162】
配線10間に形成された樹脂層20の上面20Aに搭載された半導体素子60の電極(図示略)は、ソルダレジスト層63の開口部63Xから露出された配線10とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。これら半導体素子60及びボンディングワイヤ61を封止するように、ソルダレジスト層63の開口部63Xから露出された配線10上及び樹脂層20上に封止樹脂62が形成されている。また、ソルダレジスト層63の開口部63Yから露出された配線10は、外部接続用ワイヤW1を介して実装基板(図示略)と電気的に接続されている。
【0163】
(半導体素子の搭載例3)
図23(c)に示す半導体装置7Cは、
図5(d)に示した単位リードフレーム4Aにダイパッド12を追加した単位リードフレーム4Gを有している。この単位リードフレーム4Gでは、接着層31が2つの配線10及びダイパッド12に掛け渡すように接着されている。この接着層31は、配線10及びダイパッド12と放熱板30とを接着する機能と、配線10及びダイパッド12と放熱板30とを絶縁する機能とを有する。また、単位リードフレーム4Gのダイパッド12上には、半導体素子60が搭載されている。そして、半導体素子60の電極(図示略)は、ボンディングワイヤ61を介して配線10と電気的に接続されている。なお、上記ダイパッド12は、エッチング加工により導電性基板50から基板フレーム2を形成する際に、配線10と同時に形成される。
【0164】
上記単位リードフレーム4Gにおいて、接着層31を配線10及びダイパッド12のうちダイパッド12の下面のみに形成し、その接着層31を介して放熱板30とダイパッド12とを接着するようにしてもよい。すなわち、配線10と放熱板30との熱的な接続を省略してもよい。この場合には、ダイパッド12と放熱板30とを電気的に絶縁する必要がない。このため、接着層31の材料としては、例えば銀ペーストなどの導電性を有する接着剤を用いることもできる。
【0165】
(半導体素子の搭載例4)
図23(d)に示す半導体装置7Dは、
図21(b)に示した単位リードフレーム4Eを有している。この単位リードフレーム4Eの真ん中に形成された配線10、具体的には配線10のめっき層43上には、半導体素子60が搭載されている。そして、半導体素子60の電極(図示略)は、当該半導体素子60の搭載された配線10の両側に形成された配線10とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。このように、この場合には、上面にめっき層43が形成された配線10はダイパッドとして機能する。
【0166】
(半導体素子の搭載例5)
図24(a)に示す半導体装置7Eは、
図18(d)に示した単位リードフレーム4Dと、ソルダレジスト層63と、半導体素子60と、ボンディングワイヤ61と、封止樹脂62とを有している。
【0167】
ソルダレジスト層63は、配線10の上面10Aの一部、めっき層42の上面の一部及び樹脂層26の上面26Aの一部を被覆するように形成されている。具体的には、ソルダレジスト層63には、半導体素子60が実装される実装領域となる配線10、めっき層42及び樹脂層26を露出させるための開口部63Xと、実装基板(図示略)と電気的に接続される電極端子として配線10の一部を露出させるための開口部63Yとが形成されている。
【0168】
配線10間に形成された樹脂層26の上面26Aに搭載された半導体素子60の電極(図示略)は、配線10に埋め込まれためっき層42とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。これら半導体素子60及びボンディングワイヤ61を封止するように、ソルダレジスト層63の開口部63Xから露出された配線10上、めっき層42上及び樹脂層26上に封止樹脂62が形成されている。また、ソルダレジスト層63の開口部63Yから露出された配線10は、外部接続用ワイヤW1を介して実装基板(図示略)と電気的に接続されている。
【0169】
(半導体素子の搭載例6)
図24(b)に示す半導体装置7Fは、
図18(d)に示した単位リードフレーム4Dと、ソルダレジスト層63と、反射層64と、半導体素子60と、ボンディングワイヤ61と、封止樹脂62とを有している。すなわち、半導体装置7Fは、反射層64を有する点が上記半導体装置7Eと異なる。
【0170】
反射層64は、配線10間に形成された樹脂層26の上面26Aを覆うように形成されている。この反射層64は、高い反射率を有する。具体的には、反射層64は、波長が450〜700nmの間で50%以上(好適には80%以上)の反射率を有する。このような反射層64は、白色レジスト層とも呼ばれる。このような反射層64の材料としては、例えば白色の絶縁性樹脂を用いることができる。白色の絶縁性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂やオルガノポリシロキサン系樹脂に白色の酸化チタン(TiO
2)や硫酸バリウム(BaSO
4)からなるフィラーや顔料を含有した樹脂材を用いることができる。なお、本例のソルダレジスト層63としては、反射層64と同様の白色レジスト層が用いられる。この場合には、反射層64及びソルダレジスト層63を同時に形成することができる。
【0171】
反射層64上には半導体素子60が搭載されている。この半導体素子60の電極(図示略)は、配線10に埋め込まれためっき層42とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。このように、半導体素子60の下面に反射層64が形成されると、例えば半導体素子60として発光素子が用いられた場合に、その発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0172】
(半導体素子の搭載例7)
図24(c)に示す半導体装置7Gは、
図18(d)に示した単位リードフレーム4Dと、ソルダレジスト層63と、反射層65と、半導体素子60と、ボンディングワイヤ61と、封止樹脂62とを有している。すなわち、半導体装置7Gは、反射層65を有する点が上記半導体装置7Eと異なる。
【0173】
反射層65は、配線10間に形成された樹脂層26上に搭載された半導体素子60を囲むように形成されている。すなわち、反射層65には、半導体素子60が実装される実装領域となる樹脂層26の上面26Aを露出させる開口部65Xが形成されている。この反射層65は、高い反射率を有する。この反射層65の材料としては、上記反射層64と同様の材料を用いることができる。なお、本例のソルダレジスト層63としては、反射層65と同様の白色レジスト層が用いられる。この場合には、反射層65及びソルダレジスト層63を同時に形成することができる。
【0174】
このように、半導体素子60を囲むように反射層65が形成されると、例えば半導体素子60として発光素子が用いられた場合に、その発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0175】
(半導体素子の搭載例8)
図25(a)に示す半導体装置7Hは、
図18(d)に示した単位リードフレーム4Dにダイパッド13を追加した単位リードフレーム4Hと、ソルダレジスト層63と、複数の半導体素子60と、封止樹脂62とを有している。この単位リードフレーム4Hでは、接着層31が2つの配線10及びダイパッド13に掛け渡すように接着されている。この接着層31は、配線10及びダイパッド13と放熱板30とを接着する機能と、配線10及びダイパッド13と放熱板30とを絶縁する機能とを有する。
【0176】
ダイパッド13の上面13Aには、複数(ここでは、4つ)の半導体素子60が搭載されている。ダイパッド13上で最も外側に搭載された半導体素子60の電極(図示略)は、配線10に埋め込まれためっき層42とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。そして、隣接する半導体素子60の電極は、ボンディングワイヤ61を介して互いに電気的に接続されている。なお、ダイパッド13の下面には、配線10の凹部10Yと同様に、微小径の凹部13Yが形成されている。これらダイパッド13及び凹部13Yは、エッチング加工により導電性基板50から基板フレーム2を形成する際に、配線10及び凹部10Yと同時に形成される。
【0177】
このように、ダイパッド13(銅層)上に半導体素子60が搭載されるため、そのダイパッド13によって、半導体素子60の動作時に発生する熱を効率良く放熱することができる。
【0178】
(半導体素子の搭載例9)
図25(b)に示す半導体装置7Iは、上記単位リードフレーム4Hと、ソルダレジスト層63と、反射層64と、半導体素子60と、封止樹脂62とを有している。すなわち、半導体装置7Iは、反射層64が形成された点が上記半導体装置7Hと異なる。
【0179】
反射層64は、ダイパッド13の上面13Aを覆うように、且つ配線10とダイパッド13との間に形成された樹脂層26の上面26Aの一部を覆うように形成されている。
この反射層64上には、複数の半導体素子60が搭載されている。反射層64上で最も外側に搭載された半導体素子60の電極(図示略)は、配線10に埋め込まれためっき層42とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。そして、隣接する半導体素子60の電極は、ボンディングワイヤ61を介して互いに電気的に接続されている。このように、半導体素子60の下面に反射層64が形成されると、例えば半導体素子60として発光素子が用いられた場合に、それら発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0180】
(半導体素子の搭載例10)
図25(c)に示す半導体装置7Jは、上記単位リードフレーム4Hと、ダイパッド13に埋め込まれためっき層44と、半導体素子60と、封止樹脂62とを有している。すなわち、半導体装置7Jは、めっき層44を有する点が上記半導体装置7Hと異なる。
【0181】
ダイパッド13の上面13Aには、所要の箇所(
図25(c)では、1つ)に凹部13Xが形成されている。この凹部13Xは、ダイパッド13の上面13Aからダイパッド13の厚さ方向の中途位置まで形成されている。すなわち、凹部13Xは、その底面がダイパッド13の厚さ方向の中途に位置するように形成されている。この凹部13Xの平面形状は、例えば長方形状に形成されている。
【0182】
めっき層44は、ダイパッド13の凹部13X内に形成されている。めっき層44の上面44Aは、ダイパッド13の上面13Aと略面一になるように形成されている。また、めっき層44の側面は、凹部13Xの側壁を構成するダイパッド13によって覆われている。このようにめっき層44は、ダイパッド13内に埋め込まれるように形成されている。めっき層44の例としては、例えばダイパッド13から露出される最外層がAg層となる金属層を挙げることができる。
【0183】
このめっき層44(Ag層)上には、複数の半導体素子60が搭載されている。めっき層44上で最も外側に搭載された半導体素子60の電極(図示略)は、配線10に埋め込まれためっき層42とボンディングワイヤ61を介して電気的に接続されている。そして、隣接する半導体素子60の電極は、ボンディングワイヤ61を介して互いに電気的に接続されている。このように、半導体素子60の下面に光の反射率が高いAg層(めっき層44)が形成されると、例えば半導体素子60として発光素子が用いられた場合に、それら発光素子の発光効率を向上させることができる。
【0184】
(半導体素子の搭載例11)
図26(a)に示す半導体装置7Kは、
図10(d)に示した単位リードフレーム4Bを有している。この単位リードフレーム4Bの対向する一対のめっき層40上には、半導体素子66が実装されている。具体的には、半導体素子66は、一対のめっき層40間に形成された開口部40Xを跨るように、その開口部40Xの両側に形成された2つのめっき層40上にフリップチップ実装されている。より具体的には、半導体素子66の一方の面(ここでは、下面)に形成された一方のバンプ67が上記2つのめっき層40のうちの一方のめっき層40にフリップチップ接合され、他方のバンプ67が他方のめっき層40にフリップチップ接合されている。これにより、半導体素子66の各バンプ67は、めっき層40を介して配線10と電気的に接続されている。これら半導体素子66及びバンプ67は、封止樹脂62によって封止されている。また、封止樹脂62から露出された配線10は、外部接続用ワイヤW1を介して実装基板(図示略)と電気的に接続されている。
【0185】
なお、半導体素子66としては、例えば発光ダイオード等の発光素子、ICチップやLSIチップなどを用いることができる。また、バンプ67としては、例えば金バンプやはんだバンプを用いることができる。はんだバンプの材料としては、例えば鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)とAuの合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。
【0186】
(半導体素子の搭載例12)
図26(b)に示す半導体装置7Lは、
図10(d)に示した単位リードフレーム4Bと、ソルダレジスト層68と、半導体素子66と、封止樹脂62とを有している。
【0187】
ソルダレジスト層68は、めっき層40から露出する配線10の上面10A及び樹脂層21の上面21Aを覆うように形成されている。このソルダレジスト層68には、実装基板(図示略)と電気的に接続される電極端子として配線10の一部を露出させるための開口部68Xが形成されている。ソルダレジスト層68の材料としては、例えばエポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。また、半導体素子66として発光素子を用いた場合には、ソルダレジスト層68は、高い反射率を有する反射膜であることが好ましい。具体的には、この場合のソルダレジスト層68は、波長が450〜700nmの間で50%以上(好適には80%以上)の反射率を有する。このようなソルダレジスト層68は、白色レジスト層とも呼ばれる。この場合のソルダレジスト層68の材料としては、例えば白色の絶縁性樹脂を用いることができる。白色の絶縁性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂やオルガノポリシロキサン系樹脂に白色の酸化チタン(TiO
2)や硫酸バリウム(BaSO
4)からなるフィラーや顔料を含有した樹脂材を用いることができる。また、ソルダレジスト層68の材料としては、黒色の絶縁性樹脂を用いることもできる。黒色の絶縁性樹脂としては、例えば遮光性の黒色樹脂に感光材を混入させた遮光性の黒色レジストを用いることができる。なお、黒色顔料としては、例えば数種類の顔料を混合したもの、カーボンブラックやチタンブラックなどを用いることができる。
【0188】
半導体素子66は、一対のめっき層40間に形成されたソルダレジスト層68を跨るように、そのソルダレジスト層68の両側に形成された2つのめっき層40上にフリップチップ実装されている。これにより、半導体素子66の各バンプ67は、めっき層40を介して配線10と電気的に接続されている。これら半導体素子66及びバンプ67を封止するように、めっき層40上に封止樹脂62が形成されている。また、ソルダレジスト層68の開口部68Xから露出された配線10は、外部接続用ワイヤW1を介して実装基板(図示略)と電気的に接続されている。
【0189】
(半導体素子の搭載例13)
図26(c)に示す半導体装置7Mは、
図21(b)に示した単位リードフレーム4Eを有している。この単位リードフレーム4E内の一方のめっき層40及びめっき層43上に半導体素子66が実装され、他方のめっき層40及びめっき層43上に半導体素子66が実装されている。具体的には、各半導体素子66は、一対のめっき層40,43間に形成された開口部43Xを跨るように、その開口部43Xの両側に形成された2つのめっき層40,43上にフリップチップ実装されている。より具体的には、半導体素子66の下面に形成された一方のバンプ67がめっき層40にフリップチップ接合され、他方のバンプ67がめっき層43にフリップチップ接合されている。これにより、半導体素子66の各バンプ67は、めっき層40,43を介して配線10と電気的に接続されている。これら半導体素子66及びバンプ67は、封止樹脂62によって封止されている。
【0190】
このように、この場合には、上面にめっき層43が形成された配線10はリードとして機能する。
(半導体素子の搭載例14)
図26(d)に示す半導体装置7Nは、
図18(d)に示した単位リードフレーム4Dと、ソルダレジスト層63と、半導体素子66と、封止樹脂62とを有している。
【0191】
ソルダレジスト層63は、配線10の上面10Aの一部、めっき層42の上面の一部及び樹脂層26の上面26Aの一部を被覆するように形成されている。具体的には、ソルダレジスト層63には、半導体素子60が実装される実装領域となる配線10、めっき層42及び樹脂層26を露出させるための開口部63Xと、実装基板(図示略)と電気的に接続される電極端子として配線10の一部を露出させるための開口部63Yとが形成されている。
【0192】
半導体素子66は、一対のめっき層42間に形成された配線10及び樹脂層26を跨るように、それら配線10及び樹脂層26の両側に形成された2つのめっき層42上にフリップチップ実装されている。これにより、半導体素子66の各バンプ67は、めっき層42を介して配線10と電気的に接続されている。これら半導体素子66及びバンプ67を封止するように封止樹脂62が形成されている。また、封止樹脂62から露出された配線10は、外部接続用ワイヤW1を介して実装基板(図示略)と電気的に接続されている。