特許第6051799号(P6051799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6051799農薬用組成物及び植物の生長を促進する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051799
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】農薬用組成物及び植物の生長を促進する方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/12 20060101AFI20161219BHJP
   A01N 37/46 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 47/24 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 37/50 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 43/36 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 43/78 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 57/14 20060101ALI20161219BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20161219BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20161219BHJP
   A01C 1/08 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   A01N43/12 Z
   A01N37/46
   A01N47/24 G
   A01N37/50
   A01N43/54 A
   A01N43/653 C
   A01N43/653 G
   A01N43/56 C
   A01N43/36 A
   A01N43/78 D
   A01N57/14 C
   A01P21/00
   A01N25/00 102
   A01C1/08
【請求項の数】15
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2012-248098(P2012-248098)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-94920(P2014-94920A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】椋本 藤夫
(72)【発明者】
【氏名】玉置 裕章
【審査官】 緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−250978(JP,A)
【文献】 特開2012−250979(JP,A)
【文献】 特表2007−503403(JP,A)
【文献】 特表2009−524593(JP,A)
【文献】 特開昭50−140635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/12
A01C 1/08
A01N 25/00
A01N 37/46
A01N 37/50
A01N 43/36
A01N 43/54
A01N 43/56
A01N 43/653
A01N 43/78
A01N 47/24
A01N 57/14
A01P 21/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
[式中、Ra、Rb、Rc及びRdのいずれか一がトリフルオロメチル基を、その他は水素原子を表し、Reはメチル基又はエチル基を表す。]
で示される化合物と、群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物とを含有する農薬用組成物。
群(A):メタラキシル、メタラキシル-M、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、N−メチル−2−[2-(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル−2−メトキシアセトアミド、メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、トリチコナゾール、トリアジメノール、プロチオコナゾール、プロピオコナゾール、プロクロラズ、ペンコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、ミクロブタニル、ビテルタノール、イマザリル、シメコナゾール、フルトリアホール、セダキサン、ペンフルフェン、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド、フルトラニル、メプロニル、カルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラド、フラメトピル、イソフェタミド、ベンゾビンジフルピル、プロベナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、ピロキロン、カスガマイシン塩酸塩、フェリムゾン、イソチアニル、フサライド、テブフロキン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、キャプタン、チラム、イプロジオン、バリダマイシン、ベンシクロン、マンコゼブ、ヒメキサゾール、式(2)
で示される化合物、式(3)
で示される化合物、及び、式(4)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物。
【請求項2】
群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(B)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である請求項1記載の農薬用組成物。
群(B):メタラキシル、メタラキシル-M、ベナラキシル、及び、ベナラキシル-M。
【請求項3】
群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(C)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である請求項1記載の農薬用組成物。
群(C):ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、及び、N−メチル−2−[2-(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル−2−メトキシアセトアミド。
【請求項4】
群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(D)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である請求項1記載の農薬用組成物。
群(D):メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、トリチコナゾール、トリアジメノール、プロチオコナゾール、プロピオコナゾール、プロクロラズ、ペンコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、ミクロブタニル、ビテルタノール、イマザリル、シメコナゾール、及び、フルトリアホール。
【請求項5】
群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(E)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である請求項1記載の農薬用組成物。
群(E):セダキサン、ペンフルフェン、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド、フルトラニル、メプロニル、カルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラド、フラメトピル、イソフェタミド、ベンゾビンジフルピル、式(2)
で示される化合物、及び、式(3)
で示される化合物。
【請求項6】
群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(F)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である請求項1記載の農薬用組成物。
群(F):プロベナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、ピロキロン、カスガマイシン塩酸塩、フェリムゾン、イソチアニル、フサライド、テブフロキン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、キャプタン、チラム、イプロジオン、バリダマイシン、ベンシクロン、マンコゼブ、ヒメキサゾール、及び、式(4)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物。
【請求項7】
群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(G)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である請求項1記載の農薬用組成物。
群(G):メタラキシル、メタラキシル-M、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、セダキサン、ペンフルフェン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、及び、式(4)
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。〕
で示される化合物。
【請求項8】
式(1)で示される化合物が、5-(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルである請求項1記載の農薬用組成物。
【請求項9】
式(1)で示される化合物と、群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物との含有量の比が、重量比で100:1〜1:100である請求項1〜8のいずれか記載の農薬用組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか記載の農薬用組成物の有効量を、植物を栽培する土壌又は植物そのものに施用する工程を有する、該植物の生長を促進する方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか記載の農薬用組成物の有効量を、植物種子に付着又は含浸させる工程、及び、該植物種子を播種する工程を有する、該植物の生長を促進する方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の農薬用組成物を含有する種子処理剤。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の農薬用組成物の有効量が付着又は含浸されてなる植物種子。
【請求項14】
植物種子の種類がトウモロコシ、ワタ、ダイズ、テンサイ、ナタネ、コムギ又はイネの種子である請求項13記載の植物種子
【請求項15】
植物の生長を促進するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の農薬用組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬用組成物及び植物の生長を促進する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの化学物質には、植物に施用することによって植物の生長を促進する効果を示すものが知られている。例えば、アミノレブリン酸はその施用により植物に対して生長促進効果を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「Biosynthesis, biotechnological production and applications of 5-aminolevulinic acid」 K. Sasaki et al., (2002) Applied Microbial Biotechnology 58: pp. 23-29
【非特許文献2】ペスティサイドマニュアル(The Pesticide Manual)Fifteenth Edition(2009)、British Crop Production Council(ISBN:978−1−901396−18−8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、植物の生長を促進する優れた農薬用組成物等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、鋭意検討した結果、下記式(1)で示される化合物と、少なくとも1種の殺菌活性化合物を有効成分として含有する農薬用組成物を植物に施用することによって、その植物の生長が促進されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[15]の通りである。
[1] 式(1)
[式中、Ra、Rb、Rc及びRdのいずれか一がトリフルオロメチル基を、その他は水素原子を表し、Reはメチル基又はエチル基を表す。]
で示される化合物と、群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物とを含有する農薬用組成物(以下、本発明組成物と記す)。
群(A):メタラキシル、メタラキシル-M、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、N−メチル−2−[2-(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル−2−メトキシアセトアミド、メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、トリチコナゾール、トリアジメノール、プロチオコナゾール、プロピオコナゾール、プロクロラズ、ペンコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、ミクロブタニル、ビテルタノール、イマザリル、シメコナゾール、フルトリアホール、セダキサン、ペンフルフェン、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド、フルトラニル、メプロニル、カルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラド、フラメトピル、イソフェタミド、ベンゾビンジフルピル、プロベナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、ピロキロン、カスガマイシン塩酸塩、フェリムゾン、イソチアニル、フサライド、テブフロキン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、キャプタン、チラム、イプロジオン、バリダマイシン、ベンシクロン、マンコゼブ、ヒメキサゾール、式(2)
で示される化合物、式(3)
で示される化合物、及び、式(4)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物。
[2] 群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(B)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である[1]記載の農薬用組成物。
群(B):メタラキシル、メタラキシル-M、ベナラキシル、及び、ベナラキシル-M。
[3] 群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(C)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である[1]記載の農薬用組成物。
群(C):ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、及び、N−メチル−2−[2-(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル−2−メトキシアセトアミド。
[4] 群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(D)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である[1]記載の農薬用組成物。
群(D):メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、トリチコナゾール、トリアジメノール、プロチオコナゾール、プロピオコナゾール、プロクロラズ、ペンコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、ミクロブタニル、ビテルタノール、イマザリル、シメコナゾール、及び、フルトリアホール。
[5] 群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(E)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である[1]記載の農薬用組成物。
群(E):セダキサン、ペンフルフェン、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド、フルトラニル、メプロニル、カルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラド、フラメトピル、イソフェタミド、ベンゾビンジフルピル、式(2)
で示される化合物、及び、式(3)
で示される化合物。
[6] 群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(F)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である[1]記載の農薬用組成物。
群(F):プロベナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、ピロキロン、カスガマイシン塩酸塩、フェリムゾン、イソチアニル、フサライド、テブフロキン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、キャプタン、チラム、イプロジオン、バリダマイシン、ベンシクロン、マンコゼブ、ヒメキサゾール、及び、式(4)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物。
[7] 群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物が、群(G)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物である[1]記載の農薬用組成物。
群(G):メタラキシル、メタラキシル-M、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、セダキサン、ペンフルフェン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、及び、式(4)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物。
[8] 式(1)で示される化合物が、5-(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチルである[1]記載の農薬用組成物。
[9] 式(1)で示される化合物と、群(A)より選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物との含有量の比が、重量比で100:1〜1:100である[1]〜[8]のいずれか記載の農薬用組成物。
[10] [1]〜[9]のいずれか記載の農薬用組成物の有効量を、植物を栽培する土壌又は植物そのものに施用する工程を有する、該植物の生長を促進する方法。
[11] [1]〜[9]のいずれか記載の農薬用組成物の有効量を、植物種子に付着又は含浸させる工程、及び、該植物種子を播種する工程を有する、該植物の生長を促進する方法。
[12] [1]〜[9]記載の農薬用組成物を含有する種子処理剤。
[13] [1]〜[9]記載の農薬用組成物の有効量が付着又は含浸されてなる植物種子。
[14] 植物種子の種類がトウモロコシ、ワタ、ダイズ、テンサイ、ナタネ、コムギ又はイネの種子である[13]記載の方法。
[15] 植物の生長を促進するための、[1]〜[9]記載の農薬用組成物の使用。
【発明の効果】
【0006】
本発明方法によって、植物の生長を促進する優れた農薬用組成物等を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明組成物とは、式(1)
[式中、Ra、Rb、Rc及びRdのいずれか一がトリフルオロメチル基を、その他は水素原子を表し、Reはメチル基又はエチル基を表す。]
で示される化合物(以下、本縮合環化合物と記す)と、群(A)から選ばれる少なくとも1種の殺菌活性化合物(以下、本殺菌活性化合物と記す)を含有するものである。
群(A):メタラキシル、メタラキシル-M、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、N−メチル−2−[2-(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル−2−メトキシアセトアミド、メトコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、トリチコナゾール、トリアジメノール、プロチオコナゾール、プロピオコナゾール、プロクロラズ、ペンコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、ミクロブタニル、ビテルタノール、イマザリル、シメコナゾール、フルトリアホール、セダキサン、ペンフルフェン、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド、フルトラニル、メプロニル、カルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラド、フラメトピル、イソフェタミド、ベンゾビンジフルピル、プロベナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、ピロキロン、カスガマイシン塩酸塩、フェリムゾン、イソチアニル、フサライド、テブフロキン、フルジオキソニル、エタボキサム、トリクロフォスメチル、キャプタン、チラム、イプロジオン、N−(1,1,3−トリメチルインダン−4−イル)−1−メチル−3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボン酸アミド、バリダマイシン、ベンシクロン、マンコゼブ、ヒメキサゾール、式(2)
で示される化合物、式(3)
で示される化合物、及び、式(4)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物。
【0008】
本縮合環化合物の具体例を示す。
本縮合環化合物の具体例としては、式(1)におけるRa、Rb、Rc、Rd及びReが表1に示される基の組合せである化合物(本縮合環化合物1〜本縮合環化合物8)が挙げられる。
[式中、Ra、Rb、Rc、Rd及びReの組み合わせは、[表1]に示されるいずれかの組合せを示す。]
【0009】
【表1】
【0010】
次に、本発明組成物において有効成分として用いられる殺菌活性化合物を以下に具体的に説明する。
【0011】
本発明組成物に用いられるメタラキシル、メタラキシル−M、ベナラキシル及びベナラキシル−Mは公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の737、739、74、76ページに記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0012】
本発明組成物に用いられるクレソキシムメチル、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビンは公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の688、62、971、910、1167、383、及び538ページに記載されている。これらの化合物は、市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することができる。
本発明組成物に用いられるN−メチル−2−[2-(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]フェニル−2−メトキシアセトアミド(以下、本殺菌活性化合物1と記す)は公知の化合物であり、例えば国際公開第95/27693号パンフレットに記載された方法によって合成することができる。
【0013】
本発明組成物に用いられるクレソキシムメチル、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビンは、病原菌の細胞内ミトコンドリアの電子伝達系阻害(ComplexIII阻害)による呼吸阻害作用で抗菌活性を示すことで知られている化合物である。
【0014】
本発明組成物に用いられるメトコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、トリチコナゾール、イマザリル、トリアジメノール、フルキンコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、ジニコナゾール、テトラコナゾール、イプコナゾール、トリフルミゾール、ビテルタノール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、シメコナゾール、及びトリアジメホンは公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の749、1072、354、1182、629、1147、543、928、965、384、1096、663、1171、116、429、468、554、560、611、801、869、952、1033及び1145ページに記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0015】
本発明組成物に用いられるメトコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、トリチコナゾール、イマザリル、トリアジメノール、フルキンコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、ジニコナゾール、テトラコナゾール、イプコナゾール、トリフルミゾール、ビテルタノール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、シメコナゾール及びトリアジメホンは脱メチル化阻害剤(demethylation inhibitor;DMI剤)として知られている殺菌化合物である。
【0016】
本発明組成物に用いられる式(2)で表される化合物(以下、本殺菌活性化合物2と記す)は公知であり、例えば国際公開第07/07299号パンフレットに記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0017】
本発明組成物に用いられる式(3)で表される化合物(以下、本殺菌活性化合物3と記す)は公知であり、例えば国際公開第05/121104号パンフレットに記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0018】
本発明組成物に用いられるセダキサンは、式(5)で示される公知の化合物であり、例えば国際公開第03/74491号パンフレットに記載されている。この化合物は当該公報に記載された方法で製造することにより得ることができる。
【0019】
本発明組成物に用いられるペンフルフェンは、式(6)で示される公知の化合物であり、例えば国際公開第03/10149号パンフレットに記載されている。この化合物は当該公報に記載された方法で製造することにより得ることができる。
【0020】
本発明組成物に用いられるフルキサピロキサドは、式(7)で示される公知の化合物であり、例えば国際公開第06/087343号パンフレットに記載されている。この化合物は当該公報に記載された方法で製造することにより得ることができる。
【0021】
本発明組成物に用いられるフラメトピル、カルボキシン、フルトラニル、ペンチオピラド及びフルオピラムのカルボキサミドはいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の580、164、559、877及び535ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0022】
本発明組成物に用いられるイソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、メプロニル、チフルザミド、イソフェタミドはいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の676、1080、1119に記載されている。ビキサフェンまたはイソフェタミドは、例えば、国際公開第03/070705号パンフレットまたは国際公開第09/060734号パンフレットに記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0023】
本発明組成物に用いられるベンゾビンジフルピル(以下、本殺菌活性化合物4と記す)は、例えば国際公開第10/049228号パンフレットに記載されており、市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0024】
本発明組成物に用いられるセダキサン、ペンフルフェン、イソピラザム、ビキサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド、フルトラニル、メプロニル、カルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラド、フラメトピル、イソフェタミド、は病原菌の細胞内ミトコンドリアの電子伝達系阻害(ComplexII阻害)による呼吸阻害作用で抗菌活性を示すことで知られている化合物である。
【0025】
本発明組成物に用いられるプロベナゾール、チアジニル、トリシクラゾール、ピロキロン、カスガマイシン塩酸塩及びフェリムゾンのイネいもち病防除化合物はいずれも公知の化合物であり、例えば「The Pesticide Manual−15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の927、1134、1163、999、685及び497ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0026】
本発明組成物に用いられるイソチアニルは式(8)で示される公知の化合物であり、例えば国際公開第99/024413号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0027】
本発明組成物に用いられるフサライドは公知の化合物であり、例えば「SHIBUYA INDEX(Index of Pesticides)13th Edition 2008(SHIBUYA INDEX RESEARCH GROUP刊)ISBN 9784881371435」の147ページに記載されている。
【0028】
本発明組成物に用いられるテブフロキンは式(9)で示される公知の化合物であり、例えば国際公開第01/092231号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0029】
本発明組成物に用いられるフルジオキソニル、エタボキサム、トルクロホスメチル、キャプタン、チラム、マンコゼブ及びヒメキサゾールは公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の520、435、1135、154、546、702及び627に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0030】
本発明組成物に用いられるイプロジオンは公知の化合物であり、例えば国際公開第12/031061号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0031】
本発明組成物に用いられる式(4)で示される化合物は公知の化合物であり、R体、S体またはR体/S体が任意の割合で混合されたものである。
[式中、R及びRは前記と同じ意味を表す。]
式(4)において、Rが水素原子、Rがジフルオロメチルである化合物(以下、本殺菌活性化合物5と記す)等は、例えば国際公開第2011/162397号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
【0032】
本発明組成物に用いられるペンシクロン及びバリダマイシンのイネ紋枯病防除化合物はいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の871及び1187ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0033】
本発明組成物における、本縮合環化合物と本殺菌活性化合物との含有割合は、特に限定されるものではないが、本縮合環化合物1000重量部に対して、本殺菌活性化合物が、通常2〜10000000重量部、好ましくは10〜100000重量部である。
【0034】
本発明組成物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメタラキシルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメタラキシル-Mとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とベナラキシルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とベナラキシル-Mとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とピラクロストロビンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリフロキシストロビンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とアゾキシストロビンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とジモキシストロビンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルオキサストロビンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とクレソキシムメチルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とピコキシストロビンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物1とを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメトコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイプコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とテブコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とジフェノコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とエポキシコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルキンコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリチコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリアジメノールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロチオコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロピオコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロクロラズとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とペンコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルシラゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とジニコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とブロムコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とシプロコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリフルミゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とテトラコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とミクロブタニルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とビテルタノールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイマザリルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とシメコナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルトリアホールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とセダキサンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とペンフルフェンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイソピラザムとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とビキサフェンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とボスカリドとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルオピラムとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルキサピロキサドとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルトラニルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメプロニルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とカルボキシンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とチフルザミドとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とペンチオピラドとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフラメトピルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイソフェタミドとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物2とを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロベナゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とチアジニルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリシクラゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とピロキロンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とカスガマイシン塩酸塩とを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフェリムゾンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイソチアニルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフサライドとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とテブフロキンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルジオキソニルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とエタボキサムとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリクロフォスメチルとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とキャプタンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とチラムとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とマンコゼブとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とヒメキサゾールとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイプロジオンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物3とを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物4とを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物5とを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とバリダマイシンとを含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とベンシクロンとを含有する組成物。
【0035】
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメタラキシルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメタラキシル-Mとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とベナラキシルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とベナラキシル-Mとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とピラクロストロビンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリフロキシストロビンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とアゾキシストロビンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とジモキシストロビンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルオキサストロビンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とクレソキシムメチルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とピコキシストロビンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物1とを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメトコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイプコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とテブコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とジフェノコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とエポキシコナゾールとを比0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルキンコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリチコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリアジメノールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロチオコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロピオコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロクロラズとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とペンコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルシラゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とジニコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とブロムコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とシプロコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリフルミゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とテトラコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とミクロブタニルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とビテルタノールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイマザリルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とシメコナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルトリアホールとを=0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とセダキサンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とペンフルフェンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイソピラザムとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とビキサフェンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とボスカリドとを=0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルオピラムとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルキサピロキサドとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルトラニルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とメプロニルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とカルボキシンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とチフルザミドとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とペンチオピラドとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフラメトピルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイソフェタミドとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物2とを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とプロベナゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とチアジニルとを=0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリシクラゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とピロキロンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とカスガマイシン塩酸塩とを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフェリムゾンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイソチアニルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフサライドとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とテブフロキンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とフルジオキソニルとを=0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とエタボキサムとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とトリクロフォスメチルとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とキャプタンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とチラムとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とマンコゼブとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とヒメキサゾールとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とイプロジオンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物3とを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物4とを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1と本殺菌活性化合物5とを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とバリダマイシンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物;
本縮合環化合物1〜8のいずれか1とベンシクロンとを0.01/1〜100/1の重量比で含有する組成物。
【0036】
本発明組成物は、本縮合環化合物と本殺菌活性化合物との混合物そのものでもよいが、通常は、本縮合環化合物と本殺菌活性化合物と不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものである。
また、前記の製剤化された本発明組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して、農薬用組成物として使用することができる。
本発明組成物おける、本縮合環化合物と本殺菌活性化合物との合計量は、通常0.1%〜99重量%、好ましくは0.2〜90重量%、より好ましくは1〜80重量%の範囲である。
【0037】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土及び方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル並びに水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩及びナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、並びにアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)及びザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤並びにPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0038】
本発明において、植物の生長を促進する(以下、「生長促進」と記すことがある。)とは、苗立ち率向上、健全葉数増加、草丈増、植物体重量増加、葉面積増加、葉色、種子又は果実の数又は重量の増加、着花数又は着果数の増加、根部生長、クロロフィル蛍光、蒸散能の増加をいう。
【0039】
生長促進は、以下にあげるパラメーターを用いて定量化が可能である。
(1)苗立ち率
植物の種子を、例えば土壌中、ろ紙上、寒天培地上、砂上などに播種し、一定期間栽培した後、発芽し、生育した幼植物の割合を調査する。
(2)健全葉数又は健全葉率
各植物について健全な葉の枚数を数え、総健全葉数を調査する。あるいは植物の全ての葉数に対する健全葉数の割合を調査する。
(3)草丈
各植物について地上部分の茎の根元から先端の枝葉までの長さを測定する。
(4)植物体重量
各植物の地上部を切り取り、重量を測定して、植物新鮮重量を求める、あるいは切り取ったサンプルを乾燥させた後に重量を測定して、植物乾燥重量を求める。
(5)葉面積
植物をデジタルカメラで撮影し、写真の緑色の部分の面積を画像解析ソフト例えばWin ROOF(三谷商事社製)で定量することにより、植物の葉面積を求める。
(6)葉色
植物の葉をサンプリングし、葉緑素計(例えばSPAD−502、コニカミノルタ製)を用いて葉緑素量を測定することにより、葉色を求める。また、植物をデジタルカメラで撮影し、写真の緑色の部分の面積を画像解析ソフト例えばWin ROOF(三谷商事社製)で色抽出を行い定量することにより、植物の葉の緑色部分の面積を求める。
(7)種子あるいは果実の数又は重量
植物を種子あるいは果実が結実あるいは登熟するまで栽培した後、植物当りの果実数を計測あるいは植物当りの総果実重量を測定する。また、種子が登熟するまで栽培した後、例えば穂数、登熟歩合、千粒重などの収量構成要素を調査する。
(8)着花率・着果率・結実率・種子充填率
植物を着果するまで栽培した後、着花数と着果数を数え着果率%(着果数/着花数×100)を求める。種子登熟後に結実数と種子充填数を数え結実率(結実数/着花数×100)、種子充填率%(種子充填数/結実数×100)を求める。
(9)根部生長の増加
植物を土壌あるいは水耕にて栽培し、その根部の長さを計測する、あるいは根部を切り取りその新鮮重量等を測定する。
(10)クロロフィル蛍光収率
パルス変調クロロフィル蛍光測定装置(例えば、IMAGING-PAM、WALZ社製)を用いて、植物のクロロフィル蛍光値(Fv/Fm)を測定することによって、クロロフィル蛍光収率を求める。
(11)蒸散能
植物の各生育段階において、ポロメーター(例えば、AP4、デルタT社製)を用いて葉の表面からの水の蒸散を測定する。
【0040】
本発明方法において本発明組成物を植物に施用する場合、当該植物の全体であっても一部分(茎葉、芽、花、果実、穂、種子、球根、塊茎、根等)であっても良く、又当該植物の種々の生育ステージ(播種時前、播種時、播種後出芽前後などの発芽期、育苗時、苗移植時、挿し木又は挿し苗時、定植後の生育時などの栄養生長期、開花前、開花中、開花後、出穂直前又は出穂期などの生殖生長期、収穫予定前、成熟予定前、果実の着色開始期などの収穫期)であって良い。ここで球根とは、鱗茎、球茎、根茎、塊根、および担根体を意味する。また、苗としては、実生、挿し木等を含むものとする。植物に施用する場合は、本発明組成物は1回もしくは複数回施用する。
【0041】
本発明方法において、本発明組成物を、植物を栽培する土壌に施用する場合、本発明組成物の有効量を植物の栽培地に施用することにより行われる。植物の栽培地に施用する場合は、本発明組成物は1回もしくは複数回施用する。
【0042】
本発明方法における施用方法としては、具体的には、例えば、茎葉散布等の植物の茎葉、花器又は穂への施用、植物を植えつける前又は植えつけた後の土壌(栽培地)への施用、種子消毒・種子浸漬・種子コート等による種子への施用、苗への施用、種芋等の球根への施用等が挙げられる。
【0043】
本発明方法における植物の茎葉、花器又は穂に施用する方法としては、具体的には、例えば、茎葉散布、樹幹散布等の植物の表面に施用する処理方法が挙げられる。また、開花前、開花中、開花後を含む開花時期における花器あるいは植物全体に散布処理する方法が挙げられる。また、穀物等おいては出穂時期の穂あるいは植物全体に散布する方法が挙げられる。
【0044】
本発明方法における土壌に施用する方法としては、例えば、土壌への散布、土壌混和、土壌への薬液潅注(薬液潅水、土壌注入、薬液ドリップ)が挙げられ、処理する場所としては例えば、植穴、作条、植穴付近、作条付近、栽培地の全面、植物地際部、株間、樹幹下、主幹畦、培土、育苗箱、育苗トレイ、苗床等が挙げられ、処理時期としては播種前、播種時、播種直後、育苗期、定植前、定植時、及び定植後の生育期等が挙げられる。また、上記土壌処理において、本縮合環化合物と本殺菌活性化合物とを植物に同時に処理してもよく、本発明組成物を含有するペースト肥料等の固形肥料を土壌へ施用してもよい。また、本発明組成物を潅水液に混合してもよく、例えば、潅水設備(潅水チューブ、潅水パイプ、スプリンクラー等)への注入、条間湛水液への混入、水耕液へ混入等が挙げられる。また、あらかじめ潅水液と本発明組成物を混合し、例えば、上記潅水方法やそれ以外の散水、湛水等のしかるべき潅水方法を用いて処理することができる。
【0045】
本発明方法における種子への施用する方法としては、対象とする植物の種子、球根等に本発明組成物を付着または含浸させる方法であって、具体的には、例えば、本発明組成物の懸濁液を霧状にして種子表面もしくは球根表面に吹きつける吹きつけ処理、本発明組成物の水和剤、乳剤、又はフロアブル剤等に少量の水を加えるか、又はそのままで種子もしくは球根に塗付する塗沫処理、本発明組成物の溶液に一定時間種子を浸漬する浸漬処理、フィルムコート処理、ペレットコート処理が挙げられる。
【0046】
本発明方法における苗への施用としては、例えば、本発明組成物を水で適当な有効成分濃度に希釈調製した希釈液を苗全体に散布する散布処理、その希釈液に苗を浸漬する浸漬処理、粉剤に調製した本発明組成物を苗全体に付着させる塗布処理が挙げられる。また、苗を植えつける前又は植えつけた後の土壌への施用としては、例えば、本発明組成物を水で適当な有効成分濃度に希釈調製した希釈液を、苗を植えつけた後に苗及び周辺土壌に散布する方法、粒剤又は粒剤等の固形剤に調製した本発明組成物を、苗を植えつけた後周辺土壌に散布する方法が挙げられる。
【0047】
また、本発明組成物を水耕栽培における水耕液に混合して用いてもよく、また組織培養における培地成分の1つとして用いてもよい。本発明方法における水耕処理方法としては、水耕栽培に使用する場合に、通常用いられる園試等の水耕栽培用の水耕培地に培地中濃度として本発明組成物の有効成分量が0.001ppm〜1,000ppmの範囲で溶解又は懸濁している状態で用いることができる。また組織培養や細胞培養時に使用する場合は、通常用いられるムラシゲ・スクーグ培地等の植物組織培養用培地やホグランド水耕培養液等の水耕培地に、培地中濃度として本発明組成物の有効成分量が0.001ppm〜1,000ppmの範囲で溶解又は懸濁している状態で用いることができる。この場合、定法に従い、炭素源としての糖類、各種植物ホルモン等を適宜加えることができる。
【0048】
本発明組成物を、植物を栽培する土壌又は植物そのものに施用する場合、その施用量は、施用する植物の種類、製剤形態、施用時期、気象条件等によって変化させ得るが、10,000m2あたり本発明組成物の有効成分量として、通常0.1〜10,000グラム、好ましくは1〜1,000グラムの範囲である。土壌に全面混和する場合は、その施用量は、10,000m2あたり本発明組成物の有効成分量として、通常0.1〜10,000グラム、好ましくは1〜1,000グラムである。
【0049】
乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル剤等は、通常水で希釈して散布することにより施用する。この場合、有効成分の濃度は、通常本発明組成物の0.1〜10,000ppm、好ましくは1〜1000ppmの範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま施用する。
【0050】
種子への施用においては、種子100キログラムに対する本発明組成物の重量としては、本縮合環化合物の有効成分量として、通常0.01〜1,000グラム、好ましくは0.1〜100グラムの範囲である。
【0051】
本発明方法が適用可能な植物としては、下記の植物が挙げられる。
【0052】
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ラッカセイ、ソバ、テンサイ、セイヨウアブラナ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ、ホップ等。
【0053】
野菜:ナス科野菜(ナス、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ピーマン等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、マクワウリ等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、アブラナ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、マメ科作物(エンドウ、インゲンマメ、アズキ、ソラマメ、ヒヨコマメ等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ、コンニャク、ショウガ、オクラ等。
【0054】
果樹:仁果類(リンゴ、ナシ、セイヨウナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
【0055】
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ、等。
【0056】
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、 ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
【0057】
本発明に適用可能な植物として、好ましくは、チャ、リンゴ、ナシ、ブドウ、オウトウ、モモ、ネクタリン、カキ、ウメ、スモモ、ダイズ、レタス、キャベツ、トマト、ナス、キュウリ、スイカ、メロン、インゲンマメ、エンドウ、アズキ、シバ、セイヨウアブラナ、イチゴ、アーモンド、トウモロコシ、ソルガム、ソラマメ、ハクサイ、ジャガイモ、ラッカセイ、イネ、コムギ、サトイモ、コンニャク、ヤマノイモ、ダイコン、カブ、パセリ、マクワウリ、オクラ、ショウガ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、ブルーベリー、クリ、ホップ、ワタ、テンサイ、バジルが挙げられ、より好ましくはイネ、コムギ、トウモロコシ、ダイズ、セイヨウアブラナ、ワタ、テンサイ
等が挙げられる。
【0058】
上記「植物」とは、植物に除草剤耐性を付与する遺伝子や害虫に対する選択的毒素を産生する遺伝子、植物に病害抵抗性を付与する遺伝子、非生物的ストレスを緩和する遺伝子などが遺伝子組換え法あるいは交配育種によって導入された組換え植物であってもよく、これらを複数組み合わせたスタック品種であってもよい。
【0059】
本発明組成物を、さらに、殺虫剤、殺菌剤、生物資材、及び特定の除草剤に対するセーフナー等と同時に種子に施用してもよく、またそれらと同時に植物に施用してもよい。
使用可能な生物資材としては、具体的にはBacillus firmus菌、Bacillus subtilis菌、Bacillus thuringiensis var. aizawai菌、Bacillus thuringiensis var. Kurstaki菌、Bacillus thuringiensis var.tenebriosis菌)等が挙げられる。
【0060】
本発明方法は、本発明組成物の施用される植物が、非生物的ストレスに暴露された又は暴露されるであろう植物であっても良い。当該非生物的ストレスは、下記式で表される「ストレスの強さ」の値として、105〜200、好ましくは110〜180、より好ましくは120〜160であればよい。
【0061】
式(I):「ストレスの強さ」=100×「非生物的ストレス要因に暴露されていない植物におけるいずれか一つの植物表現型」/「非生物的ストレス要因に暴露された植物における当該いずれか一つの植物表現型」
【0062】
ここで、「非生物的ストレス」とは、高温ストレス又は低温ストレスである温度ストレス、乾燥ストレス又は過湿ストレスである水分ストレス、塩ストレス等の非生物的ストレス要因に暴露された場合に植物細胞の生理機能の低下を来たし、植物の生理状態が悪化して生育が阻害されるようなストレスをいう。高温ストレスとは、植物の生育適温又は発芽適温よりも高い温度に暴露された場合に受けるストレスをいい、具体的には、植物が栽培されている環境における平均栽培温度が25℃以上、より厳しくは30℃以上、更に厳しくは35℃以上である条件を挙げることができる。 低温ストレスとは、植物の生育適温又は発芽適温よりも低い温度に暴露された場合に受けるストレスをいい、具体的には、植物が栽培されている環境における平均栽培温度が15℃以下、より厳しくは10℃以下、更により厳しくは5℃以下である条件を挙げることができる。 また、乾燥ストレスとは、植物は降雨量や灌水量の減少により土壌中の水分含量が減少し、吸水が阻害され植物の生育が阻害されるような水分環境に暴露された場合に受けるストレスをいい、具体的には、土壌の種類により値は異なることがあるが、植物が栽培されている土壌含水率が15重量%以下、より厳しくは10重量%以下、更に厳しくは、7.5重量%以下が水分ストレスのある条件、又は、植物が栽培されている土壌のpF値が、2.3以上、厳しくは2.7以上、更に厳しくは3.0以上の条件を挙げることができる。過湿ストレスとは土壌中の水分含量が過剰になり植物の生育が阻害されるような水分環境に暴露された場合に受けるストレスをいい、具体的には、土壌の種類により値は異なることがあるが、植物が栽培されている土壌含水率が30重量%以上、厳しくは40重量%以上、更に厳しくは50重量%以上の、又は、植物が栽培されている土壌のpF値が1.7以下、厳しくは1.0以下、更に厳しくは0.3以下である。 なお、土壌のpF値は、「土壌・植物栄養・環境事典」(大洋社、1994年、松坂ら)の61〜62頁の「pF値測定法」に記述されている原理に従い、測定することができる。 また、塩ストレスとは、植物が栽培されている土壌あるいは水耕液中の塩類の蓄積により浸透圧が上昇し植物の吸水が阻害される結果、生育が阻害されるような環境に暴露された場合に受けるストレスをいい、具体的には、土壌あるいは水耕液中の塩による浸透圧ポテンシャルが0.2Mpa(NaCl濃度では2,400ppm)以上、厳しくは0.25MPa以上、さらに厳しくは0.30MPaである条件である。土壌における浸透圧は、土壌を水で希釈して上澄み液の塩濃度を分析することによって、以下のラウールの式に基づいて求めることができる。
【0063】
ラウールの式 π(atm)=cRT
R=0.082(L・atm/mol・K)
T=絶対温度(K)
c=イオンモル濃度(mol/L)
1atm=0.1MPa
【実施例】
【0064】
以下、本発明を製造例及び製剤例、適用例、試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
【0065】
製造例1
2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド5.0g、チオグリコール酸メチル3.3g、炭酸カリウム4.0gおよびDMF50mlの混合物を60℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をメタノールから再結晶し、5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル(本縮合環化合物1)6.3gを得た。
[本縮合環化合物1]
1H-NMR(CDCl3) δ: 8.16(s, 1H), 8.13(s, 1H), 7.99(d, J=8.7Hz, 1H), 7.67(d, J=8.7Hz, 1H), 3.98(s, 3H)
【0066】
製造例2
2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド1.11g、チオグリコール酸メチル739mg、炭酸カリウム1.3gおよびDMF20mlの混合物を140℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル(本縮合環化合物2)848mgを得た。
[本縮合環化合物2]
1H-NMR(CDCl3) δ: 8.17(s, 1H), 8.11(s, 1H), 7.99(m, 1H), 7.64(m, 1H), 3.98(s, 3H)
【0067】
製造例3
2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド1.00g、チオグリコール酸メチル633mg、炭酸カリウム1.21gおよびDMF15mlの混合物を130℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、4−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル(本縮合環化合物3)480mgを得た。
[本縮合環化合物3]
1H-NMR(CDCl3) δ: 8.27(s, 1H), 8.06(m, 1H), 7.72(m, 1H), 7.54(m, 1H), 3.98(s, 3H)
【0068】
製造例4
2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド600mg、チオグリコール酸メチル398mg、炭酸カリウム694mgおよびDMF10mlの混合物を140℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え、tert−ブチルメチルエーテルで3回洗浄した。水層に塩酸を加えた後、tert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣に水を加え析出した固体をろ過により集め、減圧下乾燥した。得られた固体に、メタノール20mlおよび塩化オキサリル0.31mlを加え、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、7−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸メチル(本縮合環化合物4)338mgを得た。
[本縮合環化合物4]
1H-NMR(CDCl3) δ: 8.13(s, 1H), 8.06(m, 1H), 7.77(m, 1H), 7.52(m, 1H), 3.97(s, 3H)
【0069】
製造例5
製造例1に記載の方法に準じた方法で、チオグリコール酸メチルに代えてチオグリコール酸エチルを使用し、5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸エチル(本縮合環化合物5)を得る。
【0070】
製造例6
製造例1に記載の方法に準じた方法で、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドに代えて2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用し、チオグリコール酸メチルに代えてチオグリコール酸エチルを使用して、6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸エチル(本縮合環化合物6)を得る。
【0071】
製造例7
製造例1に記載の方法に準じた方法で、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドに代えて2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用し、チオグリコール酸メチルに代えてチオグリコール酸エチルを使用して、4−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸エチル(本縮合環化合物7)を得る。
【0072】
製造例8
製造例1に記載の方法に準じた方法で、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドに代えて2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用し、チオグリコール酸メチルに代えてチオグリコール酸エチルを使用して、7−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸エチル(本縮合環化合物8)を得る。
【0073】
次に本発明組成物の製剤例を示す。
製剤例1
本化合物1〜8のいずれか20部およびメタラキシル-M2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0074】
製剤例2
本化合物1〜8のいずれか20部およびピラクロストロビン2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0075】
製剤例3
本化合物1〜8のいずれか20部およびトリフロキシストロビン2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0076】
製剤例4
本化合物1〜8のいずれか20部およびアゾキシストロビン2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0077】
製剤例5
本化合物1〜8のいずれか20部およびメトコナゾール2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0078】
製剤例6
本化合物1〜8のいずれか20部およびイプコナゾール2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0079】
製剤例7
本化合物1〜8のいずれか20部およびテブコナゾール2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0080】
製剤例8
本化合物1〜8のいずれか20部およびジフェノコナゾール2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0081】
製剤例9
本化合物1〜8のいずれか20部およびセダキサン2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0082】
製剤例10
本化合物1〜8のいずれか20部およびペンフルフェン2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0083】
製剤例11
本化合物1〜8のいずれか20部およびフルジオキソニル2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0084】
製剤例12
本化合物1〜8のいずれか20部およびエタボキサム2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0085】
製剤例13
本化合物1〜8のいずれか20部およびトリクロフォスメチル2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0086】
製剤例14
本化合物1〜8のいずれか20部および本殺菌活性化合物5の2部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土52部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
【0087】
製剤例15
本化合物1〜8のいずれか2部およびメタラキシルの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0088】
製剤例16
本化合物1〜8のいずれか2部およびメタラキシル-Mの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0089】
製剤例17
本化合物1〜8のいずれか2部およびピラクロストロビンの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0090】
製剤例18
本化合物1〜8のいずれか2部およびトリフロキシストロビンの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0091】
製剤例19
本化合物1〜8のいずれか2部およびアゾキシストロビンの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0092】
製剤例20
本化合物1〜8のいずれか2部およびメトコナゾールの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0093】
製剤例21
本化合物1〜8のいずれか2部およびイプコナゾールの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0094】
製剤例22
本化合物1〜8のいずれか2部およびテブコナゾールの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0095】
製剤例23
本化合物1〜8のいずれか2部およびジフェノコナゾールの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0096】
製剤例24
本化合物1〜8のいずれか2部およびセダキサンの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0097】
製剤例25
本化合物1〜8のいずれか2部およびペンフルフェンの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0098】
製剤例26
本化合物1〜8のいずれか2部およびフルジオキソニルの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0099】
製剤例27
本化合物1〜8のいずれか2部およびエタボキサムの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0100】
製剤例28
本化合物1〜8のいずれか2部およびトリクロフォスメチルの0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0101】
製剤例29
本化合物1〜8のいずれか2部および本殺菌活性化合物5の0.2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー64.8部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の2%粒剤を得る。
【0102】
製剤例30
本化合物1〜8のいずれか1部およびメタラキシルの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0103】
製剤例31
本化合物1〜8のいずれか1部およびメタラキシル-Mの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0104】
製剤例32
本化合物1〜8のいずれか1部およびピラクロストロビンの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0105】
製剤例33
本化合物1〜8のいずれか1部およびトリフロキシストロビンの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0106】
製剤例34
本化合物1〜8のいずれか1部およびアゾキシストロビンの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0107】
製剤例35
本化合物1〜8のいずれか1部およびメトコナゾールの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0108】
製剤例36
本化合物1〜8のいずれか1部およびイプコナゾールの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0109】
製剤例37
本化合物1〜8のいずれか1部およびテブコナゾールの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0110】
製剤例38
本化合物1〜8のいずれか1部およびジフェノコナゾールの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0111】
製剤例39
本化合物1〜8のいずれか1部およびセダキサンの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0112】
製剤例40
本化合物1〜8のいずれか1部およびペンフルフェンの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0113】
製剤例41
本化合物1〜8のいずれか1部およびフルジオキソニルの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0114】
製剤例42
本化合物1〜8のいずれか1部およびエタボキサムの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0115】
製剤例43
本化合物1〜8のいずれか1部およびトリクロフォスメチルの0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0116】
製剤例44
本化合物1〜8のいずれか1部および本殺菌活性化合物5の0.1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.6部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
【0117】
製剤例45
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびメタラキシルの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0118】
製剤例46
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびメタラキシル-Mの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0119】
製剤例47
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびピラクロストロビンの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0120】
製剤例48
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびトリフロキシストロビンの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0121】
製剤例49
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびアゾキシストロビンの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0122】
製剤例50
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびメトコナゾールの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0123】
製剤例51
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびイプコナゾールの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0124】
製剤例52
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびテブコナゾールの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0125】
製剤例53
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびジフェノコナゾールの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0126】
製剤例54
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびセダキサンの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0127】
製剤例55
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびペンフルフェンの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0128】
製剤例56
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびフルジオキソニルの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0129】
製剤例57
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびエタボキサムの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0130】
製剤例58
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部およびトリクロフォスメチルの1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0131】
製剤例59
本化合物1〜8のいずれかひとつの10部および本殺菌活性化合物5の1部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩17.5部;ホワイトカーボン17.5部;および水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
【0132】
次に本発明組成物の植物種子への適用例を示す。
適用例1
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれトウモロコシ乾燥種子100kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて200ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0133】
適用例2
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれワタ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて50ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0134】
適用例3
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれダイズ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて10ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0135】
適用例4
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれテンサイ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて100ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0136】
適用例5
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれセイヨウアブラナ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて50ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0137】
適用例6
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれコムギ乾燥種子10kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて40ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0138】
適用例7
製剤例45から製剤例59にて作製した各フロアブル製剤を、それぞれイネ乾燥種子100kgに対し、回転式種子処理機(シードドレッサー、Hans−Ulrich Hege GmbH製)を用いて200ml塗沫処理することにより、各処理種子を得る。
【0139】
次に本発明組成物が植物の生長を促進することを、試験例にて示す。
試験例1 ベンサミアナタバコ水耕栽培による低温ストレス下での生長促進評価試験
(供試植物)
ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)
(栽培条件及び化合物処理方法)
2倍希釈ムラシゲ・スクーグ培地(水1L当たり、ムラシゲ・スクーグ培地用混合塩類(和光純薬社製)を2.3 g、ミオイノシトール(シグマアルドリッチ社製)を200 mg、ニコチン酸(和光純薬社製)を2 mg、ピリドキシン塩酸塩(和光純薬社製)を2 mg、チアミン塩酸塩(和光純薬社製)を20 mg、ショ糖(和光純薬社製)を 20 g 、MES(同仁化学研究所社製)を1 g含み、pH5.8に調整された培地)5μLを96穴プラスチックプレートへ分注し、ベンサミアナタバコの種子を播種し、22℃で一晩培養した。その後、本縮合環化合物1及び本殺菌活性化合物を含む前記の培地(0.1% DMSOを含有)45μLをさらに各ウエルに添加して、本縮合環化合物1と本殺菌活性化合物のいずれかを表2に示す最終濃度で含む培地50μLとした。そして、照度2,000ルクス、温度22℃、日長16時間の条件下で7日間培養した。
一方、2倍希釈ムラシゲ・スクーグ培地にDMSOを1/1,000容添加した培地を45μL添加して50μLの培地とし、同様にベンサミアナタバコの種子および実生を培養し、無処理区とした。
(低温ストレス下での栽培条件)
前記のように培養した実生を、照度2,000ルクス、温度1.5±1.0℃、日長16時間の条件下で7日間培養して低温ストレス処理を行った。無処理区の実生も同様に、低温ストレス処理を行った。
(評価方法)
低温ストレス処理したベンサミアナタバコの本発明の農薬用組成物処理区と無処理区の実生を、照度3,000ルクス、温度22℃、日長16時間の条件下で3日間栽培し、低温ストレス処理前と低温ストレス処理3日後の当該実生をスキャナライザーHTS(LemnaTec社製)で撮影し、実生の葉の緑色部分の面積を計測した。低温ストレス処理後の無処理区の緑色部分の面積を0%、低温ストレス処理直前の緑色部分の面積を100%として次の計算式から相対葉面積を求めた。その結果を(表2)に示す。
評価の結果、本発明組成物で処理した区では、明らかな緑色葉面積の増加が観察されており、生長が促進されたことが確認できた。
【0140】
<計算式>
(相対葉面積)=100×{(低温ストレス処理3日後の組成物処理区の実生の葉の緑色部分の面積)−(低温ストレス処理後の3日後無処理区の実生の葉の緑色部分の面積)}/(低温ストレス処理直前の無処理区の実生の葉の緑色部分の面積)
【0141】
【表2】
【0142】
試験例2 イネ水耕栽培による根部生長促進評価試験
(供試植物)
イネ(品種:日本晴)
(栽培条件及び化合物処理方法)
最終濃度2 ppmの本縮合環化合物と最終濃度0.02〜2 ppmの本殺菌活性化合物とを含む0.01%DMSO含有4倍希釈ホグランド水耕栽培液(Hoagland and Arnon, California Agricultural Experiment Station 1950 Circular 347 pp.34)を調製する。
イネ種子を、1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10分間、次いで、70%エタノール溶液に浸漬後に、蒸留水で洗浄して、種子表面を殺菌する。殺菌した種子を、前記の濃度の供試化合物を含む水耕栽培液に浸し、暗黒下、温度28℃で3日間インキュベートし催芽処理を行う。
その後、前記の濃度の供試化合物を含む水耕栽培液30mLを、遮光のため側面をボール紙で覆ったプラスチック製のチューブ(直径:20 mm×高さ:113 mm)に分注し、発砲ポリスチレンのボードとビニール製メッシュを用いて作製したフロートを浮かべ、当該水耕栽培液水面に浮かべたフロート上に、催芽処理後の当該イネ種子を置き、チューブ上面の照度が4,000ルクス、温度26℃、湿度50%、日長16時間の条件下で3日間栽培する。
(評価方法)
栽培後の当該イネ実生を、WinRHIZOシステム(REGENT INSTRUMENTS社製)で種子根長を測定し、各試験区の個体の種子根長の平均値を求める。
評価の結果、本発明組成物で処理した区では、種子根が長くなることが期待される。
【0143】
試験例3 トウモロコシ種子処理による低温ストレス下での生長促進評価試験
(供試植物)
トウモロコシ(品種:黒もち)
(種子処理)
10% (V/V) color coat red (Becker Underwood, Inc.)、10% (V/V) CF-Clear (Becker Underwood, Inc.)、1.66% Maxim4FS(Syngenta)を含むブランクスラリー溶液を調製する。トウモロコシ種子100キログラムあたりの最終的な処理量が、本縮合環化合物で5グラム又は50グラム、且つ、本殺菌活性化合物で0.05グラム〜500グラムとなるように、本縮合環化合物及び本殺菌活性化合物をブランクスラリーに溶解しスラリー溶液とする。50mL遠沈管(日本BD社製)に入ったトウモロコシ種子に、種子14.4g当り0.35mlの当該スラリー溶液を入れ、スラリー溶液が乾くまで攪拌し、トウモロコシ種子をコーティングして種子を処理する。また、無処理区用種子は、ブランクスラリーを用いて同様に処理する。
(栽培条件)
種子処理後のトウモロコシ種子をポット(φ55 mm×高さ58mm)中の培土(愛菜)に1粒ずつ播種し、温度27℃、照度5,000ルクス、日長16時間の条件下で10日間栽培する。
生育した実生を、人工気象室(VHT-2-15P-NC2-S、日本医化器械製作所製)に入れ、温度2.5±1℃、日長16時間、照度5,000ルクス以下の条件で、4日間栽培する。
次いで、生育した植物を、温度27℃、照度5,000ルクス、日長16時間で、4日間栽培する。
(評価方法)
栽培後の該植物の地上部新鮮重量を秤量し、1個体あたりの平均重量を求める。
評価の結果、本発明組成物で処理した区では、地上部新鮮重量が増加することが期待される。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明の農薬用組成物を用いることによって、効果的に植物の生長を促進することが可能となる。