特許第6051820号(P6051820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6051820銀硫化防止材、銀硫化防止膜の形成方法及び発光装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051820
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】銀硫化防止材、銀硫化防止膜の形成方法及び発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23F 11/00 20060101AFI20161219BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20161219BHJP
   C25D 7/08 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   C23F11/00 F
   H01L33/60
   C25D7/08
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-262754(P2012-262754)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-109042(P2014-109042A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】東内 智子
(72)【発明者】
【氏名】高根 信明
(72)【発明者】
【氏名】山浦 格
(72)【発明者】
【氏名】稲田 麻希
(72)【発明者】
【氏名】横田 弘
【審査官】 祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/132419(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23F 11/00
H01L 33/60
C09D 1/00
C09D 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスペクト比が異なる粘土を2種類以上含有する、銀硫化防止材。
【請求項2】
アスペクト比が1〜80の粘土と、アスペクト比が81〜1000の粘土と、を含有する、請求項1に記載の銀硫化防止材。
【請求項3】
銀が含まれる金属層の表面に、請求項1又は2に記載の銀硫化防止材を塗布して前記銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、
前記塗膜を乾燥する乾燥工程と、
を備える、銀硫化防止膜の形成方法。
【請求項4】
前記金属層が銀めっき層である、請求項に記載の銀硫化防止膜の形成方法。
【請求項5】
乾燥後の前記塗膜の厚さが0.005μm以上である、請求項3又は4に記載の銀硫化防止膜の形成方法。
【請求項6】
銀めっき層を有する基板と、前記基板上に搭載された発光素子と、を備える、発光装置の製造方法であって、
前記銀めっき層の表面に、請求項1又は2に記載の銀硫化防止材を塗布して前記銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、
前記塗膜を乾燥する乾燥工程と、
を備える、発光装置の製造方法。
【請求項7】
乾燥後の前記塗膜の厚さが0.005μm以上である、請求項に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀硫化防止材に関し、より詳細には発光装置等に使用される銀めっきの硫化による変色を防止するための銀硫化防止材に関する。また本発明は、銀硫化防止材を用いた銀硫化防止膜の形成方法及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光灯又は白熱電球に替わる光源として発光ダイオード(LED)の需要が急速に増加している。発光ダイオード等の発光素子を備える発光装置は、照明機器、自動車用ライト等の用途に用いられている。このような発光装置では、銀めっきからなる光反射膜を設けることにより光の取り出し効率の向上が図られている。例えば、銅めっき基板等のリードフレームを備えるLEDパッケージでは、銅めっき層上に銀めっき層を設けることにより反射率を向上させている(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−239116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDパッケージでは、通常、透明樹脂による封止によって発光素子及び光反射膜等が保護されている。しかし、発光装置が屋外で使用される場合、環境中の硫化水素、亜硫酸ガス等が樹脂を透過して銀めっきを硫化し、変色により銀めっきの光反射率が低下するという問題が生じる。最近ではLEDの高出力化に伴ってLEDの発熱量が増加し、銀めっきの硫化が温度の上昇によって更に早まる傾向にある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止材、それを用いた銀硫化防止膜の形成方法及び耐硫化性に優れた発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、銀めっき層上に、2種類以上の粘土を含有する銀硫化防止材を塗布し、この塗膜を乾燥することにより、銀めっきの硫化を高度に抑制できる銀硫化防止膜を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、2種類以上の粘土を含有する銀硫化防止材を提供する。
【0008】
本発明の銀硫化防止材によれば、銀を含有する金属層の表面に塗布し乾燥することにより、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。
【0009】
本発明の銀硫化防止材が上記の効果を奏する理由を本発明者らは以下のとおり考えている。銀硫化防止材が種類の異なる粘土を含むことにより、銀硫化防止材の塗布及び乾燥による膜形成において、粘土を1種類のみ含む場合に比べて隙間のより少ない積層構造が形成され、ガスバリア性が向上したと考えられる。
【0010】
本発明の銀硫化防止材は、アスペクト比が異なる粘土を2種類以上含有することが好ましい。この場合、アスペクト比の大きい粘土間をアスペクト比が小さい粘土が埋めることによりガスのパスを長くすることができる。
【0011】
銀の硫化抑制、及び高温、高湿度の環境での銀の変色抑制の双方を高水準で両立させる観点から、銀硫化防止材は、アスペクト比が1〜80の粘土と、アスペクト比が81〜1000の粘土と、を含有することが好ましい。
【0012】
本発明はまた、銀が含まれる金属層の表面に、上記本発明に係る銀硫化防止材を塗布して銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備える銀硫化防止膜の形成方法を提供する。
【0013】
本発明の銀硫化防止膜の形成方法によれば、本発明に係る銀硫化防止材を用いることにより、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。
【0014】
上記金属層が銀めっき層であることが好ましい。この場合、硫化によって銀めっき層の光反射率が低下することを防止することができる。
【0015】
銀の硫化をより確実に防止する観点から、乾燥後の塗膜の厚さが0.005μm以上であることが好ましい。
【0016】
本発明はまた、銀めっき層を有する基板と、基板上に搭載された発光素子と、を備える発光装置の製造方法であって、銀めっき層の表面に、上記本発明に係る銀硫化防止材を塗布して銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備える発光装置の製造方法を提供する。
【0017】
本発明の発光装置の製造方法によれば、銀めっき層の表面に銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜の形成することができ、これにより耐硫化性に優れた発光装置を製造することができる。
【0018】
銀の硫化をより確実に防止する観点から、乾燥後の塗膜の厚さが0.005μm以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止材、それを用いた銀硫化防止膜の形成方法及び耐硫化性に優れた発光装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】発光装置の断面図である。
図2図1に示す発光装置の平面図である。
図3】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。
図4】実施形態に係る銀硫化防止材の塗布工程後における発光装置の断面図である。
図5】乾燥工程後における発光装置の断面図である。
図6】透明封止樹脂充填工程後における発光装置の断面図である。
図7】実施形態に係る銀硫化防止材から形成される銀硫化防止膜の構成を説明するための概念図である。
図8】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。
図9図8の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
図10】第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。
図11図10の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施形態に係る銀硫化防止材は2種類以上の粘土を含む。この銀硫化防止材には、粘土を分散させるための溶媒を含有させることができる。本実施形態の銀硫化防止材によれば、銀を含有する金属層の表面に塗布し乾燥することにより、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。金属層としては、例えば、銀めっき層が挙げられる。
【0022】
粘土としては、天然粘土及び合成粘土並びにこれらの変性物のうちの2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
天然粘土としては、例えば、カオリン、タルク−パイロフィライト、スメクタイト、バーミキュライト、雲母(マイカ)、脆雲母、及び緑泥石が挙げられる。代表的な種としては、リザーダイト、アメサイト、クリソタイル、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、タルク、パイロフィライト、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト,バイデライト、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト、金雲母、黒雲母、レピドライト、イライト、白雲母、パラゴナイト、クリントナイト、マーガライト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイトが挙げられる。
【0024】
市販品としては、クニピア(クニミネ工業(株)製、商品名、クニピアF)、湿式粉砕雲母(ヤマグチマイカ製、Yシリーズ、SAシリーズ)が挙げられる。
【0025】
合成粘土としては、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、Naテニオライト、Liテニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、及びスチーブンサイトが挙げられる。
【0026】
市販品としては、ミクロマイカ、ソマシフ(コープケミカル(株)製、商品名、MEB−3)、ルーセンタイト(コープケミカル(株)製、商品名、SWN)、膨潤性マイカゾル(トピー工業製、NTS−10、NTS−5)が挙げられる。
【0027】
合成粘土の変性物としては、例えば、市販品として、ソマシフ(コープケミカル(株)製、商品名、MAE)、及びルーセンタイト(コープケミカル(株)製、商品名、SPN)が挙げられる。
【0028】
本実施形態の銀硫化防止材は、アスペクト比が異なる粘土を2種類以上含有することが好ましい。この場合、アスペクト比の大きい粘土間をアスペクト比が小さい粘土が埋めることによりガスのパスを長くすることができる。
【0029】
アスペクト比とは結晶の平均長辺長さ/平均厚みを意味する。
【0030】
銀の硫化抑制、及び高温、高湿度の環境での銀の変色抑制の双方を高水準で両立させる観点から、銀硫化防止材は、アスペクト比が1〜80の粘土と、アスペクト比が81〜1000の粘土と、を含有することが好ましい。
【0031】
本実施形態の銀硫化防止材は、ガスバリア性を向上させる点で、例えばモンモリロナイト及びマイカなどのアスペクト比の大きい天然粘土と、例えばスチーブンサイト、サポナイト及びヘクトライトなどのアスペクト比の小さい天然若しくは合成粘土と、を含有することが好ましい。また、本実施形態の銀硫化防止材において、アスペクト比の大きい粘土とアスペクト比が小さい粘土との質量比は、1/99〜99/1であることが好ましく、10/90〜99/1であることがより好ましく、25/75〜99/1であることがさらにより好ましい。
【0032】
溶媒としては、例えば、水、水溶性液体等が挙げられる。
【0033】
水としては、例えば、超純水が使用される。超純水は、イオン性不純物が極微量含まれる水であって、電気抵抗率(比抵抗、MΩ・cm)(JIS K0552)を指標として、25℃における理論値が15MΩ・cm以上の水、好ましくは18MΩ・cm以上の水を用いることができる。
【0034】
水溶性液体としては、例えば、アルコール等の極性溶媒が挙げられ、具体的には、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジエチルアミン、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、ホルムアミド、アリルアルコール、アクリル酸、酢酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メタクリル酸、酪酸、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア水、ジエチルスルファイト等の液体を採用することができる。水溶性液体とは、1気圧において、温度20℃で同容量の純水と穏やかにかき混ぜた場合、流動が収まった後も当該混合液が均一な外観を維持するものをいう。水溶性液体は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0035】
本実施形態の銀硫化防止材は、銀の硫化を防止する観点から、乾燥後の膜厚が0.005μm以上となるように用いることが好ましい。例えば、銀めっき層の硫化を防止するには、膜厚が0.005μm以上の粘土膜が形成されるように銀硫化防止材を銀めっき層上に塗布、乾燥することが好ましい。
【0036】
本実施形態の銀硫化防止材には本発明の効果が損なわれない範囲で各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、バインダー、界面活性剤等が挙げられる。
【0037】
本実施形態の銀硫化防止材の調製方法としては、例えば、水等の溶媒に、粘土及び必要に応じて上記添加剤を加えて分散し撹拌する方法が挙げられる。撹拌は、例えば、自転・公転ミキサー、攪拌子、超音波、振震器等を用いて行うことができる。
【0038】
本実施形態の銀硫化防止材によれば、銀を含有する金属層の表面上に塗布し乾燥することにより、金属層の表面に銀硫化防止材に含有される粘土からなり、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。
【0039】
次に、本実施形態の銀硫化防止材を用いた銀硫化防止膜の形成方法及び発光素子の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0040】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する前に、図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法により製造される発光装置の構成について説明する。
【0041】
図1は、発光装置の断面図である。図2は、図1に示す発光装置の平面図である。図1及び図2に示すように、実施形態に係る発光装置1は、一般に「表面実装型」に分類されるものである。この発光装置1は、基板10と、発光素子として基板10の表面にボンディングされた青色LED30と、青色LED30を取り囲むように基板10の表面に設けられたリフレクタ20と、リフレクタ20に充填されて青色LED30を封止する透明封止樹脂40と、を備えている。なお、図2では、透明封止樹脂40の図示を省略している。
【0042】
基板10は、絶縁性の基体12の表面に銅めっき板14が配線されており、銅めっき板14の表面に銀めっき層16が形成されている。銀めっき層16は、基板10の表面に配置されて青色LED30と導通される電極となっている。なお、銀めっき層16は、銀を含むめっき層であれば如何なる組成であってもよい。例えば、銀のみをめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよく、ニッケル及び銀をこの順でめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよい。銅めっき板14及び銀めっき層16は、アノード側とカソード側とに絶縁されている。アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16との間の絶縁は、例えば、アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とを離間させ、適宜、その間に樹脂及びセラミックなどの絶縁層を挿入することにより行うことができる。
【0043】
青色LED30は、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16にダイボンドされており、ダイボンド材32を介して当該銀めっき層16と導通されている。また、青色LED30は、アノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16にワイヤボンドされており、ボンディングワイヤ34を介して当該銀めっき層16と導通されている。
【0044】
リフレクタ20は、青色LED30を封止するための透明封止樹脂40を充填させるとともに、青色LED30から発せられた光を発光装置1の表面側に反射させるものである。リフレクタ20は、青色LED30を取り囲むように基板10の表面から立設されている。すなわち、リフレクタ20には、青色LED30を取り囲むように基板10の表面10aから立ち上がって内側に青色LED30を収容する内側空間22を形成し、平面視(図2参照)において円形に形成された内周面20aと、内周面20aに隣接して内側空間22の外側に位置し、内周面20aの表側端縁から内側空間22の反対側に向けて広がる頂面20bと、頂面20bの外側端縁から基板10の表面10aに立ち下がり、平面視(図2参照)において矩形に形成された外周面20cと、を備えている。内周面20a及び外周面20cの形状は特に限定されるものではないが、発光装置1の照度向上の観点から、内周面20aは、基板10から離れるに従い拡径する円錐台形状(漏斗状)に形成することが好ましく、発光装置1の集積度向上の観点から、外周面20cは、基板10に対して垂直な四角形状に形成することが好ましい。なお、図面では、内周面20aの形成例として、基板10側に位置する下部分が基板10に対して垂直となっており、基板10の反対側に位置する上部分が基板10から離れるに従い拡径しているものを図示している。
【0045】
リフレクタ20は、白色顔料が含有された熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなっている。熱硬化性樹脂組成物は、リフレクタ20の形成容易性の観点から、熱硬化前においては室温(25℃)で加圧成型可能なものが好ましい。
【0046】
熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂等種々のものを用いることができる。特に、エポキシ樹脂は、種々の材料に対する接着性が優れるため好ましい。
【0047】
白色顔料としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン又は酸化ジルコニウムを使用することができる。これらの中でも光反射性の点から酸化チタンが好ましい。白色顔料として無機中空粒子を使用してもよい。無機中空粒子の具体例として、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス等が挙げられる。
【0048】
透明封止樹脂40は、リフレクタ20の内周面20aにより形成される内側空間22に充填されて、青色LED30を封止するものである。この透明封止樹脂40は、透光性を有する透明封止樹脂からなる。透明封止樹脂には、完全に透明な樹脂の他、半透明な樹脂も含まれる。透明封止樹脂としては、弾性率が室温(25℃)において1MPa以下のものが好ましい。特に、透明性の点からシリコーン樹脂又はアクリル樹脂を採用することが好ましい。透明封止樹脂は、光を拡散する無機充填材や青色LED30から発せられる青色光を励起源として白色光とする蛍光体42を更に含有してもよい。
【0049】
そして、本実施形態に係る発光装置1は、銀めっき層16が銀硫化防止膜50により被覆されており、透明封止樹脂40とリフレクタ20とが接合されている。
【0050】
銀硫化防止膜50は、銀めっき層16を被覆することにより銀めっき層16の硫化を抑制するものであり、上述した本実施形態の銀硫化防止材から形成されている。銀硫化防止材が粘土としてモンモリロナイトやスチーブンサイトのような層状化合物を含む場合には、図7に示すように、ガスのパスルートが長くガスバリア性に優れる膜が形成される。
【0051】
銀硫化防止膜50の膜厚は、0.005μm以上500μm以下であることが好ましく、0.01μm以上500μm以下であることが更に好ましく、0.05μm以上100μm以下であることが好ましく、0.05μm以上10μm以下、0.05μm以上1μm以下であることが更に好ましい。銀硫化防止膜50の膜厚を0.005μm以上500μm以下とすることで、銀めっき層14に対するガスバリア性と銀硫化防止膜50の透明性とを両立させることができる。この場合、銀硫化防止膜50の膜厚を0.01μm以上500μm以下、0.01μm以上100μm以下、0.01μm以上10μm以下、0.01μm以上1μm以下にすることで、この効果を更に向上させることができる。
【0052】
次に、第1の実施形態に係る発光装置1の製造方法について説明する。
【0053】
図3は、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図3に示すように、発光装置の製造方法では、まず、基板準備工程(ステップS101)として、表面に銅めっき板14が配線された絶縁性の基体12を準備し、銀めっき層形成工程(ステップS102)として、銅めっき板14の表面に銀めっき層16を形成する。
【0054】
次に、リフレクタ形成工程(ステップS103)として、基板10の表面にリフレクタ20を形成し、チップ搭載工程(ステップS104)として、基板10に青色LED30を搭載する。青色LED30の基板10への搭載は、リフレクタ20で囲まれた内側空間22において、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングすることにより行う。これにより、青色LED30がダイボンド材32を介してアノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16と導通されるとともに、青色LED30がリフレクタ20に取り囲まれて内側空間22に収容された状態となる。
【0055】
次に、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS105)として、銀めっき層16に本実施形態の銀硫化防止材を塗布して銀めっき層16を銀硫化防止材で覆う。
【0056】
銀硫化防止材の塗布工程(ステップS105)における銀硫化防止材の塗布は、例えば、基板10の表面側から、銀硫化防止材を内側空間22に滴下又は散布することにより行う。このとき、少なくとも銀めっき層16の全てが銀硫化防止材Lで覆われるように、銀硫化防止材の滴下量又は散布量を調節する。この場合、例えば、図4の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てが銀硫化防止材Lで覆われるように、銀硫化防止材Lを内側空間22に滴下又は散布してもよく、図4の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とが銀硫化防止材Lで覆われるように、銀硫化防止材Lを内側空間22に滴下又は散布してもよい。
【0057】
次に、乾燥工程(ステップS106)として、銀めっき層16に塗布した銀硫化防止材の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜50を形成する。
【0058】
乾燥工程は、溶媒が揮発する温度で行うことができ、例えば、溶媒して水を用いる場合、30℃以上80℃以下の温度範囲とすることが好ましく、30℃以上70℃以下の温度範囲とすることがより好ましく、30℃以上60℃以下の温度範囲とすることがさらにより好ましい。この温度域を保つ時間は、例えば、1分以上とすることができ、優れた成膜性を得る観点から、5分以上1日以下とすることが好ましく、工程短時間化の観点から、5分以上30分以下とすることがより好ましい。
【0059】
溶媒が水とアルコールとを含む場合の乾燥工程は、例えば、30℃以上80℃以下の温度範囲とすることが好ましく、35℃以上80℃以下の温度範囲とすることがより好ましく、40℃以上80℃以下の温度範囲とすることがさらにより好ましい。この温度域を保つ時間は、例えば、1分以上とすることができ、優れた成膜性を得る観点から、5分以上30分以下とすることが好ましく、工程短時間化の観点から、5分以上15分以下とすることがより好ましい。
【0060】
このようにして乾燥工程を行うことで、図4の(a)に示した粘土希釈液Lは、図5の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てを被覆する銀硫化防止膜50となり、図4の(b)に示した粘土希釈液Lは、図5の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とを被覆する銀硫化防止膜50となる。
【0061】
本実施形態においては上記の乾燥工程の後に150℃、30分の条件で銀硫化防止膜50を十分に乾燥することが好ましい。これにより、粘土の層間を狭めることによる銀硫化防止性の更なる向上効果を得ることができる。
【0062】
図3に示すように、乾燥工程(ステップS106)が終了すると、次に、ワイヤボンディング工程(ステップS107)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、青色LED30及び銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るようにワイヤの両端を青色LED30と銀めっき層16とにボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。なお、銀硫化防止膜50の突き破りは、例えば、銀硫化防止膜50の層厚を調節することや、ワイヤボンディングを行うボンディングヘッドの荷重を調節することや、このボンディングヘッドを振動させることなどにより行うことができる。
【0063】
次に、透明封止樹脂充填工程(ステップS108)として、リフレクタ20の内周面20aにより形成される内側空間22に、蛍光体42が含有された透明封止樹脂40を充填する。これにより、青色LED30及び銀めっき層16が透明封止樹脂40(透明封止部)により封止される。
【0064】
このようにして透明封止樹脂充填工程を行うことで、図5の(a)に示した発光装置1は、図6の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てが銀硫化防止膜50で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1となり、図5の(b)に示した発光装置1は、図6の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とが銀硫化防止膜50で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1となる。
【0065】
このように、第1の実施形態に係る発光装置1の製造方法によれば、本実施形態の銀硫化防止材で銀めっき層16を覆ったのち、銀硫化防止材の塗膜を乾燥させることで、銀硫化防止材に含まれる粘土が積層した銀硫化防止膜50が形成され、銀めっき層16が銀硫化防止膜50で被覆される。これにより、銀めっき層16を適切に被覆できる銀硫化防止膜50を形成することができる。
【0066】
発光装置1に設けられたリフレクタ20の内側空間22に本実施形態の銀硫化防止材を滴下又は散布することで、容易に銀めっき層を覆う銀硫化防止膜を形成することができる。
【0067】
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基本的に第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様であるが、工程の順序のみ第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様の部分の説明を省略する。
【0068】
図8は、第2の実施形態における発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図9は、図8の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
【0069】
図8に示すように、第2の実施形態に係る発光装置1の製造方法は、まず、第1の実施形態と同様に、基板準備工程(ステップS201)、銀めっき層形成工程(ステップS202)及びリフレクタ形成工程(ステップS203)をこの順序で行う。なお、基板準備工程(ステップS201)、銀めっき層形成工程(ステップS202)及びリフレクタ形成工程(ステップS203)は、第1の実施形態の基板準備工程(ステップS101)、銀めっき層形成工程(ステップS102)及びリフレクタ形成工程(ステップS103)と同様である。
【0070】
次に、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS204)として、銀めっき層16に本実施形態の銀硫化防止材を塗布して銀めっき層16を銀硫化防止材で覆う。
【0071】
次に、乾燥工程(ステップS205)として、銀めっき層16に塗布した銀硫化防止材の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜50を形成する。なお、乾燥工程(ステップS205)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
【0072】
次に、チップ搭載工程(ステップS206)として、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングする。このとき、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るように青色LED30を銀めっき層16にボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。
【0073】
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS207)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は銀硫化防止膜50で被覆されているため、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るようにワイヤの一端を銀めっき層16にボンディングする。一方、青色LED30は銀硫化防止膜50で被覆されていないため、ボンディングワイヤ34の他端は、通常通り青色LED30にボンディングすることができる。これにより、青色LED30と銀めっき層16とが導通される。
【0074】
次に、ステップS208として透明封止樹脂充填工程を行う。
【0075】
このように、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀硫化防止材の塗布工程及び乾燥工程を経てからチップ搭載工程を行うことで、図9に示すように、青色LED30が銀硫化防止膜50で被覆されない発光装置1を製造することができる。これにより、ワイヤボンディング工程において、ボンディングワイヤ34の一端を青色LED30にボンディングする際に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法のように、銀硫化防止膜50を突き破る必要がなくなる。
【0076】
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基本的に第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様であるが、工程の順序のみ第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様の部分の説明を省略する。
【0077】
図10は、第3の実施形態における発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図11は、図10の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
【0078】
図10に示すように、第3の実施形態に係る発光装置1の製造方法は、まず、第1の実施形態と同様に、基板準備工程(ステップS301)及び銀めっき層形成工程(ステップS302)をこの順序で行う。なお、基板準備工程(ステップS301)及び銀めっき層形成工程(ステップS302)は、第1の実施形態の基板準備工程(ステップS101)及び銀めっき層形成工程(ステップS102)と同様である。
【0079】
次に、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS303)として、銀めっき層16に本実施形態の銀硫化防止材を塗布して銀めっき層16を銀硫化防止材で覆う。このとき、作業性の観点から、銀硫化防止材を銀めっき層16が形成されている基板10の表面全体に塗布することが好ましいが、銀めっき層16のみを覆うように銀硫化防止材を塗布してもよい。
【0080】
次に、乾燥工程(ステップS304)として、銀めっき層16に塗布した銀硫化防止材の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜50を形成する。なお、乾燥工程(ステップS304)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
【0081】
次に、リフレクタ形成工程(ステップS305)として、基板10の表面にリフレクタ20を形成する。このとき、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS303)で基板10の表面全体に銀硫化防止材を塗布した場合は、基板10の表面を被覆している銀硫化防止膜50の表面にリフレクタ20を形成する。
【0082】
次に、チップ搭載工程(ステップS306)として、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングする。このとき、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るように青色LED30を銀めっき層16にボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。
【0083】
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS307)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は銀硫化防止膜50で被覆されているため、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るようにワイヤの一端を銀めっき層16にボンディングする。一方、青色LED30は銀硫化防止膜50で被覆されていないため、ボンディングワイヤ34の他端は、通常通り青色LED30にボンディングすることができる。これにより、青色LED30と銀めっき層16とが導通される。
【0084】
次に、ステップS308として透明封止樹脂充填工程を行う。
【0085】
このように、第3の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀硫化防止材の塗布工程及び乾燥工程を経てからリフレクタ形成工程及びチップ搭載工程を行うことで、図11に示すように、青色LED30が銀硫化防止膜50で被覆されない発光装置1を製造することができる。これにより、ワイヤボンディング工程において、ボンディングワイヤ34の一端を青色LED30にボンディングする際に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法のように、銀硫化防止膜50を突き破る必要がなくなる。
【0086】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0087】
また、上記実施形態では、発光装置1にボンディングする発光ダイオードとして、青色の光を発生する青色LED30を採用するものとして説明したが、青色以外の光を発生する発光ダイオードを採用するものとしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態の発光装置1は、青色LED30を取り囲むリフレクタ20を備えるものとして説明したが、このようなリフレクタ20を備えないものとしてもよい。
【0089】
本実施形態の銀硫化防止材によれば、銀の硫化防止性に優れた銀硫化防止膜を形成できることから、蛍光体として従来から使用されている、YS:Eu(赤)、ZnS:Cu(緑)、ZnS:Ag(青)、特開平8−085787号公報に示される化合物等の硫黄含有化合物が用いられた発光装置であっても十分な硫化防止性を得ることができる。
【0090】
本実施形態の銀硫化防止材は、上述した発光装置以外に、例えば、銀を含有する反射防止膜を備えるプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等にも適用することができる。
【実施例】
【0091】
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0092】
(実施例1)
容器内に、超純水58.81g、モンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアF、アスペクト比100〜150)の粉末0.18g、及びスチーブンサイト(クニミネ工業(株)、スメクトン、アスペクト比60〜80)の粉末0.02gを入れ、容器を手で振って撹拌した。この容器内にイソプロパノール39.2gを更に加えた後、自転・公転ミキサーを用いて2000rpmで20分混合し、次いで2200rpmで10分脱泡を行い、アスペクト比が異なる2種類の粘土の混合液(質量比9:1)を銀硫化防止材として得た。
【0093】
(実施例2)
容器内に、超純水58.81g、モンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアF、アスペクト比100〜150)の粉末0.10g、及びスチーブンサイト(クニミネ工業(株)、スメクトン、アスペクト比60〜80)の粉末0.10gを入れた以外は実施例1と同様にして、アスペクト比が異なる2種類の粘土の混合液(質量比5:5)を銀硫化防止材として得た。
【0094】
(実施例3)
容器内に、超純水58.81g、モンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアF、アスペクト比100〜150)の粉末0.02g、及びスチーブンサイト(クニミネ工業(株)、スメクトン、アスペクト比60〜80)の粉末0.18gを入れた以外は実施例1と同様にして、アスペクト比が異なる2種類の粘土の混合液(質量比1:9)を銀硫化防止材として得た。
【0095】
(比較例1)
容器内に、超純水58.81g及びモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアF、アスペクト比100〜150)の粉末0.20gを入れ、容器を手で振って撹拌した。この容器内にイソプロパノール39.2gを更に加えた後、自転・公転ミキサーを用いて2000rpmで20分混合し、自転・公転ミキサーを用いて2000rpmで20分混合し、次いで2200rpmで10分脱泡を行い、アスペクト比の大きい粘土のみを含む銀硫化防止材を得た。
【0096】
(比較例2)
容器内に、超純水58.81g及びスメクトン(クニミネ工業(株)製、SWN、アスペクト比50)の粉末0.20gを入れた以外は比較例1と同様にして、銀硫化防止材を得た。
【0097】
[銀硫化防止性の評価]
銅板上に銀めっき層が設けられたLED用リードフレームである「TOP LED OP4」(エノモト(株)製)に、マイクロピペッターで銀硫化防止材を3μl、1回滴下した。恒温槽内に銀硫化防止材を滴下したリードフレームを入れ、50℃で10分乾燥した。乾燥後、恒温槽の温度を150℃に上げて30分間加熱し、試験サンプルを得た。
【0098】
密閉可能なガラス瓶内に、硫黄粉末(0.5g)を入れたアルミ製カップを置き、このカップの上にステンレス製の金網を載せた。次に、試験サンプルを、金網の上に銀硫化防止材を滴下した側を上にしてサンプル同士が重ならないようにして置いた。ガラス瓶を密閉した後、100℃で2時間及び4時間それぞれ保存した。ガラス瓶から試験サンプルを取り出し、硫化防止性を光学顕微鏡で観察し、試験前後で銀めっき面の変色が全くない場合を「○」、硫化により銀めっき面が一部変色した場合を「△」、全部変色した場合を「×」とした。
【0099】
【表1】

【符号の説明】
【0100】
1…発光装置、10…基板、10a…基板の表面、12…基体、14…銅めっき板、16…銀めっき層、20…リフレクタ(光反射部)、20a…内周面、20b…頂面、20c…外周面、22…内側空間、30…青色LED(青色発光ダイオード)、32…ダイボンド材、34…ボンディングワイヤ、40…透明封止樹脂(透明封止部)、42…蛍光体、50…銀硫化防止膜、L…銀硫化防止材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11