(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光配線基板、及びその光配線基板を備えた光モジュールの一構成例を示す平面図である。
【0015】
(光モジュール1の構成)
この光モジュール1は、光配線基板3と、光配線基板3の実装面3aにフリップチップ実装された光電変換素子11と、光電変換素子11に電気的に接続された半導体回路素子12とを備えている。
【0016】
光電変換素子11は、本体部110に、複数(本実施の形態では3個)のパッド電極111が設けられている。複数のパッド電極111は、それぞれ光配線基板3の実装面3aに形成された光電変換素子用配線パターン301に電気的に接続されている。光電変換素子11は、光電変換素子用配線パターン301の一部に形成された反射面301aに対向する位置に実装されている。
【0017】
本実施の形態では、光電変換素子11は、光ファイバ5の長手方向に対して平行な方向の寸法が、例えば350μmであり、光ファイバ5の長手方向に対して垂直な方向の寸法が、例えば250μmである。
【0018】
光電変換素子11は、電気信号を光信号に変換し、又は光信号を電気信号に変換する素子である。前者の例としては、半導体レーザ素子やLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)等の発光素子が挙げられる。また、後者の例としては、フォトダイオード等の受光素子が挙げられる。光電変換素子11は、光配線基板3の実装面3a側に設けられた受発光部112から、光配線基板3に対して垂直な方向に光を出射又は入射するように構成されている。
【0019】
半導体回路素子12は、光配線基板3の実装面3aにフリップチップ実装され、本体部120に、複数(本実施の形態では10個)のパッド電極121が設けられている。複数のパッド電極121は、それぞれ光配線基板3の実装面3aに形成された半導体回路素子用配線パターン302に電気的に接続されている。複数のパッド電極121のうち信号伝送用の1つのパッド電極121aは、光電変換素子用配線パターン301に接続され、これにより半導体回路素子12と光電変換素子11とが電気的に接続されている。
【0020】
光電変換素子11が電気信号を光信号に変換する素子である場合、半導体回路素子12は、光電変換素子11を駆動するドライバICである。光電変換素子11が光信号を電気信号に変換する素子である場合、半導体回路素子12は、光電変換素子11から入力される信号を増幅する受信ICである。
【0021】
なお、光配線基板3には、光電変換素子11及び半導体回路素子12の他に、コネクタやIC(Integrated Circuit)、あるいは能動素子(トランジスタ等)や受動素子(抵抗器、コンデンサ等)などの電子部品を実装してもよい。
【0022】
光ファイバ5は、その先端面が、光電変換素子用配線パターン301に形成された反射面301aに対して対向するように配置され、光配線基板3の実装面3aの上方から押え部材4によって押えられている。
【0023】
(光配線基板3の構成)
図2は、
図1のA−A線断面図である。
図3(a)は、
図1のB−B線断面図、
図3(b)は
図3(a)のC部拡大図である。
【0024】
光ファイバ5は、コア51及びクラッド52を有している。本実施の形態では、光ファイバ5は、コア51の直径が例えば50μmであり、クラッド52の径方向の厚みが例えば37.5μmである。すなわち、光ファイバ5の直径(コア51及びクラッド52を合わせた直径)は125μmである。
【0025】
光配線基板3は、樹脂からなる絶縁体層33と、絶縁体層33の第1の主面33aに積層され、光ファイバ5の光軸に対して傾斜した傾斜面310aを有する金属からなる第1の導体層31と、絶縁体層33を挟んで第1の導体層31と平行に配置される支持基板層としての第2の導体層32とを備えている。絶縁体層33は、第1の導体層31と第2の導体層32との間に介在し、本実施の形態では、第1の導体層31と第2の導体層32との間を絶縁している。
【0026】
第1の導体層31は、例えば銅等の良電導性の金属からなり、その厚みは例えば40〜80μmである。本実施の形態では、
図3(b)に示すように、第1の導体層31の表面31aに、ニッケル(Ni)からなるNiメッキ層312及び金(Au)からなる金メッキ層313が積層されている。同様にして、第1の導体層31に形成された傾斜面310aについても、その表面にNiメッキ層312及び金メッキ層313が積層されている。反射面301aは、金メッキ層313の最表面に形成されている。
【0027】
第1の導体層31には、光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302が形成され、光電変換素子用配線パターン301の一部に、傾斜面310a(反射面301a)が形成されている。この傾斜面310a(反射面301a)は、光ファイバ5のコア51に対向する位置に形成されている。
【0028】
図3(a)に示すように、反射面301aは、光ファイバ5(コア51)から光が出射されたとき、その出射光を光電変換素子11側に反射する。光電変換素子11が受光素子である場合、反射面301aで反射した光は、光電変換素子11の本体部110に設けられた受発光部112から光電変換素子11内に入射し、光電変換素子11は、この入射光による光信号を電気信号に変換する。
【0029】
また、光電変換素子11が発光素子である場合、光電変換素子11は、半導体回路素子12から出力される電気信号を光信号に変換し、この光信号を表す光を受発光部112から出射する。この出射光は、反射面301aで光ファイバ5先端面5a側に反射されてコア51内に入射し、光ファイバ5内を伝搬する。
図3(a)では、光ファイバ5を伝搬媒体とする光の光路Lを一点鎖線で示している。
【0030】
絶縁体層33は、例えばポリイミド等の樹脂からなる。
図3(b)に示すように、絶縁体層33は、厚み方向における寸法t
1が光ファイバ5のクラッド52の径方向における厚さ寸法t
2の0.8倍以上1.2倍以下である(0.8×t
1≦t
2≦1.2×t
1)。本実施の形態では、絶縁体層33の厚み方向における寸法は、例えば38μmである。
【0031】
光配線基板3には、光ファイバ5の長手方向に沿って延びて光ファイバ5の少なくとも一部を収容する収容部300が、第1の導体層31及び絶縁体層33の厚み方向の全体に亘って形成されている。この収容部300の一端(終端)における絶縁体層33には、光ファイバ5のクラッド52に対向する端面33cが形成されている。
【0032】
第2の導体層32は、例えば銅等の良電導性の金属からなり、収容部300に収容された光ファイバ5を支持する支持面300aを有している。より具体的には、収容部300は、第1の導体層31及び絶縁体層33の厚み方向の全体に亘って貫通し、第2の導体層32の裏面32bが露出している。したがって、第2の導体層32の裏面32bは、その一部が、収容部300の支持面300aとして形成される。なお、第1の導体層31と同様にして、第2の導体層32についても、配線パターンを形成してもよい。
【0033】
図2に示すように、収容部300は、第1の導体層31の上方から押え部材4によって覆われ、光ファイバ5は、収容部300内に充填される接着剤等により固定される。本実施の形態では、光ファイバ5のクラッド52の外周面が、収容部300の内面に接触している。
【0034】
(光配線基板3の製造方法)
次に、
図4を参照して光配線基板3の製造方法を説明する。
【0035】
図4(a)〜(d)は、光配線基板3の収容部300及びその周辺部における形成過程を示す断面図である。
【0036】
光配線基板3の製造工程は、絶縁体層33の第1の主面33aに第1の導体層31を形成すると共に、絶縁体層33の第2の主面33bに第2の導体層32を形成する第1工程と、第1の導体層31の一部を除去して配線パターン(光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302)を形成すると共に、収容部300となる凹部311を形成する第2工程と、第1の導体層31に傾斜面310aを形成する第3工程と、凹部311の底面にあたる絶縁体層33を厚さ方向の全体に亘って第2の導体層32に至るまで除去することにより収容部300を形成すると共に、光ファイバ5のクラッド52に対向する端面33cを形成する第4工程と、第1の導体層31、第2の導体層32、及び傾斜面310aにNiメッキ層312及び金メッキ層313を積層する第5工程とを有している。以下、第1〜第5工程について、より詳細に説明する。
【0037】
第1工程では、
図4(a)に示すように、絶縁体層33の第1の主面33aの全体に第1の導体層31を、絶縁体層33の第2の主面33bの全体に第2の導体層32を、例えば接着、蒸着、又は無電解メッキによってそれぞれ形成する。本実施の形態では、第1の導体層31及び第2の導体層32が、主として良電導性を有する銅(Cu)からなる。
【0038】
第2工程では、
図4(b)に示すように、エッチングによって第1の導体層31の一部を除去し、光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302を形成すると共に、収容部300となる凹部311を形成する。より具体的には、第1の導体層31の除去部分310に対応する部分及び凹部311に対応する部分以外にレジストを塗布し、レジストが塗布されていない部分の第1の導体層31をエッチングによって溶解させる。これにより、除去部分310及び凹部311に対応する第1の導体層31が溶解し、光電変換素子用配線パターン301、半導体回路素子用配線パターン302、及び凹部311に対応する第1の導体層31のみが残る。
【0039】
なお、本工程において、第1の導体層31と同様に、エッチングによって第2の導体層32の一部を除去して、第2の導体層32に配線パターンを形成してもよい。
【0040】
第3工程では、
図4(c)に示すように、第1の導体層31の表面31aから裏面31bに向かって第1の導体層31を斜めに切削することにより、傾斜面310aを形成する。
【0041】
第4工程では、
図4(d)に示すように、凹部311の底面にあたる絶縁体層33の第1の主面33aに対して垂直な方向からレーザ光を照射する。このレーザ光として、より具体的には、例えばエキシマレーザやUVレーザ(紫外線レーザ)を用いることができる。レーザ光の照射によって、光ファイバ5を収容する収容部300が形成されると共に、収容部300の終端における端面33cが、絶縁体層33に形成される。このレーザ光の強度は、絶縁体層33を照削(光を照射して削ること)し得る強度であるが、第2の導体層32は照削しない強度である。したがって、第2の導体層32の裏面32bは、このレーザ光の照射によって除去されずに残った部分が、収容部300の支持面300aとして形成される。本実施の形態では、端面33cは、収容部300の支持面300a(第2の導体層32の裏面32b)に対して垂直となるように形成されており、収容部300に光ファイバ5を挿入する際の位置決めとなっている。
【0042】
第5工程では、第1の導体層31の表面31a、傾斜面310a、及び第2の導体層32の表面32aに、ニッケル(Ni)や金(Au)等のメッキを施して、Niメッキ層312及び金メッキ層313を形成する。このニッケル(Ni)メッキ及び金(Au)メッキ等は、例えば無電解メッキによって行うことができる。金メッキ層313の最表面に、反射面301aを形成する。
【0043】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0044】
(1)光配線基板3は、絶縁体層33に、光ファイバ5のクラッド52に対向する端面33cが形成されると共に、第1の導体層31の反射面301aが、光ファイバ5のコア51に対向する位置に形成されているため、光ファイバ5における直径の大きさを第1の導体層31の厚みに合わせる必要がない。つまり、光ファイバ5は、絶縁体層33の厚み方向における少なくとも一部が除去されて形成された収容部300にクラッド52を含む一部が収容され、反射面301aを有する第1の導体層31は絶縁体層33に積層されているため、第1の導体層31の厚みがコア51の直径及びクラッド52の厚みよりも薄くとも、コア51の先端面に反射面301aを対向させることができる。これにより、より細い光ファイバ5を選択することなく、第1の導体層31の厚みを薄くすることが可能である。
【0045】
(2)配線基板3には、光ファイバ5の長手方向に沿って延びて光ファイバ5の少なくとも一部を収容する収容部300が、第1の導体層31及び絶縁体層33の厚み方向の全体に亘って形成され、収容部300の長手方向の一端(終端)における絶縁体層33に端面33cが形成されているため、絶縁体層33の厚みを利用して、光ファイバ5における第1の導体層31に対向する部分を小さくすることができる。したがって、光モジュール1をより薄型化することができる。
【0046】
(3)光配線基板3は、絶縁体層33の第1の主面33aに第1の導体層31が積層されていると共に、絶縁体層33の第2の主面33bに第2の導体層32が積層されているため、光配線基板3の両面(裏表面)に対して配線パターンを形成することができ、配線の取り回しを容易にすることが可能である。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、
図5及び
図6を参照して説明する。本実施の形態に係る光配線基板3Aは、絶縁体層33A及び第1の導体層31からなり、第1の実施の形態の光配線基板3の構成とは異なり、第2の導体層32を有していない。
図5及び
図6において、第1の実施の形態に係る光配線基板3について説明したものと同一の機能を有する部位については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0048】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光配線基板3A、及びその光配線基板3Aを備えた光モジュール1Aの構成例を示し、(a)は断面図、(b)は(a)のD部拡大図である。
【0049】
本実施の形態に係る光配線基板3Aの絶縁体層33Aには、光ファイバ5の少なくとも一部を収容する収容溝300Aが、光ファイバ5の長手方向に沿って形成され、光ファイバ5は、収容溝300Aの底面300Aaで支持されている。すなわち、絶縁体層33Aは、収容溝300Aに対応する部分においてその厚み方向の全体に亘って貫通せず、一部が底面300Aaとして残っている。収容溝300Aの長手方向の一端(終端)には、端面33Acが底面300Aaに対して垂直となるように形成されている。端面33Acは、収容溝300Aに収容される光ファイバ5のクラッド52に対向する位置に形成されている。第1の導体層31に形成された傾斜面310aは、光ファイバ5のコア51に対向している。
【0050】
図6(a)〜(d)は、第2の実施の形態に係る光配線基板3Aの収容溝300A及びその周辺部における形成過程を示す断面図である。
【0051】
本実施の形態に係る光配線基板3Aの製造工程は、絶縁体層33Aの第1の主面33Aaに第1の導体層31を形成する第1工程と、第1の導体層31の一部を除去して配線パターン(光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302)を形成すると共に、収容溝300Aとなる凹部311を形成する第2工程と、第1の導体層31に傾斜面310aを形成する第3工程と、凹部311の底面にあたる絶縁体層33Aを除去して光ファイバ5を収容する収容溝300Aを形成すると共に、収容溝300Aの一端(終端)に光ファイバ5のクラッド52に対向する端面33Acを形成する第4工程と、第1の導体層31、第2の導体層32、及び傾斜面310aにNiメッキ層312及び金メッキ層313を積層する第5工程とを有する。以下、第1〜第5工程について、より詳細に説明する。
【0052】
本実施の形態の第1工程では、
図6(a)に示すように、絶縁体層33Aの第1の主面33Aaの全体に第1の導体層31を、例えば接着、蒸着、又は無電解メッキによって形成する。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第1の導体層31は主として良電導性を有する銅(Cu)からなる。
【0053】
第2工程では、
図6(b)に示すように、エッチングによって第1の導体層31の一部を除去し、光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302を形成すると共に、収容溝300Aとなる凹部311を形成する。第1の実施の形態の第2工程と同様に、第1の導体層31の除去部分310に対応する部分及び凹部311に対応する部分以外にレジストを塗布し、レジストが塗布されていない部分の第1の導体層31をエッチングによって溶解させる。これにより、除去部分310及び凹部311に対応する第1の導体層31が溶解し、光電変換素子用配線パターン301、半導体回路素子用配線パターン302、及び凹部311に対応する第1の導体層31のみが残る。
【0054】
第3工程では、第1の実施の形態の第3工程と同様にして、
図6(c)に示すように、第1の導体層31の表面31aから裏面31bに向かって第1の導体層31を斜めに切削することにより、傾斜面310aを形成する。
【0055】
第4工程では、
図6(d)に示すように、凹部311の底面にあたる絶縁体層33Aの第1の主面33Aaに対して垂直な方向からレーザ光を照射する。レーザ光の照射によって、光ファイバ5を収容する収容溝300A及び端面33Acが、絶縁体層33Aに形成される。本実施の形態のレーザ光の強度は、絶縁体層33Aにおける厚さ方向の一部を照削(光を照射して削ること)し得る強度であり、絶縁体層33Aは、厚さ方向の全体に亘って照削されない。したがって、絶縁体層33Aには、このレーザ光の照射によって除去されずに残った部分が収容溝300Aの底面300Aaとして形成される。
【0056】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にして、絶縁体層33Aの裏面33Abに第2の導体層32を積層し、配線パターンを形成してもよい。
【0057】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の(1)〜(3)の作用及び効果と同様の作用及び効果が得られる。
【0058】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0059】
[1]樹脂からなる絶縁体層(33,33A)と、前記絶縁体層(33,33A)に積層され、光ファイバ(5)の光軸に対して傾斜した傾斜面(310a)を有する金属からなる第1の導体層(31)とを備え、前記絶縁体層(33,33A)は、前記光ファイバ(5)のクラッド(52)に対向する端面(33c,33Ac)を有し、前記第1の導体層(31)の前記傾斜面(310a)は、前記光ファイバ(5)のコア(51)に対向する位置に形成された光配線基板(3,3A)。
【0060】
[2]前記光ファイバ(5)の長手方向に沿って延びて前記光ファイバ(5)の少なくとも一部を収容する収容部(300)が、前記第1の導体層(31)及び前記絶縁体層(33)の厚み方向の全体に亘って形成され、前記収容部(300)に収容される前記光ファイバ(5)を支持する支持面(300A)を有し、前記絶縁体層(33)を挟んで前記第1の導体層(31)と平行に配置される支持基板層(第2の導体層32)をさらに備え、前記収容部(300)の前記長手方向の一端に前記端面(33c,33Ac)が形成されている、[1]に記載の光配線基板(3)。
【0061】
[3]前記絶縁体層(33)は、その厚み方向における寸法が前記光ファイバ(5)のクラッド(52)の径方向における厚さ寸法の0.8倍以上1.2倍以下である、[1]又は[2]に記載の光配線基板(3)。
【0062】
[4]前記支持基板層は、金属からなる第2の導体層(32)である、[2]又は[3]に記載の光配線基板(3)。
【0063】
[5]前記絶縁体層(33A)には、前記光ファイバ(5)の少なくとも一部を収容する収容溝(300A)が前記光ファイバ(5)の長手方向に沿って形成され、前記光ファイバ(5)は、前記収容溝(300A)の底面(300Aa)で支持されている、[1]に記載の光配線基板(3A)。
【0064】
[6][1]乃至[5]の何れか1項に記載の光配線基板(3,3A)と、前記光配線基板(3,3A)に実装された光電変換素子(11)とを備えた光モジュール(1)。
【0065】
[7][1]に記載の光配線基板(3,3A)の製造方法であって、前記絶縁体層(33,33A)の表面(33a,33Aa)に前記第1の導体層(31)を形成する工程と、前記第1の導体層(31)の一部を除去して配線パターン(光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302)を形成する工程と、前記第1の導体層(31)に前記傾斜面(310a)を形成する工程と、前記絶縁体層(33)の一部を除去して前記端面(33c,33Ac)を形成する工程とを有する光配線基板(3,3A)の製造方法。
【0066】
[8][2]乃至[4]の何れか1項に記載の光配線基板(3)の製造方法であって、前記絶縁体層(33)の表面(33a)に前記第1の導体層(31)を形成すると共に、前記絶縁体層(33)の裏面(33b)に前記支持基板層(第2の導体層32)を形成する工程と、前記第1の導体層(31)の一部を除去して配線パターン(光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302)を形成すると共に、前記収容部(300)となる凹部(311)を形成する工程と、前記第1の導体層(31)に前記傾斜面(310a)を形成する工程と、前記凹部(311)の底面にあたる前記絶縁体層(33)を厚さ方向の全体に亘って前記支持基板層(第2の導体層32)に至るまで除去することにより前記収容部(300)を形成すると共に、前記光ファイバ(5)のクラッド(52)に対向する前記端面(33c)を形成する工程とを有する光配線基板(3)の製造方法。
【0067】
[9][5]に記載の光配線基板(3A)の製造方法であって、前記絶縁体層(33A)の表面(33Aa)に前記第1の導体層(31)を形成する工程と、前記第1の導体層(31)の一部を除去して配線パターン(光電変換素子用配線パターン301及び半導体回路素子用配線パターン302)を形成すると共に、前記収容溝(300A)となる凹部(311)を形成する工程と、前記第1の導体層(31)に前記傾斜面(310a)を形成する工程と、前記凹部(311)の底面にあたる前記絶縁体層(33A)を除去して前記収容溝(300A)を形成すると共に、前記収容溝(300A)の一端に前記光ファイバ(5)のクラッド(52)に対向する前記端面(33Ac)を形成する工程とを有する光配線基板(3A)の製造方法。
【0068】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0069】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、光配線基板3に一つの収容部300,収容溝300A及び光モジュール1,1Aを形成した場合について説明したが、これに限らず、光配線基板3に複数の収容部300、収容溝300A及び光モジュール構造を形成してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、第1の導体層31及び第2の導体層32が銅(Cu)である場合について説明したが、これに限らず、第1の導体層31及び第2の導体層32の一部又は全部が例えばアルミニウム(Al)であってもよい。また、メッキ層における材質も、上記したものに限らない。絶縁体層33,33Aの材質も、ポリイミドに限らず、例えばPET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタラート)であってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、レーザ光を絶縁体層33,33Aに垂直に照射して収容部300,収容溝300A及び端面33c,33Acを形成したが、これに限らず、レーザ光の透過率が調節されたシャドーマスクやダイシング等の機械加工によって形成してもよい。機械加工の場合、レーザ光による加工よりも低コストで収容部300,収容溝300A及び端面33c,33Acを形成することが可能である。
【0072】
また、上記第1の実施の形態では、支持基板層として第2の金属層32を用いたが、これに限らず、第2の金属層32に替えて、例えば樹脂等の絶縁材料からなる板状の部材を支持基板層として用いてもよい。