特許第6052150号(P6052150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052150
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   H04L12/28 200M
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-254532(P2013-254532)
(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-115666(P2015-115666A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100108279
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100113642
【弁理士】
【氏名又は名称】菅田 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100147430
【弁理士】
【氏名又は名称】坂次 哲也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 裕太
【審査官】 角田 慎治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0272113(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0127853(US,A1)
【文献】 特開2014−195147(JP,A)
【文献】 特開2014−96682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/26、12/50−12/955
H04L 12/28
H04L 12/40−12/417
H04L 12/42−12/437
H04L 12/44−12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部との間でフレームの通信を行う複数のラインカードと、
前記複数のラインカード間でのフレームの中継を担う第1および第2ファブリックカードと、
を備える中継装置であって、
前記複数のラインカードのそれぞれは、
外部ポートと、
前記外部ポートでフレームを受信した際に、アドレステーブルの学習と、前記アドレステーブルに基づく前記フレームの宛先検索を行うフレーム処理部と、
自身のラインカードと前記第1および第2ファブリックカードとの間のそれぞれの疎通性を監視し、前記第1ファブリックカードとの間の疎通性に異常が生じた場合、前記異常の検出と、前記異常の検出に伴い前記第1ファブリックカードに向けて送信されるフレームが前記第2ファブリックカードに向かうように切り替える設定と、を第1期間内に行うファブリック経路監視部と、
前記ファブリック経路監視部の設定に基づきファブリックカードを選択し、当該選択したファブリックカードにフレームを送信する経路選択部と、
テスト用フレームを第2期間毎に生成し、前記生成したテスト用フレームを前記経路選択部を介して前記経路選択部で選択されるファブリックカードに送信し、当該ファブリックカードで折り返されたテスト用フレームを受信する疎通性テスト部と、
を有し、
前記第2期間は、前記第1期間よりも長く、
前記疎通性テスト部は、1回目に生成した前記テスト用フレームに対する受信結果と、前記第2期間を経て2回目に生成した前記テスト用フレームに対する受信結果と、に基づいて、自身のラインカードの障害有無を診断する、
中継装置。
【請求項2】
請求項1記載の中継装置において、
前記疎通性テスト部は、前記1回目に生成した前記テスト用フレームを所定の期間内に受信できず、前記2回目に生成した前記テスト用フレームを所定の期間内に受信できた場合には、自身のラインカードを障害無しと診断し、前記1回目および2回目に生成した前記テスト用フレームを共に所定の期間内に受信できなかった場合には、自身のラインカードを障害有りと診断する、中継装置。
【請求項3】
請求項2記載の中継装置において、
前記疎通性テスト部は、前記フレーム処理部内に設けられ、
前記フレーム処理部は、さらに、
前記経路選択部との間を接続する第1および第2端子と、
自身の前記アドレステーブルの更新情報を他のラインカードに反映させるための学習用フレームを生成するアドレステーブル同期部と、
を有し、
前記第1端子は、自身のラインカードの前記外部ポートで受信したフレームを他のラインカードに送信し、他のラインカードの前記外部ポートで受信され、当該他のラインカードから送信されたフレームを受信する端子であり、
前記第2端子は、自身のラインカードで生成した前記学習用フレームを送信し、他のラインカードで生成された前記学習用フレームを受信する端子であり、
前記疎通性テスト部は、前記テスト用フレームを前記第2端子を介して送信および受信する、
中継装置。
【請求項4】
請求項3記載の中継装置において、
前記中継装置は、さらに、第2のテスト用フレームを定期的に生成し、前記第2のテスト用フレームを前記第1端子および前記経路選択部を介して前記経路選択部で選択されるファブリックカードに送信し、当該ファブリックカードで折り返された前記第2のテスト用フレームを受信する第2の疎通性テスト部を有し、
前記フレーム処理部内の前記疎通性テスト部は、前記第2のテスト用フレームを受信し、前記第2のテスト用フレームをコピーすることで生成した前記テスト用フレームを前記第2端子を介して送信および受信することで前記第2端子を介する経路の障害有無を診断する、
中継装置。
【請求項5】
請求項4記載の中継装置において、
前記第2の疎通性テスト部は、自身で1回目に生成した前記第2のテスト用フレームを所定の期間内に受信できなかった場合、他のラインカードとの間で疎通性テストを行うための第3のテスト用フレームを生成し、
前記中継装置は、前記第3のテスト用フレームを用いた疎通性テストの結果に基づいて前記第1端子を介する経路の障害有無を診断する、
中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャーシ型の中継装置に関し、例えば、中継装置における内部障害の検出機能に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、リング網に接続される通信装置において、装置内部の各インタフェースカード間の通信状態を内部監視フレームによって監視し、通信状態が異常な場合には、該当するインタフェースカードにリング網のブロックポイントを設定する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−109167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、一つの筐体内に複数のラインカードと、複数のラインカード間の中継を担うファブリックカードと、各カードを管理する管理カードとを搭載した所謂シャーシ型と呼ばれるスイッチ装置(言い換えれば中継装置)が知られている。当該スイッチ装置は、可用性の向上や、処理負荷の分散のため、例えば、ファブリックカードを複数枚搭載し、障害発生時には縮退運転または代替運転が可能なように構成される場合がある。
【0005】
このようなシャーシ型のスイッチ装置は、装置内部の障害を検出し、その障害の状況に応じた対策を講じるための様々な機能を備えることが望まれる。その一例として、ファブリックカードの障害対策機能や、ラインカードの障害対策機能等が挙げられる。ファブリックカードの障害対策機能は、例えば、ファブリックカードの障害有無を監視し、障害を検出した際には障害が生じたファブリックカードが本来担う動作を他の正常なファブリックカードに担わせる切り替え処理を行う。ファブリックカードの障害は、スイッチ装置として重大な障害となるため、ファブリックカードの障害対策機能は、ファブリックカードの障害検出ならびに切り替えを高速かつ自動的に実行することが望ましい。
【0006】
一方、ラインカードの障害対策機能は、例えば、ラインカードの障害を検出し、その障害の情報を外部に通知したり、あるいは、対象となるラインカードを再起動したり等の処理を行う。ラインカードの障害は、ファブリックカードの障害と比較すると重大性が低いため、ラインカードの障害対策機能は、ラインカードの障害検出をファブリックカードの場合よりも低速で行うことが可能である。すなわち、障害検出を高速に行うほど、それに伴う処理負荷の増大や、通信帯域の圧迫等が生じ得るため、障害の重大性に応じた速度で障害検出を行うことが有益である。
【0007】
ラインカードの障害対策機能は、ラインカードの障害を検出するため、例えば、ラインカード内でテスト用フレームを用いたループバックテスト等を行う。ただし、このループバックテストの折り返し地点を、ラインカード内では無く、ファブリックカードに設定する方が望ましい場合がある。この場合、ラインカードの障害対策機能が全てのラインカードを対象に当該ループバックテストを行うことで、ラインカードおよびファブリックカードを含めてスイッチ装置全体を効率的かつ網羅的にテストすることが可能になる。さらに、例えば、異なるラインカード間に限らず、同一ラインカード内でのフレームの中継も、ファブリックカードを介して行われるようなスイッチ装置の場合には、ループバックテストの折り返し地点をファブリックカードに設定することで、実際のフレームの中継経路に即したテストを容易に行うことができる。
【0008】
しかしながら、このような場合、ラインカードの障害対策機能は、当該ループバックテストで異常が検出された場合に、その原因がファブリックカードにも存在し得るため、ラインカードの障害有無を判断することが困難となる。なお、ラインカードの障害対策機能は、前述したファブリックカードの障害対策機能を介してファブリックカードに障害が生じたことを知ることができる。ただし、ラインカードの障害対策機能は、仮に、ファブリックカードに障害が生じたことを知った場合でも、加えて、ラインカードにも障害が生じている可能性が有るため、ラインカードの障害有無を判断できない場合がある。
【0009】
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、シャーシ型のスイッチ装置(中継装置)において、その内部障害の検出能力を向上させることで、耐障害性の向上を実現することにある。
【0010】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
本実施の形態による中継装置は、外部との間でフレームの通信を行う複数のラインカードと、複数のラインカード間でのフレームの中継を担う第1および第2ファブリックカードと、を備える。複数のラインカードのそれぞれは、外部ポートと、フレーム処理部と、ファブリック経路監視部と、経路選択部と、疎通性テスト部と、を有する。フレーム処理部は、外部ポートでフレームを受信した際に、アドレステーブルの学習と、アドレステーブルに基づくフレームの宛先検索を行う。ファブリック経路監視部は、自身のラインカードと第1および第2ファブリックカードとの間のそれぞれの疎通性を監視し、第1ファブリックカードとの間の疎通性に異常が生じた場合、当該異常の検出と、それに伴い第1ファブリックカードに向けて送信されるフレームが第2ファブリックカードに向かうように切り替える設定と、を第1期間内に行う。経路選択部は、ファブリック経路監視部の設定に基づきファブリックカードを選択し、当該選択したファブリックカードにフレームを送信する。疎通性テスト部は、テスト用フレームを第2期間毎に生成し、生成したテスト用フレームを経路選択部を介して経路選択部で選択されるファブリックカードに送信し、当該ファブリックカードで折り返されたテスト用フレームを受信する。ここで、第2期間は、第1期間よりも長く、疎通性テスト部は、1回目に生成したテスト用フレームに対する受信結果と、第2期間を経て2回目に生成したテスト用フレームに対する受信結果と、に基づいて、自身のラインカードの障害有無を診断する。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、シャーシ型のスイッチ装置(中継装置)において、その内部障害の検出能力を向上させることで、耐障害性の向上が実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1による中継装置において、その構成例を示す概略図である。
図2図1の中継装置において、ユーザフレームを中継する際の概略的な動作例を示す説明図である。
図3図1の中継装置において、そのファブリック経路監視部の概略的な動作例を示す説明図である。
図4図1の中継装置において、その疎通性テスト部の前提となる概略動作例を示す説明図である。
図5図4の動作例における問題点の一例を示す説明図である。
図6図1の中継装置において、その疎通性テスト部の概略動作例を示す説明図である。
図7図6のラインカード内テストに伴う結果診断処理の詳細な一例を示すフロー図である。
図8】本発明の実施の形態2による中継装置において、その疎通性テストの全体シーケンスの一例を示すフロー図である。
図9図8において、疎通性テスト部が行うラインカード間テストの動作内容の一例を示す説明図である。
図10図8におけるラインカード間テストに伴う結果診断処理の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0016】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
(実施の形態1)
《中継装置の概略構成》
図1は、本発明の実施の形態1による中継装置において、その構成例を示す概略図である。図1に示すスイッチ装置(中継装置)10は、例えば1個の筐体内に複数のカードを搭載したシャーシ型のスイッチ装置となっている。具体的には、スイッチ装置10は、複数(ここではm枚)のラインカードLC[1]〜LC[m]と、複数(ここでは3枚)のファブリックカードFC[1]〜FC[3]と、管理カードCCと、を備える。以降、m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]のそれぞれを代表してラインカードLCと称し、複数のファブリックカードFC[1]〜FC[3]のそれぞれを代表してファブリックカードFCと称する。
【0019】
m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]のそれぞれは、装置外部との間でフレームの通信を行う。3枚のファブリックカードFC[1]〜FC[3]のそれぞれは、m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]間でのフレームの中継を担う。管理カードCCは、m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]を管理する。管理カードCCは、ここでは、1枚のみ示されているが、実際には、可用性の向上のため複数枚設けられる。
【0020】
3枚のファブリックカードFC[1]〜FC[3]のそれぞれは、m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]との間でそれぞれ通信回線15を介して接続される。すなわち、3枚のファブリックカードFC[1]〜FC[3]のそれぞれと、m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]とはスター型に接続される。ここでは、3枚のファブリックカードFC[1]〜FC[3]は、全て、現用カードとなっており、例えば、その中の1枚のファブリックカードに障害が生じた場合には、残りの2枚のファブリックカードによる縮退運転が可能な構成となっている。
【0021】
m枚のラインカードLC[1]〜LC[m]のそれぞれは、複数(ここではn個)の外部ポートP[1]〜P[n]と、ファブリックカード用端子F[1]〜F[3]と、ポートインタフェース部11と、フレーム処理部12と、プロセッサ部13と、ファブリックインタフェース部14、とを備える。外部ポートP[1]〜P[n]は、装置外部に向けてフレームを送信し、また、装置外部からのフレームを受信する。以降、外部ポートP[1]〜P[n]のそれぞれを代表して外部ポートPと称する。ファブリックカード用端子F[1]〜F[3]は、それぞれ、ファブリックカードFC[1]〜FC[3]に通信回線15を介して接続される。
【0022】
ポートインタフェース部11は、外部ポートP[1]〜P[n]で受信したフレームに、受信した外部ポートPの識別子を付加し、それをフレーム処理部12またはプロセッサ部13に送信する。また、ポートインタフェース部11は、フレーム処理部12またはプロセッサ部13からのフレームを、外部ポートP[1]〜P[n]の中から選択した所定の外部ポートPに送信する。
【0023】
ファブリックインタフェース部14は、ファブリック経路監視部22と、経路選択部23と、ユーザ経路用端子24bと、学習経路用端子25bと、を備える。ユーザ経路用端子24bは、装置外部との間の通信で使用されるフレーム(本明細書ではユーザフレームと呼ぶ)を伝送するための端子である。一方、学習経路用端子25bは、装置内部でのみ使用される学習用フレーム(詳細は後述)を伝送するための端子である。
【0024】
ファブリック経路監視部22は、自身のラインカード(例えばLC[1])とファブリックカードFC[1]〜FC[3]との間のそれぞれの疎通性を、ファブリックカード用端子F[1]〜F[3]を介して監視する。ここで、ファブリック経路監視部22は、現用カードとなるいずれかのファブリックカード(第1ファブリックカード)との間の疎通性に異常が生じた場合、当該カードに向けて送信されるフレームが他の正常なファブリックカード(第2ファブリックカード)に向かうように切り替える設定を行う。
【0025】
具体的には、ファブリック経路監視部22は、例えば、ファブリックカード(第1ファブリックカード)FC[2]との間の疎通性に異常が生じた場合、ファブリックカード用端子F[2]を有効から無効に切り替える設定を行う。この際には、ファブリック経路監視部22は、前述した疎通性の異常の検出と、当該異常の検出に伴いファブリックカードFC[2](ファブリックカード用端子F[2])を有効から無効に切り替える設定と、を所定の期間(第1期間)内に行う。
【0026】
経路選択部23は、ファブリック経路監視部22の設定に基づきファブリックカードFC[1]〜FC[3](ファブリックカード用端子F[1]〜F[3])を選択し、当該選択したファブリックカードにフレーム(すなわちユーザ経路用端子24bまたは学習経路用端子25bで受信したユーザフレームまたは学習用フレーム)を送信する。また、経路選択部23は、ファブリックカード用端子F[1]〜F[3]で受信したフレームを判別し、当該フレームがユーザフレームの場合にはユーザ経路用端子24bに送信し、学習用フレームの場合には学習経路用端子25bに送信する。さらに、経路選択部23は、プロセッサ部13とファブリックカード用端子F[1]〜F[3]との間でのユーザフレームの中継も担う。
【0027】
なお、図1の例では、現用カードとして3枚のファブリックカードF[1]〜F[3]が設けられている。経路選択部23は、例えば、ユーザ経路用端子24bまたは学習経路用端子25bで受信したユーザフレームまたは学習用フレームを、所定の分散規則に基づき3枚の現用カードに適宜振り分けることで、ファブリックカードFCの負荷分散を行う。この際に、仮に、ファブリック経路監視部22によってファブリックカードFC[2]が有効から無効に切り替えられたような場合には、経路選択部23は、ユーザフレームまたは学習用フレームを、正常な現用カードであるファブリックカードFC[1],FC[3]に適宜振り分ける。
【0028】
フレーム処理部12は、アドレステーブルFDBと、疎通性テスト部20bと、FDB同期部21と、ユーザ経路用端子(第1端子)24aと、学習経路用端子(第2端子)25aと、を備える。ユーザ経路用端子24aおよび学習経路用端子25aは、それぞれ、ファブリックインタフェース部14のユーザ経路用端子24bおよび学習経路用端子25bに接続される。すなわち、ユーザ経路用端子24aおよび学習経路用端子25aは、フレーム処理部12と、ファブリックインタフェース部14内の経路選択部23との間を接続する端子となる。
【0029】
アドレステーブルFDBには、ラインカードLC[1]〜LC[m]の識別子と、外部ポートP[1]〜P[n]の識別子と、当該各識別子で示されるラインカードLCおよび外部ポートPの先に存在する端末等のMAC(Media Access Control)アドレスと、の関係が登録される。疎通性テスト部20bは、詳細は後述するが、テスト用フレームを生成し、それを用いて疎通性テストを行う。FDB同期部21は、自身のアドレステーブルFDBの更新情報を他のラインカードLCに反映させるための学習用フレームを生成する。また、FDB同期部21は、他のラインカードLCで生成された学習用フレームに基づいて、自身のアドレステーブルFDBを更新する。
【0030】
フレーム処理部12は、主要な動作として、外部ポートP[1]〜P[n]でフレーム(すなわちユーザフレーム)を受信した際に、アドレステーブルFDBの学習と、アドレステーブルFDBに基づく当該フレームの宛先検索を行う。具体的には、フレーム処理部12は、ユーザフレームをポートインタフェース部11を介して受け、当該ユーザフレームに含まれる送信元MACアドレスと、ポートインタフェース部11によって付加された外部ポートPの識別子と、自身のラインカードLCの識別子と、を用いてアドレステーブルFDBを学習する。また、フレーム処理部12は、当該ユーザフレームに含まれる宛先MACアドレスに対応するラインカードLCおよび外部ポートPを、アドレステーブルFDBに基づき検索する。
【0031】
プロセッサ部13は、疎通性テスト部20aを備える。疎通性テスト部20aは、詳細は後述するが、前述したフレーム処理部12内の疎通性テスト部20bと同様に、テスト用フレームを生成し、それを用いて疎通性のテストを行う。プロセッサ部13は、主要な動作として、ポートインタフェース部11やファブリックインタフェース部14からのユーザフレームに対するソフトウェア処理を行う。すなわち、フレーム処理部12は、ユーザフレームに対するハードウェア処理を行うのに対して、プロセッサ部13は、例えば、マルチキャストフレームの処理等を代表に、ハードウェアでは処理を行い難いフレームをソフトウェアで処理する。
【0032】
ファブリックカードFC[1]〜FC[3]のそれぞれは、ファブリック経路監視部26を備える。ファブリック経路監視部26は、前述したファブリックインタフェース部14内のファブリック経路監視部22と共に、自身のファブリックカード(例えばFC[1])とラインカードLC[1]〜LC[m]との間のそれぞれの疎通性を監視する。また、ファブリックカードFC[1]〜FC[3]のそれぞれは、前述した疎通性テスト部20a,20bによって生成されたテスト用フレームを受信した際に、当該テスト用フレームを折り返して送信する。
【0033】
なお、ここでは、3枚のファブリックカードを設ける例を示したが、必ずしも3枚である必要はなく、2枚や、または4枚以上であってもよい。また、ここでは、現用カードのみの構成例を示したが、現用カードに障害が生じた場合に現用カードの代わりに有効状態となる予備カードを設ける構成であってもよい。この場合、例えば、2枚以上のファブリックカードの中の1枚が予備カードとなり、残りの1枚以上が現用カードとなる。すなわち、2枚以上のファブリックカードによって、障害が生じた場合に、現用カードによる縮退運転か、または予備カードによる代替運転が可能な構成であればよい。
【0034】
《ユーザフレームの中継処理》
図2は、図1の中継装置において、ユーザフレームを中継する際の概略的な動作例を示す説明図である。図2は、便宜上、図1に示した各構成の中から関連が有る箇所を抽出した図面となっている。ここでは、ラインカードLC[1]の外部ポートP[1]で受信したユーザフレームをラインカードLC[m]の外部ポートP[n]に中継する場合を想定する。まず、ラインカードLC[1]のポートインタフェース部11は、外部ポートP[1]で受信したユーザフレーム30に対して、外部ポートP[1]の識別子を付加してフレーム処理部12に送信する。
【0035】
フレーム処理部12は、当該ユーザフレーム30に含まれる送信元MACアドレスと、当該ユーザフレーム30に付加されている外部ポートP[1]の識別子と、自身のラインカードLC[1]と、の関係を用いてアドレステーブルFDBを更新(学習)する。また、フレーム処理部12は、当該ユーザフレーム30に含まれる宛先MACアドレスを検索キーとしてアドレステーブルFDBを検索し、当該検索キーに関連付けられているラインカードLCの識別子および外部ポートPの識別子を取得する。ここでは、過去の通信に伴うアドレステーブルFDBの学習によって、当該検索キーに、ラインカードLC[m]の識別子と外部ポートP[n]の識別子とが関連付けられているものとする。
【0036】
フレーム処理部12は、ユーザフレーム30に当該ラインカードLC[m]の識別子および外部ポートP[n]の識別子を付加し、それをユーザ経路用端子24aに送信する。一方、フレーム処理部12内のFDB同期部21は、ユーザフレーム30に含まれる送信元MACアドレスと、当該ユーザフレーム30を受信した外部ポートP[1]の識別子と、自身のラインカードLC[1]の識別子と、を含む学習用フレーム31を生成し、それを学習経路用端子25aに送信する。
【0037】
経路選択部23は、ユーザ経路用端子24bで受信したユーザフレーム30と、学習経路用端子25bで受信した学習用フレーム31と、をそれぞれファブリックカードFCに送信する。この際に、経路選択部23は、ユーザフレーム30および学習用フレーム31をどの現用カード(ファブリックカードFC[1]〜FC[3])に送信するかを所定の分散規則に基づき選択する。この例では、経路選択部23は、ユーザフレーム30および学習用フレーム31共に、ファブリックカードFC[1]の経路を選択したものとする。
【0038】
ファブリックカードFC[1]は、ラインカードLC[1]経由で受信したユーザフレーム30に付加されているラインカードLC[m]の識別子に基づいて、当該ユーザフレーム30をラインカードLC[m]に送信する。また、ファブリックカードFC[1]は、ラインカードLC[1]経由で受信した学習用フレーム31を、その送信元のラインカードLC[1]を除く他のラインカードLC[2]〜LC[m]に送信する。
【0039】
ラインカードLC[m]のポートインタフェース部11は、ファブリックカードFC[1]経由で受信したユーザフレーム30に付加されている外部ポートP[n]の識別子に基づいて、当該ユーザフレーム30を外部ポートP[n]に送信する。この際に、ユーザフレーム30に付加されている各識別子は、当該ポートインタフェース部11によって取り外される。
【0040】
また、ラインカードLC[2]〜LC[m]のFDB同期部21は、ファブリックカードFC[1]経由で受信した学習用フレーム31に基づいて、自身のラインカードLCのアドレステーブルFDBを更新(学習)する。具体的には、FDB同期部21は、学習用フレーム31に含まれるMACアドレスと、ラインカードLC[1]の識別子と、外部ポートP[1]の識別子との関係を用いてアドレステーブルFDBを更新(学習)する。
【0041】
《ファブリック経路の監視処理》
図3は、図1の中継装置において、そのファブリック経路監視部の概略的な動作例を示す説明図である。図3は、便宜上、図1に示した各構成の中から関連が有る箇所を抽出した図面となっている。図3の例では、各ファブリックカードFC[1]〜FC[3]内のファブリック経路監視部26は、ラインカードLC[1]〜LC[m]のそれぞれに向けて定期的(例えば数ms毎)に監視フレーム32を送信する。
【0042】
各ラインカードLC[1]〜LC[m]内のファブリック経路監視部22は、ファブリックカード用端子F[1]〜F[3]のそれぞれから定期的(例えば数ms毎)に監視フレーム32を受信することで、自身のラインカードLCと各ファブリックカードFC[1]〜FC[3]との間のそれぞれの疎通性を監視する。ここで、ファブリック経路監視部22は、ファブリックカード用端子F[1]〜F[3]のいずれかで、監視フレーム32を所定の期間内(例えば監視フレームの送信間隔の3.5倍の期間内)に受信できない場合、当該ファブリックカード用端子に対応するファブリックカードFCを異常と判定する。
【0043】
例えば、図3の例では、ファブリックカードFC[2]に障害が生じており、これに伴い、各ラインカードLC[1]〜LC[m]内のファブリック経路監視部22は、ファブリックカード用端子F[2]で、監視フレーム32を所定の期間内に受信することができなくなる。この場合、ファブリック経路監視部22は、ファブリックカードFC[2](ファブリックカード用端子F[2])を有効から無効に切り替える設定を行う。
【0044】
ここで、ファブリック経路監視部22は、このファブリックカードFC[2]の異常の検出(すなわち監視フレーム32の受信タイムアウト)と、この異常の検出に伴いファブリックカード用端子F[2]の代わりにファブリックカード用端子F[3]を有効に切り替える設定とを、所定の期間(第1期間)内に行う。当該所定の期間(第1期間)は、特に限定はされないが、例えば、数十ms等である。ファブリックカードFCの障害は、スイッチ装置10として重大な障害となるため、ファブリックカードの障害検出ならびに切り替えは、高速かつ自動的に実行されることが望ましい。
【0045】
なお、ファブリック経路の監視方法は、特に、図3の方法に限定されるものではなく、
ファブリックカードFCの異常の検出と、これに伴うファブリックカードFCの切り替えとを所定の期間(第1期間)内に実現できる方法であれば様々な方法を適用可能である。例えば、ラインカードLC内のファブリック経路監視部22がファブリックカードFC内のファブリック経路監視部26に向けて監視フレームを送信し、ファブリック経路監視部26が当該監視フレームをファブリック経路監視部22に向けて折り返すような方法であってもよい。
【0046】
または、各ラインカードLC[1]〜LC[m]のファブリック経路監視部22間で、それぞれ、各ファブリックカードFC[1]〜FC[3]を介して監視フレームを送受信するような方法であってもよい。この場合、例えば、ラインカードLC[1]のファブリック経路監視部22は、ファブリックカード用端子F[2]で、他のラインカードLC[2]〜LC[m]のいずれからも監視フレームを受信できない場合、ファブリックカードFC[2]の異常と判断することができる。あるいは、受信信号の強度を検出するモニタ回路等のハードウェアを用いて、リアルタイムに異常を検出する方式であってもよい。
【0047】
《ラインカード内テスト(前提)》
図4は、図1の中継装置において、その疎通性テスト部の前提となる概略動作例を示す説明図である。図4は、便宜上、図1に示した各構成の中から関連が有る箇所を抽出した図面となっている。また、フレーム処理部12内のユーザ経路用端子(第1端子)24aと、ファブリックインタフェース部14内のユーザ経路用端子24bとの間の経路は、ユーザ経路40となり、フレーム処理部12内の学習経路用端子(第2端子)25aと、ファブリックインタフェース部14内の学習経路用端子25bとの間の経路は、FDB同期経路41となっている。
【0048】
プロセッサ部13内の疎通性テスト部20aは、LC内テスト[A]用フレーム(第2のテスト用フレーム)35を定期的に生成する。そして、疎通性テスト部20aは、LC内テスト[A]用フレーム35を、ポートインタフェース部11、ユーザ経路用端子(第1端子)24a、ユーザ経路40、および経路選択部23を介して、経路選択部23で選択されるファブリックカード(この例ではFC[2])に送信する。
【0049】
ファブリックカードFC[2]は、受信したLC内テスト[A]用フレーム35を折り返して送信する。この折り返されたLC内テスト[A]用フレーム35は、往路側の経路を逆方向に進んでプロセッサ部13内の疎通性テスト部20aに到達する。疎通性テスト部20aは、この折り返されたLC内テスト[A]用フレーム35を受信する。
【0050】
また、フレーム処理部12内の疎通性テスト部20bは、往路側のLC内テスト[A]用フレーム35を受信し、それをコピーすることでLC内テスト[B]用フレーム36を生成する。そして、疎通性テスト部20bは、LC内テスト[B]用フレーム36を、学習経路用端子(第2端子)25a、FDB同期経路41、および経路選択部23を介して、経路選択部23で選択されるファブリックカード(この例ではFC[2])に送信する。
【0051】
ファブリックカードFC[2]は、受信したLC内テスト[B]用フレーム36を折り返して送信する。この折り返されたLC内テスト[B]用フレーム36は、往路側と同じ経路を経てフレーム処理部12内の疎通性テスト部20bに到達する。疎通性テスト部20bは、この折り返されたLC内テスト[B]用フレーム36を受信する。すなわち、疎通性テスト部20bは、テスト用フレーム(LC内テスト[B]用フレーム36)を所定の期間(第2期間)毎に生成し、それを学習経路用端子(第2端子)25aを介して送信および受信する。
【0052】
ここで、当該所定の期間(第2期間)は、図3で述べたファブリックカードFCの切り替えに伴う所定の期間(第1期間)よりも長く、特に限定はされないが、例えば、数百ms以上となっている。FDB同期経路41は、図3で述べたファブリック経路に比べると、障害に対する重大性が低いため、このようにテスト用フレーム(LC内テスト[B]用フレーム36)を生成する間隔を長く設定することが可能である。これによって、処理負荷の低減や、FDB同期経路41および通信回線15における帯域の圧迫を抑制することができる。
【0053】
疎通性テスト部20bは、ファブリックカードFC[2]で折り返されたテスト用フレーム(LC内テスト[B]用フレーム36)の受信結果に基づいて、自身のラインカードLC(具体的にはその中のFDB同期経路41)の障害有無を診断する。例えば、疎通性テスト部20bは、LC内テスト[B]用フレーム36を、その生成間隔(例えば数百ms以上)の3.5倍の期間受信できなかった場合に障害有りと判断する。
【0054】
また、プロセッサ部13内の疎通性テスト部20aも、LC内テスト[B]用フレーム36の場合と同様に、所定の期間(第2期間)毎にLC内テスト[A]用フレーム35を生成する。そして、疎通性テスト部20aは、ファブリックカードFC[2]で折り返されたLC内テスト[A]用フレーム35の受信結果に基づいて、自身のラインカードLC(具体的にはその中のユーザ経路40側の通信経路)の障害有無を診断する。例えば、疎通性テスト部20aは、LC内テスト[A]用フレーム35を、その生成間隔(例えば数百ms以上)の3.5倍の期間受信できなかった場合に障害有りと判断する。
【0055】
なお、ユーザ経路40は、FDB同期経路41に比べると障害に対する重大性が高いため、場合によっては、LC内テスト[A]用フレーム35の生成間隔は、LC内テスト[B]用フレーム36の生成間隔よりも短くすることも可能である。この場合、疎通性テスト部20bは、例えば、受信したLC内テスト[A]用フレーム35を、適宜、間引きながらコピーし、LC内テスト[B]用フレーム36を生成すればよい。
【0056】
また、ここでは、疎通性テスト部20bは、疎通性テスト部20aからのLC内テスト[A]用フレーム35をコピーすることでLC内テスト[B]用フレーム36を生成したが、場合によっては、疎通性テスト部20a,20bがそれぞれ独立にテスト用フレームを生成するように構成することも可能である。ただし、図4のようにコピーを用いることで、疎通性テスト部20bの処理内容を簡素化することができ、疎通性テスト部20bの処理負荷を低減することが可能になる。さらに、疎通性テスト部20bによるLC内テスト[A]用フレーム35の受信可否によって、ポートインタフェース部11を対象とした障害有無を診断することが可能になる。
【0057】
《ラインカード内テスト(問題点)》
図5は、図4の動作例における問題点の一例を示す説明図である。図5は、便宜上、図4に対して、LC内テスト[A]用フレーム35の伝送経路を一部のみ図示した図面となっている。図4の動作例を用いた場合、図5に示すように、フレーム処理部12内の疎通性テスト部20bは、LC内テスト[B]用フレーム36を所定の期間内に受信できなかった場合に、その原因がファブリックカードFCにあるのか、FDB同期経路41にあるのか、あるいはその両方にあるのかを判別することが困難となる。
【0058】
なお、疎通性テスト部20bは、場合によっては、図3のファブリック経路監視部22を介してファブリックカードFCに障害が生じたことを検知することも可能である。ただし、ファブリックカードFCに加えてFDB同期経路41にも障害が生じる可能性があるため、疎通性テスト部20bは、仮にファブリック経路監視部22から情報を得た場合であっても、FDB同期経路41の障害有無を判別できない場合がある。
【0059】
なお、このような問題は、LC内テスト[B]用フレーム36の折り返し地点がファブリックカードFC内に搭載されることに起因する。ここで、仮に当該折り返し地点がファブリックインタフェース部14内に搭載されるような場合には、このような問題を回避することが可能になるが、この場合、テスト効率の低下を招く恐れがある。すなわち、スイッチ装置10全体を網羅的にテストするためには、ファブリックカードFCに到る経路までを含めてテストすることが望ましく、図4に示したようなテストを全てのラインカードLC[1]〜LC[m]で行うことで、この網羅的なテストを効率的に行うことが可能になる。
【0060】
さらに、例えば、同一のラインカードLC内でのユーザフレームの中継(例えばLC[1]のP[1]とLC[1]のP[n]との間の中継)がファブリックカードFCを介して行われるようなスイッチ装置10の場合、折り返し地点をファブリックカードFC内に搭載することがより有益となる。すなわち、この場合、ユーザフレームと同一の経路でテストを行えるため、テストの信頼性をより高められると共に、折り返し地点に対応するハードウェアをテスト用として別途設ける必要性がないため、構成の簡素化も図れる。
【0061】
《ラインカード内テスト(本実施の形態)》
図6は、図1の中継装置において、その疎通性テスト部の概略動作例を示す説明図である。フレーム処理部12内の疎通性テスト部20bは、図5で述べたような問題点を解決するため図6に示すような処理を行う。すなわち、疎通性テスト部20bは、1回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36aに対する受信結果と、所定の期間(第2期間)を経て2回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36bに対する受信結果と、に基づいて、自身のラインカードLC(具体的にはその中のFDB同期経路41)の障害有無を診断する。
【0062】
例えば、ファブリックカード(第1ファブリックカード)FC[2]に障害が生じ、これに起因して疎通性テスト部20bが1回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36aを受信できなかった場合を想定する。この場合、疎通性テスト部20bによって2回目のLC内テスト[B]用フレーム36bが生成される前に、経路選択部23は、図3で述べたファブリック経路監視部22の監視結果に基づいて、ファブリックカードFC[2]に向けて送信されるフレームが他の正常なファブリックカードFCに向かうように切り替える。
【0063】
当該他の正常なファブリックカード(第2ファブリックカード)FCは、ファブリックカードFC[1],FC[3]であるが、ここでは、経路選択部23による縮退運転時の分散規則に応じて、ファブリックカードFC[3]に向かう場合を例示している。その結果、疎通性テスト部20bは、2回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36bを受信できることになる。一方、仮にFDB同期経路41にも障害が生じているような場合、疎通性テスト部20bは、2回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36bも依然として受信できなくなる。
【0064】
このように、疎通性テスト部20bは、1回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36aを所定の期間内に受信できず、2回目に生成したLC内テスト[B]用フレーム36bを所定の期間内に受信できた場合には、自身のラインカードLC(具体的にはその中のFDB同期経路41)を障害無しと診断する。一方、疎通性テスト部20bは、1回目および2回目に生成したテスト用フレーム(LC内テスト[B]用フレーム36a,36b)を共に所定の期間内に受信できなかった場合には、自身のラインカードLC(具体的にはFDB同期経路41)を障害有りと診断する。
【0065】
これにより、内部障害の検出能力を向上させることができ、耐障害性の向上が実現可能になる。なお、図6の例では、プロセッサ部13内の疎通性テスト部20aは、1回目および2回目のLC内テスト[A]用フレーム35a,35bを順に生成し、フレーム処理部12内の疎通性テスト部20bは、LC内テスト[A]用フレーム35a,35bを順にコピーすることで前述したLC内テスト[B]用フレーム36a,36bを生成している。ただし、図4で述べたように、LC内テスト[A]用フレームとLC内テスト[B]用フレームがそれぞれ異なる間隔で生成されるように構成することも可能である。
【0066】
また、ここでは、疎通性テスト部20bによるテスト用フレーム(LC内テスト[B]用フレーム36a,36b)を用いたラインカードLC(具体的にはFDB同期経路41)の障害診断方法について説明を行った。ただし、これに限らず、疎通性テスト部20aによるテスト用フレーム(LC内テスト[A]用フレーム35a,35b)を用いたラインカードLC(具体的にはユーザ経路40側の通信経路)の障害診断方法に関しても、同様の方法を適用することが可能である。
【0067】
《ラインカード内テストの結果診断処理》
図7は、図6のラインカード内テストに伴う結果診断処理の詳細な一例を示すフロー図である。図7に示すLC内テスト[B]の結果診断処理において、まず、フレーム処理部12内の疎通性テスト部20bは、LC内テスト[A]フレーム35を用いたLC内テスト[A]を実行中か否かを判定する(ステップS101)。疎通性テスト部20bは、LC内テスト[A]を実行中で無ければ処理を終了し、実行中であれば、疎通性テスト部20b内の送信/受信カウンタの増数(前回のテスト周期からの差分)が一致するか否かを判定する(ステップS102)。
【0068】
送信カウンタは、LC内テスト[B]フレーム36を送信する度にカウントアップされ、受信カウンタは、LC内テスト[B]フレーム36を所定の期間内に受信する度にカウントアップされる。したがって、送信/受信カウンタの増数が不一致の場合、受信できない(すなわち受信タイムアウトとなった)LC内テスト[B]フレーム36が存在することになる。
【0069】
疎通性テスト部20bは、ステップS102において送信/受信カウンタの増数が一致する場合には、疎通性テスト部20b内のFCSエラーカウンタが前回のテスト周期から増加しているか否かを判定する(ステップS103)。疎通性テスト部20bは、FCSエラーカウンタが増加していない場合には処理を終了し、増加している場合には、FCSエラーのログ登録を行う(ステップS104)。FCSエラーとは、LC内テスト[B]フレーム36に含まれている例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)等のエラー検出用符号によって検出されたエラーである。
【0070】
疎通性テスト部20bは、ステップS104に続いて、前回のテスト周期においてFCSエラー又はタイムアウトエラーが生じていたか否かを判定する(ステップS105)。疎通性テスト部20bは、FCSエラーおよびタイムアウトエラーが共に生じていなかった場合には処理を終了し、いずれか一方のエラーが生じていた場合には、ラインカードLC(具体的にはその中のFDB同期経路41)の診断結果を「ビットエラー」とする(ステップS106)。
【0071】
一方、ステップS102において、送信/受信カウンタの増数が不一致の場合、疎通性テスト部20bは、タイムアウトエラーのログ登録を行う(ステップS107)。次いで、疎通性テスト部20bは、前回のテスト周期においてFCSエラーが生じていたか否かを判定する(ステップS108)。FCSエラーが生じていた場合、疎通性テスト部20bは、診断結果を「ビットエラー」とする(ステップS106)。
【0072】
ステップS108において、FCSエラーが生じていない場合、疎通性テスト部20bは、前回のテスト周期においてタイムアウトエラーが生じていたか否かを判定する(ステップS109)。疎通性テスト部20bは、タイムアウトエラーが生じていない場合には処理を終了し、タイムアウトエラーが生じていた場合には、ラインカードLC(具体的にはFDB同期経路41)の診断結果を「障害」とする(ステップS110)。
【0073】
このように、疎通性テスト部20bは、LC内テスト[B]フレーム36の受信結果でエラー(FCSエラー又はタイムアウトエラー)が生じた場合、一旦、ログ登録し(ステップS104,S107)、当該ログと、次回のLC内テスト[B]フレーム36の受信結果とに基づいて診断結果を生成する(ステップS106,S110)。この例では、2回連続でエラーが生じた場合で、その両方が共にタイムアウトエラーの時には「障害」と診断され、それ以外の時には「ビットエラー」と診断される。
【0074】
ただし、勿論、これに限定されるものではなく、例えば、「ビットエラー」と診断される条件の一部または全てを「障害」とすることも可能である。また、場合によっては、2回連続ではなく、3回連続でエラーが生じた場合に「障害」と診断するようなことも可能である。
【0075】
以上のように、本実施の形態1の中継装置を用いることで、代表的には、シャーシ型のスイッチ装置(中継装置)において、その内部障害の検出能力を向上させることができ、耐障害性の向上が実現可能になる。
【0076】
(実施の形態2)
《疎通性テスト(本実施の形態)》
図8は、本発明の実施の形態2による中継装置において、その疎通性テストの全体シーケンスの一例を示すフロー図である。前述した実施の形態1では、図6および図7に示した方法によってFDB同期経路41の診断を行った。一方、ユーザ経路40側に関しては、図6および図7と同様の方法を用いることも可能であるが、本実施の形態2では、別の方法を用いて診断を行う点が特徴となっている。なお、本実施の形態2の中継装置の構成に関しては、図1のスイッチ装置10と同様である。
【0077】
図8において、まず、図4に示したように、疎通性テスト部20aは、LC内テスト[A]フレーム35を用いたLC内テスト[A]を実行し、疎通性テスト部20bは、LC内テスト[B]フレーム36を用いたLC内テスト[B]を実行する(ステップS201)。次いで、疎通性テスト部20bは、図7に示したLC内テスト[B]の結果診断処理を実行することで、ラインカードLC(具体的にはその中のFDB同期経路41)の障害有無を診断する(ステップS202)。
【0078】
一方、疎通性テスト部(第2の疎通性テスト部)20aは、LC内テスト[A]でエラーが生じたか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、疎通性テスト部20aは、自身で1回目に生成したLC内テスト[A]フレーム(第2のテスト用フレーム)35を所定の期間内に受信できたか否かを判定する。疎通性テスト部20aは、この1回目に生成したLC内テスト[A]フレーム35を所定の期間内に受信できた場合には処理を終了し、所定の期間を経過後に再びステップS201の処理を実行する。
【0079】
一方、疎通性テスト部20aは、1回目に生成したLC内テスト[A]フレーム35を所定の期間内に受信できなかった場合には、他のラインカードとの間で疎通性テストを行うためのLC間テスト用フレーム(第3のテスト用フレーム)を生成し、当該フレームを用いてLC間テストを実行する(ステップS204)。次いで、スイッチ装置(中継装置)10は、LC間テストの結果診断処理を行うことで、LC内テスト[A]の詳細な診断を行う(ステップS205)。すなわち、スイッチ装置10は、LC間テスト用フレームを用いたLC間テスト(疎通性テスト)の結果に基づいて、ラインカードLC内におけるユーザ経路40側の通信経路(言い換えればユーザ経路用端子(第1端子)24aを介する経路)の障害有無を診断する。
【0080】
《ラインカード間テスト》
図9は、図8において、疎通性テスト部が行うラインカード間テストの動作内容の一例を示す説明図である。図9は、便宜上、図1に示した各構成の中から関連が有る箇所を抽出した図面となっている。図9の例では、ラインカードLC[1]の疎通性テスト部20aは、ラインカードLC[2]〜LC[m]の疎通性テスト部20aに向けて、それぞれファブリックカード(ここではFC[2])を介してLC間テスト用フレーム45を送信している。また、ラインカードLC[1]の疎通性テスト部20aは、ラインカードLC[2]〜LC[m]の疎通性テスト部20aによって生成されたLC間テスト用フレーム45を、それぞれ、ファブリックカード(ここではFC[2])を介して受信している。
【0081】
《ラインカード間テストの結果診断処理》
図9のようなLC間テストを実行することで、例えば、図10に示すようなLC間テストの結果が得られる。図10は、図8におけるラインカード間テストに伴う結果診断処理の一例を示す説明図である。図10では、LC間テストを全てのラインカードLC[1]〜LC[m]間で相互に行った場合の結果の一例が示されている。図10の例では、ラインカードLC[2]〜LC[m]のいずれも、ラインカードLC[1]からのLC間テスト用フレーム45を受信できていない。したがって、この場合、ラインカードLC[1]におけるユーザ経路40側の通信経路の中の一方向の経路(ファブリックカードFCに向かう方向の経路)に障害が有ると判断することができる。
【0082】
また、LC間テストでは、経由するファブリックカードFCを指定することが可能となっている。したがって、LC間テストの結果を、経由したファブリックカードFC間で比較することで、ファブリックカードFC側の障害と、ラインカードLC側の障害との切り分けを行うことが可能である。なお、図10に示したLC間テストの結果診断処理は、特に限定はされないが、例えば、管理カードCCによって実行される。
【0083】
このようなLC間テストを実行することで、図10に示した「○」「×」の状況に応じて、障害の状況をより正確に把握することが可能になる。したがって、ユーザ経路40側の通信経路に関しては、図8に示したように、LC内テスト[A]でエラーが生じた場合にはLC間テストを実行することが有益となる。ここで、同様にして、LC内テスト[B]でエラーが生じた場合にも、LC間テストを実行するような方法が考えられる。ただし、LC間テストは、処理負荷が大きく、通信帯域の圧迫も招くため、可能な限り行わない方が望ましい。さらに、FDB同期経路41は、ユーザ経路40に比べると障害に対する重大性が低いと言える。これらの観点から、LC内テスト[B]に関しては、LC間テストを実行せずに、図7に示したような方法で診断を行うことが有益となる。
【0084】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0085】
10 スイッチ装置
11 ポートインタフェース部
12 フレーム処理部
13 プロセッサ部
14 ファブリックインタフェース部
15 通信回線
20a,20b 疎通性テスト部
21 FDB同期部
22,26 ファブリック経路監視部
23 経路選択部
24a,24b ユーザ経路用端子
25a,25b 学習経路用端子
30 ユーザフレーム
31 学習用フレーム
32 監視フレーム
35,35a,35b LC内テスト[A]用フレーム
36,36a,36b LC内テスト[B]用フレーム
40 ユーザ経路
41 FDB同期経路
45 LC間テスト用フレーム
CC 管理カード
F[1]〜F[3] ファブリックカード用端子
FC,FC[1]〜FC[3] ファブリックカード
FDB アドレステーブル
LC,LC[1]〜LC[m] ラインカード
P,P[1]〜P[n] 外部ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10