特許第6052440号(P6052440)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6052440感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、プリント配線板の製造方法
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  • 特許6052440-感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、プリント配線板の製造方法 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6052440
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、プリント配線板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/033 20060101AFI20161219BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20161219BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20161219BHJP
   C08F 220/18 20060101ALI20161219BHJP
   H05K 3/06 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   G03F7/033
   G03F7/004 512
   H05K3/18 D
   C08F220/18
   H05K3/06 H
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-6925(P2016-6925)
(22)【出願日】2016年1月18日
(62)【分割の表示】特願2012-85699(P2012-85699)の分割
【原出願日】2012年4月4日
(65)【公開番号】特開2016-118793(P2016-118793A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年2月9日
(31)【優先権主張番号】特願2011-105441(P2011-105441)
(32)【優先日】2011年5月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】深谷 雄大
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】磯 純一
【審査官】 倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/078483(WO,A1)
【文献】 特開2008−039978(JP,A)
【文献】 特開2008−058636(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/098183(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0004888(US,A1)
【文献】 特開2002−273191(JP,A)
【文献】 特開2011−133851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/004−7/06;7/075−7/115;
7/16−7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(A)成分が、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位を50〜80質量%、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位を5〜40質量%、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を1〜20質量%、及び(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を5〜30質量%含
前記(A)、(B)及び(C)成分の合計の含有量は、前記感光性樹脂組成物の固形分全量に対して90質量%以上である感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)バインダーポリマーの重量平均分子量が、20,000〜150,000である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物が、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(C)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
支持フィルムと、該支持フィルム上に形成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
前記感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、
前記光硬化部以外の前記感光性樹脂組成物層を除去する現像工程と、
を含む、レジストパターンの形成方法。
【請求項7】
請求項に記載の感光性エレメントを、前記感光性樹脂組成物層、前記支持フィルムの順に基板上に積層する積層工程と、
前記感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、
前記光硬化部以外の前記感光性樹脂組成物層を除去する現像工程と、
を含む、レジストパターンの形成方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成される基板に対し、エッチング処理又はめっき処理を施す、プリント配線板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の軽薄短小化、少量多品種化の傾向が進むにつれ、ICチップを基板上に搭載するために用いられるBGA(Ball Grid Array)等の半導体パッケージも多ピン化、狭小化が進み、これらを搭載するプリント配線板も高密度化が要求されている。
【0003】
従来、プリント配線板の製造分野においては、エッチングやめっき等に用いられるレジスト材料として、支持フィルムと、該支持フィルム上に積層された感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、これを被覆する保護フィルムとからなる感光性エレメントが広く用いられている。
【0004】
プリント配線板は、感光性エレメントを用いて以下に示す方法で製造される。まず、感光性エレメントの保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂組成物層を基板上に積層(ラミネート)する。次に、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を硬化させる。支持フィルムを剥離除去した後、未露光部を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが形成される。レジストパターンを形成した基板に対し、エッチング処理又はめっき処理を施して基板上に回路を形成した後、最終的にレジストを剥離除去することでプリント配線板が製造される。
【0005】
特に半導体パッケージ搭載基板の製造においては、レジストパターン形成後、めっき処理、レジスト剥離、ソフトエッチングを行うセミアディティブ工法(SAP)が主流になっている。
【0006】
上記セミアディティブ工法(SAP)に用いられる感光性樹脂組成物には、従来の感光性樹脂組成物よりも微細配線が形成可能であることが要求される。
【0007】
従来、微細配線が形成可能(解像度や密着性に優れる)な感光性樹脂組成物が多数提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−301101号公報
【特許文献2】特開2006−234995号公報
【特許文献3】特開2006−154740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1又は2に記載の感光性樹脂組成物を使用した場合でも、近年要求される解像度については改善の余地がある。また、本発明者らの検討により、上記特許文献3に記載の感光性樹脂組成物を使用すると、レジストパターンを形成する際のめっき工程において、レジストの端部でのめっき液への耐性(以下、「めっき耐性」という。)が低くなり、めっきもぐりが生じる点で改善の余地があることが判明した。
【0010】
めっき耐性を向上する手法としては、レジストに疎水性化合物を付与する手法や、ガラス転移温度を向上させる手法が一般的である。しかしながら、これらの手法では、疎水性向上により現像スカムの発生や、レジストの剥離残渣付着が生じたり、ガラス転移温度の向上によりレジスト柔軟性が低下し、めっきもぐりが改善されなかったりする問題があることを本発明者らは見出した。
【0011】
また、レジストに親水性化合物を付与することで、レジスト柔軟性を向上させる手法を本発明者らは試みたが、レジストの密着性及びめっき耐性の低下がみられ、SAPに要求される微細配線形成を形成可能であり、且つめっき耐性に優れた感光性樹脂組成物を製造することは困難であった。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、解像度及び密着性に優れ、且つめっき耐性が良好である感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の態様は、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、(A)成分が、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位を50〜80質量%、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位を5〜40質量%、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を1〜20質量%、及び(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を5〜30質量%含む、感光性樹脂組成物である。
【0014】
かかる感光性樹脂組成物によれば、解像度及び密着性に優れ、且つめっき耐性が良好である。これは、バインダーポリマーが、特定の共重合成分を特定量含有することで、親水性と疎水性のバランスに優れるレジストを提供できたためであると、本発明者らは推察している。
【0015】
本発明の第二の態様は、支持フィルムと、該支持フィルム上に形成される上記光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層とを備える感光性エレメントである。
【0016】
本発明の第三の態様は、上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、上記感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、上記光硬化部以外の上記感光性樹脂組成物層を除去する現像工程と、を含む、レジストパターンの形成方法である。本態様は、感光性樹脂組成物層を、感光性エレメントを用いて積層する態様でもよい。
【0017】
本発明の第四の態様は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成される基板に対し、エッチング処理又はめっき処理を施す、プリント配線板の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば解像度及び密着性に優れ、且つ薄板基材上においてもめっき耐性に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の感光性エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びメタクリロイル基を意味する。
【0021】
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー(以下、「(A)成分」ともいう。)、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)、及び(C)光重合開始剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有する。以下、(A)〜(C)成分につき、詳細に説明する。
【0022】
まず、(A)バインダーポリマーについて説明する。上記(A)バインダーポリマーは、後述の感光性エレメントにおいてフィルム形状を付与するための基材として機能する。
【0023】
かかる(A)バインダーポリマーは、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位、及び(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む。これらの構成単位を含むバインダーポリマーは、それぞれの構成単位に対応する単量体、すなわちベンジル(メタ)アクリレート誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸を含有する単量体組成物を共重合させることにより得られる。このようにして得られる共重合体において各構成単位は、いわゆるランダム共重合体のように共重合体中にランダムに含まれていてもよく、或いはブロック共重合体のように一部の特定の構成単位が局在して存在する共重合体であってもよい。そして、上記構成単位のそれぞれは単一種であっても複数種であってもよい。
【0024】
(A)バインダーポリマーは、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位を特定量含むことにより、樹脂の柔軟性を維持しながら密着性に優れる。ベンジル(メタ)アクリレート誘導体の具体例としては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、4−メチルベンジル(メタ)アクリレート、4−エチルベンジル(メタ)アクリレート、4−tertブチルベンジル(メタ)アクリレート、4−メトキシベンジル(メタ)アクリレート、4−エトキシベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルベンジル(メタ)アクリレート、4−クロロベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0025】
(A)バインダーポリマーは、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位を特定量含むことにより、細線部の密着性、解像度に優れる。スチレン誘導体の具体例としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンが挙げられる。
【0026】
(A)バインダーポリマーは、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を特定量含むことにより、バインダーポリマーの柔軟性と強靭性の両立に優れる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基であると好ましく、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8のアルキル基であるとより好ましく、直鎖状の炭素数1〜4のアルキル基であるとさらに好ましく、メチル基であると特に好ましい。
【0027】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
【0028】
(A)バインダーポリマーは、(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を特定量含むことにより、アルカリ現像性に優れる。
【0029】
なお、(A)バインダーポリマーは、上記(a1)〜(a4)以外の構成単位を含んでいてもよい。
【0030】
(A)バインダーポリマーは、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位を50〜80質量%含み、樹脂の柔軟性を維持しながら密着性により優れる点では、50〜75質量%含むことが好ましく、50〜70質量%含むことがより好ましく、50〜65質量%含むことがさらに好ましい。
【0031】
(A)バインダーポリマーは、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位を5〜40質量%含み、密着性及び解像度にさらに優れる点では、5〜35質量%含むことが好ましい。また、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を1〜20質量%含むが、レジストに親水性と疎水性をさらにバランス良く供与する点では、1〜15質量%含むことが好ましく、1〜10質量%含むことがより好ましく、1〜5質量%含むことがさらに好ましい。さらに、(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を5〜30質量%含むが、アルカリ現像性にさらに優れる点では、5〜25質量%含むことが好ましく、10〜25質量%含むことがより好ましい。
【0032】
また、(A)バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)は20,000〜150,000であることが好ましく、30,000〜100,000であることがより好ましく、40,000〜80,000であることがさらに好ましく、40,000〜60,000であることが特に好ましい。テント信頼性にさらに優れる点では、Mwが20,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることがさらに好ましい。一方、現像性及び解像性にさらに優れる点では、150,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、80,000以下であることがさらに好ましく、60,000以下であることが特に好ましい。なお、本発明においてMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレンの換算の重量平均分子量をいう。
【0033】
また、(A)バインダーポリマーの酸価(mgKOH/g)は、13〜78であることが好ましく、39〜65であることがより好ましく、52〜62であることがさらに好ましい。なお、本明細書中で酸価は、溶液中のバインダーポリマー1gに対する水酸化カリウムのmg数を表し、測定方法は実施例に記載の方法と同一とする。
【0034】
なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(a1)〜(a4)を所定量含有するバインダーポリマーの他に、従来公知のバインダーポリマーを併用して使用することができる。
【0035】
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、光架橋が可能であれば特に制限なく使用できる。その具体例としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、水添ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ウレタンモノマー、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0036】
上記の中でも、解像度及びめっき耐性を向上させる観点から、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】
上記式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。EO、POはそれぞれ、オキシエチレン基、オキシプロピレン基を示す。m、m、n、nはそれぞれ0〜40を示し、m+m(平均値)は1〜40、n+nは0〜20である。なお、EO、POはどちらがフェノール性水酸基側にあっても良い。m、m、n及びnは構成単位の数を示す。従って単一の分子においては整数値を示し、複数種の分子の集合体としては平均値である有理数を示す。以下、構成単位の数については同様である。
【0039】
めっき耐性により優れる点では、上記一般式(1)で表される化合物中、(1−1)m+m(平均値)が5以下である化合物と、(1−2)m+m(平均値)が6〜40である化合物を組み合わせて使用することが好ましい。
【0040】
(1−1)m+m(平均値)が5以下である化合物としては、例えばm+m(平均値)が4である新中村化学(株)製BPE−200を用いることができ、(1−2)m+m(平均値)が6〜40である化合物としては、例えばm+m(平均値)が10である新中村化学(株)製BPE−500を用いることができる。
【0041】
また、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物に加えて、下記式(2)で表される化合物をさらに含むことが好ましい。
【0042】
【化2】

上記式(2)中、R14及びR15はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、EO及びPOは上記と同義であり、sは1〜30を示し、r及びrはそれぞれ0〜30を示し、r+r(平均値)は1〜30である。
【0043】
式(2)で表される化合物の具体例としては、R14及びR15がメチル基、r+r=4(平均値)、s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業社製、商品名:FA−023M)が挙げられる。
【0044】
(C)光重合開始剤は、特に制限なく使用できるが、その具体例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0045】
上記の中でも、密着性及び感度の見地から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、より好ましくは2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体を含むことが好ましい。
【0046】
感光性樹脂組成物における(A)バインダーポリマーの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、45〜75質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることがさらに好ましい。感光性エレメントとして用いた場合に塗膜性にさらに優れる点では、40質量部以上であることが好ましく、45質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましい。また、光感度にさらに優れる点では、80質量部以下であることが好ましく、75質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましい。
【0047】
感光性樹脂組成物における(C)光重合開始剤の含有量は、光感度と内部硬化性に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜4.5質量部であることがより好ましく、1〜4質量部であることがより好ましい。
【0048】
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物、カチオン重合開始剤、増感剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモメチルフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤を感光性樹脂組成物に添加した場合のその含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度とすることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0049】
感光性樹脂組成物における(A)、(B)及び(C)成分の合計の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
【0050】
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解させて固形分30〜60質量%程度の溶液として用いることができる。
【0051】
感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
【0052】
(感光性エレメント)
以下、図1に基づいて本実施形態の感光性エレメントについて説明する。本実施形態の感光性エレメント1は支持フィルム10と、上述の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層20とを備える。感光性樹脂組成物層20は支持フィルム10の第1の主面12上に設けられている。また、支持フィルム10は、第1の主面12とは反対側に第2の主面14を有している。また、感光性樹脂組成物層20の支持フィルム10とは反対側の面には保護フィルムが設けられていてもよい。なお、上記感光性樹脂組成物層は、上記感光性樹脂組成物が未硬化状態のものである。
【0053】
感光性樹脂組成物層20の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。セミアディティブ工法(SAP)に用いる点では、5〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。
【0054】
支持フィルム10は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムからなるものを用いることができる。これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。
【0055】
感光性樹脂組成物層20は、上述の感光性樹脂組成物を支持フィルム10上に塗布、乾燥することにより得ることができる。上記塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。
【0056】
また、感光性エレメント1は、感光性樹脂組成物層20、支持フィルム10、保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を備えていてもよい。
【0057】
感光性エレメント1は、例えば、そのまま又は上記保護フィルムをさらに積層した状態で円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なおこの際、支持フィルム10が外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
【0058】
(レジストパターンの形成方法)
上記感光性エレメント1を用いてレジストパターンを形成する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
【0059】
保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層20を70〜130℃程度に加熱しながら基板に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することにより、感光性樹脂組成物層を積層する。なお、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。
【0060】
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層20は、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
【0061】
露光方法としては、近年、DLP(Digital Light Processing)やLDI(Laser Direct Imaging)と呼ばれる、パターンのデジタルデータを直接感光性樹脂組成物層に描画する直接描画露光法が実用化されているが、本発明の感光性樹脂組成物は、直接描画露光法に好適に用いることができる。即ち、本発明の実施形態の感光性樹脂組成物は、直接描画露光方法に好適に使用することができる。即ち、本発明の好適な実施形態の一つは、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(A)成分が、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位を50〜80質量%、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位を5〜40質量%、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を1〜20質量%、及び(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を5〜30質量%含む、感光性樹脂組成物の直接描画露光法によりレジストパターンを形成するための応用である。
【0062】
露光後、感光性樹脂組成物層上に支持フィルム10が存在している場合には、支持フィルム10を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを形成することができる。
【0063】
上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
【0064】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。本実施形態の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして銅めっきで処理する。
【0065】
次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。
【0066】
(プリント配線板の製造方法)
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンの形成された基板に対し、エッチング処理又はめっき処理することによって行われる。ここで、基板のエッチング処理又はめっき処理は、現像されたレジストパターンをマスクとして、基板の表面を公知の方法によりエッチング又はめっきすることによって行われる。
本発明の感光性樹脂組成物は、中でも、薄型化が要求されるパッケージ用基材やフレキシブルプリント配線板用銅張積層板上に回路を形成する際に好適に使用することができる。
【0067】
エッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液を用いることができる。めっきとしては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきが挙げられる。
【0068】
エッチング又はめっきを行った後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。また、剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。なお、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
【0069】
また、めっきが絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板に対して行われた場合には、パターン以外の導体層を除去する必要がある。この除去方法としては、例えば、レジストパターンを剥離した後に軽くエッチングする方法や、上記めっきに続いてはんだめっき等を行い、その後レジストパターンを剥離することで配線部分をはんだでマスクし、次いで導体層のみをエッチング可能なエッチング液を用いて処理する方法が挙げられる。
【0070】
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述したように、プリント配線板の製造に好適に使用することができる。即ち、本発明の好適な実施形態の一つは、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、上記(A)成分が、(a1)ベンジル(メタ)アクリレート誘導体由来の構成単位を50〜80質量%、(a2)スチレン誘導体由来の構成単位を5〜40質量%、(a3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を1〜20質量%、及び(a4)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を5〜30質量%含む、感光性樹脂組成物のプリント配線板の製造への応用である。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0072】
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
(感光性樹脂組成物溶液の調製)
表1に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分、添加剤及び溶剤を配合し、感光性樹脂組成物溶液を得た。なお、(A)成分におけるバインダーポリマーは下記の方法により得られたものである。
【0073】
[バインダーポリマーの合成]
表2に示す(a1)〜(a4)の重合性単量体にアゾビスイソブチロニトリル0.6gを溶解した混合液を「溶液a」とした。
【0074】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ60g及びトルエン40gの混合液(質量比3:2)100gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みつつ撹拌しながら加熱し、80℃まで昇温させた。
【0075】
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液aを4時間かけて滴下した後、メチルセロソルブ6g及びトルエン4gの混合液(質量比3:2)で滴下ロートを洗浄しながら10分間かけて滴下し、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、メチルセロソルブ6g及びトルエン4gの混合液(質量比3:2)にアゾビスイソブチロニトリル0.2gを溶解した溶液を10分間かけて滴下した後、メチルセロソルブ18g及びトルエン12gの混合液(質量比3:2)を10分間かけて滴下し、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて3時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後、冷却してそれぞれのバインダーポリマーの溶液を得た。
【0076】
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所製)
カラム:以下の計3本
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成工業(株)製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製)
【0077】
(酸価測定)
三角フラスコに合成したバインダーポリマーの溶液0.5gを秤量し、混合溶剤(質量比:トルエン/メタノール=70/30)30mlを加え溶解後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を添加し、N/10水酸化カリウムアルコール溶液で滴定し、酸価を測定した。
【表1】
【0078】
BPE−500:平均10モルのポリオキシエチレンを有するビスフェノールA系ジメタクリレート(新中村化学(株)製、商品名)
BPE−200:平均4モルのポリオキシエチレンを有するビスフェノールA系ジメタクリレート(新中村化学(株)製、商品名)
FA−023M:平均12モルのポリオキシプロピレンの両端に平均3モルのポリオキシエチレンを付与したジメタクリレート(日立化成工業(株)製、商品名)
【0079】
【表2】
【0080】
(感光性エレメントの作製)
次に、得られた感光性樹脂組成物溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名「G2−16」)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、28μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−15A」)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は15μmであった。
【0081】
(レジストパターンの形成)
次に、プリント配線板用銅張積層板(日立化成工業(株)製、商品名「MCL−E679」)の銅表面を粗化、アルカリ脱脂、酸洗浄、水洗を実施後、空気流で乾燥し、得られた基材を80℃に加温した。その銅表面上に上記感光性樹脂組成物層をポリエチレンフィルムを剥がしながら100℃のヒートロールを用い1m/分の速度でラミネートし、評価用積層体を得た。
【0082】
<光感度の評価>
上記評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製、商品名「EXM−1201」)を用いて露光を行った。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーし(スプレー(現像)時間:最少現像時間の2倍)、未露光部分を除去した。その後、銅張積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数(X/21)を測定し、ST=5/21を示す露光量(mJ/cm)を光感度の値とした。この数値が小さいほど、光感度が高いことを示す。
【0083】
<密着性の評価>
上記評価用積層体上にネガとしてライン幅が1〜30(単位:μm)の配線パターンを有するガラス製フォトツールを密着させ、現像後の残存ステップ段数がST=5/21となるエネルギー量によりパターン露光した。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーし(スプレー(現像)時間:最少現像時間の2倍)、未露光部分を除去した。その後、光学顕微鏡を用いて観察し、密着性の評価を行った。密着性の値は、現像処理によって剥離せずに残ったライン幅(μm)のうち最も小さい値で表され、この数値が小さいほど、密着性が高いことを示す。
【0084】
<解像性の評価>
上記評価用積層体上にネガとしてライン幅/スペース幅が1/1〜30/30(単位:μm)の配線パターンを有するガラス製フォトツールを密着させ、現像後の残存ステップ段数がST=5/21となるエネルギー量によりパターン露光した。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーし(スプレー(現像)時間:最少現像時間の2倍)、未露光部分を除去した。その後、光学顕微鏡を用いて観察し、解像性の評価を行った。解像性の値は、現像処理によって未露光部を完全に除去できたスペース幅(μm)のうち最も小さい値で表され、この数値が小さい程、解像性が高いことを示す。
【0085】
<めっき耐性の評価>
感光性樹脂組成物層をフレキシブルプリント配線板用銅張積層板(ニッカン工業(株)製、商品名「F30VC1」)にラミネートし作成した評価用積層体上にネガとして1/1〜30/30(単位:μm)の配線パターンを有するガラス製フォトツールを密着させ、現像後の残存ステップ段数がST=5/21となるエネルギー量によりパターン露光した。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーし(スプレー(現像)時間:最少現像時間の2倍)、未露光部分を除去し、評価用基板を得た。上記評価用基板に酸脱脂、水洗、硫酸ディップを順に実施し、硫酸銅めっき液を用いて1A/dmの条件でめっき厚みが12μmになるまで銅めっき処理を行った。水洗、乾燥後、レジストを剥離し、上方から光学顕微鏡を用いて、めっきもぐり幅を測定した。めっき耐性の値は、めっきもぐり幅で評価され、数値が小さいほど銅めっき耐性が良好であることを示す。
【0086】
<屈曲性>
感光性樹脂組成物層をフレキシブルプリント配線板用銅張積層板(ニッカン工業(株)製、商品名「F30VC1」)にラミネートし作成した評価用積層体を30mm×150mm四方の大きさに切断し、現像後の残存ステップ段数がST=5/21となるエネルギー量により全面露光した。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーした(スプレー(現像)時間:最少現像時間の2倍)。得られたサンプルをガードナー式マンドレル屈曲試験機でレジストに亀裂が発生しない最大直径を測定した。直径が小さいほど、屈曲性が良好であることを示す。
【0087】
【表3】
【0088】
表3から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物を用いた実施例1〜5は、屈曲性、めっき耐性に優れ、且つ充分な光感度、密着性及び解像性を示す。
【符号の説明】
【0089】
1…感光性エレメント、10…支持フィルム、20…感光性樹脂組成物層。
図1