(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053232
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】光通信システム及び光通信異常復帰方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/272 20130101AFI20161219BHJP
H04B 10/032 20130101ALI20161219BHJP
【FI】
H04B10/272
H04B10/032
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-543853(P2015-543853)
(86)(22)【出願日】2014年10月21日
(86)【国際出願番号】JP2014077894
(87)【国際公開番号】WO2015060277
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2015年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2013-221859(P2013-221859)
(32)【優先日】2013年10月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智暁
(72)【発明者】
【氏名】金子 慎
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊二
【審査官】
川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−130079(JP,A)
【文献】
特開2011−082908(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0085795(US,A1)
【文献】
特開2003−218912(JP,A)
【文献】
特表平08−505270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00 − 10/90
H04J 14/00 − 14/08
H04L 12/44
H04L 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加入者装置と単一の局側装置とが接続され、前記加入者装置と前記局側装置が複数の波長を切替えて通信を行う光通信システムであって、
前記加入者装置と前記局側装置は、主通信波長を用いて通信を行い、
前記加入者装置は、前記主通信波長を用いる前記局側装置との通信に異常が発生したことを検出すると、前記局側装置と通信を行うための波長をあらかじめ保持されている予備通信波長へと変更し、
前記局側装置は、前記予備通信波長を用いた制御信号を優先的に前記加入者装置に送信する、
光通信システム。
【請求項2】
前記局側装置は、
前記加入者装置への前記主通信波長の割り当て時に、前記予備波長を前記加入者装置に割り当てる動的波長帯域割当回路を、
さらに備える、
請求項1に記載の光通信システム。
【請求項3】
前記加入者装置は、前記主通信波長から前記予備通信波長への波長切替後に、前記局側装置との通信の異常検出が解消されていることをもって、前記予備通信波長への波長切替が完了したと判定する、
請求項1又は2に記載の光通信システム。
【請求項4】
前記加入者装置は、前記局側装置との通信に異常が発生してからの時間又は前記予備通信波長へ変更してからの時間を測定する時間を測定する回復待機保護タイマをさらに備え、
前記加入者装置は、前記回復待機保護タイマが測定する時間があらかじめ指示された回復待機時間を超えても前記局側装置との通信が異常状態である場合、前記局側装置の前記予備通信波長を用いた通信が異常状態であるとする、
請求項1から3のいずれかに記載の光通信システム。
【請求項5】
複数の加入者装置と単一の局側装置とが接続され、前記加入者装置と前記局側装置が複数の波長を切替えて通信を行う光通信システムにおいて、前記局側装置と前記加入者装置との間で通信を行う波長を変更する通信波長帯域割当方法であって、
前記加入者装置と前記局側装置の主通信波長を用いた通信の異常を、前記加入者装置で検出する異常検出手順と、
前記異常検出手順により異常が検出されると、前記加入者装置が前記局側装置と通信を行うための波長をあらかじめ保持されている予備通信波長へと変更し、前記局側装置が前記予備通信波長を用いた制御信号を優先的に前記加入者装置に送信する波長切替手順と、
を順に有する光通信異常復帰方法。
【請求項6】
前記予備通信波長は、前記加入者装置への前記主通信波長の割り当て時に、前記加入者装置に割り当てられる、
請求項5に記載の光通信異常復帰方法。
【請求項7】
前記加入者装置は、前記主通信波長から前記予備通信波長への波長切替後に、前記局側装置との通信の異常検出が解消されていることをもって、前記予備通信波長への波長切替が完了したと判定する
請求項5又は6に記載の光通信異常復帰方法。
【請求項8】
前記加入者装置が、前記局側装置との通信に異常が発生してからの時間又は前記予備通信波長へ変更してからの時間を測定する待機時間測定手順をさらに有し、
前記待機時間測定手順により測定された時間があらかじめ指示された回復待機時間を超えても前記局側装置との通信が異常状態である場合、前記局側装置の前記予備通信波長を用いた通信が異常状態であるとする、
請求項5から7のいずれかに記載の光通信異常復帰方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長多重及び時分割多重を組み合わせたPON(Passive Optical Network)における、可用性向上に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の急速なインターネットの普及に伴い、アクセスサービスシステムの大容量化、高度化、経済化が求められている中、それを実現する手段としてPONの研究が進められている。PONとは、光受動素子による光合分波器を用いて、1個の局側装置及び伝送路の一部を複数の加入者装置で共有することにより、経済化を図る光通信システムである。
【0003】
現在、日本では主に1Gbpsの回線容量を最大32ユーザで時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)によって共有する経済的な光加入者システムの1つであるGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)が導入されている。これにより、FTTH(Fiber To The Home)サービスが現実的な料金で提供されるようになった。
【0004】
また、より大容量のニーズに対応するため、次世代光加入者システムとして、総帯域が10Gbps級である10G−EPON(10 Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)の研究が進められており、2009年に国際標準化が完了した。これは、送受信器のビットレートを増大させることにより、光ファイバなどの伝送路部分はGE−PONと同一のものを利用しながら、大容量化を実現する光加入者システムである。
【0005】
さらなる将来には、超高精細映像サービスやユビキタスサービスなど10G級を超える大容量が求められることが考えられるが、単純に送受信器のビットレートを10G級から40/100G級に増大させるだけでは、システムアップグレードにかかるコストの増大により、実用化が難しいという課題があった。
【0006】
これを解決する手段として、帯域要求量に応じて局側装置内の送受信器を段階的に増設することができるように、送受信器に波長可変性を付加し、時分割多重(TDM)及び波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を効果的に組み合わせた波長可変型WDM/TDM−PONが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
波長可変型WDM/TDM−PONは非特許文献2にあるように、ユーザの要求に合わせて段階的な総帯域の増設や柔軟な負荷分散が可能となるシステムとして近年注目されており、その段階的な総帯域の増設時に、負荷分散による所属OSU(Optical Subscriber Unit)の変更には動的波長帯域割当アルゴリズムを用いる。動的波長帯域割当(DWBA: Dynamic Wavelength and Bandwidth Allocation)は、所属するOSU内において、ONU(Optical Network Unit:加入者装置)からの上りの動的帯域割当(DBA:Dynamic Bandwidth Allocation)と、所属OSUを切替える波長切替の組み合わせによって実現される。
【0008】
図1に、本発明に関連する波長可変型WDM/TDM−PONシステムの構成図の一例を示す。本発明に関連する波長可変型WDM/TDM−PONシステムは、局側装置(OLT:Optical Line Terminal)10と加入者装置(ONU)20を備える。局側装置(OLT)10は、動的波長帯域割当回路101と、多重分離部106と、OSU107とを備える。OLT10とONU20の間は光合分波器11及び光合分波器12を用いたpoint−to−multipoint構成のPONトポロジで接続される。光合分波器11及び光合分波器12の例として、パワースプリッタ又は波長ルータが挙げられる。13は光ファイバ、14は光ファイバ、15は光ファイバ、16は光ファイバ、40は中継ネットワークである。
【0009】
図1のOLT10はm種類のλ
1d及びλ
1u〜λ
md及びλ
muの波長組を送受信するm個のラインカードOSU107と、動的波長帯域割当回路101と、多重分離部106を備える。OSU#1〜OSU#mはONU20から送信されるλ
1d及びλ
1u〜λ
md及びλ
muのそれぞれの波長信号を送受信する。OLT10にはh台のONU20が光合分波器11、光合分波器12、光ファイバ13、光ファイバ14、光ファイバ15、光ファイバ16を介して接続され、それぞれのONU20は下りと上りの波長の組であるλ
1d及びλ
1u〜λ
md及びλ
muのいずれかの波長の組を用いて送受信する。それぞれのONU20はOLT10からの指示に従ってλ
1d及びλ
1u〜λ
md及びλ
muの波長を切替えて送受信することができる。
【0010】
各ONU20には設置されるユーザ宅の通信装置からの上り信号が入力され、ONU20内部の光送受信器で上り光信号として送信される。上り信号はONU20側の光合分波器11からはOLT10に向けて1本の光ファイバ13に多重されるため、上り信号が重ならないよう各ONU20が送信する上り信号の送信時刻、送信継続時間をOLT10が算出し、制御する。OSU#1〜OSU#mで受信した上り信号1〜mはOLT10内の多重分離部106にて集約され、一つの上り信号に多重されて中継ネットワーク40側に送信される。一方中継ネットワーク40側から各ONU20への下り信号は、多重分離部106にて下り信号に記されている宛先ONU20情報とONU20の所属するOSU107情報を基に、OSU#1〜OSU#mへの下り信号1〜mに分離される。分離された下り信号1〜mはOSU#1〜OSU#mの有するλ
1d及びλ
1u〜λ
md及びλ
muの波長で、各ONU20に送られる。下り信号は各OSU107の波長で各ONU20に同報されるが、ONU20の送受信波長が所属する各OSU107の送受信波長に設定されているため、ONU20は受信する波長の信号から、自宛の情報を選択し、ONU20からユーザ宅の通信装置へ出力される。
【0011】
動的波長帯域割当回路101は、DWBA計算部103と、切替指示信号生成部102と、制御信号送信部104と、要求信号受信部105とを備える。各ONU20から送信された帯域要求を含んだ信号を各OSU107を通じて要求信号受信部105で受信し、その要求に基づいて各ONU20に割り当てる上りデータ信号および要求信号の送信時刻、送信継続時間をDWBA計算部103で算出し、その情報を格納した指示信号を切替指示信号生成部102で生成し、制御信号送信部104から各OSU107を通じて各ONU20へ送信する。また、DWBA計算部103はPON区間、つまり複数のONU20と複数のOSU107が、光ファイバ13、光ファイバ14、光ファイバ15、及び光ファイバ16、そして、光合分波器11、及び光合分波器12を介して接続されている区間での接続情報を管理している。多重分離部106が出力する下り信号は、OSU107で中継されてONU20へと送られる。ONU20が通信に用いる波長を切替えると、DWBA計算部103が、通信波長を変更したONU20への下り信号を中継するOSU107を変更するよう多重分離部106に指示する。
【0012】
図2にONU20の構成を示す。ONU20はデータ受信部201と、データ送信部208と、上りバッファメモリ202と、下りバッファメモリ209と、宛先解析選択受信部210と、フレーム送出制御部203と、フレーム組立送信部204と、波長可変光送受信器205と、要求帯域計算部206と、要求信号送出部207と、指示信号受信部211と、波長切替制御部212とを備える。
【0013】
ユーザからの上り信号はデータ受信部201で受信され、上りバッファメモリ202内に一時的に蓄積される。フレーム送出制御部203はOLT10からの指示信号によって指定された上り信号の送信時刻および送信継続時間に従って、上り信号をフレーム組立送信部204に送る。フレーム組立送信部204はPON構成においてOLT10に信号を送信するために必要なフレーム形式を構成し、波長可変光送受信器205に送る。ここで、PON構成とは、OLT10と複数のONU20を備え、OLT10とONU20の間は光ファイバ、及び光合分波器で光接続される構成である。波長可変光送受信器205は波長切替制御部212で指定された波長λ
1d及びλ
1u〜λ
md及びλ
muのいずれかで光信号に変換しOLT10へ送信する。OSU107からの下り信号は、波長可変光送受信器205において、指定された波長を選択して受信し、宛先解析選択受信部210において下り信号の宛先を解析して自宛の情報のみを選択し、下りバッファメモリ209に格納する。データ送信部208は下りバッファメモリ209に蓄積されている情報をユーザへ下り信号として送信する。
【0014】
波長可変光送受信器205はOLT10からの指示信号を受信して電気信号に変換し、指示信号受信部211へ送る。指示信号受信部211は指示信号の指示内容を解析し、指示信号に波長切替指示、切替後の波長、切替開始時刻が含まれていれば、指定された時刻に切替先波長と切替実行指示を波長切替制御部212に送る。波長切替制御部212は波長切替制御に従って波長可変光送受信器205の波長を切替える。また、OLT10はONU20の要求する帯域の情報をONU20から受信して帯域の割当に利用する。その方法はさまざまであるが、例えば、この要求帯域の情報をOLT10へ送信するよう指示信号を用いて指示し、その指示に従ってONU20がOLT10へ要求帯域の情報を要求信号に記載することもある。その場合、指示信号受信部211は要求信号送出を要求する指示信号を受信すると、要求信号送出部207へ要求信号の生成を指示する。要求信号送出部207は要求帯域計算部206に要求する帯域を算出するよう指示する。要求帯域計算部206はバッファメモリに蓄積されている上り信号のデータ量を計測しており、そのデータ量に基づき要求帯域量を決定し、要求信号送出部207へ要求帯域量を送る。要求信号送出部207は要求量を記載した要求信号を生成し、フレーム送出制御部203に送る。
【0015】
指示信号は要求信号の送出開始時刻および送信継続時間の情報が含まれていることもある。その場合、指示信号受信部211はフレーム送出制御部203に指示信号に含まれていた要求信号の送出開始時刻および送信継続時間の情報を送り、フレーム送出制御部203は指示された時刻に要求信号をフレーム組立送信部204に送り、波長可変光送受信器205を介してOLT10へ要求信号を送信する。また、OLT10から送信される指示信号にはONU20がユーザ側から受信した上り信号をOLT10へ送信する送信開始時刻および送信継続時間が含まれている。指示信号受信部211は、フレーム送出制御部203に指示信号に含まれていた上り信号の送信開始時間および送信継続時間の情報を送り、フレーム送出制御部203は指示された時刻に上り信号をバッファメモリからフレームを取り出し、送信継続時間の期間フレーム組立送信部204に送り、波長可変光送受信器205を介してOLT10へ送信する。
【0016】
非特許文献3においては、OLT10の信頼性、可用性を高めるための機能として、OSU107の冗長化が記載されている。OLT10に2台以上のOSU107が搭載され、あるOSU107に異常が発生した場合には、当該異常OSU107の用いる上り、下り波長を割り当てたONU20の用いる上り、下り波長を別のOSU107の上り、下り波長に割り当てて通信を回復させることで、OSU107異常における通信断時間を避けることが可能であると記載されている。
【0017】
しかし、非特許文献3においてはOSU107の波長は固定となっており、OSU107異常発生時はONU20の波長を切替えることによって通信断を回避するが、OSU107の異常発生によりOSU107の光送受信器の稼働停止やOSU107の電源供給停止などが生じて下り信号が喪失した場合、ONU20自体が切替先OSU107を選択し、接続する動作を実装する必要がある。すなわち、自発的にONU20が波長切替を制御して通信を回復させる機構が必要になるが、これは、常にOLT10からの指示によって波長切替を行うONU20と比べて、ONU20の自発的波長切替、接続状態回復に関する機能を実装することになり、ONU20のコストアップ要因となる。したがって異常発生時に波長を切替える機構はコストアップを抑制できる簡易な構成でなければならない。
【0018】
また、OSU107の異常発生時は、異常OSU107に割り当てられていたONU20は、当該異常OSU107の下りの波長の信号や切替えの指示を受信できないだけでなく、別のOSU107からも即座に受信することができない。なぜなら、当該異常OSU107に所属していたONU20は、別の波長を用いる別のOSU107の下り波長を、混信を避けるため波長フィルタ等を用いて波長可変光送受信器205で除外するからである。したがって、上記示したようにOSU107に異常が発生し、当該異常OSU107に割り当てられていたONU20が波長切替によって通信の回復が必要になった時点では、切替先波長に関する情報、指示が得られない状態で、切替先波長を選択する手段を有する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Kazutaka Hara et al,“Flexible load balancing technique using dynamic wavelength bandwidth allocation (DWBA) toward 100Gbit/s−class−WDM/TDM−PON”, Tu.3.B.2, ECOC2010, 2010
【非特許文献2】S. Kimura, “WDM/TDM−PON Technologies for Future Flexible Optical Access Networks,” 6A1−1, OECC2010, 2010
【非特許文献3】玉置他,“次世代光アクセスネットワークに向けた波長可変型WDM/TDM−PON”, 電子情報通信学会技術研究報告,vol. 112, no. 118, pp 39−44, 2012年7月
【非特許文献4】S.Kaneko,T.Yoshida,S.Kimura,N.Yoshimoto,and H.Kimura,”Agile OLT−Protection Method Based on Backup Wavelength and Discovery Process for Resilient WDM/TDM−PON”,ECOC 2014,Tu.1.2.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前記課題を解決するために、OSUに異常が発生した場合、例えば、OSUの光送受信機の稼動停止やOSUの電源供給停止等が生じて下り信号が喪失した場合に、ONU自体が切替先OSUを選択して再接続する機能を備えた光通信システム及び光通信異常復帰方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本願発明の光通信システムは、複数の加入者装置と単一の局側装置とが接続され、前記加入者装置と前記局側装置が複数の波長を切替えて通信を行う光通信システムであって、前記加入者装置と前記局側装置は、主通信波長を用いて通信を行い、前記加入者装置は、前記主通信波長を用いる前記局側装置との通信に異常が発生したことを検出すると、前記局側装置と通信を行うための波長を
あらかじめ保持されている予備通信波長へと変更
し、前記局側装置は、前記予備通信波長を用いた制御信号を優先的に前記加入者装置に送信する。
【0022】
本願発明の光通信システムは、前記局側装置は、
前記加入者装置への前記主通信波長の割り当て時に、前記予備波長
を前記加入者装置に割り当てる動的波長帯域割当回路をさらに備えてもよい。
【0023】
本願発明の光通信システムは、
前記加入者装置は、
前記主通信波長から前記予備通信波長への波長切替後に、前記局側装置との通信の異常検出が解消されていることをもって、前記予備通信波長への波長切替が完了したと判定してもよい。
【0024】
本願発明の光通信システムは、前記加入者装置は、前記局側装置との通信に異常が発生してからの時間又は前記予備通信波長へ変更してからの時間を測定する時間を測定する回復待機保護タイマをさらに備え、前記加入者装置は、前記回復待機保護タイマが測定する時間があらかじめ指示された回復待機時間を超え
ても前記局側装置
との通信が異常状態である
場合、前記局側装置の前記予備通信波長を用いた通信が異常状態であるとしてもよい。
【0025】
本願発明の光通信異常復帰方法は、複数の加入者装置と単一の局側装置とが接続され、前記加入者装置と前記局側装置が複数の波長を切替えて通信を行う光通信システムにおいて、前記局側装置と前記加入者装置との間で通信を行う波長を変更する通信波長帯域割当方法であって、前記加入者装置と前記局側装置の主通信波長を用いた通信の異常を、前記加入者装置で検出する異常検出手順と、前記異常検出手順により異常が検出されると、前記加入者装置が前記局側装置と通信を行うための波長を
あらかじめ保持されている予備通信波長へと変更
し、前記局側装置が前記予備通信波長を用いた制御信号を優先的に前記加入者装置に送信する波長切替手順と、を順に有する。
【0026】
本願発明の光通信異常復帰方法は、前記予備通信波長
は、
前記加入者装置への前記主通信波長の割り当て時に、前記加入者装置に割り当て
られてもよい。
【0027】
本願発明の光通信異常復帰方法は、
前記加入者装置は、前記主通信波長から前記予備通信波長への波長切替後に、前記局側装置との通信の異常検出が解消されていることをもって、前記予備通信波長への波長切替が完了したと判定してもよい。
【0028】
本願発明の光通信異常復帰方法は、前記加入者装置が、前記局側装置との通信に異常が発生してからの時間又は前記予備通信波長へ変更してからの時間を測定する待機時間測定手順をさらに有し、前記待機時間測定手順により測定された時間があらかじめ指示された回復待機時間を超え
ても前記局側装置
との通信が異常状態である
場合、前記局側装置の前記予備通信波長を用いた通信が異常状態であるとしてもよい。
【0029】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0030】
本願発明に係る光通信システム及び光通信異常復帰方法を用いることにより、OSUに異常が発生した場合に、ONU自体が切替先OSUを選択して再接続することによって光通信システムを異常から復帰させ、局側装置と加入者装置の通信を回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に関連する波長可変型WDM/TDM−PONシステムの一例の構成図を示す。
【
図2】本発明に関連する波長可変型WDM/TDM−PONシステムの一例におけるONUの構成図を示す。
【
図3】本発明の実施形態におけるONUの一例の構成図を示す。
【
図4】本発明の実施形態におけるOSU107異常発生時のONU30での切替先表の一例を示す。
【
図5】本発明の実施形態におけるOSU107異常発生時のOLT10での切替先表の一例を示す。
【
図6】OSU107異常発生時の実施例における割当ONU表の一例を示す。
【
図7】本実施形態に係る初期接続動作の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0033】
本発明の実施形態は、ONU30にOSU107の異常発生を検知する手段を有し、ONU20が割り当てられているOSU107に異常が発生した場合には、受信波長を切替える切替先の上り、下り波長をすべてのONU30に関して記載した割当ONU表を、あらかじめOLT10が保持する。ONU20が割り当てられているOSU107の異常が発生した場合の、受信波長を切替える切替先下り波長は、あらかじめONU30が保持している。ONU30が保持する切替先下り波長は、初期割当時にOLT10から指示され、かつリンク確立後にもOLT10から変更が可能である。ONU30がOSU107の異常(例えば、一定時間の信号断、同期はずれ)を検出した場合には、ONU30は受信波長を下り波長に切替え、予備下り波長を用いているOSU107からの初期接続動作により、予備下り波長を用いるOSU107との接続を確立させる。このようにして、早期に通信を回復させる。次に本実施形態の動作を説明する。
【0034】
図3に本実施形態におけるONUの構成の一例として、ONU30を示す。ONU30はデータ受信部201と、データ送信部208と、上りバッファメモリ202と、下りバッファメモリ209と、宛先解析選択受信部210と、フレーム送出制御部203と、フレーム組立送信部204と、波長可変光送受信器205と、要求帯域計算部206と、要求信号送出部207と、指示信号受信部211と、波長切替制御部212と、監視制御部301と、回復待機保護タイマ302と、異常検出部として機能する受信異常検出部303とを備える。
【0035】
ここで、主通信波長とは、ONU30の現用上り波長及び現用下り波長を含むものとする。また、予備通信波長とは、ONU30の予備上り波長及び予備下り波長を含むものとする。新たな主通信波長とは、OSU107の異常が検出され、ONU30が用いる波長切替が行われた後、ONU30が用いる上り波長及び下り波長を含むものとする。
【0036】
ONU30では、
図2に示したWDM/TDM−PONのONU20に、OSU107の異常発生を下り波長の信号の状態から検出する受信異常検出部303が追加されている。また、
図2では動作の説明上記載していないが、
図3には、ONUの各状態を監視し、必要に応じてOLT10へその情報を伝達するよう指示、制御する監視制御部301を追記している。また、監視制御部301は、異常が発生したOSU107からの通信が回復されたかどうかを判定するための回復待機保護タイマ302を有している。その他のOLT10、OSU107の構成は
図1と同じである。
【0037】
図3における受信異常検出部303は、指示信号受信部211を介して下り波長の信号の状態を常に監視しており、OSU107の異常発生によって下り波長信号の途絶や同期はずれを検出し、定められた波長切替を行うよう波長切替制御部212に指示する。ただし、本実施例において受信異常検出部303は指示信号受信部211より下り波長信号の状態を検出しているが、これは波長可変光送受信器205の下り信号から直接得ることでも宛先解析選択受信部210からの情報でもよい。
【0038】
受信異常検出部303は、OSU107の異常検出を行った後に波長切替を行う切替先波長をあらかじめ保持しておく切替先表を有しており、
図4及び
図5に本実施例の切替先表を示す。各ONU30は現用の下り波長と、OSU107の異常発生時に切替える予備下り波長の情報をそれぞれ有している。この切替先表の情報は、ONU30の初期接続時にOLT10より与えられる。OLT10は、各ONU30の現用上り、下り波長、予備上り、下り波長の割当ONU表を有している。OLT10は
図6に示したOSU107と割当ONU30の対応表およびOSU107の用いる上り、下り波長から割り当てられたすべてのONU30に対する現用上り下り、予備上り下りの波長を管理している。この割当ONU表を用いて、OLT10は各ONU30の初期接続時に、現用下り波長と予備下り波長を指定する。OLT10の当該割当ONU表はONU30の割当OSU107が変更されるたび、すなわちONU30の波長切替が生じるたびに更新される。
【0039】
OLT10は
図6に示すような各OSU107に割り当てられているONU30を管理している。波長可変型WDM/TDM−PONは、
図1の説明において説明した通り、各ONU30は上り下りの波長を切替えることにより、割り当てOSU107を変更することができる。したがって、OLT10はどのOSU107にどのONU30が割り当てられているかを常に把握しており、したがって、
図6に示す割当ONU表は常時OLT10が使用しているOSU107−ONU30対応関係の管理情報から抽出して作成してもよい。ただし、本表はONU30の波長切替が発生するたびに変更される。
【0040】
本実施形態に係る光通信異常復帰方法は、異常検出手順と、波長切替手順と、動的波長帯域割当手順と、初期接続動作手順と、待機時間測定手順とを有する。異常検出手順及び波長切替手順は順に行う。初期接続動作手順及び待機時間測定手順は波長切替手順の後に行う。動的波長帯域割当手順は、OLT10からの指示により、任意のタイミングで行う。
【0041】
異常検出手順は、OSU107の異常の判定を行う手順である。波長切替手順は、異常検出手順で異常が検出された後、ONU30が用いる下り波長または、上り、下り双方の波長を切替える手順である。動的波長帯域割当手順は、波長切替えを実施した際に、予備通信波長を、あらかじめONU30に割り当てる手順である。初期接続動作手順は、波長切替手順でONU30が用いる下り波長または上り下り双方の波長を切替えた後、ONU30とOLT10との間の主通信波長を指示して主通信波長に切替えさせた後に、往復遅延時間の測定、および予備通信波長をあらかじめONU30に割り当てる等を行うことにより、ONU30とOLT10との間の接続を確立する手順である。待機時間測定手順は、局側装置との通信に異常が発生してからの時間である待機時間を測定する手順である。
【0042】
次に、OSU107の異常発生時の本実施例における切替、通信回復動作を説明する。まず、ONU#1〜ONU#hの受信異常検出部303は、初期接続動作手順に、またはOLT10からの動的波長帯域割当手順による指示により、
図4及び
図5のような切替先表を作成し、保持する。ここで、OSU#1にONU#1が割り当てられ、その現用上り下り波長にλ
1u及びλ
1dの組が用いられ、予備上り下り波長にλ
2u及びλ
2dの組が用いられるとする。またOSU#2にはONU#2が割り当てられ、その現用上り下り波長にλ
2u及びλ
2dの組が用いられ、予備上り下り波長にλ
3u及びλ
3dの組が用いられるとする。OSU#mにはONU#hが割り当てられ、その現用上り下り波長にλ
mu及びλ
mdの組が用いられ、予備上り下り波長にλ
1u及びλ
1dの組が用いられるとする。したがって、ONU#1には現用下り波長としてλ
1d、予備下り波長としてλ
2d、ONU#2には現用下り波長としてλ
2d、予備下り波長としてλ
3d、ONU#hには現用下り波長としてλ
md、予備下り波長としてλ
1dという情報が保持される。次に受信異常検出部303は下り波長の信号状態から異常検出手順に従って、OSU107の異常の判定を行う。異常検出手順でOSU107異常の判定が行われるのは、OSU107からの一定期間の光入力の途絶、又は一定期間の信号同期情報の喪失、又はOSU107からの異常発生等の申告を受信したときである。
【0043】
受信異常検出部303はOSU107の異常を検出すると、波長切替手順に従ってONU30が用いる下り波長または上り下り双方の波長を切替えるための動作を開始する。具体的には、即座にONU30内の監視制御部301にOSU107の異常を検知したことを通知するとともに、
図4に示した切替先表における自ONU30の現用下り波長を参照し、予備下り波長を取得する。そして、予備下り波長に切替えて受信するよう、波長切替制御部212に切替先波長を指示する。波長切替制御部212は受信異常検出部303の指示に従い、予備下り波長への切替を実施する。例えば、ONU#1がOSU#1の異常を検知した場合は、ONU#1の受信異常検出部303が
図4に示すONU#1の切替先表を参照し、予備下り波長であるλ
2dへ受信波長を切替え、OSU#2の下り波長の信号を受信する。または
図5に示した通り、予備の上り、下り双方の波長へ変更することでもよい。
【0044】
次に、予備上り下り波長に切替えたONU30の監視制御部301は、波長切替により通信が回復したかどうかを待機する時間を、回復待機保護タイマ302に設定してタイマを作動させる。回復待機保護タイマ302は、OLT10との通信に異常が発生してからの時間の測定を開始する。回復待機保護タイマ302は、予備上り下り波長に切替えてからの時間を測定してもよい。
【0045】
次にONU30は初期接続動作手順に従って、初期接続動作を開始する。たとえば、OSU#2の下り波長を受信する状態となったONU#1はOSU#2の下り波長から、初期接続動作に関する情報であるOSU#2の上り下り波長の情報を抽出し、その波長に切替え、かつOSU#2はONU#1の往復遅延時間の測定やONU30情報の交換等を行うことにより、OSU#2に割り当てられるよう登録する。この初期接続動作の開始をOSU#2の下り波長をもって指示することでよく、以降の初期接続方法を問わない。例えば、必ずしもOSU#2にて初期接続動作を行うことが必須ではなく、OSU#2から別のOSU107へ波長を切替えてから初期接続動作を開始するよう指示してもよい。
【0046】
また、OSU107の異常はOLT10でも検出する。OLT10はOSU107の異常を検出すると、当該異常OSU107のバックアップ先の情報(切替先OSU107および割当てONU30)を
図6の割当ONU表と
図4及び
図5の切替先表を参照することで得る。例えば、OSU#1に異常が発生した場合、その配下にあるONU#1の予備上り下り波長はλ
2u及びλ
2dであることから、波長切替対象はONU#1で、バックアップ先OSU107がOSU#2であることが分かる。
【0047】
次にOSU#2からONU#1に対して、上記示した初期接続動作を開始する。ONU#1はすでにOSU#2の下り信号を受信するよう受信波長の切替が終了しているため、例えば、OSU#2のDiscovery Gate信号等でOSU#2の上り波長の情報を取得し、上り信号をOSU#2の上り波長に切替えて、あらためてOSU#2と初期接続動作を実施する。また、通常の初期接続と同様に、多重分離部はONU#1宛の下り信号をOSU#2へ分離するよう設定する。ONU30の監視制御部301は、この波長切替動作が正常に完了し、受信異常検出部303からの異常検出が解消されていることをもって、予備OSU107への切替えを完了したと判断する。
【0048】
また、監視制御部301は、回復待機保護タイマ302の測定した時間があらかじめ指示された回復待機時間を超えると、予備上り下り波長に異常が発生したか否かを判定する。監視制御部301は回復待機保護タイマ302が終了しても受信異常検出部303からの異常検出が解消しない場合、切替えに異常が発生したと判断する。切替に異常発生を検出した監視制御部301は、装置リセットによる初期接続動作を行う、または切替動作の異常を検出したことを明示する動作を行うなど、ONU30の異常検出時の動作を行う。
【0049】
装置リセットによる初期接続動作を行った場合、動的波長帯域割当手順を行う。この場合、ONU30は、主通信波長及び予備通信波長をOLT10から改めて指示され、これらの波長を切替先表に保持する。ONU30は、主通信波長を用いてOSU107と通信を行い、その後は本実施形態に係る光通信異常復帰方法を行う。
【0050】
本実施形態の主な特徴は5つある。第1に、あらかじめ切替先情報を切替先表として保持しておき、切替先表に従って切替えるため、簡易に予備波長への切替が行えるという特徴がある。本発明は、あらかじめOSU107異常発生時の予備下りまたは上り下り双方の波長の切替先情報をONU30が切替先表として保持しておき、ONU30の受信異常検出部303がOSU107異常を検出した際にはその切替先表に従って予備波長に切替えるため、非常に簡易な構成、制御で予備波長への切替と通信の復帰が可能である。
【0051】
第2に、他のOSU107からの切替指示を受けることなく切替える手段を有しているという特徴がある。また、受信下り波長が途絶し、他の波長の下り信号が受信できない状態においても、あらかじめ異常時における切替先波長を定めているため、他の波長からの指示、情報を待つことなく切替動作を行うことができる。
【0052】
図7に、本実施形態に係る初期接続動作の一例を示す。
図8に、比較例に係る初期接続動作の比較例を示す。
図8に示す比較例は、切り替え後の波長が予め定められていないため、ONUの主通信波長λ
2u及びλ
2dのOSU#2が故障した場合、切替先波長に関する情報を得るためのディスカバリ処理を行う必要がある。ディスカバリ処理に波長掃引方式を用いた場合、ONUが波長を順次切り替え、Discovery Gate信号の波長λ
1u及びλ
1dとONUの波長が一致するまで登録手続きを開始できない。このため、比較例のリンクの確立に要する時間Δt
Link_Upは、ONUが最初に受信したDiscovery Gate信号を受信してから波長の一致するDiscovery Gate信号を受信するまでの待機時間Δt
Waitを要する。これに対し、本実施形態に係る発明は、予備通信波長が予め波長λ
4u及びλ
4dに割り当てられているため、OLTは、予備通信波長への切替後にすぐに波長λ
4u及びλ
4dのOSU#4からDiscovery Gate信号を送信することができる。本実施形態に係る発明は、リンクの確立に要する時間Δt
Link_Upに待機時間Δt
Waitを要さないため、比較例においてΔt
Link_Upに1000ms以上要した場合も、本実施形態によってΔt
Link_Upを100ms程度まで短くすることができる(例えば、非特許文献4参照)。
【0053】
第3に、OLT10の切替処理が初期接続動作手順と共用可能という特徴がある。ONU30の再接続において初期接続動作を実行するため、通常の初期接続と同様の動作でOSU107の異常対応ができる。本実施例においてはOSU#2へのONU30初期接続の手順を行うことによって、実行上ONU#1の情報をOSU#1からOSU#2へ引継ぐことができるため、OSU異常発生時における新しい切替手順の実装を行うことが不要となる。
【0054】
第4に、回復待機保護タイマ302によって切替動作異常を検出することができるという特徴がある。また、回復待機時間をカウントする回復待機保護タイマ302を設けることによって、タイマカウント終了によって予備上り、下り波長への切替動作に失敗し、異常状態となったことを検知できる。したがって、ONU30が予備上り、下り波長への切替行い、再びOLT10からの信号に対する同期確立がとれないままの状態に陥ることを防ぐことができる。
【0055】
第5に、切替先を分散できるという特徴がある。また、
図4及び
図5に示した切替先表において、現用波長と予備波長の関係を適切に定めることにより、OSU107の異常発生時に波長切替先となるOSU107を集中、分散させることができる。例えば、
図4及び
図5に示したように、すべての上り、下り波長の組の予備波長が重ならないように設定すれば、異常が発生するOSU107とその予備となるOSU107の対が必ず異なり、異常発生によって影響を受けるOSU107を分散させることができる。一方で、予備上り波長をあるOSU107の上り、下り波長に設定することで、異常発生時に切替先となるOSU107を固定することができる。これにより、予備系として用いるOSU107を明示的に定めて運用することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の光通信システム及び光通信異常復帰方法は、通信産業に適用することができる。
【0057】
具体的には、本発明にかかる光通信異常復帰方法は、波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、稼働するOSUが異常もしくはOSUの予防保全措置を行う際に、通信サービスの断絶を可能な限り短くするための、ONUが送受信する信号波長の再割当方法を提供できる。また、本発明にかかる光通信システムは、本発明にかかる光通信異常復帰方法を用いることができる光通信システムである。
【符号の説明】
【0058】
10:局側装置(OLT)
11:光合分波器
12:光合分波器
13:光ファイバ
14:光ファイバ
15:光ファイバ
16:光ファイバ
101:動的波長帯域割当回路
102:切替指示信号生成部
103:DWBA計算部
104:制御信号送信部
105:要求信号受信部
106:多重分離部
107:OSU
20:加入者装置(ONU)
201:データ受信部
202:上りバッファメモリ
203:フレーム送出制御部
204:フレーム組立送信部
205:波長可変光送受信器
206:要求帯域計算部
207:要求信号送出部
208:データ送信部
209:下りバッファメモリ
210:宛先解析選択受信部
211:指示信号受信部
212:波長切替制御部
30:加入者装置(ONU)
301:監視制御部
302:回復待機保護タイマ
303:受信異常検出部
40:中継ネットワーク