(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標は、同一の画像をインク色毎にそれぞれ記録することにより得られる色毎の画像から視認される画像欠陥の数の比率である請求項1又は2に記載の画像記録装置。
前記出現率設定手段は、前記指標又は前記印字率又は前記指標と前記印字率との積の比率が閾値より小さい色の前記出現率を0に設定する請求項4から9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0025】
<第1の実施形態>
〈インクジェット記録装置の全体構成〉
インクジェット記録装置10(画像記録装置に相当)は、用紙P(記録媒体に相当)に水性インクを用いてインクジェット方式で画像を記録する枚葉式の水性インクジェットプリンタである。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、主として搬送ドラム20と、画像記録部100と、搬送ドラム30とを備えて構成される。搬送ドラム20は、給紙部(不図示)から給紙された用紙Pを搬送する。画像記録部100は、搬送ドラム20から受け渡された用紙Pの表面(記録面)に水性インクを用いてインクジェット方式で画像を記録する。搬送ドラム30は、画像記録部100によって画像が記録された用紙Pを排紙部(不図示)まで搬送する。
【0026】
画像記録部100は、用紙Pを搬送しながら用紙Pの記録面に各色のインクの液滴を付与してカラー画像を記録する。画像記録部100は、用紙Pを搬送する画像記録ドラム110、用紙押さえローラ112、インクジェットヘッド(記録ヘッドに相当、以下、単にヘッドという)120C、120M、120Y、120K、撮像部130、インクミストを捕捉するミストフィルタ140、ドラム温調ユニット142等を備えて構成される。用紙押さえローラ112は、画像記録ドラム110によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム110の周面に密着させる。ヘッド120C、120M、120Y、120Kは、用紙Pにシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。撮像部130は、用紙Pに記録された画像を読み取る。
【0027】
画像記録ドラム110は、画像記録部100における用紙Pの搬送手段である。画像記録ドラム110は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて円筒の中心を軸に回転する。画像記録ドラム110の外周面上には、グリッパ110Aが備えられ、このグリッパ110Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム110は、このグリッパ110Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、用紙Pを搬送する。
【0028】
また、画像記録ドラム110は、その外周面に多数の吸引穴(不図示)が所定のパターンで形成されている。画像記録ドラム110の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、画像記録ドラム110の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平滑性をもって用紙Pを搬送することができる。
【0029】
この吸引穴からの吸引は、予め定められた吸引開始位置から吸引終了位置までの領域のみに作用する。吸引開始位置は、例えば用紙押さえローラ112の設置位置に設定され、吸引終了位置は、例えば搬送ドラム30に用紙を受け渡す位置に設定される。即ち、少なくとも各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによるインクの打滴位置と撮像部130による画像の読み取り位置では、用紙Pが画像記録ドラム110の外周面に吸着保持されるように、吸着領域が設定される。なお、用紙Pを画像記録ドラム110の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
【0030】
また、本例の画像記録ドラム110は、外周面上の2箇所にグリッパ110Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。搬送ドラム20と画像記録ドラム110とは、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。同様に、画像記録ドラム110と搬送ドラム30とは、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。即ち、搬送ドラム20、画像記録ドラム110、搬送ドラム30は、同じ周速度となるように駆動されると共に、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
【0031】
用紙押さえローラ112は、画像記録ドラム110の用紙受取位置(搬送ドラム20から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ112は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム110の周面に押圧当接されて設置される。搬送ドラム20から画像記録ドラム110へ受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ112を通過することによりニップされ、画像記録ドラム110の周面に密着させられる。
【0032】
4台のヘッド120C、120M、120Y、120Kは、画像記録ドラム110による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このヘッド120C、120M、120Y、120Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成される。各ヘッド120C、120M、120Y、120Kは、画像記録ドラム110による用紙Pの搬送方向に対して略直交して配置されると共に、そのノズル面が画像記録ドラム110の外周面に対向するように配置される。各ヘッド120C、120M、120Y、120Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム110に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム110によって搬送される用紙Pの記録面に画像を記録する。
【0033】
撮像部130は、ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって用紙Pの記録面に記録された画像を撮像する撮像手段であり、画像記録ドラム110による用紙Pの搬送方向において、最後尾に位置するヘッド120Kの下流側に設置されている。この撮像部130は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子からなるラインセンサと、固定焦点の撮像光学系とを有している。
【0034】
ミストフィルタ140は、用紙Pの搬送方向の最後尾のヘッド120Kと撮像部130との間に配設され、画像記録ドラム110の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム110の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、撮像部130へのインクミストの進入を防止できる。これにより、読み取り不良等の発生を防止できる。
【0035】
ドラム温調ユニット142は、画像記録ドラム110に空調エアを吹き当てて、画像記録ドラム110を温調する。このドラム温調ユニット142は、主として、エアコン(不図示)と、そのエアコンから供給される空調エアを画像記録ドラム110の周面に吹き当てるダクト142aとで構成される。ダクト142aは、画像記録ドラム110に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に空調エアを吹き当てて、画像記録ドラム110を温調する。本例では、画像記録ドラム110のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト142aは、画像記録ドラム110のほぼ下側半分の領域に空調エアを吹き当てて、画像記録ドラム110を温調する構成としている。具体的には、ダクト142aの吹出口が、画像記録ドラム110のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム110のほぼ下側半分の領域に空調エアが吹き当てられる構成としている。
【0036】
ここで、画像記録ドラム110の温調は、ヘッド120C、120M、120Y、120Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、ヘッド120C、120M、120Y、120Kの温度よりも低い温度となるように温調される。これにより、ヘッド120C、120M、120Y、120Kに結露が生じるのを防止することができる。即ち、ヘッド120C、120M、120Y、120Kよりも画像記録ドラム110の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、ヘッド120C、120M、120Y、120Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
【0037】
以上のように構成される画像記録部100は、搬送ドラム20によって搬送された用紙Pを画像記録ドラム110で受け取る。画像記録ドラム110は、用紙Pの先端をグリッパ110Aで把持して回転することにより、用紙Pを搬送する。用紙押さえローラ112は、用紙Pを画像記録ドラム110の周面に密着させる。これと同時に画像記録ドラム110は、吸着穴から用紙Pを吸引し、用紙Pを画像記録ドラム110の外周面上に吸着保持させる。
【0038】
各ヘッド120C、120M、120Y、120Kは、その対向する位置に用紙Pが通過する際に、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクの液滴を用紙Pの記録面に付与し、記録面にカラー画像を記録する。
【0039】
また、撮像部130は、その対向する位置に用紙Pが通過する際に、用紙Pの記録面に記録された画像を読み取る。この記録画像の読み取りは必要に応じて行われ、読み取った画像からスジ等の画像欠陥を検出することで、画像欠陥の原因となったインク吐出不良のノズルや着弾ずれのノズル等の不良ノズル(記録不良の記録素子の一例)の検査を行う。読み取りを行う際は、画像記録ドラム110に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、例えば、吐出不良のノズルや着弾ずれのノズル等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できると共に、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
【0040】
この後、画像記録ドラム110は、用紙Pの吸着が解除された後、用紙Pを搬送ドラム30へ受け渡す。
【0041】
〈インクジェットヘッドの構成例〉
次に、インクジェットヘッドの構造について説明する。各色に対応するヘッド120C、120M、120Y、120Kの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号120によってヘッドを示すものとする。
【0042】
図2に示すように、ヘッド120は、インク吐出口であるノズル251(記録素子の一例)と、各ノズル251に対応する圧力室252等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)253をマトリクス状に2次元配置させた構造を有している。これにより、用紙Pの搬送方向と直交する方向(主走査方向)に沿って並ぶように投影(正射影)される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
【0043】
主走査方向に用紙Pの記録領域の全幅に対応する長さ以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、
図2(a)の構成に代えて、
図3(a)に示すように、複数のノズル251が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール122を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで用紙Pの全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成する態様や、
図3(b)に示すように、ヘッドモジュール124を一列に並べて繋ぎ合わせる態様もある。
【0044】
なお、用紙Pの全面を記録範囲とする場合に限らず、用紙Pの面上の一部が記録領域となっている場合(例えば、用紙Pの周囲に非記録領域を設ける場合等)には、所定の記録領域内の記録に必要なノズル列が形成されていればよい。
【0045】
各ノズル251に対応して設けられている圧力室252は、その平面形状が概略正方形となっており(
図2参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル251への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)254が設けられている。なお、圧力室252の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
【0046】
図4に示すように、ヘッド120は、ノズル251が形成されたノズルプレート251Aと圧力室252や共通流路255等の流路が形成された流路板252P等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート251Aは、ヘッド120のノズル面(インク吐出面)250Aを構成し、各圧力室252にそれぞれ連通する複数のノズル251が2次元的に形成されている。
【0047】
流路板252Pは、圧力室252の側壁部を構成すると共に、共通流路255から圧力室252にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口254を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、
図4では簡略的に図示しているが、流路板252Pは1枚又は複数の基板を積層した構造である。
【0048】
ノズルプレート251A及び流路板252Pは、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
【0049】
共通流路255はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路255を介して各圧力室252に供給される。
【0050】
圧力室252の一部の面(
図4において天面)を構成する振動板256には、個別電極257を備えたピエゾアクチュエータ258が接合されている。本例の振動板256は、ピエゾアクチュエータ258の下部電極に相当する共通電極259として機能するニッケル(Ni)導電層付きのシリコン(Si)から成り、各圧力室252に対応して配置されるピエゾアクチュエータ258の共通電極を兼ねる。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。また、ステンレス鋼(SUS)など、金属(導電性材料)によって共通電極を兼ねる振動板を構成してもよい。
【0051】
個別電極257に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ258が変形して圧力室252の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル251からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ258が元の状態に戻る際、共通流路255から供給口254を通って新しいインクが圧力室252に再充填される。
【0052】
かかる構造を有するインク室ユニット253を
図2(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向(用紙Pの搬送方向)の隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向については実質的に各ノズル251が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
【0053】
また、本発明の実施に際してヘッド120におけるノズル251の配列形態は図示の例に限定されず、様々なノズル配置構造を適用できる。例えば、
図2で説明したマトリクス配列に代えて、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするジグザク状(W字状など)のような折れ線状のノズル配列なども可能である。
【0054】
なお、インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)に限らず、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
【0055】
〈制御系の構成〉
インクジェット記録装置10は、
図5に示すように、システムコントローラ160、通信部162、画像メモリ164、搬送制御部166、画像記録制御部168、操作部170、表示部172、不良ノズル検出制御部200等を備えている。
【0056】
システムコントローラ160は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能すると共に、各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ160は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えており、所定の制御プログラムに従って動作する。ROMには、このシステムコントローラ160が実行する制御プログラムや制御に必要な各種データが格納されている。
【0057】
通信部162は、所要の通信インターフェースを備え、その通信インターフェースと接続されたホストコンピュータ300との間でデータの送受信を行う。
【0058】
画像メモリ164は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ160を通じてデータの読み書きが行われる。通信部162を介してホストコンピュータ300から取り込まれた画像データは、この画像メモリ164に格納される。
【0059】
搬送制御部166は、インクジェット記録装置10における用紙Pの搬送系を制御する。即ち、画像記録部100における画像記録ドラム110の他、搬送ドラム20、搬送ドラム30の駆動を制御する。
【0060】
搬送制御部166は、システムコントローラ160からの指令に応じて、搬送系を制御し、滞りなく用紙Pが搬送されるように制御する。
【0061】
画像記録制御部168は、システムコントローラ160からの指令に応じて画像記録部100を制御する。具体的には、画像記録ドラム110によって搬送される用紙Pに所定の画像が記録されるように、ヘッド120C、120M、120Y、120K(
図1参照)の駆動を制御する。
【0062】
操作部170は、操作ボタンやキーボード、タッチパネル等を備えた入力手段である。ユーザは、操作部170によりインクジェット記録装置10に対する印刷ジョブを入力することができる。ここで、印刷ジョブとは、画像データに基づいて印刷すべき1まとまりの処理単位を指す。操作部170は、入力された印刷ジョブをシステムコントローラ160に出力し、システムコントローラ160は、この操作部170から入力された印刷ジョブに応じて各種処理を実行する。
【0063】
表示部172は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示装置を備え、システムコントローラ160からの指令に応じて所要の情報を表示装置に表示させる。
【0064】
不良ノズル検出制御部200については、後述する。
【0065】
上記のように、用紙Pに記録する画像データは、ホストコンピュータ300から通信部162を介してインクジェット記録装置10に取り込まれる。取り込まれた画像データは、画像メモリ164に格納される。
【0066】
システムコントローラ160は、この画像メモリ164に格納された画像データに所要の信号処理を施してドットデータを生成する。画像記録制御部168は、生成されたドットデータに従って画像記録部100の各ヘッド120C、120M、120Y、120Kの駆動を制御し、その画像データが表す画像を用紙Pの記録面に記録する。
【0067】
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理及びハーフトーン処理を行うことにより生成される。色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(例えば、RGB8ビットの画像データ)をインクジェット記録装置10で使用するインクの各色のインク量データに変換する処理である(本例では、C、M、Y、Kの各色のインク量データに変換する。)。ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色のインク量データを、誤差拡散等の処理により、各色のドットデータに変換する処理である。
【0068】
システムコントローラ160は、画像データに対して色変換処理及びハーフトーン処理を行うことにより、各色のドットデータを生成する。そして、画像記録制御部168は、生成した各色のドットデータに従って、対応する各ヘッド120C、120M、120Y、120Kの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を用紙Pに記録する。
【0069】
〈不良ノズル検出制御部の構成〉
不良ノズル検出制御部200は、
図6に示すように、テストパターン記憶部201、画像データ記憶部202、濃度データ変換部203、濃度演算部204、比較演算部205、画像欠陥視認率記憶部206、出現率設定部207、出現順序設定部208等を備えている。
【0070】
テストパターン記憶部201には、本実施形態に係る不良ノズル検出用のテストパターンが記憶されている。テストパターン記憶部201は、システムコントローラ160からの指令により、選択されたテストパターンを画像記録制御部168に送信する。画像記録制御部168は、ヘッド120C、120M、120Y、120Kの駆動を制御し、用紙Pの記録面に当該出力パターンを出力する。即ち、画像記録制御部168は、テストパターンを用紙Pの記録面に記録する記録手段として機能する。
【0071】
なお、本実施形態においては、不良ノズル検出用のテストパターンは、出力画像(本画像)記録時に出力画像領域以外の領域に1つの記録ヘッドによって記録される。
図7に示すように、テストパターンが記録されるテストパターン記録領域220は、出力画像が記録される画像記録領域222の用紙Pの搬送方向上流側に、ヘッド120のノズル列に対応した幅で配置されている。テストパターン記録領域220は、画像記録領域222の用紙Pの搬送方向下流側に配置してもよい。また、同じ用紙Pにテストパターン記録領域220と画像記録領域222とを設けるのではなく、1枚の用紙Pの全面にテストパターン記録領域220を設ける態様も可能である。
【0072】
テストパターンは、このテストパターン記録領域220において、ヘッド120C、120M、120Y、120Kのうちのいずれか1つのヘッドにおいて、全てのノズルから所定の期間だけ連続してインクを吐出することで、用紙Pの搬送方向に一定の長さに亘って記録される。
【0073】
このテストパターンの搬送方向長さは、撮像部130における撮像時に、テストパターンの先端から終端までの領域を完全にかつ鮮明に撮像するように、撮像素子の解像度に基づく読み取り速度、即ち用紙P体の搬送速度を考慮して設定されている。ここでは、1枚の用紙Pに1色のテストパターンを記録しているが、複数色のテストパターンを記録してもよい。
【0074】
図6の説明に戻り、画像記録部100によって用紙Pに記録されたテストパターンは、撮像部130(
図1参照)によって撮像され、画像データ記憶部202に検査画像データとして記憶される。
【0075】
濃度データ変換部203は、画像データ記憶部202から検査画像データを読み出して濃度データに変換し、各画素列の濃度データに分割する。各画素列の濃度データは、画素列を形成する各ノズルの濃度特性(濃度データ)に対応する。
【0076】
濃度演算部204は、濃度データ変換部203によって得られた各画素列の濃度データから、画素列毎の濃度データの平均値を算出する。
【0077】
比較演算部205は、濃度演算部204において算出した画素列毎の濃度データの平均値を、予め設定された濃度闘値と比較する。濃度データの平均値が濃度闘値よりも低い(薄い)場合は、その画素列に対応するノズルをインク吐出不良のノズルもしくは着弾ずれのノズルと判断する。一方、濃度データの平均値が濃度闘値よりも高い(濃い)場合は、その画素列に対応するノズルを正常ノズルと判断する。このように、比較演算部205は、記録ヘッドの不良ノズルを検出するためのテストパターンの解析手段として機能する。
【0078】
画像欠陥視認率記憶部206(記憶手段の一例)は、インク色毎の画像欠陥視認率を記憶している。画像欠陥視認率とは、インク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標の一例である。
【0079】
画像を記録するインクの色によって、人間が目視した場合にスジ等の画像欠陥が視認されやすい色と画像欠陥が視認されにくい色がある。このようなインク色毎の特性を、ここではインク色毎の画像欠陥の視認されやすさと呼ぶ。また、インク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標とは、インク色毎の画像欠陥の視認されやすさをインク色毎の比率で表したものである。このインク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標は、画像欠陥が視認されやすい色のインクは高く、視認されにくい色のインクは低く設定されている。例えば、ブラックのインクを最も高い値とし、以下、マゼンタ、シアン、イエローの順で低い値に設定することができる。
【0080】
本実施形態においては、インク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標としてインク色毎の画像欠陥視認率を用いている。このインク色毎の画像欠陥視認率は、同一の画像をインク色毎にそれぞれ記録した色毎の画像を人間が目視した際に視認される画像欠陥の数の比率であり、予め以下のように設定される(画像欠陥視認率設定工程の一例)。
【0081】
画像記録部100で使用されるヘッド120と用紙Pを使用し、全てのノズル251によって用紙Pに一様の濃度となる画像(濃度画像サンプル)を記録する。濃度画像サンプルは、例えば50[mm]×50[mm]の濃度パッチであり、記録に使用する最も濃い濃度で、ムラ補正等の補正を行わずに記録する。用紙Pは、画像記録に用いる用紙と同じ種類の用紙を用いる。
【0082】
そして、記録した濃度画像サンプル内に存在するスジを目視で検出し、本数を数える。可能であれば、同じヘッド120を使用し、インクを入れ替えて各色インクの濃度画像サンプルを記録し、各色の濃度画像サンプルのスジ本数を数える。このとき、スジを判定する際の基準は、各色濃度画像サンプルにおいて同一の基準とする。
【0083】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクの濃度画像サンプルにおいて検出されたスジ本数をそれぞれ、L(C)、L(M)、L(Y)、L(K)とすると、各色インクの画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)は、それぞれ以下のように算出することができる。
【0084】
s(c)=L(C)/(L(C)+L(M)+L(Y)+L(K)) …(式1)
s(M)=L(M)/(L(C)+L(M)+L(Y)+L(K)) …(式2)
s(Y)=L(Y)/(L(C)+L(M)+L(Y)+L(K)) …(式3)
s(K)=L(K)/(L(C)+L(M)+L(Y)+L(K)) …(式4)
したがって、各色の画像欠陥視認率は、
s(C)+s(M)+s(Y)+s(K)=1 …(式5)
の関係を満たす。
【0085】
例えば、検出されたスジ本数が、L(C)=2、L(M)=2、L(Y)=1、L(K)=5であった場合は、画像欠陥視認率はs(C)=0.2、s(M)=0.2、s(Y)=0.1、s(K)=0.5となる。このように、画像欠陥であるスジの本数が多い色のインクのほど画像欠陥視認率は高く設定される。
【0086】
一般的に、ブラックのインクが最もスジを視認しやすく、ブラック以外の色のインクのスジ視認性は相対的に低い。この値は用紙やインクの種類によって異なってくるため、使用する用紙やインクの種類に応じて設定することが望ましい。
【0087】
このように設定した画像欠陥視認率を、画像欠陥視認率記憶部206に記憶しておく。
【0088】
出現率設定部207(出現率設定手段の一例)は、画像欠陥視認率記憶部206から読み出した画像欠陥視認率に基づいて、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって記録するテストパターンの出現率を設定する。出現順序設定部208は、出現率設定部207において設定された出現率に基づいて、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって記録するテストパターンの出現順序を設定する。
【0089】
〈画像記録動作〉
次に、インクジェット記録装置10の画像記録動作(記録ヘッドの記録不良の記録素子の検出方法の一例)について、
図8のフローチャートを用いて説明する。インクジェット記録装置10は、印刷ジョブで指定された画像について指定された枚数の画像記録を行う。このとき、指定された画像を画像記録領域222に記録するとともに、テストパターン記録領域220に不良ノズル検出用のテストパターンを記録する。テストパターンは、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kのうちのいずれか1つのヘッドによって記録する。この不良ノズル検出用のテストパターンを解析することで、不良ノズルを検出する。
【0090】
(ステップS1)
印刷ジョブが入力されると、出現率設定部207(指標取得手段の一例)は、画像欠陥視認率記憶部206からシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクの画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)を読み出す(指標取得工程の一例)。
【0091】
(ステップS2)
次に、出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から読み出した画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)に基づいて、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによってそれぞれ記録するテストパターンの出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を設定する(出現率設定工程の一例)。
【0092】
出現率設定部207は、画像欠陥視認率が高い色ほど出現率を高く設定する。ここでは、各色の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)と同じ値とする。例えば、s(C)=0.2、s(M)=0.2、s(Y)=0.1、s(K)=0.5の場合であれば、A(C)=0.2、A(M)=0.2、A(Y)=0.1、A(K)=0.5となる。
【0093】
(ステップS3)
次に、出現順序設定部208は、印刷ジョブにおいて指定された印刷枚数jを取得する。
【0094】
(ステップS4)
さらに、出現順序設定部208は、ステップS3において取得した印刷枚数jとステップS2において設定された出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)とに基づいて、各色テストパターンの出現順序を設定する。即ち、1枚目〜j枚目の用紙Pに対して記録する1番目〜j番目のテストパターンのそれぞれの色を設定する。
【0095】
このとき、出現順序設定部208は、最初に記録するテストパターンを、最も出現率の高い色のテストパターンとし、以下、各色のテストパターンを出現率に応じて分散させた順序とする。
【0096】
例えば、各色の出現率をA(C)=0.2、A(M)=0.2、A(Y)=0.1、A(K)=0.5、n番目のテストパターンをT(n)とすると、T(1)=ブラック、T(2)=シアン、T(3)=ブラック、T(4)=マゼンタ、T(5)=ブラック、T(6)=イエロー、T(7)=ブラック、T(8)=シアン、T(9)=ブラック、T(10)=マゼンタ、…のようにT(j)までの順序を設定する。
【0097】
なお、出現順序設定部208は、最初に全てのヘッド120C、120M、120Y、120Kによって1色ずつのテストパターンを記録させ、その後各色のテストパターンを出現率に応じて分散させた順序としてもよい。即ち、ヘッドの数をi、記録するテストパターンの数をjとしたときに、出現順序設定部208は、最初のi枚の用紙Pに記録するi個のテストパターンはi個のヘッドによって1つずつ記録し、残りの(j-i)個のテストパターンは色毎に設定された出現率で記録するように各色テストパターンの出現順序を設定してもよい。
【0098】
このように、印刷ジョブの初期は全てのヘッドによって一通りテストパターンを記録するように出現順序を設定することにより、画像欠陥視認率が低いヘッドについても、早い段階で不良ノズル検出を行うことができるので、不良ノズルが存在する場合に早期に検出することが可能となる。
【0099】
(ステップS5)
画像記録制御部168は、ヘッド120C、120M、120Y、120Kの駆動を制御し、印刷ジョブで指定された枚数の用紙Pに対し、テストパターン記憶部201に記憶されたテストパターンをテストパターン記録領域220に記録し、印刷ジョブで指定された画像を画像記録領域222に記録する(記録工程の一例)。このとき、画像記録制御部168は、出現順序設定部208で設定された順序でテストパターンを記録する。
【0100】
例えば、T(1)=ブラック、T(2)=シアン、T(3)=ブラック、T(4)=マゼンタの場合であれば、画像記録制御部168は、1枚目の用紙Pのテストパターン記録領域220にヘッド120Kによるテストパターンを記録し、2枚目の用紙Pのテストパターン記録領域220にはヘッド120Cによるテストパターンを記録し、3枚目の用紙Pのテストパターン記録領域220にはヘッド120Kによるテストパターンを記録し、4枚目の用紙Pのテストパターン記録領域220にはヘッド120Mによるテストパターンを記録する。
【0101】
(ステップS6)
テストパターン記録領域220に記録されたテストパターンは撮像部130により撮像され、検査画像データが生成される(撮像工程の一例)。この検査画像データは濃度データ変換部203により各画素列の濃度データに変換され、濃度演算部204により画素列毎に平均値が算出される。比較演算部205は、画素列毎の平均値と濃度闘値とを比較し、不良ノズルを検出する(解析工程の一例)。
【0102】
(ステップS7)
印刷ジョブで指定された印刷枚数jの記録が終了したか否かを判定する。終了していない場合は、ステップS5に戻り、画像記録を継続する。終了した場合は、画像記録を終了する。
【0103】
以上のように、印刷ジョブで指定されたj枚の用紙Pに画像記録を行うと、同時にj個のテストパターンが記録される。このj個のテストパターンは、画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)に応じた出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)で各色ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって記録されるため、各色ヘッド120C、120M、120Y、120Kの不良ノズル検出は、出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)の比率で行われることになる。
【0104】
このように、画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)に応じた比率で各色ヘッド120C、120M、120Y、120Kの不良ノズル検出を行うので、複数の記録ヘッドのうち画像欠陥が視認しやすい色の記録ヘッドの不良ノズル検出頻度を高くすることができ、効率よく不良ノズルを検出することができる。
【0105】
本実施形態では、各色の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)と同じ値としたが、異なる値としてもよい。
【0106】
また、画像欠陥視認率がある基準(閾値の一例)を下回る色は、その他の色と比較して画質に問題を発生させることが少ないとみなし、不良ノズル検出から除くために出現率設定部207はその色の出現率を0に設定してもよい。例えば、画像欠陥視認率が0.1以下(10%以下)の色は画質に問題を発生させないとみなす。本実施形態の画像欠陥視認率s(C)=0.2、s(M)=0.2、s(Y)=0.1、s(K)=0.5の場合は、イエローの画像欠陥視認率は他色と比較して半分以下であり、0.1以下である。したがって、ヘッド120Yについて不良ノズル検出から除くことが可能である。この場合は、イエローの出現率をA(Y)=0とし、
(s(C)+s(M)+s(K))・B=1 …(式6)
を満たすように、係数Bを決定する。ここでは、B=1.1となり、各色の出現率は、A(C)=s(c)・B=0.22、A(M)=s(M)・B=0.22、A(Y)=0、A(K)=s(K)・B=0.56となる。
【0107】
なお、印刷ジョブの初期は全てのヘッドによって一通りテストパターンを記録する出現順序を設定することで、ヘッド120Yの不良ノズル検出についても行うことができる。
【0108】
なお、記録画像における画像欠陥の目立ちやすさは濃度に依存し、濃度が濃いほど画像欠陥が目立ちやすくなる。また、画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)は、設定時に使用した濃度画像サンプルの濃度に依存する。したがって、インクジェット記録装置10は、画像記録動作時に記録画像から平均濃度等の適切な濃度を決定し、決定した濃度に対する画像欠陥視認率を用いることが好ましい。この場合は、画像欠陥視認率を予め複数の異なる濃度に対して求め、求めた画像欠陥視認率を濃度に応じた色毎の画像欠陥視認率として画像欠陥視認率記憶部206に記憶しておけばよい。
【0109】
例えば、濃度がそれぞれ20%、40%、60%、80%の濃度画像サンプルを用いて、各濃度における画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)を決定する。このとき、濃度画像サンプルから検出されるスジの本数は、濃度が高いほど多くなる。即ち、スジの本数が多い順に80%、60%、40%、20%の濃度画像サンプルとなる。決定した濃度毎の画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)は、画像欠陥視認率記憶部206に記憶する(濃度に応じた指標を記憶する記憶手段の一例)。
【0110】
出現率設定部207は、記録画像から平均濃度を算出し、濃度20%、40%、60%、80%のうち算出した平均濃度に最も近い濃度を決定する。さらに、出現率設定部207は、決定した濃度の画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)を画像欠陥視認率記憶部206から読み出し、読み出した画像欠陥視認率を用いて各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって記録するテストパターンの出現率を設定する(記録画像の濃度に応じた指標を取得する指標取得手段の一例)。このように、濃度に応じたインク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標を記憶しておき、記録画像の濃度に応じた指標を用いてテストパターンの出現率を設定する。濃度に応じた色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標は、濃度にかかわらずブラックのインクを最も高い値とし、以下、マゼンタ、シアン、イエローの順で低い値に設定することができる。
【0111】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置10と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2の実施形態では、インク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標として、スジ発生率を用いる。
【0112】
第2の実施形態に係る不良ノズル検出制御部200は、
図9に示すように、印字率演算部209を備えている。印字率演算部209は、印刷ジョブで指定された記録画像の印字率を算出する印字率取得手段として機能する。ここでは、印字率を、記録画像を1枚の記録媒体に記録する際に各ヘッド120C、120M、120Y、120Kから吐出する各色のインクの吐出量(インク量)の比率と定義する。
【0113】
記録画像を1枚の記録媒体に記録する際のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク量をそれぞれV(C)、V(M)、V(Y)、V(K)とすると、各色の印字率r(C)、r(M)、r(Y)、r(K)は、それぞれ以下のように表すことができる。
【0114】
r(C)=V(C)/[V(C)+V(M)+V(Y)+V(K)] …(式7)
r(M)=V(M)/[V(C)+V(M)+V(Y)+V(K)] …(式8)
r(Y)=V(Y)/[V(C)+V(M)+V(Y)+V(K)] …(式9)
r(K)=V(K)/[V(C)+V(M)+V(Y)+V(K)] …(式10)
また、各色の印字率は、
r(C)+r(M)+r(Y)+r(K)=1 …(式11)
の関係を満たす。
【0115】
例えば、ある画像を記録する際の記録媒体1枚あたりのインク量が、V(C)=0.3[ml]、V(M)=0.3[ml]、V(Y)=0.1[ml]、V(K)=0.3[ml]の場合は、印字率はr(C)=0.3、r(M)=0.3、r(Y)=0.1、r(K)=0.3となる。
【0116】
〈画像記録動作〉
次に、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置10の画像記録動作について、
図10のフローチャートを用いて説明する。なお、
図8のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0117】
(ステップS1)
出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から各色インクの画像欠陥視認率を読み出す。ここでは、読み出した各色の画像欠陥視認率がs(C)=0.2、s(M)=0.2、s(Y)=0.1、s(K)=0.5であったとする。
【0118】
(ステップS11)
印字率演算部209は、印刷ジョブの記録画像を取得し、記録画像の印字率を算出する。ここでは、一例として、算出した印字率がr(C)=0.3、r(M)=0.3、r(Y)=0.1、r(K)=0.3であったとする。
【0119】
(ステップS12)
次に、出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から読み出した画像欠陥視認率と印字率演算部209が算出した印字率とに基づいて、各色のスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)を算出する。ここでは、各色のスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)を以下の式に従って算出する。
【0120】
F(C)=r(C)・s(C)/[r(C)・s(C)+r(M)・s(M)+r(Y)・s(Y)+r(K)・s(K)] …(式12)
F(M)=r(M)・s(M)/[r(C)・s(C)+r(M)・s(M)+r(Y)・s(Y)+r(K)・s(K)] …(式13)
F(Y)=r(Y)・s(Y)/[r(C)・s(C)+r(M)・s(M)+r(Y)・s(Y)+r(K)・s(K)] …(式14)
F(K)=r(K)・s(K)/[r(C)・s(C)+r(M)・s(M)+r(Y)・s(Y)+r(K)・s(K)] …(式15)
したがって、各色のスジ発生率は、
F(C)+F(M)+F(Y)+F(K)=1 …(式16)
の関係を満たす。
【0121】
本実施形態の場合は、各色のスジ発生率は、F(C)=0.21、F(M)=0.21、F(Y)=0.04、F(K)=0.54となる。
【0122】
(ステップS2)
次に、出現率設定部207は、各色のスジ発生率に基づいて、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによってそれぞれ記録するテストパターンの出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を設定する。
【0123】
出現率設定部207は、スジ発生率が高い色ほど出現率を高く設定する。また、印字率が高い色ほど出現率を高く設定してもよい。ここでは、各色の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)をスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)と同じ値とする。したがって、各色の出現率は、A(C)=0.21、A(M)=0.21、A(Y)=0.04、A(K)=0.54となる。
【0124】
以下、第1の実施形態と同様にステップS3以降の処理を行えばよい。
【0125】
このように、インク色毎の画像欠陥の視認されやすさの相対的な指標として画像欠陥視認率s(C)、s(M)、s(Y)、s(K)と印字率r(C)、r(M)、r(Y)、r(K)との積であるスジ発生率を用いて、スジ発生率に応じた比率で各色ヘッド120C、120M、120Y、120Kの不良ノズル検出を行うので、複数の記録ヘッドのうち画像欠陥が発生しやすい色の記録ヘッドの不良ノズル検出頻度を高くすることができ、不良ノズルを効率よく検出することができる。
【0126】
なお、出現率設定部207は、スジ発生率(指標と印字率との積の比率の一例)がある基準(閾値の一例)を下回る色の出現率を0に設定してもよい。例えば、スジ発生率が0.1以下の色の出現率を0にすることができる。本実施形態のスジ発生率F(C)=0.21、F(M)=0.21、F(Y)=0.04、F(K)=0.54の場合は、イエローのスジ発生率F(Y)=0.04が他色と比較して1/5以下であり、0.1以下であるため、不良ノズル検出から除くことができる。この場合は、イエローのスジ発生率F(Y)=0とし、
(F(C)+F(M)+F(K))・B=1 …(式17)
を満たすように、係数Bを決定する。この係数Bをスジ発生率に乗算した値を出現率とすればよい。
【0127】
本実施形態では、B=1.04となり、各色の出現率は、A(C)=F(C)・B=0.22、A(M)=F(M)・B=0.22、A(Y)=0、A(K)=F(K)・B=0.56となる。
【0128】
なお、印字率が予め定められた閾値より小さい色の出現率を0に設定してもよい。例えば、印字率が0.1以下の色の出現率を0に設定することができる。
【0129】
また、本実施形態では、印字率の定義を各色のインクの吐出量の比率としたが、異なる定義を用いてもよい。例えば、記録画像を1枚の記録媒体に記録する際に各ヘッド120C、120M、120Y、120Kから吐出する各色のインクの吐出数(画素の数)の比率を印字率と定義することもできる。
【0130】
図11に示す記録画像は、画像記録領域222の用紙Pの搬送方向上流側の領域D
Aと下流側の領域D
Bとから構成されている。領域D
Aは、主走査方向に30000[pix]、用紙Pの搬送方向に5000[pix]の大きさの領域であり、1画素当たりブラックのインクが6[pL]付与されて記録される。また、領域D
Bは、主走査方向に30000[pix]、用紙Pの搬送方向に15000[pix]の大きさの領域であり、1画素当たりシアン、マゼンタ、イエローのインクがそれぞれ2[pL]付与されて記録される。
【0131】
ここで、各色のインクの吐出量の比率を印字率と定義した場合は、各色の印字率r(C)、r(M)、r(Y)、r(K)は、
r(C)=(2・15000・30000)/(2・15000・30000+2・15000・30000+2・15000+6・5000・30000)=0.25
r(M)=(2・15000・30000)/(2・15000・30000+2・15000・30000+2・15000+6・5000・30000)=0.25
r(Y)=(2・15000・30000)/(2・15000・30000+2・15000・30000+2・15000+6・5000・30000)=0.25
r(K)=(6・5000・30000)/(2・15000・30000+2・15000・30000+2・15000+6・5000・30000)=0.25となる。
【0132】
また、各色のインクの吐出数の比率を印字率と定義した場合は、各色の印字率r(C)、r(M)、r(Y)、r(K)は、
r(C)=(15000・30000)/(15000・30000+15000・30000+15000・30000+5000・30000)=0.30
r(M)=(15000・30000)/(15000・30000+15000・30000+15000・30000+5000・30000)=0.30
r(Y)=(15000・30000)/(15000・30000+15000・30000+15000・30000+5000・30000)=0.30
r(K)=(5000・30000)/(15000・30000+15000・30000+15000・30000+5000・30000)=0.10となる。
【0133】
さらに、記録画像に応じて印字率の定義を使い分ける態様も可能である。例えば、画像上に濃度が偏るような場合は、吐出数の比率を用いた方が好ましい。濃度が偏る場合には、滴体積が大きいインクを一部に集めることになるため、使用されたインク量ほどには用紙Pに色が付かず、小滴インクで画面を埋めるよりも濃度という観点で効率的ではないためである。したがって、記録画像の濃度の偏りを判断し、偏りが小さい場合には吐出量の比率、偏りが大きい場合には吐出数の比率を用いてもよい。
【0134】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置10と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0135】
〈不良ノズル検出制御部〉
第3の実施形態に係る不良ノズル検出制御部200は、
図12に示すように、印字率演算部209、領域分割部210を備えている。領域分割部210は、記録画像を主走査方向の所定距離毎に複数の領域として分割する。印字率演算部209は、印刷ジョブで指定された記録画像について、領域分割部210によって分割された領域毎の印字率を算出する。
【0136】
また、出現率設定部207は、領域分割部210によって分割された領域毎の各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって記録するテストパターンの出現率を設定する。さらに、出現順序設定部208は、出現率設定部207によって設定された出現率に基づいて、領域分割部210によって分割された領域毎の各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによって記録するテストパターンの出現順序を設定する。
【0137】
〈画像記録動作〉
次に、第3の実施形態に係るインクジェット記録装置10の画像記録動作について、
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、
図8のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。インクジェット記録装置10は、記録画像を分割し、分割された領域毎に適切な不良ノズル検出用テストパターンの各色の出現率をそれぞれ決定する。ここでは、記録画像としてそれぞれ同じサイズの複数の画像が面付けされている。
【0138】
(ステップS1)
出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から各色インクの画像欠陥視認率を読み出す。ここでは一例として、画像欠陥視認率を、s(C)=0.2、s(M)=0.2、s(Y)=0.1、s(K)=0.5とする。
【0139】
(ステップS21)
印刷ジョブで指定された記録画像は、
図14に示すように、4枚のA4サイズの画像A4−1,A4−2,A4−3,A4−4が面付けされた画像であるとする。ここでは、画像A4−1,A4−2に赤い色が多く、画像A4−3,A4−4に青い色が多い場合を考える。
【0140】
領域分割部210は、この記録画像を搬送方向の左右に領域D
1と領域D
2の2つの領域(搬送方向の複数の領域の一例)に分割する。
【0141】
印字率演算部209は、領域分割部210が分割した領域毎に各色の印字率r(C)、r(M)、r(Y)、r(K)を算出する。ここでは一例として、領域D
1の各色の印字率がr
1(C)=0.25、r
1(M)=0.50、r
1(Y)=0.25、r
1(K)=0.00、領域D
2の各色の印字率がr
2(C)=0.50、r
2(M)=0.25、r
2(Y)=0.25、r
2(K)=0.00であるとする。
【0142】
(ステップS22)
次に、出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から読み出した画像欠陥視認率と印字率演算部209が算出した領域毎の印字率とに基づいて、領域毎の各色のスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)を、式12〜式15を用いて算出する。
【0143】
即ち、領域D
1の各色のスジ発生率は、F
1(C)=0.29、F
1(M)=0.57、F
1(Y)=0.14、F
1(K)=0.00となり、領域D
2の各色のスジ発生率は、F
2(C)=0.57、F
2(M)=0.29、F
2(Y)=0.14、F
2(K)=0.00となる。
【0144】
(ステップS23)
次に、出現率設定部207は、領域毎の各色のスジ発生率に基づいて、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによってそれぞれ記録するテストパターンの領域毎の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を設定する。
【0145】
出現率設定部207は、スジ発生率が高い色ほど領域毎の出現率を高く設定する。ここでは、領域毎の各色の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を領域毎のスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)と同じ値とする。
【0146】
即ち、領域D
1の各色テストパターンの出現率は、A
1(C)=0.29、A
1(M)=0.57、A
1(Y)=0.14、A
1(K)=0.00に設定され、領域D
2の各色テストパターンの出現率は、A
1(C)=0.29、A
1(M)=0.57、A
1(Y)=0.14、A
1(K)=0.00となり、A
2(C)=0.57、A
2(M)=0.29、A
2(Y)=0.14、A
2(K)=0.00に設定される。
【0147】
(ステップS3)
次に、出現順序設定部208は、印刷ジョブにおいて指定された印刷枚数jを取得する。
【0148】
(ステップS24)
さらに、出現順序設定部208は、ステップS3において取得した印刷枚数jとステップS23において設定された領域毎の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)とに基づいて、領域毎の各色テストパターンの出現順序を設定する。
【0149】
このとき、出現順序設定部208は、最初に記録するテストパターンを、各領域における最も出現率の高い色のテストパターンとし、以下、各色のテストパターンを出現率に応じて分散させた順序とする。
【0150】
以下、第1の実施形態と同様にステップS5以降の処理を行えばよい。
【0151】
このように、記録画像を複数の領域に分割し、分割した領域毎にスジ発生率を算出し、算出したスジ発生率に応じた比率で領域毎に各色ヘッド120C、120M、120Y、120Kの不良ノズル検出を行うので、領域毎に複数の記録ヘッドのうち画像欠陥が発生しやすい色の記録ヘッドの不良ノズル検出頻度を高くすることができ、不良ノズルを効率よく検出することができる。
【0152】
本実施形態を効率的に用いるためには、面付け時に、同じ色のインクを多用する画像を用紙Pの搬送方向に並べて配置することが好ましい。このように配置することで、多用されるインクのヘッドを重点的に解析することができるので、不良ノズルを効率よく検出することが可能となる。
【0153】
<第4の実施形態>
第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係るインクジェット記録装置10の領域分割部210は、記録画像を分割する領域が第3の実施形態とは異なっている。
【0154】
〈領域分割部〉
第4の実施形態に係る領域分割部210は、記録画像を主走査方向に対して所定距離毎に複数の領域として分割する。
図15に示した例では、画像記録領域222の主走査方向の大きさが720[mm]であり、記録画像を主走査方向に10[mm]毎に72個の領域D
1、D
2、D
3、D
4、…、D
69、D
70、D
71、D
72に分割している(搬送方向の複数の領域の一例)。
【0155】
〈画像記録動作〉
次に、第4の実施形態に係るインクジェット記録装置10の画像記録動作について、
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0156】
(ステップS1)
出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から各色インクの画像欠陥視認率を読み出す。ここでは一例として、画像欠陥視認率を、s(C)=0.2、s(M)=0.2、s(Y)=0.1、s(K)=0.5とする。
【0157】
(ステップS21)
印字率演算部209は、印刷ジョブで指定された記録画像について、領域分割部210が分割した領域毎に各色の印字率r(C)、r(M)、r(Y)、r(K)を算出する。
図16は、印刷ジョブで指定された記録画像の一例を示す図である。この記録画像は、領域D
1〜D
5の印字率はr(C)=0.00、r(M)=1.00、r(Y)=0.00、r(K)=0.00、領域D
6〜D
10の印字率はr(C)=1.00、r(M)=0.00、r(Y)=0.00、r(K)=0.00、領域D
11〜D
15の印字率はr(C)=0.00、r(M)=0.00、r(Y)=0.00、r(K)=1.00、領域D
16〜D
20の印字率はr(C)=0.00、r(M)=0.00、r(Y)=1.00、r(K)=0.00であるとする。なお、領域D
21〜D
72については、説明を省略する。
【0158】
(ステップS22)
次に、出現率設定部207は、画像欠陥視認率記憶部206から読み出した画像欠陥視認率と印字率演算部209が算出した領域毎の印字率とに基づいて、領域毎の各色のスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)を、式12〜式15を用いて算出する。
【0159】
図16に示す記録画像の場合は、領域D
1〜D
5の各色のスジ発生率は、F(C)=0.00、F(M)=1.00、F(Y)=0.00、F(K)=0.00、領域D
6〜D
10の各色のスジ発生率は、F(C)=1.00、F(M)=0.00、F(Y)=0.00、F(K)=0.00、領域D
11〜D
15の各色のスジ発生率は、F(C)=0.00、F(M)=0.00、F(Y)=0.00、F(K)=1.00、領域D
16〜D
20の各色のスジ発生率は、F(C)=0.00、F(M)=0.00、F(Y)=1.00、F(K)=0.00となる。
【0160】
(ステップS23)
次に、出現率設定部207は、領域毎の各色のスジ発生率に基づいて、各ヘッド120C、120M、120Y、120Kによってそれぞれ記録するテストパターンの領域毎の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を設定する。ここでは、領域毎の各色の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)を領域毎のスジ発生率F(C)、F(M)、F(Y)、F(K)と同じ値とする。即ち、領域D
1〜D
5の各色テストパターンの出現率は、A(C)=0.00、A(M)=1.00、A(Y)=0.00、A(K)=0.00、領域D
6〜D
10の各色テストパターンの出現率は、A(C)=1.00、A(M)=0.00、A(Y)=0.00、A(K)=0.00、領域D
11〜D
15の各色テストパターンの出現率は、A(C)=0.00、A(M)=0.00、A(Y)=0.00、A(K)=1.00、領域D
16〜D
20の各色テストパターンの出現率は、A(C)=0.00、A(M)=0.00、A(Y)=1.00、A(K)=0.00に設定される。
【0161】
(ステップS3)
次に、出現順序設定部208は、印刷ジョブにおいて指定された印刷枚数jを取得する。
【0162】
(ステップS24)
さらに、出現順序設定部208は、ステップS3において取得した印刷枚数jとステップS23において設定された領域毎の出現率A(C)、A(M)、A(Y)、A(K)に基づいて、領域毎の各色テストパターンの出現順序を設定する。
【0163】
図16の記録画像の領域D
1〜D
5、領域D
6〜D
10、領域D
11〜D
15、領域D
16〜D
20においては、テストパターンの出現率がそれぞれマゼンタ、シアン、ブラック、イエローのみ1.00である。したがって、テストパターン記録領域220に記録される不良ノズル検出用テストパターンは、
図16の左端から50[mm]がマゼンタ、次の50[mm]がシアン、次の50[mm]がブラック、次の50[mm]がイエローとなる。
【0164】
以下、第1の実施形態と同様にステップS5以降の処理を行えばよい。
【0165】
このように、記録画像を複数の領域に分割し、分割した領域毎にスジ発生率を算出し、算出したスジ発生率に応じた比率で領域毎に各色ヘッド120C、120M、120Y、120Kの不良ノズル検出を行うので、複数の記録ヘッドのうち画像欠陥が視認しやすい色の記録ヘッドの不良ノズル検出頻度を高くすることができ、不良ノズルを効率よく検出することができる。
【0166】
本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合せることができる。