特許第6053386号(P6053386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6053386
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】電子部品の接合方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   H01L21/52 D
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-176831(P2012-176831)
(22)【出願日】2012年8月9日
(65)【公開番号】特開2014-36125(P2014-36125A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100120570
【弁理士】
【氏名又は名称】中 敦士
(72)【発明者】
【氏名】浅田 敏明
(72)【発明者】
【氏名】藤原 英道
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2011/114747(JP,A1)
【文献】 特開2009−302413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均一次粒子径が2〜500nmの金属微粒子(P)と、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含む有機分散媒(S)とを含有してなる加熱接合材料(L)を用いて、2以上の被着体間を加熱、又は加圧下の加熱により接合する、電子部品の接合方法であって、
加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)を含む接合補助材料(H)を配した状態で、加熱、又は加圧下で加熱して接合することを特徴とする、電子部品の接合方法。
【請求項2】
前記加熱接合材料(L)に含まれる金属微粒子(P)の80質量%以上が平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P1)であることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品の接合方法。
【請求項3】
前記加熱接合材料(L)中の有機分散媒(S)に含まれる分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)が、加熱接合材料(L)中に8質量%以上含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子部品の接合方法。
【請求項4】
前記加熱接合材料(L)が、平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P)70〜92質量%、及び分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含む有機分散媒(S)30〜8質量%からなり(ここで、質量%の合計は100質量%)、かつ粘度400Pa・S以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項5】
前記加熱接合材料(L)が成形体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項6】
前記接合補助材料(H)中に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)が、20質量%以上含まれることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項7】
前記接合補助材料(H)中に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)が20質量%以上、及び平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P)が65質量%以下含まれることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項8】
前記接合補助材料(H)が常温で液状、溶媒に溶解させた液状物、又は加熱により溶融させた液状物であり、加熱接合材料(L)の接合面または被着体の接合面の少なくとも一方の面に塗布することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項9】
前記接合補助材料(H)が常温で固体状であり、加熱接合材料(L)と被着体の間に配することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項10】
前記配した接合補助材料(H)層の厚みが0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【請求項11】
前記被着体の接合面が金属、金属酸化物、又はセラミックから形成されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱接合材料を用いて、電子部品の被着体を接合する、電子部品の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体素子(発熱素子)の電極面と電極板(電極部材)間をろう付けや半田付けで接着して使用する半導体装置で、通電電流の大きいIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などパワー半導体素子を搭載した半導体装置としてパワー半導体モジュールが知られている。このような半導体素子は、定格電流を増大させるため、大容量化が進んでおり、半導体装置の使用効率、耐久性を向上させるために半導体素子と電極板間や、電極板と絶縁板、放熱板間の接触電気抵抗や熱抵抗を低減することが必要とされている。
【0003】
一方、近年環境上の配慮から、鉛を含まない(鉛フリー)はんだ材料を用いることが要求されている。パワー半導体モジュールの発熱に対応可能な鉛フリーはんだ材料としてAu−Sn系のはんだがあるが、高価であるため、実用的ではない。実用性の点から、鉛フリーはんだ材料としてSn−Ag−Cu系のはんだが使用されている。しかしながら、パワー半導体モジュールは、パワー半導体素子の発熱が大きく、Sn−Ag-Cu系の鉛フリーはんだでは熱履歴による金属間化合物の成長が信頼性の低下となる。
また、パワー半導体モジュールは、絶縁基板であるセラミック基板、放熱ベースの銅、パワー半導体素子のシリコンなど、熱膨張係数の異なる材質を接合した構造であるため、接合部への応力集中が大きく、はんだ接合部にクラックが発生する等の課題がある。また、パワー半導体素子に過電流が流れた場合、瞬間的にはんだの融点を越える熱が発生し、はんだが溶融して他の回路パターンなどに接して短絡し、パワー半導体モジュールが破損する可能性もある。
【0004】
環境問題から高温鉛はんだの使用が抑制される傾向にあることから、高温での使用に耐えうる、他のダイボンド材料として、鉛を使用せずにバルク態の金属よりも低温の条件下で接合が可能になる、金属微粒子が配合された導電性ペーストによる接合が着目されてきている。金属微粒子を配合した加熱接合用の成形体(またはシート等)を用いて、電子部品(例えば半導体チップ)を加圧下で加熱・焼結して基板等に接合する場合、現状ではダイボンド材中に配合されているグリセリンが半導体チップ表面と基板表面を活性化させている例もあるが、更に信頼性を向上させることが必要とされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、導体素子の主電極面を電極板で圧接した状態で使用する圧接型半導体装置において、半導体素子の主電極面と電極板との間の電気抵抗および熱抵抗を共に低減するために、平均粒径の異なる2種類以上の粒子部材からなる接触中間材を介在させることが開示されている。
特許文献2には、絶縁基板、パワー半導体素子などの接合部に、粒径1nm〜20nmの焼結する金属微粒子と、熱膨張係数が該金属微粒子より小さい、粒径1μm〜50μnmセラミックの微粒子を含むペーストを塗布後焼結して、焼結することにより、熱膨張係数の相違による応力が印加されても、接合部にクラックが発生するのを防止する半導体装置の製造方法が開示されている。
【0006】
特許文献3には、チップ裏面電極と複合Agペーストの接着界面での剥離を防止して製品の信頼性を向上するために、一方の主面に金属電極を備える半導体デバイスと、有機樹脂に貴金属を含む金属粒子を混合した導電性樹脂を介して、前記金属電極に電気的に接続される金属部材とを有し、前記金属電極または前記金属部材の互いに対向する面の少なくとも一方の面には、貴金属のナノ粒子を焼結したポーラスな貴金属層が形成された半導体装置が開示されている。
特許文献4には、高温側のはんだ接続を提供するために、金属粒子としてCu粒子と、はんだ粒子としてSn粒子を含むはんだ材料を圧延して形成したはんだ箔で、Cuは粒子の状態であり、SnはこのCu粒子の間を埋める状態にあって、リフローさせるとCuの粒子の表面はCuSnにより覆われるはんだ箔、及び該はんだ箔を用いて接続した電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−102400号公報
【特許文献2】特開2006−352080号公報
【特許文献3】特開2008−153470号公報
【特許文献4】特開2002−301588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
被接合体(基板や半導体チップ等の電子部品)間に加熱接合材料を配置して加熱、焼結して接合する際に、被接合体の表面部での酸化が進行している場合には、加熱接合材料と接合するための還元反応等が充分に進行しないで、接合信頼性が低下する問題点がある。
上記特許文献1〜4には、金属電極等の接合についての手段が開示されているが、被接合体の表面部での酸化が進行している場合の接合信頼性の向上については記載されていない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、接合部における不純物残渣が少なく、接合信頼性が高い、電子部品の接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、加熱接合材料の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、分子中に2以上の水酸基を有する多価アルコールを含む接合補助材料を配した状態で、加熱、又は加圧下で加熱して接合することより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(11)に記載する発明を要旨とする。
【0010】
(1)平均一次粒子径が2〜500nmの金属微粒子(P)と、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含む有機分散媒(S)とを含有してなる加熱接合材料(L)を用いて、2以上の被着体間を加熱、又は加圧下の加熱により接合する、電子部品の接合方法であって、
加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)を含む接合補助材料(H)を配した状態で、加熱、又は加圧下で加熱して接合することを特徴とする、電子部品の接合方法。
(2)前記加熱接合材料(L)に含まれる金属微粒子(P)の80質量%以上が平均一次粒子径5〜200nmの金属微粒子(P1)であることを特徴とする、前記(1)に記載の電子部品の接合方法。
(3)前記加熱接合材料(L)中の有機分散媒(S)に含まれる分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)が、加熱接合材料(L)中に8質量%以上含まれることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の電子部品の接合方法。
(4)前記加熱接合材料(L)が、平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P)70〜92質量%、及び分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含む有機分散媒(S)30〜8質量%からなり(ここで、質量%の合計は100質量%)、かつ粘度400Pa・S以上であることを特徴とする、前記(1)から(3)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
(5)前記加熱接合材料(L)が成形体であることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【0011】
(6)前記接合補助材料(H)中に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)が、20質量%以上含まれることを特徴とする、前記(1)から(5)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
(7)前記接合補助材料(H)中に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)が20質量%以上、及び平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P)が65質量%以下含まれることを特徴とする、前記(1)から(6)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
(8)前記接合補助材料(H)が常温で液状、溶媒に溶解させた液状物、又は加熱により溶融させた液状物であり、加熱接合材料(L)の接合面または被着体の接合面の少なくとも一方の面に塗布することを特徴とする、前記(1)から(7)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
(9)前記接合補助材料(H)が常温で固体状であり、加熱接合材料(L)と被着体の間に配することを特徴とする、前記(1)から(7)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
(10)前記配した接合補助材料(H)層の厚みが0.5mm以下であることを特徴とする、前記(1)から(9)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
(11)前記被着体の接合面が金属、金属酸化物、又はセラミックから形成されていることを特徴とする、前記(1)から(10)のいずれかに記載の電子部品の接合方法。
【発明の効果】
【0012】
加熱接合材料(L)と被着体の間に配した接合補助材料(H)中の多価アルコール(A2)は加熱接合材料(L)に含まれる金属微粒子(P)と接触した状態で加熱されると容易に分解が進み、発生される水素ラジカルが基板や電子部品等の被着体表面に存在する酸化物層を除去する。これにより接合面が活性化状態となり、焼成温度が低くても金属微粒子(P)と電気抵抗が低く、良好な接合状態を得ることが可能となる。また、接合補助材料(H)として、粘性を有する多価アルコール(A2)を使用する場合、被着体の仮固定が可能となり、接合部のズレを防止する効果も期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の電子部品の接合方法について説明する。
本発明の「電子部品の接合方法」は、平均一次粒子径が2〜500nmの金属微粒子(P)と、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含む有機分散媒(S)とを含有してなる加熱接合材料(L)を用いて、2以上の被着体間を加熱、又は加圧下の加熱により接合する、電子部品の接合方法であって、
加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)を含む接合補助材料(H)を配した状態で、加熱、又は加圧下で加熱して接合することを特徴とする。
【0014】
〔1〕加熱接合材料(L)
加熱接合材料(L)には、少なくとも以下に記載する金属微粒子(P)と有機分散媒(S)が含まれる。
【0015】
(1)金属微粒子(P)
金属微粒子(P)は、焼結性を有する金属微粒子(P1)のみであってもよく、更に金属微粒子(P1)に金属微粒子(P2)を併用することができる。加熱接合用材料(L)に使用する金属微粒子(P)は、はんだペーストの場合と異なり、少なくとも1種以上の高純度金属微粒子をそのまま使用することができるので、接合強度と導電性に優れる接合体を得ることが可能になる。一般にはんだペーストの場合、実装対象である基板の銅パッド部分の酸化を取り除くためにフラックス(有機成分)を含有しており、更に金属材料に含まれる不純物として少量ではあるがAl、Zn、Cd、As等の金属が含まれることが多い。
(イ)金属微粒子(P1)
金属微粒子(P1)は、一次粒子の平均粒子径が5〜200nmの金属微粒子であれば特に制限されるものではなく、例えば金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、錫、亜鉛、チタン、及びアルミニウムから選択される一種または二種以上が挙げられるが、これらの中でも金、銀、銅が好ましく、銅がより好ましい。
金属微粒子(P1)の一次粒子の平均粒子径が5nm以上で焼成により均質な粒子径と空孔を有する多孔質体を形成することが可能になり、一方、200nm以下で精密な導電パターンを形成することができる。
【0016】
(ロ)金属微粒子(P2)
加熱接合用材料(L)に、一次粒子の平均粒子径が5〜200nmの金属微粒子(P1)に加えて、一次粒子の平均粒子径1〜20μmの金属微粒子(P2)を分散させて使用することもできる。
金属微粒子(P)として、平均一次粒子径が5〜200nmの金属微粒子(P1)に、更に平均一次粒子径が1〜20μmの金属微粒子(P2)を使用すると、金属微粒子(P2)間に金属微粒子(P1)が分散して安定に存在するのでその結果、加熱焼成でより均質な粒子径と空孔を有する多孔質体を形成することが可能になる。金属微粒子(P2)の平均一次粒子径は、1〜20μmである。金属微粒子(P2)の平均一次粒子径がかかる範囲であることにより、金属微粒子(P1)の平均一次粒子径との粒子径の差が確保できて、加熱処理する際に金属微粒子(P1)の自由な移動を効果的に抑制することができ、前述の金属微粒子(P1)の分散性と安定性を向上する。金属微粒子(P2)としては、金属微粒子(P1)に記載したと同様の粒子を例示することができる。
ここで、一次粒子の平均粒子径とは、二次粒子を構成する個々の金属微粒子の一次粒子の直径の意味である。該一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、平均粒子径とは、一次粒子の数平均粒子径を意味する。
金属微粒子(P)として、金属微粒子(P1)と金属微粒子(P2)を併用する場合、その好ましい配合割合は、質量比(P1/P2)で80〜100質量%/20〜0質量%である。また、該配合割合を、80〜95質量%/20〜5質量%(質量%の合計は100質量%である)とすることにより、加熱接合用材料(L)を加熱処理して形成される,焼結体からなる金属接合体において、金属微粒子(P2)が偏在することなく、分散させることが可能になる。
【0017】
(2)有機分散媒(S)
加熱接合材料(L)に含有される有機分散媒(S)は、加熱接合材料(L)を塗布又はパターニング後の加熱、焼結の際に、有機分散媒(S)に含まれている多価アルコール(A1)が連続的に蒸発して、その液体及び/又は蒸気が存在する雰囲気で還元・焼成されると金属微粒子(P)の焼結が促進される。
尚、加熱接合材料(L)には有機分散媒(S)として、多価アルコール(A1)の他にアミド基を有する化合物(B1)、アミン化合物(B2)、アルコール、エーテル、及びケトンから選択される有機溶媒(B3)等を配合して使用することができる。
【0018】
(イ)多価アルコール(A1)
多価アルコール(A1)は、常温で液状または固体であり、分子中に2以上の水酸基を有する有機物である。その具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、リビトール、アラビトール、ヘキシトール、ズルシトール、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクトース、イソマルトース、グルコヘプトース、ヘプトース、マルトトリオース、ラクツロース、トレハロース、スレイトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、マンニトール、スクロース、ズルシトール、イノシトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ピロガロール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,4−シクロヘキサンジオール、カテコール等から選択される1種または2種以上を挙げることができるが、これらの多価アルコールの中でも、融点が280℃以下の多価アルコールが望ましい。
【0019】
多価アルコール(A1)は、還元性を有するので加熱処理を行うことで多価アルコール(A1)が連続的に蒸発して、その液体及び/又は蒸気が存在する雰囲気で還元・焼成されると金属微粒子(P)の焼結が促進される。このような焼結を促進させるために、加熱接合材料(L)中に多価アルコール(A1)が8質量%以上含有されていることが好ましい。
【0020】
(ロ)その他の有機溶媒
(ロ−1)アミド基を有する有機溶媒(B1)
アミド基を有する有機溶媒(B1)として、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミド等を挙げることができる。有機分散媒(S)中にアミド基を有する化合物(B1)が含まれていると、加熱接合材料(L)中で金属微粒子(P)の分散性を向上する作用の他に、焼結の際に多価アルコール(A1)が熱分解して生成されるケトン化合物、アルデヒド化合物等、及び他の有機溶媒として添加されるケトン化合物及び/又はアルデヒド化合物と、共沸し易い性質を有しているので、150〜200℃程度の比較的低温の焼結温度でもケトン化合物、及びアルデヒド化合物は容易に除去される。これにより、焼結体中の有機物残留量が少なくなるので焼結した金属微粒子(P)間の接合強度が向上すると共に電気抵抗と接触抵抗を低くすることができる。
【0021】
(ロ−2)アミン系有機溶媒(B2)
アミン系有機溶媒(B2)として、脂肪族第一アミン、脂肪族第二アミン、脂肪族第三アミン、脂肪族不飽和アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、及びアルカノールアミンであるメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、t−プロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、モノ−n−オクチルアミン、モノ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソノニルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルココナットアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、及び2−(2−アミノエトキシ)エタノール等から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
【0022】
加熱接合材料(L)中にアミン化合物(B2)が存在することにより該加熱接合材料(L)中の金属微粒子(P)表面は活性化されるが、さらに加熱接合材料(L)を被着体上に塗布(又はパターン化)することによってアミン化合物(B2)が金属基材にも配位して、該被着体表面の吸着層が除去されて、該金属基材表面が活性化される効果が発揮される。尚、前述の通り、加熱接合材料(L)中に含まれる多価アルコール(A1)が、100〜150℃程度の温度で予備加熱されることにより、金属微粒子(P)表面及び金属基材表面で分解し、水素ラジカルを形成し、配位したアミン化合物を脱離させる。
【0023】
(ロ−3)アルコール、エーテル、及びケトンから選択される有機溶媒(B3)
有機溶媒(B3)中で、1つのヒドロキシル基を有するアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル2−プロパノール等から選択される1種又は2種以上が挙げることができ、
エーテルとしては、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルエーテル等から選択される1種又は2種以上が挙げることができ、
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ヒドロキシアセトン等から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
【0024】
(3)加熱接合材料(L)
(イ)加熱接合材料(L)の成分
加熱接合材料(L)には、前記の通り、有機分散媒(S)として含有される多価アルコール(A1)は、その液体及び/又は蒸気が存在する雰囲気で金属微粒子(P)の還元・焼成を促進する効果を発揮させるためには、加熱接合材料(L)中に多価アルコール(A1)が8質量%以上含まれることが好ましい。
また、前記加熱接合材料(L)は、固体状でも液体状でも可能であるが、平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P)70〜92質量%、及び分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含む有機分散媒(S)30〜8質量%からなり、かつ粘度400Pa・S以上であることが実装作業性の容易な成形体を作製し易いので好ましい。その理由は、取扱いの容易な成形体を作製し易く、且つ、還元・焼成を促進できる加熱接合材料(L)が得られるからである。
尚、該粘度は(株)セコニック製、振動式粘度計 VM100Aを用いた、25℃における測定値である。
(ロ)形状
加熱接合材料(L)は、成形体、ペースト状で使用することが可能であるが、本発明において接合補助材料(H)の使用や実装作業性を考慮すると、加熱接合材料(L)は成形体であることが好ましい。
【0025】
〔2〕接合補助材料(H)
本発明において、接合補助材料(H)は、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)を含み、
加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、配した状態で、加熱、又は加圧下で加熱して接合される際に、接合補助材料(H)は、加熱接合材料(L)に含まれる金属微粒子(P)と接触した状態で加熱されると多価アルコール(A2)の分解が容易に進み、発生する水素ラジカルが基板や電子部品等の被着体表面に存在する酸化物層を還元、除去する。これにより接合面が活性化されて、金属微粒子(P)と良好な接合状態を得ることが可能となる。また、接合補助材料(H)が粘性を有する場合、被着体の仮固定が可能となり、接合部から加熱接合材料(L)がズレを防止する効果も期待できる。
【0026】
(1)接合補助材料(H)の成分
接合補助材料(H)は、常温で液状、溶媒に溶解させた液状物、又は加熱により溶融させた液状物であり、加熱接合材料(L)の接合面または被着体の接合面の少なくとも一方の面に配することができるが、加熱接合材料(L)が成形体の場合は加熱接合材料(L)と被着体の間に配することを考慮すると接合補助材料(H)が常温で固体状であっても問題ない。尚、加熱接合材料(L)が液状の場合は、下記実施例5に示すように接合補助材料(H)を固体状とした方が好ましい。
接合補助材料(H)が上記効果を発揮するためには、接合補助材料(H)が分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)のみであってもよいが接合補助材料(H)中に20質量%以上含まれることが好ましく、30質量%以上含まれることがより好ましい。
接合補助材料(H)には金属微粒子(P)を含有させることもできる。この場合、接合補助材料(H)中に、分子中に2以上の水酸基を有する1種または2種以上の多価アルコール(A2)を20質量%以上、及び平均一次粒子径2〜500nmの金属微粒子(P)を65質量%以下含有させることもできる。
【0027】
多価アルコール(A2)の成分は、上記多価アルコール(A1)として例示したものと同様である。また、接合補助材料(H)には多価アルコール(A2)以外に、前記アミド基を有する化合物(B1)、アミン化合物(B2)、アルコール、エーテル、及びケトンから選択される有機溶媒(B3)等を配合して使用することができる。
尚、加熱接合材料(L)には多価アルコール(A1)が含有されるが、加熱接合材料(L)に配合できる多価アルコール(A1)の量には制約を伴うので、接合補助材料(H)として多価アルコール(A2)を存在させることができれば、接合用の加熱接合材料(L)中の多価アルコール(A1)の量が少なくとも良好な接合状態を得ることが可能になる。
【0028】
(2)接合補助材料(H)の形状
接合補助材料(H)を加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、配することを考慮すると、接合補助材料(H)は常温下において液状又は固体状で、その厚みは0.5mm以下であることが好ましい。
その理由は、接合補助材料(H)の厚みが0.5mmを超えた場合は、下記比較例4に示すように加熱接合材料(L)と被着体の接触が不十分になり、接合強度が下がるおそれがあるからである。接合補助材料(H)の厚みの下限は特に制限されるものではないが、実用上、10μm程度である。
【0029】
〔3〕電子部品の接合方法
本発明の電子部品の接合方法は、加熱接合材料(L)を用いて、2以上の被着体間を加熱、又は加圧下の加熱により接合する、電子部品の接合方法であって、加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に、接合補助材料(H)を配した状態で、加熱、又は加圧下で加熱して接合することを特徴とする。
【0030】
(1)接合補助材料(H)の配置
接合補助材料(H)は、常温で固体状の成形体、または高粘度の成形体等、又は液状のものを使用することができる。常温で固体状の接合補助材料(H)は、加熱溶融後型に流し込んで成形体を形成することができる。また高粘度の接合補助材料(H)は、常温下で、又は加熱下に流動性を高めた状態で型内に押し込むことにより成形体を形成することができる。
接合補助材料(H)は、加熱接合材料(L)の接合面と、被着体の接合面のそれぞれの少なくとも一方の面に配置させることができるが、一方の被着体の接合面と、加熱接合材料(L)の接合面間、及び他方の被着体の接合面と、加熱接合材料(L)の接合面間の双方に配置させることが好ましい。また、液状の接合補助材料(H)を配する方法は特に限定されず、はけ等の塗工、ポッティング、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、インクジェット法、グルーガン、ディッピング等の手段で塗布することができる。
【0031】
(2)加熱・焼結
前記被着体の接合面と、加熱接合材料(L)の接合面に接合補助材料(H)を配した後、その後、加熱、又は加圧下で加熱して、接合補助材料(H)を介して被着体を接合する。
加熱・焼結条件は、使用する加熱接合材料(L)中の金属微粒子(P)の粒子径、有機分散媒(S)の成分と厚み、接合補助材料(H)の成分と厚み等にもよるが例えば焼結温度190〜300℃程度に達したら、10〜40分間程度保持することが好ましい。
【実施例】
【0032】
以下の実施例、比較例において、加熱接合用材料を用いてアルミ基板とシリコンチップを接合し、接合強度の評価を行った。尚、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。先ず、本実施例、比較例において使用した原材料、評価方法等について記載する。
(1)加熱接合材料の調製
(イ)加熱接合用成形体(L1)
グリセリン15gからなる有機分散媒に、平均一次粒子径50nmの銅微粒子85gを配合し、乳鉢によって十分混合することで加熱接合用材料を得た。得られた加熱接合用材料をプレスして厚み0.3mmの加熱接合用シート体を形成し、更に該加熱接合用シート体を切断して、加熱接合用成形体(5×5×0.3mm)を作製した。
(ロ)加熱接合用ペースト(L2)
グリセリン35gからなる有機分散媒に、平均一次粒子径50nmの銅微粒子65gを配合し、乳鉢によって十分混合することで加熱接合用ペーストを得た。
(ハ)ミクロンサイズ粒子を配合した加熱接合用成形体(L3)
グリセリン15gからなる有機分散媒に、平均一次粒子径50nmの銅微粒子75g、平均一次粒子径5μmの銅粒子10gを配合し、乳鉢によって十分混合することで加熱接合用材料を得た。得られた加熱接合用材料をプレスして厚み0.3mmの加熱接合用シート体を形成し、更に該加熱接合用シート体を切断して、加熱接合用成形体(5×5×0.3mm)を作製した。
【0033】
(ニ)多価アルコール配合量が過少の加熱接合用成形体(L4)
2−ブタノール12gとグリセリン3gからなる有機分散媒に、平均一次粒子径50nmの銅微粒子85gを配合し、乳鉢によって十分混合することで加熱接合用材料を得た。得られた加熱接合用材料をプレスして厚み0.3mmの加熱接合用シート体を形成し、更に該加熱接合用シート体を切断して、加熱接合用成形体(5×5×0.3mm)を作製した。
(ホ)ナノサイズの銅微粒子配合量が過少の加熱接合用成形体(L5)
グリセリン15gからなる有機分散媒に、平均一次粒子径50nmの銅微粒子45g、平均一次粒子径5μmの銅粒子40gを配合し、乳鉢によって十分混合することで加熱接合用材料を得た。得られた加熱接合用材料をプレスして厚み0.3mmの加熱接合用シート体を形成し、更に該加熱接合用シート体を切断して、加熱接合用成形体(5×5×0.3mm)を作製した。
【0034】
(2)接合補助材料の調製
(イ)液状の接合補助材料(H1)
グリセリン試薬(関東化学(株)製、試薬特級)
(ロ)液状の接合補助材料(H2)
グリセリン試薬30gと2−ブタノール70gを混合した液
(ハ)固体状の接合補助材料(H3)
エリスリトールを水に溶解させたエリスリトール30質量%水溶液を4×4mm型枠に流しこみ、水を蒸発させて4×4×0.1mmの成形体とした。
(ニ)液状の接合補助材料(H4)
グリセリン40gからなる有機分散媒に、平均一次粒子径50nmの銅微粒子60gを配合し、乳鉢によって十分混合してペーストを調製した。
(ホ)多価アルコール量が少な過ぎる系(H5)
グリセリン試薬10gと2−ブタノール90gを混合した液
【0035】
(3)基板と電子部品
(イ)基板
アルミ基板(電気化学工業(株)製、商品名:ヒットプレートK−1、アルミ板厚1.5mm上に、厚さ0.075mmの絶縁層が形成され、さらに該絶縁層上に厚さ0.038mmの回路用銅箔が積層されている)を用い、前記銅箔をエッチングによって6×6mmにパターニングしてパッドを形成したものを使用した。
(ロ)電子部品
サイズ4×4×0.35(厚)mmのシリコンチップ(接合面はスパッタ処理Ti/Au=35/150nm)を用いた。
(4)接合強度の評価
作製したシリコンチップ実装サンプルについて、ダイシェア試験により接合強度の評価を実施した。
【0036】
[実施例1]
アルミ基板の6×6mmパッド上と、電子部品シリコンチップのスパッタ面に、液状の接合補助材料(H1)を0.1mm塗布する。
液状の接合補助材料(H1)を塗布したアルミ基板のパッドと電子部品シリコンチップのスパッタ面の間に、加熱接合用成形体(L1)(5×5×0.3mm)を配して、フリップチップボンダーによりシリコンチップ上面より5MPaの加圧下、300℃で20分間加圧加熱を行い、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。
ダイシェアによる接合強度は62MPa以上であった。
【0037】
[実施例2]
接合補助材料として、液状の接合補助材料(H2)を、加熱接合材料として、ミクロンサイズ粒子を配合した加熱接合用成形体(L3)(5×5×0.3mm)を使用した以外は実施例1と同様にして、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。
ダイシェアによる接合強度は50MPa以上であった。
【0038】
[実施例3]
接合補助材料として、液状の接合補助材料(H4)を、加熱接合材料として、加熱接合用成形体(L1)(5×5×0.3mm)を使用した以外は実施例1と同様にして、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。
ダイシェアによる接合強度は53MPa以上であった。
【0039】
[実施例4]
接合補助材料として、固体状の接合補助材料(H3)を、加熱接合材料として、加熱接合用成形体(L1)(5×5×0.3mm)を用い、アルミ基板の6×6mmパッド上と、電子部品シリコンチップのスパッタ面の間に、固体状の接合補助材料(H3)/加熱接合材料(L1)/固体状の接合補助材料(H3)を配して、フリップチップボンダーによりシリコンチップ上面より5MPaの加圧下、300℃で20分間加圧加熱を行い、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。
ダイシェアによる接合強度は51MPa以上であった。
【0040】
[実施例5]
接合補助材料として、固体状の接合補助材料(H3)を用いた。
固体状の接合補助材料(H3)の一面に、加熱接合用ペースト(L2)を0.3mm塗布したものを2つ用意した。加熱接合用ペースト(L2)を塗布した面同士が合わさるように貼り合せ、アルミ基板の6×6mmパッド上と、電子部品シリコンチップのスパッタ面の間に配して、フリップチップボンダーによりシリコンチップ上面より2MPaの加圧下、300℃で20分間加圧加熱を行い、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。ダイシェアによる接合強度は46MPa以上であった。
【0041】
[比較例1]
アルミ基板のパッドと電子部品シリコンチップのスパッタ面の間に、加熱接合用成形体(L1)(5×5×0.3)を配して、フリップチップボンダーによりシリコンチップ上面より5MPa・300℃・20分加圧加熱を行い、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。
ダイシェアによる接合強度は14MPa以下であった。
【0042】
[比較例2]
アルミ基板の6×6mmパッド上と、電子部品シリコンチップのスパッタ面に液状の接合補助材料(H1)を0.8mm塗布した以外は実施例1と同様にして、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。ダイシェアによる接合強度は15MPa以下であった。
【0043】
[比較例3]
加熱接合材料として、加熱接合用成形体(L1)(5×5×0.3mm)を、接合補助材料として、多価アルコール量が少な過ぎる系(H5)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。ダイシェアによる接合強度は20MPa以下であった。
【0044】
[比較例4]
加熱接合材料として、多価アルコール配合量が過少の加熱接合用成形体(L4)(5×5×0.3mm)とした以外は実施例1と同様にして、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。ダイシェアによる接合強度は18MPa以下であった。
【0045】
[比較例5]
加熱接合材料として、ナノサイズの銅微粒子配合量が過少の加熱接合用成形体(L5)(5×5×0.3mm)とした以外は実施例1と同様にして、電子部品シリコンチップをアルミ基板のパッド上に実装した。ダイシェアによる接合強度は11MPa以下であった。
【0046】
[評価結果]
実施例1〜5におけるシェア強度はすべて46MPa以上と良好であった。
一方、比較例1〜5におけるシェア強度はすべて20MPa以下と良好な結果は得られなかった。