特許第6054213号(P6054213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6054213
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】支持部材及び半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20161219BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20161219BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/205
   C23C16/458
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-47514(P2013-47514)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-175510(P2014-175510A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】大部 智行
(72)【発明者】
【氏名】黒川 昌毅
(72)【発明者】
【氏名】入宇田 啓樹
(72)【発明者】
【氏名】板橋 賢
(72)【発明者】
【氏名】竹内 靖
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2006/035484(JP,A1)
【文献】 特開2006−228883(JP,A)
【文献】 特開平09−092625(JP,A)
【文献】 特開2005−101161(JP,A)
【文献】 特表2002−523909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C23C 16/458
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体が載置される載置部と、
前記載置部の外周縁に沿うように、その外周の一部に設けられ、前記載置部の一方の主面に載置された前記被処理体より高くなるように形成された壁と、を備え、
前記壁の内周面は、テーパー状に形成され
前記壁は、前記載置部の他方の主面に載置された前記被処理体よりも高くなるように形成され、
前記他方の主面側に位置する前記壁の内周面は、テーパー状に形成されている、ことを特徴とする支持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の支持部材と、
前記支持部材が挿入される開口部を有し、前記支持部材を保持する保持具と、
を備える、ことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項3】
前記支持部材の壁は、前記保持具の前記開口部に位置する部分に対応する位置に形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材及び半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置等の製造プロセスでは、縦型炉を用いてシリコン基板上に成膜処理を行っている。このような製造装置では、その構造上、シリコン基板の両面にほぼ同等の膜が付着してしまう。このようなシリコン基板の両面への膜の付着を回避する方法の一つとして、例えば、特許文献1に開示されているように2枚の基板の裏面を、それぞれ支持部材の表面と裏面とに貼り合わせる方法がある。これにより、2枚の基板の表面のみにそれぞれ成膜をすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−190850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、支持部材の表面と裏面とに2枚の基板を貼り合わせ、一般的な縦型炉の基板支持部材にシリコン基板を設置し、熱処理を行うと、シリコン基板の熱膨張の影響で反りが発生しまう場合がある。特に、基板支持部材の下側に設けられた基板では、シリコン基板の自重の影響も加わり、より強い反り(基板の垂れ)が発生しやすい。さらに、このように反った基板の裏面に、成膜の回り込みが発生してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、熱処理時、特に、成膜時の基板の反りを抑制することが可能な支持部材、及び、これを有する半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる支持部材は、
被処理体が載置される載置部と、
前記載置部の外周縁に沿うように、その外周の一部に設けられ、前記載置部の一方の主面に載置された前記被処理体より高くなるように形成された壁と、を備え、
前記壁の内周面は、テーパー状に形成され
前記壁は、前記載置部の他方の主面に載置された前記被処理体よりも高くなるように形成され、
前記他方の主面側に位置する前記壁の内周面は、テーパー状に形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点にかかる半導体製造装置は、
本発明の第1の観点にかかる支持部材と、
前記支持部材が挿入される開口部を有し、前記支持部材を保持する保持具と、
を備える、ことを特徴とする。
【0009】
前記支持部材の壁は、例えば、前記保持具の前記開口部に位置する部分に対応する位置に形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、熱処理時、特に、成膜時の基板の反りを抑制することが可能な支持部材、及び、これを有する半導体製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態の半導体製造装置を示す図である。
図2】ウエハボートの構造を示す図である。
図3】本実施の形態の支持部材の一例を示す平面図である。
図4図3に示すIB−IB線断面図である。
図5】ウエハボートと本発明の実施の形態の支持部材との位置関係を説明する図である。
図6】ウエハボートにウエハ及び支持部材が保持された状態を示す図である。
図7】制御部の構成を示す図である。
図8A】本実施の形態の支持部材と、壁を設けない支持部材とにおける、表面の成膜量に対する裏面の成膜量の比率を示すグラフである。
図8B図8Aの一部を拡大したグラフである。
図9A】本実施の形態の支持部材と、内周面をテーパー状に形成していない壁を有する支持部材とにおける、表面の成膜量に対する裏面の成膜量の比率を示すグラフである。
図9B図9Aの一部を拡大したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の支持部材、及び、これを有する半導体製造装置について説明する。本実施の形態では、半導体製造装置として、図1に示すバッチ式の縦型の熱処理装置を用いた場合を例に説明する。
【0013】
図1に示すように、熱処理装置1は、長手方向が垂直方向に向けられた略円筒状の反応管2を備えている。反応管2は、内管3と、内管3を覆うとともに内管3と一定の間隔を有するように形成された有天井の外管4とから構成された二重管構造を有する。内管3及び外管4は、耐熱及び耐腐食性に優れた材料、例えば、石英により形成されている。
【0014】
外管4の下方には、筒状に形成されたステンレス鋼(SUS)からなるマニホールド5が配置されている。マニホールド5は、外管4の下端と気密に接続されている。また、内管3は、マニホールド5の内壁から突出するとともに、マニホールド5と一体に形成された支持リング6に支持されている。
【0015】
マニホールド5の下方には蓋体7が配置され、ボートエレベータ8により蓋体7は上下動可能に構成されている。そして、ボートエレベータ8により蓋体7が上昇すると、マニホールド5の下方側(炉口部分)が閉鎖され、ボートエレベータ8により蓋体7が下降すると、マニホールド5の下方側(炉口部分)が開口される。
【0016】
蓋体7には、例えば、石英からなるウエハボート9が載置されている。ウエハボート9は、被処理体、例えば、ウエハWが垂直方向に所定の間隔をおいて複数枚収容可能に構成されている。図2にウエハボート9の構造を示す。
【0017】
図2に示すように、ウエハボート9は、天板91と底板92とを備え、天板91と底板92との間に複数本、例えば、3本の支柱93が設けられている。支柱93の間には補助柱94が設けられている。また、支柱93には、後述する図6に示すように、ウエハWと、ウエハWを支持する支持部材50の平板51とを保持するための爪部93aが所定の間隔で設けられている。爪部93aは、ウエハボート9の中心方向に向かって突き出し、天板91及び底板92と水平な面を有するように形成されている。なお、支柱93と補助柱94との間に円弧状の支持板を設けてもよい。
【0018】
図3及び図4に本発明の支持部材50の構造を示す。図3は支持部材50の一例を示す平面図であり、図4図3のIB−IB線断面図である。
【0019】
図3及び4に示すように、支持部材50は、平板51と、壁52,53とを備えている。
【0020】
平板51は、被処理体を載置する載置部であり、例えば、略円形の平板状の部材から形成されている。平板51は、例えば、石英、SiC、シリコン等から形成されている。平板51は、図4に示すように、その一方の主面、及び、他方の主面にウエハWを載置する。平板51の外径はウエハWの外径とほぼ同じとなるように形成されている。なお、平板51は、ウエハWを支持できればよく、例えば、リング状に形成されていてもよい。また、平板51には、その外周縁にウエハWを搬送する際に用いる切り欠け51aが形成されている。
【0021】
壁52は、図3に示すように、平板51の外周縁に沿うように、その外周の一部に設けられている。壁52は、図4に示すように、平板51の一方の主面に保持されたウエハWより高くなるように形成されている。また、壁52は、平板51の他方の主面に保持されたウエハWより高くなるように形成されている。壁52の内周面52aは、平板51上に配置されるウエハWを保持可能な形状に形成されている。本実施の形態では、壁52の内周面52aは逆テーパー状(テーパー状)に形成されている。このため、図4に示すように、壁52の内周面52aは平板51の主面に対して鋭角をなす。なお、壁52の内周面52aは、図4に示すように直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。また、壁52の断面が鉤状に形成されていてもよい。
【0022】
壁52は、平板51の外周縁に沿うように、その外周の一部、例えば、外周の1/4〜1/2程度の範囲に設けられている。支持部材50に載置されたウエハWは、ウエハボート9の挿入口(開口部)に位置する部分で、特に反りが発生しやすい。このため、壁52は、平板51の外周縁のウエハボード9の開口部に対応する部分に設けることが好ましい。
【0023】
また、ウエハWの一部は、図4に示すように、壁52の内周面52aに当接するように配置される。壁52のウエハWが当接する部分(内周面52a)がテーパー状に形成されているので、後述するように、ウエハWの反りを良好に抑制することが可能となる。
【0024】
壁53は、図3に示すように、平板51の外周縁の一部に沿って、壁52に対向する位置に設けられている。壁53は、壁52と同様に平板51の一方の主面に保持されたウエハWより高くなるように形成され、同様に、他方の主面に保持されたウエハWより高くなるように形成されている。なお、壁53は省略することも可能であり、壁53の内周面がテーパー状に形成されていなくともよい。
【0025】
図5に支持部材50がウエハボート9に設置された場合における、支持部材50と支柱93及び補助柱94との位置関係を示す。なお、図5では、図示の都合上、支柱93を円形に、補助柱94を半円で示す。また、図5に破線で囲った部分が開口部に相当しており、支持部材50は、この開口部を介して下方向から上方向に挿入される。また、図6に、ウエハボート9に、ウエハW、及び、支持部材50が保持された状態を示す。
【0026】
開口部より奥に位置する部分では、図6に示すように、支柱93(爪部93a)によって支持部材50(平板51)とウエハWとが保持される。このため、ウエハWに反りが発生しにくくなる。一方、ウエハWを挿入する開口部にあたる部分、すなわち、支持部材50の下側の左右の支柱93の間の部分では、爪部93aが設けられていないので、支持部材50とウエハWとが爪部93aに保持されない。このため、開口部に位置する部分、特に、開口部の中心部分(図5ではウエハWの下部分)では、ウエハWに反りが発生しやすくなる。
【0027】
本実施の形態では、この開口部に合わせた位置に壁52を設け、さらに図4に示すように、壁52の内周面52aがテーパー状(ウエハWを保持可能な形状)に形成されている。このため、開口部の中心部分であっても、ウエハWに反りを抑制することができる。したがって、ウエハWに成膜の回り込みが発生することを抑制することができる。
【0028】
反応管2の周囲には、反応管2を取り囲むように断熱体11が設けられている。断熱体11の内壁面には、例えば、抵抗発熱体からなる昇温用ヒータ12が設けられている。この昇温用ヒータ12により反応管2の内部が所定の温度に加熱され、この結果、ウエハWが所定の温度に加熱される。
【0029】
マニホールド5の側面には、複数の処理ガス導入管13が挿通(接続)されている。なお、図1では処理ガス導入管13を1つだけ描いている。処理ガス導入管13は、内管3内を臨むように配設されている。例えば、図1に示すように、処理ガス導入管13は、支持リング6より下方(内管3の下方)のマニホールド5の側面に挿通されている。
【0030】
処理ガス導入管13は、図示しないマスフローコントローラ等を介して、図示しない処理ガス供給源に接続されている。このため、処理ガス供給源から処理ガス供給管13を介して所望量の処理ガスが反応管2内に供給される。
【0031】
マニホールド5の側面には反応管2内のガスを排気するための排気口14が設けられている。排気口14は支持リング6より上方に設けられており、反応管2内の内管3と外管4との間に形成された空間に連通する。そして、内管3で発生した排ガス等が内管3と外管4との間の空間を通って排気口14に排気される。
【0032】
マニホールド5の側面の排気口14の下方には、パージガス供給管15が挿通されている。パージガス供給管15には、図示しないパージガス供給源が接続されており、パージガス供給源からパージガス供給管15を介して所望量のパージガス、例えば、窒素ガスが反応管2内に供給される。
【0033】
排気口14には排気管16が気密に接続されている。排気管16には、その上流側から、バルブ17と、真空ポンプ18とが介設されている。バルブ17は、排気管16の開度を調整して、反応管2内の圧力を所定の圧力に制御する。真空ポンプ18は、排気管16を介して反応管2内のガスを排気するとともに、反応管2内の圧力を調整する。
【0034】
なお、排気管16には、図示しないトラップ、スクラバー等が介設されており、反応管2から排気された排ガスを、無害化した後、熱処理装置1外に排気するように構成されている。
【0035】
また、熱処理装置1は、装置各部の制御を行う制御部100を備えている。図7に制御部100の構成を示す。図7に示すように、制御部100には、操作パネル121、温度センサ(群)122、圧力計(群)123、ヒータコントローラ124、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)制御部125、バルブ制御部126等が接続されている。
【0036】
操作パネル121は、表示画面と操作ボタンとを備え、オペレータの操作指示を制御部100に伝え、また、制御部100からの様々な情報を表示画面に表示する。
【0037】
温度センサ(群)122は、反応管2内、処理ガス導入管13内、排気管16内等の各部の温度を測定し、その測定値を制御部100に通知する。
圧力計(群)123は、反応管2内、処理ガス導入管13内、排気管16内等の各部の圧力を測定し、その測定値を制御部100に通知する。
【0038】
ヒータコントローラ124は、昇温用ヒータ12を個別に制御するためのものであり、制御部100からの指示に応答して、これらに通電してこれらを加熱し、また、これらの消費電力を個別に測定して、制御部100に通知する。
【0039】
MFC制御部125は、処理ガス導入管13、及び、パージガス供給管15に設けられた図示しないMFCを制御して、これらに流れるガスの流量を制御部100から指示された量にするとともに、実際に流れたガスの流量を測定して、制御部100に通知する。
【0040】
バルブ制御部126は、各管に配置されたバルブの開度を制御部100から指示された値に制御する。
【0041】
制御部100は、レシピ記憶部111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、I/O(Input/Output Port)ポート114と、CPU(Central Processing Unit)115と、これらを相互に接続するバス116とから構成されている。
【0042】
レシピ記憶部111には、セットアップ用レシピと複数のプロセス用レシピとが記憶されている。熱処理装置1の製造当初は、セットアップ用レシピのみが格納される。セットアップ用レシピは、各熱処理装置に応じた熱モデル等を生成する際に実行されるものである。プロセス用レシピは、ユーザが実際に行う熱処理(プロセス)毎に用意されるレシピであり、例えば、反応管2へのウエハWのロードから、処理済みのウエハWをアンロードするまでの、各部の温度の変化、反応管2内の圧力変化、処理ガスの供給の開始及び停止のタイミングと供給量などを規定する。
【0043】
ROM112は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどから構成され、CPU115の動作プログラム等を記憶する記録媒体である。
RAM113は、CPU115のワークエリアなどとして機能する。
【0044】
I/Oポート114は、操作パネル121、温度センサ122、圧力計123、ヒータコントローラ124、MFC制御部125、バルブ制御部126等に接続され、データや信号の入出力を制御する。
【0045】
CPU115は、制御部100の中枢を構成し、ROM112に記憶された制御プログラムを実行し、操作パネル121からの指示に従って、レシピ記憶部111に記憶されているレシピ(プロセス用レシピ)に沿って、熱処理装置1の動作を制御する。すなわち、CPU115は、温度センサ(群)122、圧力計(群)123、MFC制御部125等に反応管2内、処理ガス導入管13内、パージガス供給管15内、及び、排気管16内の各部の温度、圧力、流量等を測定させ、この測定データに基づいて、ヒータコントローラ124、MFC制御部125、バルブ制御部126等に制御信号等を出力し、上記各部がプロセス用レシピに従うように制御する。
バス116は、各部の間で情報を伝達する。
【0046】
次に、以上のように構成された支持部材50を有する熱処理装置1の効果を確認するため、支持部材50を有する熱処理装置1を用いてウエハW上にシリコン窒化膜(SiN膜)を成膜した。具体的には、300mmのウエハW(Si基板)を支持部材50の上面及び下面に配置してウエハボート9に収容した後、780℃でCVD(Chemical Vapor Deposition )法によりSiN膜を成膜した。ウエハWにSiN膜を成膜した後、支持部材50の下面に配置されたウエハWについて、開口部側からウエハボート9の奥に向かって直線的に(図5に示す例では下から上)、ウエハWの表面とウエハWの裏面との膜厚を測定した。そして、同じ位置におけるウエハWの表面に成膜された厚さに対するウエハWの裏面に成膜された厚さの割合((裏面/表面)[%])を算出した。
【0047】
なお、比較のため、壁52を設けない支持部材を用いた場合についても、同様にウエハW上にSiN膜を成膜し、同じ位置におけるウエハWの表面に成膜された厚さに対するウエハWの裏面に成膜された厚さの割合を算出した。結果を図8A図8Bに示す。図8Aでは、横軸にウエハW(Si基板)の位置、縦軸に厚さの割合((裏面/表面)[%])を示す。なお、図8Aの横軸では、基板の中心を0mmとし、開口部側の端を−150mm、ボートの奥側の端を150mmとして表記した。また、図8Bに、特に裏面への成膜が問題となる開口側の−150mm〜−100mmの範囲を拡大して示す。
【0048】
図8Aに示すように、壁52を設けない支持部材では、ウエハWの裏面への成膜の回り込み量は、ウエハWの端から10mmの位置(図8Aで示す−140mm)では50%であり、25mm(図8Aに示す−125mm)の位置で20%程度であった。これに対して、壁52を設けた支持部材50では、ウエハWの端から10mmの位置(図8Aで示す−140mm)で、20%と大幅な改善がみられた。
【0049】
次に、壁52の内周面52aがテーパー状(ウエハWを保持可能な形状)に形成されていない支持部材と、本実施の形態のように内周面52aがテーパー状に形成された壁52を有する支持部材50とを用いた場合について、同様に、ウエハW上にSiN膜を成膜し、同じ位置におけるウエハWの表面に成膜された厚さに対するウエハWの裏面に成膜された厚さの割合を算出した。結果を図9A図9Bに示す。ここで、内周面52aがテーパー状に形成されていないとは、支持部材50の平板51の主面に対して壁52の内周面52aがほぼ垂直をなすように設けられていることを意味する。
【0050】
図9Aに示すように、内周面52aがテーパー状に形成されていない壁(△壁あり(テーパーなし))では、ウエハWの端から250mmの位置(図9Aで示す100mm)まで裏面に成膜されており、ウエハWの中心領域で30%というかなり顕著な成膜の回り込みが確認できた。これは、壁52にウエハWの端が接触すると、ウエハWの端が壁へ乗り上げてしまったためと推測される。一方、本実施の形態のように、内周面52aがテーパー状に形成されている壁52では(◆壁あり(テーパーあり))、ウエハWの端が壁52に接触した状態で熱処理を行っても、壁52への乗り上げ傾向は見られない。これは、内周面52aのテーパー形状が基板熱膨張時の乗り上げを押さえ込む効果があり、基板の膨張が壁52と逆の方向に逃げることができるためである。図9Bに示すように、−135mmの位置では、成膜率がほぼゼロに達していることからも、内周面52aがテーパー状に形成されている壁52を用いることにより、裏面への成膜回り込みを抑制する顕著な効果を有していることが確認できた。
【0051】
なお、図8A、8B、9A及び9Bでは、支持部材50の下面に配置されたウエハWについて、同じ位置におけるウエハWの表面に成膜された厚さに対するウエハWの裏面に成膜された厚さの割合を算出したが、支持部材50の上面に配置されたウエハWについても、同様の測定をしたところ、支持部材50の下面に配置されたウエハWと同様の結果となることを確認した。
【0052】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、支持部材50の壁52の内周面52aをウエハWを保持可能な形状(テーパー状)に形成することにより、ウエハWの反りを抑制することができ、ウエハWに成膜の回り込みが発生することを抑制することができる。
【0053】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0054】
上記実施の形態では、内周面52aがテーパー状(逆テーパー状)の場合を例に本発明を説明したが、内周面52aはウエハWを保持可能な形状であればよく、テーパー状に限定されるものではない。例えば、内周面52aは、曲線状や鉤状であってもよい。
【0055】
上記実施の形態では、支持部材50の両主面ともに、内周面52aがテーパー状に形成された壁52を有する場合を例に本発明を説明したが、例えば、一方の主面のみに内周面52aがテーパー状に形成された壁52を有していてもよい。また、一方の主面、他方の主面ともに壁52を形成し、いずれか一方の内周面52aのみをテーパー状に形成してもよい。
【0056】
上記実施の形態では、ウエハWを載置する載置部として平板51を用いた場合を例に本発明を説明したが、載置部はウエハWを支持できればよく、例えば、リング状に形成されていてもよい。
【0057】
上記実施の形態では、平板51と壁52とが一体に形成されている場合を例に本発明を説明したが、例えば、平板51と壁52とを別々のパーツとし、組み合わせてもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、支柱93の間に連続した壁52を設けた場合を例に本発明を説明したが、例えば、連続した1つの壁52ではなく、複数に分割して設けられてもよい。
【0059】
上記実施の形態では、熱処理装置として、二重管構造のバッチ式縦型熱処理装置を用いた場合を例に本発明を説明したが、例えば、本発明を単管構造のバッチ式熱処理装置に適用することも可能である。
【0060】
本発明の実施の形態にかかる制御部100は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)など)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する制御部100を構成することができる。
【0061】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS:Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、支持部材及び半導体製造装置に有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 熱処理装置
2 反応管
3 内管
4 外管
5 マニホールド
6 支持リング
7 蓋体
8 ボートエレベータ
9 ウエハボート
11 断熱体
12 昇温用ヒータ
13 処理ガス導入管
14 排気口
15 パージガス供給管
16 排気管
17 バルブ
18 真空ポンプ
50 支持部材
51 平板
51a 切り欠け
52,53 壁
52a 内周面
91 天板
92 底板
93 支柱
93a 爪部
94 補助柱
100 制御部
111 レシピ記憶部
112 ROM
113 RAM
114 I/Oポート
115 CPU
116 バス
121 操作パネル
122 温度センサ
123 圧力計
124 ヒータコントローラ
125 MFC制御部
126 バルブ制御部
W ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B