【実施例】
【0096】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、本実施例及び比較例で使用した化合物の略号、及び各特性の測定方法は、以下のとおりである。
1,3DMCBDE−Cl:ジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)−1,3−ジメチルシクロブタン−2,4−ジカルボキシレート
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:ガンマブチロラクトン
BCS:ブチルセロソルブ
DAH−1:下記式(DAH−1)
【0097】
【化31】
【0098】
【化32】
【0099】
[粘度]
合成例において、ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
【0100】
[分子量]
また、ポリアミック酸エステルの分子量はGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(以下、Mnとも言う。)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定した。
【0101】
[FFS駆動液晶セルの作製]
ガラス基板上に、第1層目に電極として形状の膜厚50nmのITO電極を、第2層目に絶縁膜として形状の膜厚500nmの窒化珪素を、第3層目に電極として櫛歯形状のITO電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm、電極高さ:50nm)を有するフリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:以下、FFSという)駆動用電極が形成されているガラス基板に、スピンコート塗布にて液晶配向剤を塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、250℃の熱風循環式オーブンで60分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光紫外線の照射、又はラビング処理を施し、液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板にも、同様に塗膜を形成させ、配向処理を施した。
【0102】
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
[電荷緩和特性]
上記液晶セルを光源上に置き、V−T特性(電圧−透過率特性)を測定した後、±1.5V/60Hzの矩形波を印加した状態での液晶セルの透過率(Ta)を測定した。その後、±1.5V/60Hzの矩形波10分間印加した後、直流2Vを重畳し120分間駆動させた。 直流電圧を切り、再び±1.5V/60Hzの矩形波のみで0分、5分、10分、20分、60分駆動させた時の液晶セルの透過率(Tb)をそれぞれ測定し、各時間での透過率(Tb)と初期の透過率(Ta)の差(ΔT)から液晶表示素子内に残留した電圧により生じた透過率の差を算出した。
【0103】
(合成例1)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.89g(30.0mmol)取り、NMPを64.08g加えて、窒素を送りながら撹拌した。次に、反応容器内の液を撹拌しながらp−フェニレンジアミン(以下、p−PDAとも言う。)を3.04g(28.1mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は171mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=12373、Mw=28957であった。
【0104】
(合成例2)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.65g(24.0mmol)及びDA−4を1.46g(6.0mmol)取り、NMPを55.74g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.83g(29.7mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−2)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は264mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=11630、Mw=30056であった。
【0105】
(合成例3)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を20.08g(132mmol)及びDA−4を21.33g(88.0mmol)取り、NMPを268.48g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を42.49g(217mmol)添加し、更に固形分濃度が20質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は2156mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=18794、Mw=63387であった。
【0106】
(合成例4)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.65g(24.0mmol)取り、NMPを8.99g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。次に、DA−4を1.46g(6.01mmol)取り、GBLを15.75g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物を4.16g(21.0mmol)添加し、水冷下で2時間撹拌した。次に、GBLを11.18g加え、ピロメリット酸二無水物を1.96g(9.0mmol)加えた。更に固形分濃度が20質量%になるようにGBLを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は1904mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=8509、Mw=16774であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.03g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−4)を得た。
【0107】
(合成例5)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、m−フェニレンジアミンを2.60g(24.0mmol)及びDA−4を1.45g(6.0mmol)取り、NMPを53.69g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらピロメリット酸二無水物を6.41g(39.4mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−5)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は208mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=10671、Mw=22829であった。
【0108】
(合成例6)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを4.81g(24.0mmol)及びDA−5を1.56g(6.0mmol)取り、NMPを61.85g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.77g(29.4mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−6)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は799mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=12569、Mw=27653であった。
【0109】
(合成例7)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.65g(24.0mmol)及び2,6−ジアミノピリジンを0.66g(6.0mmol)取り、NMPを51.67g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.83g(29.7mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−7)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は60mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=5090、Mw=7824であった。
【0110】
(合成例8)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、m−フェニレンジアミンを0.65g(6.0mmol)及びDA−6を1.57g(4.0mol)取り、NMPを35.29g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらピロメリット酸二無水物を2.14g(9.8mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−8)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は219mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=15827、Mw=36626であった。
【0111】
(合成例9)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を0.31g(2.0mmol)及び1,4−ビス(4−アミノフェニル)ピペラジンを0.81g(3.0mmol)取り、NMPを33.70g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を0.97g(5.0mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−9)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は375mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=14398、Mw=35294であった。
【0112】
(合成例10)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、m−フェニレンジアミンを1.51g(14.0mmol)及びDA−4を0.84g(3.5mol)入れ、NMPを115.36g、塩基としてピリジンを3.16g(40.0mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながらジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−ジカルボキシレートを4.95g(16.7mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステル溶液を607gの水に撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、607gの水で1回、607gのエタノールで1回、125gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=5967、Mw=12346であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.75gを100ml三角フラスコに取り、NMPを24.79g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)を得た。
【0113】
(合成例11)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、3,5−ジアミノ安息香酸を2.01g(13.2mmol)及びDA−4を0.80g(3.3mol)入れ、NMPを120.31g、塩基としてピリジンを2.99g(37.9mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながらジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−ジカルボキシレートを4.69g(15.8mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステル溶液を633gの水に撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、633gの水で1回、633gのエタノールで1回、130gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=6757、Mw=11827であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.72gを100ml三角フラスコに取り、NMPを24.46g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)を得た。
【0114】
(合成例12)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを2.01g(18.6mmol)、DA−4を1.12g(4.6mmol)を入れ、NMPを164.36g、塩基としてピリジンを4.21g(53.3mmol)加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら1,3DM−CBDE−Clを7.22g(22.2mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、865gの水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて865gの水で1回、865gのエタノールで1回、180gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=14692、Mw=31251であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末2.14gを50ml三角フラスコにとり、NMPを20.35g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−3)を得た。
【0115】
(合成例13)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを5.40g(27.0mmol)及びDA−4を0.73g(3.0mmol)取り、NMPを65.23g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を6.66g(29.7mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は233mPa・sであった。
【0116】
次に100mlナス型フラスコに上記ポリアミック酸溶液を25.52g取り、NMPを37.53g加えて、固形分濃度6質量%とした。このポリアミック酸溶液に無水酢酸を16.93g、及びピリジンを7.91g加えて、50℃で3時間撹拌した。得られた反応溶液を、306gのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて306gのエタノールで2回、100gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂のイミド化率は98%であった。また、このポリイミド樹脂の分子量はMn=10539、Mw=21428であった。
得られたポリイミド樹脂粉末2.32gを50ml三角フラスコにとり、NMPを20.92g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリイミド溶液(SPI−1)を得た。
【0117】
(合成例14)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を2.09g(13.7mmol)、DA−4を1.51g(6.2mmol)、DA−7を1.90g(5.0mmol)、及びNMPを41.22g加え、40℃で撹拌し溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながら、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を4.79g(24.4mmol)を加え、40℃で24時間反応させ、ポリアミック酸溶液(PAA−10)を得た。このポリアミック酸の分子量はMn=15400、Mw=52600であった。
【0118】
(合成例15)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を1.07g(7.0mmol)、DA−4を1.70g(7.0mmol)、DA−8を2.61g(6.0mmol)、及びNMPを27.37g加え、80℃で撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物を3.75g(15.0mmol)加えて、80℃で5時間反応させた。5時間後、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を0.95g(4.8mmol)、及びNMPを12.93g加え、40℃で6時間反応させ、ポリアミック酸溶液を得た。
【0119】
このポリアミック酸溶液20.0gにNMPを加えて、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸を4.04g、ピリジンを1.25g加え、100℃で3時間反応させた。この反応溶液を330gのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、150gのメタノールで2回洗浄し、乾燥することでポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であった。このポリイミドの分子量は、Mn=19100、Mw=61600であった。
得られたポリイミド樹脂粉末5.02gを100ml三角フラスコに取り、NMPを33.60g加えて、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリイミド溶液(SPI−2)を得た。
【0120】
(合成例16)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニル−N−メチルアミンを0.43(2.0mmol)及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパンを2.07g(8.0mol)取り、NMPを37.68g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらピロメリット酸二無水物を2.05g(9.4mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−11)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は214mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=17227、Mw=44964であった。
【0121】
(合成例17)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを2.81g(26.0mmol)、DA−1を1.10g(2.89mmol)入れ、NMPを51.99g、GBLを155.97g、塩基としてピリジンを5.16g(65.18mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながらジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−ジカルボキシレートを8.83g(27.2mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。4時間後、アクリロイルクロリドを0.75g(8.3mmol)加えて、水冷下で30分間反応させた。得られたポリアミド酸エステル溶液を905gの2−プロパノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、448gの2−プロパノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=15623、Mw=30510であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末10.10gを100ml三角フラスコに取り、GBLを91.06g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を得た。
【0122】
(合成例18)
撹拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−PDAを2.03g(18.8mmol)、DA−3を1.23g(4.6mmol)入れ、NMPを167.80g、塩基としてピリジンを4.21g(53.3mmol)加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−ジカルボキシレートを7.22g(22.2mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、885gの水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、885gの水で1回、885gのエタノールで1回、220gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。このポリアミック酸エステルの分子量はMn=14116、Mw=27044であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末7.26gを100ml三角フラスコに取り、GBLを65.35g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を得た。
【0123】
(合成例19)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの1L四つ口フラスコに、p−フェニレンジアミンを19.47g(180mmol)及びDA−2を4.47g(18.8mmol)取り、NMPを502.03g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を38.04g(194mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−12)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は462mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=16976、Mw=43749であった。
【0124】
(合成例20)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を3.65g(24.0mmol)取り、NMPを18.82g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。次に、DA−4を3.88g(16.0mmol)取り、GBLを18.81g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物を5.47g(27.6mmol)添加し、水冷下で2時間撹拌した。次に、GBLを4.71g加え、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物をを2.74g(12.2mmol)加えた。更に固形分濃度が25質量%になるようにGBLを加え、室温で24時間撹拌した。得られたポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は2142mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=6509、Mw=11481であった。
更にこの溶液に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを0.05g加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−13)を得た。
【0125】
(合成例21)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを4.00g(37.0mmol)及びDA−4を1.56g(4.11mol)入れ、NMPを76.32g、GBLを228.03g、塩基として2,4,6−トリメチルピリジンを11.2g(92.7mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながらジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−ジカルボキシレートを12.56g(38.6mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。4時間攪拌後、イソニコチン酸クロライドを0.878g(4.93mmol)加え、得られたポリアミック酸エステル溶液を1335gのエタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、661gのエタノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=14983、Mw=34387であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末3.45gを100ml三角フラスコに取り、GBLを30.94g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を得た。
【0126】
(合成例22)
攪拌装置付きの300mL四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを3.09g(28.6mmol)及びDA−4を1.21g(3.18mol)入れ、NMPを58.81g、GBLを176.42g、塩基としてピリジンを5.67g(71.7mmol)加え、攪拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を攪拌しながらジメチル 1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−ジカルボキシレートを9.72g(29.9mmol)添加し、水冷下4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステル溶液を1018gのエタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、504gのエタノールで5回洗浄し、乾燥することでポリアミック酸エステル樹脂粉末を得た。
このポリアミック酸エステルの分子量はMn=16701、Mw=33541であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末0.40gを100ml三角フラスコに取り、GBLを3.60g加え、室温で24時間撹拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−7)を得た。
【0127】
(実施例1)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を6.12g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0639g加えて、室温で4時間撹拌した。次に、NMPを1.76g、及びBCSを1.96g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−1)を得た。
【0128】
(実施例2)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)を6.23g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0770g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−2S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−2S)を2.25g取り、NMPを2.57g、及びBCSを1.23g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−2)を得た。
【0129】
(実施例3)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA−3)を4.53g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.1470g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−3S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−3S)を1.64g取り、NMPを3.24g、及びBCSを1.23g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−3)を得た。
【0130】
(実施例4)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)を4.82g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0754g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−4S1)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−4S1)を2.61g取り、NMPを2.21g、及びBCSを1.19g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−4)を得た。
【0131】
(実施例5)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)を4.82g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0359g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−4S2)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−4S2)を2.61g取り、NMPを2.22g、及びBCSを1.21g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−5)を得た。
【0132】
(実施例6)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例5で得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)を7.27g取り、p−トルエンスルホン酸メチルを0.0856g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−5S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−5S)を2.61g取り、NMPを2.20g、及びBCSを1.23g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−6)を得た。
【0133】
(実施例7)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例6で得られたポリアミック酸溶液(PAA−6)を6.88g取り、メタンスルホン酸メチルを0.0553g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−6S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−6S)を2.46g取り、NMPを2.34g、及びBCSを1.24g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−7)を得た。
【0134】
(実施例8)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例7で得られたポリアミック酸溶液(PAA−7)を6.50g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0836g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−7S1)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−7S1)を2.33g取り、NMPを2.55g、及びBCSを1.20g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−8)を得た。
【0135】
(実施例9)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例7で得られたポリアミック酸溶液(PAA−7)を6.48g取り、メタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチルを0.0462g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−7S2)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−7S2)を2.34g取り、NMPを2.48g、及びBCSを1.24g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−9)を得た。
【0136】
(実施例10)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例8で得られたポリアミック酸溶液(PAA−8)を10.52g取り、メタンスルホン酸2−メトキシエチルを0.2204g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−8S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−8S)を3.77g取り、NMPを1.07g、及びBCSを1.22g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−10)を得た。
【0137】
(実施例11)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例9で得られたポリアミック酸溶液(PAA−9)を9.87g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.1875g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−9S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−9S)を3.57g取り、NMPを1.25g、及びBCSを1.22g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−11)を得た。
【0138】
(実施例12)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例10で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)を10.01g取り、プロパンスルトンを0.0671g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1S)を3.63g取り、NMPを1.20g、及びBCSを1.21g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−12)を得た。
【0139】
(実施例13)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例11で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−2)を10.31g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0813g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−2S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−2S)を3.62g取り、NMPを1.23g、及びBCSを1.21g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−13)を得た。
【0140】
(実施例14)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例13で得られたポリイミド溶液(SPI−1)を10.32g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0352g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリイミド溶液(SPI−1S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリイミド溶液(SPI−1S)を3.61g取り、NMPを1.22g、及びBCSを1.20g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−14)を得た。
【0141】
(実施例15)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例14で得られたポリアミック酸溶液(PAA−10)を5.28g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0813g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−10S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−10S)を1.85g取り、NMPを3.00g、及びBCSを1.21g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−15)を得た。
【0142】
(実施例16)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例15で得られたポリイミド溶液(SPI−2)を3.74g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0539g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリイミド溶液(SPI−2S)を得た。次に、NMPを0.32g、及びBCSを4.05g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−16)を得た。
【0143】
(実施例17)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例12で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−3)を9.91g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0909g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−3S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−3S)を3.60g取り、NMPを1.23g、及びBCSを1.22g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−17)を得た。
【0144】
(実施例18)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例16で得られたポリアミック酸溶液(PAA−11)を10.10g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.0619g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−11S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−11S)を3.69g取り、NMPを1.12g、及びBCSを1.22g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−18)を得た。
【0145】
(実施例19)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例19で得られたポリアミック酸溶液(PAA−12)を2.24g、実施例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2S)を2.48g、NMPを3.33g、及びBCSを2.00g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−19)を得た。
【0146】
(実施例20)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例18で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を2.41g、実施例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−3S1)を1.93g、NMPを0.43g、GBLを3.27g、BCSを2.00g、更にイミド化促進剤としてN−α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジン(以下、Fmoc−Hisと略す)を0.0844g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−20)を得た。
【0147】
(実施例21)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例20で得られたポリアミック酸溶液(PAA−13)を30.70g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.9011g加えて、室温で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−13S)を得た。次に、撹拌子を入れた別の50ml三角フラスコに、ポリアミック酸溶液(PAA−13S)を2.02g取り、NMPを4.68g、及びBCSを1.66g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−21)を得た。
【0148】
(実施例22)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例17で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を3.36g、実施例21で得られたポリアミック酸溶液(PAA−13S)を2.24g、NMPを1.37g、GBLを4.22g、BCSを2.81g、更にイミド化促進剤としてFmoc−Hisを0.1146g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−22)を得た。
【0149】
(実施例30)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例21で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を4.00g取り、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを0.019g加えて、室温で4時間撹拌した。次に、GBLを2.41g、及びBCSを1.61g、Fmoc−Hisを0.1478g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−23)を得た。
【0150】
(実施例31)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例21で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−6)を4.00g取り、トリフルオロメタンスルホン酸エチルを0.0205g加えて、室温で4時間撹拌した。次に、GBLを2.41g、及びBCSを1.61g、Fmoc−Hisを0.1425g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(A−24)を得た。
【0151】
(比較例1)
拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を4.66g、NMPを1.58g、BCSを1.57g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−1)を得た。
【0152】
(比較例2)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)を2.46g、NMPを2.34g、BCSを1.21g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−2)を得た。
【0153】
(比較例3)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例16で得られたポリアミック酸溶液(PAA−11)を3.67g、NMPを1.15g、BCSを1.21g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−3)を得た。
【0154】
(比較例4)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例13で得られた可溶性ポリイミド溶液(SPI−1)を3.61g、NMPを1.22g、BCSを1.22g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−4)を得た。
【0155】
(比較例5)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例19で得られたポリアミック酸溶液(PAA−12)を3.15g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)を3.46g、NMPを4.62g、BCSを2.81g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−5)を得た。
【0156】
(比較例6)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例18で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を3.37g、合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)を2.69g、NMPを0.61g、GBLを4.56g、BCSを2.83g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−6)を得た。
【0157】
(比較例7)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例17で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−4)を3.37g、合成例20で得られたポリアミック酸溶液(PAA−13)を2.25g、NMPを1.39g、GBLを4.25g、BCSを2.80g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−7)を得た。
【0158】
(比較例15)
50ml三角フラスコに撹拌子を入れ、合成例22で得られたポリアミック酸エステル溶液(PAE−7)を4.00g取り、GBLを2.41g、及びBCSを1.60g、Fmoc−Hisを0.1416g加えて、マグネチックスターラーで30分攪拌し、液晶配向剤(B−8)を得た。
【0159】
(実施例23)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)を1.0μmのフィルターで濾過した後、ガラス基板上に、第1層目として膜厚50nmのITO電極を、第2層目として絶縁膜として膜厚500nmの窒化ケイ素を、第3層目として櫛歯形状のITO電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm、電極高さ:50nm)を有するFFS駆動用電極が形成されているガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して254nmの紫外線を1000mJ/cm
2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板にも、同様に塗膜を形成させ、配向処理を施した。
【0160】
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ34%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0161】
(実施例24)
実施例7で得られた液晶配向剤(A−7)を用い、光照射の代わりに、ローラー回転数700rpm、ステージ移動速度10mm/s、ラビング布押し込み圧0.3mmの条件でラビング処理を施した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ3%、2%、2%、1%及び0%であった。
【0162】
(実施例25)
実施例14で得られた液晶配向剤(A−14)を用い、光照射の代わりに、ローラー回転数700rpm、ステージ移動速度10mm/s、ラビング布押し込み圧0.3mmの条件でラビング処理を施した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ32%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0163】
(実施例26)
実施例18で得られた液晶配向剤(A−18)を用い、100mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ27%、1%、1%、1%及び0%であった。
【0164】
(実施例27)
実施例19で得られた液晶配向剤(A−19)を用い、750mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ31%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0165】
(実施例28)
実施例20で得られた液晶配向剤(A−20)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ29%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0166】
(実施例29)
実施例22で得られた液晶配向剤(A−22)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ36%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0167】
(実施例32)
実施例30で得られた液晶配向剤(A−23)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ30%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0168】
(実施例33)
実施例31で得られた液晶配向剤(A−24)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ29%、0%、0%、0%及び0%であった。
【0169】
(比較例8)
比較例1で得られた液晶配向剤(B−1)を用い、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ36%、9%、4%、2%及び1%であった。
【0170】
(比較例9)
比較例2で得られた液晶配向剤(B−2)を用い、光照射の代わりに、ローラー回転数700rpm、ステージ移動速度10mm/s、ラビング布押し込み圧0.3mmの条件でラビング処理を施した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ4%、3%、2%、2%及び1%であった。
【0171】
(比較例10)
比較例3で得られた液晶配向剤(B−3)を用い、光照射の代わりに、ローラー回転数700rpm、ステージ移動速度10mm/s、ラビング布押し込み圧0.3mmの条件でラビング処理を施した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ30%、1%、1%、1%及び0%であった。
【0172】
(比較例11)
比較例4で得られた液晶配向剤(B−4)を用い、100mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ22%、6%、2%、1%及び0%であった。
【0173】
(比較例12)
比較例5で得られた液晶配向剤(B−5)を用い、750mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ28%、5%、5%、5%及び4%であった。
【0174】
(比較例13)
比較例6で得られた液晶配向剤(B−6)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ31%、8%、7%、7%及び4%であった。
【0175】
(比較例14)
比較例7で得られた液晶配向剤(B−7)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ38%、3%、3%、3%及び1%であった。
【0176】
(比較例16)
比較例15で得られた液晶配向剤(B−8)を用い、500mJ/cm
2の偏光された紫外線を照射した以外は、実施例23と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、電荷緩和特性を評価した結果、交流駆動0分、5分、10分、20分及び60分後のΔTは、それぞれ29%、5%、2%、1%及び0%であった。
【0177】
【表1】