(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビットラインに印加された前記初期電圧及び前記より高い電圧は、前記メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因して、期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する、請求項1または請求項2に記載の方法。
前記初期電圧を印加する段階は、前記ローカルワードラインドライバを無効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧を、前記ビットラインに印加する段階をさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の方法。
前記より高い電圧を印加する段階は、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバを有効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧を前記ビットラインに印加する段階をさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の方法。
前記グローバルワードラインドライバを無効にする段階および前記ローカルワードラインドライバを無効にする段階は、前記メモリセルで見られるように前記ワードラインのキャパシタンスを動的に変更する段階を含む、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の方法。
前記初期電圧を前記ビットラインに印加する段階の後、及び前記より高い電圧を前記ビットラインに印加する段階の後の両方で、前記メモリセルを読み取る前記検知回路に接続すべく、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバの両方を有効にする段階をさらに含む、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の方法。
前記ビットラインに印加される前記初期電圧及び前記第2電圧は、前記メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因する期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する、請求項9または請求項10に記載のメモリデバイス。
前記ロジックは、前記検知回路が前記メモリセルを読み取る前に、前記グローバルワードラインドライバが無効にされ、前記ローカルワードラインドライバが有効にされている間に、前記ビットラインドライバに、前記初期電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルを前記ビットラインに印加させる、請求項9から請求項11のいずれか1つに記載のメモリデバイス。
前記ロジックは、前記検知回路が前記メモリセルを読み取る前に、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバが無効にされている間に、前記ビットラインドライバに、前記第2電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルを前記ビットラインに印加させる、請求項9から請求項12のいずれか1つに記載のメモリデバイス。
前記ロジックは、前記メモリセルで見られるように前記ワードラインのキャパシタンスを動的に変化させるべく、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバを無効にする、請求項9から請求項13のいずれか1つに記載のメモリデバイス。
前記グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされた前記ローカルワードラインドライバを維持する前に、前記ビットラインの電圧をランプする前記ロジックをさらに含む、請求項9から請求項14のいずれか1つに記載のメモリデバイス。
前記ビットラインドライバが前記初期電圧を印加した後、及び前記ビットラインドライバが前記第2電圧を印加した後の両方で、前記メモリセルを読み取る前記検知回路に前記メモリセルを接続すべく、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバを有効にする前記ロジックをさらに含む、請求項9から請求項15のいずれか1つに記載のメモリデバイス。
前記ビットラインに印加される前記初期電圧及び前記第2電圧は、前記メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因して、期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する、請求項17に記載の電子デバイス。
前記ロジックは、前記検知回路が前記メモリセルを読み取る前に、前記グローバルワードラインドライバが無効にされ、前記ローカルワードラインドライバが有効にされている間に、前記ビットラインドライバに、前記初期電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルを前記ビットラインに印加させる、請求項17または請求項18に記載の電子デバイス。
前記ロジックは、前記検知回路が前記メモリセルを読み取る前に、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバが無効にされている間に、前記ビットラインドライバに、前記第2電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルを前記ビットラインに印加させる、請求項17から請求項19のいずれか1つに記載の電子デバイス。
前記ロジックは、前記メモリセルで見られるように前記ワードラインのキャパシタンスを動的に変化させるべく、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバを無効にする、請求項17から請求項20のいずれか1つに記載の電子デバイス。
前記グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされた前記ローカルワードラインドライバを維持する前に、前記ビットラインの電圧をランプする前記ロジックをさらに含む、請求項17から請求項21のいずれか1つに記載の電子デバイス。
前記ビットラインドライバが前記初期電圧を印加した後、及び前記ビットラインドライバが前記第2電圧を印加した後の両方で、前記メモリセルを読み取る前記検知回路に前記メモリセルを接続すべく、前記グローバルワードラインドライバ及び前記ローカルワードラインドライバを有効にする前記ロジックをさらに含む、請求項17から請求項22のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書中で記載されるように、(複数段階読み取りとして呼ばれることもあり得る)多段読み取りは、複数の電流スパイクを低減させ、読み取り動作中のメモリセルの温度上昇を低減させることができる。メモリデバイスは、検知回路にワードラインを接続するグローバルワードラインドライバ、選択されたメモリセルに対する複数のローカルワードラインドライバと、を含む。複数のワードラインドライバは、選択されたメモリセルのビットラインに印加されるビットライン電圧に備えて、選択されたワードラインを読み取り電圧まで帯電させることができる。グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバは、選択されたメモリセルのワードラインを検知回路に選択的に接続して、1または複数のビットライン電圧のレベルを印加した後に、選択されたメモリセルから検知回路を帯電させる。制御ロジックは、多段読み取りを実行すべく、異なる別々の電圧レベルをビットラインに印加するのと同時に、グローバルワードラインドライバおよび/またはローカルワードラインドライバの複数の部分を選択的に有効および無効にできる。制御ロジックは、グローバルワードラインパスの複数の部分を制御し、かつ特定のビットライン電圧で有効になるローカルワードラインパスを制御することにより、読み取り段階に対するキャパシタンスを制御できる。
【0006】
異なる別々のビットライン電圧のレベルを印加するのと同時に、選択されたメモリセルからグローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを選択的に有効及び無効にすることにより、制御ロジックは、メモリセルが読み取られる閾電圧の関数としてワードラインキャパシタンスを動的に変化させることができる。1または複数のノードでグローバルワードラインパスを選択的に活用すること、及びローカルワードラインパスを選択的に活用することが、メモリセルで見られるような複数の異なるキャパシタンスを提供することができることは理解されるであろう。従って、そのパスに沿った何のノードがワードラインまたはメモリセルから接続または切断されるかを選択的に制御することにより、制御ロジックは、読み取りの間にメモリセルにより見られる実効キャパシタンスを動的に変化させることができる。制御ロジックは、ビットライン電圧の増加と同時に、複数の段階において実効キャパシタンスを減少させることができる。従って、多段読み取りが、複数のプロセス変動の全域で、より一貫性のある複数の読み取りを引き起こし、センスマージンとセル障害との間のトレードオフを改善する。
【0007】
上述の通り、メモリセル読み取りへの1つの従来のアプローチは、読み取りの間の最悪状況の温度を制御すべく、ワードラインキャパシタンスを最小限にすることである。しかしながら、低い電圧閾値を有する複数のメモリセルに対して、そのような技術が、低いセンスマージンをもたらし、読み取り性能に影響を与える。キャパシタンスを増加させることで複数のセンスマージンを改善させることができる一方で、そのようなキャパシタンスの増加が、増加された電流の結果として、セル障害を増加させる傾向にある。これらの関係が、センスマージンとセル障害との間のトレードオフで引き起こされる基本的な問題を生じさせる。従来の最悪状況のアプローチは、不変のセル障害とセンスマージンのトレードオフを選択する。多段読み取りが複数の段階を使用して、トレードオフを制御する複数のメカニズムを動的に変更する。
【0008】
多段読み取りは、以下に従って実装されることができる。制御ロジックは、メモリセルの読み取りをサポートする電圧レベルまでワードラインを帯電させる。発現制御ロジックは、復号ロジック、および/または、復号ロジックとは別個と考えられる場合に、読み取り検知に対して応答可能な複数のドライバを操作するロジックを一般的に指すために使用される。本明細書中に記載されるように、制御ロジックは、ワードラインパスに沿った異なるノードで複数のドライバを選択的に制御することができる。制御ロジックは、ワードラインの動作を制御するロジックと同様に、ビットラインの動作を制御するロジックを含むことができる。ビットラインロジックが、グローバルワードライン及びローカルワードライン制御と同様に、グローバルビットライン及びローカルビットライン制御を分離することをさらに考慮されることができることを理解されるであろう。グローバルビットライン及びグローバルワードラインは、それぞれ、ビットラインまたはワードラインのグループに適用する複数のドライバおよび/または他の回路を指す。ローカルビットライン及びローカルワードラインは、それぞれ、複数のビットラインまたは複数のワードラインに適用する複数のドライバおよび/または他の回路を指す。ワードラインおよび/またはビットラインは、多く(例えば、数十、数百、または数千)のメモリセルにわたって延びる導体を指す。本明細書中で使用されるように、ワードラインパスは、ワードラインに複数のドライバを接続するパス、および/またはワードライン自体を加えたワードラインに複数のドライバを接続するパスを指すことができる。ワードラインを帯電させる制御ロジックにより使用される特定の電圧レベルおよび/またはビットラインの電圧は、システム実装に使用されるメモリ技術と同様に、システム実装に依存するであろう。ワードラインを帯電させる電圧の値は、当業者により理解されるように、実装により変化するであろう。ワードライン電圧の値は、(例えば、検知回路のアーキテクチャに基づく)初期ビットライン電圧で優れた読み取りを提供するのに必要なレベルに基づくことができる。多段読み取りは、メモリセルで見られるように実効ワードラインキャパシタンスを変更するのと同時に、ビットライン電圧を増加させる。多段読み取りのそれぞれの段階が、ワードラインキャパシタンスに対応する特定のビットライン電圧のレベルを有すると考えることができる。ビットライン電圧のレベルは、ビットラインをその電圧レベルまで増加(ランプアップ)させることにより提供される。ワードラインキャパシタンスは、ワードラインパスに沿った異なるノードを選択することにより提供される。
【0009】
一実施形態において、一旦、選択されたワードラインが帯電されると、制御ロジックは、例えば、制御ロジックがグローバルワードラインドライバを非選択状態にすることにより、グローバルワードラインをフローティングさせる。一実施形態において、制御ロジックは、検知回路に接続するグローバルドライバ回路からワードラインをフローティングさせている間に選択されたローカルワードラインドライバを保持する。制御ロジックは、次に、初期値または初期電圧のレベルまでビットライン電圧をランプアップする。初期電圧のレベルは、メモリセルをトリガするまたは閾値に達せさせるのに期待される従来の電圧レベルより低い。一実施形態において、ビットラインに対する初期電圧のレベルは、メモリデバイスの複数のメモリセルの複数の閾電圧の期待される分布に基づく。例えば、処理における差異に基づく異なる閾電圧を有する複数のメモリセルをトリガするのに期待される電圧の範囲が存在し得る。初期電圧は、ある割合(例えば、50%、33%、25%)のデバイスに閾値を引き起こすことが期待される電圧レベルであり得る。
【0010】
多段読み取りに関連して記載される電圧レベルへの参照は、制御ロジックがビットラインを帯電させるレベルを指すことであることを理解されるであろう。電圧レベルは、少なくともいつくかの遅延期間にわたって保持され、ある電圧レベルまでランプアップする間に瞬時にまたは一瞬通過される単なる電圧値ではない。例えば、全てのメモリセルをトリガするのに推定される電圧は、最も高い期待されるVt(閾電圧)より高い電圧Vdmであると仮定する。一例として50%閾値を使用することで、さらに、全てのメモリセルの50%が電圧Vdm−Vpartでトリガされることが期待されると仮定する。ここで、Vpartは、電圧ステップサイズを表し、電圧レベルVdm−Vpartは、複数のメモリセルの50%をトリガするであろう。制御ロジックは、Vinitial=Vdm−Vpartの初期電圧までランプアップし、複数のメモリセルがトリガすることを可能にする(「スナッピング」とも称すことができる)十分な長さにわたって電圧レベルVinitialを保持できる。Vbl−Vwl=Vtである場合、またはビットライン電圧からワードライン電圧を引いた値が、メモリセルに対する閾電圧に等しい場合、メモリセルがトリガすることが理解されるであろう。その結果、制御ロジックは、(2段階の読み取りに対する)Vdm、または(2段階より多い読み取りに対する)VdmとVinitialとの間のある値のいずれかである読み取りの他の段階に対する次の電圧レベルを有する。
【0011】
一実施形態において、制御ロジックは、ビットラインをランプした後にローカルワードラインドライバを非選択状態にすることによりローカルワードラインをフローティングする。一実施形態において、制御ロジックは、さらに、ローカルワードラインドライバを非選択状態にした後に電圧をランプすることができる。制御ロジックは、ビットラインを境界電圧(例えば、Vdm)までランプアップすることができる。一実施形態において、2より多い段階の読み取りは、ワードラインパスの異なるノードを「フローティングさせる」ことにより実装される。従って、グローバルワードラインをフローティングすることは、グローバルワードラインがフローティングする1または複数の段階を指すことができ、グローバルワードラインパスの1または複数の部分が選択的に無効にされる。通常、ローカルワードラインをフローティングさせることは、ローカルワードラインをフローティングさせることを指し、ローカルワードラインパスは、選択的に無効にする。一実施形態において、一旦、制御ロジックが境界電圧までビットラインをランプすると、制御ロジックは、次に、読み取りに備えて、ビットライン電圧を減少(ランプダウン)させることができる。一実施形態において、制御ロジックは、選択されたメモリセルを検知回路に接続すべく、ローカルワードラインドライバ及びグローバルワードラインドライバを選択することにより読み取りを実行する。検知回路は、基準電圧をノードと比較する。ノードは、通常、HNREGと称される。HNREGは、基準電圧と比較され、メモリセルの状態を判断する。複数のワードラインドライバを選択することにより、HNREGノードは、次に、メモリセルから帯電する。グローバルワードラインをフローティングさせることは、ワードラインキャパシタンスを調節することができることであることを理解されるであろう。従って、ワードラインをフローティングさせること、及び複数の段階でビットラインをランプすることは、高いVtで複数のメモリセルに対する読み取り障害を管理する実効キャパシタンスを減少させることができ、Vtは、(電圧をランプする前にすでにトリガされているであろう)低いVtで複数のメモリセルに対するセンスマージンに影響を与えない。
【0012】
一実施形態において、初期電圧は、グローバルワードラインをフローティングすることなし印加される。従って、多段読み取りの第1段階は、擬似スタティック読み取りとして知られているフローティング無し読み取りであり得る。第1段階がフローティング無し読み取りである場合、例えば、次に第2段階でグローバルワードラインをフローティングし、第3段階でローカルワードラインをフローティングすることにより3段階読み取りであり得る。一実施形態において、検知回路(例えば、センス増幅器)を用いたHNREGノードの検知は、複数回、実行され得る。例えば、制御回路は、ビットライン電圧のランプアップの各段階で読み取り検知を実行できる。2段階の読み取りについて、制御回路は、HNREGを2回、検知できる。一実施形態において、制御回路は、境界ビットライン電圧に達した後、1回だけHNREGを検知する。いくつかの位相変更メモリデバイスを用いた複数のシミュレーションは、第2のビットライン電圧段階の境界で検知することに続く2段階読み取りがよいセンスマージン性能及び読み取りレイテンシ性能と同様に、よい温度性能を提供したことを示す。異なる技術が異なって実行されてよい。
【0013】
多段読み取りを実行することにより、システムの設計者は、センスマージンとメモリセル温度との間のトレードオフをより注意深く管理できることを理解できるであろう。多段読み取りは、通常達成し得るのと類似するセンスマージンを維持しながら、メモリセル温度を最小限にするのに使用することができる。多段読み取りは、代わりに、通常達成し得る温度を超えるメモリセル温度の増加がない読み取りの間に、検知信号を最小限にするのに使用されることができる。異なる電圧段階の複数の電圧レベルは、結果が所望の(例えば、改善されたメモリセル温度性能、改善されたセンスマージン、あるいは両方)に基づいて調節されることができる。
【0014】
センスマージンは、メモリセルの閾電圧Vtの関数である。従って、セルVtの低下は、センスマージンの低下をもたらす。メモリセルの全域で電圧がVtと等しい場合、スロービットラインランプの間、メモリセルが閾値に達する、トリガする、あるいはスナップする。閾値に達した後、ビットラインは、メモリセルを介してワードラインを帯電させる。ワードラインキャパシタンスが比較的小さいので、電荷共有が、読み取りを実行する時間に関連して素早く起こり、その結果、メモリセルが素早く遮断する。メモリセルが閾値に達している場合、より高いVt、より高いビットライン電圧であろう。従ってVtがより高い場合、より高いビットライン電圧がメモリセルをトリガするのに必要になり、ワードラインで共有される電荷は、その結果としてより高くなる。
【0015】
セル温度は、メモリセルVtの関数でもあり、読み取り障害を引き起こす可能性がある。さらに、より高いVtは、メモリセルをトリガするのにより高いビットライン電圧を要求する。従って、より高いVtは、メモリセルを介してより高いピーク電流をもたらす。なぜなら、ピーク電流は、セルのインピーダンスにより分けられるセルを横切る電圧に等しいからである。より高い電流は、閾値に達することに応じてメモリセルのより高い温度をもたらし、その結果、読み取り障害のリスクを増加させる可能性がある。
【0016】
一実施形態において、多段読み取りは、2レベルメモリ(2LM)システム、または2レベルのメモリを有するシステムとして構成されることができる次世代のメモリシステムで実行される。2LM構成において、ハードウェアプラットフォームは、ニアメモリと称されることができる第1レベルのメモリを含むことができる。一実施形態において、ニアメモリは、揮発性メモリとして実装される。ハードウェアプラットフォームは、また、ファーメモリと称されることができる第2レベルのメモリを含むことができる。一実施形態において、ファーメモリは、不揮発性メモリとして実装される。ファーメモリは、ニアメモリより大きくて遅いが、メモリデバイスへの電力が中断されていた場合でさえ、規定の状態を有する。明細書中で記載される不揮発性メモリは、バイトアドレス可能であり、揮発性メモリが通常アクセスするのと同一の方法でアドレスされることができる。ニアメモリは、ファーメモリに対して低いレイテンシ及び高い帯域キャッシュを提供できる。
【0017】
一実施形態において、ニアメモリは、ニアメモリインターフェース(NMI)を介してニアメモリコントローラ(NMC)により管理され、ファーメモリは、ファーメモリインターフェース(FMI)を介してファーメモリコントローラ(FMC)により管理される。一実施形態において、FMCは、ハードウェアプラットフォーム上で実行されるホストオペレーティングシステムに、メインメモリとしてのファーメモリを通知する。そのような実装において、ニアメモリは、ファーメモリのトランスペアレントキャッシュとして動作でき、ホストオペレーティングシステムは、別個にニアメモリを認識またはアドレスするよう構成される必要がない。
【0018】
多段読み取りは、以下のメモリ技術のいずれかで実行されることができ、バイトアドレス可能であり得、システムのメインメモリとしてのDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)に置き換えるために使用されることができる。メモリ技術は、限定はされないが、位相変更メモリ(PCM)、3次元クロスポイントメモリ、抵抗メモリ、ナノワイヤメモリ、強誘電体トランジスタランダムアクセスメモリ(FeTRAM)、メモリスタ技術、スピン転送トルク(STT)−MRAM、または他のバイトアドレス可能なメモリデバイスを組み込む磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)、あるいは組み合わせを含む。
【0019】
2LMシステム、ニアメモリ、ファーメモリ、及びFMIについての詳細は、本特許出願と同一共同のエンティティに譲渡された「2レベルシステムメインメモリ」というタイトルの2010年12月22に出願された米国特許出願番号12/976,545に見つけられることができる。2LMシステムの実施形態は、本明細書中で記載されるシステムの任意の実施形態において実装されることができる。そのようなものとして、多段読み取りは、本明細書中に記載された任意の実施形態に従ってファーメモリ技術上で実行されることができる。
【0020】
図1は、多段読み取り動作が実行されるメモリデバイスを有するシステムの実施形態のブロック図である。システム100は、多段読み取りが実行されるシステムを表す。システム100は、異なる閾値レベルの複数のメモリセルを有するメモリデバイスを表すメモリデバイス110を含む。一実施形態において、メモリデバイス110は、位相変更メモリデバイスである。メモリデバイス110は、バイトアドレス可能な不揮発性メモリデバイスであり得る。
【0021】
メモリアレイ140は、N個のワードライン(WL[0]からWL[N−1])を含む。Nは、例えば、32又は64であるが、一般的に、アレイ140のサイズは、多段読み取りを介したセンスマージンとセル障害との間のトレードオフを改善する能力に影響を与えない。アレイ140は、M個のビットライン(BL[0]からBL[M−1])を含む。一実施形態において、メモリデバイス110は、別個にアドレス可能な位置にデータを格納する複数のアレイ140またはメモリセルの複数のバンクを含む。アレイ140内のそれぞれのメモリセルは、ワードライン及びビットラインをアサートすることによりアドレスまたは選択される。C/A(列アドレス)デコーダ122は、受信されたコマンドから、特定のコマンドに対してどのビットラインまたはどの複数のビットラインをアサートするかを判断できる。R/A(行アドレス)デコーダ132は、受信されたコマンドから、そのコマンドに対してどのワードラインをアサートするのかを判断できる。図示された複数のメモリセルに加えて、システム100は、複数のビットラインの選択を可能にする様々な選択ラインを含むことができることは、当業者によって理解される。
【0022】
一実施形態において、メモリデバイス110は、ビットライン読み取りロジック124及びワードライン読み取りロジック134を含む。ビットライン読み取りロジック124は、C/Aデコーダ122の一部、および/または考慮された別個のロジック回路であり得る。ビットライン読み取りロジック124は、ローカルビットラインロジック128と同様にグローバルビットラインロジック126を含む。同様に、ワードライン読み取りロジック134は、R/Aデコーダ132の一部、および/または考慮される別個のロジック回路であり得る。ワードライン読み取りロジック134は、グローバルワードラインパスロジック136及びローカルワードラインパスロジック138を含む。ビットライン読み取りロジック124は、多段読み取りを実行する読み取りの間に異なる別々の電圧レベルまでメモリデバイス110がビットライン電圧をランプアップすることを可能にする。ワードライン読み取りロジック134は、メモリデバイス110が、読み取り動作の間にメモリセルの実効キャパシタンスを動的に制御すべくグローバルワードライン及びローカルワードラインを別個にフローティングするグローバル及びローカルワードラインドライバロジック(例えば、GWL136及びLWL138)を、選択的に有効および無効にすることを可能にする。グローバルワードラインをフローティングすること、及びローカルワードラインをフローティングすることは、ワードラインパスに沿った異なるノードで、及び詳細にはグローバルワードラインドライバレベル及びローカルワードラインドライバレベルで、ワードラインを切断することを指すことを理解されるであろう。グローバル及びローカルワードラインパスは、グローバル及びローカルワードラインドライバが有効である場合、メモリセルを検知回路に接続できる。無効である場合、ワードラインは、検知回路から切断される。従って、グローバルワードラインをフローティングすることは、グローバルワードラインドライバロジックにおける1または複数のノードでワードラインパスを切断することを指すことができ、ローカルワードラインをフローティングすることは、ローカルワードラインドライバロジックにおける他のノードでワードラインを切断することを指すことができる。ここで、ローカルワードラインパスは、検知回路よりもメモリセルに近く、グローバルワードラインパスは、メモリセルより検知回路に近い。選択的に有効または無効にされることができるそれぞれのノードは、システム100が選択されたメモリセルで見られるような異なるキャパシタンスをワードラインに適用することを可能にする。複数のドライバ及び複数のパスの回路表現の一実施形態の詳細は、
図4に関連して以下で提供される。
【0023】
メモリデバイス110は、電源152から受信される電力に基づいて動作する。電源152は、システム100を含むことができる電子デバイスのパワーエレクトロニクスコンポーネントに対するシステム100内で生成される1または複数の電圧源または電圧レベルを表す。電源152は、メモリデバイス110内の読み取り動作に対する異なる電圧レベルを提供できる。異なる読み取り段階の特定の電圧レベルが、デバイス特有の特性及び設計に依存し、その結果、異なる製品からの複数のデバイスによって異なり得ることが理解されるであろう。
【0024】
コマンドロジック150は、メモリデバイス110がシステム100内の読み取りコマンドを受信するハードウェアおよび/またはロジックを表す。一実施形態において、コマンドロジック150は、また、1または複数の読み取り電圧レベルをメモリデバイス110に提供する。コマンドロジック150は、通常、ホストプロセッサ(図示せず)から読み取りコマンドを受信する。一実施形態において、コマンドロジック150は、ホストプロセッサの一部、またはホストプロセッサを含むチップ上のシステムの一部である。一実施形態において、コマンドロジック150は、メモリデバイス110の一部である。読み取りコマンドまたは複数のコマンドは、システム100にメモリアレイ140の1または複数のメモリセルに対して読み取り動作を実行させる。
【0025】
一実施形態において、コマンドロジック150は、読み取りコマンドをメモリデバイスに提供し、メモリデバイスは、読み取り動作のために選択されたビットラインにランプアップされた電圧を提供する。一実施形態において、電源152は、メモリアレイ140及びデコード読み取りロジック回路に動作電圧を提供し、読み取りロジック回路(124及び134)は、読み取り動作の異なる段階に対する異なる電圧レベルを生成する。ワードライン検知ロジック134及びビットライン読み取りロジック124の制御ロジックは、異なる読み取り動作段階を制御するのと同様に、読み取り動作の間、メモリアレイ140に異なるレベルの電圧を提供する。読み取り動作段階は、異なる電圧を印加し、選択されたワードラインを接続及び切断する制御ロジック内のシグナリングのタイミングを制御することにより制御されることができる。
【0026】
一般的に、コマンドロジック150は、メモリアレイ140内の1または複数のメモリセル上のメモリデバイス110により実行される読み取りコマンドを受信および/または生成する。C/Aデコーダ122及びR/Aデコーダ132は、どのワードライン及びビットラインが読み取りに選択されたメモリセルと交差するかを判断する。ワードライン読み取りロジック134は、選択されたワードラインを帯電させ、これは、ワードラインを電荷させるグローバルワードラインドライバ136及びローカルワードラインドライバ138を選択または有効にすることを含むことができる。一実施形態において、選択されたワードラインが帯電された後、ロジック134は、有効にされたローカルワードラインドライバ138が維持されている間、グローバルワードラインドライバ136を無効にすることができる。選択されたメモリセルは、次に、グローバルワードラインがフローティングしている状態にあると言われることができる。グローバルワードラインがフローティングしている間、ビットライン読み取りロジック124は、低いVtである場合に選択されたメモリセルをトリガすべき第1段階の電圧レベルまで選択されたビットライン電圧をランプアップすることができる。一実施形態において、ビットライン読み取りロジック124は、グローバルワードラインパスに沿った1または複数の他のノードを非選択状態にすると共に、Vtに基づくメモリセルをトリガする1または複数の他の別個の段階の電圧レベルまでビットライン電圧をランプアップすることができる。
【0027】
一実施形態において、ビットライン読み取りロジック124が第1段階またはより多いビットライン電圧レベル段階まで選択されたビットラインをランプアップした後、ワードライン読み取りロジック134は、ローカルワードラインドライバ138を無効にして、ローカルワードラインをフローティングすることができる。ワードライン読み取りロジック134は、ローカルワードラインドライバ138を無効にしている場合にグローバルワードラインドライバ136を無効に維持することができ、その結果、両方のドライバが無効になる。一実施形態において、ワードライン読み取りロジック134がローカルワードラインをフローティングした後、ビットライン読み取りロジック124は、選択されたビットラインにより高い電圧レベルを印加する。選択されたメモリセルがより高いVtを有する場合、メモリセルは、より高いビットライン電圧段階または位相の間トリガされるべきである。ワードラインがフローティングしている状態で、実効キャパシタンスが減少し、メモリセルを介した電流スパイクが、多少正常化された高いVtかそれとも低いVtを表すことができる。
【0028】
一実施形態において、ビットライン読み取りロジック124は、次いで、選択されたビットライン上の電圧をランプダウンする。ワードライン読み取りロジック134は、グローバルワードラインドライバ136及びローカルワードラインドライバ138を有効にして、選択されたメモリセルを読み取るべく選択されたメモリセルを(例えば、センス増幅器142により表される)検知回路に接続する。一実施形態において、ワードライン読み取りロジック134は、すべてのビットライン電圧レベル段階の終端で一度のみの代わりに、1つの読み取り動作段階より多い段階にわたって複数のワードラインドライバを有効にする。一実施形態において、ワードライン読み取りロジック134は、ビットライン読み取りロジック124によるビットライン電圧の第1のランプアップより前にグローバルワードラインを無効にしない。
【0029】
図2は、多段読み取り動作を実行するシステムにおける電圧波形の一実施形態の図表示である。ダイアグラム200は、多段読み取り動作に関連する様々な信号を表す。システム100は、ダイアグラム200で図示されたものと類似する信号を有することができる多段読み取りを実行するシステムの一例でありうる。示される特定の信号は、ビットライン210、グローバルライン選択(GWLS)220、及びローカルワードライン選択(LWLS)230である。図示しない追加の信号も所望の多段読み取りを実行するのに使用されることができることを理解されるであろう。GWLS220は、グローバルワードラインドライバを有効及び無効にするのに使用される信号を表す一方、LWLS230は、ローカルワードラインドライバを有効及び無効にするのに使用される信号を表す。一実施形態において、1または複数の追加の信号ラインは、グローバルワードラインドライバを部分的に有効及び無効にするのに使用されることができ、1または複数の追加の信号ラインは、ローカルワードラインドライバを有効及び無効にするのに使用されることができる。グローバルワードラインを部分的に有効または無効にすることは、グローバルワードラインドライバに対するグローバルワードラインパスに沿ったデバイスをアクティブまたはディアクティブにすることを指す。
【0030】
一実施形態において、ビットライン210が異なる電圧レベルで動作する多段読み取りの様々な段階は、GWLS220及びLWLS230上の信号のタイミングに対応する。制御ロジックは、メモリセルの読み取り、所与のアーキテクチャ、および期待される服巣のメモリセルの性能(例えば、ビットライン上で使用される複数のメモリセルに対して期待されるVtの範囲及び電圧レベル)をサポートするために決定される電圧レベルまでワードラインを帯電させる。一実施形態において、ワードラインを帯電させた後、制御ロジックは、GWLS220及びLWLS230のそれぞれ上の複数の信号によりグローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする。制御ロジックは、ワードラインを帯電させた後、BL_Initialまでビットライン210を帯電させる。明示的には図示されないが、ワードラインは、複数のメモリセルの期待閾電圧分布に基づく電圧レベルであるWL_Vdmの値まで帯電されることができる。
【0031】
制御ロジックは、また、ワードラインドライバを非選択状態にするまたは無効にするタイミングを制御できる。図示されるように、一実施形態において、制御ロジックは、グローバルライン選択信号220を非選択状態にすることによりグローバルワードラインドライバを無効にする。ダイアグラム200は、一般的なケースを表し、グローバルワードラインドライバを無効にすることは、グローバルワードラインドライバの1または複数の部分を同時に無効にすることにより実行されることができる。グローバルワードラインドライバが無効にされ、ローカルワードラインドライバがまだ有効である場合、ワードラインが、グローバルワードラインノードに応じてフローティングしていることが考慮される。グローバルワードラインをフローティングする期間は期間232として示され、「フロートグローバル」と名前付けされており、グローバルワードラインドライバでワードラインパスをフローティングするすべての段階を指すことができる。一実施形態において、制御ロジックは、グローバルワードラインをフローティングした後、同じタイミングで、ローカルワードライン選択信号230を非選択状態にすることによりローカルワードラインドライバを無効にすることができる。ローカルワードラインドライバが無効にされている場合、ワードラインは、ローカルワードラインノードに応じてフローティングしていることが考慮されることができる。ローカルワードラインをフローティングする期間は、期間234として示され、「フロートローカル」と名前付けされており、ローカルワードラインドライバでワードラインパスをフローティングする段階を指す。期間232および234のタイミングは、同一であるように示されているが、同一時間である必要はないことを理解されるであろう。また、複数の段階のフロートグローバル232及び単段のフロートローカル234、または単段のフロートグローバル232及び単段のフロートローカル234が存在し得ることを理解されるであろう。
【0032】
一実施形態において、制御ロジックは、ビットライン210上の電圧をランプすることをトリガすることに関連する異なるワードラインフロート期間をトリガする。説明の目的で、ビットライン210の波形は、3つの異なるビットライン電圧のレベル(BL_Initial、BL_Global_End、及びBL_Vdm)を表す。一般的に、多段読み取りが2または2より高いビットライン電圧のレベルを有することが理解されるであろう。BL_Initialは、多段読み取りの第1段階にわたってビットラインに印加される初期電圧を表し、BL_Vdmは、多段読み取りの最終段階にわたってビットラインに印加される最終電圧を表す。BL_InitialとBL_Vdmとの間のゼロまたはゼロより高い追加の別々の電圧レベルが存在し得ることを理解されるであろう。ダイアグラム200内の名前付けは、単なる指示であり、他の名前付けが使用されることができることを理解されるであろう。BL_InitialとBL_Vdmとの間のそれぞれ別々の電圧レベルは、グローバルワードラインドライバおよび/またはローカルワードラインドライバ内のロジックの異なる選択により提供されるような異なるワードラインキャパシタンスに対応する。
【0033】
BL_Initial、BL_Global_End、及びBL_Vdmの値は、メモリデバイスの期待された動作に基づく。一実施形態において、値は、メモリデバイス内の複数のメモリセル全域でのVt分布の期待値に基づいて決定される。また、Vt分布は、メモリセル内の複数のプロセス変動に基づいて必然的にもたらされる。一実施形態において、BL_Initial及びBL_Global_Endは、単一信号値である。従って、ビットライン電圧の2または2より多い位相が存在し得る。電圧レベルのスケールは、ダイアグラム200に明示的に示されていないことを理解されるであろう。
【0034】
BL_Initialは、制御ロジックがビットライン210をランプする初期電圧レベルである。一実施形態において、制御ロジックは、グローバルライン選択220が非選択状態になった後、BL_Initialまでビットライン210をランプする。一実施形態において、制御ロジックは、期間232中にビットライン210のゼロまたはゼロより高い追加の電圧ランプアップを生成することができ、グローバルワードラインドライバの他の部分を非選択状態にする。BL_Global_Endは、期間232の終端でのビットライン210上の電圧レベルを表し、期間234中に電圧をランプアップするための開始点であり得る。ビットライン210上のそれぞれの電圧レベルは多段読み取りの考慮された1段階になり得ることを理解されるであろう。それぞれの電圧レベルは、メモリセルをトリガしてよい。従って、メモリセルは、特定のVtを満足する必要がある最低ビットライン電圧でトリガされ、これにより、読み取りに対して複数のメモリセルをトリガする場合に引き込む電流量を減少させることができる。
【0035】
グローバルワードラインパスノード及びローカルワードラインパスから別個にワードラインをフローティングし、制御ロジックがメモリセルで見られる実効キャパシタンスを動的に変更することができることも理解されるであろう。システムは、メモリセルにより見られるキャパシタンスを変更すべく、グローバルワードラインパス及びローカルワードラインパスに沿ってメモリセルを選択的に隔離することができる。ビットライン電圧が増加している時の読み取りの間にメモリセルで見られるキャパシタンスを低下させることにより、メモリセルを通る電流は、メモリセルに対する特定のVtにかかわらず実質的に同一であるべきである。
【0036】
一実施形態において、グローバルライン選択220および/またはローカルワードライン選択230に対する信号(及びワードラインドライバの部分を無効にすることに対応する任意の他の信号)は、素早く遮断するのではなくむしろ、意図的に勾配をつけられ得る。一例として、ローカルワードライン選択230における傾き236を考慮する。傾き236は、任意の傾斜であり得、簡易に線形ランプとして示される。更に、傾き236の傾きは、スケールする必要はなく、ダイアグラム200における描写よりも大きいまたは小さい可能性がある。ビットライン電圧がランプされると同時にドライバまたはドライバの一部分を徐々に停止することにより、よりアナログ的なメモリセルの有効化が生じることを理解できるであろう。例えば、ビットライン210をランプし始めたのと同時にシステムが急にローカルワードライン選択230を停止する場合、異なるVtの複数のメモリセルがビットラインランプに沿ってわずかに異なる位相でトリガするが、それぞれが本質的には同一のワードラインキャパシタンスに見えるであろう(従って、複数の電流スパイクは、異なるであろう)。そのような影響は、従来の読み取りより小さいが、ビットラインがランプアップされる場合に、選択ラインをランプダウンすることによりさらに滑らかにさせることができる。したがって、メモリセルで見られる実効キャパシタンスは、ビットライン210がランプアップされると、徐々に減少するであろう。これにより、メモリセルに対する特定のVtにかかわらず、より安定した電流スパイクをもたらすことができる。
【0037】
図3は、2段階読み取り動作を実行するシステムにおけう電圧波形の一実施形態の図表示である。ダイアグラム300は、2段階読み取り動作に関連する様々な信号を表し、
図2のダイアグラム200の一実施形態の一例であり得る。システム100は、ダイアグラム300で図示されたのと類似の複数の信号を有することができる2段階の読み取りを実行するシステムの一例であり得る。
【0038】
システムは、従来の読み取りに比べると、同一のセンスマージンに対する読み取りにわたってより低い最悪状況のセル温度を可能にする(例えば、ダイアグラム200またはダイアグラム300に図示されているような)多段読み取りを実行することができる。その代わりに、システムは、従来の読み取りに比べると、読み取りの間に同一の最悪状況のセル温度に対してより高いセンスマージンを可能にする(例えば、ダイアグラム200またはダイアグラム300に図示されているような)多段読み取りを実行できる。その代わりに、システムは、センスマージン及び最悪状況のセル温度の両方を調節する多段読み取りを実行できる。
【0039】
概して、多段読み取りは、ビットライン電圧における増加を伴うワードラインキャパシタンスを動的に調節する。従って、より低いVtを有するメモリセルは、より低いビットライン電圧及びより高いワードラインキャパシタンスで、トリガするであろう。メモリセルをトリガすることは、メモリセルの閾値に達することまたは閾電圧を通過させることを指し、これにより、逆戻りする前に比較的大きな量の電流の導通において、メモリを瞬時に起動させる。より高いVtを有するメモリセルは、より高いビットライン電圧及びより低いワードラインキャパシタンスで、後でトリガするであろう。従って、多段読み取りは、読み取られるメモリセルのVtに依存してワードラインキャパシタンスを動的に調節できる。一実施形態において、ダイアグラム300のように、システムは、2段階で読み取り動作(例えば、読み取り)の間にメモリセルの全域に電圧を印加する。第1段階で、ワードラインキャパシタンスは、ハイに維持され、システムは、初期ビットライン電圧を印加する。低いVtメモリセルは、この第1段階の間トリガする。第2段階の間、システムは、ワードラインキャパシタンスを減少させる。高いVtメモリセルは、第2段階の間トリガする。上述の通り、読み取りの間のセンスマージン及びセル温度は、メモリセルのVt及びワードラインキャパシタンスの関数であり、多段読み取りは、異なるVtにわたってセンスマージン変化および/またはセル温度変化を減少させ、または最小限にする。異なるVtを有する複数のメモリセル全域でのそれらの変化を減少させることで、より低い最悪状況のセル温度および/またはより高い最悪状況のセンスマージンをもたらすことができる。一実施形態において、ダイアグラム300で表される動作は、グローバルワードラインをフローティングする前にビットライン電圧のランプを実行し、その次に、ダイアグラム300に示すように再びビットラインをランプすることにより3段階の読み取りに変更させることができ得る。
【0040】
ダイアグラム300で示される特定の信号は、ビットライン310、グローバルライン選択(GWLS)320、ローカルワードライン選択(LWLS)330、ワードライン340、セル電流350、及びHNREG350である。ビットライン310、GWLS320、及びLWLS330は、ダイアグラム200に表される対応する複数の信号に類似し、ダイアグラム200の詳細は、ダイアグラム300のこれらの対応する複数の信号に適用する。ビットライン310は、2つの別個のビットライン電圧段階であるBL_Initial及びBL_Vdmを含む。一実施形態において、システム制御ロジックは、GWLS320及びLWLS330の両方を確保し、その次に、GWLS320を開放する。一実施形態において、制御ロジックは、「フロートグローバル」期間と称されることができる期間332にGWLS320を開放した後、ビットライン310をBL_Initialまでランプする。ダイアグラム200に関連して上記した通り、GWLS320および/またはLWLS330上で複数の信号を開放することは、特定のドライバからワードラインを徐々に隔離すべくランプダウンされる(勾配をつけられる)ことができる。
【0041】
一実施形態において、制御ロジックは、次に、LWLS330を開放して、「フロートローカル」期間と称されることができる期間334を開始する。期間334中に、制御ロジックは、ビットライン310をBL_Vdmまでランプすることができる。BL_Vdmは、最悪状況のVtで複数のメモリセルをトリガすることを期待されるシステムの設計者により選択される値である。BL_Initialは、最悪状況のVtより低い、ある割合のメモリセルをトリガすることを期待されるシステムの設計者により選択される値である。Vtは、別個である傾向にはないが、別個の2つのグループ、期間332内の1つのグループ、及び期間334内の他のグループにおいてトリガされることができる、ある範囲の値になる傾向があることを理解されるであろう。
【0042】
ワードライン340は、ワードライン上の複数の電圧信号を表す。セル電流350は、メモリセルを介して見られる電流を表す。ワードラインは、初めに帯電され、ワードラインドライバが選択される場合、ワードライン上の電圧が低下することが分かるである。ワードライン340は、可能性のある追加の2つの曲線を表す。ダイアグラム300で左から右に伸びる第1曲線は、一点鎖線であり、低いVtメモリセルのトリガであるイベント312を表すビットライン310における一点鎖線に対応する。ビットライン310において、電圧は、正常な状態に戻る前に、瞬時に、値BL_Initialから降下する。ドロップは、メモリセルが期間332にトリガする場合のビットライン電圧曲線を表す。メモリセルがトリガする場合、イベント312の間に電荷が移動すると、ワードライン340上の電圧に対応する増加が存在するであろう。セル電流350は、セルがビットライン電圧310を介してイベント312でトリガされるときにメモリセルを通る電流スパイクを表し、ビットライン310上の電圧におけるドロップに対応する。 ワードライン340は、メモリセルのトリガにより帯電され、ワードラインは、後の検知のために電荷を保持するであろう。
【0043】
ワードライン340上の左から右へ伸びる第2曲線は、より高いVtメモリセルのトリガであるイベント314を表す、より高いVtでのメモリセルからのワードライン340の帯電を表す破線である。従って、ワードライン340内の破線は、ビットライン310内の破線に対応し、メモリセルは、期間334中により高い電圧段階でBL_Vdmをトリガする。セル電流350は、電流がより高いVtメモリセルを通じて瞬時に導通するイベント314に対応する電流スパイクを表す。イベント314に対する電流スパイクは、イベント312に対する電流スパイクと同程度の大きさであることが観測されるであろう。比較のために、ダイアグラム300は、従来の単一のビットライン電圧のランプアップで生じるより高いVtメモリセルの電流スパイクを表す電流スパイク314'を含む。曲線はスケールする必要はないが、電流スパイク314'は、イベント312またはイベント314のいずれでもその電流スパイクより大きいことが観測されるであろう。多段読み取りでのワードラインキャパシタンスを減少させることにより、電流スパイクは、制御される。ワードライン340は、イベント314でのより高いVtメモリセルのトリガでのワードラインの帯電を図示する対応する破線を図示する。別個の2つのイベント312および314が図示されるが、複数のメモリセルがビットライン310のランプにおけるどこでもトリガできることを理解されるであろう。従って、実際の実装では、図示された2つのイベントで閾値に達することに限定されない。
【0044】
HNREG360は、検知回路またはセンス増幅器への入力を表す。多段読み取りのための電圧を印加した後、制御ロジックは、GWLS320及びLWLS330を確保して、ワードライン340上の電圧で検知回路入力を帯電する。メモリセルがイベント312またはイベント314のいずれかでトリガされると、ワードライン340は、HNREG360を帯電する。制御ロジックは、次いで、ワードライン340上の電圧を検知して、メモリセルの状態(1または0)を判断できる。
【0045】
図4は、多段読み取り動作を提供するワードライン及びビットラインドライバの実施形態の回路図表示である。回路400は、多段読み取り動作を実行する制御ロジックの複数の要素を図示する。回路400は、
図1のシステム100による複数の回路要素の一実施形態を表す。アレイ410は、ビットライン422とワードライン424との交点でのメモリセル420を含むメモリアレイの複数の要素を表す。一実施形態において、アレイ410は、複数の位相変更メモリエレメントまたは他のバイトアドレス可能なメモリテクノロジーを含む。SA(センス増幅器)430は、メモリセルの電圧レベルを読み取り、読み取りのために選択されたメモリセルの状態を判断する検知回路を表す。メモリセル420が読み取りのための選択されることを以下の説明のために仮定する。従って、ビットライン422は、選択されたビットラインであり、ワードライン424は、選択されたワードラインである。他のワードラインは、セル420が読み取られる間、非選択状態であり得る。
【0046】
一実施形態において、ビットライン制御ロジック回路でまず始まり、Vppがビットラインハイ電圧、Vdmがセル420でビットライン422上で所望の電圧を提供する回路要素を駆動する。一実施形態において、信号Vdmは、Vppをランプする等によって、ビットライン422上で複数の異なる電圧レベルを提供する。GBLSELBは、グローバルビットライン選択信号であり、LBLSELBは、ローカルビットライン選択信号である。 ローカルビットライン(LBL)は、セル420の傍のアレイ410内に図示され、ビットラインに接続するローカルビットラインパスである。他のビットラインは、同様な回路アーキテクチャを有する。
【0047】
ワードライン制御ロジック回路は、一実施形態では回路400が、ワードライン424に対するローカルワードラインドライバ及びグローバルワードラインドライバを含む。他のワードラインは、同等のアーキテクチャを有するであろう。一実施形態において、ローカルワードラインドライバは、選択信号LWLSEL(ローカルワードライン選択)及び非選択信号LWLDESEL(ローカルワードライン非選択)により制御される。ローカルワードラインは、LWLと名前付けされ、アレイ410内に図示され、上述のローカルワードラインパスに対応する。LWLDESELは、選択されない場合、ローカルワードラインパスを接地状態に維持する。グローバルワードラインは、GWLと名前付けされ、ローカルワードラインドライバの他の大きさで図示され、保持キャパシタを含むことができる。GWLは、上述のグローバルワードラインパスに対応し、複数のワードラインに適用する(グローバルワードラインに対して複数のローカルワードラインが存在するであろう)。LWL及びGWLは、回路400内の別個のノードとして考慮されることができる。グローバルワードラインドライバは、選択信号GWLSEL(グローバルライン選択)により制御されることができる。GWLDESELは、選択された場合、グローバルワードラインパスを接地状態に維持する。従って、一実施形態において、ワードラインは、GWL選択信号及びLWL選択信号により示されるように、2つのレベルのデコードを有する。従って、回路400は、デコード回路および/または多段読み取りのための制御ロジックを含むことができる。ローカルワードラインパス及びグローバルワードラインパスが2つのトランジスタアーキテクチャにより有効または無効になるように示される一方、回路400は、いずれか一方または両方のパスに対して単一のトランジスタを有効/無効に」させるべく変更されることができることを理解されるであろう。一実施形態において、回路400のアーキテクチャは、2段階読み取り、または3段階の読み取りをサポートする。3段階より多い多段読み取りを提供するために、追加の回路要素(例えば、追加のキャパシタ及び追加の別個に選択可能なトランジスタ)が、グローバルワードラインドライバ回路に含まれることが必要になるであろう。一実施形態において、デコード回路は、多段読み取りのための制御ロジックと同一である。WLVDMは、多段読み取りに備えてワードラインが帯電される電圧のような、ワードライン424に印加される所望のワードライン電圧を表す。
【0048】
一実施形態において、電圧レベルWLVDMは、ビットライン電圧ソースに対して示されるものと同等の回路アーキテクチャにより構成される。NOLIMRDは、電圧WLVDMをワードラインに伝達するための選択信号を表す。HNREGは、また、回路400内のノードを考慮されることができ、ワードライン424を検知回路に接続する。検知回路は、センス増幅器430であり得、または含むことができる。SA430は、1または複数のイネーブル信号(一般的に、イネーブルに対して「EN」と名前付けされる)を含む。SMINHBITFLTは、システムが既知の状態から開始することを可能にするアイドル選択信号を表す。HNBQは、センス増幅器入力ラインをリセットすることを可能にする。
【0049】
回路400は、上記の多段動作を有効にできる。一実施形態において、回路400は、概して、以下のように、ワードライン424、ビットライン422の交点でセル420上の多段読み取りを実行するために動作する。示される他のワードラインは、他のワードラインのローカル非選択トランジスタに−2Vを印加し、ワードラインの選択トランジスタに信号VNNを印加することにより非選択状態になる。システムは、ローカル及びグローバル選択を有効にする(GWLSEL及びLWLSELが、これらのそれぞれのドライバ回路要素を有効にするためにセットされる)。システムは、次いで、選択信号を生成して、NOLIMRDに関連する複数の回路要素を有効にしてワードライン424をWLVDMまで帯電させることができる。システムは、次いで、NOLIMRDを非選択状態にして、GWLSELを非選択状態にして、GWLノードでワードライン424をフローティングし、またはGWLノードでドライバからワードライン424を隔離する。システムは、VDMと、GBLSELB及びLBLSELBと、を有効にし、グローバルワードラインがフローティングするとVppをランプすることを開始することができる。3段階の読み取りのために、システムは、グローバルワードラインをフローティングする前にVppをランプすることができる。一実施形態において、システムは、次いで、LWLSELを非選択状態にし、ローカルワードラインをフローティングまたはLWLノードでドライバからワードライン424を隔離し、再びVppをランプすることができる。いつ、ビットライン電圧ポテンシャルがセル420に対する閾値ポイントに達しても、ビットライン電圧は、メモリセルを介してワードライン424までクリアする。閾値に達した後、セル420は、停止する。システムは、次いで、GWLSEL及びLWLSELを選択して、ワードライン424からHNREGを帯電することができる。システムは、次いで、SA430を有効にして、メモリセルがトリガされるかどうかを見るためにHNREGを基準電圧と比較する。SA430の出力は、詳細には示さないが、メモリセルがトリガされているか、されていないかを示すであろう。
【0050】
図5は、複数の段階での読み取りのための処理500の一実施形態のフロー図である。一実施形態において、システムは、メモリデバイス、メモリデバイスに格納されたデータにアクセスするプロセッサを含み、プロセッサは、メモリアクセスコマンドを生成する。一実施形態において、メモリデバイスは、バイトアドレス可能である不揮発性メモリデバイスであり、従来の揮発性メモリデバイスに置き換えることができる。アクセスコマンドは、読み取りコマンドであり得る。
【0051】
メモリデバイスは、プロセッサから読み取り要求を受信し、読み取り要求に関連するアドレスをデコードする。デコードは、読み取りに選択されたメモリセルの位置をデコードすることを含む(502)。デコードは、メモリセルに関連するビットライン及びワードラインを識別することを含む。一実施形態において、選択されたビットライン及び選択されたワードラインに関連する制御ロジックは、グローバルワードライン及びローカルワードラインを駆動して、ワードラインを選択されたワードライン読み取り電圧まで帯電させる(504)。制御ロジックは、次いで、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを選択的に非選択状態にして、ワードラインを複数のドライバ回路から隔離する。 ワードラインドライバの全て又は一部分のそれぞれの非選択は、読み取り段階で考慮されることができる(506)。
【0052】
一実施形態において、フロートローカル読み取り段階に加えて、1つより多いフロートグローバル読み取り段階が存在することができる。一実施形態において、1つのフロートグローバル読み取り段階、及び1つのフロートローカル読み取り段階が存在する。一実施形態において、制御ロジックは、グローバルワードラインパスまたはローカルワードラインパスのいずれかをフローティングする前にビットラインをランプする。読み取り段階に依存して、制御ロジックは、グローバルワードラインパス(508のグローバル分岐)、またはローカルワードラインパス(508のローカル分岐)のすべてまたは一部分をフローティングする。グローバルフロート段階に対して、制御ロジックは、グローバルワードラインパスの一部分を非選択状態にして、グローバルワードラインパス上のノードでワードラインを隔離することができる(510)。ローカルフロート段階に対して、制御ロジックは、ローカルワードラインパスを非選択状態にして、ローカルワードラインパスでワードラインを隔離することができる(512)。一実施形態において、制御ロジックは、任意のローカルフロート段階に入る前に、全てのグローバルフロート段階を実行する。一実施形態において、グローバルフロート段階またはローカルフロート段階の後に、制御ロジックは、ワードラインパスがフローティングしている間に、ビットライン電圧をランプアップする(514)。制御ロジックは、現在の読み取り段階に対するメモリセルにより見られるキャパシタンスに対応する異なる電圧レベルまでビットラインをランプすることができる。従って、それぞれの読み取り段階(グローバルであろうとローカルであろうと)は、関連するキャパシタンス(各段階が、キャパシタンスを減少させる順に連続して入力される)、及び関連するビットライン電圧(各段階が、増加するビットライン電圧のレベルを有する)を有する。
【0053】
現在の読み取り段階が、ワードラインキャパシタンス及び対応するビットライン電圧のランプにおける最終の変化に対応する最終の読み取り段階でない場合(516で、NO分岐)、制御ロジックは、次の読み取り段階に入り(506)、再び、ワードラインパスの全てまたは一部分を非選択状態にして、ビットライン電圧をランプアップすることによりワードラインのキャパシタンスを変更する。読み取り段階が最終段階である場合(516で、YES分岐)、制御ロジックは、メモリセルの状態を検知できる(518)。
【0054】
制御ロジックは、ビットライン電圧をランプダウンできる(520)。制御ロジックは、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを選択して、HNREGノードをワードライン電圧まで帯電させることができる(522)。検知回路が、次いで、基準電圧に対するHNREGを検知して、選択されたメモリセルのビット値を判断する(524)。一実施形態において、セル状態の検知が、全ての読み取り段階の後に一度実行される代わりに、別個の読み取り段階のそれぞれの終わりに実行される。
【0055】
図6は、多段読み取りが実装されることができるコンピューティングシステムの一実施形態のブロック図である。システム600は、本明細書中で記載される任意の実施形態に係るコンピューティングデバイスを表し、コンピューティングデバイスは、ラップトップコンピュータ、ストレージデバイス、デスクトップコンピュータ、サーバ、ゲームまたはエンターテーメント制御システム、スキャナー、複写機、プリンタ、ルータまたはスイッチデバイス、または他の電子デバイスであり得る。システム600は、システム600に対する複数の命令の処理、処理管理、及び実行を提供するプロセッサ620を含む。プロセッサ620は、システム600に対する処理を提供する任意のタイプのマイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、処理コア、または他の処理ハードウェアを含むことができる。プロセッサ620は、システム600の全体の動作を制御し、1または複数のプログラマブル汎用または特殊用途マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム式論理デバイス(PLD)、または同種のもの、あるいはそのようなデバイスの組み合わせであり得る、あるいは含みうる。
【0056】
メモリサブシステム630は、システム600のメインメモリを表し、プロセッサ620により実行されるコード、ルーチンを実行するのに使用されるデータ値の一時的な格納を提供する。メモリサブシステム630は、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、1または複数の種々のランダムアクセスメモリ(RAM)、または他のメモリデバイス、あるいはそのようなデバイスの組み合わせなどの1または複数のメモリデバイスを含むことができる。メモリサブシステム630は、特に、システム600内の複数の命令を実行するためのソフトウェアプラットフォームを提供するオペレーティングシステム(OS)636を格納し、ホストする。更に、複数の他の命令638が格納され、メモリサブシステム630から実行されて、システム600のロジック及び処理を提供する。OS636及び複数の命令638は、プロセッサ620により実行される。メモリサブシステム630は、データ、複数の命令、複数のプログラム、または他のアイテムを格納するメモリデバイス632を含む。一実施形態において、メモリサブシステムは、メモリデバイス632に複数のコマンドを生成及び発行するメモリコントローラであるメモリコントローラ634を含む。 メモリコントローラ634は、プロセッサ620の物理的な一部であり得ることを理解されるであろう。
【0057】
プロセッサ620及びメモリサブシステム630は、バス/バスシステム610に連結される。バス610は、適切なブリッジ、アダプタ、および/またはコントローラにより連結された任意の1または複数の別個の物理バス、通信ライン/インターフェース、および/またはポイントツーポイント接続を表す抽象である。従って、バス610は、例えば、1または複数のシステムバス、周辺機器コンポーネント(PCI)バス、ハイパートランスポートまたは業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、小型コンピュータ用周辺機器インターフェース(SCSI)バス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、または電気電子技術者協会(IEEE)規格1394バス(一般に、「Firewire(登録商標)」と称される)を含むことができる。バス610のバスは、また、ネットワークインターフェース650内のインターフェースに対応することができる。
【0058】
システム600は、また、バス610に連結された、1または複数の入出力(I/O)インターフェース640、ネットワークインターフェース650、1または複数の内部マス・ストレージデバイス660、及び周辺インターフェース670を含む。I/Oインターフェース640は、ユーザがシステム600とやりとりする1または複数のインターフェースコンポーネント(例えば、ビデオ、オーディオ、および/または英数字インターフェース)を含むことができる。ネットワークインターフェース650は、1または複数のネットワークを介してリモートデバイス(例えば、サーバ、他のコンピューティングデバイス)と通信する能力をシステム600に提供する。ネットワークインターフェース650は、イーサネット(登録商標)アダプタ、無線相互接続コンポーネント、USB(ユニバーサルシリアルバス)、または他の有線または無線規格ベースまたは独自インターフェースを含むことができる。
【0059】
ストレージ660は、1または複数の磁気、半導体、光学ディスク、またはそれらの組み合わせなどの不揮発性形式で、大量のデータを格納するための任意の従来の媒体で有り得、または含むことができる。ストレージ660は、永続的な状態で、コード、または命令およびデータ662を保持する(つまり、値は、システム600の電力が遮断されても保持される)。メモリ630は、複数の命令をプロセッサ620に提供する実行メモリまたは操作メモリであるが、ストレージ660は、一般的に「メモリ」であるとして考慮され得る。ストレージ660は、不揮発性である一方で、メモリ630は、揮発性メモリを含むことができる(つまり、システム600の電力が遮断される場合、データの値または状態は、不定である)。
【0060】
周辺インターフェース670は、詳細には説明しないが任意のハードウェアインターフェースを含むことができる。周辺機器は、概して、システム600に依存して接続されるデバイスを指す。依存接続は、システム600が、ユーザがやりとりし、動作が実行されるソフトウェアおよび/またはハードウェアプラットフォームを提供する1つである。
【0061】
一実施形態において、プロセッサ620は、メモリサブシステム630および/またはストレージ660(例えば、バイトアドレス可能なメモリを含むことができる、不揮発性メモリテクノロジーを使用するソリッドステートドライブ(SSD))に格納されたデータでの動作を実行する。動作は、本明細書中に記載された任意の実施形態に従った多段読み取りを実行できるメモリまたはストレージデバイス上のメモリアクセスオペレーションを含むことできる。多段読み取りは、別個の別々の電圧レベルまで選択されたメモリセルのビットライン電圧をランプアップすることを含む。一実施形態において、システムは、選択されたワードラインのキャパシタンスの制御と同時に、ビットライン電圧をランプすることができる。多段読み取りは、読み取り動作が、読み取り動作中のメモリセルを介した改善されたセンスマージンおよび/または改善された最悪状況の電流引き込みをもたらすことを可能にする。
【0062】
図7は、多段読み取りを実装できるモバイルデバイスの一実施形態のブロック図である。デバイス700は、コンピューティングタブレット、高性能サーバ、携帯電話またはスマートフォン、無線可能Eリーダ、装着型コンピューティングデバイス、ウルトラブック、または他のモバイルデバイスなどのモバイルコンピューティングデバイスを表す。複数のコンポーネントうち特定のものが大まかに示されており、そのようなデバイスの全てのコンポーネントがデバイス700に示されているのではないことを理解されよう。
【0063】
デバイス700は、デバイス700の主な処理動作を実行するプロセッサ710を含む。プロセッサ710は、マイクロプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム式論理デバイス、または他の処理手段のような1または複数の物理デバイスを含む。プロセッサ710により実行される処理オペレーションは、処理プラットフォームの実行、またはアプリケーションおよび/またはデバイス機能が実行されるオペレーティングシステムを含む。処理オペレーションは、ヒューマンユーザまたは他のデバイスとのI/O(入出力)に関連する動作、電力管理に関連する動作、および/またはデバイス700を他のデバイスに接続することに関する動作を含む。処理オペレーションは、また、オーディオI/Oおよび/またはディスプレイI/Oに関連する動作を含むことができる。
【0064】
一実施形態において、デバイス700は、ハードウェア(例えば、オーディオハードウェア及びオーディオ回路)及びコンピューティングデバイスにオーディオ機能を提供することに関連するソフトウェア(例えば、ドライバ、コーディック)コンポーネントを表すオーディオサブシステム720を含む。オーディオ機能は、マイク入力と同様に、スピーカ、および/またはヘッドフォン出力を含むことができる。そのような機能のデバイスは、デバイス700に集積することができる、またはデバイス700に接続することができる。一実施形態において、ユーザは、プロセッサ710により受信され処理される複数のオーディオコマンドを提供することによりデバイス700とやりとりする。
【0065】
表示サブシステム730は、ユーザがコンピューティングデバイスとやりとりするための視覚および/または触覚ディスプレイを提供するハードウェア(例えば、ディスプレイデバイス)及びソフトウェア(例えば、ドライバ)コンポーネントを表す。表示サブシステム730は、ユーザにディスプレイを提供するために使用される特定のスクリーンまたはハードウェアデバイスを含むディスプレイインターフェース732を含む。一実施形態において、ディスプレイインターフェース732は、ディスプレイに関係する少なくとも幾つかの処理を実行する、プロセッサ710から独立したロジックを含む。一実施形態において、ディスプレイサブシステム730は、ユーザに対して出力および入力の両方を提供するタッチスクリーンデバイスを含む。
【0066】
I/Oコントローラ740は、ユーザとのやりとりに関する複数のハードウェアデバイスおよび複数のソフトウェアコンポーネントを表す。I/Oコントローラ740は、オーディオサブシステム720および/または表示サブシステム730の一部であるハードウェアを管理するために動作できる。更に、I/Oコントローラ740は、それを介してユーザがシステムとやりとりし得るデバイス700と接続する追加のデバイスの接続点を表す。例えば、デバイス700に取り付けられ得る複数のデバイスは、複数のマイクデバイス、複数のスピーカまたはステレオシステム、複数のビデオシステムまたは他のディスプレイデバイス、複数のキーボードまたはキーパッドデバイス、若しくは他の、複数のカードリーダまたは複数の他のデバイスなど、複数の特定のアプリケーションにおける使用のための複数のI/Oデバイスを含むかもしれない。
【0067】
上述の通り、I/Oコントローラ740は、オーディオサブシステム720および/または表示サブシステム730とやりとりすることができる。例えば、マイクまたは他のオーディオデバイスを通じた入力は、デバイス700の1または複数のアプリケーションまたは機能のための入力または複数のコマンドを提供し得る。更に、オーディオ出力は、ディスプレイ出力の代わりに、またはそれに加えて提供され得る。別の例を挙げると、ディスプレイサブシステムがタッチスクリーンを含む場合、ディスプレイデバイスは、少なくとも部分的にI/Oコントローラ740によって管理される入力デバイスとしても動作する。I/Oコントローラ740により管理される複数のI/O機能を提供する、デバイス700上の追加の複数のボタンまたは複数のスイッチもあり得る。
【0068】
一実施形態において、I/Oコントローラ740は、加速度計、カメラ、光センサまたは他の環境センサ、ジャイロスコープ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、またはデバイス700に含めることができる他のハードウェアなどの複数のデバイスを管理する。入力は、直接的なユーザのやりとりの一部であり得、システムの複数の処理に影響を及ぼす、システムに対する環境に関する入力(雑音のフィルタリング、輝度の検出に関するディスプレイの調節、カメラのためのフラッシュの適用、または複数の他の特徴など)を提供することであり得る一実施形態において、デバイス700は、バッテリ電力利用、バッテリの充電、及び省電力動作に関連する特徴を管理する電力管理750を含む。
【0069】
メモリサブシステム760は、デバイス700に情報を格納するメモリデバイス762を含む。メモリサブシステム760は、不揮発性(メモリデバイスへの電力が遮断された場合に状態が変化しない)および/または揮発性(メモリデバイスへの電力が遮断された場合に状態が不定である)メモリデバイスを含むことができる。メモリ760は、システム700のアプリケーション及び機能の実行に関連するシステムデータ(長期間であろうと、一時的であろうと)と同様に、アプリケーションデータ、ユーザデータ、音楽、写真、ドキュメント、または他のデータを格納できる。一実施形態において、メモリサブシステム760は、(システム700の制御の一部も考慮され得、プロセッサ710の一部として考慮される可能性がある)メモリコントローラ764を含む。メモリコントローラ764は、メモリデバイス762に対するコマンドを生成し、発行するスケジューラを含む。
【0070】
接続770は、デバイス700が外部デバイスと通信することを可能にするハードウェアデバイス(例えば、無線および/または有線コネクタ及び通信ハードウェア)及びソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)を含む。外部デバイスは、ヘッドセット、プリンタ、または他のデバイスなどの周辺機器と同様に、他のコンピューティングデバイス、無線アクセスポイント、または基地局などの別個のデバイスであり得る。
【0071】
接続770は、複数の異なるタイプの接続を含み得る。一般論を述べるべく、デバイス700はセルラー接続772および無線接続774と共に示されている。セルラー接続772は、概して、GSM(登録商標)(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ)または変形または派生、CDMA(符号分割多重アクセス)または変形または派生、TDM(時分割多重)または変形または派生、LTE(ロングタームエボリューション、「4G」としても称される)、あるいは他のセルラサービス規格などの無線キャリアにより提供されるセルラーネットワーク接続を指す。 無線接続774は、セルラーではない無線接続を指し、パーソナルエリアネットワーク(ブルートゥース(登録商標)など)、ローカルエリアネットワーク(WiFiなど)、および/またはワイドエリアネットワーク(WiMaxなど)、または他の無線通信を含むことができる。無線通信は、無形媒体を介して変調された電波放射の使用を介したデータ伝送を指す。有線通信は、有形通信媒体を介してもたらされる。
【0072】
複数の周辺接続780は、複数のハードウェアインターフェースおよび複数のコネクタ、並びに、周辺接続を実装する複数のソフトウェアコンポーネント(例えば、複数のドライバ、複数のプロトコルスタック)を含む。当然のことながら、デバイス700は、他のコンピューティングデバイスに対する周辺機器でもあり得る(「〜へ」782)とともに、周辺機器が接続されているデバイスでもあり得る(「〜から」784)。デバイス700は、一般に、デバイス700上のコンテンツの管理(例えば、ダウンロードおよび/またはアップロード、変更、同期)などを目的として他のコンピューティングデバイスに接続する「ドッキング」コネクタを有する。更に、ドッキングコネクタは、デバイス700が、例えば複数の視聴覚または他のシステムへ出力されるコンテンツを制御することを可能とする複数の特定の周辺機器に、デバイス700が接続することを可能とし得る。
【0073】
独自のドッキングコネクタまたは他の独自の接続ハードウェアに加えて、デバイス700は、共通の、または規格ベースの複数のコネクタを介して周辺接続780を実装し得る。複数の共通のタイプは、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ(多数の異なるハードウェアインターフェースのうちいずれかを含み得る)、MiniDisplayPort(MDP)を含むDisplayPort、High Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))、Firewire(登録商標)、または他のタイプを含み得る。
【0074】
一実施形態において、プロセッサ710は、メモリサブシステム760(例えば、バイトアドレス可能なメモリを含むことができる不揮発性メモリテクノロジーを使用するソリッドステートドライブ(SSD))に格納されたデータ上の動作を実行する。動作は、本明細書中に記載された任意の実施形態に従った多段読み取りを実行できるメモリまたはストレージデバイス上のメモリアクセスオペレーションを含むことができる。多段読み取りは、別個の別々の電圧レベルまで、選択されたメモリセルのビットライン電圧をランプアップすることを含む。一実施形態において、システムは、選択されたワードラインのキャパシタンスを制御すると同時に、ビットライン電圧をランプすることができる。多段読み取りは、読み取り動作が、読み取り動作中のメモリセルを介した改善されたセンスマージンおよび/または改善された最悪状況の電流引き込みをもたらすことを可能にする。
【0075】
一態様において、方法は、読み取りに選択されたメモリセルを有するメモリデバイスのワードラインを帯電する段階と、グローバルワードラインパスをワードラインからメモリセルを読み取る検知回路に接続するグローバルワードラインドライバを有効にし、ローカルワードラインパスを前記グローバルワードラインパスに接続するローカルワードラインドライバを有効にする段階と、グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされたローカルワードラインドライバを維持する段階と、選択されたメモリセルのビットラインに初期電圧を印加する段階と、ローカルワードラインドライバを無効にし、無効にされたグローバルワードラインドライバを維持する段階と、より高い電圧を前記ビットラインに印加する段階と、選択されたメモリセルを読み取る検知回路にメモリセルを接続すべく、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする段階とを含む。
【0076】
一実施形態において、メモリセルは、位相変更メモリエレメントを含む。一実施形態において、ビットラインに印加された初期電圧及びより高い電圧は、メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因して、期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する。一実施形態において、初期電圧を印加する段階は、ローカルワードラインドライバを無効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧を、ビットラインに印加する段階をさらに含む。一実施形態において、より高い電圧を印加する段階は、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧をビットラインに印加する段階をさらに含む。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効にする段階およびローカルワードラインドライバを無効にする段階は、メモリセルで見られるようにワードラインのキャパシタンスを動的に変更する段階を含む。一実施形態において、方法は、グローバルワードラインドライバを無効する段階及び有効にされたローカルワードラインドライバを維持する段階より前に、ビットラインの電圧をランプする段階をさらに含む。一実施形態において、方法は、初期電圧をビットラインに印加する段階及びより高い電圧をビットラインに印加する段階の両方の後に、メモリセルを読み取る検知回路に接続すべく、初期電圧をビットラインに印加する段階の後に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバの両方を有効にする段階をさらに含む。
【0077】
一態様において、ワードラインとビットラインとの間にメモリセルを有するメモリデバイスは、メモリセルが読み取り動作のために選択される時にメモリセルを読み取る検知回路と、関連するグローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有するワードラインと、複数の電圧レベルをビットラインに選択的に印加する関連するビットラインドライバを有するビットラインと、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを選択的に有効及び無効にし、ビットラインドライバに、電圧レベルをビットラインに印加させるロジックとを備え、グローバルワードラインドライバは、グローバルワードラインパスをワードラインに選択的に接続し、ローカルワードラインドライバは、ローカルワードラインパスをグローバルワードラインパスに選択的に接続し、ワードラインは、メモリセルを読み取るべく、グローバルワードラインパス及びローカルワードラインパスを介して検知回路に接続し、ロジックは、ワードラインが読み取り電圧に帯電された後、有効にされたローカルワードラインドライバを維持しながら、グローバルワードラインドライバを無効にし、ロジックは、グローバルワードラインドライバが無効にされ、ローカルワードラインドライバが有効にされている間に、ビットラインドライバに、初期電圧をビットラインに印加させ、ロジックは、さらに、ローカルワードラインドライバを無効にし、無効にされたグローバルワードラインドライバを維持し、ロジックは、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバが無効にされている間に、ビットラインドライバに、初期電圧より高い第2電圧をビットラインに印加させる。
【0078】
一実施形態において、メモリセルは、位相変更メモリエレメントを含む。一実施形態において、ビットラインに印加される初期電圧及び第2電圧は、メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因する期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する。一実施形態において、ロジックは、検知回路がメモリセルを読み取る前に、グローバルワードラインドライバが無効にされ、ローカルワードラインドライバが有効にされている間に、ビットラインドライバに、初期電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルをビットラインに印加させる。一実施形態において、ロジックは、検知回路がメモリセルを読み取る前に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバが無効にされている間に、ビットラインドライバに、第2電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルをビットラインに印加させる。一実施形態において、ロジックは、メモリセルで見られるようにワードラインのキャパシタンスを動的に変化させるべく、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを無効にする。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされたローカルワードラインドライバを維持する前に、ビットラインの電圧をランプするロジックをさらに含む。一実施形態において、ビットラインドライバが初期電圧を印加した後、及びビットラインドライバが第2電圧を印加した後の両方で、メモリセルを読み取る検知回路にメモリセルを接続すべく、ビットラインドライバに、初期電圧をビットラインに印加させた後に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にするロジックをさらに含む。
【0079】
一態様において、電子デバイスは、データを格納する、ワードラインとビットラインとの間にメモリセルを有するメモリデバイスを備え、メモリデバイスは、メモリセルが読み取り動作のために選択される時にメモリセルを読み取る検知回路と、関連するグローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有するワードラインと、複数の電圧レベルをビットラインに選択的に印加する関連するビットラインドライバを有するビットラインと、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを選択的に有効及び無効にし、ビットラインドライバに、電圧レベルをビットラインに印加させる、ロジックと、メモリデバイスからアクセスされるデータに基づいて表示を生成すべく結合されるタッチスクリーンディスプレイとを備え、グローバルワードラインドライバは、グローバルワードラインパスをワードラインに選択的に接続し、ローカルワードラインドライバは、ローカルワードラインパスをグローバルワードラインパスに選択的に接続し、ワードラインは、メモリセルを読み取るべく、グローバルワードラインパス及びローカルワードラインパスを介して検知回路に接続し、ロジックは、ワードラインが読み取り電圧に帯電された後、有効にされたローカルワードラインドライバを維持しながら、グローバルワードラインドライバを無効にし、ロジックは、グローバルワードラインドライバが無効にされ、ローカルワードラインドライバが有効にされている間に、ビットラインドライバに、初期電圧をビットラインに印加させ、ロジックは、さらに、ローカルワードラインドライバを無効にし、無効にされたグローバルワードラインドライバを維持し、ロジックは、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバが無効にされている間に、ビットラインドライバに、初期電圧より高い第2電圧をビットラインに印加させる。
【0080】
一実施形態において、メモリセルは、位相変更メモリエレメントを含む。一実施形態において、ビットラインに印加される初期電圧及び第2電圧は、メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因して、期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する。一実施形態において、ロジックは、検知回路がメモリセルを読み取る前に、グローバルワードラインドライバが無効にされ、ローカルワードラインドライバが有効にされている間に、ビットラインドライバに、初期電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルをビットラインに印加させる。一実施形態において、ロジックは、検知回路がメモリセルを読み取る前に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバが無効にされている間に、ビットラインドライバに、第2電圧のレベルを含む複数の異なる電圧レベルをビットラインに印加させる。一実施形態において、ロジックは、メモリセルで見られるようにワードラインのキャパシタンスを動的に変化させるべく、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを無効にする。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされたローカルワードラインドライバを維持する前に、ビットラインの電圧をランプするロジックをさらに含む。一実施形態において、ビットラインドライバが初期電圧を印加した後、及びビットラインドライバが第2電圧を印加した後の両方で、メモリセルを読み取る検知回路にメモリセルを接続すべく、ビットラインドライバに、初期電圧をビットラインに印加させた後に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にするロジックをさらに含む。
【0081】
一態様において、実行された場合に多段メモリセル読み取りを実行するための動作を実行する、格納されたコンテンツを有するコンピュータ可読記憶媒体を含む製品であって、コンテンツは、読み取りに選択されたメモリセルを有するメモリデバイスのワードラインを帯電する段階と、グローバルワードラインパスをワードラインからメモリセルを読み取る検知回路に接続するグローバルワードラインドライバを有効にし、ローカルワードラインパスをグローバルワードラインパスに接続するローカルワードラインドライバを有効にする段階と、グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされたローカルワードラインドライバを維持する段階と、選択されたメモリセルのビットラインに初期電圧を印加する段階と、ローカルワードラインドライバを無効にし、無効にされたグローバルワードラインドライバを維持する段階と、より高い電圧をビットラインに印加する段階と、選択されたメモリセルを読み取る検知回路にメモリセルを接続すべく、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする段階とを含む。
【0082】
一実施形態において、メモリセルは、位相変更メモリエレメントを含む。一実施形態において、ビットラインに印加された初期電圧及びより高い電圧は、メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因して、期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する。一実施形態において、初期電圧を印加する段階のためのコンテンツは、ローカルワードラインドライバを無効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧を、ビットラインに印加する段階のためのコンテンツをさらに含む。一実施形態において、より高い電圧を印加する段階のためのコンテンツは、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧をビットラインに印加する段階のためのコンテンツをさらに含む。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効にする段階およびローカルワードラインドライバを無効にする段階のためのコンテンツは、メモリセルで見られるようにワードラインのキャパシタンスを動的に変更する段階ためのコンテンツを含む。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効する段階及び有効にされたローカルワードラインドライバを維持する段階より前に、ビットラインの電圧をランプする段階のためのコンテンツをさらに含む。一実施形態において、初期電圧をビットラインに印加する段階の後、及びより高い電圧をビットラインに印加する段階の後の両方で、メモリセルを読み取る検知回路に接続すべく、初期電圧をビットラインに印加する段階の後に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバの両方を有効にする段階のためのコンテンツをさらに含む。
【0083】
一態様において、多段メモリセル読み取りを実行する装置は、読み取りに選択されたメモリセルを有するメモリデバイスのワードラインを帯電する手段と、グローバルワードラインパスをワードラインからメモリセルを読み取る検知回路に接続するグローバルワードラインドライバを有効にし、ローカルワードラインパスをグローバルワードラインパスに接続するローカルワードラインドライバを有効にする手段と、グローバルワードラインドライバを無効にし、有効にされたローカルワードラインドライバを維持する手段と、選択されたメモリセルのビットラインに初期電圧を印加する手段と、ローカルワードラインドライバを無効にし、無効にされたグローバルワードラインドライバを維持する手段と、より高い電圧をビットラインに印加する手段と、選択されたメモリセルを読み取る検知回路にメモリセルを接続すべく、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする手段とを含む。
【0084】
一実施形態において、メモリセルは、位相変更メモリエレメントを含む。一実施形態において、ビットラインに印加された初期電圧及びより高い電圧は、メモリデバイスの複数のメモリセルに対する複数のプロセス変動に起因して、期待閾電圧分布に基づいて決定された複数の電圧レベルを有する。一実施形態において、初期電圧を印加する手段は、ローカルワードラインドライバを無効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧を、ビットラインに印加する手段をさらに含む。一実施形態において、より高い電圧を印加する手段は、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバを有効にする前に、複数の異なる別々のレベルの電圧をビットラインに印加する手段をさらに含む。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効にし、ローカルワードラインドライバを無効にする手段は、メモリセルで見られるようにワードラインのキャパシタンスを動的に変更する手段を含む。一実施形態において、グローバルワードラインドライバを無効すること及び有効にされたローカルワードラインドライバを維持することより前に、ビットラインの電圧をランプする手段をさらに含む。一実施形態において、初期電圧をビットラインに印加する後、及びより高い電圧をビットラインに印加する後の両方で、メモリセルを読み取る検知回路に接続すべく、初期電圧をビットラインに印加することの後に、グローバルワードラインドライバ及びローカルワードラインドライバの両方を有効にするための手段をさらに含む。
【0085】
本明細書中では、フロー図は、様々な処理動作のシーケンスの一例を示す。フロー図は、物理動作と同様に、ソフトウェア、またはファームウェアルーチンにより実行される動作を示すことができる。一実施形態において、フロー図は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実装することができる有限状態機械(FSM)の状態を図示することができる。特定のシーケンスまたは順序について示しているが、他の規定がなければ、動作の順序は、変更されることができる。したがって、図示された実施形態は、一例としてのみ理解されるべきであり、処理は、異なる順序で実行されることができ、いくつかの動作は、並列に実行されることができる。更に、1または複数の動作は、様々な実施形態において省略されることができ、従って、全ての動作が、全ての実施形態において要求されない。他の処理フローは可能である。
【0086】
その範囲で、様々な動作または機能が本明細書中に記載され、それらは、ソフトウェアコード、命令、構成、および/またはデータとして記載または定義されることができる。コンテンツは、直接実行可能であり得(「オブジェクト」、または「実行可能な」フォーム)、ソースコード、または異なるコード(「デルタ」または「パス」コード)であり得る。本明細中に記載された複数の実施形態のソフトウェアコンテンツは、そこにコンテンツが格納される製品を介して、または通信インターフェースを介したデータを送信する通信インターフェースを処理する方法を介して、提供されることができる。機械読み取り可能な記録媒体は、機械に、記載された機能または動作を実行させることができる。機能または動作は、書き込み可/書き込み不可の媒体(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)など、機械(例えば、コンピューティングデバイス、電子システムなど)によりアクセス可能な形式で情報を格納する任意のメカニズムを含む。通信インターフェースは、メモリバスインターフェース、プロセッサバスインターフェース、インターネット接続、ディスクコントローラなどの他のデバイスと通信する任意のハードウェア、無線、光学などの媒体にインターフェースする任意のメカニズムを含む。通信インターフェースは、ソフトウェアコンテンツを記述するデータ信号を提供する通信インターフェースを準備する設定パラメータを提供、および/または信号を送信することにより構成されることができる。通信インターフェースは、通信インターフェースに送信される1または複数のコマンドまたは信号を介してアクセスされることができる。
【0087】
本明細書中に記載される様々なコンポーネントは、記述される動作または機能を実行するための手段であり得る。本明細書中に記載されるそれぞれのコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせを含む。コンポーネントは、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、特殊用途ハードウェア(例えば、アプリケーション特有のハードウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP))、組み込みコントローラ、ハードワイヤード回路などとして実装されることができる。
【0088】
本明細書中に記載されている内容の側面で、様々な変更が、こられの範囲からかけ離れずに、開示された発明の実施形態及び実装になり得る。従って、ここに記載した図及び例は、例として捉えられるべきであり、限定的に捉えられるべきではない。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に参照されることによりのみ評価されるべきである。