(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可撓性チューブと該可撓性チューブに満たされた流体を含んでなる模擬静脈が模擬動脈と並置され、模擬静脈を構成する可撓性チューブが近赤外光透過性であり、模擬静脈を構成する流体が近赤外光吸収性である請求項3記載の穿刺練習具。
【背景技術】
【0002】
カテーテルを用いた検査あるいは治療、例えば、心臓カテーテル検査においては、動脈を穿刺し、ガイドワイヤーの挿入、カテーテルの挿入が行われる。穿刺する部位は、橈骨動脈、上腕動脈、あるいは大腿動脈などである。これら動脈のうち橈骨動脈が、検査後の止血安静が確保しやすく、かつ、患者の行動拘束を必要としないことから、穿刺部位として適している。
【0003】
橈骨動脈の穿刺は、一般的に、触診によって橈骨動脈の走行を推定して行われるが、橈骨動脈の穿刺には高い技術が求められる。そこで、模擬血管に対して穿刺の練習を行えるようにした穿刺練習具が提案されている(特許文献1、2)。この穿刺練習具において模擬血管としては、ゴム製等の軟質チューブに、顔料や染料で赤く着色した模擬血液を脈動させて供給したものが使用されている。
【0004】
一方、橈骨動脈の穿刺を正確かつ容易に行えるようにするため、近赤外光を用いて血管画像を撮り、その画像を見ながら橈骨動脈の穿刺を可能とする血管可視化装置が提案されている(特許文献3)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の血管可視化装置における穿刺のように、近赤外光で撮った血管画像を見ながら動脈に穿刺する手技を習得すると、動脈の穿刺を正確かつ迅速に行うことが可能となる。しかしながら、従前の穿刺練習具は、近赤外光で模擬血管の血管画像を撮ることに対応しておらず、血管画像を見ながら穿刺する手技の練習をすることができない。
【0007】
これに対し、本発明は、近赤外光で撮った血管画像を見ながら血管に穿刺する手技の練習に有用な穿刺練習具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、穿刺練習具の模擬動脈を近赤外光吸収性材料から形成し、模擬血管を配置する基台や模擬血管に被せる模擬皮膚を近赤外光透過性材料から形成すると、近赤外光で穿刺練習具の模擬血管の血管画像を撮ることができ、穿刺練習具で血管画像を見ながら行う穿刺を練習できること、特に、血管壁に対応する模擬血管の可撓性チューブを近赤外光吸収性とすると、血液に対応する流体として水又は空気を使用しても血管画像を撮ることが可能となるので穿刺練習具の利便性が格段に向上し、さらに穿刺練習具のイニシャルコスト及びランニングコストを低減できることを見出し、本発明を想到した。
【0009】
即ち、本発明は、可撓性チューブと該可撓性チューブに満たされた流体を含んでなる模擬血管、模擬血管を配置する基台、及び基台に配置した模擬血管に被せられる不透明材料で形成された模擬皮膚を備えた穿刺練習具であって、
近赤外光で模擬血管の血管画像を形成できるように可撓性チューブ及び流体の少なくとも一方が近赤外光吸収性を有し、基台及び模擬皮膚が近赤外光透過性を有する穿刺練習具を提供する。特に、この穿刺練習具において、可撓性チューブが近赤外光吸収性である態様を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の穿刺練習具によれば、近赤外光を用いた撮像装置で模擬血管の血管画像を撮ることができる。したがって、近赤外光を用いて撮った血管画像を見ながら行う穿刺を練習し、習得することが可能となる。
【0011】
特に、模擬血管を形成する可撓性チューブを近赤外光吸収性とすると、可撓性チューブに満たす流体として水又は空気等を使用しても血管画像を撮ることが可能となるので、穿刺により流体が漏れて周囲を汚すなどの問題や、模擬血液として水又は空気等を使用できることによるランニングコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例の穿刺練習具と、該穿刺練習具を載置して穿刺の練習を行う血管可視化装置の斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、手首部分の模擬皮膚が閉じられている実施例の穿刺練習具の手首から指先にかけての部分の斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、手首部分の模擬皮膚が開けられている実施例の穿刺練習具の手首から指先にかけての部分の斜視図である。
【
図3】
図3は、手首部分の模擬皮膚が開けられている実施例の穿刺練習具の手首部分の上面図である。
【
図4】
図4は、手首部分の模擬皮膚が開けられている実施例の穿刺練習具の手首部分の断面図である。
【
図5A】
図5Aは、穿刺練習具を用いた穿刺の練習方法の説明図である。
【
図5B】
図5Bは、穿刺練習具を用いた穿刺の練習方法の説明図である。
【
図6A】
図6Aは、穿刺練習具におけるバルーン付穿刺針の使用方法の説明図である。
【
図6B】
図6Bは、穿刺練習具におけるバルーン付穿刺針の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0014】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施例の穿刺練習具1の全体構成と、この穿刺練習具1で模擬橈骨動脈の血管画像を見ながら穿刺の練習を行う血管可視化装置30の斜視図である。
【0015】
血管可視化装置30は、近赤外光を用いて血管画像を撮り、その画像を見ながら橈骨動脈の穿刺を可能とする装置であり、概略、手首を載せる載置台31、近赤外光を発する光源を備えた照射部32、照射部32が発した近赤外光により載置台31に載せた手首の血管画像を撮る撮像部34、血管画像を映すモニター35を有する。照射部32は、載置台31の載置面から突出した凸部33を有し、光源が発した近赤外光を、この凸部33から載置台31の載置面に載せた手首の背側に出射する。ここで、近赤外光としては、例えば、840〜950nmの光を使用することができ、光源としては、例えば、中心波長850nmのLEDを使用することができる。このような血管可視化装置30としては、例えば、株式会社プラス・メッド製、血管可視化装置(型式 PM−RAPN−D)を使用することができる。
【0016】
本実施例の穿刺練習具1は、このような血管可視化装置30を用いて、モニター35に映し出された模擬動脈の血管画像を見ながら穿刺する手技の練習を可能とするものである。そこで、この穿刺練習具1は、概略、可撓性チューブと該可撓性チューブに満たされた流体からなる模擬動脈2、模擬動脈2を構成する流体に脈動を与えるポンプ3、模擬動脈2を配置する基台4、基台4に配置した模擬動脈2に被せられる模擬皮膚5を有し、模擬動脈2を構成する可撓性チューブ及び流体の少なくとも一方が近赤外光吸収性であり、基台4及び模擬皮膚5がそれぞれ近赤外光透過性を有するように形成される。ここで近赤外光吸収性とは、例えば、波長840〜950nmの近赤外光の透過率が5%以下、好ましくは1%以下であることをいい、近赤外光透過性とは、同様の波長の透過率が10%以上、好ましくは50%以上であることをいう。近赤外光で撮影した画像において、近赤外光吸収性の部分が近赤外光透過性の部分に対して、十分に区別できる程度に、近赤外光透過性部分と近赤外光吸収性部分は、透過率に差があることが望ましい。なお、従来、食用色素で赤く着色した模擬血液が知られているが(例えば、特表2010−509621号公報等)、従来の模擬血液は近赤外光領域での吸収率が低く、近赤外光吸収像として明瞭な血管画像を形成することはできない。
【0017】
<模擬動脈>
実際の橈骨静脈では圧迫により虚脱が起こり、虚脱に応じて、血管可視化装置によって撮像された血管画像から橈骨静脈が消えるのに対し、橈骨動脈では虚脱が起こりにくく、橈骨静脈が血管画像から消えるときでも橈骨動脈の血管画像は維持され、これにより血管画像上で橈骨動脈と橈骨静脈の区別が可能となる。そこで、模擬動脈2を構成する可撓性チューブは、後述する模擬静脈8を構成する可撓性チューブに比して、模擬皮膚5上から模擬動脈2を圧迫してもつぶれにくいチューブ材料から形成されることが好ましい。即ち、模擬静脈8では、圧迫により可撓性チューブがつぶれ、可撓性チューブ内の流体が排除される状態(虚脱に対応する状態)が容易に起こるが、模擬動脈2では虚脱に対応する状態を起こりにくくすることが好ましい。
なお、模擬動脈2を形成する可撓性チューブには、ポンプ3で形成される流体の脈動を、模擬皮膚5上から触診できる程度の柔軟性はもたせることが好ましい。
【0018】
模擬動脈2の血管画像を形成できるようにするため、上述のように、可撓性チューブ及び流体の少なくとも一方を近赤外光吸収性とする。そこで、模擬動脈2を構成する可撓性チューブを近赤外光吸収性とするとき、可撓性チューブとしては、例えば、近赤外光吸収性の色素を分散させたシリコーンチューブ、塩化ビニルチューブ、天然ゴムチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリプロピレンチューブ等を使用することができる。これらは、市販されているものを使用することができ、例えば、株式会社ハギテック製カラーシリコンチューブ(型式:Si−2.0×0.28(S)、黒色)をあげることができる。一方、流体に近赤外吸収性をもたせ、可撓性チューブには近赤外光吸収性をもたせない場合、近赤外光吸収性の色素を含有しない一般的なシリコーンチューブ、塩化ビニルチューブ、天然ゴムチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリプロピレンチューブ等を使用することができる。
【0019】
可撓性チューブの太さに関しては、外径1.0〜4.0mm、内径0.8〜3.8mmとすることが好ましい。
【0020】
模擬動脈を構成する流体としては、水、油等の液体、又は空気などの気体を使用することができる。ただし、流体を近赤外光吸収性の液体とする場合、例えば、墨汁、近赤外光吸収性の色素の分散液、ヘモグロビンパウダー溶液、動物から採血した血液等を使用する。
【0021】
穿刺により、模擬動脈から流体が漏出して穿刺練習具やその周囲が汚れないようにする点からは、模擬動脈2は、近赤外光吸収性の可撓性チューブと、近赤外光透過性の無色の水、油等の液体又は空気等の気体を使用することが好ましく、特に、気体を使用する場合には、液漏れに伴う汚染の問題が生じないので好ましい。流体として、水や空気を使用する場合には、流体に要するコストが殆どかからないため、穿刺練習具1のイニシャルコストもランニングコストも低減させることができる。
【0022】
なお、穿刺練習具1において、可撓性チューブは取り替え可能に構成することが好ましい。
【0023】
模擬動脈2に脈動を与えるポンプ3としては、模擬動脈を構成する流体が液体の場合には、ローラー式、ダイヤフラム式、ピストン式、ベローズ式などのポンプを使用することができる。模擬動脈を構成する流体が気体の場合には、ダイヤフラム式、ピストン式、ベローズ式などのエアポンプを使用することができる。
【0024】
<基台>
図2Aは、実施例の穿刺練習具1の手首から指先にかけての部分の斜視図であり、
図2Bは、手首から指先にかけての部分で模擬皮膚5が開けられた状態の斜視図である。このように、この実施例の穿刺練習具1は、基台4が人の手首から指先にかけての外形を有している。なお、本発明において基台4の外形はこれに限られない。例えば、手首部分のみに対応する基台を概略直方体形状に形成してもよい。
【0025】
実際の手首には橈骨動脈の背後に橈骨があり、穿刺者が動脈に穿刺した針が動脈を突き抜け、橈骨に至る場合がある。そこで、穿刺練習者が模擬動脈2に穿刺した針が該模擬動脈2を突き抜けた場合に、実際に針が橈骨に達したときと同様の感覚を得られるように、基台4は、模擬動脈2を構成する可撓性チューブよりも硬質の材料で形成することが好ましい。
【0026】
また、
図3の手首部分の上面図、及び
図4の断面図に示すように、基台4には模擬動脈2が入る溝6を形成することが好ましく、さらに、該溝6内で模擬動脈2の横ずれを可能とする幅広部7を設けることが好ましい。実際の動脈の穿刺では、動脈が、穿刺した針から逃げるように横ずれする場合があるが、幅広部7があることにより模擬動脈2が横ずれしやすくなるので、そのような横ずれを起こさずに穿刺する手技を練習することができる。
【0027】
<模擬皮膚>
模擬皮膚5は、模擬皮膚5の下に位置する模擬動脈2を視認できないように、不透明材料から形成することが好ましい。さらに、穿刺感が人体に近い硬度の可撓性材料から形成することが好ましい。中でも、人体の皮膚を穿刺したかのような感触を再現するという点から低硬度・低粘度のシリコーン材料、ポリウレタン材料等から形成することが好ましい。
【0028】
また、穿刺の練習により繰り返し穴が開けられた模擬皮膚5を容易に交換できるように、模擬皮膚5は着脱自在とすることが好ましい。
【0029】
<模擬静脈>
実際の身体の手首では、橈骨動脈と橈骨静脈が並走していることから、穿刺練習具1でも模擬動脈2に模擬静脈8を並走させ、動脈でも静脈でも意図する血管に穿刺できるよう手技を練習することが好ましい。そこで、実際の手首における動脈と静脈の位置関係を模して
図3及び
図4に示すように模擬静脈8を部分的に分岐させ、模擬動脈2と同じ溝6内に模擬静脈8を入れることが好ましい。
【0030】
模擬静脈8も模擬動脈2と同様に可撓性チューブと流体から形成することができるが、前述のように、可撓性チューブとしては、模擬動脈2よりもつぶれやすい可撓性チューブを使用することが好ましい。
【0031】
模擬静脈8に脈動を持たせることは不要である。そのため、模擬静脈8を構成する可撓性チューブはポンプに接続しておらず、チューブの両端が弾性材料で形成された袋9(
図1)に接続されている。
【0032】
また、模擬静脈8に近赤外光吸収性をもたせるにあたり、模擬静脈8を構成する可撓性チューブを近赤外透過性とし、流体を近赤外吸収性とすることが好ましい。例えば、可撓性チューブを一般的なシリコーンチューブ、塩化ビニルチューブ、天然ゴムチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリプロピレンチューブ等の軟質チューブから形成し、流体を墨汁、近赤外光吸収性の色素の分散液、ヘモグロビンパウダー溶液、動物から採血した血液等の近赤外光吸収性の液体とする。これにより、模擬静脈8を圧迫すると、血管可視化装置で撮像された血管画像において容易に虚脱状態を形成することができる。したがって、模擬動脈2と模擬静脈2が重なるか、あるいは、隣接していることにより血管画像上これらが区別できない場合にこれらを圧迫することで、模擬静脈8を血管画像から消失させ、模擬動脈2は血管画像に維持させることができるので、模擬静脈8と模擬動脈2を区別することが可能となる。
【0033】
<穿刺練習具を用いた穿刺手技の練習方法>
図1に示した血管可視化装置30で本発明の穿刺練習具1を使用して動脈穿刺を練習する場合、同図に破線で示したように、血管可視化装置30の載置台31に穿刺練習具1の基台4を載せる。この場合、照射部32の凸部33上に穿刺練習具1の手首を配置し、手首の背側から照射光36を照射し、モニター35に血管画像を映す(
図4)。
【0034】
この穿刺練習具1によれば、まず、模擬皮膚5上から脈動を感じることができるが、単に脈動を感じた位置に穿刺しても、モニター35で血管画像を見ることにより、脈動を感じている位置と穿刺の位置とのずれや、穿刺時に模擬動脈2が逃げること等により、脈動から動脈の走行の位置を推定する方法だけでは、容易には穿刺できないことが体得され得る。
【0035】
次に、模擬皮膚5の上から模擬動脈2及び模擬静脈8を圧迫し、模擬静脈8を虚脱させることによりモニター35に映し出される血管画像において模擬静脈8を消失させ、模擬動脈2を残し、穿刺すべき位置を見定める。なお、圧迫を解除すると、消失した模擬静脈8の画像は速やかに回復する。
【0036】
こうして模擬動脈2の位置を見定め、穿刺する手技においては、模擬動脈2及び模擬静脈8を圧迫するときに、まず、
図5Aに示すように、親指と人差し指で模擬動脈2及び模擬静脈8の上を圧迫し、
図5Bに示すように、血流の上流から下流に向けて人差し指の圧迫位置をずらす。実際の静脈には血流の逆流を防止する弁があることから、逆方向に圧迫位置をずらすと静脈を虚脱させることができないためである。こうして模擬動脈2の位置をモニター35に映し出された血管画像によって確認できたら、速やかにその位置を穿刺する。
【0037】
模擬動脈2の穿刺の成否は、穿刺針への流体の流入と、モニター35に映された血管画像における模擬動脈2と穿刺針の位置から確認することができる。
【0038】
以上のようにして穿刺手技を習得することにより、実際の血管画像を用いた橈骨動脈の穿刺をより正確かつ迅速に行うことが可能となる。
【0039】
<変形態様>
図6Aに示すように、穿刺針10にバルーン11を接続し、模擬動脈2の穿刺によりバルーン11に液体又は気体、より好ましくは気体が流入するようにしてもよい。模擬動脈2を正しく穿刺できた場合には、
図6Bに示すようにバルーン11が膨らむことから、穿刺を正しくできたか否かを容易に判断することができる。
【0040】
また、穿刺針11に圧力センサを接続してもよい。圧力センサで計測される圧力の変化によっても、穿刺を正しくできたか否かを容易に判断することができる。
【0041】
上述した実施例では、橈骨動脈の穿刺手技の練習について述べたが、本発明の穿刺練習具は橈骨静脈の穿刺手技に使用することもできる。また、手首の血管に限らず、例えば、基台4、模擬皮膚5などを人体の前腕や足に似せて造形し、模擬血管を当該部位における血管配置とすることにより、本発明の穿刺練習具を前腕や足背における動脈又は静脈の穿刺手技の練習用に構成することもできる。
【0042】
さらに、穿刺練習の目的に応じて、ポンプで脈動性を持たせた模擬動脈、又は脈動性のない模擬静脈のいずれか一方を基台に配置し、穿刺練習具をコンパクトに構成してもよい。
【0043】
一方、近赤外光で血管画像を撮る装置で本発明の穿刺練習具を使用するにあたり、血管画像を形成する装置は、
図1に示した血管可視化装置30のように透過光画像を形成する装置に限られず、近赤外光の反射光画像を形成する装置であってもよい。
【0044】
また、本発明の穿刺練習具で穿刺練習を使用する装置は、近赤外光の透過光で血管画像を形成する装置でも、反射光で血管画像を形成する装置でも、撮像部34とモニター35とを別体とし、例えば、携帯端末に血管画像が映し出されるようにしたものでもよい。
【解決手段】穿刺練習具1が、可撓性チューブと該可撓性チューブに満たされた流体を含んでなる模擬血管(模擬動脈2、模擬静脈8)、模擬血管を配置する基台4、及び基台4に配置した模擬血管に被せられる不透明材料で形成された模擬皮膚5を備える。近赤外光で模擬血管の血管画像を形成できるように可撓性チューブ及び流体の少なくとも一方が近赤外光吸収性を有し、基台4及び模擬皮膚5が近赤外光透過性を有する。